当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、グループ理念に掲げる使命・役割のもと、「食と健康」の企業グループとしてお客さまの生活充実に貢献することで持続的な成長・発展をすべく全力を尽くし、あらゆるステークホルダーとの信頼に基づき企業価値の向上を図ってまいります。
[グループ理念]
私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、
「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。
私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、
日々の「生活充実」に貢献すること。
私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、
常に一歩先を行く価値を創り続けます。
[経営姿勢] グループ理念を実現させていくにあたり、経営の基本姿勢を表明したものです。
1.「お客さま起点」の発想と行動に徹する。
2.「高品質で、安全・安心な商品」を提供する。
3.「新たな価値創造」に挑戦し続ける。
4.「組織・個人の活力と能力」を高め、伸ばす。
5.「透明・健全で、社会から信頼される企業」になる。
(2) 中長期的な経営戦略と経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループは、移り変わる環境下にあってもグループ理念を体現し、成長し続ける企業グループであるために、2026年度(2027年3月期)までの長期ビジョンを策定し、その実現を目指しています。
実現に向けては3年ごとの中期経営計画を策定してより具体的な実行計画に落とし込み、取り組んでいます。
また、2021年6月1日にはグループスローガンを「健康にアイデアを」に刷新しました。当社グループは100年以上にわたり「おいしさ・楽しさ・健康・安心」の世界を拡げることに努めてまいりました。これからはグループ内外の食と医薬の知見を融合させ、新しい価値を創造します。特に「健康」というフィールドで「meijiらしい健康価値」を提供し、これまで以上に大きな役割を果たしていくことを目指します。「meijiらしい健康価値」とは、CURE(なおす)、CARE(まもる)、SHARE(わかちあう)のサイクルでひとりの健康をみんなの笑顔につなげていき、健康であることの幸せを周囲に拡げ、社会、地球が健康である「より良い未来」に貢献していくことです。
① 長期ビジョン「明治グループ2026ビジョン」(2018年5月発表)
目指す企業グループ像
明治グループ100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本、世界で成長し続ける。
目標水準
・営業利益成長率 1桁台半ば以上(年平均)
・海外売上高比率 20%を目指す
・ROE 10%以上を維持
重点方針
1.コア事業での圧倒的優位性の獲得
2.海外市場での成長基盤の確立
3.健康価値領域での新たな挑戦
4.社会課題への貢献
同ビジョンの実現に向けては、重点方針に沿って策定した「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」をもとに、活動を推進しています。
事業ビジョン
(食品セグメント)
国内ではコア事業であるヨーグルト、チョコレート、栄養食品に注力すると同時に、さらなる事業ポートフォリオの強化を目指します。海外では、各地域で明治らしい、差別化された商品を展開し、独自のポジションを確立します。そしてブランド認知を獲得し、成長を加速させます。
(医薬品セグメント)
感染症治療薬やジェネリック医薬品、バイオ医薬品などを国内のみならず、海外展開も含めてトータルで拡大します。特に感染症領域ではアジアのリーディングカンパニーとなるべく、生産能力、研究開発、普及活動をそれぞれ強化します。
(グループ全体)
食品、医薬品の各事業で培ったノウハウ・強みを生かすとともに、オープンイノベーションにより社外の知見を積極的に取り入れることで、健康・予防領域における独自価値の創出を目指します。
サステナビリティビジョン
人びとが健康で安心して暮らせる持続可能な社会の実現を目指して、事業を通じた社会課題の解決に貢献すべく、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」を主要活動テーマに掲げ、推進します。
経営基盤ビジョン
機能的・戦略的なマネジメント体制の確立や、一人一人の力が発揮できる環境・仕組み・風土づくり、さらにはmeijiブランドの進化に向けた取り組みを推進します。
② 経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く市場環境は、競争の激化、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた市場構造や消費マインドの変化など、不透明な状況が続いています。また、原材料価格やエネルギーコストの高騰が企業収益を圧迫し、消費者物価にも大きな影響を与えています。加えて、気候変動や環境問題への対応、人権や多様性の尊重、持続可能な調達活動など、企業が果たすべき役割や責任も増大しています。企業価値評価の考え方も大きく変わっており、企業の持続可能性、リスクへの強靭性、社会への貢献度が重視されています。
このような環境下において、当社グループはグローバルで健康・栄養の社会課題の解決に貢献できる企業として持続的な成長を目指すべく、以下の課題に適切に取り組んでまいります。
・事業活動とサステナビリティ活動が相互に矛盾せず、同時に実現できるビジネスモデルの確立を目指します。社会課題解決への取組みは事業成長やイノベーションのためのシーズであり、新たな価値創造に果敢に挑戦します。
・経営効率や資本コストを意識した経営管理体制に転換し、最適な事業ポートフォリオを構築し、資本生産性のさらなる向上を目指します。
・赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代の「こころとからだの健康」に貢献するユニークな企業グループとしての強みに磨きをかけ、グループシナジーの創出を実現します。
③ 2023中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)
当社グループは創業から続く「健康価値の提供」を再認識し、世界の人びとや社会と健康をシェアするサステナブルな企業グループとして成長することを目指します。
「2023中期経営計画」では従来の売上高や営業利益などの成長性・収益性の目標指標に加えて、新たに明治ROESG®※を掲げます。明治ROESG®はROEとESG指標に、明治らしいサステナビリティ目標(明治らしさ目標)を加えた独自の指標です。これを役員報酬と連動させることにより、その実効性を担保します。また、ROICも資本生産性や効率性の目標指標として新たに設定します。事業別にROICを活用して効率性や収益性を管理することで資本コストを意識した事業運営を徹底し、事業ポートフォリオ戦略の権限や責任体制を明確化します。設備投資や研究開発投資の評価としても活用し、グループ全体の経営管理体制を強化します。
※ROESGは一橋大学教授・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です。
<明治ROESG®>
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目標指標
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指標 |
2023年度 目標 (2024年3月期) |
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統合目標 |
明治ROESG® |
13ポイント |
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成長性・収益性 |
連結売上高 |
1兆800億円 |
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・食品セグメント |
8,745億円 |
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・医薬品セグメント |
2,090億円 |
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連結営業利益(率) |
1,200億円 (11.1%) |
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・食品セグメント |
1,020億円 |
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・医薬品セグメント |
185億円 |
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海外売上高 |
1,345億円 |
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効率性・安全性 |
ROIC |
10%以上 |
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・食品セグメント |
12%以上 |
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・医薬品セグメント |
6%以上 |
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株主還元 |
ROE |
11%以上 |
2023年3月期における2023中期経営計画の進捗状況は、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況に記載のとおりであります。
具体的な戦略のポイントは以下のとおりです。
事業戦略
(食品セグメント)
・コア事業の成長力の回復
ヨーグルトやプロバイオティクスは、既存商品の機能やエビデンスを強化するとともに、新たな健康価値を持った新製品の開発にも取り組みます。
ニュートリションでは、引き続きスポーツプロテイン「ザバス」の売上拡大に取り組むとともに、乳幼児ミルクや流動食は提供価値の拡充によるシェア拡大を目指します。
チョコレートは、カカオの価値を生かした新たな商品開発にチャレンジします。サステナブルカカオ調達を推進し、商品の付加価値化をさらに進めます。また、生産体制の最適化に取り組みます。
・海外展開の強化
特に注力する中国エリアでは、牛乳・ヨーグルト、菓子、アイスクリームの各事業において生産能力を大幅に拡大し、売上成長を加速します。また、プロバイオティクスや「ザバス」の売上拡大にも取り組み、次の成長の柱として育成します。
(医薬品セグメント)
毎年実施される国内の薬価改定や受診行動の変化による影響に左右されない、強固な事業ポートフォリオを構築します。
・ワクチン事業の強化
製販一体となったサプライチェーンマネジメントをさらに強化します。また、研究開発における社内外の連携を強化するとともに、新たな創薬技術の構築にも取り組みます。
・受託製造/受託製造開発(CMO/CDMO)事業の強化
海外市場に向けては、既存顧客との取引拡大や新規取引の獲得に取り組み、生産能力も増強します。また、研究開発力を強化して競争優位性を確保するとともに、医薬品アクセス向上に対応します。
日本市場に向けては、日本水準の高い品質と低コストでの製造が可能なインド子会社の大規模生産能力を活用し、取引拡大を目指します。
(グループ全体)
・免疫領域での貢献
抗老化素材の事業化や免疫増強物質の創出など、健康寿命延伸に向けた新たな価値提供に取り組みます。
・オープンイノベーションの推進
外部との連携を強化し新規事業の創出を目指します。「明治アクセラレータープログラム」をはじめとする複数の創発プログラムを新設・実行するとともに、新しい技術を持つスタートアップ企業やベンチャー企業を探索します。
財務戦略
・ROICの活用により経営管理体制を強化し、資本生産性の向上に取り組みます。
・資本配分については、営業キャッシュ・フローの範囲内で成長投資を実施するとともに、継続的な増配を目指します。また最適資本構成の観点から自己株式の取得も検討します。政策保有株式は30%削減(簿価ベース)します。
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サステナビリティ戦略
各活動テーマの中で以下の取り組みを重点的に進めます。
(こころとからだの健康)
・事業を通じた健康な食生活への貢献
健康志向商品や付加価値型栄養商品を創出し、健康な食生活や食文化の普及・啓発に取り組みます。
・新興・再興感染症への対応
新型コロナウイルスワクチンの開発・供給に取り組むとともに、デング熱などのワクチン開発を進めます。
(環境との調和)
・気候変動への対応
再生可能エネルギーの活用を強化します。また、SBT※1認定の取得やインターナルカーボンプライシング※2の導入、特定フロン全廃に向けた取り組みを進めます。
※1: Science Based Targetsの略。科学と整合した目標設定
※2: 企業内での炭素の価格付け
・プラスチック資源循環の推進
引き続き、容器包装の軽量化や紙製への変更などの「リデュース」の取り組みを進めるとともに、バイオマスプラスチックや再生プラスチックの使用を拡大します。
・水資源の確保
水使用量を削減するとともに水源保全活動を進め、水リスクに対応します。
(豊かな社会づくり)
・多様性の尊重
ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを進めます。
・人権の尊重
人権デュー・ディリジェンスを実施し、適切に情報を開示します。
・働きやすい職場づくり
会社と健康保険組合で構成する「グループ人財委員会(健康経営分科会)」にて、健康経営の重点目標を設定し、積極的に推進します。
(持続可能な調達活動)
人権・環境に配慮して原材料を調達します。責任あるサプライチェーンを構築するとともに、サステナブルカカオ豆、認証パーム油、環境配慮紙の計画的な調達を進めます。
また、ESG投資枠を設定し、CO₂排出量の削減や脱フロン対策、プラスチック使用量の削減、水資源の確保、医薬品の安定供給に関連した取り組みを円滑に遂行します。
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項目 |
主な投資内容 |
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CO₂排出量の削減 |
・省エネ機器の導入 ・太陽光発電設備の導入 など |
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脱フロン対策 |
・ノンフロン冷蔵・冷凍設備の導入 |
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プラスチック使用量の削減 |
・容器包装軽量化のための設備投資 ・環境に配慮型した容器包装の設備導入 |
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水資源の確保 |
・水の効率的な使用に資する設備の導入 ・水質改善設備の導入 |
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その他 |
・医薬品安定供給に資する設備導入 など |
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、サステナビリティ戦略を推進するために、責任者であるチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)が議長を務める、グループサステナビリティ事務局会議を毎月開催し、社会課題解決に向けた取り組みを強化しています。また、当社代表取締役社長 CEOが委員長を務めるグループサステナビリティ委員会では、半期毎にサステナビリティ活動全般の進捗状況などを審議しています。重要なサステナビリティ課題は、経営会議にて審議し、取締役会が監督し、経営に反映しています。
リスク管理に関しては、企業活動が環境や社会から影響を受ける、もしくは環境や社会に影響を与える可能性のあるサステナビリティ課題について、グループサステナビリティ委員会にて、審議しています。同委員会には、リスクマネジメント部も参画し、グループ全体のリスク管理とも連携しています。また、2019年より、3名の社外有識者を交えたESGアドバイザリーボードを開催しています。社外有識者より、当社グループのサステナビリティ課題への取り組みに関して、幅広い見地から忌憚のないご意見を頂いております。
(2)重要なサステナビリティ課題
上記、ガバナンス及びリスク管理を通じて識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ課題に対する取り組みは以下のとおりであります。
① 戦略
サステナビリティ2026ビジョンの実現に向け、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」の3つのテーマと、共通テーマである「持続可能な調達活動」を掲げており、それぞれのサステナビリティ課題に対するリスクと機会、主な取り組みは下表のとおりであります。
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明治グループ サステナビリティ課題に関する戦略 |
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活動 |
サステナビリティ課題 |
リスクと機会(●リスク、〇機会) |
明治グループの主な取り組み |
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こころとからだの健康に貢献 |
健康な食生活への貢献
