第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、グループ理念に掲げる使命・役割のもと、「食と健康」の企業グループとしてお客さまの生活充実に貢献することで持続的な成長・発展をすべく全力を尽くし、あらゆるステークホルダーとの信頼に基づき企業価値の向上を図ってまいります。

 

[グループ理念]

私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、

        「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。

私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、

         日々の「生活充実」に貢献すること。

私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、

常に一歩先を行く価値を創り続けます。

 

[経営姿勢]  グループ理念を実現させていくにあたり、経営の基本姿勢を表明したものです。

1.「お客さま起点」の発想と行動に徹する。

2.「高品質で、安全・安心な商品」を提供する。

3.「新たな価値創造」に挑戦し続ける。

4.「組織・個人の活力と能力」を高め、伸ばす。

5.「透明・健全で、社会から信頼される企業」になる。

 

(2)中長期的な経営戦略と経営環境および優先的に対処すべき課題

当社グループは、移り変わる環境下にあってもグループ理念を体現し、成長し続ける企業グループであるために、2026年度(2027年3月期)までの長期ビジョンを策定し、その実現を目指しています。

実現に向けては3年ごとの中期経営計画を策定してより具体的な実行計画に落とし込み、取り組んでいます。

また、2021年6月1日にはグループスローガンを「健康にアイデアを」に刷新しました。当社グループは100年以上にわたり「おいしさ・楽しさ・健康・安心」の世界を拡げることに努めてまいりました。これからはグループ内外の食と医薬の知見を融合させ、新しい価値を創造します。特に「健康」というフィールドで「meijiらしい健康価値」を提供し、これまで以上に大きな役割を果たしていくことを目指します。「meijiらしい健康価値」とは、CURE(なおす)、CARE(まもる)、SHARE(わかちあう)のサイクルでひとりの健康をみんなの笑顔につなげていき、健康であることの幸せを周囲に拡げ、社会、地球が健康である「より良い未来」に貢献していくことです。

 

①長期ビジョン「明治グループ2026ビジョン」(2018年5月発表)

目指す企業グループ像

明治グループ100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本、世界で成長し続ける。

 

目標水準

・営業利益成長率 1桁台半ば以上(年平均)

・海外売上高比率 20%を目指す

・ROE     10%以上を維持

 

重点方針

1.コア事業での圧倒的優位性の獲得

2.海外市場での成長基盤の確立

3.健康価値領域での新たな挑戦

4.社会課題への貢献

 

同ビジョンの実現に向けては、上記の重点方針に沿って策定した「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」をもとに、活動を推進しています。

 

事業ビジョン

(食品セグメント)

国内ではコア事業であるヨーグルト、チョコレート、栄養食品に注力すると同時に、さらなる事業ポートフォリオの強化を目指します。海外では、各地域で明治らしい、差別化された商品を展開し、独自のポジションを確立します。そしてブランド認知を獲得し、成長を加速させます。

 

(医薬品セグメント)

感染症治療薬やジェネリック医薬品、バイオ医薬品などを国内のみならず、海外展開も含めてトータルで拡大します。特に感染症領域ではアジアのリーディングカンパニーとなるべく、生産能力、研究開発、普及活動をそれぞれ強化します。

 

(グループ全体)

食品、医薬品の各事業で培ったノウハウ・強みを生かすとともに、オープンイノベーションにより社外の知見を積極的に取り入れることで、健康・予防領域における独自価値の創出を目指します。

 

サステナビリティビジョン

人びとが健康で安心して暮らせる持続可能な社会の実現を目指して、事業を通じた社会課題の解決に貢献すべく、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」を主要活動テーマに掲げ、推進します。

 

経営基盤ビジョン

機能的・戦略的なマネジメント体制の確立や、一人一人の力が発揮できる環境・仕組み・風土づくり、さらにはmeijiブランドの進化に向けた取り組みを推進します。

 

②経営環境および優先的に対処すべき課題

当社グループを取り巻く市場環境は、競争の激化、原材料市況や為替の変動などに加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた市場構造や消費マインドの変化など、不透明な状況が続いています。また、気候変動や環境問題への対応、人権や多様性の尊重、持続可能な調達活動など、企業が果たすべき役割や責任も増大しています。企業価値評価の考え方も大きく変わっており、企業の持続可能性、リスクへの強靭性、社会への貢献度が重視されています。

 

このような環境下において、当社グループはグローバルで健康・栄養の社会課題の解決に貢献できる企業として持続的な成長を目指すべく、以下の課題に適切に取り組んでまいります。

 

・事業活動とサステナビリティ活動が相互に矛盾せず、同時に実現できるビジネスモデルの確立を目指します。社会課題解決への取り組みは事業成長やイノベーションのためのシーズであり、新たな価値創造に果敢に挑戦します。

・経営効率や資本コストを意識した経営管理体制に転換し、最適な事業ポートフォリオを構築し、資本生産性のさらなる向上を目指します。

・赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代の「こころとからだの健康」に貢献するユニークな企業グループとしての強みに磨きをかけ、グループシナジーの創出を実現します。

 

③2023中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)

当社グループは創業から続く「健康価値の提供」を再認識し、世界の人びとや社会と健康をシェアするサステナブルな企業グループとして成長することを目指します。

 

「2023中期経営計画」では従来の売上高や営業利益などの成長性・収益性の目標指標に加えて、新たに明治ROESG®※を掲げます。明治ROESG®はROEとESG指標に、明治らしいサステナビリティ目標を加えた独自の指標です。これを役員報酬と連動させることにより、その実効性を担保します。また、ROICも資本生産性や効率性の目標指標として新たに設定します。事業別にROICを活用して効率性や収益性を管理することで資本コストを意識した事業運営を徹底し、事業ポートフォリオ戦略の権限や責任体制を明確化します。設備投資や研究開発投資の評価としても活用し、グループ全体の経営管理体制を強化します。

※ROESGは一橋大学教授・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です。

 

0102010_001.png<明治ROESG®>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目標指標

 

指標

2020年度 実績

(2021年3月期)

2023年度 目標

(2024年3月期)

統合目標

明治ROESG®

9ポイント

13ポイント

成長性・収益性

連結売上高

1兆1,917億円

1兆800億円

・食品セグメント

9,996億円

8,745億円

・医薬品セグメント

1,936億円

2,090億円

連結営業利益(率)

1,060億円

(8.9%)

1,200億円

(11.1%)

・食品セグメント

874億円

1,020億円

・医薬品セグメント

191億円

185億円

海外売上高

868億円

1,345億円

効率性・安全性

ROIC

10.0%

10%以上

・食品セグメント

12.5%

12%以上

・医薬品セグメント

6.1%

6%以上

株主還元

ROE

11.1%

11%以上

※2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用するため、上記の目標値は当該会計基準等を適用した後の金額となっております。

 

具体的な戦略のポイントは以下のとおりです。

 

事業戦略

(食品セグメント)

・コア事業の成長力の回復

ヨーグルトやプロバイオティクスは、既存商品の機能やエビデンスを強化するとともに、新たな健康価値を持った新製品の開発にも取り組みます。

ニュートリションでは、引き続きスポーツプロテイン「ザバス」の売上拡大に取り組むとともに、乳幼児ミルクや流動食は提供価値の拡充によるシェア拡大を目指します。

チョコレートは、カカオの価値を生かした新たな商品開発にチャレンジします。サステナブルカカオ調達を推進し、商品の付加価値化をさらに進めます。また、生産体制の最適化に取り組みます。

・海外展開の強化

特に注力する中国エリアでは、牛乳・ヨーグルト、菓子、アイスクリームの各事業において生産能力を大幅に拡大し、売上成長を加速します。また、プロバイオティクスや「ザバス」の売上拡大にも取り組み、次の成長の柱として育成します。

 

 

(医薬品セグメント)

毎年実施される国内の薬価改定や受診行動の変化による影響に左右されない、強固な事業ポートフォリオを構築します。

 

・ワクチン事業の強化

製販一体となったサプライチェーンマネジメントをさらに強化します。また、研究開発における社内外の連携を強化するとともに、新たな創薬技術の構築にも取り組みます。

・受託製造/受託製造開発(CMO/CDMO)事業の強化

海外市場に向けては、既存顧客との取引拡大や新規取引の獲得に取り組み、生産能力も増強します。また、研究開発力を強化して競争優位性を確保するとともに、医薬品アクセス向上に対応します。

日本市場に向けては、日本水準の高い品質と低コストでの製造が可能なインド子会社の大規模生産能力を活用し、取引拡大を目指します。

 

