名 称 株式会社NTTドコモ
所在地 東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー
(ア)2024年4月26日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第10回新株予約権(以下「第10回新株予約権」といいます。)(行使期間は2026年4月27日から2029年4月26日まで)
(イ)2024年4月26日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第11回新株予約権(以下「第11回新株予約権」といいます。)(行使期間は2026年4月27日から2034年4月26日まで)
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年6月16日開催の当社取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をしておりました。
当社は、上記取締役会の決議に際して、下記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)に対して、本特別委員会が2025年6月16日付で当社取締役会に対して提出した答申書(以下「2025年6月16日付答申書」といいます。その概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)の意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2025年7月24日、当社は、公開買付者から、8月中旬までに日本及び韓国の競争法令に基づき必要な手続及び対応は完了する見込みであり、中国の競争法令に基づく必要な手続及び対応についても、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)満了の日の前日までに完了する目途が付いたことも踏まえ、下記前提条件(以下「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。)③については、本公開買付前提条件としては放棄することとし、また、その他の前提条件については充足されることを前提として、本公開買付けを2025年8月18日に開始することを予定している旨の連絡を受けました。当該連絡を受け、当社は、本特別委員会に対して、本特別委員会から2025年6月16日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会は、2025年6月16日以降に本取引(下記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。)に影響を及ぼしうる重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年6月16日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月15日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の答申書(以下「2025年8月15日付答申書」といいます。2025年6月16日付答申書及び2025年8月15日付答申書の概要並びに本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を提出いたしました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年8月15日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年8月15日現在においても、2025年6月16日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、当社は、2025年8月15日付の会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第370条による取締役会決議(書面決議)によって、決議に参加した当社の取締役(取締役合計6名のうち、北原整氏を除く5名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。なお、2025年6月16日付及び2025年8月15日付の上記各取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
本項の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、2025年6月16日付プレスリリース「株式会社CARTA HOLDINGS株券等(証券コード:3688)に対する公開買付開始予定及び業務資本提携契約の締結に関するお知らせ」(以下「2025年6月16日付公開買付者プレスリリース」といいます。)にて公表していたとおり、2025年6月16日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式(以下に定義します。以下同じとします。)を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社の株主を公開買付者及び株式会社電通グループ(以下「電通グループ」といいます。)のみとし、当社株式を非公開化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施すること、並びに当社及び電通グループとの間で業務資本提携契約(以下「本業務資本提携契約」といい、当該契約に基づく業務資本提携を、以下「本業務資本提携」といいます。)を締結することを決議していたとのことです。
本公開買付けについては、日本、中国及び韓国の競争法令の手続及び対応に一定期間を要することから、本業務資本提携契約に基づき、当該手続及び対応が完了していること等の前提条件(注2)(以下「本公開買付前提条件」といいます。)が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合(なお、公開買付者は、その任意の裁量により、本公開買付前提条件(ただし、後述(注2)の①、③及び⑦を除きます。)を放棄できるとされているとのことです。また、(注2)の①、③及び⑦の前提条件については、電通グループの事前の承諾を得た上で放棄できるものとされています。)に、本公開買付けを速やかに開始することを予定し、公開買付者は、当該手続に関する国内外の法律事務所との協議等を踏まえ、2025年8月下旬を目途に本公開買付けを開始することを目指していたとのことです。
(注1) 「本新株予約権」は、2025年6月30日現在、合計630個(目的となる株式数の合計:63,000株)発行されており、その内訳は第10回新株予約権140個(目的となる株式数:14,000株)及び第11回新株予約権490個(目的となる株式数:49,000株)となっていますが、権利行使期間の開始日はいずれも2026年4月27日となっており、公開買付期間中に、いずれも行使され当社株式が本新株予約権者に対して発行又は移転されることを想定していないため、下記(注5)の所有割合の計算において定義され分母として使用する本基準株式数に加算していないとのことです。
(注2) 「本公開買付前提条件」は、大要において、①当社取締役会が、本公開買付けが実施される際に、本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主及び新株予約権者に対し本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本賛同・応募推奨意見」といいます。)を表明することを決議し、また、かかる決議が撤回又は変更されていないこと、②本特別委員会が、当社取締役会に対して、本賛同・応募推奨意見を表明することは相当である旨の答申を行い、これが変更又は撤回されていないこと、③本取引の実行にあたり必要となる国内外の競争法令上の手続が全て完了していること、④本業務資本提携契約に定める当社及び電通グループによる表明及び保証(注3)が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること、⑤本業務資本提携契約に基づき当社及び電通グループが遵守すべき義務(注4)の重大な不履行又は不遵守がないこと、⑥当社に関する未公表の重要事実等が存在しないこと、⑦本公開買付けを禁止し、又は制限することを求める司法・行政機関等の判断等が存在しないこと、⑧本公開買付けが開始されていたとするならば、本公開買付けの撤回が認められるべき事情が発生していないことの充足が前提条件となっているとのことです。
(注3) 本業務資本提携契約に基づく当社及び電通グループによる表明及び保証の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本業務資本提携契約」をご参照ください。
(注4) 本業務資本提携契約に基づく当社及び電通グループの義務の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本業務資本提携契約」をご参照ください。
本書提出日現在、公開買付者は、中国の競争法令に基づき必要な手続及び対応については完了しておりませんが、日本及び韓国の競争法令に基づき必要な手続及び対応は完了しており、中国の競争法令に基づく必要な手続及び対応についても公開買付期間満了の日の前日までに完了する目途が付いたことも踏まえ、上記前提条件③については、本公開買付前提条件としては放棄することとし、電通グループより当該前提条件の放棄について承諾を得たことから、上記前提条件③については、本公開買付前提条件として放棄する決定をしたとのことです。また、その他の前提条件については、以下のとおり、充足されたことを確認したことから、2025年8月15日、本公開買付けを2025年8月18日から開始することを決定したとのことです。
A) 公開買付者は、当社より、2025年8月15日時点において、2025年8月15日付の取締役会決議(書面決議)において、決議に参加した当社の取締役全員の全会一致により、本賛同・応募推奨意見を表明することを決議し、また、かかる決議が変更又は撤回されていない旨の報告を受け、同日、上記の本公開買付前提条件①の充足を確認したとのことです。
B) 公開買付者は、当社より、2025年8月15日時点において、本特別委員会が、本特別委員会の全委員の全会一致により、当社取締役会に対して、本賛同・応募推奨意見を表明することは相当である旨の答申を行い、また、かかる答申が変更又は撤回されていない旨の報告を受け、同日、上記の本公開買付前提条件②の充足を確認したとのことです。
C) 公開買付者は、当社及び電通グループより、2025年8月15日時点において、当社及び電通グループの知る限り、本業務資本提携契約に定める、当社及び電通グループによる表明及び保証が、いずれも重要な点において真実かつ正確である旨の報告を受け、同日、上記の本公開買付前提条件④の充足を確認したとのことです。
D) 公開買付者は、当社及び電通グループより、2025年8月15日時点において、当社及び電通グループの知る限り、本業務資本提携契約に基づき当社が履行又は遵守すべき義務を重要な点において履行又は遵守している旨の報告を受け、同日、上記の本公開買付前提条件⑤の充足を確認したとのことです。
E) 公開買付者は、当社より、2025年8月15日時点において、当社に関する未公表の重要事実又は公開買付け等事実が存在しない旨の報告を受け、同日、上記の本公開買付前提条件⑥の充足を確認したとのことです。
F) 公開買付者は、当社より、2025年8月15日時点において、当社の知る限り、(ⅰ)本取引を制限又は禁止するいかなる司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、また、(ⅱ)本取引を制限又は禁止することを求める旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も司法・行政機関等に係属していない旨の報告を受け、同日、上記の本公開買付前提条件⑦の充足を確認したとのことです。
G) 公開買付者は、当社より、2025年8月15日時点において、当社の知る限り、本公開買付けが開始されていたとするならば、本公開買付けの撤回が認められるべき事情は発生していない旨の報告を受け、同日、上記の本公開買付前提条件⑧の充足を確認したとのことです。
また、2025年6月16日付公開買付者プレスリリースにおいて記載された本公開買付けの内容や条件は、公開買付期間を20営業日から21営業日に変更したことを除き変更はないとのことです。
なお、本書提出日現在、公開買付者及び親会社であるNTT株式会社(以下「NTT」といいます。なお、NTTは、2025年7月1日に日本電信電話株式会社より商号変更しております。)並びに子会社を含む関係会社は、当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。
本取引は、①本公開買付け、②本公開買付けが成立した場合であって、公開買付者が本公開買付けにおいて当社株式(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合に当社が行う株式併合(以下「本株式併合」といいます。)、③本公開買付けの成立及び本株式併合の効力発生を条件として当社によって実施される本不応募合意株式の一部を対象とする自己株式取得(以下「本自己株式取得」といいます。)及び④本自己株式取得の効力発生を条件として、本自己株式取得の効力発生後速やかに実施される、当社を株式交換完全親会社、公開買付者の子会社であり、公開買付者と電通グループの合弁会社である株式会社D2C(以下「D2C」といいます。)を株式交換完全子会社とし、当社株式を対価とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)から構成され、最終的に、当社の株主を公開買付者及び電通グループのみとし、当社株式を非公開化することを企図するものとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの実施にあたり、2025年6月16日付で、当社及び電通グループとの間で、電通グループが所有する当社株式の全て(所有株式数:13,441,506株、所有割合(注5):53.13%、以下「本不応募合意株式」といいます。)を本公開買付けに応募しない旨及び本取引後の公開買付者、当社及び電通グループ間の業務資本提携に関する本業務資本提携契約を、電通グループとの間で当社の共同運営等に関しての株主間契約(以下「本株主間契約」といいます。)を、並びに当社の代表取締役社長執行役員兼CEOであり第2位株主である宇佐美進典氏(所有株式数:1,869,154株、所有割合:7.39%、以下「宇佐美氏」といいます。)及び当社の取締役執行役員CFOであり第9位株主(2024年12月31日現在、2025年6月30日現在では第10位株主)である永岡英則氏(所有株式数:372,084株、所有割合:1.47%、以下「永岡氏」といいます。)との間で、宇佐美氏及び永岡氏が所有する当社株式の全て(所有株式数の合計:2,241,238株、所有割合:8.86%、以下「本応募合意株式」といいます。)及び本新株予約権(宇佐美氏及び永岡氏は、いずれも第10回新株予約権を70個(目的となる当社株式の数の合計:7,000株)所有しています。以下「本応募合意新株予約権」といい、本応募合意株式と併せて「本応募合意株式等」といいます。)を本公開買付けに応募する旨の公開買付応募契約(以下「本応募合意契約」といいます。)をそれぞれ締結しているとのことです。なお、宇佐美氏及び永岡氏が所有する本応募合意株式の一部には担保権が設定されているところ、本応募合意契約において、宇佐美氏及び永岡氏は、本公開買付けへの応募までに被担保債権の弁済その他の方法により当該担保権を消滅させた上で、本応募合意株式等について本公開買付けに応募するものとされていましたが、本書提出日時点において、当該担保権は消滅しているとのことです。また、宇佐美氏との本応募合意契約においては、宇佐美氏は自らの資産管理会社である合同会社533及び宇佐美氏の妻の資産管理会社である合同会社アタラクシア(合同会社533と総称して、以下「本合同会社」といいます。)をして、本合同会社が所有する当社株式(合同会社533の所有株式数:100,000株、所有割合:0.40%。合同会社アタラクシアの所有株式数:20,000株、所有割合:0.08%)について、本公開買付けに応募させるものとされているとのことです。詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本業務資本提携契約」、「② 本株主間契約」及び「③ 本応募合意契約」をそれぞれご参照ください。
