第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

1.経営成績の分析

   (単位:百万円)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する四半期純利益

1株当たり

四半期純利益

(円 銭)

当第3四半期

連結累計期間

769,959

 79,010

 82,086

 56,183

387.81

前第3四半期

連結累計期間

900,728

 83,227

 84,384

 49,407

340.54

前年同期比

(%)

85.5

94.9

97.3

113.7

-

 

 当社グループは「2023中期経営計画」の初年度を迎え、基本コンセプト「明治ROESG®※経営の実践」に基づき、利益成長とサステナビリティ活動の同時実現に向けた取り組みを開始しました。

重点課題は以下のとおりです。

1.事業戦略

(食品セグメント)  (1)コア事業の成長力の回復

           (2)海外展開の強化

(医薬品セグメント) (1)ワクチン事業の強化

           (2)受託製造/受託製造開発(CMO/CDMO)事業の強化

(グループ全体)      新領域への挑戦

2.ROICの活用による経営管理体制強化

3.成長投資の継続と強固な財務基盤構築の両立

4.サステナビリティ2026ビジョンの着実な実行

 ※「ROESG」は一橋大学・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です。

 

 2022年3月期は、新型コロナウイルス感染症による世界経済や国内消費動向への影響が続くものと考えられます。

 食品セグメントでは、国内において消費者の健康や栄養に対する意識が変化する中で生まれる新たな需要を確実に捉えていきます。海外では引き続き中国における生産販売能力を強化し、次の成長の柱となる事業を育成します。

 医薬品セグメントでは、ヒト用ワクチン事業の強化と海外事業の伸長に取り組んでいます。国内における薬価改定の影響をカバーすべく、当社グループが持つ感染症に関する高い技術・設備や豊富な経験を活用し、外部の研究機関と協力の上、新型コロナウイルス感染症の不活化ワクチン開発と生産体制の整備を進めています。また、感染症領域のトップメーカーとして、事業基盤の強化と新薬の創出に向けて経営資源を集中するため、構造改革を推進しています。2021年9月には、当社の持分法適用関連会社であるDM Bio Limitedの株式全部を韓国の製薬会社である東亞ソシオグループに譲渡しました。2022年1月には、農薬製造販売事業を三井化学アグロ株式会社に譲渡しました。加えて、2022年4月には明治アニマルヘルス株式会社を設立し、動物薬事業と動物用ワクチン事業を統合する予定です。

 

 当第3四半期連結累計期間の売上高は 7,699億59百万円(前年同期比 14.5%減)、営業利益は 790億10百万円(同 5.1%減)、経常利益は 820億86百万円(同 2.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 561億83百万円(同 13.7%増)となりました。

 

 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発・供給の取り組みを次のとおり進めています。

 当社の事業子会社であるKMバイオロジクス株式会社(以下「KMバイオロジクス」)では、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めています。2020年9月には非臨床試験を開始し、2021年3月より国内第1/2相臨床試験、同年10月より第2/3相臨床試験を開始しました。加えて、この不活化ワクチンを国内に早期供給すべく、生産に必要な設備の整備も進めており、2021年12月には不活化ワクチンの試験検査を行う新棟が竣工しました。他の製造設備工事も計画通り進捗しています。

 アストラゼネカ株式会社(以下「アストラゼネカ」)が日本へ導入している新型コロナウイルスワクチンについて、KMバイオロジクスは、2021年3月よりアストラゼネカから供給された原液の製剤化を開始し、Meiji Seika ファルマ株式会社は、同年8月より同ワクチンの保管・配送・安全性情報収集の業務を開始しております。

 

セグメントの業績は、次のとおりです。

                                   (単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

食品

医薬品

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減

売上高

758,426

626,330

△132,095

143,441

144,404

962

901,868

770,735

△131,133

セグメント

利益

67,767

61,713

△6,054

15,737

18,388

2,651

83,505

80,102

△3,403

(注)売上高、セグメント利益は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。

 

セグメント別、事業別の概況は次のとおりです。

 

(1)食品

当セグメントには、ヨーグルト・チーズ事業 (プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ)、ニュートリション事業(乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容)、チョコレート・グミ事業、牛乳事業、業務用食品事業、フローズン・調理食品事業 (アイスクリーム、調理食品、デイリーファット)、海外事業(海外子会社、輸出)、その他・国内子会社 (国内独立系子会社、ガム、キャンデー、OTC)による製造・販売、運送等が含まれております。

 