(グループ全体)

・免疫領域での貢献

抗老化素材の事業化や免疫増強物質の創出など、健康寿命延伸に向けた新たな価値提供に取り組みます。

・オープンイノベーションの推進

外部との連携を強化し新規事業の創出を目指します。「明治アクセラレータープログラム」をはじめとする複数の創発プログラムを新設・実行するとともに、新しい技術を持つスタートアップ企業やベンチャー企業を探索します。

 

財務戦略

・ROICの活用により経営管理体制を強化し、資本生産性の向上に取り組みます。

・資本配分については、営業キャッシュフローの範囲内で成長投資を実施するとともに、継続的な増配を目指します。また最適資本構成の観点から自己株式の取得も検討します。政策保有株式は30%削減(簿価ベース)します。

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サステナビリティ戦略

各活動テーマの中で以下の取り組みを重点的に進めます。

 

(こころとからだの健康)

・事業を通じた健康な食生活への貢献

健康志向商品や付加価値型栄養商品を創出し、健康な食生活や食文化の普及・啓発に取り組みます。

・新興・再興感染症への対応

新型コロナウイルスワクチンの開発・供給に取り組むとともに、デング熱などのワクチン開発を進めます。

 

(環境との調和)

・気候変動への対応

再生可能エネルギーの活用を強化します。また、SBT※1認定の取得やインターナルカーボンプライシング※2の導入、特定フロン全廃に向けた取り組みを進めます。

※1: Science Based Targetsの略。科学と整合した目標設定

※2: 企業内での炭素の価格付け

・プラスチック資源循環の推進

引き続き、容器包装の軽量化や紙製への変更などの「リデュース」の取り組みを進めるとともに、バイオマスプラスチックや再生プラスチックの使用を拡大します。

・水資源の確保

水使用量を削減するとともに水源保全活動を進め、水リスクに対応します。

 

(豊かな社会づくり)

・多様性の尊重

ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを進めます。

・人権の尊重

人権デュー・ディリジェンスを実施し、適切に情報を開示します。

・働きやすい職場づくり

会社と健康保険組合で構成する「健康経営推進委員会」にて、健康経営の重点目標を設定し、積極的に推進します。

 

(持続可能な調達活動)

人権・環境に配慮して原材料を調達します。責任あるサプライチェーンを構築するとともに、サステナブルカカオ豆、認証パーム油、環境配慮紙の計画的な調達を進めます。

 

また、ESG投資枠を設定し、CO2排出量の削減や脱フロン対策、プラスチック使用量の削減、水資源の確保、医薬品の安定供給に関連した取り組みを円滑に遂行します。

項目

主な投資内容

CO2排出量の削減

・省エネ機器の導入

・太陽光発電設備の導入 など

脱フロン対策

・ノンフロン冷蔵・冷凍設備の導入

プラスチック使用量の削減

・容器包装軽量化のための設備投資

・環境に配慮型した容器包装の設備導入

水資源の確保

・水の効率的な使用に資する設備の導入

・水質改善設備の導入

その他

・医薬品安定供給に資する設備導入 など

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループでは、企業活動に重大な影響を及ぼす緊急事態発生時の対応だけでなく、さまざまな経営リスクを未然に防ぎ、軽減・回避措置を講じることが重要であるとの考えに基づき、リスクマネジメントを推進しています。

 

(1) リスクマネジメント体制

当社グループでは、「明治グループ2026ビジョン」実現に向けて新たな成長を推進するために、グループ全体の経営リスクを把握しリスク低減に取り組むと同時に、適切なリスクテイクに資するリスクマネジメント体制を構築しております。

当社は、グループ全体の経営リスクのマネジメント機能を強化するため、2021年4月にリスクマネジメント全般を担う部門としてリスクマネジメント部を設置し、経営リスクをグループビジョンと一体化して当社の経営会議および取締役会で評価・確認することで、より経営環境の変化に即したリスクマネジメントを実行できる体制としています。

また、食品事業、医薬品事業それぞれの業態に適したリスクマネジメント体制の構築を推進しており、定期的に情報の共有、課題抽出および解決を行っています。各事業に共通するリスクやグループ全体に影響を及ぼすリスクは、全社で速やかに情報を共有する体制を備え、早期の感知・対応に努めています。

 

<リスクマネジメント体制>

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(2) 当社グループにおける経営リスク

全社横断的な経営視点で適切にリスクを把握し、影響度を考慮した対応策を策定することは、リスクの軽減はもちろん、明治グループの持続的成長および新たな成長機会の獲得にもつながります。そこで「明治グループ2026ビジョン」で掲げる3つのビジョン「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」に沿って、「明治グループにおける経営リスク」を特定しました。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

下表の将来に関するリスクは、当社の中長期的な経営戦略に基づき、分類したものです。グループにおける重要度は、リスクが顕在化する可能性や顕在化した場合のグループへの影響度などを考慮し、当社グループが判断したものです(より重要度が高いと判断したものを◎の記載としています)。

また、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであり、全ての事業等のリスクを網羅したものではありません。

 

 

リスク

対応策

リスク認識の前年からの

変化

グループにおける

重要度

1 事業に関するリスク

1.1 製品・サービスの販売・提供

・計画した製品の上市断念

・お客さまのライフスタイル・価値観の変化

・当社の強みとする素材(乳・カカオ等)へのネガティブな風評

・POC(Proof of Concept)の確実な取得

・市場トレンドの積極的情報収集

・環境や社会に配慮した商品開発

・明治らしい社会課題解決型製品・サービスの創出

・製品・素材に関する適切な情報発信

1.2 特定製品への

利益偏重

・売上・利益構成比の高い製品の販売不振

・独自価値を最大化するマーケティング施策の実行

・製品ポートフォリオマネジメントの充実

・新市場や新規領域の探索

1.3 サプライチェーン

・原材料の調達不足・余剰、価格高騰

・生乳調達の困難化

・生産トラブル等による生産活動の停止

・物流起因による製品供給の不安定化

・原材料市場の積極的情報収集および調達戦略推進

・調達先の分散や代替原料の検討

・生産販売部門の連携強化

・省人/無人化による物流効率化

1.4 技術進歩

・デジタル技術の急速な進歩

・画期的な治療法・製法・製剤の台頭

・新技術導入検討の早期着手

・新たな製法・製剤の研究、アライアンス探索

1.5 法・制度

・企業活動に大きく影響する諸制度の改正

・薬価改定

・諸制度改正の早期情報入手と対応策の実施

・行政への適切な働きかけ

・薬価改定を受けない製品ポートフォリオの充実

1.6 海外展開、

海外グループ会社

・社会情勢の急激な変化や戦争・テロの発生

・諸外国における想定を大きく超える諸制度の改正

・情報収集および対応策の早期検討・実施

・複数拠点からの製品供給体制の構築

1.7 事業計画

・環境変化等によるビジョン、中期経営計画の未達成

・コア事業の成長鈍化、海外市場や新規領域における計画未達

・固定資産・のれんの減損

・為替・金利変動

・独自価値のさらなる強化、新たな価値の継続的な探索

・海外市場における独自価値の提供

・収益性、成長性、生産性の観点での事業ポートフォリオ管理

・投資、M&A計画における適切な意思決定、モニタリングの実施

・為替予約および固定金利での借入

 

 

 