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●健康・栄養関連の法制化・ルール強化によるコスト上昇(栄養表示等) ●健康・栄養分野における競争激化と対応の劣後によるビジネス機会損失リスク ●栄養、食、健康に関する投資家やESG評価の事業への影響、対応の遅れによるレピュテーションリスク 〇過剰栄養・不足栄養に関する健康ニーズに対応した商品開発による新たなビジネス機会の創出 〇食・薬の知見を生かしたオープンイノベーション活用によるソリューション提供に伴う新たなビジネス機会の創出 〇超高齢社会に対応した商品開発によるビジネス機会の増加 〇食育活動や子どもの成長サポート活動などの明治らしい健康情報の普及啓発による明治ブランドのプレゼンス向上 |
・乳酸菌やカカオ等素材の持つ健康機能などを活かした健康志向商品の提供 ・明治の栄養研究と栄養設計技術を活かした付加価値型栄養商品の提供による、食を通じた栄養改善ニーズへの対応 ・おいしさと使いやすさを兼ね備えた栄養食品・流動食・介護食の開発による超高齢社会への貢献 ・「抗老化」「免疫増強」「マイクロバイオーム」を主要テーマとして研究開発の推進 ・食や栄養に関する正しい知識の提供により、お客様のこころとからだの健康に貢献する食育活動の推進 ・低栄養の課題を抱える開発途上国における栄養情報の発信・普及活動の展開 |
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活動 |
サステナビリティ課題 |
リスクと機会(●リスク、〇機会) |
明治グループの主な取り組み |
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こころとからだの健康に貢献 |
新興・再興 |
●グローバル先進企業の新規技術導入による競争激化、劣後リスク ●海外原料への依存による抗菌薬の供給不安定化、供給停止リスク 〇抗菌薬、ワクチン開発の知見・技術を活かした新興・再興感染症への対応によるビジネス機会の増加 〇抗菌薬の安定供給化等によるシェアの拡大 〇抗菌薬の適正使用に向けた情報提供による明治ブランドのプレゼンス向上 |
・COVID-19、デング熱および痘そう等に対する新規ワクチン開発による新興・再興感染症への対応 ・経産省のデュアルユース事業への参画による生産体制整備の確実な遂行 ・ワクチンの技術導出、製品輸出による開発途上国・新興国への医薬品アクセス向上への取り組み強化による海外での公衆衛生レベル向上への貢献 ・オープンイノベーション強化により新規モダリティ技術の獲得および実用化のための研究開発強化 ・ペニシリン原薬の国内内製化による抗菌薬の安定供給に資する体制強化 ・抗菌薬の適正使用、ワクチン接種の重要性の普及・啓発活動の推進 ・薬剤耐性菌に有効な抗菌薬の研究開発の推進 |
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環境との調和 |
CO₂排出量の削減 |
●カーボンプライシング導入に伴う製造や原材料調達におけるコスト増による利益への影響 ●脱炭素への取り組み遅延による投資家やESG評価の事業への影響およびレピュテーションリスク ●気候変動による原材料調達リスクおよび生産停止リスクの増大 〇再生可能エネルギー導入によるコスト競争力の確保 〇脱炭素に向けた商品開発による新たなビジネス機会の創出 〇脱炭素ビジネス(カーボンクレジット創出・販売)など新たなビジネス機会の創出 |
・バリューチェーン全体におけるCO₂排出削減の取り組み推進およびSBT認定(1.5℃目標)の取得に向けた取り組み ・インターナル・カーボン・プライシング制度の積極的な活用によるカーボンプライシング導入後の対策推進 ・再生可能エネルギー設備の積極的な導入 ・カーボン・フット・プリントの算定推進 ・酪農現場におけるGHG排出削減に向けた新たな施策の導入推進 ・TCFDシナリオ分析の実施と情報開示 ・森林減少に関与していない認証原材料の調達推進やカカオ生産地における森林減少課題解決の推進 |
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環境負荷の低減 |
●グローバルで加速するプラスチック削減への要求に対する対応遅延によるビジネス機会の損失 ●食品ロス削減等の廃棄物削減への取り組み遅延による企業イメージの低下、レピュテーションリスクの増加 〇プラスチック使用量減による包材コストの削減 〇食品ロス削減に貢献する社会貢献活動の強化による企業イメージの向上 〇新規包装形態、商品設計の開発による新たなビジネス機会の拡大 |
・商品パッケージにおけるプラスチック使用量の削減とサステナブル素材の使用拡大 ・食品ロス削減に向けた業界全体での取り組みへの積極的な参加、自社製品の廃棄ロス削減への取り組み推進 ・食品ロス削減につながる社会貢献活動への自社製品の積極的な活用 ・新たな技術を導入した生産設備や包装資材の開発 |
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水資源の 確保 |
●水資源確保に向けた対応の遅延による生産活動への負のインパクトの拡大 ●安全安心な水資源確保のための対応不足による製品の安全性、供給停止リスクの拡大 〇水使用量削減による生産時のコスト削減 〇水リスク対策の推進によるBCPの強化 〇水使用量削減に対応する設備や商品開発によるあらたなビジネス機会の拡大 |
・全生産拠点における水リスク分析およびリスクに対する対応策の実施 ・生産時における水使用量削減に向けた各種取り組みの推進 ・水使用量削減に対応する設備や新たな製造技術の開発 ・取水および排水の水質確保に対する新規技術の導入 ・水田湛水や森林保全など様々な取り組みを通じた水源涵養の推進 ・生産地における水リスク分析 |
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活動 |
サステナビリティ課題 |
リスクと機会(●リスク、〇機会) |
明治グループの主な取り組み |
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豊かな社会づくり |
多様性の尊重と人財育成 |
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人権の尊重 |
●グローバルで強化される法制化への対応の遅延によるビジネスリスクの増大 ●人権尊重への取り組み不足によるレピュテーションリスクおよびビジネス機会の損失 ●人権尊重への取り組み不足による生産性低下のリスク拡大および企業イメージの低下に伴う人財獲得力の低下 〇人権尊重への積極的な取り組みによる企業イメージ向上 〇人権尊重に向けた風土づくりに繋がる商品やサービスの提供による新たなビジネス機会の創出 |
・グループ人権ポリシーによる企業としての姿勢・考え方の開示 ・バリューチェーン全体を視野に入れた人権デュー・ディリジェンスの推進 ・顕著な人権課題の洗い出しおよび選定された優先課題への対応強化 ・人権尊重への意識・知識の啓発につながる商品の開発 |
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持続可能な調達活動 |
人権・環境に配慮した |
●グローバルで高まる原材料調達に関する法制化への対応の遅延によるビジネス機会の損失 ●原材料調達における人権・環境への配慮の不足によるレピュテーションリスクの増加 ●人権・環境への配慮の不足した原材料の調達停止に伴う事業継続への影響 〇トレーサビリティの強化による原材料の透明性の確保とそれに伴う企業イメージの向上 〇人権・環境に配慮した原材料を活用した商品開発にともなう新たなビジネス機会の創出 〇パンデミック等発生時のグローバルサプライチェーン断絶に備えたサプライチェーンの強化 |
・グループ調達ポリシー、サプライヤー行動規範等の呈示および取引先と協働した責任あるサプライチェーンの構築の推進 ・サプライチェーン上における人権・環境課題の把握に向けたサステナブル調達アンケートの実施 ・重要原材料における生産者支援の取り組み強化 ・人権・環境に配慮した原材料の調達比率拡大に向けた取り組み推進 ・人権・環境に配慮した原材料を使用した新たな商品開発の強化 |
② 指標と目標(実績含む)
各サステナビリティ課題について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、下表のとおりであります。なお、目標に関しては、2023中期経営計画の最終年度をターゲットに設定しています。
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サステナビリティ課題 |
指標(KPI) |
基準年度 |
2022年度実績 |
2023年度目標 |
|
健康な食生活への貢献 |
健康志向商品、付加価値型栄養商品、超高齢社会に貢献する商品の売上伸長 (食品セグメント(海外子会社除く)) |
2020年度 |
-3.1% |
10%以上増加 |
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2021年度から2023年度までの3カ年で食育を延べ70万人に実施 (㈱明治) |
- |
延べ44.3万人 (2022年度:25.5万人) |
延べ70万人 |
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新興・再興感染症対策 |
新型コロナウイルス・ワクチンの上市を目指す (Meiji Seika ファルマ㈱、KMバイオロジクス㈱) |
- |
2023年度中の上市を目指して対応中 |
上市 |
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CO₂排出量の削減 |
自社拠点でのCO₂総排出量(Scope1,2)削減 |
2019年度 |
14.7% ※1 |
19%以上 |
|
CO₂総排出量(Scope3 調達・物流・廃棄_カテゴリ1,4,9,12)削減 |
2019年度 |
7.0% ※1 |
11%以上 |
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自社拠点における総使用電力量に占める再生可能エネルギー比率拡大 |
- |
9.5% ※1 |
15%以上 |
|
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環境負荷の低減 |
国内連結での再資源化率の拡大 (明治グループ (海外子会社除く)) |
- |
86.2% ※1 |
85%以上 |
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国内の食品事業における製品廃棄量の削減 (食品セグメント(海外子会社除く)) |
2016年度 |
31.5% ※1 |
42%以上 |
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国内の容器包装などのプラスチック使用量の削減 (明治グループ(海外子会社除く)) |
2017年度 |
16.0% ※2 |
15%以上 |
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物流部門で使用するパレット、クレート、ストレッチフィルムなどをリユース・リサイクルによる有効利用 (明治グループ(海外子会社除く)) |
- |
100% |
- |
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バイオマスプラスチックや再生プラスチックの使用拡大 (明治グループ(海外子会社除く)) |
- |
新たにおいしい牛乳の包材に使用 |
- |
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水資源の確保 |
自社拠点での売上高原単位あたりの水使用量の削減を目指す |
2020年度 ※3 |
13.3% ※1 |
- |
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製品原料として使用する水の涵養率拡大 |
- |
41.2% ※1 |
27%以上 |
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サステナビリティ課題 |
指標(KPI) |
基準年度 |
2022年度実績 |
2023年度目標 |
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多様性の尊重と |
女性管理職比率の拡大 (明治ホールディングス㈱、㈱明治、Meiji Seika ファルマ㈱、KMバイオロジクス㈱) |
2017年度 |
5.6% |
- |
|
女性リーダー(管理職および係長職相当)の人数拡大を目指す (明治ホールディングス㈱、㈱明治、Meiji Seika ファルマ㈱、KMバイオロジクス㈱) |
2017年度 |
256人 |
- |
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障がい者法定雇用率(2023年6月現在2.3%)以上の雇用 (明治ホールディングス㈱、㈱明治、Meiji Seika ファルマ㈱、KMバイオロジクス㈱) |
- |
2.53% |
2.3%以上 |
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人権の尊重 |
国内グループ全従業員に対する人権教育(e-learningを含む)の実施 (明治グループ(海外子会社除く)) |
- |
1回実施(対象人数:約13,000人/受講率:92.3%) |
1回/年以上 |
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海外グループ全従業員に対する人権教育(e-learningを含む)の実施 (明治グループ(海外子会社)) |
- |
対象人数:約2,200人/ 受講率:84.2% |
1回以上 |
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人権・環境に配慮した |
2021年度までに国内グループ会社のサプライヤーを対象にしたサステナブル調達アンケートの開始 (明治グループ(海外子会社除く)) |
- |
未実施 (2023年度4月から実施予定) |
2021年度までに開始 |
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2022年度までに主要海外グループ会社のサプライヤーを対象にしたサステナブル調達アンケートの開始 (明治グループ(海外子会社)) |
- |
17社を対象に実施 |
2022年度までに開始 |
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明治サステナブルカカオ豆の調達比率拡大 (食品セグメント) |
- |
62.6% |
65%以上 |
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RSPO認証パーム油への代替 (食品セグメント) |
- |
90.4% |
100% |
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環境配慮紙への代替 |
- |
98.2% |
100% |
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酪農家の経営に関する支援活動 Meiji Dairy Advisory(MDA)の実施 (食品セグメント(海外子会社除く)) |
- |
477回/年 |
400回/年以上 |
※1 算出値については第三者保証取得前の数値であるため、変更の可能性があります。
※2 プラスチック使用量削減値については、2021年度実績を記載しています。
※3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等適用後の売上高を原単位分母に
したことに伴い、基準年度と目標を変更しました。
(3)気候変動(TCFD)に関する考え方及び取組
当社グループの事業は、豊かな自然の恵みの上に成り立っており、地球環境と共に生き「自然と共生」することが責務であると考えております。しかし、近年、地球環境の持続可能性が危ぶまれており、気候変動が中長期的に事業活動に与える影響も大きく、重要な経営課題であると認識しております。また、「パリ協定」や「持続可能な開発目標(SDGs)」でも、気候変動への対応強化が求められており、当社グループはこうした国際的な枠組みに貢献すべく、脱炭素社会の実現に向けて気候変動への対応を推進しております。
なお、気候変動に関しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに基づいて記載しています。
① ガバナンス及びリスク管理
当社グループは、サステナビリティ戦略を推進するために、責任者であるチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)が議長を務める、グループサステナビリティ事務局会議を毎月開催し、気候変動をはじめとする、
社会課題解決に向けた取り組みを強化しています。また、当社代表取締役 社長 CEOが委員長を務めるグループサステナビリティ委員会では、半期ごとにサステナビリティ活動全般の進捗状況を報告し、新たな取り組みについて審議しています。特に、気候変動は、重要な課題と位置づけています。
ガバナンスに関して、当社グループは、気候変動によるリスク・機会の分析と対応策について、グループTCFD会議(2022年度 6回実施)において議論した後、その結果を経営会議で審議し、取締役会が監督し、経営に反映しております。
リスク管理に関して、当社グループは、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに的確に対処するため、グループ全体でリスクマネジメントを推進しております。この中で、「気候変動」は、主要な経営リスクと位置づけております。気候変動によるリスクや機会は、時代とともに変化する事と認識し、グループTCFD会議では、TCFD提言に沿ったシナリオ分析を活用し、定量的な分析と評価を行い、優先度の高い主要インパクトを特定しています。これに基づいて、リスク管理フローに沿って対応策を検討しております。グループTCFD会議は、当社リスクマネジメント部も参画し、気候変動の影響をグループ全体の重大なリスクとして認識し、それに対応できる体制を構築しております。
|
|
② 戦略
