文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、グループ理念に掲げる使命・役割のもと、「食と健康」の企業グループとしてお客さまの生活充実に貢献することで持続的な成長・発展をすべく全力を尽くし、あらゆるステークホルダーとの信頼に基づき企業価値の向上を図ってまいります。
[グループ理念]
私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、
「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。
私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、
日々の「生活充実」に貢献すること。
私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、
常に一歩先を行く価値を創り続けます。
[経営姿勢] グループ理念を実現させていくにあたり、経営の基本姿勢を表明したものです。
1.「お客さま起点」の発想と行動に徹する。
2.「高品質で、安全・安心な商品」を提供する。
3.「新たな価値創造」に挑戦し続ける。
4.「組織・個人の活力と能力」を高め、伸ばす。
5.「透明・健全で、社会から信頼される企業」になる。
(2) 中長期的な経営戦略と経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループは、移り変わる環境下にあってもグループ理念を体現し、成長し続ける企業グループであるために、2026年度(2027年3月期)までの長期ビジョンを策定し、その実現を目指しています。
実現に向けては3年ごとの中期経営計画を策定してより具体的な実行計画に落とし込み、取り組んでいます。
また、2021年6月1日にはグループスローガンを「健康にアイデアを」に刷新しました。当社グループは100年以上にわたり「おいしさ・楽しさ・健康・安心」の世界を拡げることに努めてまいりました。これからはグループ内外の食と医薬の知見を融合させ、新しい価値を創造します。特に「健康」というフィールドで「meijiらしい健康価値」を提供し、これまで以上に大きな役割を果たしていくことを目指します。「meijiらしい健康価値」とは、CURE(なおす)、CARE(まもる)、SHARE(わかちあう)のサイクルでひとりの健康をみんなの笑顔につなげていき、健康であることの幸せを周囲に拡げ、社会、地球が健康である「より良い未来」に貢献していくことです。
① 長期ビジョン「明治グループ2026ビジョン」(2018年5月発表)
目指す企業グループ像
明治グループ100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本、世界で成長し続ける。
目標水準
・営業利益成長率 1桁台半ば以上(年平均)
・海外売上高比率 20%を目指す
・ROE 10%以上を維持
重点方針
1.コア事業での圧倒的優位性の獲得
2.海外市場での成長基盤の確立
3.健康価値領域での新たな挑戦
4.社会課題への貢献
同ビジョンの実現に向けては、上記の重点方針に沿って策定した「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」をもとに、活動を推進しています。
事業ビジョン
(食品セグメント)
国内ではコア事業であるヨーグルト、チョコレート、栄養食品に注力すると同時に、さらなる事業ポートフォリオの強化を目指します。海外では、各地域で明治らしい、差別化された商品を展開し、独自のポジションを確立します。そしてブランド認知を獲得し、成長を加速させます。
(医薬品セグメント)
感染症治療薬やジェネリック医薬品、バイオ医薬品などを国内のみならず、海外展開も含めてトータルで拡大します。特に感染症領域ではアジアのリーディングカンパニーとなるべく、生産能力、研究開発、普及活動をそれぞれ強化します。
(グループ全体)
食品、医薬品の各事業で培ったノウハウ・強みを生かすとともに、オープンイノベーションにより社外の知見を積極的に取り入れることで、健康・予防領域における独自価値の創出を目指します。
サステナビリティビジョン
人びとが健康で安心して暮らせる持続可能な社会の実現を目指して、事業を通じた社会課題の解決に貢献すべく、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」を主要活動テーマに掲げ、推進します。
経営基盤ビジョン
機能的・戦略的なマネジメント体制の確立や、一人一人の力が発揮できる環境・仕組み・風土づくり、さらにはmeijiブランドの進化に向けた取り組みを推進します。
② 経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く市場環境は、競争の激化、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた市場構造や消費マインドの変化など、不透明な状況が続いています。また、原材料価格やエネルギーコストの高騰が企業収益を圧迫し、消費者物価にも大きな影響を与えています。加えて、気候変動や環境問題への対応、人権や多様性の尊重、持続可能な調達活動など、企業が果たすべき役割や責任も増大しています。企業価値評価の考え方も大きく変わっており、企業の持続可能性、リスクへの強靭性、社会への貢献度が重視されています。
このような環境下において、当社グループはグローバルで健康・栄養の社会課題の解決に貢献できる企業として持続的な成長を目指すべく、以下の課題に適切に取り組んでまいります。
・事業活動とサステナビリティ活動が相互に矛盾せず、同時に実現できるビジネスモデルの確立を目指します。社会課題解決への取組みは事業成長やイノベーションのためのシーズであり、新たな価値創造に果敢に挑戦します。
・経営効率や資本コストを意識した経営管理体制に転換し、最適な事業ポートフォリオを構築し、資本生産性のさらなる向上を目指します。
・赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代の「こころとからだの健康」に貢献するユニークな企業グループとしての強みに磨きをかけ、グループシナジーの創出を実現します。
③ 2023中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)
当社グループは創業から続く「健康価値の提供」を再認識し、世界の人びとや社会と健康をシェアするサステナブルな企業グループとして成長することを目指します。
「2023中期経営計画」では従来の売上高や営業利益などの成長性・収益性の目標指標に加えて、新たに明治ROESG®※を掲げます。明治ROESG®はROEとESG指標に、明治らしいサステナビリティ目標(明治らしさ目標)を加えた独自の指標です。これを役員報酬と連動させることにより、その実効性を担保します。また、ROICも資本生産性や効率性の目標指標として新たに設定します。事業別にROICを活用して効率性や収益性を管理することで資本コストを意識した事業運営を徹底し、事業ポートフォリオ戦略の権限や責任体制を明確化します。設備投資や研究開発投資の評価としても活用し、グループ全体の経営管理体制を強化します。
※ROESGは一橋大学教授・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です。
<明治ROESG®>
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目標指標
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指標 |
2023年度 目標 (2024年3月期) |
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統合目標 |
明治ROESG® |
13ポイント |
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成長性・収益性 |
連結売上高 |
1兆800億円 |
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・食品セグメント |
8,745億円 |
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・医薬品セグメント |
2,090億円 |
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連結営業利益(率) |
1,200億円 (11.1%) |
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・食品セグメント |
1,020億円 |
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・医薬品セグメント |
185億円 |
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海外売上高 |
1,345億円 |
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効率性・安全性 |
ROIC |
10%以上 |
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・食品セグメント |
12%以上 |
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・医薬品セグメント |
6%以上 |
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株主還元 |
ROE |
11%以上 |
※上記の目標値は「収益認識に関する会計基準」等を適用した後の金額となっております。
2022年3月期における2023中期経営計画の進捗状況は、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況に記載のとおりであります。
具体的な戦略のポイントは以下のとおりです。
事業戦略
(食品セグメント)
・コア事業の成長力の回復
ヨーグルトやプロバイオティクスは、既存商品の機能やエビデンスを強化するとともに、新たな健康価値を持った新製品の開発にも取り組みます。
ニュートリションでは、引き続きスポーツプロテイン「ザバス」の売上拡大に取り組むとともに、乳幼児ミルクや流動食は提供価値の拡充によるシェア拡大を目指します。
チョコレートは、カカオの価値を生かした新たな商品開発にチャレンジします。サステナブルカカオ調達を推進し、商品の付加価値化をさらに進めます。また、生産体制の最適化に取り組みます。
・海外展開の強化
特に注力する中国エリアでは、牛乳・ヨーグルト、菓子、アイスクリームの各事業において生産能力を大幅に拡大し、売上成長を加速します。また、プロバイオティクスや「ザバス」の売上拡大にも取り組み、次の成長の柱として育成します。
(医薬品セグメント)
毎年実施される国内の薬価改定や受診行動の変化による影響に左右されない、強固な事業ポートフォリオを構築します。
・ワクチン事業の強化
製販一体となったサプライチェーンマネジメントをさらに強化します。また、研究開発における社内外の連携を強化するとともに、新たな創薬技術の構築にも取り組みます。
・受託製造/受託製造開発(CMO/CDMO)事業の強化
海外市場に向けては、既存顧客との取引拡大や新規取引の獲得に取り組み、生産能力も増強します。また、研究開発力を強化して競争優位性を確保するとともに、医薬品アクセス向上に対応します。
日本市場に向けては、日本水準の高い品質と低コストでの製造が可能なインド子会社の大規模生産能力を活用し、取引拡大を目指します。
(グループ全体)
・免疫領域での貢献
抗老化素材の事業化や免疫増強物質の創出など、健康寿命延伸に向けた新たな価値提供に取り組みます。
・オープンイノベーションの推進
外部との連携を強化し新規事業の創出を目指します。「明治アクセラレータープログラム」をはじめとする複数の創発プログラムを新設・実行するとともに、新しい技術を持つスタートアップ企業やベンチャー企業を探索します。
財務戦略
・ROICの活用により経営管理体制を強化し、資本生産性の向上に取り組みます。
・資本配分については、営業キャッシュ・フローの範囲内で成長投資を実施するとともに、継続的な増配を目指します。また最適資本構成の観点から自己株式の取得も検討します。政策保有株式は30%削減(簿価ベース)します。
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サステナビリティ戦略
各活動テーマの中で以下の取り組みを重点的に進めます。
(こころとからだの健康)
・事業を通じた健康な食生活への貢献
健康志向商品や付加価値型栄養商品を創出し、健康な食生活や食文化の普及・啓発に取り組みます。
・新興・再興感染症への対応
新型コロナウイルスワクチンの開発・供給に取り組むとともに、デング熱などのワクチン開発を進めます。
(環境との調和)
・気候変動への対応
再生可能エネルギーの活用を強化します。また、SBT※1認定の取得やインターナルカーボンプライシング※2の導入、特定フロン全廃に向けた取り組みを進めます。
※1: Science Based Targetsの略。科学と整合した目標設定
※2: 企業内での炭素の価格付け
・プラスチック資源循環の推進
引き続き、容器包装の軽量化や紙製への変更などの「リデュース」の取り組みを進めるとともに、バイオマスプラスチックや再生プラスチックの使用を拡大します。
・水資源の確保
水使用量を削減するとともに水源保全活動を進め、水リスクに対応します。
(豊かな社会づくり)
・多様性の尊重
ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを進めます。
・人権の尊重
人権デュー・ディリジェンスを実施し、適切に情報を開示します。
・働きやすい職場づくり
会社と健康保険組合で構成する「グループ人財委員会(健康経営分科会)」にて、健康経営の重点目標を設定し、積極的に推進します。
(持続可能な調達活動)
人権・環境に配慮して原材料を調達します。責任あるサプライチェーンを構築するとともに、サステナブルカカオ豆、認証パーム油、環境配慮紙の計画的な調達を進めます。
また、ESG投資枠を設定し、CO2排出量の削減や脱フロン対策、プラスチック使用量の削減、水資源の確保、医薬品の安定供給に関連した取り組みを円滑に遂行します。
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項目 |
主な投資内容 |
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CO2排出量の削減 |
・省エネ機器の導入 ・太陽光発電設備の導入 など |