リスク

対応策

リスク認識の前年からの

変化

グループにおける

重要度

2 サステナビリティに関するリスク

2.1 環境との調和

・企業活動における環境への配慮

・CO2排出量・フロン漏洩量の削減、再生可能エネルギーへの転換、排水・廃棄物処理の適正実施、ISO14001に準じた取組み

・需給管理の徹底やフードロス対策

・環境に関する各種方針、ポリシー等の徹底

2.2 気候変動

・気候変動への対応

・TCFDの枠組みに沿った気候変動シナリオ分析と戦略策定および情報開示

2.3 豊かな社会

づくり

・持続可能な原材料調達

・人権への配慮、人権課題

・多様性への理解、多様な人材の活用

・サステナブル調達原料(カカオ豆・パーム油)の比率向上

・酪農家をはじめとするサプライヤーとの協業・連携強化

・人権デュー・ディリジェンスを踏まえた課題解決の取組み

・多様な価値観・能力を活かし合う組織・風土づくり

・調達、人権、社会等に関する各種方針、ポリシー等の徹底

3 経営基盤に関するリスク

3.1 ガバナンス

・適時適切な経営の意思決定

・社内外のコンプライアンス違反

・取締役会の実効性の向上

・グループガバナンス体制の強化

・コンプライアンス・ソーシャルメディア利用の教育、各種方針・ポリシーの社内外への徹底

3.2 明治ブランド

の毀損

・品質不備、薬品の予期せぬ副作用などによる製品回収

・当社グループまたは製品への予期せぬ風評被害

・安全安心の徹底追求

・各ステークホルダーとの適切なコミュニケーション

3.3 人材・風土

・企業成長に必要な人材獲得および能力開発

・従業員エンゲージメント

・業務環境による生産性への影響

・サクセションプランの適切な運用

・従業員研修の充実

・従業員エンゲージメント向上施策の実行

・健康経営の推進、快適な職場づくり

3.4 情報資産の

漏洩

・不正アクセス等による情報漏洩やシステム機能の停止

・不適切な管理体制による情報の流出

・情報管理体制および情報セキュリティの強化

・情報管理の教育強化と各種規程・ポリシーの徹底

3.5 災害や不測の

事態

・災害やパンデミックなど予期せぬ非常事態による企業活動の停滞・中止

・非常事態下の環境変化による製品需要の増減

・早期的回復に向けたBCP、リスクマネジメント計画の整備

・グループとして幅広い製品ポートフォリオ保持

 

Meiji Seika ファルマ㈱が販売するイトラコナゾール錠への小林化工㈱(製造販売業者)による睡眠導入剤の混入事件を受け、Meiji Seika ファルマ㈱は、小林化工㈱が製造する製品の出荷停止および自主回収を実施しました。これを受け、当社グループは、製造委託先および共同開発先に対する信頼性保証体制の確認・強化に取り組んでまいります。

当社グループでは、生活に必要な食品や医薬品を製造するメーカーとしての供給責任を果たすべく、国内外の全ての工場において、衛生管理を徹底し安全な労働環境の整備を行ったうえで、生産活動を続けております。また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大したことによる、予防・健康志向の更なる高まり、Eコマースの更なる拡大、働き方の変化、医療機関受診スタイルの変化などの環境変化に対し、引き続き安定的な製品供給に努めるとともに、新型コロナウイルスワクチンの開発・供給や“ウィズコロナ”という新しい社会に適合した商品提案など必要な対策を速やかに実施することにより「食と健康」に関わるグループとしての責務を果たしてまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

①事業全体の状況

   (単位:百万円)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

1株当たり

当期純利益

(円 銭)

当連結会計年度

1,191,765

106,061

110,176

65,655

452.52

前連結会計年度

1,252,706

102,710

103,326

67,318

464.08

前年同期比(%)

95.1

103.3

106.6

97.5

-

 

当社グループは「2020中期経営計画」の基本コンセプトである「継続的戦略課題への取り組み」と「成長に向けた新たな挑戦」に基づき、「コア事業での高シェア・高収益の実現」「海外市場での成長基盤の確立に向けた積極的な事業拡大」「健康を軸とした新たな価値領域での仕掛け」「構造改革の継続的な実行と個別事業課題の克服」「経営基盤の進化とサステナビリティの推進」の5つの重点方針のもとに取り組みを進めました。

 

2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、食品セグメントでは個人消費動向が不安視され、医薬品セグメントでは医療機関受診患者数が大幅に減少していることに加えて薬価改定の影響を受けるなど、厳しい環境下での事業展開となりました。その中で、両セグメントともに生活に必要な食品・医薬品の安定供給に万全を期すとともに、費用の効率的な支出に取り組みました。また「2020中期経営計画」に沿って、コア領域・成長領域に経営資源を重点的に投下し、生産性向上の取り組みも進めました。

 

この結果、当連結会計年度の売上高は 1兆1,917億65百万円(前期比 4.9%減)、営業利益は 1,060億61百万円(同 3.3%増)、経常利益は 1,101億76百万円(同 6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は656億55百万円(同 2.5%減)となりました。また、ROEは 11.1%、1株当たり当期純利益は 452.52円となりました。

 

当社グループでは、世界的な脅威となっている新型コロナウイルス感染症の予防に貢献すべく、ワクチンの開発・供給の取り組みを次のとおり進めています。

 

当社の事業子会社であるKMバイオロジクス株式会社(以下「KMバイオロジクス」)では、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と協業し、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めています。2020年5月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する創薬支援推進事業の公募研究開発課題「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型)」1次公募に採択され、8月には同2次公募にも採択されました。9月には非臨床試験を開始し、2021年3月22日より国内第1/2相臨床試験を開始しました。加えて、この不活化ワクチンを国内に早期供給すべく、2020年7月に厚生労働省「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第1次公募)」の事業者に採択され、生産に必要な設備の整備も進めています。

 

2020年6月に、当社の事業子会社である Meiji Seika ファルマ株式会社(以下「Meiji Seika ファルマ」)とKMバイオロジクスは、アストラゼネカ株式会社(以下「アストラゼネカ」)が日本へ導入する新型コロナウイルスワクチンについて、国内安定供給に向けた協議を進めることに合意しました。2021年2月には、Meiji Seika ファルマとKMバイオロジクスはそれぞれアストラゼネカと業務委受託契約を締結しました。契約に基づき、KMバイオロジクスは「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」で整備した設備を活用し、3月19日よりアストラゼネカから供給された原液の製剤化(バイアル充填・包装)を開始しました。Meiji Seika ファルマは自らが保有するワクチン流通・供給体制を活用してアストラゼネカのワクチンの保管・配送を担当し、KMバイオロジクスが製剤化する分を含め国内に供給する予定です。また、必要に応じて情報提供や安全性情報の収集を実施します。

 

②セグメントの状況

   (単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

食品

医薬品

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減

売上高

1,049,559

999,673

△49,885

204,354

193,664

△10,689

1,253,914

1,193,338

△60,575

セグメント

利益

87,340

87,463

122

15,984

19,105

3,121

103,324

106,568

3,244

(注)売上高、セグメント利益は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。

 

セグメントの業績の詳細は、次のとおりであります。

 

Ⅰ.食品

当セグメントには発酵デイリー(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)、加工食品(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)、菓子(チョコレート、グミ、ガム等)、栄養(スポーツ栄養、乳幼児ミルク、流動食、美容、OTC等)、海外、飼料、砂糖及び糖化穀粉等の製造・販売、運送等が含まれております。

 

売上高は前連結会計年度を下回りました。栄養事業や海外事業は前連結会計年度を上回り、加工食品事業は前連結会計年度並みとなりました。発酵デイリー事業や菓子事業は前連結会計年度を下回りました。また、その他国内子会社は、株式譲渡により3社が連結対象子会社から除外されたことなどにより、前連結会計年度を大幅に下回りました。

セグメント利益は、前連結会計年度並みとなりました。減収の影響を販促費などのコストコントロールによりカバーしました。

 

事業別の概況は、次のとおりです。

 

■発酵デイリー事業(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)

売上高は、一部商品の販売終了や販売エリア縮小の影響により前連結会計年度を下回りました。体調管理意識の高まりや巣ごもり消費の拡大を背景に「明治おいしい牛乳」は増収となりました。「ザバスミルクプロテイン」は運動不足解消ニーズの高まりにより、大幅な増収となりました。プロバイオティクスは当第3四半期までは好調に推移しましたが、前第4四半期に急激な需要の増加があった反動を受け、前連結会計年度並みとなりました。

営業利益は、販促費や減価償却費などの減少により前連結会計年度を大幅に上回りました。

 

■加工食品事業(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)

売上高は前連結会計年度並みとなりました。家庭内需要の拡大により市販アイスクリームや市販チーズは好調に推移しました。外出自粛要請などの影響を受けた業務用食品は前連結会計年度を下回りました。

営業利益は、物流費や減価償却費などの増加により前連結会計年度を大幅に下回りました。

 

■菓子事業(チョコレート、グミ、ガム等)

売上高は前連結会計年度を下回りました。「きのこの山・たけのこの里」や健康志向チョコレートは好調に推移しましたが、コンビニエンスストア向け商品が減収となり、チョコレート全体では減収となりました。また、グミやガムは通勤・通学時やオフィスでの需要減少により大幅な減収となりました。

営業利益は、販促費などの経費削減に努めましたが、減収の影響により前連結会計年度を大幅に下回りました。

 

■栄養事業(スポーツ栄養、乳幼児ミルク、流動食、美容、OTC等)