当社グループは、気候変動によるリスクと機会を、重要な経営課題の一つであると認識しており、短期的には、2023中期経営計画、中期的には「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」、長期的には、明治グループ長期環境ビジョン「Meiji Green Engagement for 2050」を基に「CO₂排出量の削減」、「水資源の確保」などのマテリアリティとKPIを設定し、将来にわたって自然と共生していくための取り組みを推進しております。
<2022年度の取り組みのポイント>
・当社グループにおけるサプライチェーン全体での分析と財務インパクトの算出
・3つのシナリオ(1.5℃・2℃・4℃シナリオ)を設定し、現状、2030年(中期)、2050年(長期)を基準年として中長期の気候変動によるリスク・機会の分析と対応策の検討
・主要原材料における気候変動の影響分析の強化(原材料の範囲拡大、水リスクによる影響分析の追加)
・「Meiji Green Engagement for 2050」の達成に向けて、インターナルカーボンプライシングの導入や移行計画(トランジションプラン)の策定など対応策の強化
・昨年度策定した対応策への具体的な取り組みの推進
・気候変動における機会の抽出と時間軸での優先順位付け
当社グループはIEMAのGHG管理ヒエラルキーに基づき、GHG排出量削減への取り組みを推進しています。
ⅰ Eliminate(回避) :ビジネスモデルや事業ポートフォリオの変更等を通じライフサイクルを通じて温室効果ガスを排出しない事業構造へ転換
ⅱ Reduce(削減) :製造工程や輸送の効率化等を通じ、エネルギー使用量やGHG排出量を削減
ⅲ Substitute(代替) :再生可能エネルギーの活用、低炭素素材の調達等を通じ、よりGHG排出量の少ないエネルギー・調達物品への変更
ⅳ Compensate(補償・相殺):削減しきれなかったGHG排出量に対し、カーボンクレジット購入等のオフセットによって相殺
3つのシナリオ(1.5℃・2℃・4℃シナリオ)での分析結果の内、1.5℃シナリオと4℃シナリオにおける影響の大きい主要インパクトの分析結果は以下のとおりです。
<分析対象範囲>
|
事業セグメント |
食品 |
医薬品 |
|
財務インパクト算出範囲 |
当社グループ全体 |
|
|
対象原材料 |
主要原材料[乳、カカオ豆、パーム油、砂糖、木材(紙)、鶏卵] |
|
|
分析基準年 |
現状、2030年(中期)、2050年(長期) |
|
<1.5℃シナリオ(移行リスク)における当社グループへの影響>
|
気候変動に関わる変化 |
主要インパクトと具体的な影響 |
当社グループへの影響 |
||
|
関係するサプライチェーン |
影響額(億円) |
|||
|
2030年 |
2050年 |
|||
|
政府の環境規制の強化 |
カーボンプライシング負担額の増加 |
製造 |
37 |
80 |
|
調達 物流 |
201 |
277 |
||
|
再生可能エネルギー普及に向けた電力設備投資の拡大 |
電力購入金額の増加 |
製造 |
20 |
28 |
<4℃シナリオ(物理的リスク)における当社グループへの影響>
|
気候変動に関わる変化 |
主要インパクトと具体的な影響 |
当社グループへの影響 |
||
|
関係するサプライチェーン |
影響額 |
|||
|
2030年 |
2050年 |
|||
|
台風・豪雨などの激甚化や発生頻度増加 |
洪水被害による機会損失 |
製造 物流 |
1拠点あたり約3億円 |
|
|
気温上昇や水リスクなどによる原材料の生育環境変化 |
原材料調達コストの増加 |
調達 |
- |
- |
□ 主要インパクトと具体的影響
<1.5℃シナリオ>
・カーボンプライシング導入による影響額(自社)
2030年は、省エネ活動、創エネ活動、再エネ由来電力の購入などで14億円の削減を図り、37億円のコスト増加を想定しています。2050年は、新たな技術や次世代エネルギーの積極的導入など移行計画(トランジションプラン)に沿った対応策の強化により19億円を削減するものの、現在の技術では2050年にCO₂排出量ゼロが見込めないため、排出量実質ゼロに向けて40億円の排出権購入が必要となり、80億円のコスト増加を想定しています。
単位:億円
|
取り組み内容 |
2030年 |
2050年 |
|
対応策未実施のカーボンプライシング負担額 |
51 |
59 |
|
対応策によるカーボンプライシング削減額 |
▲14 |
▲19 |
|
CO₂排出量ゼロに向けた排出権購入金額 |
- |
40 |
|
合 計 |
37 |
80 |
※1.5℃シナリオにおけるカーボンプライシング導入による影響額については、国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook (WEO) 2021で公表されているNZEシナリオのカーボンプライス(2030年、2050年)を基に算出しています。
・電力購入金額による影響額(自社)
2030年は、省エネ活動、創エネ活動などで17億円の削減を図りますが、再エネ由来電力のプレミアム価格によるコスト増加があり、20億円のコスト増加を想定しています。2050年は、同様に28億円のコスト増加を想定しています。
単位:億円
|
取り組み内容 |
2030年 |
2050年 |
|
電力単価上昇に伴う増加額 |
30 |
88 |
|
省エネ活動、創エネ活動等による削減額 |
▲17 |
▲71 |
|
再エネ由来電力購入に伴う増加額 |
7 |
11 |
|
合 計 |
20 |
28 |
なお、現在実施している省エネ活動、創エネ活動、再エネ由来電力の購入などに加え、新たな技術や次世代エネルギーの積極的な導入などを織り込んだ移行計画(トランジションプラン)を策定しました。また、2021年度よりインターナルカーボンプライシング制度(1t-CO₂当たり5,000円)を導入することで、カーボンプライシング本格導入後の円滑な対応に向けた準備も進めております。
※1.5℃シナリオにおける電力購入金額による影響額は、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)とIEA WEO2018のSDSシナリオの情報を基に算出しています。
自社における移行計画(トランジションプラン)の概要は以下のとおりです。
|
|
※Scope1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
対応策については、当社工場等に太陽光発電設備や省エネ設備の導入をはじめ、RE100対応の再生可能エネルギー由来電力の購入等、様々な取り組みを行っています。移行計画を基に各取り組みを推進し、その結果、2022年度において、総使用電力に占める再生可能エネルギー比率が9.5%となりました。
引き続き、2050年の100%達成を目指して取り組みを推進していきます。
|
|
・カーボンプライシング導入による影響額(主要原材料)
主要原材料を調達する各国のカーボンプライスを基にした2030年の影響額は、以下の対応策の実施により201億円の増加を想定しています。2050年は同様に277億円の増加を想定しています。
※1.5℃シナリオにおけるカーボンプライシング導入による影響額については、IEAのWEO2021で公表されているNZEシナリオのカーボンプライス(2030年、2050年)を基に算出しています。
なお、主要原材料におけるCO₂排出量については、CO₂だけでなく酪農業由来のメタンなど温室効果ガス(GHG)全般での排出量削減が重要な課題と捉えています。
GHG排出量削減に向けて、酪農を中心としたScope3における移行計画を策定しました。
GHG排出量削減を効果的に行うために、ライフサイクルにおけるGHG排出量の多いプロセスを特定すべく、はじめに、牛乳のカーボンフットプリント(CFP)を算定し、次にそのプロセスでの排出量削減策を策定し取り組みを開始しました。さらに、その他の原材料における対応策も検討すると同時に、GHG排出量削減に向けたサプライヤーとのエンゲージメントを実施することで、サプライヤーの排出量削減、ひいてはサプライチェーン全体の排出量削減を促進していきます。
サプライチェーン(Scope3)における移行計画(トランジションプラン)の概要は以下のとおりです。
図中の1~4については、以下に対応策詳細を記載しております。
|
|
※Scope3 Scope1,2以外のCO₂間接排出(購入した原料・包材等の生産・製造・輸送から、それらを加工した製品の販売・輸送・使用・廃棄に至るまでの企業活動におけるサプライチェーン上で発生するCO₂排出)のこと。
対応策1 牛乳のカーボンフットプリント(CFP)の算定
はじめに、牛乳の算定式を確立する為、数軒の酪農家から収集した実データなどに基づき、「明治オーガニック牛乳」のライフサイクル全体(原料調達~製造~消費・廃棄)におけるGHG排出量を算定しました。その結果、上流部分が90%以上を占めることが分かりましたので、生産者やサプライヤーとともに排出量削減に取り組みます。
|
|
対応策2 糞尿由来のN₂O削減のビジネスモデル構築
酪農家、味の素株式会社、当社グループの3者が中心となり、ビジネスモデルを構築しました。
味の素株式会社製品の「AjiPro®-L」を使用し、飼料中のアミノ酸バランスを改善することで乳量を維持しつつ、飼料中の余剰な窒素を抑え、糞尿由来のN₂O排出量を削減することができます。削減されたN₂Oは、酪農家と味の素株式会社がJ-クレジット制度を活用してクレジット化し、そのクレジットを当社が購入することで酪農家を経済的に支援するモデルとなります。
|
|
対応策3 容器包装材料の使用量削減
容器包装材料の主たる原料である石油由来のプラスチックを削減することはGHG排出量の削減にもつながります。包装容器は「3R+Renewable」による、より環境に配慮した取り組みを推進します。
具体的な取り組みは以下の通りとなります。
|
商品名 |
容器 |
対応策 |
|
明治ブルガリアヨーグルトLB81低糖 |
カップ |
軽量化(Reduce) |
|
明治ザバスシリーズ |
カップ |
軽量化(Reduce)・バイオマスプラスチック配合(Renewable) |
|
キャップ・スプーン |
バイオマスプラスチック配合(Renewable) |
|
|
明治おいしい牛乳 |
キャップ他 |
バイオマスプラスチック使用(Renewable) |
|
明治5つ星習慣 |
ボトル |
再生PET使用(Renewable) |
※3R:Reduce(発生抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(再生利用)
プラスチック使用量推移、目標
|
年度 |
2017年度 (基準) |
2019年度 (実績) |
2020年度 (実績) |
2021年度 (実績) |
2030年度 (目標) |
|
実績(t) |
30,807 |
27,777 |
27,265 |
25,878 |
23,107 |
|
削減(t) |
- |
3,030 |
3,542 |
4,929 |
7,700 |
|
削減量(%) |
- |
9.8 |
11.5 |
16.0 |
25.0 |
対応策4 サプライヤーエンゲージメントの実施
サプライヤーにおけるCO₂排出量削減は、当社のScope3の削減でもあります。
したがって、CO₂排出量の多いサプライヤーとエンゲージメントを行い、目標値や取り組み事例を共有していくことで排出量削減の推進を図っていきます。
|
|
<4℃シナリオ>
・洪水被害による操業停止などの機会損失
洪水による被害額は、過去の事例を基に1災害あたり3億円規模を想定しております。この金額は、当社グループにおける過去の洪水を伴う大雨によって発生した被害(物流網遮断などによる廃棄ロスなど)実績より
算出しております。また、洪水により機会損失が想定される拠点は、世界資源研究所(WRI:World Resources Institute)が公開している世界の水リスク評価ツールである「Aqueduct」の結果や代替生産拠点の有無を考慮し、12拠点と想定しております。
※洪水リスクについては、Aqueduct Floodsの悲観(pessimistic)シナリオ(RCP8.5, SSP3)の情報を基に分析しています。
洪水リスクへの対応策
・リスクの高い拠点において、現地と連携しリスク評価結果のGAP分析による実態の把握
・特に優先度の高い事業所への詳細調査及び浸水エリアや浸水深を想定したハード面での対策の検討、実施
対策例:ボックスウォール(仮設止水版)や防水壁の設置
・主要原材料調達への影響
原材料の生産地においても、気候変動による気温上昇や水リスクによって農作物の収量減少に伴う原材料単価の変化が起こることが想定されます。主要原材料の生産地における収量変化や水リスク(水の需給バランスの悪化を意味する水ストレス、渇水リスク、洪水リスク)の分析を実施し、その結果の概要は以下のとおりです。
~想定される収量変化~
・カカオ豆や砂糖の調達国では、将来的に収量が減少すると予測しています。
・一方で、当社グループのカカオ豆の主要調達地域では、2030年での影響が比較的小さく、2050年においても同様です。
・乳への影響は、2030年、2050年においても数%の減少に留まり、飼料の配合変更などによる生産性向上での対応が可能であり、リスクはそれほど大きくないと想定しております。
~想定される水リスク~
・水ストレスと渇水リスクは、一部の地域を除いてほとんどの地域でリスクが低いと想定しております。
・洪水リスクは、将来的にほとんどの地域でリスクが高くなると想定されるため、夫々の生産地の洪水リスクを確認した上で、改善策の検討が必要であると考えております。
※4℃シナリオにおける主要原材料調達への影響について、FAOの公表しているGAEZv4データベース(RCP8.5)や文献調査の将来収量予測情報を基に算出しています。
なお、原材料として調達する農作物は気候変動のみならず、自然資本・生物多様性の保全と密接に関係しています。自然関連財務情報の開示フレームワーク(TNFD)のLEAPアプローチを活用し、当社グループの重要原材料であるカカオ豆の自然への依存度を分析しました。
~カカオ豆生産地での自然関連リスク分析~
・カカオ豆の生産活動は、自然への依存度が高いため、主要なカカオ豆生産拠点(13ヵ所)における依存状況を把握するための調査を行いました。その結果、「自然災害の影響緩和」「土壌侵食の抑制」という項目について、特に依存度が高いということが分かり、加えてその2つの重要項目についてリスクとなる生産拠点を洗い出しました。今後は生産地でのGAP分析等を行う中で収量減少の回避に向けた取り組みを推進してまいります。
・自然災害の影響緩和へのリスクが非常に高い拠点数:2ヵ所
・土壌浸食の抑制へのリスクが非常に高い拠点数 :2ヵ所
このような影響によって、主要原材料の調達コストは増加することを想定しており、以下の取り組みによりコストの抑制と増収によるコストの吸収を図っていきます。
・商品面での対応
◇健康価値・栄養価値の強化、サステナビリティによる社会価値創出などによる商品の高付加価値化の推進
◇商品戦略見直しによるポートフォリオの最適化
◇価格改定による単価アップ
・原材料面での対応
◇配合変更や代替原料の使用
◇調達国/地域/サプライヤーの最適化
・生産・物流面での対応
◇効率的生産による生産性向上、購買物流の効率化
・サプライヤーとの連携
◇エンゲージメント強化による調達コストダウンとリスク低減
□ 機会への対応
気候変動における機会は、気候変動の直接的影響が社会や生活に変化をもたらし、その結果新たなニーズや機会創出につながると考えております。当社グループでは、現在の事業基盤を活かし、新たな資源を取り入れることで以下のような機会獲得の可能性を想定しております。
なお、機会を抽出するまでのプロセスは次の通りです。
・グループTCFD会議の事務局メンバーが、機会検討に関係する組織に個別にヒアリングを実施。
・グループTCFD会議にて、「機会の方向性」を審議。
・既存事業との関係(距離感)や、現状の自社アセットでの対応の可否、実現可能性等の観点から定性的に
整理。
・機会獲得のポイントを実現可能性の高いものに絞り込み、事業機会を抽出。
今後、当社グループ全体で夫々の実現可能性を探り、実現に向けて具体的な取り組みを推進してまいります。
|
気候変動の直接的影響 |
気候変動の社会や生活への影響 |
|
・平均気温の上昇 ・災害の激甚化 ・降水パターンの変化 ・生物多様性毀損 ・農産物の収量減少 ・海面の上昇 ・永久凍土の溶解 など |
・気温上昇での生活様式変化(外出・移動自粛、巣ごもり、止渇・熱中症など) ・食品・エネルギー価格の上昇、生産者の支出の変化 ・GHG排出規制の強化や水リスク(渇水、水質悪化)顕在化 ・環境負荷を低減させる生活の推進(ロスや廃棄削減、省エネ、エシカル消費など) ・医療ひっ迫の恒久化や感染症予防意識の高まり ・災害対策の意識の高まり ・開発途上国の栄養不足深刻化 |
|
機会獲得のポイント |
高まることが想定されるニーズ |
当社グループにおける事業機会 |
|
生活様式の変化による巣ごもりなどへの対応 |
・気温上昇による止渇、熱中症対策 ・家庭内で生活を完結できる商品や仕組み ・栄養バランスの改善による健康維持 |
・暑さ対策商品の拡大 ・宅配ビジネスの拡大 ・カスタマイズ型栄養支援ビジネス |
|
環境意識の高まりへの対応 |
・環境負荷の小さい商品 (植物由来、細胞培養、循環型農業など) ・廃棄ロスやエネルギー使用を低減した商 品や生活様式 ・原材料の持続可能な調達 |
・環境負荷低減型商品の拡大 ・環境配慮、支援型ビジネス ・持続可能な原料活用商品の拡大 |
|
新興・再興感染症への対応 |
・感染症予防のための行動の習慣化 (うがい、手洗いの励行、マスク着用、免 疫力強化など) ・感染症に対するセルフメディケーション ・開発途上国における感染症対策 |
・グローバルでの感染症薬、免疫力 強化商品の拡大 ・自然免疫、獲得免疫、治療薬など 感染症トータルケアビジネス ・開発途上国、原料生産国への感染症 対策商品の提供や支援 |
さらにこの9つの事業機会を、現在、既に手掛けているものから、中長期的に仕掛けていくものへと時間軸で優先順位付けを行いました。
|
|
③ 指標と目標(進捗状況含む)
当社グループでは、「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」や明治グループ長期環境ビジョン「Meiji Green Engagement for 2050」を策定し、マテリアリティとKPIを設定しています。気候変動に関わるリスク・機会への対応は、環境負荷低減活動の他、原材料調達など多岐にわたるため、以下KPIを設定し、進捗管理をしております。各KPIの進捗状況を定期的にチェックし、達成に向けて計画的に取り組むとともに、その結果は、明治ROESG®指標の一部として評価され役員報酬に反映されます。