売上高は、「収益認識に関する会計基準」等を適用した影響により、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。前第3四半期連結累計期間にも当該会計基準等を適用した比較では、前第3四半期連結累計期間並みとなりました。当該会計基準等を適用する前の事業別売上高の比較では、業務用食品事業や海外事業は前第3四半期連結累計期間を大幅に上回り、ニュートリション事業やチョコレート・グミ事業、その他・国内子会社は前第3四半期連結累計期間を上回りました。前年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による特需の反動などにより、ヨーグルト・チーズ事業や牛乳事業、フローズン・調理食品事業は前第3四半期連結累計期間を下回りました。

セグメント利益は、宣伝費などのコストコントロールに努めましたが、原材料コスト増に加え、ヨーグルト・チーズ事業の減収の影響をカバーしきれず、前第3四半期連結累計期間を下回りました。

 

 事業別の概況は次のとおりです。

 

■ヨーグルト・チーズ事業

売上高は前第3四半期連結累計期間を下回りました。体調管理意識の高まりや巣ごもり消費で好調に推移した前年の反動に加え、競争激化の影響によりプロバイオティクスは大幅な減収となりました。またヨーグルトやチーズも減収となりました。

営業利益は、減収や原材料コスト増の影響により前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。

 

■ニュートリション事業

売上高は前第3四半期連結累計期間を上回りました。スポーツプロテイン「ザバス」は、運動不足解消ニーズの高まりや顧客層の拡大により大幅な増収となりました。乳幼児ミルクや流動食も好調に推移しました。

営業利益は、販促費や減価償却費などが増加しましたが、増収により前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。

 

■チョコレート・グミ事業

売上高は前第3四半期連結累計期間を上回りました。健康志向チョコレートは大袋を中心に好調に推移しました。また、前年に通勤・通学時やオフィスでの需要減少で苦戦していたグミは前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。

営業利益は、減価償却費などが増加しましたが、増収により前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。

 

■牛乳事業

売上高は前第3四半期連結累計期間を下回りました。巣ごもり消費で好調に推移した前年の反動に加え、品目数削減の影響などにより減収となりました。

営業利益は前第3四半期連結累計期間より改善しました。減収の影響を販促費や生産体制の見直しによる経費削減によってカバーしました。

 

■業務用食品事業

 売上高は前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。外出自粛の影響で需要減となった前年の反動で、業務用クリーム、業務用乳製品が大幅な増収となりました。

 営業利益は、増収により前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。

 

■フローズン・調理食品事業

 売上高は前第3四半期連結累計期間を下回りました。前年の家庭内需要の反動により、デイリーファット(バター、マーガリン等)が減収となりました。また、前年の反動に加えて、天候不順の影響を受けたアイスクリームも減収となりました。

 営業利益は、コストコントロールに努めましたが、減収や原材料コスト増の影響により前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。

 

■海外事業

売上高は前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。中国の牛乳・ヨーグルト事業や菓子事業は減収となりましたが、アイスクリーム事業は大幅な増収となりました。加えて、新規連結の子会社が2社増えたことも寄与しました。

営業利益は、中国事業強化のため人件費やマーケティング費用が増加したことに加え、中国における牛乳・ヨーグルト事業の減収、米国事業での原材料コスト増の影響などにより、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。

 

■その他・国内子会社

売上高は、物流子会社1社が株式譲渡により連結対象子会社から除外された影響がありましたが、糖類を取り扱う商社や飼糧子会社などの増収により、全体では前第3四半期連結累計期間を上回りました。

営業利益は、増収により前第3四半期連結累計期間を上回りました。

 

(2)医薬品

当セグメントには、国内医薬品事業(ヒト用ワクチンを除く国内医薬品)、海外医薬品事業、ヒト用ワクチン事業、農薬・動物薬事業(農薬、動物薬、動物用ワクチン)による製造・販売が含まれております。

 

売上高は前第3四半期連結累計期間を上回りました。当該会計基準等を適用する前の事業別売上高の比較では、国内医薬品事業、海外医薬品事業、ヒト用ワクチン事業、農薬・動物薬事業の全事業で前第3四半期連結累計期間を上回りました。

セグメント利益は、国内医薬品事業やヒト用ワクチン事業が大幅な増益となったことで、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。

 

事業別の概況は次のとおりです。

 

■国内医薬品事業

売上高は、前年に新型コロナウイルス感染症拡大による医療機関受診患者数減少の影響を受けたアレルギー性疾患治療剤「ビラノア」や抗菌薬「メイアクト」が増収になったことに加え、アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの保管・配送・安全性情報収集に関する受託収入が発生したことから、前第3四半期連結累計期間を上回りました。