売上高は前連結会計年度を上回りました。スポーツプロテイン「ザバス」は、運動不足解消ニーズの高まりや顧客層の拡大により大幅な増収となり、流動食「明治メイバランス」も好調に推移しました。一方、インバウンド需要の減少により乳幼児ミルクは減収となり、スポーツアミノ酸「ヴァーム」はスポーツイベントの減少により大幅な減収となりました。

営業利益は、2019年11月に稼働した粉末プロテイン工場の減価償却費が増加しましたが、増収による効果と経費削減に努めたことにより、前連結会計年度を上回りました。

 

■海外事業(海外子会社、輸出)

売上高は前連結会計年度を上回りました。中国子会社の牛乳・ヨーグルト事業は前連結会計年度並みとなりましたが、菓子事業やアイスクリーム事業は巣ごもり消費の拡大により増収となりました。米国子会社は減収となりました。

営業利益は、販促費の増加などにより前連結会計年度を大幅に下回りました。

 

■その他国内子会社(飼料、砂糖及び糖化穀粉、運送等)

売上高は、畜産品などの子会社3社が株式譲渡により連結対象子会社から除外されたことに加え、物流子会社や砂糖商社などの減収により、前連結会計年度を大幅に下回りました。

営業利益は、減収の影響により前連結会計年度を下回りました。

 

Ⅱ.医薬品

当セグメントには、医療用医薬品及び農薬・動物薬等の製造・販売が含まれております。

 

売上高は前連結会計年度を下回りました。国内事業は、薬価改定に加えて新型コロナウイルス感染症拡大の影響により減収となりました。海外事業も同感染症拡大の影響により、前連結会計年度を大幅に下回りました。KMバイオロジクスは主力品の増収により、前連結会計年度を上回りました。

セグメント利益は、国内事業は大幅な減益となりましたが、海外事業とKMバイオロジクスは大幅な増益となり、全体では前連結会計年度を大幅に上回りました。

 

事業別の概況は、次のとおりです。

 

■国内事業

売上高は前連結会計年度を下回りました。接種意向の高まりを背景にインフルエンザワクチンは大幅な増収となりました。新型コロナウイルスワクチンの取り組みに関する一時金収入も寄与しました。一方、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて医療機関受診患者数が減少したことにより、抗菌薬「メイアクト」やジェネリック医薬品は大幅な減収となりました。抗うつ薬「リフレックス」も薬価改定の影響により大幅な減収となりました。

営業利益は、前連結会計年度を大幅に下回りました。経費削減に努めましたが、主力品の減収と薬価改定の影響を大きく受けました。

 

■海外事業

売上高は前連結会計年度を大幅に下回りました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた中国の子会社は、大幅な減収となりました。

営業利益は、前連結会計年度を大幅に上回りました。インドやタイなどの子会社における経費削減が寄与したことに加え、ロイヤリティー収入が増加しました。

 

■KMバイオロジクス

売上高は、主力のインフルエンザワクチンが大幅に伸長したことに加え、日本脳炎ワクチン「エンセバック」及びB型肝炎ワクチン「ビームゲン」が好調に推移し、前連結会計年度を上回りました。

営業利益は前連結会計年度を大幅に上回りました。増収の影響に加え、インフルエンザワクチンの生産効率が向上したことや棚卸評価減の金額が減少したことなどが寄与しました。

 

③2020中期経営計画の振り返り(2019年3月期~2021年3月期)

当連結会計年度は「2020中期経営計画」の最終年度であり、売上高、営業利益(率)、海外売上高、ROEの目標指標の達成を目指してまいりました。中期経営計画の3か年で上昇・改善した指標もありましたが、目標達成には至りませんでした。売上高は、1兆3,500億円の目標値に対し、1兆1,917億円で未達となりました。営業利益も1,250億円の目標値に対し、1,060億円で未達となったものの、9期連続の増益、かつ過去最高益となりました。利益目標が未達になったことにより、ROEは目標の13%台に対し、11.1%に留まりました。セグメント別には、食品セグメントはヨーグルトやチョコレートなどのコア事業が伸び悩んだことなどにより、売上高は1兆1,600億円の目標値に対し9,996億円、営業利益は1,100億円の目標値に対し874億円となり、いずれも目標値を下回りました。一方、医薬品セグメントはKMバイオロジクスへ資本参加しワクチン事業に進出したことなどにより、売上高は1,900億円の目標値に対し1,936億円、営業利益は150億円の目標値に対し191億円となり、いずれも目標値を上回る結果となりました。海外売上高については、1,420億円(食品セグメント 900億円、医薬品セグメント 520億円)を目指し、中国における投資促進や「ザバス」の展開、ダノンとの事業連携による欧州への進出といった取り組みを進めてまいりましたが、868億円(食品セグメント 491億円、医薬品セグメント 376億円)となりました。引き続き、海外市場での成長基盤の確立を重点方針として取り組んでまいります。

 

「2020中期経営計画」の総括は次のとおりであります。

重点方針

結果

コア事業での高シェア・高収益の実現

・食品セグメントは栄養が成長、ヨーグルト(プロバイオティクス含

 む)とチョコレートが停滞

・医薬品セグメントは新規事業としてワクチン事業に進出、既存事業は

 新型コロナウイルス感染症により大きな環境変化に直面

海外市場での成長基盤の確立に向けた積極的な事業拡大

・中国事業における工場新設投資を決定し、「ザバス」の展開を開始

・ダノンと事業提携し、欧州に進出

健康を軸とした新たな価値領域での仕掛け

・価値共創センターの設立

構造改革の継続的な実行と個別事業課題の克服

・工場閉鎖など生産体制の見直しやノンコア事業の譲渡を推進

・牛乳事業の構造改革の進展

経営基盤の進化とサステナビリティの推進

・チーフオフィサー制導入

・サステナビリティ推進組織設置、長期環境ビジョン策定

 

④来期の見通しについて

2022年3月期は、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済や国内消費動向への影響が懸念されますが、当社グループは「2023中期経営計画」の各戦略を速やかに実行してまいります。

食品セグメントでは、国内において消費者の健康や栄養に対する意識が変化する中で生まれる新たな需要を確実に捉えていきます。プロバイオティクスやヨーグルトは健康機能の訴求を強化します。またチョコレートや業務用食品は“ウィズコロナ”という新しい社会に適合した商品提案を行い、需要を喚起してまいります。加えて、大きな成長を期待する「明治タンパクト」シリーズや「ザバス」などの栄養分野の商品は、積極的なマーケティング活動でさらなる販売拡大を目指します。海外では、引き続き中国における生産・販売能力の強化に取り組んでまいります。中国市場において新たにスタートしたプロバイオティクスや「ザバス」の販売など、次の成長の柱となる事業の育成にも取り組みます。

医薬品セグメントでは、海外事業や農薬・動物薬事業の伸長と新型コロナウイルスワクチンの取り組みにより、国内における薬価改定の影響をカバーして計画の達成を目指します。また、当社グループが持つ感染症に関する高い技術・設備や豊富な経験を活用し、研究機関と協力の上、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めてまいります。

 

③及び④における各指標の推移は、次のとおりであります。

0102010_004.png

 

セグメント別の売上高及び営業利益の推移は、次のとおりであります。

0102010_005.png

(注)2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用するため、上記の「2021年度計画値」及び「2023年度中計目標値」は当該会計基準等を適用した後の金額となっております。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品

785,147

97.7

医薬品

119,860

102.0

 報告セグメント計

905,008

98.3

合計

905,008

98.3

(注)1 上記金額は、消費税等抜きの販売価額により表示しております。

2 セグメント間の取引は含まれておりません。

 

②受注実績

当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。

一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。

 

③販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品

998,988

95.2

医薬品

192,776

94.6

 報告セグメント計

1,191,765

95.1

合計

1,191,765

95.1

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 総販売実績に対する売上の割合が10%以上の相手先はありません。

3 セグメント間の取引は含まれておりません。

 

(3)財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて 680億80百万円増の1兆670億円となりました。これは投資有価証券が 408億96百万円、建設仮勘定が 113億80百万円、退職給付に係る資産が77億57百万円増加したことなどによるものです。

負債合計は、前連結会計年度末に比べて 62億95百万円増の4,076億42百万円となりました。これは短期借入金が136億24百万円、支払手形及び買掛金が 73億43百万円減少の一方、未払法人税等が 102億57百万円、社債が 100億円、繰延税金負債が 19億44百万円増加したことなどによるものです。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて 617億85百万円増の6,593億58百万円となりました。これは利益剰余金が 430億37百万円、退職給付に係る調整累計額が 88億49百万円、その他有価証券評価差額金が 69億93百万円増加したことなどによるものです。