<気候変動によるリスクと機会に関係するKPI>
|
主要 インパクト |
項目 |
KPI |
||
|
サステナビリティ 2026ビジョン |
長期環境ビジョン |
2022年度進捗 |
||
|
カーボンプライシングの導入 |
CO₂排出量 |
2030年度までに自社拠点での CO₂総排出量(Scope1、2)を50%以上削減、Scope3を30%以上削減(2019年度比) |
2050年までにサプライチェーン全体でCO₂などの温室効果ガス排出量を実質ゼロに |
Scope1、2: 14.7% Scope3:7.0% ※1、2 |
|
再生可能エネルギー使用量 |
2030年度までに自社拠点における総使用電力量に占める再生可能エネルギー比率を50%以上へ拡大 |
2050年までに自社拠点における総使用電力量に占める再生可能エネルギー比率100%を達成 |
9.5% |
|
|
プラスチック 使用量 |
2030年度までに国内の容器包装などのプラスチック使用量を25%以上削減(2017年度比) |
再生資材などを活用し容器包装に使用する新たな自然資本を最小化 |
16.0% ※1、3 |
|
|
水調達リスク |
水使用量 |
2030年度までに自社拠点での水使用量の売上高原単位を15%以上削減(2020年度比) |
2050年までに自社拠点での水使用量の売上高原単位を2020年度比で半減 |
13.3% ※1 |
|
主要原材料の持続可能な調達 |
カカオ豆 |
2026年度までにサステナブルカカオ豆の調達比率を100%へ |
- |
62.6% |
|
パーム油 |
2023年度までにRSPO認証パーム油への100%代替 |
- |
90.4% |
|
|
木材(紙) |
2023年度までに環境配慮紙への100%代替 |
- |
98.2% |
|
|
生乳 |
酪農家の経営に関する支援活動Meiji Dairy Advisory(MDA)を年間400回以上実施、及び2023年度までに累計2,150回以上実施 |
- |
477回/年 累計1,900回 |
|
※1 進捗については、基準年度からの削減率(%)を記載しています。なお、算出値については第三者保証取得前の数値であるため、変更の可能性があります。
※2 Scope3はScope1、Scope2以外の間接排出で、バリューチェーンからのCO₂排出量です。
※3 プラスチック使用量削減値については、2021年度実績を記載しています。
(4)明治グループにおける人的資本への取組
人財は、明治グループの価値創造を支えるきわめて重要な資本です。従業員の多様性を尊重し、一人一人の能力を最大限に発揮させることが明治グループの持続的な成長につながるという考えのもと、経営戦略に則し、戦略的な投資を行っています。これまでの「内部公平性」を重視した社内競争環境での均質・同質化を脱却し、「多様性」を強く意識した人財の活躍推進により、外部競争力の獲得・向上に努めてまいります。
① ガバナンス及びリスク管理
1) ガバナンス
グループ全体の人財戦略の推進にあたっては、経営会議の諮問機関として、当社代表取締役 社長 CEOが委員長を務める「グループ人財委員会」を年に2回開催し、その内容については取締役会に報告しています。2022年度は、「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」「健康経営」「人財開発」をテーマに掲げ、それぞれ分科会を設置し、グループ横断での取り組みを推進しました。2023年4月にはグループ全体の人財戦略の推進責任者としてCHRO(Chief Human Resource Officer)を設置するとともに、グループ人財委員会の重要テーマに「労働安全」を加え、分科会を設置しました。
|
|
2) リスク管理
経営戦略に則した人財戦略の推進にあたって、人財・組織風土の課題は企業活動に重大な影響を及ぼす経営リスクの一つであると認識しています。外部環境の変化を見据えた人財・組織風土の課題について、グループ人財委員会にて議論を重ね、グループ全体の経営リスクを所管するリスクマネジメント部とも連携し、以下の3点をリスクとして特定・管理しております。
ⅰ 企業成長に必要な人財獲得および能力開発
・経営人財・事業マネジメント人財・高度人財等の獲得・育成ができないリスク
・D&Iが推進されないことによる採用力低下、お客さま目線での事業推進力低下のリスク
ⅱ 業務環境による生産性への影響
・労働環境・安全衛生の対応不足による生産性低下、離職者増加のリスク
・従業員の適切な健康課題の把握・改善に向けたアプローチ不足による休職者増加のリスク
・時代に合わせた働く環境(職場・IT等)整備の遅延によるクリエイティビティ停滞のリスク
ⅲ 従業員エンゲージメント
・経営計画や組織目標の理解・浸透不足や階層・部署を跨いだコミュニケーション不足による組織力低下のリスク
・会社への共感度低下による離職者増加のリスク
上記リスクについては、顕在化している事例を検証するとともに対応策を検討し、人事部門を中心に関連部署と連携して、リスク低減に努めています。
② 戦略
1) 人財育成方針
明治グループの持続的な成長に向け、戦略を立案・遂行する高い能力を有する人財への投資を強化しています。一人一人の持つ知識・スキル・能力を強化し、その力を職務で最大限発揮できるよう取り組んでいます。
<明治グループ能力開発方針>
明治グループ2026ビジョンの「目指す企業グループ像」を実現するために、明治グループが求める資質や能力を持つ人財を育成するべく、「明治グループ能力開発方針」を定めています。
|
|
<能力開発体系>
「明治グループ能力開発方針」に基づき、従業員一人一人の成長とキャリア開発を図る能力開発体系を整えています。
|
|
2022年度研修受講実績 ※㈱明治・Meiji Seika ファルマ㈱・KMバイオロジクス㈱
|
研修 |
目的 |
対象 |
受講人数 |
平均受講時間 |
平均受講費用 |
|
階層別研修 |
それぞれのステージごとに必要なスキルの習得 ・部下/後進を育成する力の強化 ・チーム/組織の活力を引き出すマネジメント能力の向上 ・次世代/経営リーダーを目指す自己革新意識の醸成 |
管理職 |
806 |
10.1 |
23.9 |
|
一般社員 |
1,259 |
25.3 |
49.1 |
||
|
グローバル研修 |
・世界をフィールドに成果を出せるグローバル人財育成 ・多様な人財が活躍できる風土の醸成 |
管理職 |
704 |
6.6 |
21.5 |
|
一般社員 |
705 |
2.7 |
25.5 |
||
|
次世代リーダー育成 |
・広い視野と高い視座をもった人財の育成 ・戦略的思考、判断力、決断力、発信力の習得 |
管理職 |
43 |
39.4 |
691.6 |
|
一般社員 |
38 |
40.5 |
244.3 |
||
|
部門別・グループ会社研修 |
・業務上必要となるビジネススキルの習得 ・従業員の「学びの自律」の促進、自律型人財の育成 |
全階層 |
23,501 |
11.8 |
6.3 |
<グループ経営人財の育成>
明治グループ2026ビジョンの実現とその先の成長を見据えて、特にグループ横断的な経営人財の育成に注力しています。各事業における戦略遂行のための知識・スキル・能力だけでなく、グループ経営戦略の策定・推進に欠かせない視座・視野・視点を備える「変革・戦略人財」を中心とした人財を計画的に発掘・育成するべく、2021年度よりグループ経営人財育成プログラムを始動しました。執行役員および上級部長の選抜メンバーを対象に、CEOを座長に据えた開発プログラムを通して、ビジョン実現を強力にリードする明治グループ経営陣に求める人財像(リーダーシップバリュー)に沿ったコンピテンシー・能力の開発を行っています。
|
|
2) 社内環境整備方針
ⅰ D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)
明治グループ2026ビジョンの実現に向けてD&I推進を加速する考え方として、「明治グループ ダイバーシティ&インクルージョンポリシー」を制定しています。性別、性的指向・性自認、キャリア、年齢、国籍、障がい、雇用形態、育児・介護中など多様な背景を持つ従業員が、一人一人の能力を最大限に発揮し、さまざま職場で活躍するとともに、多様な価値観を活かし合い、イノベーションや新たな価値を創出することで、持続的な企業成長を実現します。
また2022年度に開催したグループ人財委員会では、目指すべき「D&Iが実現した姿」と「中長期数値目標」を定め、目標に掲げる重点属性(女性・キャリア採用者・グローバル人財)への取り組みを強化しています。
|
|
<女性>
D&Iの第一歩としての女性活躍推進については、トップのコミットメントのもと、以下の3本柱で取り組みを行っています。リーダーシップパイプラインの構築においては、2023年3月の国際女性デーに合わせて第1回グループ合同女性管理職ネットワーク交流会を開催し、女性役員や部長によるパネルディスカッションや座談会を行い、上級管理職への視座醸成・管理職パイプラインの構築につながる取り組みとなりました。また、育児期社員の活躍支援と上司マネジメントにおいては、育児期社員とその上司に対して研修を実施し、育児期社員については「周囲を巻き込む伝え方」、上司については「個別マネジメントと活躍支援の重要性」を学んだ上で、育児期社員と上司合同の他者理解ワークを実施しました。今後も性別や制約の有無に関わらず、従業員一人一人があらゆる職務・階層で能力を発揮し、活躍できる環境づくりを行います。
|
|
<キャリア採用者>
幅広い知見や新たな視点を取り入れ、一歩先を行く価値を創造するために、新卒採用に加え、他社でキャリアを積んだ人財のキャリア採用にも積極的に取り組んでいます。また、一度退職した従業員の再就職を可能とする「カムバック制度」を導入しています。明治グループで得たノウハウや知見を有し、退職後に多様な経験や知識を培った退職者の再雇用を通じて、社内のさらなる活性化や、新たな価値創出を図ります。
<グローバル人財>
グローバルな視点を意思決定に反映させ、世界で成長し続ける明治グループとなるために、グローバル人財の採用と育成を強化しています。採用については、中核人財におけるグローバル人財の採用比率目標を設定し、取り組みを進めています。また、グローバル人財の育成においては、現在、語学研修・eラーニング・海外派遣などの研修プログラムを実施しており、今後更なる拡充の検討を進めています。
<柔軟な働き方の促進>
多様な背景を持つ従業員が、ワークライフバランスを実現して能力を最大限発揮できるよう、在宅勤務制度やフレックスタイム制度等を導入し、柔軟な働き方を促進しています。また、乳幼児向けミルク・ワクチンを扱う会社としての自覚の下、企業価値向上を見据え、男性従業員の育児休業取得を支援しています。
ⅱ 健康経営
グループスローガン「健康にアイデアを」を体現する企業グループとして、成長し続ける原動力は、従業員の“こころとからだの健康”であるとの考えのもと、従業員の健康の維持・増進に戦略的に投資をし、生産性の最大化・組織活性化を図っています。「明治グループ健康経営宣言」のもと、健康経営投資から施策の効果までのつながりを明らかにした「健康経営戦略マップ」を策定し、運用しています。
これからの取り組みが評価され、当社は2023年に初めて、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に選ばれました。なお、「健康経営優良法人」には7年連続で認定されています。
<健康経営戦略マップ>
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2022年度に実施した具体的な取り組み
・個人やチームで健康目標を宣言し、継続的に活動に取り組む「Kenko My Boom宣言」
・朝食習慣の重要さを学ぶ「朝食改革セミナー」の全国事業所での実施
・(株)明治の契約するスポーツ選手とトレーニングをする「トレーニングチャレンジ」
・ウォーキングキャンペーン
・卒煙を呼び掛けるトップメッセージポスターの掲示、禁煙サポートプログラム
・eラーニング(セルフケア・ラインケア、女性特有の健康課題、等)
・ストレスチェック
ⅲ 労働安全
「明治グループ労働安全衛生ポリシー」に基づき、「安全は全てに優先する」の認識のもと、協力会社と連携しながら、職場の安全確保に継続的に取り組んでいます。具体的には、各事業会社にて労働災害ゼロを目標に掲げ、新設設備の稼働前リスクアセスメントならびに既存設備の安全監査・点検を実施し、安全対策とルールの周知・遵守により各事業所の労働災害や法令違反の未然防止に努めています。2023年度からは、事業会社ごとの取り組みにとどまらず、グループ人財委員会に労働安全分科会を新設し、グループ一体で労働安全衛生の取り組みを強化してまいります。
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ⅳ 従業員エンゲージメント
明治グループの持続的成長には、従業員が会社の目指す姿を理解・共感し、やりがいを感じながら、意欲的に仕事に打ち込める環境を整備することが肝要と考え、従業員エンゲージメントを重要な経営課題の一つに据えています。
毎年エンゲージメントサーベイを実施することにより、エンゲージメントの状態を把握し、PDCAを回しながら早期に改善につながる取り組みを推進しています。また、経営層からのビジョンの発信強化や、職場での対話機会の創出などにより、会社と従業員が一体となって明治グループの成長に向かう風土づくりを推進しています。
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<meijiブランドプロジェクト>
当プロジェクトでは、グループスローガン「健康にアイデアを」の実現に向けた従業員の意識・行動変容を促す様々な取り組みを行っています。経営トップ層と若手従業員が、meijiらしい健康価値や明治グループのビジョン等について議論を交わす「経営トップと語ろう!」企画や、職場での対話を通じて「健康にアイデアを」の体現を考え、実行する「職場ミーティング」は、定期的に開催を行っています。これらの取り組みは、会社の目指す姿への従業員の理解・共感を図るとともに、階層や組織を跨いだコミュニケーションの活性化につながっており、従業員エンゲージメントに寄与しています。
また、国内外の従業員から、meijiらしい健康価値を体現する個人や職場のアイデアを募集・表彰する「meiji Brand Award」を2021年度より実施しており、2022年度は600を超える応募がありました。
③ 指標と目標
グループ全体の人財戦略の推進にあたっては、テーマごとに定量的に計測できる目標を設定し、モニタリングを行いながら、施策の効果測定や改善を行っています。
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※中核人財:㈱明治・Meiji Seika ファルマ㈱・KMバイオロジクス㈱の役員・管理職・総合職。
※リーダー:管理職および係長職相当。
※エンゲージメントスコア:
「エンゲージメント=従業員の会社への共感」と定義し、会社・仕事・上司・職場に関する質問について期待度と満足度から算出。第三者調査会社による調査結果から偏差値化したものを、AAAからDDの11段階でスコア化しています。
当社グループは、企業活動に重大な影響を及ぼす緊急事態の発生時における対応だけでなく、さまざまな経営リスクの発生を未然に防ぐこと、および経営リスクの回避・軽減措置を講じることが肝要であるとの考えに基づいてリスクマネジメントを推進しています。
(1) リスクマネジメント体制
当社グループでは、「明治グループ2026ビジョン」の実現に向けて新たな成長を促進するために、グループ全体の経営リスクを把握しリスクの低減化に適切に取り組むとともに、果断なリスクテイクに資するリスクマネジメント体制を構築しています。
当社は、グループ全体の経営リスクのマネジメント機能を強化するため、2021年4月にリスクマネジメント全般を担う部門として、監査役会とは独立したリスクマネジメント部を設置し、リスクマネジメント部を管掌する執行役員を任命しています。経営リスクをグループビジョンと一体化させ、これらグループ全体の経営リスクおよびその管理状況について、当社の経営会議において評価・確認の上、取締役会に報告し、取締役会が評価・監督することにより、経営環境の変化に即応したリスクマネジメントを実践できる体制としています。
また、食品セグメント、医薬品セグメントそれぞれの業態に適したリスクマネジメント体制の構築を推進するべく、定期的に情報を共有化し、課題を抽出して適切に対処します。加えて、各セグメントに共通し、または当社グループ全体に影響を及ぼすリスクに関しては、グループで速やかに共有化する体制を整備し、早期の認知・対応に努めるとともに、随時、リスクマネジメント部を管掌する執行役員が代表取締役 社長 CEOに報告しています。
<リスクマネジメント体制>
(2) 当社グループにおける経営リスク
全社横断的な経営視点で適切にリスクを把握し、影響度を考慮した対応策を策定することは、リスクの軽減はもちろん、明治グループの持続的成長および新たな成長機会の獲得にもつながります。そこで「明治グループ2026ビジョン」で掲げる「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」の3つのビジョンに則して、「明治グループにおける経営リスク」を特定しました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
下表の将来に関するリスクは、当社の中長期的な経営戦略に基づき、分類したものです。グループにおける重要度は、リスクが顕在化する可能性や顕在化した場合のグループへの影響度などを考慮し、当社グループが判断したものです(より重要度が高いと判断したものを◎の記載としています)。
また、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであり、全ての事業等のリスクを網羅したものではありません。
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リスク |
対応策 |
リスク認識の前年からの 変化 |
グループにおける 重要度 |
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1 事業に関するリスク |