(注5) 「所有割合」とは、当社が2025年8月8日に提出した「第27期中半期報告書」に記載された2025年6月30日現在の当社の発行済株式総数(25,300,971株)から、当社が2025年8月8日に公表した「2025年12月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(610株)を控除した株式数(25,300,361株、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。なお、2025年6月30日現在残存する本新株予約権は630個であり、その目的となる当社株式の数は63,000株ですが、本新株予約権の権利行使期間は、第10回新株予約権が2026年4月27日から2029年4月26日まで、第11回新株予約権が2026年4月27日から2034年4月26日までに設定されており、公開買付者は、公開買付期間中に本新株予約権が行使され当社株式が本新株予約権者に対して発行又は移転されることを想定していないため、本新株予約権の目的となる株式数(63,000株)は本基準株式数に加算しておりません。
本株主間契約においては、本公開買付けの成立後に行われる当社の株主を公開買付者及び電通グループのみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の効力発生後に本自己株式取得に応じて、電通グループが当社に対して本不応募合意株式の一部を売却すること(注6)に加えて、本自己株式取得の効力発生後速やかに、本株式交換を実施することを合意しているとのことです。本株主間契約においては、当社を公開買付者の連結子会社としつつ、当社の株主総会の特別決議事項については公開買付者が単独で決議できず、電通グループによる賛成を必要とするような議決権割合とするために、本株式交換後の電通グループ及び公開買付者の当社株式の議決権の割合は、電通グループが3分の1超49%以下、公開買付者が51%以上3分の2未満(以下「株式交換後資本割合」といいます。)となるようにすることに合意しているとのことです(注7)。株式交換後資本割合の具体的な比率は、本株式併合の効力発生後に決定される予定とのことです。
(注6) 本自己株式取得の対象となる本不応募合意株式の数については、公開買付者が当社の議決権の過半数を取得する数であって、かつ、本自己株式取得の実施後、本株式交換により、株式交換後資本割合を実現できる数として最も小さい数を想定しているとのことです。具体的な取得株式数は、本株式併合の効力発生後に決定される予定とのことです。
(注7) 当社が対価として交付する当社株式につき、その総数は本スクイーズアウト手続後に当社の発行済株式総数が確定した後に、最終的に確定する予定とのことです。また、当社が対価として交付する株式数の算定に際しては、当社の株式価値を、本スクイーズアウト手続前における当社の評価額38,077百万円(本株主間契約締結日の前営業日(2025年6月13日)を評価基準日とする市場株価基準法(過去3ヶ月間の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値単純平均値)に基づく評価)と同等とすることについて、公開買付者は電通グループとの間で合意しているとのことです。
本自己株式取得に係る株式併合前1株当たりの自己株式取得価格(以下「本自己株式取得価格」といいます。)は、本スクイーズアウト手続前の1株あたり1,518円を予定しているとのことです。なお、本自己株式取得価格の算出においては、電通グループにおいて法人税法(昭和40年法律第34号。その後の改正を含みます。以下「法人税法」といいます。)に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮しつつ、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、本自己株式取得価格にて本自己株式取得が行われた場合の電通グループの税引後手取り額として計算される金額が、仮に電通グループが本公開買付価格で本公開買付けに応じた場合に得られる手取り金額と同等となることを基準としているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を3,425,400株(所有割合:13.54%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(3,425,400株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社株式を非公開化することを企図しているため、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(3,425,400株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
なお、買付予定数の下限(3,425,400株)については、本基準株式数(25,300,361株)に係る議決権の数(253,003個)に3分の2を乗じた数(168,669個、小数点以下を切り上げ)から、不応募合意株式数(13,441,506株)に係る議決権の数(134,415個)を控除した数(34,254個)に、当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(3,425,400株)としているとのことです。かかる買付予定数の下限を設定したのは、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社に対して、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者及び電通グループのみとするために、本スクイーズアウト手続を実施することを要請する予定であるところ、本スクイーズアウト手続として本株式併合の実施を想定しているため、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本スクイーズアウト手続の実施を確実に遂行すべく、本公開買付けの成立後に公開買付者及び電通グループが当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるようにするためとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、当社に対して、本スクイーズアウト手続の実施を要請する予定とのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、自己資金により賄うことを予定しているとのことです。
なお、本取引のストラクチャーは大要以下のとおりとなるとのことです。なお、図中の所有割合は所有する株式に係る所有割合を記載しています。
本書提出日現在において、電通グループが当社株式13,441,506株(所有割合:53.13%)、その他少数株主が当社株式11,858,855株(所有割合:46.87%)及び本新株予約権630個(本新株予約権の目的である当社株式数63,000株(所有割合:0.25%))を所有しているとのことです。なお、公開買付者及び親会社であるNTT並びに子会社を含む関係会社は、当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。また、電通グループがD2Cの普通株式(以下「D2C株式」といいます。)46.00%、公開買付者がD2C株式54.00%を所有しているとのことです(注8)。

(注8) 公開買付者のD2C株式の所有割合については、公開買付者が51.00%及びNTTの完全子会社である株式会社エヌ・ティ・ティ・アドが3.00%を所有しており、その合計値である54.00%を記載しております。
公開買付者は、当社株式の非公開化を目的として、当社株式(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することを目的とした本公開買付けを実施するとのことです。

(ⅲ)(本公開買付けの成立後)本株式併合を通じた本スクイーズアウト手続(2025年12月中旬又は下旬に効力発生予定)
公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合に、電通グループとともに、本公開買付けの成立及び決済完了を条件として、当社に対して本株式併合の手続の実行を要請し、当社は当社の株主を公開買付者及び電通グループのみとするための本株式併合の手続を実施するとのことです。なお、本株式併合は、本公開買付け成立後に開催される本臨時株主総会(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」)において定義します。以下同様です。)による承認を経た後の効力発生を想定しているとのことです。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。

公開買付者は、電通グループとの間で本スクイーズアウト手続の効力発生後に当社が実施する予定の本自己株式取得に応じて電通グループが本不応募合意株式の一部を当社に売却することに合意しているとのことです。なお、本株式併合の効力発生を経て、当社の株主が電通グループ及び公開買付者のみになった後に、当社が本自己株式取得に関する議案を付議する臨時株主総会が開催される(書面決議による場合を含みます。)予定とのことです。また、本自己株式取得は、当社株式の上場廃止後に実施される予定であるため、法第27条の22の2に規定される自己株式の公開買付けの方法によらずに実施される予定とのことです。

(注6) 本自己株式取得の取得株式数については、公開買付者が当社の議決権の過半数を取得する数であって、かつ、本自己株式取得の実施後、本株式交換により、株式交換後資本割合を実現できる数として最も小さい数を想定しているとのことです。
本自己株式取得の完了後、当社を株式交換完全親会社、D2Cを株式交換完全子会社とし、当社株式を株式交換の対価として、これを株式交換実施時点においてD2Cの株主である電通グループ及び公開買付者に対して交付する本株式交換を実施することを予定しているとのことです。

本株式交換実施後の電通グループ及び公開買付者の当社の議決権割合は、電通グループが3分の1超49.00%以下、公開買付者が51.00%以上3分の2未満となるようにすることに合意しているとのことです。

公開買付者は、1991年8月にNTTの出資によりエヌ・ティ・ティ・移動通信企画株式会社として設立されたとのことです。その後、商号を、1992年4月にエヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社に、2000年4月に株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモに、2013年10月に現在の社名である株式会社NTTドコモに変更したとのことです。公開買付者が提供している移動通信サービスは、NTTにおいて無線呼出サービス(ポケットベル)が1968年7月に東京23区で開始され、自動車電話サービスが1979年12月に同じく東京地区で開始されたことを起源としているとのことです。その後、公開買付者は、1992年7月にNTTより移動通信事業(携帯・自動車電話、無線呼出、船舶電話、航空機公衆電話)を譲り受けて、営業を開始し、1998年10月に東京証券取引所市場第一部に、2002年3月にロンドン証券取引所及びニューヨーク証券取引所にそれぞれ上場したとのことです。その後、2014年3月にロンドン証券取引所において、2018年4月にニューヨーク証券取引所において、それぞれ上場廃止となり、2020年12月にはNTTを親会社とする完全子会社化によって、東京証券取引所市場第一部においても株式が上場廃止となったとのことです。
本書提出日現在、公開買付者のグループは、公開買付者、連結子会社50社及び持分法適用関連会社20社(以下、総称して「公開買付者グループ」といいます。)により構成され、コンシューマ通信事業(個人向け通信サービス(5G・LTE等携帯電話サービス、光ブロードバンドサービス、国際サービス)、各サービスの端末機器販売など)、スマートライフ事業(金融決済サービス、コンテンツライフスタイルサービス(動画・音楽・電子書籍等配信サービス・ドコモでんき等)、マーケティングソリューション、あんしん系サポート(ケータイ補償サービス等)など)及びその他の事業(法人向け通信サービス(5G・LTE等携帯電話サービス、ユビキタスサービス、衛星電話サービス、光ブロードバンドサービス、国際サービス)、各サービスの端末機器販売、オフィスリンクなど)を展開しているとのことです。
公開買付者を取り巻く市場環境は、欧州や中東の地政学リスク及び国際的な緊張、インフレによる先行き不透明感が続く世界情勢の中、国内経済はインバウンド需要の増加や物価高、賃上げの動きが広まり、サービス消費の回復、GX、DX、レジリエンス強化への設備投資需要などによって緩やかな回復傾向にあると認識しているとのことです。公開買付者を取り巻く市場環境では、モバイル事業のさらなる競争激化が進んでおり、ポイントサービス、金融・決済、エンタメ、マーケティングソリューションの強化を中心とする非通信事業における成長のほか、AI技術の活用を始めとする社会全体における新たな価値創造が求められていると考えているとのことです。
公開買付者は、上記のような市場環境の中、「お客様と常に向き合い、お客様に支持されるドコモグループ」になるために、2024年7月にはコンシューマサービスカンパニーの設置や株式会社NTTドコモ・グローバル(以下「ドコモ・グローバル」といいます。)を設立したとのことです。ドコモ・グローバルは、公開買付者グループのグローバル事業を統括し、事業横断で統合的かつ機動的にグローバル事業を推進しているとのことです。パートナーと共に新たなライフスタイルの創出及び、それを通じた社会・産業の構造変革に取り組み、世界中のお客様にとってより豊かな生活、社会の実現をめざしているとのことです。具体的には、Web3(注1)の世界に向け、個人や企業がブロックチェーン技術を容易かつ安全に利用し、便利で新しい決済サービスを享受できるよう社会実装を実現するためのアプリケーション・サービス事業、通信キャリアの価値向上や効率化を実現するOpen RAN(注2)のような構造改革支援に関する事業を軸として、将来に向けては他の事業への拡大も検討し、幅広く統合的なグローバル戦略の企画・立案を行っているとのことです。
(注1) 「Web3」とは、ブロックチェーンなどの分散型技術を活用した、次世代のインターネットのことをいうとのことです。
(注2) 「Open RAN」とは、無線基地局の仕様をオープンかつ標準化することにより、さまざまなベンダの機器やシステムとの相互接続を可能とする無線アクセスネットワーク(RAN)のことをいうとのことです。