営業利益は、薬価改定の影響を受けましたが、増収により前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。

 

■海外医薬品事業

売上高は前第3四半期連結累計期間を上回りました。スペインや中国の子会社は新型コロナウイルス感染症拡大などの影響により減収となりましたが、インドの子会社は受託製造事業が好調に推移し、増収となりました。

営業利益は、インドの子会社の増収などにより、前第3四半期連結累計期間を上回りました。

 

■ヒト用ワクチン事業

売上高は前第3四半期連結累計期間を上回りました。アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン製剤化に関する受託収入が発生したことに加え、インフルエンザワクチンが増収となったことが寄与しました。

営業利益は、増収により前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。

 

■農薬・動物薬事業

 売上高は前第3四半期連結累計期間を上回りました。いもち病防除剤「オリゼメート」の原料調達不安が解消したことから増収となりました。

 営業利益は、原価の上昇により前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。

 

 

 食品セグメントにおいて、ヨーグルト・チーズ事業の前年の特需の反動減が想定よりも大きいことに加え、中国の牛乳・ヨーグルト事業や米国の菓子事業が計画を下回って推移しています。加えて、原材料コストやエネルギーコストの高騰が想定を上回るなど、厳しい環境が続いています。

 また、医薬品セグメントにおいては、今期見込んでいた受託収入が一部来期に発生する見込みとなったことに加え、農薬事業の譲渡価額は減額修正となっています。

 このような経営環境を踏まえ、第2四半期報告書に記載した2021年度の連結業績修正計画値を下回る見通しであることから、下記のとおり修正いたしました。

 

売上高:1兆 90億円

・食 品:8,236億円

・医薬品:1,868億円

営業利益:900億円(営業利益率:8.9%)

・食 品: 750億円(9.1%)

・医薬品: 165億円(8.8%)

ROE:13.0%

 

2.財政状態の分析

〔資産〕

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は 1兆1,615億17百万円となり、前連結会計年度末に比べて 945億16百万円増加しました。これは受取手形及び売掛金が 363億13百万円、現金及び預金が 226億47百万円、建設仮勘定が 214億48百万円増加したことによるものです。

 

〔負債〕

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は 4,650億76百万円となり、前連結会計年度末に比べて 574億34百万円増加しました。これは未払費用が 155億30百万円減少した一方、短期借入金が 279億56百万円、返金負債が 189億33百万円、支払手形及び買掛金が 111億89百万円、契約負債が 102億57百万円増加したことによるものです。

〔純資産〕

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は 6,964億40百万円となり、前連結会計年度末に比べて 370億82百万円増加しました。これは自己株式が 107億20百万円増加(純資産としては減少)した一方、利益剰余金が 321億59百万円、為替換算調整勘定が 72億56百万円増加したことによるものです。

 なお、自己資本比率は 56.5%(前連結会計年度末は 58.2%)となりました。

 

3.キャッシュ・フローの状況                              (単位:百万円)

区 分

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

64,203

75,099

10,896

投資活動によるキャッシュ・フロー

△73,338

△45,379

27,958

フリー・キャッシュ・フロー

△9,134

29,720

38,854

財務活動によるキャッシュ・フロー

29,390

△9,811

△39,201

現金及び現金同等物に係る換算差額

△736

1,895

2,632

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

19,518

21,804

2,285

現金及び現金同等物の期首残高

37,110

39,011

1,901

新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額

-

16

16

現金及び現金同等物の四半期末残高

56,629

60,832

4,202

 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が増加した一方で、仕入債務や契約負債の増加や税金等調整前四半期純利益の増加などにより、前第3四半期連結累計期間より 108億96百万円収入増の 750億99百万円の収入となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が増加した一方で、投資有価証券の取得による支出の減少や投資有価証券の売却による収入の増加や補助金の受取額の増加などにより、前第3四半期連結累計期間より 279億58百万円支出減の 453億79百万円の支出となりました。

 これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は前第3四半期連結累計期間より 388億54百万円収入増の 297億20百万円の収入(前第3四半期連結累計期間は 91億34百万円の支出)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの減少や自己株式の増加などにより、前第3四半期連結累計期間より 392億1百万円支出増の 98億11百万円の支出(前第3四半期連結累計期間は 293億90百万円の収入)となりました。

 これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は 608億32百万円となりました。

 

4.経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

 

5.会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

6.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

7.研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は260億66百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

8.従業員数

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員の状況に重要な変動はありません。

 

9.生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。

 

10.主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に関し、著しい変動及び変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

  当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。