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|
1.1 製品・サービスの販売・提供 |
・計画した製品の上市断念 ・お客さまのライフスタイル・価値観の変化 ・当社の強みとする素材(乳・カカオ等)へのネガティブな風評 |
・POC(Proof of Concept)の確実な取得 ・市場トレンドの積極的情報収集 ・環境や社会に配慮した商品開発 ・明治らしい社会課題解決型製品・サービスの創出 ・製品・素材に関する適切な情報発信 |
→ |
◎ |
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1.2 特定製品への 利益偏重 |
・売上・利益構成比の高い製品の販売不振 |
・独自価値を最大化するマーケティング施策の実行 ・製品ポートフォリオマネジメントの充実 ・新市場や新規領域の探索 |
↗ |
◎ |
|
1.3 サプライチェーン |
・原材料の調達不足・余剰、価格高騰 ・生産トラブル等による生産活動の停止 ・生乳調達の困難化 ・物流起因による製品供給の不安定化 |
・原材料市場の積極的情報収集および調達戦略推進 ・生産販売部門の連携強化 ・調達先の分散や代替原料の検討 ・省人/無人化による物流効率化 |
↑ |
◎ |
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1.4 技術進歩 |
・デジタル技術の急速な進歩への適応不足 ・画期的な治療法・製法・製剤の台頭 |
・新技術導入検討の早期着手 ・新たな製法・製剤の研究、アライアンス探索 |
↗ |
○ |
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1.5 法・制度 |
・企業活動に大きく影響する諸制度の改正 ・薬価改定 |
・諸制度改正の早期情報入手と対応策の実施 ・行政への適切な働きかけ ・薬価改定を受けない製品ポートフォリオの充実 |
→ |
○ |
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1.6 海外展開、 海外グループ会社 |
・社会情勢の急激な変化や戦争・テロの発生 ・諸外国における想定を大きく超える諸制度の改正 |
・情報収集および対応策の早期検討・実施 ・複数拠点からの製品供給体制の構築 |
↗ |
○ |
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1.7 事業計画等 |
・環境変化等によるビジョン、中期経営計画の未達成 ・コア事業の成長鈍化、海外市場や新規領域における計画未達 ・固定資産・のれんの減損 ・為替・金利変動 |
・独自価値のさらなる強化、新たな価値の継続的な探索 ・独自価値・健康価値の提供・収益性、成長性、生産性の観点での事業ポートフォリオ管理 ・投資、M&A計画における適切な意思決定、モニタリングの強化 ・為替予約および固定金利での借入 |
↗ |
○ |
|
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リスク |
対応策 |
リスク認識の前年からの 変化 |
グループにおける 重要度 |
|
2 サステナビリティに関するリスク |
||||
|
2.1 環境との調和 |
・企業活動における環境への配慮 |
・CO₂排出量・フロン漏洩量の削減、省エネ活動の推進、太陽光発電設備の設置拡大、再エネ由来電力の活用、インターナル・カーボンプライシングの推進、排水・廃棄物処理の適正実施、ISO14001に準じた環境マネジメントの推進 ・プラスチック資源循環の推進 ・環境に関する各種方針、ポリシー等の徹底 |
→ |
○ |
|
2.2 気候変動 |
・気候変動への対応 |
・TCFDの枠組みに沿った気候変動シナリオ分析と戦略策定および情報開示 |
↗ |
○ |
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2.3 豊かな社会 づくり |
・持続可能な原材料調達 ・多様性への理解、多様な人財の活用 ・人権への配慮、人権課題
|
・サステナブル調達原料(カカオ豆・パーム油)の比率向上 ・酪農家をはじめとするサプライヤーとの協業・連携強化 ・多様な価値観・能力を活かし合う組織・風土づくり ・人権デュー・ディリジェンスを踏まえた課題解決の取り組み ・調達、人権、社会等に関する各種ポリシー、ガイドライン等の徹底 |
↗ |
○ |
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3 経営基盤に関するリスク |
||||
|
3.1 ガバナンス |
・適時適切な経営の意思決定 ・社内外のコンプライアンス違反 |
・取締役会の実効性の向上 ・グループガバナンス体制の強化 ・明治グループ行動規範に基づくコンプライアンス・ソーシャルメディア利用の教育、各種方針・ポリシーの社内外への徹底 |
→ |
○ |
|
3.2 明治ブランド の毀損 |
・品質不備、薬品の予期せぬ副作用などによる製品回収 ・当社グループまたは製品への予期せぬ風評被害 |
・安全安心の徹底追求 ・各ステークホルダーとの適切なコミュニケーション |
→ |
○ |
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3.3 人財・風土 |
・企業成長に必要な人財獲得および能力開発 ・従業員エンゲージメント ・業務環境による生産性への影響 |
・サクセションプランの適切な運用 ・従業員研修の充実 ・従業員エンゲージメントサーベイ結果を受けた各種施策 ・健康経営の推進体制強化、グループ共通での労働安全体制の構築 |
↗ |
○ |
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3.4 情報資産の 漏洩 |
・不正アクセス等による情報漏洩やシステム機能の停止 ・不適切な管理体制による情報の流出 |
・情報管理体制および情報セキュリティの強化 ・情報管理の教育強化と各種規程・ポリシーの徹底 |
↑ |
◎ |
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3.5 災害や不測の 事態 |
・災害やパンデミックなど予期せぬ非常事態による企業活動の停滞・中止 ・非常事態下の環境変化による製品需要の増減 |
・早期的回復に向けたBCP、リスクマネジメント計画の整備 ・グループとして幅広い製品ポートフォリオ保持 |
→ |
○ |
当社は、取締役会において、当社グループ経営リスクに対する2022年度における重点取り組みテーマを選定し、各事業会社における取り組みについて確認しました。
<2022年度重点取り組みテーマ>
①中国におけるカントリーリスクの確認
海外における社会情勢の急激な変化や戦争・テロの発生に対し、明治グループが注力している中国事業の継続を脅かす重大リスクの内容および重大リスクが発生した際の対応体制や、調達の中国依存度の状況および対応体制を確認しました。
②画期的な治療法・製法・製剤の台頭
新型コロナウイルスワクチンにおけるmRNAワクチンの台頭を受け、昨年度に引き続き当該技術に対する認識・評価・対応および新型コロナウイルス感染症に対するレプリコンワクチン(次世代mRNAワクチン)の開発状況について確認しました。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
① 事業全体の状況
(単位:百万円)
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売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 (円 銭) |
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当連結会計年度 |
1,062,157 |
75,433 |
74,160 |
69,424 |
247.39 |
|
前連結会計年度 |
1,013,092 |
92,922 |
93,985 |
87,497 |
303.62 |
|
前年同期比(%) |
104.8% |
81.2% |
78.9% |
79.3% |
- |
(注)2023年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。
当社グループは「2023中期経営計画」の基本コンセプトである「明治ROESG®経営の実践」に基づき、利益成長とサステナビリティ活動の同時実現に向けて取り組んでいます。重点課題は、次のとおりであります。
1.事業戦略
(食品セグメント) (1)コア事業の成長力の回復
(2)海外展開の強化
(医薬品セグメント) (1)ワクチン事業の強化
(2)受託製造/受託製造開発(CMO/CDMO)事業の強化
(グループ全体) 新領域への挑戦
2.ROIC活用による経営管理体制強化
3.成長投資の継続と強固な財務基盤構築の両立
4.サステナビリティ2026ビジョンの着実な実行
2023年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済や国内消費動向への影響、また、ロシア・ウクライナ情勢や円安などに起因する原材料価格およびエネルギーコスト高騰の影響を大きく受けました。
このような状況の中、食品セグメントでは、原材料コストおよびエネルギーコストの上昇を吸収すべく、さまざまな商品で価格改定や容量変更を実施しました。また、各商品の価値訴求強化や積極的なマーケティング活動、新商品の売上拡大にも取り組みました。海外では中国における生産販売能力を強化し、販売エリア拡大と高付加価値商品の育成に取り組みました。
医薬品セグメントでは、強みを持つ感染症領域に経営資源を集中し、ワクチンと感染症治療薬のトップ企業としての競争優位性のさらなる強化に取り組みました。加えて、コスト低減や海外のCMO/CDMO事業拡大も進めました。また、当社グループが持つ感染症に関する高い技術・設備や豊富な経験を活用した創薬力の強化にも取り組みました。
この結果、当連結会計年度の売上高は 1兆621億57百万円(前期比 4.8%増)、営業利益は 754億33百万円(同 18.8%減)、経常利益は 741億60百万円(同 21.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は 694億24百万円(同 20.7%減)となりました。また、ROEは 10.0%、1株当たり当期純利益は 247.39円となりました。
なお、2023年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、1株当たり当期純利益は当該株式分割実施後の株数にて算出しております。
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンと次世代mRNAワクチンの開発を進めています。早期の供給を目指し、引き続き取り組んでまいります。
当社の事業子会社であるKMバイオロジクス株式会社とMeiji Seika ファルマ株式会社では、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めています。承認に向けた最終段階となる第3相臨床試験(国際共同、成人40歳以下)を2022年4月に、また国内小児第3相臨床試験(6か月以上12歳未満)を2023年1月に、それぞれ開始しました。
2023年4月に、Meiji Seika ファルマ株式会社は、Arcturus Therapeutics Inc.が開発した新型コロナウイルス感染症に対する次世代mRNAワクチン「ARCT-154」について、全世界における権利を保有するCSL Limitedの子会社であるCSL Seqirusと日本での供給・販売提携に関する契約を締結しました。同ワクチンについては、「成人における初回免疫(2回接種)によるCOVID-19の予防」を適応症として、日本における製造販売承認を申請しました。
また、アストラゼネカ株式会社が日本へ導入している新型コロナウイルスワクチンについて、Meiji Seika ファルマ株式会社は安全性情報収集の業務を行っております。
② セグメントの状況
(単位:百万円)
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報告セグメント |
合計 |
|||||||
|
食品 |
医薬品 |
||||||||
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前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減 |
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減 |
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減 |
|
|
売上高 |
826,080 |
865,609 |
39,528 |
187,981 |
197,280 |
9,298 |
1,014,062 |
1,062,889 |
48,826 |
|
セグメント 利益 |
75,973 |
55,874 |
△20,099 |
18,658 |
21,721 |
3,063 |
94,632 |
77,596 |
△17,035 |
(注) 売上高、セグメント利益は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。
セグメントの業績の詳細は、次のとおりであります。
Ⅰ.食品
当セグメントにはヨーグルト・チーズ事業 (プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ)、ニュートリション事業 (乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容)、チョコレート・グミ事業、牛乳事業、業務用食品事業、フローズン・調理食品事業 (アイスクリーム、調理食品、バター・マーガリン類)、海外事業 (海外子会社、輸出)、その他・国内子会社 (国内独立系子会社、ガム、キャンデー、OTC)による製造・販売、運送等が含まれております。
売上高は前連結会計年度を上回りました。海外事業やその他・国内子会社は前連結会計年度を大幅に上回り、ニュートリション事業やチョコレート・グミ事業、業務用食品事業は前連結会計年度を上回りました。フローズン・調理食品事業は前連結会計年度並みとなりました。ヨーグルト・チーズ事業や牛乳事業は前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は、主力商品を中心に価格改定を実施しましたが、原材料コストやエネルギーコストの増加に加え、ヨーグルト・チーズ事業の売上数量の減少により、前連結会計年度を大幅に下回りました。
事業別の概況は、次のとおりです。
■ヨーグルト・チーズ事業 (プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ)
売上高は前連結会計年度を下回りました。プロバイオティクスやヨーグルトは、商品ラインアップを拡充し、マーケティングを強化しましたが、健康価値を訴求する様々な競合商品の影響により減収となりました。チーズも品目数削減の影響などにより減収となりました。
営業利益は、減収の影響に加えて、原材料コストやエネルギーコスト、マーケティングコストの増加により前連結会計年度を大幅に下回りました。
■ニュートリション事業 (乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容)
売上高は前連結会計年度を上回りました。流動食「明治メイバランス」や、インバウンド需要が見られた乳幼児ミルクは好調に推移しました。スポーツプロテイン「ザバス」もドリンクタイプを中心に好調に推移し、前連結会計年度を上回りました。
営業利益は、原材料コストやエネルギーコスト、設備増強による減価償却費の増加により前連結会計年度を大幅に下回りました。
■チョコレート・グミ事業
売上高は前連結会計年度を上回りました。チョコレートでは主力の「チョコレート効果」や「きのこの山・たけのこの里」シリーズが好調に推移しました。市場拡大が続くグミは新商品の投入やマーケティング強化により大幅に伸長しました。
営業利益は、原材料コストやエネルギーコストの増加により前連結会計年度を大幅に下回りました。
■牛乳事業
売上高は前連結会計年度を下回りました。品目数の削減や宅配売上の減少が影響しました。
営業利益は、原材料コストの増加と減収の影響に加えて、新工場の稼働による減価償却費の増加により前連結会計年度から損失額が拡大しました。
■業務用食品事業
売上高は前連結会計年度を上回りました。緊急事態宣言による行動制限の影響を受けた前連結会計年度から外食や土産菓子の需要が回復し、バター、アイスクリーム、チョコレートが大幅な増収となりました 。
営業利益は、原材料コストの増加の影響を受けましたが、増収により前連結会計年度を大幅に上回りました。
■フローズン・調理食品事業 (アイスクリーム、調理食品、バター・マーガリン類)
売上高は前連結会計年度並みとなりました。主力の「明治エッセルスーパーカップ」や新商品「明治ブルガリアフローズンヨーグルトデザート」が好調に推移したアイスクリームは増収となりました。一方、調理食品は減収となりました。
営業利益は、原材料コストの上昇を価格改定によりカバーし、製造間接費が減少したことで前連結会計年度を大幅に上回りました。
■海外事業 (海外子会社、輸出)
売上高は為替の影響もあり前連結会計年度を大幅に上回りました。中国の菓子事業やアイスクリーム事業、東南アジアや米国の子会社が好調に推移しました。
営業利益は、主力商品の数量増や価格改定の効果により、前連結会計年度から損失額が縮小しました。
■その他・国内子会社 (国内独立系子会社、ガム、キャンデー、OTC)
売上高は前連結会計年度を大幅に上回りました。物流子会社1社が株式譲渡により連結対象子会社から除外された影響がありましたが、糖類を扱う商社や飼糧子会社などの増収により、全体としては増収となりました。
営業利益は、物流子会社譲渡の影響に加え、原材料コストの上昇による飼糧子会社の減益などにより、前連結会計年度を大幅に下回りました。
Ⅱ.医薬品
当セグメントには、国内医薬品事業、海外医薬品事業、ヒト用ワクチン事業、動物薬事業(動物薬、動物用ワクチン)が含まれております。