通信・サービス一体でのお客様理解やサービスミックス提案による顧客価値の向上、事業横断かつ機動的なグローバル事業を推進する体制整備を行い、公開買付者、NTTドコモビジネス株式会社(NTTドコモビジネス株式会社は2025年7月1日にNTTコミュニケーションズ株式会社より商号変更しております。)、ドコモ・グローバル、NTTドコモソリューションズ株式会社(NTTドコモソリューションズ株式会社は2025年7月1日にNTTコムウェア株式会社より商号変更しております。)4社一丸となり、新ドコモグループでの活動を始動したとのことです。
また、NTTドコモグループを「つなぐ」ことで新しい未来を実現し、お客様へ期待される企業グループになるべく、ブランドスローガンを「つなごう。驚きを。幸せを。」、グループビジョンを「テクノロジーと人間力で新しいつながりを生み、心躍る価値創造で、世界を豊かに、幸せに。」に一新したとのことです。
重点的取組みとして、顧客基盤強化、通信サービス品質の向上、モバイル通信ARPUの向上に注力し、モバイル通信サービス収入の改善やスマートライフ事業の成長を着実に実行していると考えているとのことです。
一方、当社は、1999年10月に株式会社アクシブドットコムとして設立され、下記経営統合の実施当時アドプラットフォーム事業、ポイントメディア事業、インキュベーション事業を展開していた株式会社VOYAGE GROUP(以下「VOYAGE GROUP」といいます。)と、1996年6月に設立され、当時インターネット広告及び関連事業を展開していた株式会社サイバー・コミュニケーションズ(以下「サイバー・コミュニケーションズ」といいます。)の2社を前身としております。当社は、2019年1月に、当時東京証券取引所第一部に上場していたVOYAGE GROUPと、当時電通グループの完全子会社であったサイバー・コミュニケーションズが経営統合を行ったことに伴い、両社の持株会社として発足し、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しております。
当社グループ(当社及び当社の関係会社をいいます。以下同じとします。)は、本書提出日現在、当社、当社の親会社である電通グループ 、連結子会社18社、非連結子会社2社及び持分法適用関連会社6社で構成され、広告会社、クライアント等のデジタルマーケティングの支援及びメディアのDX支援等を行う「デジタルマーケティング事業」、メディア、ソリューションの提供のほか、EC・人材領域等でのサービスの運営を行う「インターネット関連サービス事業」の2つの事業を展開しております。なお、当社の連結子会社である株式会社CARTA COMMUNICATIONS、株式会社CARTA MARKETING FIRM及び株式会社 Barrizは、2025年7月1日を効力発生日として合併により統合しており、本統合に伴い、存続会社である株式会社CARTA MARKETING FIRMの商号を株式会社CARTA ZEROに変更しております。
当社は、2023年2月13日に2023年12月期から2025年12月期を対象とする中期経営方針を公表し、サステナビリティ経営という土台の上に、事業の進化と経営の進化といった両輪での取り組みを行っていくことにより、当社のパーパスである「人の想いで、人と未来の可能性を、拓いていく。」の実現を目指しております。
当社グループの主力事業が属する事業環境として、広告業界全体はコロナ禍を抜け回復基調にあり、特にDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展が業界の変革を加速させていると認識しております。インターネット広告業界は引き続き堅調な成長を見せており、主に検索連動型広告(リスティング広告)、コンテンツ連動型広告(ディスプレイ広告)、SNS広告や動画広告等の手法によって、リアルタイムでユーザーにマッチした広告を配信する運用型広告の分野では、AIやデータ活用の高度化によって、広告の配信内容やターゲティングを自動で最適化することが可能となり、広告効果の向上をはじめとするさらなる進化が進んでおります。一方で、個人情報保護に関する規制強化の影響により、cookieに依存しない広告運用への対応として、プライバシーを尊重しつつ、広告効果を維持・向上させるための新しい技術の開発やデータ戦略の構築が求められております。また、グローバルに事業展開するプラットフォーム企業による寡占化や、顧客企業における広告関連業務の内製化も進展しており、顧客企業に対して付加価値あるプロダクトやソリューションを提供することの難易度は高まっております。かかる環境下、当社グループが持続的な成長を実現していくためには、電通グループとの協業関係の深化や、顧客企業に対する直接の販売チャネルに対する取り組みの強化等を通じて、顧客企業のマーケティング課題を総合的に支援する総合的マーケティングケイパビリティを獲得・強化していくことが重要な経営課題であると考えております。
こうした環境及び課題認識のもと、当社グループは、上記中期経営方針に基づき、既存事業の構造改革に取り組み、成長領域への投資に取り組んでまいりました。具体的には、2024年12月期においては、マス広告領域におけるDX推進への取り組みの一環として、当社の連結子会社であり、テレビCMを効果分析しながら運用が可能な運用型テレビCMサービスを提供する株式会社テレシーへの投資を進める一方で、デジタルマーケティング領域ではプライバシー保護の意識が高まる中で、cookieに依存しない広告技術やデータ活用にいち早く対応するべく、当社のデジタルマーケティング事業が提供する自社プロダクトの進化とともに、当社の連結子会社である株式会社CARTA ZERO及び株式会社DataCurrentでは新しいソリューションを市場に提供してきており、特に、cookieを使用しないターゲティング技術や、自社が直接収集した顧客データである1st Party Dataや共通ID(注3)等の活用サポートは、多くの顧客企業から高い評価をいただいております。また、生成AIの活用推進にも積極的に取り組み、Generative AI Labを社内に立ち上げ、様々な領域でPOC(概念実証)に取り組むだけではなく、実際の業務プロセスのなかに組み込むことで生産性向上も実現しつつあります。加えて、社員一人ひとりが新たな挑戦に取り組む姿勢を持ち続けたことも、当社の成長を支える原動力となっております。「期待を超える『進化』」をテーマに掲げ、社内外での研修や学びの機会を拡充し、成長する企業文化の形成に、取り組んでまいりました。
(注3) 「共通ID」とは、複数のサイトやサービス間で共通して使用される識別子で、3rd Party Cookie(ユーザーがアクセスするサイトと異なるドメインによって発行されるCookie)を使用せずにユーザーを識別する手法のことをいいます。
中期経営方針の最終年度でもある2025年12月期においては、さらに進化する企業を目指しその実現に向けて、①デジタルマーケティング事業における「グループ再編」、②「人材」と「生成AI」への投資を加速、③「サステナビリティ経営」の3つの柱を掲げております。①デジタルマーケティング事業における「グループ再編」に関しては、2024年9月19日に基本方針を公表した通り、2025年7月1日を効力発生日として、当社の連結子会社である株式会社CARTA COMMUNICATIONS、株式会社CARTA MARKETING FIRM 及び株式会社Barrizを合併により統合し、また、本統合に伴い、存続会社である株式会社CARTA MARKETING FIRMの商号を株式会社CARTA ZEROに変更しております。
公開買付者は、デジタル技術の進展や生活者ニーズの多様化、将来的な人口減少や異業種も含めた競争激化等の取り巻く環境変化が見込まれる中、モバイル事業のさらなる競争激化が進んでおり、ポイントサービス、金融・決済、エンタメ、マーケティングソリューションの強化を中心とする非通信事業における成長のほか、AI技術の活用を始めとする社会全体における新たな価値創造が求められているとの認識の下、2022年7月よりデジタルマーケティング領域における事業拡大に向けた検討を継続的に行ってきた中、企業のマーケティングバリューチェーン全体の支援を実現するためには、グローバルプラットフォーマーや動画、テレビを含む様々なメディアへの配信が可能なアドプラットフォームや配信オペレーションの保有が必要であると認識し、当社のアドテクノロジー(注4)、プラットフォーム開発力やオペレーションケイパビリティに魅力を感じて、2024年1月18日に、公開買付者より当社の親会社である電通グループへ協議実施を打診し、2024年2月1日、電通グループとの間で当社との提携による協業可能性に関する共同検討に向けた協議を行ったとのことです。その後、2024年2月16日から公開買付者及び電通グループの間でのコーポレート部門も交えた検討の結果、2024年4月上旬に当社との協業可能性につき具体的な検討を進めることで合意したとのことです。
(注4) 「アドテクノロジー」とは、デジタル広告の配信を最適化・自動化するためのシステムや、効果計測、運用データの管理・分析などを行うツールなどの総称をいいます。
その後、2024年5月22日に、公開買付者、D2C、電通グループ及び当社の間で秘密保持契約を締結し、2024年5月上旬以降、公開買付者、当社及び電通グループは、本取引の取り組み意義や当社とのシナジーに関する初期的な議論を重ねてまいりました。公開買付者は、約1億人のdポイントクラブ会員の顧客基盤を有しており、また、当該顧客基盤に基づき、戦略立案(顧客分析など)~戦術立案(広告の配信プラン作成など)~施策実行(広告配信・運用など)~効果検証(ユーザーのプロファイリング分析・施策評価など)のマーケティングプロセスの各フェーズにおいて、同一のIDで一元的にデータを管理することができるトータルマーケティング(Single ID Marketing(注5))を行ってきているとのことです。具体的な公開買付者の取組みとして、2020年8月より利用者データとユーザーの属性や行動、興味関心が推定できるAIを組み合わせてターゲットを分析し統計情報を可視化できるサービスとして「docomo data square」を展開している他、上記のような取組みを通じて、デジタルマーケティング領域におけるケイパビリティ拡大を通じて、提供価値拡大を進めてきているとのことです。また、公開買付者は、クライアント企業がデジタルマーケティングの領域において、自社のデータを活用してオンライン・オフライン問わず一貫したブランド体験を提供するマーケティング戦略を志向していることに対し、公開買付者の強みであるデータの活用を土台としたマーケティング支援の展開により、デジタルマーケティング全体を支援することがクライアント企業の事業成長に貢献できると捉え、提供価値拡大を進めているとのことですが、デジタルマーケティング業界を取り巻く環境の変化に対応しながら、今後もクライアント企業に選ばれ続ける企業であるためには、Single ID Marketingによる戦略・戦術立案から施策実行、効果検証までの一気通貫したマーケティング支援において、施策実行フェーズである、公開買付者が保有するメディア以外の様々なメディアへの広告配信の強化が課題であると認識していたとのことです。当社はクライアント企業や主要広告代理店各社のニーズに合わせたプロダクト開発やメディアとの強固なリレーションを確立し、従前より幅広いメディアにおける広告プランニングや運用により、クライアント企業の事業推進支援を実現している国内有数のデジタル広告配信事業者と公開買付者は認識しているとのことです。
(注5) 「Single ID Marketing」とは、一人ひとりのオンライン・オフラインの日常生活に関わる様々なデータを保有し、このデータをID単位で一元的にマーケティングプロセスの戦略・戦術立案から施策実行、効果検証までの各フェーズで一気通貫で活用いただけるソリューションのことをいいます。
公開買付者は、当社及び電通グループとの間で、2024年4月上旬から2025年1月下旬まで、シナジーに関する初期的な議論を重ねた結果、当社グループ及び公開買付者グループが同一の企業グループとなり、公開買付者と電通グループの合弁会社であるD2Cを本株式交換を通じて当社の子会社とすることで、以下のようなシナジー効果が期待できると考えたとのことです。
公開買付者は、当社によるAIやテクノロジーを活用したデジタルマーケティングの実行力、電通グループが持つマーケティングを通じた事業成長支援のノウハウ、公開買付者及びD2Cが保有する、webなどのオンラインや店舗などのオフラインを横断して把握することのできる生活者の行動・購買データや加盟店ネットワークを融合させることで、約1億人の会員基盤(注6)に紐づく行動・購買データを活用した「トータルマーケティングソリューション」を今後展開することができると考えているとのことです。「トータルマーケティングソリューション」を活用することで、マーケティング戦略・戦術の立案から具体的な施策の実行、さらにその効果測定・検証に至るまで、マーケティングプロセスの一貫した支援を行うことができるようになるとのことです。特に、個人単位で取得・管理されたIDに基づく「Single ID Marketing」によって、webなどのオンラインや店舗などのオフラインの顧客行動データと意識データ、施策結果データを統合し、従来の単発的なマーケティング手法(フロー型)から、継続的な消費者接点の構築・最適化したマーケティング手法(ストック型)に進化することができると考えているとのことです。このようなデータを活用した総合的なマーケティング支援が可能となることで、各クライアント企業のマーケティング投資の効果が最大化され、企業価値の向上を図ることができると考えているとのことです。
(注6) 公開買付者が保有する約1億人のdポイントクラブ会員の属性情報や位置情報などの各種データなどの、お客様から必要な同意を得られているデータのことをいいます。
公開買付者グループの有する加盟店ネットワーク等自社経済圏における商流、及び当社の有する電通グループ及びその他広告代理店等の商流に対し、それぞれが双方の商流を活用するパートナーシップにより、多様なクライアント企業に対してアプローチし、「トータルマーケティングソリューション」の成功事例を蓄積していくことで、双方の販売チャネルを拡大することができると考えているとのことです。
D2Cは、これまで公開買付者が保有するデータを活用し、公開買付者保有のメディアへの広告配信・運用を担ってきたとのことです。また、「Single ID×フルファネル(注7)」による広告ソリューションの先行的な展開を推進してきた中核拠点でもあるとのことです。このたび、アドテクノロジーや広告運用に強みを持つ当社と一体的に事業運営を行うことで、広告配信の精度やスピードをさらに高め、「Single ID Marketing」の提供領域を拡大することが可能になるとのことです。これにより、クライアント企業に対するマーケティング支援の質向上やケイパビリティの強化、機能統合による生産性向上を図ることができると考えているとのことです。
(注7) 「フルファネル」とは、顧客が商品やサービスを認知してから、購入、そして購入後のリピートやロイヤリティ形成に至るまでの、すべてのプロセスを網羅的に捉える考え方を指します。
なお、公開買付者は当社を連結子会社化するにあたり、当社が現在行っている事業については制限することなく踏襲し、当社の現在の取引を含めた成長を尊重する方針であることを踏まえ、公開買付者と事業上の競合関係にある会社等との取引は僅少であることを勘案し、本取引後に当社の既存取引先との関係性に悪影響が生じるといったディスシナジーの発生や本取引の実行に起因して当社の企業価値が毀損する恐れは限定的と判断しているとのことです。