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脱フロン対策 |
・ノンフロン冷蔵・冷凍設備の導入 |
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プラスチック使用量の削減 |
・容器包装軽量化のための設備投資 ・環境に配慮型した容器包装の設備導入 |
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水資源の確保 |
・水の効率的な使用に資する設備の導入 ・水質改善設備の導入 |
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その他 |
・医薬品安定供給に資する設備導入 など |
④ 明治グループにおけるTCFDへの取り組み
明治グループの事業は、豊かな自然の恵みの上に成り立っており、地球環境と共に生き「自然と共生」していくことが責務であると考えております。しかし近年、地球環境の持続可能性が危ぶまれており、気候変動が中長期的に事業活動に与える影響も大きく、重要な経営課題であると認識しております。また、「パリ協定」や「持続可能な開発目標(SDGs)」でも、気候変動への対応強化が求められており、明治グループはこうした国際的な枠組みに貢献すべく、脱炭素社会の実現に向けて気候変動への対応を推進しております。
2019年には、金融安定理事会により設置された「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」に賛同し、これに賛同する企業や金融機関などが連携する場として、経済産業省、環境省、金融庁によって設立された「TCFDコンソーシアム」に加入するとともに、TCFDの枠組みに沿った分析と開示を開始しております。
TCFDへの取り組み概要は、以下のとおりです。
■ガバナンス体制
明治グループ全体の重要なサステナビリティ活動は、経営会議にて審議し、取締役会が監督し、経営に反映しています。またグループ全体のサステナビリティ活動を更に強化するために、その推進責任者としてチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)を設置しております。
当社代表取締役社長が委員長を務めるグループサステナビリティ委員会を年2回、当社と各事業会社のサステナビリティ関係部署からなるグループサステナビリティ事務局会議を毎月開催し、社会課題解決に向けた取り組みやサステナビリティ活動全般の進捗状況などを議論しております。気候変動によるリスク・機会の分析と対応策については、グループTCFD会議(2021年度7回実施)において検討し、その結果を経営会議で審議し、取締役会へ報告し、取締役会が監督しております。なお、グループTCFD会議には、当社のリスクマネジメント部も参画し、気候変動の影響をグループ全体の重大なリスクとして捉え、対応できる体制を構築しております。
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|
■戦略
明治グループは、気候変動によるリスクと機会を、重要な経営課題の一つであると認識しており、短期的には、2023中期経営計画、中期的には「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」、長期的には、明治グループ長期環境ビジョン「Meiji Green Engagement for 2050」を基に「CO2排出量の削減」、「水資源の確保」などのマテリアリティとKPIを設定し、将来にわたって自然と共生していくための取り組みを推進しております。
<2021年度の取り組みのポイント>
・明治グループにおけるサプライチェーン全体での分析と財務インパクトの算出
・IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)のRCP(Representative Concentration Pathways)2.6・RCP4.5・RCP6.0・RCP8.5やIEA(Intergovernmental Panel on Climate Change)のNZE・SDS・APS・STEPSなどのシナリオを基に3つのシナリオ(1.5℃・2℃・4℃シナリオ)を設定し、現状、2030年(中期)、2050年(長期)を基準年として中長期の気候変動によるリスク・機会の分析と対応策の検討
・主要原材料における気候変動の影響分析の強化(原材料の範囲拡大、水リスクによる影響分析の追加)
・気候変動における機会の深堀り
・「Meiji Green Engagement for 2050」の達成に向けて、インターナルカーボンプライシングの導入や移行計画(トランジションプラン)の策定など対応策の強化
なお、3つのシナリオ(1.5℃・2℃・4℃シナリオ)での分析結果の内、1.5℃シナリオと4℃シナリオにおける影響の大きい主要インパクトの分析結果は以下のとおりです。
<分析対象範囲>
|
事業セグメント |
食品 |
医薬品 |
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担当会社 |
㈱明治 |
Meiji Seika ファルマ㈱ KMバイオロジクス㈱ |
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財務インパクト算出範囲 |
明治グループ全体 |
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対象原材料 |
主要原材料[乳、カカオ豆、パーム油、砂糖、木材(紙)、鶏卵] |
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分析基準年 |
現状、2030年(中期)、2050年(長期) |
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<1.5℃シナリオ(移行リスク)における明治グループへの影響>
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気候変動に関わる変化 |
主要インパクトと具体的な影響 |
明治グループへの影響 |
||
|
関係するサプライチェーン |
影響額(億円) |
|||
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2030年 |
2050年 |
|||
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政府の環境規制の強化 |
カーボンプライシング負担額の増加 |
製造 |
37 |
80 |
|
調達 物流 |
201 |
277 |
||
|
再生可能エネルギー普及に向けた電力設備投資の拡大 |
電力購入金額の増加 |
製造 |
20 |
28 |
<4℃シナリオ(物理的リスク)における明治グループへの影響>
|
気候変動に関わる変化 |
主要インパクトと具体的な影響 |
明治グループへの影響 |
||
|
関係するサプライチェーン |
影響額 |
|||
|
2030年 |
2050年 |
|||
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台風・豪雨などの激甚化や発生頻度増加 |
洪水被害による機会損失 |
製造 物流 |
1拠点あたり約3億円 |
|
|
気温上昇や水リスクなどによる原材料の生育環境変化 |
原材料調達コストの増加 |
調達 |
- |
- |
□主要インパクトと具体的影響
<1.5度シナリオ>
・カーボンプライシング導入による影響額(自社)
2030年は、省エネ活動、創エネ活動、再エネ由来電力の購入などで14億円の削減を図り、37億円のコスト増加を想定しています。2050年は、新たな技術や次世代エネルギーの積極的導入など移行計画(トランジションプラン)に沿った対応策の強化により19億円を削減するものの、現在の技術では2050年にCO2排出量ゼロが見込めないため、排出量実質ゼロに向けて40億円の排出権購入が必要となり、80億円のコスト増加を想定しています。
単位:億円
|
取り組み内容 |
2030年 |
2050年 |
|
① 対応策未実施のカーボンプライシング負担額 |
51 |
59 |
|
② 対応策によるカーボンプライシング削減額 |
▲14 |
▲19 |
|
③ CO2排出量ゼロに向けた排出権購入金額 |
- |
40 |
|
合 計 |
37 |
80 |
・電力購入金額による影響額(自社)
2030年は、省エネ活動、創エネ活動などで17億円の削減を図りますが、再エネ由来電力のプレミアム価格によるコスト増加があり、20億円のコスト増加を想定しています。2050年は、同様に28億円のコスト増加を想定しています。
単位:億円
|
取り組み内容 |
2030年 |
2050年 |
|
① 電力単価上昇に伴う増加額 |
30 |
88 |
|
② 省エネ活動、創エネ活動等による削減額 |
▲17 |
▲71 |
|
③ 再エネ由来電力購入に伴う増加額 |
7 |
11 |
|
合 計 |
20 |
28 |
なお、現在実施している省エネ活動、創エネ活動、再エネ由来電力の購入などに加え、新たな技術や次世代エネルギーの積極的な導入などを織り込んだ移行計画(トランジションプラン)を策定しました。また、2021年度よりインターナルカーボンプライシング制度(1t-CO2当たり5,000円)を導入することで、カーボンプライシング本格導入後の円滑な対応に向けた準備も進めております。
移行計画(トランジションプラン)の概要は以下のとおりです。
|
|
※Scope1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
・カーボンプライシング導入による影響額(主要原材料)
主要原材料を調達する各国のカーボンプライスを基にした2030年の影響額は、以下の対応策の実施により201億円の増加を想定しています。2050年は同様に277億円の増加を想定しています。
対応策の概要は以下のとおりです。
・低炭素酪農/カーボンクレジットなどの研究促進
・明治グループ独自の酪農家支援活動であるMDA(Meiji Dairy Advisory)などを通じた酪農家の集乳量
(生産性)向上の促進
・低炭素酪農に対応した乳原料の調達推進
・サプライヤーとの連携強化によるGHG排出量削減の推進
・環境負荷低減に寄与する原材料(バイオマスプラスチック、再生プラスチック、認証原材料など)の使用推進
・容器包装の材料使用量の削減
<4度シナリオ>
・洪水被害による操業停止などの機会損失
洪水による被害額は、過去の事例を基に1災害あたり3億円規模を想定しております。この金額は、明治グループにおける過去の洪水を伴う大雨によって発生した被害(物流網遮断などによる廃棄ロスなど)実績より算出しております。また、洪水により機会損失が想定される拠点は、世界資源研究所(WRI:World Resources Institute)が公開している世界の水リスク評価ツールである「Aqueduct」の結果や代替生産拠点の有無を考慮し、12拠点と想定しております。
洪水リスクへの対応策として、リスクの高い拠点については、現地と連携してリスク評価結果とのGAP分析により実態を把握し、BCPの観点も考慮して、適切な対応策を実施して参ります。既にMeiji Seikaファルマ(株)小田原工場では、仮設止水板の導入や変電所防水堤の新設、空調室外機の予備基盤導入など対応策を実施しております。
・主要原材料調達への影響
原材料の生産地においても、気候変動による気温上昇や水リスクによって農作物の収量減少に伴う原材料単価の変化が起こることが想定されます。主要原材料の生産地における収量変化や水リスク(水の需給バランスの悪化を意味する水ストレス、渇水リスク、洪水リスク)の分析を実施し、その結果の概要は以下のとおりです。
~想定される収量変化~
・カカオ豆や砂糖の調達国では、将来的に収量が減少すると予測。
・一方で、明治グループのカカオ豆の主要調達地域では、2030年での影響が比較的小さく、2050年においても
同様。
・乳への影響は、2030年、2050年においても数%の減少に留まり、飼料の配合変更などによる生産性向上での
対応が可能であり、リスクはそれほど大きくないと想定しております。
~想定される水リスク~
・水ストレスと渇水リスクは、一部の地域を除いてほとんどの地域でリスクが低いと想定しております。
・洪水リスクは、将来的にほとんどの地域でリスクが高くなると想定されるため、夫々の生産地の洪水リス
クを確認した上で、改善策の検討が必要であると考えております。
このような影響によって主要原材料の調達コストは増加することを想定しており、以下の取り組みによりコストの抑制を図ってまいります。
① 商品面での対応
◇健康価値・栄養価値の強化、サステナビリティによる社会価値創出などによる商品の高付加価値化の推進
◇商品戦略見直しによるポートフォリオの最適化
◇価格改定による単価アップ
② 原材料面での対応
◇配合変更や代替原料の使用
◇調達国/地域/サプライヤーの最適化
③ 生産・物流面での対応
◇効率的生産による生産性向上、購買物流の効率化
④ サプライヤーとの連携
◇エンゲージメント強化による調達コストダウンとリスク低減
□機会への対応
気候変動における機会は、気候変動の直接的影響が社会や生活に変化をもたらし、その結果新たなニーズや機会につながると考えております。明治グループでは、現在の事業基盤を活かし、新たな資源を取り入れることで以下のような機会獲得の可能性を想定しており、今後、明治グループ全体で夫々の実現可能性を探り、実現に向けて具体的な取り組みを推進してまいります。
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気候変動の直接的影響 |
気候変動の社会や生活への影響 |
|
・平均気温の上昇 ・災害の激甚化 ・降水パターンの変化 ・生物多様性毀損 ・農産物の収量減少 ・海面の上昇 ・永久凍土の溶解 など |
・気温上昇での生活様式変化(外出・移動自粛、巣ごもり、止渇・熱中症など) ・食品・エネルギー価格の上昇、生産者の支出の変化 ・GHG排出規制の強化や水リスク(渇水、水質悪化)顕在化 ・環境負荷を低減させる生活の推進(ロスや廃棄削減、省エネ、エシカル消費など) ・医療ひっ迫の恒久化や感染症予防意識の高まり ・災害対策の意識の高まり ・開発途上国の栄養不足深刻化 |
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機会獲得のポイント |
高まることが想定されるニーズ |
明治グループにおける機会 |
|
生活様式の変化による巣ごもりなどへの対応 |
・気温上昇による止渇、熱中症対策 ・家庭内で生活を完結できる商品や仕組み ・栄養バランスの改善による健康維持 |