売上高は前連結会計年度を上回りました。国内医薬品事業と海外医薬品事業は前連結会計年度を大幅に上回りました。ヒト用ワクチン事業と動物薬事業は前連結会計年度を大幅に下回りました。なお、動物薬事業の減収は、前連結会計年度まで同一事業区分であった農薬事業を譲渡した影響によるものです。
セグメント利益は、国内医薬品事業と海外医薬品事業の大幅な増収により、前連結会計年度を大幅に上回りました。
事業別の概況は、次のとおりです。
■国内医薬品事業
売上高は前連結会計年度を大幅に上回りました。抗菌薬「スルバシリン」やアレルギー性疾患治療薬「ビラノア」が増収となりました。
営業利益は、薬価改定の影響を受けたものの、増収に加えて研究開発費の減少も寄与し、前連結会計年度を大幅に上回りました。
■海外医薬品事業
売上高は、為替の影響もあり前連結会計年度を大幅に上回りました。医薬品受託製造事業を行うインドの子会社の増収や、前連結会計年度に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたスペインの子会社の回復に加え、ロイヤリティ収入も寄与しました。
営業利益は、増収と為替の影響により前連結会計年度を大幅に上回りました。
■ヒト用ワクチン事業
売上高は前連結会計年度を大幅に下回りました。インフルエンザワクチンについては、過去最大の市場供給量となった中で接種率が想定を大きく下回り、返品額が増加しました。また、前連結会計年度に計上していたアストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスワクチン製剤化に関する受託収入がなかったことが影響しました。
営業利益は、インフルエンザワクチンの返品額が増加したことに加え、新型コロナウイルスワクチンの製剤化に関する受託収入の減少や棚卸資産評価損の影響により、前連結会計年度を大幅に下回りました。
■動物薬事業(動物薬、動物用ワクチン)
売上高は前連結会計年度を大幅に下回りました。前連結会計年度まで同一事業区分であった農薬事業を譲渡したことが影響しました。なお、この影響を除くと売上高は前連結会計年度並みとなりました。
営業利益は前連結会計年度を上回りました。2022年4月に明治アニマルヘルス株式会社を設立し、動物薬事業と動物用ワクチン事業を統合したことによるコスト低減効果が寄与しました。
③ 2023中期経営計画の進捗状況(2022年3月期~2024年3月期)
「2023中期経営計画」では、売上高や営業利益などの成長性・収益性の目標指標に加えて、ROEとESG指標に、明治らしいサステナビリティ目標を加えた独自の指標である明治ROESG®を掲げています。また、ROICも資本生産性や効率性の目標指標として設定しています。中期経営計画の目標指標に対する当期の実績は以下のとおりです。
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指標 |
2021年度 実績 (2022年3月期) |
2022年度 実績(2023年3月期) |
2023中計目標値(2024年3月期) |
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統合目標 |
明治ROESG® |
12.3ポイント |
13.8ポイント |
13ポイント |
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成長性・収益性 |
連結売上高 |
1兆130億円 |
1兆621億円 |
1兆800億円 |
|
・食品セグメント |
8,260億円 |
8,656億円 |
8,745億円 |
|
|
・医薬品セグメント |
1,879億円 |
1,972億円 |
2,090億円 |
|
|
連結営業利益(率) |
929億円 (9.2%) |
754億円 (7.1%) |
1,200億円 (11.1%) |
|
|
・食品セグメント |
759億円 |
558億円 |
1,020億円 |
|
|
・医薬品セグメント |
186億円 |
217億円 |
185億円 |
|
|
海外売上高 |
929億円 |
1,200億円 |
1,345億円 |
|
|
効率性・安全性 |
ROIC |
8.4% |
6.3% |
10%以上 |
|
・食品セグメント |
9.8% |
6.3% |
12%以上 |
|
|
・医薬品セグメント |
6.6% |
8.0% |
6%以上 |
|
|
株主還元 |
ROE |
13.5% |
10.0% |
11%以上 |
2023年3月期の総括は次のとおりであります。
・売上高は食品、医薬品ともに増収。海外売上高比率は10%を超える。
・営業利益は、食品は大幅減益。医薬品は大幅増益。
・当期純利益は大幅減益となり、ROEは低下。
※前連結会計年度に農薬事業譲渡益が計上された特別利益の減少の影響あり
・政策保有株式の売却が進み、自己株式の取得も実施。
明治ROESG®の達成状況の詳細は次のとおりであります。
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※1 ESG指標の達成状況
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* DJSIの目標はパーセンタイルではなく、点数の設定に改めました。これは、他社の評価の変動を
受けて変動するパーセンタイルより、目標管理方法として適していると判断したためです。
** FTSE4Goodは、当初の23年度目標3.5点を22年度に達成したことに伴い、見直しました。
・5つのESG評価指標すべてで目標を達成
・CDPはClimate Change、Water Securityともに最高評価を獲得
・環境、ガバナンス、労働安全衛生と人財などの取り組みの評価が向上
※2 明治らしいサステナビリティ目標(明治らしさ目標)の達成状況
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主要な経営指標の推移は、次のとおりであります。
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セグメント別の売上高及び営業利益の推移は、次のとおりであります。
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(注)2021年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、上記の「2021年度」、「2022年度」及び「2023年度中計目標値」は当該会計基準等を適用した後の金額となっております。
④ 来期の見通しについて
「2023中期経営計画」の最終年度となる2024年3月期は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により、人流の回復および景気の持ち直しが期待されますが、国内の生乳取引価格などの原材料価格およびエネルギーコストの高騰が、依然として業績に影響する見通しです。
従って、中期経営計画の当初目標を下記のとおり見直しました。
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2022年度 実績 (2023年3月期) |
2023年度 計画 (2024年3月期) |
2023中計目標値 (2024年3月期) |
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明治ROESG® |
13.8ポイント |
13ポイント |
13ポイント |
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連結売上高 |
1兆621億円 |
1兆1,020億円 |
1兆800億円 |
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・食品セグメント |
8,656億円 |
8,870億円 |
8,745億円 |
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・医薬品セグメント |
1,972億円 |
2,155億円 |
2,090億円 |
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連結営業利益(率) |
754億円 (7.1%) |
780億円 (7.1%) |
1,200億円 (11.1%) |
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・食品セグメント |
558億円 |
560億円 |
1,020億円 |
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・医薬品セグメント |
217億円 |
250億円 |
185億円 |
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海外売上高 |
1,200億円 |
1,430億円 |
1,345億円 |
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ROIC |
6.3% |
6.5% |
10%以上 |
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ROE |
10.0% |
7.0% |
11%以上 |
食品セグメントでは、国内においては、原材料価格およびエネルギーコストの高騰に対して、価格改定などにより、コスト上昇分を吸収します。価格改定による数量減の影響を最小限にとどめるべく、プロバイオティクスやヨーグルト、健康志向チョコレートなどの価値訴求強化や、スポーツプロテイン「ザバス」などの積極的なマーケティング活動に取り組みます。同時に、収益基盤強化のため、生産体制の見直しなど構造改革にも着手します。海外では、中国でのさらなる事業拡大を目指し、2023年1月より牛乳・ヨーグルトの天津工場の稼働を開始しました。引き続き中国における生産販売能力の強化に取り組みます。販売エリア拡大による売上成長に加え、プロバイオティクスや「ザバス」などの高付加価値商品の拡大を図り、次の成長の柱となる事業の育成に取り組みます。米国においても、チョコレートスナックを中心に販路を拡大していきます。
医薬品セグメントでは、感染症領域に経営資源を集中し、ワクチンと感染症薬のトップ企業としての競争優位性確立に取り組みます。当社グループが持つ感染症に関する高い技術・設備や豊富な経験を活用し、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンと次世代mRNAワクチンの開発を進め、早期の供給を目指します。国内トップシェアのインフルエンザワクチンに関しても計画的な出荷と接種率の向上に取り組みます。海外では、CMO/CDMO事業の強化・拡大に注力します。インドに完成した新製造棟に関して、2024年3月期中の商業出荷に向けた準備を確実に進めるほか、生産性の向上にも取り組みます。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
食品 |
833,605 |
101.4 |
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医薬品 |
137,395 |
115.5 |
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報告セグメント計 |
971,000 |
103.2 |
|
合計 |
971,000 |
103.2 |
(注)セグメント間の取引は含まれておりません。
② 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。
一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
食品 |
864,894 |
104.8 |
|
医薬品 |
197,262 |
105.1 |
|
報告セグメント計 |
1,062,157 |
104.8 |
|
合計 |
1,062,157 |
104.8 |
(注)1 総販売実績に対する売上の割合が10%以上の相手先はありません。
2 セグメント間の取引は含まれておりません。
(3)財政状態の分析
資産の部では、現金及び預金が前連結会計年度末に比べて 38億89百万円減少し、635億19百万円となりました。コミットメントラインの設定額200億円と合わせた手元流動性の残高は835億19百万円で、2023中期経営計画で目安としている手元流動性の水準(連結売上高の1か月程度)を確保いたしました。原材料及び貯蔵品は、前連結会計年度末に比べて 116億84百万円増加し、734億5百万円となりました。これは主に食品セグメントでの原材料価格高騰の影響によるものであります。有形固定資産は、前連結会計年度末に比べて 42億63百万円増加し、4,877億55百万円となりました。これは主に海外での広州や上海における工場建設によるものであります。投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べて 41億59百万円減少し、1,560億46百万円となりました。これはグループ通算制度において通算子法人の増加に伴い繰延税金資産が増加した一方で、関係会社株式や政策保有株式の売却により投資有価証券が減少したことなどによるものであります。その結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて 187億57百万円増の 1兆1,362億17百万円となりました。
負債の部では、未払法人税等が税金費用の減少などにより前連結会計年度末に比べて 88億42百万円減少し、112億99百万円となりました。また、契約負債が前連結会計年度末に比べて 50億36百万円減少し、8億70百万円となりました。これは主に医薬品セグメントでの受託業務契約において、収益の認識に伴い取り崩されたためであります。返金負債が 21億23百万円、未払費用が 35億20百万円増加しました。有利子負債(社債、借入金)は、前連結会計年度末に比べて 168億96百万円減少し、643億71百万円となりました。その結果、当連結会計年度における負債合計は、前連結会計年度末に比べて 195億32百万円減の 3,849億5百万円となりました。
純資産の部では、純資産合計が前連結会計年度末に比べて 382億90百万円増の 7,513億11百万円となりました。これは自己株式の取得などにより自己株式が 96億34百万円増加、また政策保有株式の売却などによりその他有価証券評価差額金が 47億49百万円減少した一方、利益剰余金が 418億4百万円、為替換算調整勘定が 101億97百万円増加したことなどによるものです。
この結果、流動比率は前連結会計年度末に比べて 18.0ポイント増の176.9%、デット・エクイティ・レシオは0.03ポイント減の0.09倍、自己資本比率は 2.4ポイント増の62.7%となり、資金の流動性及び財務の安定性を維持しております。なお、1株当たり純資産は前連結会計年度末に比べて 162円93銭増加し、2,553円69銭となりました。
自己資本及び自己資本比率の推移は、次のとおりであります。
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(4)資本の財源及び資金の流動性
① 資本政策の方針
事業活動により得た資金は、持続的な成長に向けて、将来への成長投資や研究開発へ積極的に充当してまいります。また、グループ全体の資本効率の観点から、成長投資については財務規律との調和を図るとともに、政策保有株式などの非事業用資産については圧縮してまいります。
株主還元についても経営における重要課題と認識しており、連結配当性向について2024年3月期までに40%水準に引き上げるとともに、最適資本構成や資金余力等を勘案し、必要に応じて自己株式の取得も検討してまいります。
当連結会計年度では、9期連続となる増配を実施しました。また、キャッシュ・フローの良化により株主への一層の利益還元と資本効率の向上を目的として、約100億円の自己株式を取得しました。なお、今回取得した自己株式については、2023年4月3日に全て消却しております。
② 資金調達の方針
資金調達については、資金需要や金利環境等を踏まえつつ、多様化した調達手段の中から資本コストの低減を第一義として、負債により調達することを基本方針とします。一方で、負債の増加に伴う信用リスクの観点から、原則としてデット・エクイティ・レシオは0.3倍までを上限とし、金融情勢に左右されないような高い信用格付の維持にも努めます。なお、本報告書提出時点において、当社は日本格付研究所より「ダブルAマイナス(安定的)」の信用格付を取得しております。
主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業拡大、運営に必要な投資資金及び運転資金の金融機関からの調達に関しては問題なく実施できると認識しております。なお、国内の金融機関との間で合計200億円のコミットメントラインを設定しており、期中の現預金残高とコミットメントライン設定額を合わせた手元流動性の水準を、連結売上高の1か月程度に設定することで、緊急時の流動性を確保いたします。
また、グループ会社を対象に、資金調達の安定化と調達コストの低減を図るため、グループファイナンス制度を導入しております。
当社は、「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」の実現に向けた活動に必要な資金調達の手段として、ICMA(国際資本市場協会:International Capital Market Association)の定めるグリーンボンド原則及びソーシャルボンド原則に基づいた、「サステナビリティファイナンス・フレームワーク」を策定しており、2021年4月に第10回無担保社債(サステナビリティボンド、5年100億円)を発行して資金を調達しました。今後も、本フレームワークに基づき、サステナビリティファイナンスを積極的に活用し、社会課題解決への貢献を一層進めてまいります。
③ キャッシュ・フローの状況
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区分 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