また、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることを挙げることができるとのことです。しかしながら、当社は現状の事業活動を通じて、既に十分なブランド力や顧客からの信用を獲得されており、今後も公開買付者グループ及び電通グループのグループ会社として認識されることから、非公開化が企業価値の毀損につながる影響も限定的であると判断しているとのことです。
上記のとおりシナジーに関する初期的な議論を踏まえ、公開買付者は、当社株式を非公開化し、当社を公開買付者の連結子会社とすることが、当社と直接的な資本関係の構築を通じた一体的な運営につながり、データガバナンスの観点でも資本を伴わない業務提携に比して当社ビジネス運営の柔軟性を高め、結果的に当社の企業価値向上にとって最善であるとの判断に至ったとのことです。そして、公開買付者は2025年2月4日付で、電通グループ及び当社に対して、公開買付者及び当社の間の継続的な資本関係、公開買付者及び当社に電通グループを加えた3社間の業務資本提携並びに当社株式の非公開化を企図した当社の連結子会社化に関する初期的な意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出したところ、電通グループより、2025年2月13日に本取引の協議に向けた検討体制を整備する旨の意向が示され、当社としても本意向表明書に記載の提案内容は検討すべき内容であると判断し、2025年2月27日に、本取引に関する検討及び協議を進めることを決定したとの連絡を当社から受領したとのことです。その後、公開買付者は、電通グループ及び当社との間で、2025年2月下旬に本公開買付けに向けた具体的な協議・検討を開始したとのことです。
本公開買付けに向けた具体的な協議・検討にあたって、公開買付者は2025年2月下旬に、本取引に関する専門的助言を得る目的で、公開買付者グループ、当社及び電通グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、公開買付者グループ、当社及び電通グループから独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所をそれぞれ選任したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2025年3月上旬から同年4月中旬まで当社に対して実施するとともに、2025年3月19日に当社から本取引の背景・目的、本取引後の経営方針に関する質問を受領したため、2025年4月10日に当社に対して回答を行ったとのことです。また並行して、同年6月中旬にかけて、当社との間で、本公開買付価格についての協議・検討を続けてきたとのことです。
具体的には、公開買付者は、2025年5月15日、当社から開示を受けた2025年12月期から2027年12月期までの事業計画をはじめ、2025年3月上旬から同年4月中旬まで実施したデュー・ディリジェンスを通じた各種開示資料(有価証券報告書などの公開情報に加え、各プロダクト別の詳細といった非公開情報も含む)等に基づいた当社の事業及び財務の状況の分析結果、及び本公開買付けに対する応募の見通し等の各種要素を総合的に勘案し、当社に対して、本公開買付価格を1,800円(当該提案日の前営業日である2025年5月14日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,563円に対して15.16%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,524円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して18.11%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,474円に対して22.12%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,450円に対して24.14%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を行ったとのことです。また、本新株予約権については、全ての本新株予約権の権利行使期間が未到来であるものの、本新株予約権全てを本公開買付けの対象とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:108円、第11回新株予約権:108円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに10,800円)とする旨の提案を行ったとのことです。
これに対し、公開買付者は、2025年5月16日、当社より、当社のファイナンシャル・アドバイザーによる当社株式価値の算定結果を勘案し、当該提案価格が、当社の本源的価値を反映したと評価できる価格水準を大幅に下回っていること、本取引の実行により期待されるシナジーが創出する価値についても現株主に公正に分配されるべきと考えられるところ、当該提案価格が、シナジーが分配された価格水準であるとは到底評価できないこと、当該提案日の前営業日である2025年5月14日時点及び同日までの過去一定期間における株価に対するプレミアム水準が非公開化を目的とした過去の公開買付け事例対比で不十分であることから、本公開買付けに対する賛同意見表明及び応募推奨を行うために必要と考える価格水準を大幅に下回る価格であると評価している旨の見解が示され、本公開買付価格に関する再度の提案を検討するよう連絡を受けたとのことです。
公開買付者は、当社からの上記の回答を踏まえ、2025年5月19日、本公開買付価格を1,870円(当該提案日の前営業日である2025年5月16日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,569円に対して19.18%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,538円に対して21.59%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,478円に対して26.52%及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,452円に対して28.79%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を当社に行ったとのことです。また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:178円、第11回新株予約権:178円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに17,800円)とする旨の提案を行ったとのことです。
これに対し、公開買付者は、2025年5月20日、当社から、本公開買付けに対する賛同意見表明及び応募推奨を行うために必要と考える価格水準を引き続き大幅に下回る価格であると評価している旨の見解を示され、本公開買付価格に関する再度の提案を検討するよう連絡を受けたとのことです。
公開買付者は、当社からの上記の回答を踏まえ、2025年5月22日、当社に対して、本公開買付価格を1,930円(当該提案日の前営業日である2025年5月21日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,510円に対して27.81%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,538円に対して25.49%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,480円に対して30.41%及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,455円に対して32.65%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を当社に行ったとのことです。また本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:238円、第11回新株予約権:238円)に当該本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに23,800円)とする旨の提案を行ったとのことです。
これに対し、公開買付者は、2025年5月23日、当社から、本公開買付けに対する賛同意見表明及び応募推奨を行うために必要と考える価格水準を引き続き大幅に下回る価格であると評価している旨の見解を示され、本公開買付価格に関する再度の提案を検討するよう連絡を受けたとのことです。
公開買付者は、当社からの上記の回答を踏まえ、2025年5月27日、当社と面談を行い、本公開買付価格を1,980円(当該提案日の前営業日である2025年5月26日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,524円に対して29.92%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,533円に対して29.16%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,483円に対して33.51%及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,455円に対して36.08%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨、また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:288円、第11回新株予約権:288円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに28,800円)とする旨の提案を行ったところ、当社から、本公開買付価格の引き上げの再検討の要請を受けたとのことです。
これを踏まえ、公開買付者は、2025年5月29日に、本公開買付価格を2,100円(当該提案日の前営業日である2025年5月28日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,555円に対して35.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,534円に対して36.90%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,487円に対して41.22%及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,457円に対して44.13%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を当社に行ったとのことです。また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:408円、第11回新株予約権:408円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに40,800円)とする旨の最終提案を行ったとのことです。
上記最終提案に対し、公開買付者は、2025年5月30日、当社より、当該提案価格は、当社として本件に対して賛同し、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に対して本公開買付けに係る本公開買付けへの応募を推奨することが妥当な価格であると評価していることから、当該提案を応諾する旨の回答を受け、本公開買付価格を2,100円とすること、また、本新株予約権買付価格について、本公開買付価格である2,100円と各本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:408円、第11回新株予約権:408円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに40,800円)とすることで当社との間で合意に至ったとのことです。
さらに、公開買付者は、2025年5月29日に、本応募合意契約の内容について宇佐美氏及び永岡氏に対して提案を行い、その後、2025年6月中旬まで、宇佐美氏及び永岡氏との間で本応募合意契約についての協議・交渉を継続し、2025年6月中旬に、内容について合意に至ったとのことです。本応募合意契約の具体的な内容については、後述「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本応募合意契約」をご参照ください。
以上の協議・交渉を踏まえ、公開買付者は、2025年6月16日開催の取締役会において、本取引の一環として本公開買付けを実施すること、2025年6月16日付で、公開買付者、電通グループ及び当社との間で本業務資本提携契約を、また電通グループとの間で本株主間契約を締結することを決議したとのことです。
その後、公開買付者は、本書提出日現在において、中国の競争法令に基づき必要な手続及び対応については完了しておりませんが、日本及び韓国の競争法令に基づき必要な手続及び対応は完了しており、中国の競争法令に基づく必要な手続及び対応についても、本公開買付けによる当社株式の取得についての事前届出は、2025年7月14日(現地時間)付で中国国家市場監督管理総局に提出され、2025年8月1日(現地時間)付で簡易事案として受理され、中国の法律事務所から、公開買付期間の末日までに中国の競争法令に基づく審査期間(一次審査期間30日)が満了することが見込まれる旨の意見を入手し、公開買付期間満了の日の前日までに完了する目途が付いたことも踏まえ、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載の前提条件③については、本公開買付前提条件としては放棄することとし、電通グループより当該前提条件の放棄について承諾を得たことから、上記前提条件③については、本公開買付前提条件として放棄する決定をいたしたとのことです。また、その他の前提条件については、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、充足されたことを確認したことから、2025年8月15日、本公開買付けを2025年8月18日から開始することを決定したとのことです。
公開買付者は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本取引のシナジーを含む事業計画の実現のために適切な経営体制を構築することを目的として、電通グループ及び公開買付者が指名する者を当社の役員に就任させることを予定しているとのことですが、現時点において具体的な候補者については未定であり、電通グループ及び当社と協議しながら決定していく予定とのことです。役員就任の具体的な時期については、公開買付者による当社の連結子会社化以降を予定しているとのことです。
なお、公開買付者は、2025年6月16日付で、電通グループとの間で本株主間契約を締結し、本株主間契約において、本取引完了後の当社の取締役として、電通グループが3名、公開買付者が4名をそれぞれ指名すること及び当社の代表取締役を公開買付者が指名することに合意しているとのことです。本株主間契約の概要については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本株主間契約」をご参照ください。