・暑さ対策商品の拡大 ・宅配ビジネスの拡大 ・カスタマイズ型栄養支援ビジネ ス |
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環境意識の高まりへの対応 |
・環境負荷の小さい商品 (植物由来、細胞培養、循環型農業など) ・廃棄ロスやエネルギー使用を低減した商 品や生活様式 ・原材料の持続可能な調達 |
・環境負荷低減型商品の拡大 ・環境配慮・支援型ビジネス ・持続可能な原料活用商品の拡大 |
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新興・再興感染症への対応 |
・感染症予防のための行動の習慣化 (うがい、手洗いの励行、マスク着用、免 疫力強化など) ・感染症に対するセルフメディケーション ・開発途上国における感染症対策 |
・グローバルでの感染症薬、免疫 力強化商品の拡大 ・自然免疫・獲得免疫・治療薬な ど感染症トータルケアビジネス ・開発途上国、原料生産国への感 染症対策商品の提供や支援 |
■リスク管理
明治グループは、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに的確に対処するべく、グループ全体でリスクマネジメントを推進し、その中で「気候変動」も主要な経営リスクとして位置づけております。
気候変動に関するリスクについては、ガバナンス体制に基づきリスクマネジメント部が参画したグループTCFD会議での検討を踏まえ、その結果を経営会議にて審議し、取締役会に報告し、取締役会が監督しております。
なお、リスクマネジメント部が参画することで、グループ全体のリスク管理と統合できる体制となっております。
一方で、気候変動によるリスクや機会は時代とともに変化するものと認識し、グループTCFD会議がTCFD提言に沿ったシナリオ分析を用いて定量的な分析と評価を行い、優先度の高い主要インパクトを特定し、リスク管理フローに基づき対応策を検討します。その結果を経営会議にて審議し、取締役会に報告し、取締役会が監督し、適切に経営に反映させてまいります。
■指標と目標(進捗状況含む)
明治グループでは、「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」や明治グループ長期環境ビジョン「Meiji Green Engagement for 2050」を策定し、マテリアリティとKPIを設定しています。気候変動に関わるリスク・機会への対応は、環境負荷低減活動の他、原材料調達など多岐にわたるため、以下KPIを設定し、進捗管理をしております。各KPIの進捗状況を定期的にチェックし、達成に向けて計画的に取り組むとともに、その結果は、明治ROESG®指標の一部として評価され役員報酬に反映されます。
<気候変動によるリスクと機会に関係するKPI>
|
主要 インパクト |
項目 |
KPI |
||
|
サステナビリティ2026ビジョン |
長期環境ビジョン |
2021年度進捗 ※1 |
||
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カーボンプライシングの導入 |
CO2排出量 |
2030年度までに自社拠点での CO2総排出量(Scope1、2)を50%以上削減、Scope3を30%以上削減(2019年度比) |
2050年までにサプライチェーン全体でCO2などの温室効果ガス排出量を実質ゼロに |
Scope1、2:13.7%削減 Scope3: 0.9%削減 ※2 |
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再生可能エネルギー使用量 |
2030年度までに自社拠点における総使用電力量に占める再生可能エネルギー比率を50%以上へ拡大 |
2050年までに自社拠点における総使用電力量に占める再生可能エネルギー比率100%を達成 |
5.3% |
|
|
プラスチック 使用量 |
2030年度までに国内の容器包装などのプラスチック使用量を25%以上削減(2017年度比) |
再生資材などを活用し容器包装に使用する新たな自然資本を最小化 |
11.7%削減 ※3 |
|
|
水調達リスク |
水使用量 |
2030年度までに自社拠点での水使用量の売上高原単位を20%以上削減(2017年度比) |
2050年までに自社拠点での水使用量の売上高原単位を2017年度比で半減 |
8.4%削減 ※4 |
|
主要原材料の持続可能な調達 |
カカオ豆 |
2026年度までにサステナブルカカオ豆の調達比率を100%へ |
- |
42% |
|
パーム油 |
2023年度までにRSPO認証パーム油への100%代替 |
- |
84% |
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|
木材(紙) |
2023年度までに環境配慮紙への100%代替 |
- |
98% |
|
|
生乳 |
酪農家の経営に関する支援活動Meiji Dairy Advisory(MDA)を年間400回以上実施、及び2023年度までに累計2,150回以上実施 |
- |
475回/年 累計1,423回 |
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※1 進捗については、基準年度からの削減率(%)を記載しています。なお、算出値については第三者保証取得
前の数値であるため、変更の可能性があります。
※2 Scope3はScope1、Scope2以外の間接排出で、バリューチェーンからのCO2排出量です。
※3 プラスチック使用量削減値については、2020年度実績を記載しています。
※4 水使用量の進捗については、「収益認識に関する会計基準」等を適用する前の売上高に基づき算出していま
す。
⑤ 明治グループにおける人財戦略
人財は、明治グループの価値創造を支える、きわめて重要な資本であり、従業員の多様性を尊重し、一人一人の能力を最大限に発揮させることが、明治グループの持続的な成長につながるという考えの下、人的資本から最大のリターンを得るために、経営戦略に則し、戦略的な投資を行っていきます。
これまでの「内部公平性」を重視した社内競争環境での均質・同質化を脱却し、「多様性」を強く意識した人財の活躍推進により、外部競争力の獲得・向上に努めていきます。
■グループ人財委員会の新設
グループ一体となって経営戦略に則した人財戦略を推進すべく、2022年4月に経営会議の諮問機関として「グループ人財委員会」を新設し、人財に関するテーマを重要な経営課題として議論していく体制を整えました。2022年度は「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」「健康経営」「人財開発」をテーマに掲げ、KPIの設定を含めてグループ横断での取組みを推進していきます。
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■D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)
グループ一体となったD&I推進の大方針として、2021年12月に「明治グループダイバーシティ&インクルージョンポリシー」を制定しました。
私たち明治グループは、赤ちゃんからお年寄りまで、それぞれのライフステージで多様な価値観をもつお客さまの気持ちや日々の生活に寄り添う事で成長を重ねてきたこと、これからもそうしたアプローチをグループの強みとし、日本、世界のお客さまに「食と健康」で一歩先を行く価値をお届けするために、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することを考えの基本とし、「多様な人財の活躍推進」「多様な価値観の活かし合い」により、イノベーションや新たな価値創造、明治グループの持続的な成長に繋げていくことを掲げています。
グループ人財委員会で、本ポリシーの具現化に向けた具体的な取組みについて議論し、KPI・施策ロードマップに落とし込んだうえで着実な推進を図っていきます。
<女性活躍推進>
D&I推進の最重要テーマとして「女性活躍推進」を掲げています。女性従業員が一層能力を発揮できる組織や職場の醸成が、あらゆる社員の働きやすい環境づくりに繋がるという想いの下、男女を問わず仕事と家庭の両立支援の充実や、女性を部下に持つ管理職への研修、女性従業員に対するキャリア研修やジョブローテーションを積極的に実施し、女性活躍の場の拡充を図り、女性リーダーを着実に増やす取組みを推進しています。
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■健康経営
『健康にアイデアを』を体現する企業グループとして、成長し続ける原動力は、従業員の“こころをからだの健康”であるとの考えのもと、従業員の健康の維持・増進に戦略的に投資をし、生産性の最大化・組織活性化を図っています。その実現に向け、健康経営投資から施策の効果までのつながりを明らかにした「健康経営戦略マップ」を策定・運用しています。
従業員の健康に対する取り組みが評価され、明治ホールディングス㈱、㈱明治、Meiji Seika ファルマ㈱は、「健康経営優良法人認定制度(経済産業省)」に基づく、健康経営優良法人に6年連続で認定されています。また、KMバイオロジクス㈱も2年連続で健康経営優良法人に認定されています。
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■人財開発
組織・個人の多様性を尊重し、従業員一人一人が活力と能力を最大限に発揮していくことが、明治グループの持続的成長に資すると考え、人財育成に力を入れて取り組んでいます
<グループ経営人財育成の取組み>
2026ビジョンの実現とその先の成長を見据えて、特にグループ横断的な経営人財の育成に注力しています。各事業における戦略遂行のための知識・スキル・能力だけでなく、グループ経営戦略の策定・推進に欠かせない視座・視野・視点を備える「変革・戦略人財」を中心とした人財を計画的に発掘・育成するべく、2021年度よりグループ経営人財育成プログラムを始動しました。執行役員および上級部長の選抜メンバーを対象に、8か月におよぶ育成プランを通して、ビジョン実現を強力にリードする明治グループ経営陣に求める人財像(リーダーシップバリュー)に沿ったコンピテンシー・能力の開発を行っています。
求める人財像(リーダーシップバリュー)
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当社グループでは、企業活動に重大な影響を及ぼす緊急事態発生時の対応だけでなく、さまざまな経営リスクを未然に防ぎ、軽減・回避措置を講じることが重要であるとの考えに基づき、リスクマネジメントを推進しています。
(1) リスクマネジメント体制
当社グループでは、「明治グループ2026ビジョン」実現に向けて新たな成長を推進するために、グループ全体の経営リスクを把握しリスク低減に取り組むと同時に、適切なリスクテイクに資するリスクマネジメント体制を構築しています。
当社は、グループ全体の経営リスクのマネジメント機能を強化するため、2021年4月にリスクマネジメント全般を担う部門として、監査役会とは独立したリスクマネジメント部を設置し、リスクマネジメント部を管掌する執行役員を任命しています。経営リスクをグループビジョンと一体化させ、これらグループ全体の経営リスクおよびその管理状況について、当社の経営会議において評価・確認の上、取締役会に報告し、取締役会が評価・監督することで、より経営環境の変化に即したリスクマネジメントを実行できる体制としています。
また、食品事業、医薬品事業それぞれの業態に適したリスクマネジメント体制の構築を推進しており、定期的に情報の共有、課題抽出および解決を行っています。各事業に共通するリスクやグループ全体に影響を及ぼすリスクは、全社で速やかに情報を共有する体制を備え、早期の感知・対応に努めるとともに、随時、リスクマネジメント部を管掌する執行役員が代表取締役 社長 CEOに報告しています。
<リスクマネジメント体制>
(2) 当社グループにおける経営リスク
全社横断的な経営視点で適切にリスクを把握し、影響度を考慮した対応策を策定することは、リスクの軽減はもちろん、明治グループの持続的成長および新たな成長機会の獲得にもつながります。そこで「明治グループ2026ビジョン」で掲げる3つのビジョン「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」に沿って、「明治グループにおける経営リスク」を特定しました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
下表の将来に関するリスクは、当社の中長期的な経営戦略に基づき、分類したものです。グループにおける重要度は、リスクが顕在化する可能性や顕在化した場合のグループへの影響度などを考慮し、当社グループが判断したものです(より重要度が高いと判断したものを◎の記載としています)。
また、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであり、全ての事業等のリスクを網羅したものではありません。
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リスク |
対応策 |
リスク認識の前年からの 変化 |
グループにおける 重要度 |
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1 事業に関するリスク |
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1.1 製品・サービスの販売・提供 |
・計画した製品の上市断念 ・お客さまのライフスタイル・価値観の変化 ・当社の強みとする素材(乳・カカオ等)へのネガティブな風評 |
・POC(Proof of Concept)の確実な取得 ・市場トレンドの積極的情報収集 ・環境や社会に配慮した商品開発 ・明治らしい社会課題解決型製品・サービスの創出 ・製品・素材に関する適切な情報発信 |
↗ |
◎ |
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1.2 特定製品への 利益偏重 |
・売上・利益構成比の高い製品の販売不振 |
・独自価値を最大化するマーケティング施策の実行 ・製品ポートフォリオマネジメントの充実 ・新市場や新規領域の探索 |
→ |
◎ |
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1.3 サプライチェーン |
・原材料の調達不足・余剰、価格高騰 ・生産トラブル等による生産活動の停止 ・生乳調達の困難化 ・物流起因による製品供給の不安定化 |
・原材料市場の積極的情報収集および調達戦略推進 ・生産販売部門の連携強化 ・調達先の分散や代替原料の検討 ・省人/無人化による物流効率化 |