この結果、流動比率は前連結会計年度末に比べて 5.9ポイント増の168.4%、デット・エクイティ・レシオは 0.03ポイント減の0.16倍、自己資本比率は 1.9ポイント増の58.2%となり、資金の流動性及び財務の安定性を維持しております。なお、1株当たり純資産は前連結会計年度末に比べて 403円62銭増加し、4,282円80銭になりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

①資本政策の方針

事業活動により得た資金は、持続的な成長に向けて、将来への成長投資や研究開発へ積極的に充当してまいります。また、グループ全体の資本効率の観点から、成長投資については財務規律との調和を図るとともに、政策保有株式などの非事業用資産については圧縮してまいります。

株主還元についても経営における重要課題と認識しており、連結配当性向について2024年3月期までに40%水準に引き上げるとともに、最適資本構成や資金余力等を勘案し、必要に応じて自己株式の取得も検討してまいります。

 

②資金調達の方針

資金調達については、資金需要や金利環境等を踏まえつつ、多様化した調達手段の中から資本コストの低減を第一義として、負債により調達することを基本方針とします。一方で、負債の増加に伴う信用リスクの観点から、原則としてデット・エクイティ・レシオは0.3倍までを上限とし、金融情勢に左右されないような高い信用格付の維持にも努めます。なお、本報告書提出時点において、当社は日本格付研究所より「ダブルAマイナス(安定的)」の信用格付を取得しております。

主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業拡大、運営に必要な投資資金及び運転資金の金融機関からの調達に関しては問題なく実施できると認識しております。なお、国内の金融機関との間で合計200億円のコミットメントラインを設定しており、期中の現預金残高とコミットメントライン設定額を合わせた手元流動性の水準を、連結売上高の1か月程度に設定することで、緊急時の流動性を確保いたします。

また、当社グループは、グループ会社を対象に、資金調達の安定化と調達コストの低減を図るため、グループファイナンス制度を導入しております。

 

当社は、「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」の実現に向けた活動に必要な資金調達手段として、2021年1月にICMA(国際資本市場協会:International Capital Market Association)の定めるグリーンボンド原則及びソーシャルボンド原則に基づいた、「サステナビリティファイナンス・フレームワーク」を策定しました。今後は、本フレームワークに基づき、サステナビリティファイナンスを積極的に活用し、社会課題解決への貢献を一層進めてまいります。

「サステナビリティファイナンス・フレームワーク」の概要は次のとおりであります。

テーマ

適格プロジェクト(資金使途)

プロジェクト分類

持続可能な調達活動

①サステナブルカカオ調達

②カカオ農家支援活動(メイジ・カカオ・サポート)

③責任あるサプライチェーン構築

グリーン

サステナビリティ

ソーシャル

環境との調和

④国内および海外における工場の省エネ化・創エネ化

⑤国内および海外における水資源の確保・保護

⑥環境に配慮した商品パッケージ(プラスチック・紙)

 への転換

⑦地域生態系の保護活動

グリーン

こころとからだの健康に貢献

乳幼児栄養への取り組みに係る設備投資・研究開発等

 (一般粉ミルクおよび特殊ミルク)

感染症対策に係る研究開発および設備投資

健康寿命の延伸に係る研究開発

次世代育成に貢献する活動

ソーシャル

 

なお、当社は上記フレームワークより資金使途を選定し、2021年4月23日に第10回無担保社債(サステナビリティボンド)を発行し、100億円の資金調達を実施しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

区分

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

114,103

123,683

9,580

投資活動によるキャッシュ・フロー

△70,811

△93,110

△22,298

フリー・キャッシュ・フロー

43,291

30,573

△12,718

財務活動によるキャッシュ・フロー

△30,287

△28,293

1,994

現金及び現金同等物に係る換算差額

△375

△378

△3

現金及び現金同等物の増減額(△減少)

12,628

1,901

△10,727

現金及び現金同等物の期首残高

24,481

37,110

12,628

現金及び現金同等物の期末残高

37,110

39,011

1,901

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

区分

第8期

第9期

第10期

第11期

第12期

自己資本比率(%)

50.8

52.7

52.5

56.3

58.2

時価ベースの自己資本比率(%)

153.6

126.9

129.8

111.5

96.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.6

1.1

1.0

0.9

0.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

105.1

140.3

143.2

157.0

197.2

 

(注)各指標の算出方法

自己資本比率:(純資産の部-非支配株主持分)/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(期末株価終値×発行済株式総数)/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(社債、借入金、コマーシャル・ペーパー)/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い(利息の支払額)

※ 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 95億80百万円収入増の 1,236億83百万円の収入となりました。これは売上債権の回収が減少した一方、法人税等の支払額や仕入債務の支払額が減少したことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 222億98百万円支出増の 931億10百万円の支出となりました。これはオーストアジア社の株式取得などの投資有価証券の取得による支出が増加したことなどによるものです。

これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、前連結会計年度より 127億18百万円収入減の 305億73百万円の収入となりました。

創出したフリー・キャッシュ・フローについては、配当金の支払いにより株主還元を行うとともに、有利子負債の返済に充当しております。配当については増配を実施し、株主還元の充実に努めました。今後も安定的継続的な利益還元を実施します。なお、配当金の支払額は前連結会計年度末より 14億59百万円支出増の 224億46百万円、配当性向は 35.4%であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 19億94百万円支出減の 282億93百万円の支出となりました。これは短期借入金の減少や長期借入金の返済による支出が増加した一方、社債の発行による収入や長期借入れによる収入が増加したことなどによるものです。

これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は 390億11百万円となりました。

 

当連結会計年度においては、事業活動に伴う運転資金は金融機関からの借入れやコマーシャル・ペーパー及び社債の発行により調達いたしました。なお、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による資金繰りへの影響は特段ありませんでしたが、期中の現預金残高とコミットメントライン設定額を合わせた手元流動性の水準を、800~900億円程度に維持することにより、緊急時に備えました。

 

当連結会計年度における資金調達と資金配分の関係は、次のとおりであります。

 

   0102010_006.png

 

配当金及びEPS(1株当たり当期純利益)の推移は、次のとおりであります。

0102010_007.png

(注)2015年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、2014年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり配当金及び1株当たり当期純利益を算定しております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

なお、「(1)経営成績の状況」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループ業績におけるマイナスの影響としては、食品セグメントでは外出自粛要請などの影響を受けた業務用食品の減収、通勤・通学時やオフィスでの需要減少によるチョコレート・グミ・ガムの減収、インバウンド需要の減少による乳幼児ミルクの減収、スポーツイベントの減少による「ヴァーム」の減収などがありました。また、医薬品セグメントでは国内事業での医療機関受診患者数の減少による抗菌薬「メイアクト」やジェネリック医薬品の減収、海外事業での中国子会社の減収がありました。

一方で、食品セグメントでの体調管理意識の高まりや巣ごもり消費の拡大による「明治おいしい牛乳」や市販アイスクリーム・市販チーズの増収、運動不足解消ニーズの高まりによる「ザバスミルクプロテイン」や「ザバス」の増収、医薬品セグメントでの接種意向の高まりを背景としたインフルエンザワクチンの増収など、プラスの影響もありました。加えて、食品・医薬品ともに減収の影響を費用の効率的な支出などによりカバーすることで、結果としていずれのセグメントも前連結会計年度に比べて増益となりました。

新型コロナウイルス感染症の収束時期などを想定することは困難であるものの、食品セグメントでは“ウィズコロナ”という新しい社会に適合した商品提案を行い、医薬品セグメントでは新型コロナウイルスワクチンの取り組みを進めるとともに、引き続き費用の効率的な支出に努めてまいります。従って、新型コロナウイルス感染症による当社グループの翌連結会計年度以後の業績に与える影響は限定的であり、会計上の見積りへの影響も軽微と想定し、当連結会計年度の見積もりを行っております。

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術援助契約

  技術導入

契約会社名

相手先

契約の発効年月

有効期限

目的

実施料

㈱明治

ブルガリア国

LBブルガリクム

2000年5月

2020年4月まで。以後2040年4月まで5年間毎に自動延長。

ヨーグルトの

製造技術導入。

生産高の一定率を支払う。

Meiji Seika

ファルマ㈱

ラクオリア創薬㈱

2011年3月

製品の販売終了まで。

ジプラシドン製剤の開発・販売に関する実施許諾契約。

一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。

 

Meiji Seika

ファルマ㈱

 