当社は、2024年4月4日に、電通グループより本取引に関する公開買付者及び電通グループとの協議の実施に関する打診を受けました。その後、2024年5月22日に、公開買付者、D2C、電通グループ及び当社の間で秘密保持契約を締結し、2024年4月上旬から2025年1月下旬にかけて、当社とのシナジーに関する初期的な議論を行ってまいりました。その後、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、2025年2月4日付で、公開買付者から、本意向表明書を受領しました。当社は、本意向表明書に記載の提案内容は当社としても検討すべき内容であると判断し、2025年2月27日に、本取引に関する検討及び協議を進めることを決定したとの連絡を公開買付者に対して行いました。その後、当社は、公開買付者及び電通グループとの間で、2025年2月下旬に本公開買付けに向けた具体的な協議・検討を開始しました。また、当社は、本公開買付けに向けた具体的な協議・検討にあたって、2025年2月25日に、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立したリーガル・アドバイザーとして島田法律事務所を、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)をそれぞれ選任するとともに、大和証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼いたしました。
また、本取引については、当社の支配株主である電通グループと当社の一般株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることから、本取引の公正性を担保するため、島田法律事務所の助言を踏まえ、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引の提案を検討するための本特別委員会を設置しました。なお、委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
上記(ⅰ)の検討体制を構築した上で、当社は、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向等を踏まえ、島田法律事務所及び大和証券の助言を受けながら、公開買付者との間で複数回にわたる協議・検討を重ねた上で、本取引の妥当性について検討してまいりました。なお、以下の協議・検討過程においては、当社は、随時、本特別委員会に対して報告を行い、本特別委員会により事前に確認された対応方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づき、対応を行っております。
まず、2025年2月4日付で公開買付者より受領した本意向表明書について、島田法律事務所及び大和証券の助言を受けながら、提案内容のより具体的な確認・検証をするべく、公開買付者に対しては2025年3月19日、電通グループに対しては2025年3月24日に、本取引の背景・目的、本取引後の経営方針に関する質問状を提出し、公開買付者からは2025年4月10日に、電通グループからは2025年4月1日にそれぞれ回答を受領いたしました。また、当社は、2025年3月上旬から2025年4月中旬の期間にかけて、公開買付者によるデュー・ディリジェンスの実施を受け入れ、並行して、公開買付者との間で、本公開買付価格について、2025年6月中旬の期間にかけて、複数回にわたり協議を実施いたしました。
具体的には、当社は、2025年5月15日、公開買付者より、当社から開示を受けた2025年12月期から2027年12月期までの事業計画をはじめ、2025年3月上旬から同年4月中旬まで実施したデュー・ディリジェンスを通じた各種開示資料(有価証券報告書などの公開情報に加え、各プロダクト別の詳細といった非公開情報も含む)等に基づいた当社の事業及び財務の状況の分析結果、及び本公開買付けに対する応募の見通し等の各種要素を総合的に勘案し、本公開買付価格を1,800円(当該提案日の前営業日である2025年5月14日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,563円に対して15.16%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,524円に対して18.11%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,474円に対して22.12%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,450円に対して24.14%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を受領しました。また、本新株予約権については、全ての本新株予約権の権利行使期間が未到来であるものの、本新株予約権全てを本公開買付けの対象とし、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:108円、第11回新株予約権:108円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに10,800円)とする旨の提案を受領しました。
これに対し、当社は、2025年5月16日、公開買付者に対し、当社のファイナンシャル・アドバイザーによる当社株式価値の算定結果を勘案し、当該提案価格が、当社の本源的価値を反映したと評価できる価格水準を大幅に下回っていること、本取引の実行により期待されるシナジーが創出する価値についても現株主に公正に分配されるべきと考えられるところ、当該提案価格が、シナジーが分配された価格水準であるとは到底評価できないこと、当該提案価格の当該提案日の前営業日である2025年5月14日時点及び同日までの過去一定期間における株価に対するプレミアム水準が非公開化を目的とした過去の公開買付け事例対比で不十分であることから、本公開買付けに対する賛同意見表明及び応募推奨を行うために必要と考える価格水準を大幅に下回る価格であると評価している旨の見解を示し、本公開買付価格に関する再度の提案を検討するよう要請しました。
当社は、2025年5月19日、公開買付者より、当社からの上記の回答を踏まえ、本公開買付価格を1,870円(当該提案日の前営業日である2025年5月16日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,569円に対して19.18%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,538円に対して21.59%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,478円に対して26.52%及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,452円に対して28.79%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を受領しました。また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:178円、第11回新株予約権:178円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに17,800円)とする旨の提案を受領しました。
これに対し、当社は、2025年5月20日、公開買付者に対し、本公開買付けに対する賛同意見表明及び応募推奨を行うために必要と考える価格水準を引き続き大幅に下回る価格であると評価している旨の見解を示し、本公開買付価格に関する再度の提案を検討するよう要請しました。
当社は、2025年5月22日、公開買付者より、当社からの上記の回答を踏まえ、本公開買付価格を1,930円(当該提案日の前営業日である2025年5月21日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,510円に対して27.81%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,538円に対して25.49%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,480円に対して30.41%及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,455円に対して32.65%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を受領しました。また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:238円、第11回新株予約権:238円)に当該本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに23,800円)とする旨の提案を受領しました。
これに対し、当社は、2025年5月23日、公開買付者に対し、本公開買付けに対する賛同意見表明及び応募推奨を行うために必要と考える価格水準を引き続き大幅に下回る価格であると評価している旨の見解を示され、本公開買付価格に関する再度の提案を検討するよう要請しました。
当社は、2025年5月27日、公開買付者と面談を行い、公開買付者より、当社からの上記の回答を踏まえ、本公開買付価格を1,980円(当該提案日の前営業日である2025年5月26日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,524円に対して29.92%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,533円に対して29.16%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,483円に対して33.51%及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,455円に対して36.08%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨、また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:288円、第11回新株予約権:288円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに28,800円)とする旨の提案をそれぞれ受領しましたが、当社から、本公開買付価格の引き上げの再検討の要請を行いました。
これを踏まえ、当社は、公開買付者より、2025年5月29日に、本公開買付価格を2,100円(当該提案日の前営業日である2025年5月28日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,555円に対して35.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,534円に対して36.90%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,487円に対して41.22%及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,457円に対して44.13%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする最終提案を受領しました。また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:408円、第11回新株予約権:408円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに40,800円)とする最終提案を受領しました。
上記最終提案に対し、当社は、2025年5月30日、公開買付者に対し、当該提案価格は、当社として本公開買付けに対して賛同し、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨することが妥当な価格であると評価していることから、当該提案を応諾する旨の回答を行い、本公開買付価格を2,100円とすること、また、本新株予約権買付価格について、本公開買付価格である2,100円と各本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額(第10回新株予約権:408円、第11回新株予約権:408円)に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに40,800円)とすることで公開買付者との間で合意に至りました。
さらに、当社は、島田法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2025年6月16日付で2025年6月16日付答申書の提出を受けました(2025年6月16日付答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、島田法律事務所から受けた法的助言及び大和証券から取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2025年6月16日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
以上の経緯の下で、当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の当社を取り巻く事業環境や経営課題、公開買付者、D2C及び電通グループとの協議を通じた本取引後の具体的な協業施策やシナジーに関する検討内容、島田法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言及び大和証券から2025年6月13日付で提出を受けた本株式価値算定書(大和証券)の内容を踏まえつつ、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、大要以下の理由により、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
(a) 本取引は、下記に記載のシナジーの実現等を通じて、広告主、広告会社、メディア及び消費者、ひいては社会全体に対して新しい価値を実現する可能性を持つものであり、当社のパーパスやミッションとも整合する取組みであると考えられること
(b) 本取引は、当社の中期経営方針で掲げた成長戦略の方向性とも合致するものと考えられること。具体的には、顧客企業に対する総合的なマーケティングケイパビリティの獲得・強化や、消費者のプライバシーを尊重した広告運用への対応において、公開買付者が有する会員データに基づくデータベースを活用したソリューションを提供できるようになることは当社の戦略上も意義があると考えられること。また、継続的な資本関係及び本業務資本提携を通じて、電通グループとの継続的な協業関係の維持・発展が可能と考えられること
(c) 本取引の実行により以下のようなシナジーが実現可能と考えられること
(ア)データを活用した総合的なマーケティング支援による企業価値の向上
当社によるAIやテクノロジーを活用したデジタルマーケティングの実行力、電通グループが持つマーケティングを通じた事業成長支援のノウハウ、公開買付者及びD2Cが保有する、webなどのオンラインや店舗などのオフラインを横断して把握することのできる生活者の行動・購買データや加盟店ネットワークを融合させることで、約1億人の会員基盤に紐づく行動・購買データを活用した「トータルマーケティングソリューション」を今後展開することができると考えております。「トータルマーケティングソリューション」を活用することで、マーケティング戦略・戦術の立案から具体的な施策の実行、さらにその効果測定・検証に至るまで、マーケティングプロセスの一貫した支援を行うことができるようになります。特に、個人単位で取得・管理されたIDに基づく「Single ID Marketing」によって、webなどのオンラインや店舗などのオフラインの顧客行動データと意識データ、施策結果データを統合し、従来の単発的なマーケティング手法(フロー型)から、継続的な消費者接点の構築・最適化したマーケティング手法(ストック型)に進化することができると考えております。このようなデータを活用した総合的なマーケティング支援が可能となることで、各クライアント企業のマーケティング投資の効果が最大化され、企業価値の向上を図ることができると考えております。