↗ |
◎ |
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1.4 技術進歩 |
・デジタル技術の急速な進歩への適応不足 ・画期的な治療法・製法・製剤の台頭 |
・新技術導入検討の早期着手 ・新たな製法・製剤の研究、アライアンス探索 |
↑ |
◎ |
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1.5 法・制度 |
・企業活動に大きく影響する諸制度の改正 ・薬価改定 |
・諸制度改正の早期情報入手と対応策の実施 ・行政への適切な働きかけ ・薬価改定を受けない製品ポートフォリオの充実 |
→ |
○ |
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1.6 海外展開、 海外グループ会社 |
・社会情勢の急激な変化や戦争・テロの発生 ・諸外国における想定を大きく超える諸制度の改正 |
・情報収集および対応策の早期検討・実施 ・複数拠点からの製品供給体制の構築 |
↗ |
◎ |
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1.7 事業計画 |
・環境変化等によるビジョン、中期経営計画の未達成 ・コア事業の成長鈍化、海外市場や新規領域における計画未達 ・固定資産・のれんの減損 ・為替・金利変動 |
・独自価値のさらなる強化、新たな価値の継続的な探索 ・海外市場における独自価値の提供 ・収益性、成長性、生産性の観点での事業ポートフォリオ管理 ・投資、M&A計画における適切な意思決定、モニタリングの強化 ・為替予約および固定金利での借入 |
→ |
○ |
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リスク |
対応策 |
リスク認識の前年からの 変化 |
グループにおける 重要度 |
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2 サステナビリティに関するリスク |
||||
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2.1 環境との調和 |
・企業活動における環境への配慮 |
・CO2排出量・フロン漏洩量の削減、再生可能エネルギーへの転換、排水・廃棄物処理の適正実施、ISO14001に準じた取組み ・需給管理の徹底やフードロス対策 ・環境に関する各種方針、ポリシー等の徹底 |
→ |
○ |
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2.2 気候変動 |
・気候変動への対応 |
・TCFDの枠組みに沿った気候変動シナリオ分析と戦略策定および情報開示 |
↗ |
○ |
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2.3 豊かな社会 づくり |
・持続可能な原材料調達 ・多様性への理解、多様な人財の活用 ・人権への配慮、人権課題
|
・サステナブル調達原料(カカオ豆・パーム油)の比率向上 ・酪農家をはじめとするサプライヤーとの協業・連携強化 ・多様な価値観・能力を活かし合う組織・風土づくり ・人権デュー・ディリジェンスを踏まえた課題解決の取組み ・調達、人権、社会等に関する各種ポリシー、ガイドライン等の徹底 |
→ |
○ |
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3 経営基盤に関するリスク |
||||
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3.1 ガバナンス |
・適時適切な経営の意思決定 ・社内外のコンプライアンス違反 |
・取締役会の実効性の向上 ・グループガバナンス体制の強化 ・コンプライアンス・ソーシャルメディア利用の教育、各種方針・ポリシーの社内外への徹底 |
→ |
○ |
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3.2 明治ブランド の毀損 |
・品質不備、薬品の予期せぬ副作用などによる製品回収 ・当社グループまたは製品への予期せぬ風評被害 |
・安全安心の徹底追求 ・各ステークホルダーとの適切なコミュニケーション |
→ |
◎ |
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3.3 人財・風土 |
・企業成長に必要な人財獲得および能力開発 ・従業員エンゲージメント ・業務環境による生産性への影響 |
・サクセションプランの適切な運用 ・従業員研修の充実 ・従業員エンゲージメント向上施策の実行 ・健康経営の推進、快適な職場づくり |
→ |
○ |
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3.4 情報資産の 漏洩 |
・不正アクセス等による情報漏洩やシステム機能の停止 ・不適切な管理体制による情報の流出 |
・情報管理体制および情報セキュリティの強化 ・情報管理の教育強化と各種規程・ポリシーの徹底 |
↗ |
◎ |
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3.5 災害や不測の 事態 |
・災害やパンデミックなど予期せぬ非常事態による企業活動の停滞・中止 ・非常事態下の環境変化による製品需要の増減 |
・早期的回復に向けたBCP、リスクマネジメント計画の整備 ・グループとして幅広い製品ポートフォリオ保持 |
↗ |
○ |
当社は、取締役会において、当社グループ経営リスクに対する2021年度における重点取組みテーマを選定し、各事業会社における取組みについて確認しました。
<2021年度重点取組みテーマ>
① 製造委託先・共同開発先に対する品質保証体制、信頼性保証体制の確認
Meiji Seika ファルマ㈱が販売するイトラコナゾール錠の小林化工㈱(製造販売業者)による睡眠導入剤混入事件を受け、製造委託先および共同開発先に対する品質保証体制、信頼性保証体制を確認しました。
② 画期的な治療法・製法・製剤の台頭
新型コロナウイルスワクチンにおけるmRNAワクチンの台頭を受け、当該技術に対する認識・評価・対応を確認しました。
③ 不正アクセス等による情報漏洩やシステム機能の停止
ランサムウェアや標的型攻撃メールによる企業における被害が顕在化したことを受け、不正アクセスに対する平時の対策や顕在化した際の対応について確認しました。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
① 事業全体の状況
(単位:百万円)
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売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 (円 銭) |
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当連結会計年度 |
1,013,092 |
92,922 |
93,985 |
87,497 |
607.24 |
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前連結会計年度 |
1,191,765 |
106,061 |
110,176 |
65,655 |
452.52 |
|
前年同期比(%) |
85.0% |
87.6% |
85.3% |
133.3% |
- |
当社グループは、当連結会計年度より「2023中期経営計画」をスタートさせました。基本コンセプト「明治ROESG®経営の実践」に基づき、利益成長とサステナビリティ活動の同時実現に向けて、以下の重点課題に取り組んでいます。
1.事業戦略
(食品セグメント) (1)コア事業の成長力の回復
(2)海外展開の強化
(医薬品セグメント) (1)ワクチン事業の強化
(2)受託製造/受託製造開発(CMO/CDMO)事業の強化
(グループ全体) 新領域への挑戦
2.ROIC活用による経営管理体制強化
3.成長投資の継続と強固な財務基盤構築の両立
4.サステナビリティ2026ビジョンの着実な実行
2022年3月期は、新型コロナウイルス感染症による世界経済や国内消費動向への影響が続いたことに加え、原材料価格やエネルギーコスト高騰により、厳しい環境下での事業展開となりました。
食品セグメントでは、国内において消費者の健康や栄養に対する意識が変化する中で、新たな需要を確実に捉えるべく、コア事業に経営資源を重点的に投下し、売上拡大に取り組みました。海外では引き続き中国における生産販売能力を強化し、次の成長の柱となる事業育成に取り組みました。
医薬品セグメントでは、ヒト用ワクチン事業の強化と海外事業の伸長に取り組みました。感染症領域のトップメーカーとして、当社グループが持つ感染症に関する高い技術・設備や豊富な経験を活用し、外部の研究機関と協力の上、新型コロナウイルス感染症の不活化ワクチン開発と生産体制の整備を進めました。また、事業基盤の強化と新薬の創出に向けて経営資源を集中するため、当社の持分法適用関連会社であるDM Bio Limitedの株式全部や農薬製造販売事業を譲渡するなど、構造改革を推進しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は 1兆130億92百万円(前期比 15.0%減)、営業利益は 929億22百万円(同 12.4%減)、経常利益は 939億85百万円(同 14.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は 874億97百万円(同 33.3%増)となりました。また、ROEは 13.5%、1株当たり当期純利益は 607.24円となりました。
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発・供給の取り組みを次のとおり進めています。
当社の事業子会社であるKMバイオロジクス株式会社では、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めています。2022年4月からは、承認に向けた最終段階となる第3相臨床試験(国際共同)及び国内小児第2/3相臨床試験を開始しました。加えて、この不活化ワクチンを国内に早期供給すべく、生産に必要な設備の整備も進めており、2021年12月には不活化ワクチンの試験検査を行う新棟が竣工しました。他の製造設備工事も計画通り進捗しています。
アストラゼネカ株式会社が日本へ導入している新型コロナウイルスワクチンについて、KMバイオロジクス株式会社は、2021年3月よりアストラゼネカ社から供給された原液の製剤化を行いました。また、Meiji Seika ファルマ株式会社は、同年8月より同ワクチンの保管・配送・安全性情報収集の業務を行っております。
② セグメントの状況
(単位:百万円)
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報告セグメント |
合計 |
|||||||
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食品 |
医薬品 |
||||||||
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前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減 |
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減 |
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減 |
|
|
売上高 |
999,673 |
826,080 |
△173,592 |
193,664 |
187,981 |
△5,682 |
1,193,338 |
1,014,062 |
△179,275 |
|
セグメント 利益 |
87,463 |
75,973 |
△11,489 |
19,105 |
18,658 |
△446 |
106,568 |
94,632 |
△11,936 |
(注) 売上高、セグメント利益は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。
セグメントの業績の詳細は、次のとおりであります。
Ⅰ.食品
当セグメントにはヨーグルト・チーズ事業 (プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ)、ニュートリション事業 (乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容)、チョコレート・グミ事業、牛乳事業、業務用食品事業、フローズン・調理食品事業 (アイスクリーム、調理食品、バター・マーガリン類)、海外事業 (海外子会社、輸出)、その他・国内子会社 (国内独立系子会社、ガム、キャンデー、OTC)による製造・販売、運送等が含まれております。
売上高は、「収益認識に関する会計基準」等を適用した影響により、前連結会計年度を大幅に下回りました。前連結会計年度にも当該会計基準等を適用した比較では、前連結会計年度並みとなりました。当該会計基準等を適用する前の事業別売上高の比較では、業務用食品事業、海外事業は前連結会計年度を大幅に上回り、ニュートリション事業やチョコレート・グミ事業、その他・国内子会社は前連結会計年度を上回りました。前連結会計年度の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による特需の反動などにより、ヨーグルト・チーズ事業や牛乳事業、フローズン・調理食品事業は前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は、宣伝費などのコストコントロールに努めましたが、原材料コスト増やエネルギーコスト増に加え、ヨーグルト・チーズ事業の減収の影響により、前連結会計年度を大幅に下回りました。
事業別の概況は、次のとおりです。
■ヨーグルト・チーズ事業 (プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ)
売上高は前連結会計年度を下回りました。体調管理意識の高まりや巣ごもり消費で好調に推移した前連結会計年度の反動に加え、競争激化の影響によりプロバイオティクスは大幅な減収となりました。またヨーグルトやチーズも減収となりました。
営業利益は、減収や原材料コスト増の影響により前連結会計年度を大幅に下回りました。
■ニュートリション事業 (乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容)