127,526 |
85,013 |
△42,512 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△27,614 |
△36,788 |
△9,173 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
99,911 |
48,224 |
△51,686 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△76,997 |
△54,734 |
22,262 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
2,931 |
2,576 |
△354 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△減少) |
25,844 |
△3,933 |
△29,778 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
39,011 |
64,872 |
25,861 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
64,872 |
60,939 |
△3,933 |
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
|
区分 |
第10期 |
第11期 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
|
自己資本比率(%) |
52.5 |
56.3 |
58.2 |
60.3 |
62.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
129.8 |
111.5 |
96.8 |
83.3 |
77.4 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
1.0 |
0.9 |
0.8 |
0.6 |
0.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
143.2 |
157.0 |
197.2 |
246.3 |
193.6 |
(注)各指標の算出方法
自己資本比率:(純資産の部-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(期末株価終値×発行済株式総数)/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い(利息の支払額)
※ 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 425億12百万円収入減の 850億13百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益の減少に加え、売上債権や棚卸資産、事業構造改善費用の支払額などが増加したためであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 91億73百万円支出増の 367億88百万円の支出となりました。これは横浜研究所の売却などにより有形及び無形固定資産の売却による収入が増加した一方で、前連結会計年度において農薬製造販売事業やDM Bio Limitedの株式の売却があったため投資有価証券の売却による収入が減少したことなどによるものです。
これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、前連結会計年度より 516億86百万円収入減の 482億24百万円の収入となりました。
創出したフリー・キャッシュ・フローについては、配当金の支払いや自己株式取得により株主還元を行うとともに、有利子負債の返済に充当しております。配当については増配を実施し、株主還元の充実に努めました。今後も安定的継続的な利益還元を実施します。なお、配当金の支払額は前連結会計年度より 7億8百万円支出増の 246億6百万円、配当性向は 36.4%であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 222億62百万円支出減の 547億34百万円の支出となりました。これは社債の発行による収入が減少した一方で、長期借入による収入の増加や自己株式の取得による支出の減少があったことなどによるものです。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は 609億39百万円となりました。
当連結会計年度においては、事業活動に伴う運転資金は金融機関からの借入れ及びコマーシャル・ペーパーにより調達いたしました。なお、新型コロナウイルス感染症による資金繰りへの影響は特段ありませんでしたが、期中の現預金残高とコミットメントライン設定額を合わせた手元流動性の水準を、連結売上高の1か月程度に維持することにより、緊急時に備えました。
当連結会計年度における資金調達と資金配分の関係は、次のとおりであります。

配当金及びEPS(1株当たり当期純利益)の推移は、次のとおりであります。
(注)2015年10月1日付および2023年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、2013年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり配当金及び1株当たり当期純利益を算定しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、「(1) 経営成績の状況」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症による当社グループ業績におけるマイナスの影響としては、医薬品セグメントで前連結会計年度に計上したアストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチンの製剤化に関する受託収入がなくなったことによる減収がありました。
一方で、食品セグメントでは業務用食品事業で緊急事態宣言による行動制限の影響を受けた前連結会計年度から外食や土産菓子の需要が回復し、バター、アイスクリーム、チョコレートが大幅な増収となり、医薬品セグメントでも海外医薬品事業で前連結会計年度に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたスペインの子会社の回復により増収となるなど、プラスの影響もありました。
新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」となったことからも、当社グループの翌連結会計年度以後の業績に与える影響は限定的であり、会計上の見積りへの影響も軽微と想定し、当連結会計年度の見積もりを行っております。
(1)技術援助契約
技術導入
|
契約会社名 |
相手先 |
契約の発効年月 |
有効期限 |
目的 |
実施料 |
|
㈱明治 |
ブルガリア国 LBブルガリクム |
2000年5月 |
2020年4月まで。以後2040年4月まで5年間毎に自動延長。 |
ヨーグルトの 製造技術導入。 |
生産高の一定率を支払う。 |
|
Meiji Seika ファルマ㈱
|
オルガノン㈱ |
2013年3月 |
販売開始から10年間又は特許の存続期間の何れか長い期間。 |
アセナピンの製造及び販売に関する実施許諾契約。 |
一定額の一時金を支払う。 |
(2)業務提携契約
|
契約会社名 |
相手先 |
契約の発効年月 |
有効期限 |
目的 |
実施料 |
|
Meiji Seika ファルマ㈱ |
大鵬薬品工業㈱ |
2015年12月 |
2015年12月17日よりビラスチン後発医薬品の発売日まで。 |
ビラスチン製剤の共同販売契約。 |
一定額の一時金を支払う。 |
(3)合弁契約
|
契約会社名 |
相手先 |
契約の発効年月 |
有効期間 |
合弁会社の内容 |
契約会社出資額 |
|
Meiji Seika ファルマ㈱ |
インドネシア国 チプト・プスポスハルト氏外 |
1974年3月 |
合弁会社の 存続期間。 |
社名 :P.T.Meiji Indonesian Pharmaceutical Industries 目的 :抗生物質ほか各種薬品の製造、販売。 資本金:380億73百万ルピア 設立 :1974年5月 |
355億38万ルピア (資本金の93.34%) |
|
Meiji Seika ファルマ㈱ |
タイ国 ナナ・チャート社外 |
1979年9月 |
合弁会社の 存続期間。 |
社名 :Thai Meiji Pharmaceutical Co.,Ltd. 目的 :抗生物質ほか各種薬品の製造、販売。 資本金:2億9,700万バーツ 設立 :1979年11月 |
2億8,100万バーツ (間接所有含む) (資本金の94.61%) |
|
㈱明治 |
タイ国 バンコックインエックス社 CPグループオブカンパニー社 |
1989年1月 |
規定なし。 |
社名 :CP-MEIJI Co.,Ltd. 目的 :タイ国における飲用牛乳・ヨーグルト等の製造・販売。 資本金:5億バーツ 設立 :1989年2月 |
2億バーツ (資本金40%) |
(4)その他
|
相手先 |
期間 |
内容 |
|
㈱明治 Meiji Seika ファルマ㈱ |
2009年4月1日から |
経営を管理・監督・指導するための経営管理契約。 |
|
KMバイオロジクス㈱ |
2019年4月1日から |
経営を管理・監督・指導するための経営管理契約。 |
当連結会計年度の研究開発費の総額は
当連結会計年度における研究開発活動に関し、新たに取り組んだ事項及び変更事項は次のとおりであります。
(1) 食品
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、
① ヨーグルト・チーズ:プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ
(プロバイオティクス)
『明治プロビオヨーグルトR-1』ブランドでは、『満たすカラダ』シリーズとして鉄分を配合した「同 鉄分ブルーベリーミックス」とビタミンA、C、Eを配合した「同 ビタミンCフルーツミックス」を2023年4月に発売しました。またドリンクタイプにおいて、ラベルレスのPETボトルを採用した6本入りタイプを2022年9月に発売しました。ドリンクヨーグルト初のラベルレスボトルになり、ラベルをはがす手間が不要で、プラスチック使用量の削減による環境負荷低減に貢献します。2022年10月には『明治脂肪対策ヨーグルト』食べるタイプとドリンクタイプを発売しました。肥満気味の方のお腹の脂肪を減らす機能を有する「MI-2乳酸菌」を使用した機能性表示食品です。また、『明治プロビオヨーグルトLG21』シリーズについては2022年12月に新たに“LG21乳酸菌が一時的な胃の負担をやわらげる”ことを表示した機能性表示食品としてリニューアルしました。
(ヨーグルト)
『明治ブルガリア』ブランドでは、発売50周年に向けて2023年3月にプレーンヨーグルト4品をリニューアル発売しました。新製法「くちどけ芳醇発酵」を採用し、くちどけの良さと、爽やかさの中にミルク感が広がる芳醇なあじわいを達成しています。また、フルーツ入りや水切りタイプにおいて、季節に合わせた新フレーバーを発売しました。『ザバス』ブランドでは、2023年4月に1個125gにミルクプロテイン15gを配合し、なめらかな口当たりと後味のすっきりとしたおいしさを実現した食べるタイプ3品「ザバス 甘さひかえめ」「同 ストロベリー」「同 ホワイトピーチ」を発売しました。『TANPACT』ブランドでは、たんぱく質10gに加えてカルシウムや鉄など不足しがちな栄養素を強化した食べるタイプの新商品を発売しました。また、2023年3月に「明治吸収サポート 野菜と一緒にのむヨーグルト」を発売しました。野菜の栄養(α-カロテン、β-カロテン、リコピン、ルテイン)の吸収をサポートする「V1乳酸菌」を使用した商品で、ヨーグルトの新たな価値を提案するとともに、お客さまの健康的な食生活に貢献します。
(チーズ)
『明治北海道十勝』ブランドは1992年の発売以来、30周年を迎えました。期間限定の商品として「明治北海道十勝カマンベール ブラックペッパーカレー風味切れてるタイプ」を2023年3月より関東エリアにて発売しました。本商品は、カマンベールにカレー風味のブラックペッパーを贅沢にサンドし、クミン由来のスパイシーな香りとともにカマンベールのまろやかな味わいをお楽しみいただけます。また、2023年3月に「明治北海道十勝スライスチーズ 濃い味7枚入り」(112g)を発売しました。「うまみ乳酸菌熟成」技術によって生みだされた、濃厚なコクとうまみが特徴です。
② ニュートリション:乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容
(乳幼児ミルク)
日本国内向けに、『明治ステップ』『明治ステップ らくらくキューブ』を2022年10月にリニューアルしました。1~3歳頃の幼児期の発育に大切で、かつ不足しがちな栄養をまとめて取ることができるフォローアップミルクに脳の発育に重要な鉄とDHAを強化しました。
順天堂大学大学院医学研究科小児思春期発達・病態学への委託研究により、幼児の鉄不足解消に向けて貧血の実態把握に貢献する研究成果を国際専門誌Pediatric Researchに発表しました。また、2022年11月には幼児の貧血の実態把握と鉄摂取の重要性を伝えるプロジェクト「鉄チェック活動」を始動しました。
2022年11月には、『明治ほほえみ らくらくキューブ』『明治ステップ らくらくキューブ』に用いられている「キューブ製法技術」が令和4年度関東地方発明表彰で日本弁理士会会長賞、実施功績賞を受賞しました。「キューブ製法技術」は、固形タイプの粉ミルクに用いている当社独自の技術で”計量がいらない””粉がこぼれない””衛生的””持ち運びしやすい”といった利便性から、消費者より高く評価されています。
(スポーツ栄養)
『ザバス』シリーズからは、2022年9月にカゼインが豊富なミルクプロテインコンセントレート(MPC)配合の持続吸収型プロテイン「ザバス カゼイン&ホエイ MPC100 ココア味」(210g、810g)を全国で発売しました。MPCに多く含まれるカゼインは、ホエイプロテインに比べて吸収が穏やかなため、アミノ酸の吸収が持続するのが特徴です。
また、理想的なカラダづくりをサポートするホエイ100の新フレーバー「ザバス ホエイプロテイン100 ミルクティー風味」( 280g、980g)と、引き締まったカラダづくりをサポートするソイ100の新フレーバー「同 ソイミルク風味」(224g、900g)を発売しました。市場の拡大に伴い、幅広いフレーバー展開のニーズに応えて参ります。
2023年3月にはカラダづくりに重要な成分であるロイシンの含有率に着目したたんぱく原料「アシッドホエイプロテイン」を新採用した「ザバス プロ アドバンスト ホエイプロテイン プレミアム チョコレート風味」を発売しました。「アシッドホエイプロテイン」は世界的に生産量が少ない現状ですが、当社独自の原料ネットワークを駆使し、このたび調達に成功しました。吸収に優れたホエイペプチドや、カラダづくりに欠かせない10種のビタミン、汗で失われがちな3種のミネラルも配合しています。
『ザバス』飲料タイプでは、運動強度の高い方などプロテイン配合量を求める方向けに、1本で20gのミルクプロテインを摂取できる「(ザバス)MILK PROTEIN 脂肪0 カフェラテ味」(430ml)を2022年10月に発売しました。また、当社200ml容量タイプとして初めてのミルクプロテイン20g入り「同 チョコレート風味」(200ml)を2023年3月より販売を開始しました。プロテイン濃度が高くなっても、運動後にすっきりと飲みやすい味わいを意識して風味設計しています。
また、カラダを引き締めたいと考えている女性に向けた「(ザバス)SOY PROTEIN Beauty Fit」(250ml)として、2022年9月に「同 コラーゲン紅茶風味」、2023年2月に「同 コラーゲン抹茶風味」を発売しました。引き締めをサポートする大豆(ソイ)プロテイン12.5gに、コラーゲン1,500mgと鉄分、葉酸、ビタミンB6 、B12 を配合し、運動後にも飲みやすいスッキリとした味わいで、女性のカラダづくりとキレイを応援する商品設計です。
『ヴァーム』シリーズでは、2023年3月よりカラダを動かすことによる体脂肪の減少をさらに助ける特定保健用食品「ヴァーム スマートフィットウォーター 香るレモン風味」「同 アップル風味」の2品をリニューアル発売しました。『ヴァーム』シリーズの機能と特長をより伝わりやすくするために、パッケージの大幅刷新を行いました。
パワーと元気をチャージする『即攻元気』シリーズ商品は、2021年以降疲労回復系のニーズが高まっており、売上が拡大しています。甘さや糖類を気にされている人向けの疲労回復系ゼリーとして、現行の「即攻元気 アミノ酸&ローヤルゼリー」の機能成分をそのままに、糖類をゼロにした「即攻元気 アミノ酸&ローヤルゼリー 糖類0」を2023年3月に発売開始しました。
(流動食)
『明治メイバランスMiniカップ ミルクテイスト』シリーズ(7品)で、特別用途食品 総合栄養食品の表示許可を取得(第2021016号、第2021017号)し、新表示品を2022年6月に発売しました。『明治メイバランス』は、食事として摂取すべき栄養素がバランスよく含まれている総合栄養食品で、通常の食事で十分な栄養を摂ることができない方や低栄養の方の栄養補給に適しています。食事や栄養で悩む多くの方の栄養補給の選択肢を広げることで健康な毎日に貢献してまいります。さらに、独自の乳酸菌「LB81乳酸菌」を活用した新シリーズ『明治メイバランスMiniカップ 発酵乳仕込み』シリーズ(「同 さわやかヨーグルト味」「同 白桃ヨーグルト味」「同 ブルーベリーヨーグルト味」「同 いちごヨーグルト味」)を2023年3月下旬に発売しました。「明治ブルガリアヨーグルト LB81プレーン」の「LB81乳酸菌」で発酵した発酵乳を配合しており、乳酸菌による発酵によってたんぱく質の一部が分解されているため、消化吸収されやすい状態になっています。6大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質、食物繊維、7種のビタミン、9種のミネラル)をバランスよく配合し、カラダに必要な栄養素を手軽にまとめて取ることができる栄養設計となっています。当社が長年研究に取り組んできた乳酸菌を使用した発酵乳を栄養食品に取り入れることで、新たな価値を提供してまいります。