(イ)双方の商流活用による販売チャネルの更なる拡大
公開買付者グループの有する加盟店ネットワーク等自社経済圏における商流、及び当社の有する電通グループ及びその他広告代理店等の商流に対し、それぞれが双方の商流を活用するパートナーシップにより、多様なクライアント企業に対してアプローチし、「トータルマーケティングソリューション」の成功事例を蓄積していくことで、双方の販売チャネルを拡大することができると考えております。
(ウ)D2Cと当社の機能統合によるケイパビリティの強化と生産性の向上
D2Cは、これまで公開買付者が保有するデータを活用し、公開買付者保有のメディアへの広告配信・運用を担ってきました。また、「Single ID×フルファネル」による広告ソリューションの先行的な展開を推進してきた中核拠点でもあります。このたび、アドテクノロジーや広告運用に強みを持つ当社と一体的に事業運営を行うことで、広告配信の精度やスピードをさらに高め、「Single ID Marketing」の提供領域を拡大することが可能になります。これにより、クライアント企業に対するマーケティング支援の質向上やケイパビリティの強化、機能統合による生産性向上を図ることができると考えております。
(d) 上記のシナジーを実現し、その効果を最大化するためには、当社が公開買付者の連結子会社となることで、公開買付者におけるデータポリシーに沿った上でそのデータを十分に活用することができることが必要であるとともに、D2Cを当社の完全子会社とすることが必要であり、また、電通グループとの取引関係の維持のため、一定の資本関係を維持することが必要であると考えられることを踏まえると、本取引後の資本関係を含む本取引のストラクチャーには合理性があると考えられること
(e) 株式の非公開化により、上場会社であることによるメリットは直接的には享受できなくなるものの、公開買付者の経営資源の活用によりその代替が可能であり、非公開化による影響は限定的と考えられること。具体的には、資本市場を活用した機動的な資金調達を行うことができなくなる影響については、公開買付者のグループファイナンスの活用により補完することができると考えられること。また、上場会社であることによる社会的信用や従業員のモチベーション向上といったメリットが享受できなくなることについては、公開買付者及び電通グループはそれぞれ高い社会的信用及び認知度を有していると考えられることから、上場会社である現状と比して、当社の社会的信用や従業員のモチベーションに悪影響を与える可能性は低いと考えられること
(f) 公開買付者の連結子会社となることにより、公開買付者と事業上の競合関係にある会社等との取引関係が縮小する可能性は否定できないものの、当該取引の全体における構成比率は限定的であると当社として認識しているため、その影響は軽微であると考えられること。また、電通グループの連結子会社から外れることにつき、既存の取引関係の縮小や解消といったディスシナジーが生じる可能性があるものの、新たな協業機会の模索や、本取引後も両社にとって有益な関係性を維持するための取引の枠組みや条件等について電通グループとの間で協議を行い、取引関係の維持・拡大に向けた方策を検討することによって、上記ディスシナジーを最小限に抑えることが可能であると考えられること
(g) 当社及び公開買付者は、本取引実行後も、迅速な意思決定又は機動的な事業運営を可能とする当社の企業文化や組織風土の維持、従業員のモチベーションの維持・向上が重要であるとの認識を共有しており、当社が公開買付者の連結子会社となることによる、当社の企業文化や組織風土、当社の従業員の雇用等に関して、影響は限定的であると考えられること
また、本公開買付価格(2,100円)が、(ⅰ)下記「(3) 算定に関する事項」に記載されている大和証券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限を上回るとともに、類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限を上回ること、(ⅱ)DCF法による算定結果のレンジの範囲内であること、(ⅲ)本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2025年6月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,537円に対して36.63%、2025年6月13日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,545円に対して35.92%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,505円に対して39.53%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,465円に対して43.34%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、近時の本取引と類似の事例である、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日以降2025年3月28日までに公表された完全子会社化を目的とした国内公開買付け案件及びマネジメントバイアウト案件のうち一定の基準(対象会社の公開買付け公表直前時点のPBRが1倍以上。対象会社が上場会社である他社株公開買付け案件。特別配当スキーム、二段階公開買付けスキーム案件、不成立案件、対抗公開買付け案件、応募非推奨案件を除外する。)をもとに抽出した事例全134件におけるプレミアムの中央値(公表前営業日終値に対するプレミアムでは42.4%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは43.4%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは43.8%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは44.7%)と比較した場合、公表前営業日終値及び過去1ヶ月間、過去3ヶ月間、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムのそれぞれ対応する期間の類似事例の中央値との乖離が5.8%及び7.5%、4.3%、1.4%であるものの、類似事例134件を10%毎のプレミアム帯で区切った場合に30%以上40%未満のプレミアム帯に分布している事例の件数は、公表前営業日終値を基準とした場合は28件(134件に対する割合は20.8%)、また同日までの過去1ヶ月間、過去3ヶ月間、過去6ヶ月間の終値単純平均値の場合は、それぞれ31件(同23.1%)、32件(同23.9%)、21件(同15.7%)であり類似事例のうち相応の割合の事例が属するプレミアム帯であること(過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは最頻度数、公表前営業日及び過去3ヶ月間に対するプレミアムでは40%以上50%未満のプレミアム帯に次ぐ度数、過去6ヶ月間に対するプレミアムでは40%以上50%未満のプレミアム帯及び50%以上60%未満のプレミアム帯に次ぐ度数)を踏まえれば、類似事例におけるプレミアム水準を踏まえても不合理な水準とまでは言えないプレミアムが付されているということができること、(ⅳ)本公開買付価格が、当社株価の過去2年間の最高値である1,774円(2024年4月30日、取引時間中高値)を上回り、当該過去2年最高値に対して18.4%のプレミアムが付与された水準であることに鑑みても、本公開買付価格は当社の株主に十分配慮された水準であると評価できること、(ⅴ)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅵ)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と公開買付者の間で協議・交渉が複数回行われ、真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること、(ⅶ)本特別委員会の要請により、本公開買付けに関する価格提案の有意な引き上げが実現されていること等を踏まえ、当社取締役会は、本取引について、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であるとともに、本新株予約権買付価格(40,800円)は、本公開買付価格と本新株予約権の行使価格との差額に、本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額であることから、本新株予約権者の皆様にとって妥当なものであり、本公開買付けは、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対して、当社株式及び本新株予約権の合理的な売却機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、2025年6月16日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役合計6名のうち、北原整氏を除く5名)の全員一致で、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本取引に賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しておりました。
当社は、上記取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年6月16日付で当社取締役会に対して提出した2025年6月16日付答申書の意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2025年7月24日、当社は、公開買付者から、8月中旬までに日本及び韓国の競争法令に基づき必要な手続及び対応は完了する見込みであり、中国の競争法令に基づく必要な手続及び対応についても、公開買付期間満了の日の前日までに完了する目途が付いたことも踏まえ、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載の前提条件③については、本公開買付前提条件としては放棄することとし、また、その他の前提条件については充足されることを前提として、本公開買付けを2025年8月18日に開始することを予定している旨の連絡を受けました。当該連絡を受け、当社は、本特別委員会に対して、2025年6月16日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会は、2025年6月16日以降に本取引に影響を及ぼしうる重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年6月16日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月15日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年8月15日付答申書を提出いたしました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年8月15日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年8月15日現在においても、2025年6月16日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、当社は、2025年8月15日付の会社法第370条による取締役会決議(書面決議)によって、決議に参加した当社の取締役(取締役合計6名のうち、北原整氏を除く5名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、2025年6月16日付の上記各取締役会には、当社の監査役3名のうち、波多野日出夫氏を除く2名全員が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。また、2025年8月15日付の上記取締役会の決議の目的である事項の提案について、監査役はいずれも異議を述べておりません。
また、上記の当社取締役会においては、当社の取締役6名のうち、北原整氏は電通グループ(子会社を含む。)の業務執行者であることから、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会における審議及び決議に一切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して、公開買付者との協議及び交渉に一切参加しておりません。また、当社の監査役3名のうち、波多野日出夫氏は電通グループ(子会社を含む。)の業務執行者であることから、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会における審議及び決議に一切参加しておりません。
2025年6月16日付及び2025年8月15日付の上記各取締役会の決議の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年6月13日付で、大和証券から本株式価値算定書(大和証券)を取得しました。なお、当社は、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、大和証券は、当社、公開買付者グループ及び電通グループの関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行に鑑み、また、本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる固定報酬の報酬体系よりもむしろ、報酬の一部を成功報酬とする方が当社の金銭的負担の観点から合理的であると考えられることから、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券につき、独立性及び専門性に問題がないことから、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを、第1回の本特別委員会において確認しております。
大和証券は、複数の株式価値算定手法の中から、当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値の算定を行いました。当該各手法を用いて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価法 : 1,465円から1,545円
類似会社比較法: 1,181円から1,678円
DCF法 : 1,849円から2,382円