売上高は前連結会計年度を上回りました。スポーツプロテイン「ザバス」は、運動不足解消ニーズの高まりや顧客層の拡大により増収となりました。乳幼児ミルクや流動食も好調に推移しました。
営業利益は、原材料コストや販促費、減価償却費などが増加しましたが、増収により前連結会計年度を上回りました。
■チョコレート・グミ事業
売上高は前連結会計年度を上回りました。チョコレートは前連結会計年度並みとなりましたが、前連結会計年度に通勤・通学時やオフィスでの需要減少で苦戦していたグミが前連結会計年度を大幅に上回りました。
営業利益は、原材料コストや減価償却費などが増加しましたが、増収により前連結会計年度を上回りました。
■牛乳事業
売上高は前連結会計年度を下回りました。巣ごもり消費で好調に推移した前連結会計年度の反動に加え、品目数削減の影響などにより減収となりました。
営業利益は前連結会計年度より改善しました。減収の影響を販促費や生産体制の見直しによる経費削減によってカバーしました。
■業務用食品事業
売上高は前連結会計年度を大幅に上回りました。外出自粛の影響で需要減となった前連結会計年度の反動で、業務用クリーム、業務用乳製品が大幅な増収となりました。
営業利益は、物流費や販促費が増加しましたが、増収により前連結会計年度を大幅に上回りました。
■フローズン・調理食品事業 (アイスクリーム、調理食品、バター・マーガリン類)
売上高は前連結会計年度を下回りました。前連結会計年度の家庭内需要の反動により、バター・マーガリン類が減収となりました。また、前連結会計年度の反動に加えて、天候不順の影響を受けたアイスクリームも減収となりました。
営業利益は、コストコントロールに努めましたが、減収や原材料コスト増の影響により前連結会計年度を大幅に下回りました。
■海外事業 (海外子会社、輸出)
売上高は前連結会計年度を大幅に上回りました。中国の牛乳・ヨーグルト事業は減収となりましたが、アイスクリーム事業は大幅な増収となりました。加えて、新規連結の子会社が2社増えたことも寄与しました。
営業利益は、中国事業強化のため人件費やマーケティング費用が増加したことに加え、中国における牛乳・ヨーグルト事業の減収、米国事業での原材料コスト増の影響などにより、前連結会計年度を大幅に下回りました。
■その他・国内子会社 (国内独立系子会社、ガム、キャンデー、OTC)
売上高は、物流子会社1社が株式譲渡により連結対象子会社から除外された影響がありましたが、糖類を取り扱う商社や飼糧子会社などの増収により、全体では前連結会計年度を上回りました。
営業利益は、増収により前連結会計年度を上回りました。
Ⅱ.医薬品
当セグメントには、国内医薬品事業、海外医薬品事業、農薬・動物薬事業(農薬、動物薬、動物用ワクチン)が含まれております。
売上高は、「収益認識に関する会計基準」等を適用した影響により、前連結会計年度を下回りました。当該会計基準等を適用する前の事業別売上高の比較では、国内医薬品事業、海外医薬品事業は前連結会計年度を上回りました。ヒト用ワクチン事業は前連結会計年度を下回りました。農薬・動物薬事業は、農薬事業を譲渡した影響で、前連結会計年度を大幅に下回りました。
セグメント利益は、ヒト用ワクチン事業が大幅な増益となり、海外医薬品事業も増益となりましたが、国内医薬品事業が大幅な減益となったことで、前連結会計年度を下回りました。
事業別の概況は、次のとおりです。
■国内医薬品事業
売上高は前連結会計年度を上回りました。前連結会計年度に新型コロナウイルス感染症拡大による医療機関受診患者数減少の影響を受けた抗菌薬や新型コロナウイルス抗原検査キットが増収になりました。また、アストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチンの保管・配送・安全性情報収集に関する受託収入も寄与しました。
営業利益は、薬価改定の影響を受けたことに加え、研究開発費の増加などにより、前連結会計年度を大幅に下回りました。
■海外医薬品事業
売上高は前連結会計年度を上回りました。中国の子会社は新型コロナウイルス感染症拡大などの影響により減収となりましたが、インドの子会社は受託製造事業が好調に推移し、増収となりました。
営業利益は、インドの子会社の増収などにより、前連結会計年度を上回りました。
■ヒト用ワクチン事業
売上高は前連結会計年度を下回りました。B型肝炎ワクチン「ビームゲン」の減収や、プレパンデミックインフルエンザワクチンの受託製造がなかったことが影響しました。インフルエンザワクチンは好調に推移し、アストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチン製剤化に関する受託収入も発生しました。
営業利益は、アストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチン製剤化に関する受託収入やコスト低減などにより、前連結会計年度を大幅に上回りました。
■農薬・動物薬事業(農薬、動物薬、動物用ワクチン)
売上高は、第4四半期連結会計期間に農薬事業を譲渡したことで前連結会計年度を大幅に下回りました。
営業利益は、動物薬事業の減収などにより前連結会計年度を下回りました。
③ 2023中期経営計画の進捗状況(2022年3月期~2024年3月期)
当連結会計年度より開始した「2023中期経営計画」では、従来の売上高や営業利益などの成長性・収益性の目標指標に加えて、ROEとESG指標に、明治らしいサステナビリティ目標(明治らしさ目標)を加えた独自の指標である明治ROESG®を掲げています。また、ROICも資本生産性や効率性の目標指標として新たに設定しています。中期経営計画の目標指標に対する当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
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指標 |
2021年度 実績 (2022年3月期) |
2023年度 目標 (2024年3月期) |
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統合目標 |
明治ROESG® |
12.3ポイント |
13ポイント |
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成長性・収益性 |
連結売上高 |
1兆130億円 |
1兆800億円 |
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・食品セグメント |
8,260億円 |
8,745億円 |
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・医薬品セグメント |
1,879億円 |
2,090億円 |
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連結営業利益(率) |
929億円 (9.2%) |
1,200億円 (11.1%) |
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・食品セグメント |
759億円 |
1,020億円 |
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・医薬品セグメント |
186億円 |
185億円 |
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海外売上高 |
929億円 |
1,345億円 |
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効率性・安全性 |
ROIC |
8.4% |
10%以上 |
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・食品セグメント |
9.8% |
12%以上 |
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・医薬品セグメント |
6.6% |
6%以上 |
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株主還元 |
ROE |
13.5% |
11%以上 |
※上記の実績及び目標値は「収益認識に関する会計基準」等を適用した後の金額となっております。
明治ROESG®の達成状況の詳細は次のとおりであります。
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※1 ESG指標の達成状況
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※2 明治らしいサステナビリティ目標(明治らしさ目標)の達成状況
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主要な経営指標の推移は、次のとおりであります。
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セグメント別の売上高及び営業利益の推移は、次のとおりであります。
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(注)2021年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、上記の「2021年度」、「2022年度計画値」及び「2023年度中計目標値」は当該会計基準等を適用した後の金額となっております。
2022年3月期の総括は次のとおりであります。
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●コア事業の成長力に課題を残したが、事業ポートフォリオの見直しや政策保有株式の売却など により親会社株主に帰属する当期純利益は大幅増。自己株式の取得も実施し、ROEは上昇。 |
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●長期環境ビジョンで掲げた「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」という目標に向 けて前進。 ・2021年9月 RE100に加盟 ・2021年10月 インターナルカーボンプライシング制度を導入 ・2021年10月 SBT(Science Based Targets)認定を取得 |
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●責任あるサプライチェーンの構築に向けて、主要なサプライヤーやグループ会社への調達アン ケートを実施。今後のアクションのベースとすべく現状を把握・分析。 |
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●新スローガン「健康にアイデアを」を社内浸透やサステナビリティの「自分ゴト化」推進の取 り組みでグループの一体感を醸成。 |
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総括:厳しい環境下でも明治ROESG®経営を実践し、変革への歩みを進めた1年 |
④ 来期の見通しについて
2023年3月期は、引き続き新型コロナウイルス感染症による世界経済や国内消費動向への影響、原材料価格及びエネルギーコストの高騰が懸念されますが、当社グループは「2023中期経営計画」の各戦略を着実に実行してまいります。
食品セグメントでは、国内においては、原材料価格及びエネルギーコストの高騰に対して、価格改定や容量変更などにより、コスト上昇分を吸収します。価格改定による数量減の影響を最小限に留めるべく、プロバイオティクスやヨーグルト、健康志向チョコレートなどの価値訴求強化や、スポーツプロテイン「ザバス」などの積極的なマーケティング活動に取り組みます。海外では、引き続き中国における生産販売能力の強化に取り組みます。販売エリア拡大による売上成長に加え、プロバイオティクスや「ザバス」など、高付加価値商品の拡大を図り、次の成長の柱となる事業の育成に取り組みます。
医薬品セグメントでは、強みを持つ感染症領域に経営資源を集中し、ワクチンと感染症薬のトップ企業としての競争優位性確立に取り組みます。加えて、コスト低減や海外のCMO/CDMO事業拡大に取り組み、国内における薬価改定の影響をカバーして計画の達成を目指します。また、当社グループが持つ感染症に関する高い技術・設備や豊富な経験を活用した創薬力の強化にも取り組みます。新型コロナウイルス感染症に対するワクチンについては、2023年3月期中の供給を目指します。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
食品 |
822,162 |
104.7 |
|
医薬品 |
118,962 |
99.3 |
|
報告セグメント計 |
941,125 |
104.0 |
|
合計 |
941,125 |
104.0 |
(注)セグメント間の取引は含まれておりません。
② 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。
一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
食品 |
825,451 |
82.6 |
|
医薬品 |
187,641 |
97.3 |
|
報告セグメント計 |
1,013,092 |
85.0 |
|
合計 |
1,013,092 |
85.0 |
(注)1 総販売実績に対する売上の割合が10%以上の相手先はありません。
2 セグメント間の取引は含まれておりません。
(3)財政状態の分析
資産の部では、現金及び預金が前連結会計年度末に比べて 270億80百万円増加し、674億9百万円となりました。コミットメントラインの設定額200億円と合わせた手元流動性の残高は874億9百万円で、2023中期経営計画で目安としている手元流動性の水準(連結売上高の1か月程度)を確保いたしました。有形固定資産は、前連結会計年度末に比べて 284億96百万円増加し、4,834億91百万円となりました。これは主に国内での恵庭工場や埼玉工場などの設備投資、海外での天津や広州における工場建設によるものであります。投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べて 97億52百万円減少し、1,602億6百万円となりました。これは関係会社株式や政策保有株式の売却による投資有価証券の減少や、グループ通算制度の適用に伴い通算グループ全体の繰延税金資産と繰延税金負債を相殺処理したことなどによるものであります。その結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて 504億59百万円増の 1兆1,174億59百万円となりました。