オルガノン㈱

2013年3月

販売開始から10年間又は特許の存続期間の何れか長い期間。

アセナピンの製造及び販売に関する実施許諾契約。

一定額の一時金を支払う。

 

技術提供

契約会社名

相手先

契約の発効年月

有効期限

目的

実施料

Meiji Seika

ファルマ㈱

オランダ国

ビーエーエスエフ

アグロケミカルプロダクツ社

2010年5月

販売開始から20年間。

ME5343製剤の開発・製造・販売に関する実施許諾契約。

一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。

 

(2)業務提携契約

契約会社名

相手先

契約の発効年月

有効期限

目的

実施料

Meiji Seika

ファルマ㈱

大鵬薬品工業㈱

2015年12月

2015年12月17日よりビラスチン後発医薬品の発売日まで。

ビラスチン製剤の共同販売契約。

一定額の一時金を支払う。

 

(3)合弁契約

契約会社名

相手先

契約の発効年月

有効期間

合弁会社の内容

契約会社出資額

Meiji Seika

ファルマ㈱

インドネシア国

チプト・プスポスハルト氏外

1974年3月

合弁会社の存続期間。

社名 :P.T.Meiji Indonesian

Pharmaceutical

Industries

目的 :抗生物質ほか各種薬品の製造、販売。

資本金:380億73百万ルピア

設立 :1974年5月

355億38万ルピア

(資本金の93.34%)

Meiji Seika

ファルマ㈱

タイ国

ナナ・チャート社外

1979年9月

合弁会社の存続期間。

社名 :Thai Meiji Pharmaceutical

Co.,Ltd.

目的 :抗生物質ほか各種薬品の製造、販売。

資本金:2億9,700万バーツ

設立 :1979年11月

2億8,100万バーツ

(間接所有含む)

(資本金の94.61%)

㈱明治

タイ国

バンコックインエックス社

CPグループオブカンパニー社

1989年1月

規定なし。

社名 :CP-MEIJI Co.,Ltd.

目的 :タイ国における飲用牛乳・ヨーグルト等の製造・販売。

資本金:5億バーツ

設立 :1989年2月

2億バーツ

(資本金40%)

Meiji Seika

ファルマ㈱

アリスタヘルスアンドニュートリションサイエンス㈱

2011年2月

設立期日より20年間。

社名 :明治医薬(山東)有限公司

目的 :医薬品、動物薬外の製造、販売。

資本金:2,400万米ドル

設立 :2003年10月

2,000万米ドル

(資本金の83.33%)

 

Meiji Seika

ファルマ㈱

 

韓国

東亜ソシオHD

2013年8月

合弁会社の存続期間。

社名 :DM Bio Limited

目的 :バイオ後続品ほか各種薬品の製造・販売。

資本金:140億ウォン

設立 :2015年10月

584.89億ウォン

 

(4)その他

相手先

期間

内容

㈱明治

Meiji Seika ファルマ㈱

2009年4月1日から

経営を管理・監督・指導するための経営管理契約。

KMバイオロジクス㈱

2019年4月1日から

経営を管理・監督・指導するための経営管理契約。

 

 

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費の総額は31,404百万円であります。

当連結会計年度における研究開発活動に関し、新たに取り組んだ事項及び変更事項は次のとおりであります。

 

(1) 食品

当連結会計年度における研究開発活動の金額は、13,148百万円であります。

 

① 発酵デイリー

「TANPACT」ブランドとして、「カフェオレ(200ml)」、「ミルク(200ml)」、「カフェラテ(430ml)」を2020年春に発売しました。各商品ともにミルクプロテインを1本あたり10g配合しており、様々なシーンで手軽においしくたんぱく質を摂取できる乳飲料です。

宅配部門では、2020年春から「ミルクで元気(180ml)」のビタミンD含量を10μgから25μgに増量し、骨の健康維持のためにカルシウムを効率的に利用できる栄養設計へリニューアルしました。また、2020年10月に「軽快グルコサミン」と「うるおうコラーゲン」の栄養価値を統合した「グルコサミン1500&コラーゲン3000(100ml)」を発売しました。

「明治プロビオヨーグルトR-1」ブランドでは、白物ドリンクのラインナップ強化を図るため、継続阻害要因である“砂糖”、“甘さ”を低減した「砂糖不使用甘さひかえめ(112ml)」を2020年9月に発売しました。また、同時期にユーザー満足度の向上を図るため、食べるタイプ「R-1低脂肪(112g)」をコクが感じられる中身に風味改良しました。さらに大容量「プレーン(336g)」のまろやかさをアップして2021年4月に発売する予定です。

ヨーグルトカテゴリーでは、乳素材のそのままのおいしさを味わえるのむヨーグルト「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン 乳素材だけ/無添加」を700gの新容量で2020年10月に発売しました。本商品は、液状タイプのプレーンヨーグルトで、砂糖、甘味料、香料、安定剤を使用せず、生乳由来の乳素材だけで仕上げました。また、同時期にチーズの旨味とヨーグルトのヘルシーさを併せ持つ「明治QUARK(クワルク) フレッシュチーズ(100g)」、「同 フレッシュチーズ&ハーブソルト(90g)」、「同 フレッシュチーズ&トマトバジル(90g)」を発売しました。クワルクは、ドイツでは食事の1品としても食されており、新たな食文化・食シーンの創造を図ります。

2021年3月には、プレーンヨーグルトをもっと手軽に、もっと楽しむための新たな提案として、「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーンplus(70g×2)」4品(いちご/はちみつ/アロエ/白桃)を発売しました。2021年4月には、「明治北海道十勝ヨーグルト78g×4」をリステージし、酸味が少なく、乳の味わいを引き立てる“十勝ミルク乳酸菌TM96”を使用した「明治北海道十勝ミルクきわだつヨーグルト(78g×4)」を発売する予定です。

 

② 加工食品

拡大を続けるフレッシュモッツァレラチーズ市場に向けて「明治北海道十勝生モッツァレラ(100g)」を2020年9月に発売しました。“ミルクの豊かなコクを感じる生モッツァレラ”をコンセプトに、チーズの湯もみ工程にこだわりました(特許出願中)。カプレーゼはもちろんのこと、シンプルに“そのまま”でも美味しくお召し上がりいただけます。

フローズンデザートでは、「明治エッセル スーパーカップ」、「明治エッセル スイーツ」シリーズに2020年6月より賞味期限設定を開始しました。アイスのおいしさと、お客様からの安全性に対する期待に応える商品開発を行っていきます。健康訴求アイスの拡大に向け、「明治オリゴスマート やさしい抹茶」を発売し、ロカボ糖質表示で更なる商品力強化とラインナップ拡大を実施しました。また、「明治TANPACT」ブランドとして上期に「レモンヨーグルト味」、下期に「ホワイトチョコレート」をそれぞれ発売しました。健康基軸ブランドとして育成を図っていきます。

クリームでは、昨年調理用クリームとして発売した「ラクタージュ」に耐酸性を付与し、調理に幅広く使いやすいクリームとしてリニューアルしました。また、酸性ゼリーに使用可能なクリームにて、使用する植物油脂をトランス脂肪酸フリー油脂に変更するリニューアルを実施しました。

ソフトクリームミックスでは、主にファミリーレストランのデザートに使用されるソフトクリームミックスについて、生乳本来の風味を強化するリニューアルを実施しました。

デイリーファットでは、バターのコクのあるおいしさとガーリック風味が楽しめる簡単便利なチューブタイプのスプレッド「明治チューブでバター1/3 ガーリック」を2021年3月に発売しました。

冷凍食品の新商品として、「明治北海道十勝カマンベールチーズ」が1トレーで1ピース(15g)入って“とろ~り”とした食感とピラフの粒感が楽しめる、電子レンジ調理可能な「カマンベールリゾット」を2020年11月に発売しました。また、濃厚ソース、味付けご飯およびトッピング具材が満足感のあるボリュームで、電子レンジ調理可能な「満足丼 濃厚親子丼」および「同 濃厚チーズカレー」をそれぞれ2021年春に発売し、好評を得ております。

また、チルド食品カテゴリーでは2020年秋に濃厚な旨みが特徴のDailyRich「オマールエビのビスク」をスープシリーズの新メニューとして発売しました。2021年春には普段より少し贅沢な気持ちを味わえる新ブランド「銀座カリースペシャリテ」を新設し、とろ~りモッツァレラが美味しい「濃厚チーズカリー」と和牛オイルで上質な甘い香りが楽しめる「濃厚ビーフカリー」の2品を発売しました。また、同時に銀座定番シリーズからはインド料理で人気のメニュー、バターチキンカレーと洋食の技を融合した「銀座バターチキン」を発売し、好評を頂いております。