市場株価法においては、2025年6月13日を基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基準日終値1,537円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,545円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,505円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,465円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、1,465円から1,545円と算定しております。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や財務状況を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,181円から1,678円までと算定しています。
DCF法では、当社が作成した2025年12月期から2027年12月期までの事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年12月期第2四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,849円~2,382円と算定しております。上記DCF法の算定の基礎とした当社の将来の財務予測については、大幅な増益の変動を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、主要グループ会社3社の経営統合に伴う成長領域への経営資源配分による顧客への提案力の強化やプロダクト面での強化による売上高の増加及びオペレーションの最適化に伴うコスト改善等を要因とした営業利益率の改善により、2026年12月期において前年度比31.5%、2027年12月期において前年度比44.7%の営業利益の増加を見込んでおります。なお、上記DCF法の算定の基礎としたフリー・キャッシュ・フローについては大幅な変動を見込んでいる事業年度は含まれておりません。なお、本業務資本提携により実現することが期待されるシナジー効果については、当該事業計画には加味しておりません。
当社の取締役会は、2025年6月16日開催の取締役会から2025年8月15日時点までの状況を考慮しても、本株式価値算定書(大和証券)に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えており、大和証券及び島田法律事務所から受けた助言も踏まえ、本株式価値算定書(大和証券)は引き続き有効であると考えております。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者グループ、当社及び電通グループから独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。みずほ証券は、公開買付者グループ、当社及び電通グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して公開買付者グループ、当社及び電通グループとの利益相反に係る重要な利害関係を有していないとのことです。なお、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、公開買付者グループに対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等を実施しておりますが、本公開買付けを含む本取引に関して公開買付者グループ、当社及び電通グループとの利益相反に係る重要な利害関係を有していないとのことです。なお、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の貸付人の地位とは独立した立場で、当社の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、当社の株式価値算定にあたり適切な利益相反管理体制が構築され、かつ実施されていると判断し、みずほ証券を第三者算定機関に選定したとのことです。なお、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれているとのことです。公開買付者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に公開買付者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりみずほ証券を公開買付者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。
みずほ証券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、当社の株式価値の算定を行い、公開買付者は、みずほ証券から2025年6月13日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(みずほ証券)」といいます。)を取得して参考にしたとのことです。なお、公開買付者は、公開買付者及び当社において本公開買付けの公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置が実施されており当社の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えているため、みずほ証券から本公開買付価格が公開買付者にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
本株式価値算定書(みずほ証券)において採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価基準法: 1,465円から1,545円
類似企業比較法: 1,685円から1,756円
DCF法 : 1,797円から2,405円
市場株価基準法では、基準日を2025年6月13日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,537円、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,545円、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値1,505円及び同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,465円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,465円から1,545円と算定しているとのことです。
類似企業比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,685円から1,756円と算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供を受けた事業計画(2025年12月期から2027年12月期までの3期分)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が2025年3月上旬から同年4月中旬まで当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、2025年12月期第2四半期以降に当社が将来創出すると見込まれるキャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,797円から2,405円と算定しているとのことです。なお、上記DCF法の算定の基礎とした当社の将来の財務予測については、大幅な増益及び大幅なフリー・キャッシュ・フローの変動を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年12月期及び2027年12月期において、主要グループ会社3社の経営統合に伴う成長領域への経営資源配分による顧客への提案力の強化やプロダクト面での強化による売上高の増加及びオペレーションの最適化に伴うコスト改善等を要因とした営業利益率の改善により、大幅な増益を見込んでいるとのことです。また、2025年12月期においては、主に2024年12月期に生じた本社移転に伴う設備投資負担の影響により、2027年12月期においては主に上記の売上高の増加及び営業利益率の改善を要因として、それぞれフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでいるとのことです。当該事業計画は、過去実績及び中期経営計画を基に作成されたものであるため、本公開買付けの実行を前提として作成されたものではないとのことです。
公開買付者は、みずほ証券から取得した本株式価値算定書(みずほ証券)における当社の株式価値の算定結果に加え、2025年3月上旬から同年4月中旬まで当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価の動向(本公開買付けの公表日の前営業日である2025年6月13日の当社株式の終値1,537円、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,545円、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値1,505円、及び同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,465円)、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社及び電通グループとの協議・交渉の結果を踏まえ、2025年6月16日に、本公開買付価格を2,100円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である2,100円は、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2025年6月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,537円に対して36.63%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,545円に対して35.92%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値1,505円に対して39.53%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値1,465円に対して43.34%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。
また、本公開買付価格である2,100円は、本書提出日の前営業日である2025年8月15日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,089円に対して0.53%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
本新株予約権は、2025年6月16日現在において、当社株式1株当たりの行使価額(第10回新株予約権:1,692円、第11回新株予約権:1,692円)が本公開買付価格(2,100円)を下回っております。そこで、公開買付者は、本新株予約権買付価格を本公開買付価格である2,100円と各本新株予約権1個当たりの行使価額との差額(第10回新株予約権:408円、第11回新株予約権:408円)に当該本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である40,800円とすることをそれぞれ決定したとのことです。
なお、公開買付者は、上記のとおり、本新株予約権買付価格を決定したことから、第三者算定機関から算定書や意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
(注) みずほ証券は、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っていないとのことです。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による算定時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、公開買付者の経営陣がその内容を精査した上でみずほ証券による価値算定において使用することを了承したことを前提としているとのことです。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。みずほ証券の算定は、2025年6月13日までの上記情報を反映したものとのことです。
本書提出日現在、当社株式は、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けが成立した後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実行することを予定しており、その場合、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、所定の手続を経て上場廃止になります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することができなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社に対し、以下の方法により、当社の株主を公開買付者及び電通グループのみとし、当社株式を非公開化することを目的とした本スクイーズアウト手続の実施を要請する予定とのことです。
具体的には、公開買付者は、会社法第180条に基づき本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。また、公開買付者及び電通グループは、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。なお、本書提出日現在において、公開買付者は、2025年11月下旬を目途に本臨時株主総会を開催することを当社に要請する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案について承認された場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会において承認された本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。
当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、電通グループ及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者及び電通グループが当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、電通グループ及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。
本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、電通グループ及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。
上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、電通グループ及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、電通グループ及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができるようになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