負債の部では、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用したことで、契約負債が 59億7百万円増加しました。また、返金負債が 159億29百万円増加した一方で、未払費用が 153億66百万円減少しました。有利子負債(社債、借入金)は、前連結会計年度末に比べて 205億8百万円減少し、812億67百万円となりました。その結果、当連結会計年度における負債合計は、前連結会計年度末に比べて 32億3百万円減の 4,044億38百万円となりました。
純資産の部では、純資産合計が前連結会計年度末に比べて 536億62百万円増の 7,130億21百万円となりました。これは自己株式の消却などにより資本剰余金が 201億90百万円減少した一方、利益剰余金が 634億72百万円、為替換算調整勘定が 116億99百万円増加したことなどによるものです。
この結果、流動比率は前連結会計年度末に比べて 9.5ポイント減の158.9%、デット・エクイティ・レシオは0.04ポイント減の0.12倍、自己資本比率は 2.0ポイント増の60.3%となり、資金の流動性及び財務の安定性を維持しております。なお、1株当たり純資産は前連結会計年度末に比べて 498円72銭増加し、4,781円52銭となりました。
自己資本及び自己資本比率の推移は、次のとおりであります。
|
|
(4)資本の財源及び資金の流動性
① 資本政策の方針
事業活動により得た資金は、持続的な成長に向けて、将来への成長投資や研究開発へ積極的に充当してまいります。また、グループ全体の資本効率の観点から、成長投資については財務規律との調和を図るとともに、政策保有株式などの非事業用資産については圧縮してまいります。
株主還元についても経営における重要課題と認識しており、連結配当性向について2024年3月期までに40%水準に引き上げるとともに、最適資本構成や資金余力等を勘案し、必要に応じて自己株式の取得も検討してまいります。
当連結会計年度では、8期連続となる増配を実施しました。また、キャッシュ・フローの良化により株主への一層の利益還元と資本効率の向上を目的として、約300億円の自己株式を取得した後、消却を実施しております。
② 資金調達の方針
資金調達については、資金需要や金利環境等を踏まえつつ、多様化した調達手段の中から資本コストの低減を第一義として、負債により調達することを基本方針とします。一方で、負債の増加に伴う信用リスクの観点から、原則としてデット・エクイティ・レシオは0.3倍までを上限とし、金融情勢に左右されないような高い信用格付の維持にも努めます。なお、本報告書提出時点において、当社は日本格付研究所より「ダブルAマイナス(安定的)」の信用格付を取得しております。
主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業拡大、運営に必要な投資資金及び運転資金の金融機関からの調達に関しては問題なく実施できると認識しております。なお、国内の金融機関との間で合計200億円のコミットメントラインを設定しており、期中の現預金残高とコミットメントライン設定額を合わせた手元流動性の水準を、連結売上高の1か月程度に設定することで、緊急時の流動性を確保いたします。
また、グループ会社を対象に、資金調達の安定化と調達コストの低減を図るため、グループファイナンス制度を導入しております。
当社は、「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」の実現に向けた活動に必要な資金調達の手段として、ICMA(国際資本市場協会:International Capital Market Association)の定めるグリーンボンド原則及びソーシャルボンド原則に基づいた、「サステナビリティファイナンス・フレームワーク」を策定しており、当連結会計年度においては2021年4月に第10回無担保社債(サステナビリティボンド、5年100億円)を発行して資金を調達しました。今後も、本フレームワークに基づき、サステナビリティファイナンスを積極的に活用し、社会課題解決への貢献を一層進めてまいります。
③ キャッシュ・フローの状況
|
区分 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
123,683 |
127,526 |
3,843 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△93,110 |
△27,614 |
65,495 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
30,573 |
99,911 |
69,339 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△28,293 |
△76,997 |
△48,704 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△378 |
2,931 |
3,309 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△減少) |
1,901 |
25,844 |
23,943 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
37,110 |
39,011 |
1,901 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
39,011 |
64,872 |
25,861 |
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
|
区分 |
第9期 |
第10期 |
第11期 |
第12期 |
第13期 |
|
自己資本比率(%) |
52.7 |
52.5 |
56.3 |
58.2 |
60.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
126.9 |
129.8 |
111.5 |
96.8 |
83.3 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
1.1 |
1.0 |
0.9 |
0.8 |
0.6 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
140.3 |
143.2 |
157.0 |
197.2 |
246.3 |
(注)各指標の算出方法
自己資本比率:(純資産の部-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(期末株価終値×発行済株式総数)/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い(利息の支払額)
※ 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 38億43百万円収入増の 1,275億26百万円の収入となりました。これは法人税等の支払額が増加した一方、仕入債務や契約負債が増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 654億95百万円支出減の 276億14百万円の支出となりました。これは農薬製造販売事業やDM Bio Limitedの株式を譲渡したこと、政策保有株式の売却による収入が増加したことなどによるものです。
これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、前連結会計年度より 693億38百万円収入増の 999億11百万円の収入となりました。
創出したフリー・キャッシュ・フローについては、配当金の支払いや自己株式取得により株主還元を行うとともに、有利子負債の返済に充当しております。配当については増配を実施し、株主還元の充実に努めました。今後も安定的継続的な利益還元を実施します。なお、配当金の支払額は前連結会計年度末より 14億52百万円支出増の 238億98百万円、配当性向は 28.0%であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 487億4百万円支出増の 769億97百万円の支出となりました。これは配当金の支払額の増加と自己株式の取得や社債の償還による支出が増加したことなどによるものです。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は 648億72百万円となりました。
当連結会計年度においては、事業活動に伴う運転資金は金融機関からの借入れやコマーシャル・ペーパー及び社債の発行により調達いたしました。なお、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による資金繰りへの影響は特段ありませんでしたが、期中の現預金残高とコミットメントライン設定額を合わせた手元流動性の水準を、連結売上高の1か月程度に維持することにより、緊急時に備えました。
当連結会計年度における資金調達と資金配分の関係は、次のとおりであります。

配当金及びEPS(1株当たり当期純利益)の推移は、次のとおりであります。
(注)2015年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、2013年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり配当金及び1株当たり当期純利益を算定しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、「(1) 経営成績の状況」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループ業績におけるマイナスの影響としては、食品セグメントでは体調管理意識の高まりや巣ごもり消費で好調に推移した前連結会計年度からの反動があったプロバイオティクスや牛乳、バター・マーガリン類の減収がありました。また、医薬品セグメントでは中国の子会社が減収となりました。
一方で、食品セグメントでの運動不足解消ニーズの高まりによる「ザバス」の増収、前連結会計年度に通勤・通学時やオフィスでの需要減少で苦戦していたグミや外出自粛の影響で需要減となった業務用クリーム、業務用乳製品の回復による増収、医薬品セグメントでの前連結会計年度に新型コロナウイルス感染症拡大による医療機関受診患者数減少の影響を受けた抗菌薬や新型コロナウイルス抗原検査キットの増収、アストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチンの保管・配送・安全性情報収集に関する受託収入など、プラスの影響もありました。
新型コロナウイルス感染症の収束時期などを想定することは困難であるものの、食品セグメントでは“ウィズコロナ”という新しい社会に適合した商品提案を行い、医薬品セグメントでは新型コロナウイルスワクチンの取り組みを進めるとともに、費用の効率的な支出に努めてまいります。従って、新型コロナウイルス感染症による当社グループの翌連結会計年度以後の業績に与える影響は限定的であり、会計上の見積りへの影響も軽微と想定し、当連結会計年度の見積もりを行っております。
(1)技術援助契約
技術導入
|
契約会社名 |
相手先 |
契約の発効年月 |
有効期限 |
目的 |
実施料 |
|
㈱明治 |
ブルガリア国 LBブルガリクム |
2000年5月 |
2020年4月まで。以後2040年4月まで5年間毎に自動延長。 |
ヨーグルトの 製造技術導入。 |
生産高の一定率を支払う。 |
|
Meiji Seika ファルマ㈱
|
オルガノン㈱ |
2013年3月 |
販売開始から10年間又は特許の存続期間の何れか長い期間。 |
アセナピンの製造及び販売に関する実施許諾契約。 |
一定額の一時金を支払う。 |
(2)業務提携契約
|
契約会社名 |
相手先 |
契約の発効年月 |
有効期限 |
目的 |
実施料 |
|
Meiji Seika ファルマ㈱ |
大鵬薬品工業㈱ |
2015年12月 |
2015年12月17日よりビラスチン後発医薬品の発売日まで。 |
ビラスチン製剤の共同販売契約。 |
一定額の一時金を支払う。 |
(3)合弁契約
|
契約会社名 |
相手先 |
契約の発効年月 |
有効期間 |
合弁会社の内容 |
契約会社出資額 |
|
Meiji Seika ファルマ㈱ |
インドネシア国 チプト・プスポスハルト氏外 |
1974年3月 |
合弁会社の 存続期間。 |
社名 :P.T.Meiji Indonesian Pharmaceutical Industries 目的 :抗生物質ほか各種薬品の製造、販売。 資本金:380億73百万ルピア 設立 :1974年5月 |
355億38万ルピア (資本金の93.34%) |
|
Meiji Seika ファルマ㈱ |
タイ国 ナナ・チャート社外 |
1979年9月 |
合弁会社の 存続期間。 |
社名 :Thai Meiji Pharmaceutical Co.,Ltd. 目的 :抗生物質ほか各種薬品の製造、販売。 資本金:2億9,700万バーツ 設立 :1979年11月 |
2億8,100万バーツ (間接所有含む) (資本金の94.61%) |
|
㈱明治 |
タイ国 バンコックインエックス社 CPグループオブカンパニー社 |
1989年1月 |
規定なし。 |
社名 :CP-MEIJI Co.,Ltd. 目的 :タイ国における飲用牛乳・ヨーグルト等の製造・販売。 資本金:5億バーツ 設立 :1989年2月 |
2億バーツ (資本金40%) |
|
Meiji Seika ファルマ㈱ |
アリスタヘルスアンドニュートリションサイエンス㈱ |
2011年2月 |
設立期日より20年間。 |
社名 :明治医薬(山東)有限公司 目的 :医薬品、動物薬外の製造、販売。 資本金:2,400万米ドル 設立 :2003年10月 |
2,000万米ドル (資本金の83.33%) |
(4)その他
|
相手先 |
期間 |
内容 |
|
㈱明治 Meiji Seika ファルマ㈱ |
2009年4月1日から |
経営を管理・監督・指導するための経営管理契約。 |
|
KMバイオロジクス㈱ |
2019年4月1日から |
経営を管理・監督・指導するための経営管理契約。 |
当連結会計年度の研究開発費の総額は
当連結会計年度における研究開発活動に関し、新たに取り組んだ事項及び変更事項は次のとおりであります。
(1) 食品
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、
① ヨーグルト・チーズ:プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ
(プロバイオティクス)
『明治プロビオヨーグルトR-1』ブランドでは、季節に合わせたラインナップとして夏限定グレープフルーツミックス、秋限定のフルーツミックスを発売しました。2022年4月には毎日の生活で不足しがちな栄養素である「鉄分」「カルシウム」を配合したドリンクタイプ『満たすカラダ』シリーズと、甘みを気にすることなく毎日おいしく食べ続けやすい、砂糖・甘味料を加えていない無添加タイプの『明治プロビオヨーグルトR-1 無添加』を発売する予定です。
(ヨーグルト)
『明治ブルガリア』ブランドでは2021年10月に水切り濃縮したおいしさを手軽に楽しめる脂肪0タイプの『水切り濃縮プレーン』シリーズ(プレーン/いちごソース乗せ/ブルーベリーソース乗せ)を発売しました。プレーンタイプは料理やお菓子作りに幅広く活用でき、さまざまな使い方が楽しめます。2022年4月には『明治ブルガリアヨーグルト 脂肪0』ドリンクタイプ(900g)と、『同 低糖・低カロリー』、コップ1杯(200ml)に半日分のカルシウムと鉄分を配合した『同 カルシウムと鉄分』、乳素材だけで作った甘みのついていないプレーンタイプの『明治ブルガリアヨーグルト 無添加プレーン』を発売する予定です。カロリーや脂肪分を気にする時や、不足しがちな栄養分を補いたい時など、さまざまなシーンでお選びいただけるラインアップとなっています。
また、高たんぱく質訴求商品として、『ザバス』ブランドを活用した新商品を発売しました。具体的には2021年7月に食べるタイプバナナ風味(180g)、8月にドリンクタイプ(200g)を発売しました。2022年1月にはドリンクタイプバナナ風味を追加発売し、4月にはビタミンD添加と風味改良を行う予定であり、継続的に商品力強化を行っていきます。
『TANPACT』ブランドではおいしく継続しやすいよう、2021年8月にバニラ風味を発売しました。2022年3月にはなめらかさを高め、食べやすさを向上させるリニューアルを行いました。
(チーズ)
『明治北海道十勝』ブランド初のフレッシュモッツァレラチーズである『明治北海道十勝生モッツァレラ』を2021年8月から全国展開しました。本商品は、乳酸菌が生きた状態のナチュラルチーズ(生チーズ)で、北海道産生乳のおいしさを最大限に引き出す製法を採用し、ミルク感にこだわっています。
2021年9月に、『TANPACTベビー』シリーズ(8個入90g)をリニューアル発売しました。『TANPACTベビー Ca&ビタミンD入り』は手軽にたんぱく質とビタミンDを、『同 鉄分入り』はたんぱく質と鉄分をおいしく補給することができます。2022年3月には、『明治なめらか6Pチーズ』シリーズ(100g)を新発売しました。『明治なめらか6Pチーズ』『同 モッツァレラ』『同 十勝カマンベール入り』『同 燻製かつお風味』は、原料チーズの絶妙な配合により、やわらかくなめらかな食感を実現しました。また、同時期に『明治北海道十勝スマートチーズ 芳醇パルメザンブレンド8個入り』(90g)をリニューアルしました。明治独自の「うまみ乳酸菌熟成」技術によって生まれたナチュラルチーズを絶妙にブレンドし、「ほろっと食感」に仕立てました。
② ニュートリション:乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容
(乳幼児ミルク)
日本国内向けに、『明治ステップ らくらくミルク』を2021年9月に発売しました。1~3歳の子どもに特に大切で不足しがちな栄養をまとめて摂ることができる液体の調製乳です。幼児用の液体の調製乳としては、国内初の製品となります。
タイ国内向けに『Meiji GU FORMULA GOLD EZcube 3 (448g)』『同 (56g)』を2022年2月より当社グループ会社のタイ・メイジ・フードにて販売を開始しました。1~3歳の子どもに必要な栄養素の国際基準に則って設計されたキューブタイプの粉ミルクです。キューブタイプは、「計量が要らない」「粉がこぼれない」「衛生的」「持ち運びしやすい」といった利便性から、日本国内においても高く評価されている当社独自の形状の粉ミルクです。
幼児向け商品として『明治ミラフル』シリーズを2022年3月に発売しました。幼児期の成長に重要で、かつ不足しがちな栄養素であるビタミンD、鉄、カルシウム、亜鉛の4成分を当社独自の設計で配合しています。さらに、知能の発達に良いと考えられるDHAを配合した、牛乳に溶かして飲用する『明治ミラフル粉末飲料 ストロベリー風味』、長年の乳幼児研究から選び抜いたOLB6378株(ビフィズス菌)を配合した乳製品乳酸菌飲料(殺菌)規格の『明治ミラフルドリンク ヨーグルト味』の2品を展開しています。
(スポーツ栄養)
『ザバス』シリーズでは、2021年6月に『ザバスホエイプロテイン100 すっきりフルーティー風味50食分 NEXTBODY』を、Amazon.co.jp限定で発売しました。ドリンクタイプのプロテイン『(ザバス)MILK PROTEIN 脂肪0』で人気のフレーバー『すっきりフルーティー』の味わいをイメージし、爽やかな酸味と飲みやすさを実現した粉末タイプのプロテインです。当社独自の造粒技術「均質顆粒化製法」により、水や牛乳にサッと溶けておいしく飲むことができます。
2021年7月に『ザバスアクアホエイプロテイン100 レモン風味』を発売しました。たんぱく質原料として、純度の高いホエイプロテインアイソレート(WPI)を100%使用した、すっきりクリアなスポーツドリンク感覚のプロテインで、運動時に加えて日常のさまざまなシーンの水分補給としてもおいしく飲むことができます。
2021年10月に『ザバスフォーウーマンホエイプロテイン100 ミルクショコラ風味14食分』『同 45食分』を発売しました。女性に不足しがちな食物繊維、カラダづくりに必要な10種のビタミンと3種のミネラルを独自配合しているので、ボディメイクのためにトレーニングに励む女性におすすめです。水に溶かしても濃厚な味わいを楽しめるミルクショコラ風味のため、トレーニングした後にうれしい、ご褒美的なおいしさです。
また、トップアスリートのための『ザバスプロ』シリーズより、『ザバスプロパワーペプチド顆粒 レモン風味12袋入』も2021年10月に発売しました。当社が独自に開発した、吸収に優れたパワーペプチド(ホエイペプチド)を使用しており、体内にすばやくアミノ酸を届けることで、トップアスリートのコンディショニングをサポートします。携帯に便利なスティック包装で、水と一緒にそのまま飲める顆粒タイプなので、トレーニング前・中・後や、1日の終わりなど、タイミングを逃さず摂取できます。
『ヴァーム』シリーズでは、2022年3月より特定保健用食品『ヴァームスマートフィットウォーター 香るレモン風味』『同 アップル風味』の2品を発売しました。カラダを動かすことによる体脂肪の減少をさらに助ける特定保健用食品です。身体活動時の体脂肪の分解と消費の2つの働きを促進するアラニン・アルギニン・フェニルアラニン混合物を1,500mg配合しています。手軽に摂取して、10分程度の歩行などの身体活動をプラスすることで、効率的に体脂肪を減らすことができます。日常や運動時の水分補給に適したニアウォータータイプなので、すっきりおいしく飲むことができます。
『ザバス』の海外展開として、今後市場が大きく伸張すると想定される中国に於いて、2020年8月より明治独自の栄養設計、溶けの良さとおいしさを特長とする『ホエイプロテイン100 ココア味』『同 バニラ風味』の販売を開始していますが、2022年1月に『ヨーグルト風味』を追加で販売を開始しました。また、2022年3月より健康意識の高まりを背景に伸長する台湾市場でも、同3品の展開を開始しました。
『ザバス』ブランドから、菓子の加工技術を活用した『ザバスプロテインバー チョコレート』を2022年4月に、6月には『ザバスソイプロテインバー ビターチョコ』を発売します。1本当たりたんぱく質15gが配合されており、運動やダイエットの前後に気軽に摂取できる設計となっています。
パワーと元気をチャージする『即攻元気』シリーズ商品のラインナップ強化を図るために、プレミアムタイプ品として、高麗人参エキスを300mg配合した『即攻元気ゼリー 高麗人参+』を2021年9月に、「シャキッと元気」を訴求してクエン酸を3,000mg、レモン50個分のビタミンC(1,000mg)を配合した『即攻元気ゼリー クエン酸&ビタミンC レモン風味』、「エネルギー秒速チャージ」を訴求してエネルギー200kcal、ビタミンB群を配合した『即攻元気ゼリー エネルギー&マルチビタミン マスカット風味』、鉄臭を低減して鉄分と9種のビタミンを1日分1袋にぎゅっと凝縮した『即攻元気ゼリー 鉄分&マルチビタミン ぶどう風味』を2022年3月に発売開始しました。
(流動食)
流動食部門では、医療現場で使用される『明治メイバランスぎゅっとMini』シリーズ(コーヒー味・ミルクティ―味・ストロベリー味・ミックスフルーツ味)を2021年7月に新発売しました。100mlで200kcalを摂取できる少量高濃度タイプの経口用流動食で、少量で栄養とエネルギーを簡単・手軽に補給できるため、様々な理由で普通の食事が十分に摂れない方や食欲のない方の補助栄養として受け入れられています。また、容器が100mlとコンパクトであるため、保管時の省力化も図れ、持続可能な社会の実現にも貢献しています。病院・介護施設チャネルにおいて圧倒的No.1シェアを獲得している『メイバランスMini(AB125ml)』シリーズで、2021年6月に新たにココア味とぶどう味をラインナップに追加しました。医療現場で使用される高機能経管流動食である『明治リーナレン』シリーズとして、『リーナレンMP 300K』(熱量300kcal/袋)を新たに追加発売しました。既存商品である『リーナレンMP 400K』と組み合わせて使用する事で、投与するたんぱく質量、ミネラル量、エネルギー量を幅広く調整が出来るラインアップになりました。
半固形流動食の『メイバランスソフトJelly』は、2021年秋より群馬栄養食工場での内製化製造を開始し、病院向けは2021年11月から、市販向けは2022年3月から販売を開始しました。原料、製造工程を見直し、従来品よりも、離水、舌触りのザラツキを低減し、咀嚼嚥下性に優れた物性に改良しています。
(美容)
飲料タイプでは、キャップ付きスリムボトルタイプ250ml容器入りの『(ザバス for Woman) MILK PROTEIN脂肪0+SOY ミルクティー風味』と、運動後に飲みやすい爽やかな風味の『(ザバス) MILK PROTEIN脂肪0 ハニーレモン風味(430ml)』を2021年10月に発売しました。
そして、運動強度の高い方向けに1本で20gのプロテインを摂取でき、速攻吸収製法により体内への吸収速度を高めた『(ザバス) MILK PROTEIN脂肪0フルーツミックス風味(430ml)』を2022年3月に発売しました。また、運動しながら健康的にキレイを目指す女性をターゲットとしたプロテイン12.5g+美容成分入りシリーズとして、ヒアルロン酸配合の『(ザバス) MILK PROTEIN Beauty Line (250ml)』と、コラーゲン配合の『(ザバス) MILK PROTEIN+SOY Beauty Line (250ml)』を2022年4月に発売しました。
『オリゴスマート』シリーズでは、シリーズ初となる飲料商品として、糖として吸収されないオリゴ糖である「フラクトオリゴ糖」を配合し、ミルクのコクを感じられるリッチな味わいの『カフェオレ』『ココア』(各200ml)の2品を2021年9月に発売しました。
『TANPACT』では、1本に乳たんぱく質を4.5g配合し、おいしくたんぱく質補給ができる果汁入り飲料2品『アップル』『ピーチミックス』(各200ml)を発売しました。
『アミノコラーゲン』シリーズでは、2021年3月に発売後、賞味期間120日にて販売しておりましたが、商品の保存試験による品質確認を重ねた結果、2021年9月より賞味期間180日に延長いたしました。賞味期間延長を通じ、賞味期限切れによる廃棄物削減に今後も取り組んでまいります。
③ チョコレート・グミ:チョコレート、グミ
(チョコレート)
『ミルクチョコレート』の2026年100周年に向け、『ブラックチョコレート』『ハイミルクチョコレート』も含めて、お客様の嗜好に合わせた品質改良を行い、板チョコ、26枚包装形態、スティックパック、大袋タイプ、全品を、2021年9月にリニューアル発売しました。『オリゴスマートチョコレート』は、従来の無垢チョコに加え、ナッツのおいしさ、食感が楽しめる『ナッティークランチ』『アーモンドパウチ』をそれぞれ2021年9月、10月に発売しました。『ザ・チョコレート』ブランドから、メキシコ産ホワイトカカオと水で作ったガナッシュでソースを包んだ、未体験のカカオの香り立ちを愉しめる『アロマトリック crafted by THE Chocolate』をバレンタイン催事限定にて2022年1月に発売しました。
チョコスナック商品では、『きのこの山』『たけのこの里』より、大人をターゲットに甘さを控え、小麦全粒粉を使用した『厳選素材のきのこの山』『厳選素材のたけのこの里』を2022年3月に発売しました。
ナッツチョコレート商品では、ユーザー拡大を狙い、『アーモンドチョコレート』『マカダミアチョコレート』『ヘーゼルナッツチョコレート』に続き、女性に支持される『ピスタチオチョコレート』を2022年3月に発売しました。
またカカオをフルーツとして捉え、その栄養価値を最大化する素材として、「カカオフラバノールエキス」「カカオグラニュール」等の新規素材開発を推進しました。また、カカオ生産地と連携したサステナブルな取り組みを、明治Newアクションとして2022年3月に対外発表を行いました。
(グミ)
『果汁グミ』ブランドからは『ぶどう』『温州みかん』『苺』『マスカット』『桃』の定番5商品に加えて、『果汁グミ ゴールデンパイン』を2021年4月に、『同 夏の果汁グミソルティライチ』を同年7月に、『同 ダークチェリーミックス』を同年8月に、『同 青りんご』を同年11月に、『同 ゴールドキウイ』を2022年2月に発売し、季節のおいしさが楽しめる品質でラインナップ強化に繋げました。また近年の健康志向の高まりを受けて『果汁グミ 糖類30%オフ ぶどう』を2021年9月に、『同 レモンビタミンC』を2022年3月に発売し、糖類制限や栄養強化ニーズに応えました。
コロナ禍でイライラした気分を噛み締めてスカッとしたいという気持ちに寄り添い、超ハード食感が特徴の『コーラアップ ザハード』を2021年8月に発売し、ご好評いただいています。本商品の発売と同時に当社独自の食感表示の取り組みとしてORAL-MAPS(咀嚼シミュレーター)を活用した食感評価手法を確立しました。1(ソフト)から5+(ハード)の6段階で噛み応えを表現する「食感チャート」を当社のグミ全商品でパッケージ表示を順次、開始しています。
長く続くマスク生活でお口の不快感軽減に向けて『お口のミカタグミ レモン』『同 マスカット』を2021年10月に発売しました。3つの有機酸で口腔内をジューシーで爽やかなおいしさが包みます。