 

③ 菓子

「チョコレート効果 素焼きアーモンド」、「同 コク深素材マカダミア」をナッツの食感とカカオ分72%の上質な苦味の組み合わせを楽しめる品質で2021年2月に発売し、高カカオ、ポリフェノール訴求展開の強化に繋げました。

「オリゴスマート マイルドビターチョコレート」をカカオ分52%で甘さを控えた品質で2020年4月に、たっぷりミルクの「オリゴスマート リッチミルクチョコレート」を2020年10月に、さらに、使用する砂糖を全てオリゴ糖におきかえた「オリゴスマート SUPER」を2021年2月に発売しました。砂糖のネガティブイメージが強いチョコレートに糖として吸収されないフラクトオリゴ糖を積極的に活用し、チョコレートのギルトフリー化を推進しました。

「明治TANPACT(タンパクト) ミルクチョコレート」を発売し、さまざまなシーンでたんぱく質の摂取を可能としました。

「ザ・チョコレート」は特徴的なカカオの香りが楽しめる商品としてカカオの産地を訴求、当社独自のリッチアロマ製法を本格導入し香り高い本格チョコレートとして、ダーク4品を2020年9月、ミルク2品を2021年1月に規格変更発売しました。「メキシコホワイトカカオ」及び発酵・ロースト違いの香味が楽しめる商品を2021年サロン・デュ・ショコラ東京および一部百貨店、通販サイトにて限定品として発売しました。「ザ・チョコレート」ブランドはメイジ・カカオ・サポートを通じてカカオ産地への生産、生活サポートを行い、持続可能なカカオ豆だけを活用して差別化の推進を継続しています。

キノコブランドより、「きのこの山のこ」を発売しました。通常サイズのきのこの山からワンサイズダウンし、プレッツェル製法で作成したビスケットと組み合わせることで、食べやすく、特徴的な食感が楽しめる設計としました。

ブランド25周年を迎える「ガルボ」シリーズ全体をリニューアルしました。独特食感が人気の全シリーズをさらにおいしく仕上げ、2021年3月に発売しました。

新感覚のリフレッシュメントミントとして「瞬間清涼 アクアミント」、「同 ライムミント」の2商品を発売しました。噛んだ瞬間にお口いっぱいに清涼感が広がり、スッキリ感も長続きします。さらに眠気もスッキリさせたい方のために強力な刺激で目が覚める「同 ストロングミント」もラインナップに追加し、3品体制で発売しています。

 

④ 栄養

「ザバス」シリーズでは、2020年8月に引き締まったカラダづくりをサポートする「ザバス ソイプロテイン100 ココア味 トライアルタイプ/11食分/45食分/100食分」、「同 ミルクティー風味 11食分/45食分」、「ザバス フォーウーマン シェイプ&ビューティ ミルクティー風味 12食分/45食分」と、アスリートのウェイトコントロールをサポートする「ザバス アスリート ウェイトアップ バナナ風味 20食分/60食分」、「ザバス アスリート ウェイトダウン ヨーグルト風味 16食分/45食分」、「同 チョコレート風味 16食分/45食分」をリニューアル発売しました。2019年秋より稼働を開始した倉敷工場で、独自の造粒技術“均質顆粒化製法”を活用した、溶けやすくダマになりにくい品質を追求しています。また、アスリートや部活生の食事調査結果に基づき、カラダづくりに必要なビタミンを独自の設計で配合しています。

2021年2月にはスッキリしたクリアな飲みやすさを追求した「ザバス アクア ホエイプロテイン100 グレープフルーツ風味 トライアルタイプ/14食分/40食分/90食分」、スポーツジュニアのカラダづくりをサポートする「ザバス ジュニアプロテイン ココア味15食分/60食分」、「同 マスカット風味12食分/50食分」、競技に挑むアスリートの目的別に設計された「ザバス アスリート ホエイジョイント ココア味18食分/45食分」、「ザバス アスリート ホエイメンテ バニラ味18食分/45食分」、純度の高いホエイ原料であるホエイプロテインアイソレート(WPI)を使用したトップアスリート向けの「ザバス プロ WPIハイパワー バニラ味40食分」、「ザバス プロ WPIクリア 40食分」、「ザバス プロ WPIリカバリー グレープフルーツ風味 34食分」をリニューアル発売しました。

「VAAM」シリーズでは、21年3月よりカラダを動かすときの脂肪の代謝を高める“独自アミノ酸ミックス”を新たに配合し、カラダを動かす人の“体脂肪低減”をサポートするブランドへ大幅リニューアルを実施しました。“独自アミノ酸ミックス”とは、3つのアミノ酸(ARFアミノ酸:アラニン、アルギニン、フェニルアラニン)で構成され、運動などカラダを動かすことによる脂肪の代謝をさらに促進するアミノ酸です。ARFアミノ酸を用いた臨床試験では、腹部の体脂肪低減の効果を確認し、脂質代謝促進剤として特許を取得しています。健康的なカラダの維持、予防、改善などを意識し、無理なく自分の理想のカラダを目指す方に向けた「ヴァームスマートフィットウォーター レモン風味(500ml)」、「同 アップル風味」、「ヴァームスマートフィットゼリー(180g)」、「ヴァームスマートフィット顆粒10袋入(3.3g×10)」、「ヴァームスマートフィットウォーターパウダー レモン風味20袋入(5.7g×20)」を発売しました。このシリーズは、消費者庁に届け出を行った機能性表示食品です。

また、アクティブな日常生活で体脂肪を減らしたい女性向けのシリーズとして、「ヴァームスマートフィットフォーウーマンパウダー16袋入(4.0g×16)」、「ヴァームスマートフィットフォーウーマンゼリー(180g)」を発売しました。

日頃からハードなトレーニングをしている方向けのシリーズとして、「ヴァームアスリート(200ml)」、「同 6本パック(200ml×6)」、「ヴァームアスリートゼリー(180g)」、「ヴァームアスリートパウダー12袋入(10.5g×12)」、「ヴァームアスリート 顆粒パイナップル風味 10袋入(4.7g×10)」、「同 30袋入(4.7g×30)」、「同 栄養ドリンク風味 10袋入(4.7g×10)」を発売しました。

RTDタイプでは、「ザバスプロテインミルク脂肪ゼロ」シリーズ(200ml、430ml、860ml)の全商品について、2020年春からコンセプトをさらに追求した運動後に飲みやすい風味へリニューアルしました。加えて、運動する女性に向けた「(ザバス)for Woman」シリーズ(200ml)として「ストロベリー風味」、「+SOY ミルクティー風味」の2品を発売しました。運動する女性のカラダづくりに有効なミルクプロテインを12.5g配合し、カラダづくりに必要な3種のビタミンB群(B6、B12、葉酸)と鉄分を半日分配合した、運動後でもすっきり飲みやすい乳飲料です。

「アミノコラーゲン」シリーズでは、吸収されやすい「低分子化フィッシュコラーゲン」を、1食(7g)当たり5,000mg配合した初の抹茶フレーバー「アミノコラーゲン抹茶風味(98g)」を2020年6月に発売しました。

2020年9月には、美容に関心が高い男性に向けて、当シリーズ“初”の男性向け商品「アミノコラーゲンMEN(98g)」を発売しました。「低分子化フィッシュコラーゲン」を、1食(7g)当たり5,000mg配合し、若々しく、健康的な見た目を望む男性向けにアミノ酸、亜鉛、ビタミンCなどを配合しています。

「即攻元気」シリーズでは、「即攻元気ゼリー 11種のビタミン&4種のミネラル」がスッキリとしたおいしさになって生まれ変わりました。ぶどう味に続き、柑橘味を発売し、不足しがちで身体の調子を整えるために必要な11種のビタミンと4種のミネラル(亜鉛、鉄、銅、セレン)をおいしく手軽に摂取できます。

また同シリーズでは初のブリック飲料(200ml)として、「アミノ酸&ローヤルゼリー 栄養エナジー風味」、「クエン酸&ローヤルゼリー レモンエナジー風味」、「11種のビタミン&3種のミネラル オレンジエナジー風味」を2020年9月に発売しました。