人生100年時代を”いつも健康で輝いていたい”という思いに応える新ブランド『明治メイバランスMICHITAS(ミチタス)カップ』を展開し、「明治メイバランスMICHITAS(ミチタス)カップ 乳酸菌飲料風味」「同 白桃風味」「同 ブルーベリー風味」を2022年9月20日に発売しました。『明治メイバランスMICHITAS(ミチタス)カップ』は、『明治メイバランス』の”6大栄養素をバランスよく配合する”という栄養設計の概念はそのままに、栄養が偏りがちな日々の食事に加えやすい、すっきりとした味わいで、手軽においしく栄養素を取ることができます。
2022年7月に発売した100mlで200kcalを摂取できる少量高濃度タイプの病院施設向けの栄養補助食品『明治メイバランス ぎゅっとMini』シリーズ(「同 コーヒー味」「同 バナナ味」「同 ストロベリー味」「同 ミックスフルーツ味」)に、「同 コーンスープ味」をラインナップに追加しました。少量で栄養とエネルギーを簡単・手軽に補給できるため、様々な理由で普通の食事が十分に摂れない方や食欲のない方の補助栄養として受け入れられています。また、容器が100mlとコンパクトであるため、保管時の省スペース化も図れ、持続可能な社会の実現にも貢献しています。
病院施設向けの栄養補助食品『明治メイバランス ブリックゼリー』の既存「明治メイバランス ブリックゼリー メロン味」「同 ミカン味」との差し替えで、新味「同 抹茶味」「同 ミックスフルーツ味」を発売開始しました。
(美容)
女性特有の健康課題に対し、食でおいしく応援をする新ブランド『明治フェムニケアフード』では、生乳に含まれるたんぱく質の一つである「α-LA(α-ラクトアルブミン)」を配合した『α-LunA(アルファルナ)』シリーズとして顆粒、ドリンク、グミの3つのタイプの商品を2022年10月に発売しました。ドリンクでは、毎日飲み続けやすい125ml紙パック入りの2種類のフレーバー「α-LunA(アルファルナ) カフェオレ風味」と「同 ミルクティー風味」を上市しました。2023年3月に様々な飲料に味を変えることなく加えることが出来るパウダータイプを上市しました。
③ チョコレート・グミ:チョコレート、グミ
(チョコレート)
高カカオチョコレート市場売上No.1ブランドである『チョコレート効果』は、自社開発素材であるカカオエキスパウダーを配合しカカオフラバノール含量を増やした「チョコレート効果 カカオ72%プラス」を”善玉コレステロールを増やす”健康機能を有する機能性表示食品として2023年3月発売し、更なる売り上げ拡大に向けて、健康訴求を強化しました。『オリゴスマート』は、フラクトオリゴ糖の”ビフィズス菌を増やして腸内フローラを整える”健康機能を謳った機能性表示食品5品「オリゴスマート カカオコク深ミルクチョコレート」「同 濃厚ミルクチョコレート」「同 100ミルクチョコレート」「同 カカオコク深ミルクチョコレート」(パウチ、大袋)を2月発売し、より具体的な健康訴求を開始しました。『明治ザ・チョコレート』は、更においしい風味品質、食べやすい形状と個包装、新しいパッケージデザインへと大幅リニューアルした商品を9月発売し、お客様へ、世界レベルのおいしさと、当社のサステナブルな取り組みである「メイジ・カカオ・サポート」を伝えました。当社全体でフェムニケアフードに取り組み、「α-LunA(アルファルナ) ミルクチョコレート」を2023年3月発売し、女性特有のカラダや健康をサポートしました。
2022年対外発表した明治Newアクション「ひらけ、カカオ。」を受け、2023年2月に新作発表会を行い、独自技術で開発したカカオの新規素材「カカオフラバノールエキス」を使用した「カカフル タブレット」「カカフル ソルベ」「カカフル ドリンク」と、別の独自製法で作ったカカオ新素材「カカオグラニュール」を使用した「カカウェル」を、Makuakeで発売開始し、カカオの新しい可能性と、当社のサステナブルな取り組みを紹介しました。これらカカオの新規素材は、2023年1月フランスで行われた国際見本市や、国内展示会にも出展し、世界に向けて情報発信しました。
新しいチョコレートの楽しみ方として”飲む”文化を広げるべく、家電メーカーとコラボしたチョコレートドリンクメーカーを開発し、2023年2月にMakuakeで『明治ザ・チョコレート』とセットで発売しました。
従来のチョコレートとは異なる新しい品質特徴を有する「ガナッシュ」の開発及びテスト発売を実施し、今後の本格発売に向けて準備を行いました。また、今後の海外本格展開に向けて、海外法規に対応したグローバルスペックの検討を行っております。
(グミ)
硬めな噛み応え品質が評価されているのを受けて、好調な「コーラアップ」に続き、ドリンク味展開として、6月「ラムネアップ」を発売しました。『果汁グミ』の定番商品に加えて、6月「果汁グミ ダークチェリー」、10月「同 有機ブラッドオレンジ」、12月「同 いちご」、2月「同 ゴールデンパイン」を発売し、季節のおいしさが楽しめる品質でラインナップ強化に繋げました。
お客様が当社グミ商品を食感の好みに合わせて選択できるように、当社独自の装置で”噛みごたえ”をわかりやすく数値化し、8月から感性表現とセットで商品パッケージに記載しました。この取り組みは、メディアにも多数取り上げられ、グミを”噛みごたえ”で選ぶことにつながり、売り上げに貢献しました。
食感バリエーションの選択肢を広げるために、グミ市場トップブランドである『果汁グミ』で硬めな噛み応えの『果汁グミ 弾力プラス』と、ソフトな噛み応えの『果汁グミ やさしい小粒』を11月発売し、ブランドの強化を図りました。また、エナジードリンクの人気を反映して、伸長傾向にある硬めの噛み応えを付与した「ブーストバイツ」を2023年3月に発売しました。
高齢化社会のドライマウスに対応した『お口のミカタグミ』の商品力強化として、10月から医師推奨マークをパッケージへ記載しました。『明治フェムニケアフード』として「同 α-LunA(アルファルナ)グミ」を10月発売し、女性特有のカラダや健康をサポートしました。その他、健康機能訴求型のグミを、現在複数案検討中です。
昨今話題となっている食品ロス対策として、10月より、グミ商品全ての賞味期間を9ヵ月から10ヵ月に延長し、サステナブルな社会実現に貢献しました。
④ 牛乳:牛乳類
2022年4月に「明治おいしい牛乳」(125ml、125ml×3、200ml)の賞味期限延長を行ったことで、「明治おいしい牛乳」の市販用商品の”製造日を含む19日以上”への賞味期限延長を完了しました。また、2022年7月からは順次、キャップや注ぎ口などに使用しているプラスチックについて、バイオマスプラスチックへの切り替えを進めています。
宅配専用商品では、リサイクルPET樹脂を100%使用した新開発のペットボトル容器を採用した「明治5つ星習慣」と「明治グルコサミン1500&コラーゲン3000」を2022年7月に発売しました。「明治5つ星習慣」は、明治の宅配専用商品初の機能性表示食品です。難消化性デキストリンとGABAで「明治5つ星習慣」が報告されています。継続摂取しやすい宅配専用商品を通じて、今後もお客様の健康をサポートしてまいります。
お子さまの元気な毎日をサポートする『明治それいけ!アンパンマンゼリー』の新味として、「同 やわらかみかんゼリー」を2023年3月に追加発売しました。子供が楽しみながら栄養が摂取できることを実現し、健全な発育をサポートします。
⑤ 業務用食品:業務用食品
2022年4月には、新鮮なミルクの香りと豊かなコクが特長の当社独自乳原料を使用した「明治あじわいミルク」(1,000ml)を発売しました。
ホイップクリームでは、クリスマスケーキ用のコンパウンドクリーム「明治スペシャルホイップ2022」を2022年9月にリニューアル発売しました。また本格カカオ風味を有した「明治カカオ―ロ」を2023年4月に発売しました。
ソースでは、カフェで使用されるモンブランをイメージした風味の「マロンソース」を2022年2月に発売しました。また同様にフロートのバニラアイスの風味を有した「バニラアイスフレーバーソース」を2023年3月に発売しました。
2022年4月に、「明治発酵BASEdクリームチーズ醇華(じゅんか)」(1kg×6個/ケース)を発売しました。発酵のチカラにより芳醇で華やかな香りと濃厚感のあるチーズの味わいがおいしくひろがるクリームチーズです。
⑥ フローズン・調理食品:アイスクリーム、調理食品、バター・マーガリン類
(アイスクリーム)
フローズンデザートでは、素材を生かしたデザート性の高い商品として2022年12月に「明治エッセルスーパーカップ 大人ラベルとことん ショコラ」「同 とことん苺」の2品を発売しました。お客様からのご期待に応え、より美味しく、安全な商品開発を行っていきます。また、2023年3月より「明治ブルガリア フローズンヨーグルトデザート ブルーベリー」を発売しました。ヨーグルトを混ぜ込んだなめらかでコクのあるアイスと、爽やかなブルーベリーの味を楽しむことができる商品となっています。健康訴求アイスの拡大に向け、これからも積極的に商品開発を行っていきます。
種類別アイスクリームの新商品として「明治Dear Milk」を2023年3月より発売しました。当社独自技術を用いた乳製品のみ使用し、濃厚なコクと澄みわたる後味を特徴とした商品となっており、新たなプレミアムアイスとして育成を図っていきます。
(調理食品)
冷凍食品の新商品として、2022年秋に忙しい朝に手早く栄養がとれる「明治スープごはん クラムチャウダー」(2個入)「同 和風生姜スープ」(2個入)を発売し、2023年春には腸内環境を良好にしたい方に向けた機能性表示食品としてリニューアル発売しました。2023年春の新商品として1食分の野菜と野菜の栄養吸収を上手にサポートする「V1乳酸菌」を配合した「まるごと野菜発酵乳プラス 4種の彩り野菜のカレー」「同 彩り野菜と完熟トマトのペンネ」を発売しました。また、ホテルニューオータニシェフ監修による生乳と生クリームをたっぷりと使用し、素材にこだわった「明治贅沢洋食 チキングラタン」も発売しました。
チルド食品としては、2023年春に冷凍食品同様に「V1乳酸菌」を配合した「まるごと野菜発酵乳プラス トマトのクリームスープ」「同 コーンチャウダー」「同 トマトとなすの野菜カレー」「同 ごろっと彩り野菜のカレー」を発売しました。
ドライ食品では、2022年秋に売れ筋である『銀座カリー』シリーズをリニューアル。スパイスの香り立ちを高めると共に健康に配慮して塩分を減らしました。また、新商品として元気を体感できる「めざめる活力 にんにく黒カレー」「じんわり温活 ジンジャーキーマ」を、リニューアル商品としてこれまでチルド流通としていた「明治TANPACT 牛乳でつくるコーンスープ」「同 牛乳でつくるかぼちゃスープ」を常温で扱って頂けるように改良して発売しました。
(バター・マーガリン類)
「チョコレート効果CACAO72%」1粒と同量のカカオポリフェノールを1サーブで摂取できる「チョコレート効果 CACAOペースト」を2023年3月に発売しました。
⑦ 海外:海外子会社、輸出
中国・台湾に展開した「ザバス ホエイプロテイン100」に加え、明治独自の栄養設計、溶けの良さとおいしさを特長とする「ザバス ソイプロテイン100 ココア風味」を中国・台湾、「同 ミルクティ風味」を中国で2022年10月に販売を開始しました。
2022年5月より乳児用粉ミルク「明治ほほえみ」(800g)と、1~3歳頃の不足しがちな栄養をサポートする幼児用粉ミルク「明治ステップ」(800g)のカンボジアへの輸出・販売を開始しました。カンボジアの粉ミルク市場は、経済成長やそれに伴う所得の増加を背景に拡大しています。
(2) 医薬品
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、
Meiji Seika ファルマ株式会社グループにおきましては、医療用医薬品における感染症、中枢神経系領域でのスペシャリティファルマを目指すとともに、血液がん等新領域、ジェネリック医薬品等にも注力し、積極的な研究開発活動を行っております。当事業に係る研究開発費として10,958百万円を投入いたしました。
具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
KMバイオロジクスと共同で開発を進めている新型コロナウイルス感染症に対するワクチン「KD-414」は、成人の国際共同臨床第三相試験、及び小児の国内臨床第三相試験を開始しました。Arcturus Therapeutics社から導入した新型コロナウイルス感染症に対するワクチン「「ARCT-154」は国内臨床第三相試験を開始しました。慢性GVHD治療薬「ME3208(KD025)」は、国内の臨床第三相試験を実施中です。ウステキヌマブ製剤(遺伝子組換え)のバイオ後続品である「DMB-3115」は、国際共同臨床第三相試験において先行バイオ医薬品との同等性を検証しました。現在承認申請準備中です。β-ラクタマーゼ阻害薬「Nacubactam(OP0595)」は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称AMED)による「医療研究開発革新基盤創成事業(略称CiCLE)」として、国際共同臨床第三相試験を開始しました。経口PDE4阻害剤「ME3183」は、米国及びカナダにおける臨床第二相試験を開始しました。抗悪性腫瘍剤「ハイヤスタ®錠」は、再発または難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国内臨床第Ib/II相試験を実施中です。
KMバイオロジクス株式会社は、ヒト用ワクチン、血漿分画製剤の研究開発から製造販売まで行う体制を持ち、また、新生児のマススクリーニングなどを行う新生児スクリーニングセンターを保有しております。
同社において、特に注力しておりますヒト用ワクチン領域における具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
ヒト用ワクチンにつきましては、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する不活化ワクチン(KD-414)」として、Meiji Seika ファルマ株式会社との共同開発、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所及び医薬基盤・健康・栄養研究所との協業で、2020年5月より開発を開始しており、厚生労働省や日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金を活用しつつ研究開発および生産体制整備を推進しております。現在の開発状況は、2021年3月より開始した第Ⅰ相/第Ⅱ相臨床試験で、高い安全性が示唆され、一定の有効性が期待できる結果が得られましたので、2021年10月より開始した成人を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験で、従来の不活化ワクチンと同様の安全性を有していること、また、有効性も第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験と同様に若い年齢層ほど中和抗体価は高い傾向であることが確認できました。また、2022年4月より、成人を対象とした第Ⅲ相臨床試験(日本およびフィリピン)および小児を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(日本)を実施中であり、更に2023年1月より小児を対象とした第Ⅲ相臨床試験(日本)を開始しました。他に、「小児用6種混合ワクチン(KD2-396)」の第Ⅰ相臨床試験を2022年11月より開始しました。「デング熱ワクチン(KD-382)」は、2018年8月よりオーストラリアで実施していた第Ⅰ相臨床試験を完了し、健康な成人に対して良好な安全性および免疫原性が確認できました。現在、導出活動と並行して、第Ⅱ相臨床試験の実施について検討を進めています。「小児用5種混合ワクチン(KD-370)」は、2022年4月に製造販売承認申請を行いました。
なお、血漿分画製剤につきましては、血友病バイパス製剤であるバイクロットについて、2021年9月に適応拡大(定期投与)の承認事項一部変更申請を実施し、2022年8月に承認取得しております。
明治アニマルヘルス株式会社での具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
ワクチンにつきましては、牛用ワクチン「KD-412」を、2022年12月に農林水産省へ製造販売承認申請しました。抗菌剤につきましては、牛豚用抗菌剤「ME4137」は、農林水産省に製造販売承認申請中です。牛用抗菌剤「ME4305」及び豚用ワクチン「MD-22-2001」は、製造販売承認申請に必要な試験を開始しました。
また、畜産用飼料添加物である「ME4406」は、鶏と豚で医薬品開発の臨床試験に該当する野外応用試験の再試験実施に向けて準備中です。
(3) その他
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、999百万円であります。
明治ホールディングス価値共創センターは設立から4年を経ましたが、2026ビジョンにおける事業ビジョン「健康価値領域での新たな挑戦」およびサステナビリティビジョンに掲げる「社会課題解決への貢献」の実現を目指す組織として、2023年4月新たに「ウェルネスサイエンスラボ」と改め、研究体制と研究テーマを刷新しました。新体制ではこれまで取り組んできた抗老化/免疫領域の研究により一層力を入れるとともに、サステナビリティやデジタルトランスフォーメーションに関連した研究テーマを推進し、将来の明治グループ事業を支える強固な研究開発基盤の構築を強く意識しています。
2022年度は特許出願14件、論文発表5件、学会発表5件を数え、大きな研究成果を残しました。また、当組織の大きなミッションである「オープンイノベーションの実現」では、東京大学や京都大学等への講座設置を起点とするアカデミアとの連携が大きく進捗しました。
ウェルネスサイエンスラボは引き続き、明治グループ各事業会社(㈱明治、Meiji Seika ファルマ㈱、KMバイオロジクス㈱)から出向しているメンバーが共に協力しながら、国内外のアカデミアやベンチャー等との連携を通じた研究活動から生まれる革新性を原動力に、新たな価値領域における挑戦を着実に進めます。