グミ剤型の健康機能研究も推進し、「グミ咀嚼が唾液分泌に与える影響に関する探索的研究」を行い、グミの咀嚼が喫食開始直後から素早く唾液を分泌することを明らかにしました。さらに唾液分泌量の増加に伴い唾液中の分泌型免疫グロブリンAの迅速な口腔内への放出も確認し、2022年3月の日本農芸化学会で発表しました。
④ 牛乳:牛乳類
生乳消費拡大を図るため、2022年1月に北海道産生乳を100%使用し、全国飲用牛乳公正取引協議会の定める成分基準を満たした特選牛乳の『明治特選北海道牛乳(200ml)』を発売しました。また、同月にはコップ1杯の牛乳と同等量のカルシウムと、あわせて摂りたいフラクトオリゴ糖を配合した、お子さまの元気な毎日をサポートする『明治それいけ!アンパンマンのMILK(みるく) カルシウム&オリゴ糖(200ml)』も発売しました。両商品ともに常温長期保管可能のため、買い置きができ、食品ロス削減にもつながります。
⑤ 業務用食品:業務用食品
新鮮なミルクの香りと豊かなコクが特長の当社独自乳原料を使用した『明治あじわいミルク(1,000ml)』を2022年4月に発売しました。
ソースでは、カフェで使用されるさくらとストロベリーの風味を活かしながらさらに乳風味を加えた『さくらストロベリーソース』を2022年2月に発売しました。
衛生基準から生菌タイプのヨーグルトを使えない食品加工メーカーのニーズに応え、業務用殺菌発酵乳『明治発酵BASEd(ベース)芳醇ヨーグルト ピュオルト』を2021年6月に発売しました。ヨーグルト特有の爽やかな香りの強い乳酸菌を使用しています。
明治独自の製法により、生チョコレートの規格でありながら、常温保管6か月の賞味期間を有する『瑞練生ショコラ』を2022年1月に発売しました。耐熱保形性と可塑性を有する、客先での加工適性が高い画期的な業務用生チョコレートです。
⑥ フローズン・調理食品:アイスクリーム、調理食品、バター・マーガリン類
(フローズンデザート)
フローズンデザートでは、『エッセル』シリーズで既に行っている賞味期限設定をその他商品群にも2021年上期より展開しました。お客様からのご期待に応え、より美味しく・安全な商品開発を行っていきます。また、健康訴求アイスの拡大に向け、『明治ブルガリア フローズンヨーグルトデザート』『明治チョコレート効果 CACAO』を発売しました。それぞれ、アイスならではの濃厚なコクとヨーグルトの爽やかな風味、1カップでチョコレート効果5枚分のカカオポリフェノールを含み、更に上質な苦味とカカオの華やかな香りを特徴とする商品となっています。『明治TANPACT』ブランドについては、上期に『同 ストロベリーチョコレート』、下期に『同 バナナ&チョコレート』をそれぞれ発売しました。これらの商品について健康基軸ブランドとして育成を図っていきます。
(調理食品)
冷凍食品の新商品として、濃厚ソース、味付けご飯及びトッピング具材が満足感のあるボリュームで電子レンジ調理可能な『満足丼 ミラノ風ドリア』を、当社『TANPACT』シリーズから『TANPACT チーズグラタン』『同 チーズドリア』を、また当社ドライ(レトルト)食品で好評を博している『まるごと野菜』ブランドを冠し、発芽玄米入りピラフの粒感が楽しめて1トレーで野菜60g(生換算)・食物繊維8gが摂れる『まるごと野菜 完熟トマトの発芽玄米入りごはん』『同 ブイヤベース風発芽玄米入りごはん』を、更に主力製品である『レンジピッツァ&ピッツァ』の『チーズ風味』を強化してリニューアルし、それぞれ2021年秋に発売しました。2022年2月の新商品として、『まるごと野菜』シリーズから野菜量を1トレーで120g(同)に増強した『まるごと野菜 豆と野菜のキーマカレー』を、『銀座』シリーズから『銀座バターチキンカリードリア』をそれぞれ発売し、好評を頂いております。
チルド食品としては、『DailyRichキーマカレー』を2021年秋にリニューアルし、さわやかなスパイスの香りを引き立たせました。
ドライ食品では、ご好評頂いている『まるごと野菜スープ』シリーズを2021年秋に刷新し、『完熟トマトのミネストローネ』及び『じっくり煮込んだポトフ』をリニューアルするとともに、新メニューとして『かぼちゃのクリームスープ』を新たに発売しました。また、2022年春には、更に新メニューである『ゆずこしょう香る白だしスープ』を追加いたしました。
また、宅配専用商品として長年ご好評頂いていた『明治の牛乳屋さんのおすすめビーフカレー』を刷新し、『明治のこだわり仕込み特製ビーフカレー』として2022年2月に発売いたしました。ソテーオニオンの甘味とビーフの深いうま味が調和したソースには、隠し味のチョコレートとヨーグルトを加え、深みのある味わいをお楽しみ頂けます。
(バター・マーガリン類)
バター・マーガリン類では、油脂率を低減しバター風味を強化した『ライフまろやかソフトバター風味』を2021年4月に、脂肪分・カロリーカットとバター風味を両立した『コーンソフト かる~いタイプバター風味』を2021年9月に発売しました。また低脂肪スプレッドとしてご好評いただいている『オフスタイル』『オフスタイル べに花』の2品について、機能性表示食品としてのリニューアルを2021年9月に実施しました。本品にはイヌリンが含まれており、腸内環境を良好にしたい方、おなかの調子が気になる方に適した食品です。
⑦ 海外:海外子会社、輸出
当社では、1968年から2005年まで、タイ国内で粉ミルクを販売しておりましたが、国際的な通貨危機による景気後退などの影響により撤退しました。しかしながら、タイ国内での明治ブランドの認知率は、牛乳やヨーグルト、お菓子などを販売していることもあり、非常に高いため、再参入の時期を検討し続けてまいりました。このたび、競合他社との大きな差別性を持った当社独自の形状である『キューブ』タイプでタイ国内への粉ミルク事業の再参入を行いました。
健康意識の高まりを受け急速にヨーグルト市場が拡大している中国において、『明治プロビオヨーグルトR-1』ドリンクタイプ及び『明治プロビオヨーグルトLG21』ドリンクタイプを2021年4月に発売しました。中国で「乳酸菌の特長でヨーグルトを選ぶ」という文化を提案し、プロバイオティクスヨーグルト市場を開拓していくとともに、中国のお客さまの健康な食生活に貢献してまいります。
(2) 医薬品
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、
Meiji Seika ファルマ株式会社グループにおきましては、医療用医薬品における感染症、中枢神経系領域でのスペシャリティファルマを目指すとともに、血液がん等新領域、ジェネリック医薬品、動物薬、ワクチンにも注力し、積極的な研究開発活動を行っております。当事業に係る研究開発費として13,700百万円(ファルマグループ分)を投入いたしました。
具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
KMバイオロジクス株式会社と共同で開発を進めている新型コロナウイルス感染症に対するワクチン「KD-414」は、国内の第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始しました。抗悪性腫瘍剤「HBI-8000」は、提携先であるHuya Japan合同会社が再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫の適応で2021年6月に、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫の適応で2021年11月にそれぞれ承認を取得しました。慢性GVHD治療薬「ME3208(KD025)」は、国内の臨床第Ⅲ相試験を開始しました。経口PDE4阻害剤「ME3183」は、米国で実施していた臨床第Ⅰ相試験を完了し、米国及びカナダにおける臨床第Ⅱ相試験の準備を進めております。ウステキヌマブ製剤(遺伝子組換え)のバイオ後続品である「DMB-3115」は、欧州で実施した臨床第Ⅰ相試験において先行バイオ医薬品との生物学的同等性を検証し、国際共同治験として臨床第Ⅲ相試験を開始しました。β-ラクタマーゼ阻害薬「Nacubactam(OP0595)」は、国内開発について国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称AMED)による「医療研究開発革新基盤創成事業(略称CiCLE)」として、国内で実施していた抗菌薬との併用反復投与の臨床第Ⅰ相試験を完了しました。2016年5月に発売した統合失調症治療薬「シクレスト®舌下錠」については、医療への科学的側面からの貢献を目指して、抗精神病薬の適正使用に関するエビデンス創出に継続的に取り組んでいます。
統合失調症治療薬「ジプラシドン(ME2112)」は戦略上の理由により開発中止を決定し、ラクオリア創薬株式会社とのライセンス契約を終了しました。
生物産業事業分野におきまして、農薬事業では、新規農業用殺虫剤「ME5343(Afidopyropen)」は、導出先のBASF社(ドイツ)のインド、米国、中国等での販売が好調に推移し、さらにアジア、南米等での農薬登録の取得を進めておりました。新規農業用殺菌剤「ME5223(Fenpicoxamid)」は導出先のコルテバ社(アメリカ)が中南米でバナナ向け、欧州で麦類向けに販売を開始し、さらに欧州各国での農薬登録の取得を進めました。新規農業用殺虫剤「ME5382(Flupyrimin)」につきましては、国内販売を開始し、インドでUPL社が水稲分野で開発を進めるとともに、UPL社とは種子処理分野につづきアジアでの水稲分野の開発商業化契約を締結いたしました。非選択性除草剤「グルホシネート-P」につきましては、米国で農薬登録申請を行いました。また、主力のいもち病防除剤「オリゼメート」及び「ME5382(Flupyrimin)」につきましては、国内における新たな水稲栽培技術である密播・密苗栽培及び側条処理への対応を進めました。なお、当連結会計年度において、農薬の製造販売事業を譲渡しております。
動物薬事業では、牛用抗菌剤「マルボシル」については2019年11月に効能追加の承認取得済です。牛用抗菌剤「フロルガン」は、2020年4月に承認取得し、2021年1月に新薬として上市しました。初年度の売上は好調に推移し、これまでの主力品を上回るスタートダッシュを切りました。豚用ワクチン「エコポークシガ」は、2020年7月に承認取得し、2021年6月に新薬として上市し、堅調にシェアを伸ばし好調なスタートとなりました。
魚用駆虫剤「マリンバンテル」は、農水省での審査が終了し、2021年4月に効能追加の承認取得を取得し、コロナ禍の市場停滞時に新たな売上に貢献しています。
牛豚用抗菌剤「ME4137」は、牛・豚共に既に承認申請を終え、牛用ME4137については内閣府食品安全委員会にて、豚用は農水省にて審議されています。畜産用飼料添加物「ME4406」は、医薬品開発の臨床試験に該当する鶏の野外応用試験を2019年3月に終了、豚については2021年度末に試験を終了し、データを解析しています。
なお、横浜と足柄にあった研究機能を整理・統合し、足柄の製薬研究所に集約しました。これに伴い、横浜研究所における研究活動は終了しました。
製薬研究所 :世界の医療に貢献する有用で高品質な医薬品を早期に安定的に医療現場へ供給できるよう医薬品候補物質の創出や構造解析、物性評価を行うとともに、原薬及び製剤の規格試験法や製法の確立、工業化、原価低減を効率的に行っています。
KMバイオロジクス株式会社は、ヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿分画製剤の研究開発から製造販売まで行う体制を持ち、また新生児のマススクリーニングなどを行う新生児スクリーニングセンターを保有しております。
同社においては、ヒト用ワクチン、動物用ワクチンならびに血漿分画製剤の3領域の研究開発を行っており、それぞれの領域における具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
ヒト用ワクチンにつきましては、新型コロナウイルスに対するワクチンについて「新型コロナ不活化ワクチン(KD-414)」として、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所及び医薬基盤・健康・栄養研究所と協業し2020年5月より開発を開始しており、厚生労働省や日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金により研究開発及び生産体制整備を推進しております。現在の開発状況は、2021年3月より開始した第Ⅰ相/第Ⅱ相臨床試験で、高い安全性が示唆され、一定の有効性が期待できる結果が得られましたので、2021年10月より第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を開始しております。また第Ⅲ相臨床試験等の準備も進めております。他には「デング熱ワクチン(KD-382)」は、2018年8月よりオーストラリアで実施していた第Ⅰ相臨床試験は完了し、健康な成人に対して良好な安全性及び免疫原性が確認できました。現在、導出活動と並行して、第Ⅱ相臨床試験の準備を進めています。「小児用5種混合ワクチン(KD-370)」は、国内第Ⅲ相臨床試験は2021年2月に終了、製造販売承認申請に向けて準備中です。
血漿分画製剤につきましては、血友病バイパス製剤であるバイクロットについて、現在の適応外である定期療法の適応を取得するための適応拡大試験(KD2-305)を2021年3月に完了し、2021年9月に適応拡大(定期投与)の承認事項一部変更申請を実施しました(並行して継続投与試験も実施中)。
動物用ワクチンにつきましては、豚用ワクチンである「KD-386」及び「KD-395」の計2品目を農林水産省に製造販売承認申請中です。
(3) その他
明治ホールディングス株式会社 価値共創センターの設立から3年が経過しました。
グループ事業会社3社(株式会社明治・Meiji Seika ファルマ株式会社・KMバイオロジクス株式会社)、それぞれが持つ研究基盤と強みを、センターにおける人的交流とオープンイノベーションを通じて融合し、「健康価値領域での新たな挑戦」を実現しています。本年度の成果としては、特許出願4件、論文採択2件、学会発表を3件行いました。がん研究において大きな影響力がある「Cancer Discovery」誌に、乳酸菌の細胞外多糖が、がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高めることを報告し、海外の第一線研究者からも注目されています。これとは別のいくつかの研究テーマについては、グループ事業会社と共同で事業化の検討も始めています。今後も明治グループの強みである食と薬、両分野における知識及び技術基盤を活かし、明治グループが目指す「健康価値領域での新たな挑戦」を更に強力に推進していきます。
なお、当連結会計年度における研究開発活動の金額は、892百万円であります。