流動食部門では、医療現場で使用される「メイフロー」シリーズとして「メイフローRHP 500K」(熱量500kcal/袋)を新たに発売しました。メイフローRHPは、加水タイプであることから患者様へ水分を投与する手間が省け、適度な粘性を有するため流速の調節が不要であり、使用時の簡便性が高いこと、また投与時に胃内で半固形化しゲルを形成して食道への逆流を防止することから、看護師や介護士の人材が不足している医療現場から高い評価を得ており、現在の300K、400Kに加えて新たに500Kをラインナップに追加しました。

また、流動食市場でNo.1シェアを獲得している「メイバランス」ブランドにて培ってきた精緻な栄養設計をおいしい発酵乳と組み合わせた、宅配専用「明治メイバランスのむヨーグルト」(壜100ml)を新発売しました。加齢による食事量の減少やコロナ禍における外出自粛によるフレイルリスクの高まりを受け、“栄養素をバランス良く、おいしく摂りたい”というシニア層の未充足ニーズに応え得る、宅配商品ならではの価値を有する商品です。

 

(2) 医薬品

当連結会計年度における研究開発活動の金額は、17,690百万円であります。

 

Meiji Seika ファルマ株式会社グループにおきましては、医療用医薬品における感染症、中枢神経系領域でのスペシャリティファルマを目指すとともに、血液がん等新領域、ジェネリック医薬品、農薬、動物薬等にも注力し、積極的な研究開発活動を行っております。

具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。

がん治療薬「HBI-8000(ツシジノスタット)」は、提携先であるHUYA Bioscience社の子会社Huya Japan合同会社が、日本において再発・難治の成人T細胞白血病/リンパ腫を適応症として、2020年9月に製造販売承認を申請しました。

慢性移植片対宿主病(慢性GVHD)治療薬の「ME3208」は、国内にて臨床第一相試験を開始しました。

β-ラクタマーゼ阻害薬「OP0595(Nacubactam)」は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称AMED)による「医療研究開発革新基盤創成事業(略称CiCLE)」に採択されており、国内の臨床第一相試験を完了し、次相試験を準備中です。

抗体医薬品であるウステキヌマブ製剤(遺伝子組換え)のバイオ後続品である「DMB-3115」は、先発品との生物学的同等性を検証する臨床第一相試験を欧州で実施中です。

2016年5月に発売した統合失調症治療薬「シクレスト®舌下錠」については、医療への科学的側面からの貢献を目指して、メディカル統括部を中心に、抗精神病薬の適正使用に関するエビデンス創出に取り組んでいます。

抗悪性腫瘍剤 「ダウノマイシン®静注用20mg」 については、2020年2月に急性白血病の標準療法に合わせた用法・用量一部変更承認を取得しました。

生物産業事業分野におきまして、農薬事業では、新規農業用殺虫剤「ME5343(Afidopyropen)」は、導出先のBASF社(ドイツ)のインド、米国、中国等での販売が堅調に推移し、さらにアジア、南米等での農薬登録の取得を進めております。新規農業用殺菌剤「ME5223(Fenpicoxamid)」は導出先のコルテバ社(アメリカ)が中南米でバナナ向け、欧州で麦類向けに販売を開始し、さらに欧州各国での農薬登録の取得を進めております。新規農業用殺虫剤「ME5382(Flupyrimin)」につきましては、国内販売を開始し、インドでUPL社が水稲分野で開発を進めるとともに、UPL社とは種子処理分野での開発商業化契約を締結いたしました。非選択性除草剤「グルホシネート-P」につきましては、米国で農薬登録申請を行いました。また、主力のいもち病防除剤「オリゼメート」および「ME5382(Flupyrimin)」につきましては、国内における新たな水稲栽培技術である密播・密苗栽培および側条処理への対応を進めています。

動物薬事業では、牛用抗菌剤「マルボシル」については2019年11月に効能追加の承認取得済みです。牛用抗菌剤「フロルガン」は、農林水産省と食品安全委員会の審査が終了し、2020年4月に承認を取得しました。豚用ワクチン「エコポークシガ」は、農林水産省での審査が終了し、2020年7月に承認取得済みです。

魚用駆虫剤「マリンバンテル」は、農林水産省での審査が終了し、2021年4月に効能追加の承認を取得しました。

牛豚用抗菌剤「ME4137」は、牛で2019年9月に、豚で2019年12月に臨床試験を終了し、現在農林水産省で審議中です。畜産用飼料添加物「ME4406」は、医薬品開発の臨床試験に該当する鶏の野外応用試験を2019年3月に終了しました。豚については、コロナ禍の影響を受け、再試験に向け準備中です。

 

なお、研究所については以下の4研究所体制となっております。

 

医薬研究所          :免疫炎症、がん及び感染症領域を中心とした創薬研究(医薬品候補創出のための薬理・薬物動態・安全性評価)、導入品を含む開発品の開発研究(有効性、薬物動態及び安全性評価)、既存品の付加価値情報の創出

製薬技術研究所       :医薬候補品創出のためのリード化合物の探索及び化学構造の最適化、新薬・LCMにおける原薬の合成プロセス確立と製剤の設計・改良検討及び製剤製法確立、原薬・製剤の物性、安定性評価と規格試験法確立、治験薬(原薬、製剤)製造と製法スケールアップ・技術移管、製剤の包装設計と原価低減

バイオサイエンス研究所   :抗体医薬を中心とした創薬研究、バイオ後続品の研究開発、生産品目・次期生産導入品目の生産菌株育種及び培養・精製技術の確立、品質向上・コスト低減による工場支援並びにバイオ資源を活用した医薬品・農動薬・酵素・ジェネリック原料の新製品創出

生物産業研究所       :新規農薬・動物薬の創出と新製剤開発、既存品評価、販売支援業務

 

KMバイオロジクス株式会社におきましては、ヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿分画製剤の研究開発から製造販売まで行う体制を持ち、また新生児のマススクリーニングなどを行う新生児スクリーニングセンターを保有しております。

同社においては、ヒト用ワクチン、動物用ワクチンならびに血漿分画製剤の3領域の研究開発を行っており、それぞれの領域における具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。

ヒト用ワクチンにつきましては、新型コロナウイルスに対するワクチンについて「新型コロナ不活化ワクチン(KD-414)」として、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所及び医薬基盤・健康・栄養研究所と協業し2020年5月より開発を開始しており、厚生労働省や日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金により研究開発および生産体制整備を推進しております。現在の開発状況は、動物での評価を完了し、本年3月に第Ⅰ相/第Ⅱ相臨床試験を開始しました。他には「デング熱ワクチン(KD-382)」は、2018年8月よりオーストラリアで実施していた臨床第一相試験は完了し、健康な成人に対して良好な安全性および免疫原性が確認できました。現在、第Ⅱ相臨床試験の準備を進めています。「小児用5種混合ワクチン(KD-370)」は、国内臨床第Ⅲ相試験は本年2月に完了し、製造販売承認申請に向けて準備中です。

血漿分画製剤につきましては、血友病バイパス製剤であるバイクロットについて、現在の適応外である定期療法の適応を取得するための適応拡大試験(KD2-305)を2019年8月より実施中です。また、提携先と共同で静注用人免疫グロブリン製剤であるベニロンについて、「顕微鏡的多発血管炎における神経障害の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)」(KD-371)の適応拡大のための第Ⅲ相試験を完了したところです。

動物用ワクチンにつきましては、豚用ワクチン「KD-377」は2020年12月に製造販売承認を取得しました。同じく豚用ワクチンである「KD-386」および「KD-395」の計2品目は農林水産省に製造販売承認申請中です。

 

(3) その他

上記報告セグメントの他に、新たな健康価値、即ち、健康寿命の延伸につながる独自価値の創造を目指して、2019年4月に当社に価値共創センターが設立されました。

価値共創センターでは、発足以来オープンイノベーションを積極的に推進し、明治グループの次の10年、20年の成長を支える人材と新技術の開発に注力しております。設立後2年が経過し、明治グループ内の食品セグメントや医薬品セグメントの保有する技術・経験の融合や各事業会社の研究員の人的交流の場として、研究活動も一段と活発になってきているところです。最先端の研究に触れながら、知識や技術の導入を図り、「老化」や「食事療法」、「マイクロバイオーム(腸内細菌叢)」の研究を進めております。複数のアカデミアとの共同研究や各種コンソーシアムに参画し、臨床試験において有望な食事療法が確認されるなど成果が出つつあります。

明治グループの強みである食品と医薬品の知見を活用し、高齢化社会が直面する課題を解決するソリューションを提供することで、「健康・予防領域」においてこれまでの研究成果を社会に還元していきたいと考えております。

なお、当連結会計年度における研究開発活動の金額は 565百万円であります。