また、公開買付者は、本公開買付けにおいて、本新株予約権の全部を取得できなかった場合には、当社に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨その他本取引の実行に必要な合理的な手続を実施することを要請し、又は実施する予定とのことですが、本書提出日現在において詳細は未定です。なお、当社は、当該要請を受けた場合には、これに協力する意向です。
上記の手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、電通グループ及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者及び当社間で協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の手続における税務上の取扱いについては、当社の株主及び本新株予約権者の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
本書提出日現在において、公開買付者及び親会社であるNTT並びに子会社を含む関係会社は当社株式及び本新株予約権を所有しておらず、本公開買付けは、支配株主による取引には該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメントバイアウト取引にも該当いたしません。もっとも、当社及び公開買付者は、当社が本書提出日現在において電通グループの連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が当社における支配株主との重要な取引等に該当し、また、(ⅰ)公開買付者が電通グループとの間で、電通グループが本不応募合意株式を本公開買付けに応募しないこと、及び、本株式併合の効力発生後に本自己株式取得に応じて本不応募合意株式の一部を売却することに合意し、本業務資本提携契約及び本株主間契約を締結していること、(ⅱ)当社の株主を公開買付者及び電通グループのみとする当社株式の非公開化を公開買付者及び電通グループが企図していることを踏まえ、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、以下の①から⑦までの措置を実施しております。
なお、公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」のとおり、当社の親会社である電通グループが当社株式を合計13,441,506株(所有割合:53.13%)所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりませんが、以下の①から⑦までの措置が講じられていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者グループ、当社及び電通グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、本株式価値算定書(みずほ証券)を取得したとのことです。公開買付者がみずほ証券から取得した本株式価値算定書(みずほ証券)の詳細については、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、大和証券に当社株式の株式価値の算定を依頼し、大和証券から2025年6月13日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得しました。なお、大和証券は、当社、公開買付者グループ及び電通グループの関連当事者には該当せず、本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行に鑑み、また、本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる固定報酬の報酬体系よりもむしろ、報酬の一部を成功報酬とする方が当社の金銭的負担の観点から合理的であると考えられることから、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、大和証券の独立性に問題がないことが確認されております。
本株式価値算定書(大和証券)の概要は、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立したリーガル・アドバイザーとして島田法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、本取引に係る島田法律事務所の報酬は本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬(いわゆるタイムチャージ)のみであり、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。島田法律事務所は、当社、公開買付者グループ及び電通グループの関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会において、島田法律事務所の独立性に問題がないことが確認されております。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者グループ及び電通グループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2025年2月4日付で本取引に関する本意向表明書を受領した後、当社と公開買付者との間の本取引に係る取引条件に関する協議・交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過程においては、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者グループと利害関係を有しない、永岡氏(取締役CFO)及び岩崎理氏(執行役員)を含む12名の当社の役職員のみから構成される検討体制を構築し、かかる取扱いを継続しております。
また、かかる取扱いを含めて、当社の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
当社は、2025年2月25日、当社が電通グループの連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当することを踏まえ、当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保する観点から、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立した委員(渡辺尚氏(当社社外取締役)、石渡万希子氏(当社社外取締役)、齋藤太郎氏(本特別委員会設置時点における当社社外取締役。ただし、2025年3月29日の当社株主総会をもって退任。退任後も本特別委員会の委員を継続)、茂田井純一氏(本特別委員会設置時点における当社社外監査役。ただし、2025年3月29日の当社株主総会をもって退任。退任後も本特別委員会の委員を継続)の4名)によって構成される本特別委員会を設置しております。そして、当社は、本特別委員会に対して、(a)本取引の目的の正当性(当社の企業価値の向上に資するといえるか)、(b)本取引の手続面の適正性(本取引の決定が公正な手続を通じて行われ、当社の少数株主が受けるべき利益が損なわれることのないよう配慮がなされているか)、(c)本取引により当社の少数株主に交付される対価の妥当性、及び(d)上記(a)、(b)及び(c)その他の事項を前提に、本取引が少数株主にとって不利益なものではないといえるか否か(総称して、以下「本諮問事項」といいます。)について諮問しました。本特別委員会は、2025年2月27日より2025年6月16日まで合計13回開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行っております。具体的には、本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、当社から、当社の事業環境、公開買付者が提案する本取引の目的、本取引が当社事業に与える影響等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行いました。また、本特別委員会から公開買付者及び電通グループに対して、公開買付者の事業環境、本取引の目的及び背景、本取引実行後の経営方針等につき質問し、公開買付者及び電通グループより、書面による回答を受領しました。公開買付者に対しては、受領した書面による回答の内容を基に、インタビュー形式での質疑応答を実施しました。本特別委員会は、当社から直近の業績及び事業計画の内容等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行いました。さらに、第三者算定機関である大和証券から、当社株式の株式価値の算定結果に関する説明を受け、質疑応答を行いました。加えて、本特別委員会は、当社より、当社と公開買付者との間の公開買付価格に係る交渉状況の説明を適時に受け、質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである島田法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行いました。
本特別委員会は、上記の各調査、協議及び検討の内容を踏まえ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行った結果、2025年6月16日に、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、以下の内容の2025年6月16日付答申書を提出しております。
(a) 本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的に正当性及び合理性があるものと認められる。
(b) 本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)は妥当性があると認められる。
(c) 本取引の交渉過程及び意思決定に至る手続は公正性があるものと認められ、必要な公正性担保措置が必要な程度に講じられたものと認められる。
(d) 本取引を行うこと、当社の取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること、当社の取締役会が当社の株主及び新株予約権の所有者に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、その他当社による本取引の手続に係る決定は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと認められる。
(e) 当社の取締役会は、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに対して賛同の意見を表明すること、並びに当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきである。
(a) 以下の点から、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的に正当性及び合理性があるものと認められる。
・上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の当社が考える当社の事業環境・経営課題等について本特別委員会として異存はなく、上記「(2) 意見の根拠及び理由」「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)判断の内容」に記載の本取引によるシナジー効果及びディスシナジー効果の分析・検討についても、当社との間に重要な見解の相違は認められず、合理的であると認める。
・そして、公開買付者の示すところの上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 本公開買付け後の経営方針」に記載の本取引後の当社の経営方針も、後記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」に記載の本取引に関する重要な合意の内容も、いずれも当社の企業価値の向上の観点から見て不合理なものではないと判断することができる。
・以上より、本特別委員会は、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的に正当性及び合理性があると認める。
(b) 以下の点から、本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)は妥当性があると認められる。
㋐ 事業計画の策定手続及び内容
・当社は、公開買付者グループ、当社及び電通グループから独立した当社の第三者算定機関である大和証券から本株式価値算定書(大和証券)を取得しているところ、本株式価値算定書(大和証券)においては、当社より提供を受けた事業計画を算定の前提としている(なお、当該事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではない。そのため、本公開買付けの成立により実現することが期待されるシナジー効果は、事業計画及び価値算定には加味されていない。)。
・当社によると、当社は傘下の各事業会社から提出される計画数値をベースとしたボトムアップの3か年計画を毎年更新する形で継続的に事業計画を策定・管理しているところ、当該事業計画は、当該3か年計画(2025年12月期~2027年12月期)をベースとして、その策定時点の事業状況や当期の業績見通し等を踏まえて合理的な内容・前提となっており、事業計画の達成確度に関する見立てとして、楽観的でも保守的でもなく、達成可能な事業計画として策定しているとのことである。
・以上の点についての当社の説明に不合理な点は認められない。
・よって、事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情は存在せず、事業計画の内容に不合理な点は見受けられない。
㋑ 大和証券の算定結果の検討
・大和証券は、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、①当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、②当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、③将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を、それぞれ算定手法として用いて、当社の1株当たりの株式価値の分析を行っている。大和証券が採用したこれらの手法は、本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定手法であり、かつ、大和証券による各算定手法の採用理由に不合理な点は認められない。
・また、上記各算定手法における算定根拠や方法(市場株価法における算定対象期間、類似会社比較法における類似会社の選定方法、DCF法における割引率や永久成長率の設定根拠等)や算定数値に関する大和証券の説明内容に不合理な点は認められない。
・以上より大和証券による市場株価法、類似会社比較法及びDCF法による算定内容について特に不合理な点は認められない。
㋒ プレミアムの分析
・本公開買付価格は、公表前営業日終値1,537円に36.63%、同日までの過去1ヶ月の終値単純平均値1,545円に対して35.92%、同日までの過去3ヶ月の終値単純平均値1,505円に対して39.53%、同日までの過去6ヶ月の終値単純平均値1,465円に対して43.34%のプレミアムが付与されたものである。
・参照事例全134件におけるプレミアムの中央値(公表前営業日終値に対するプレミアムでは42.4%、同日までの過去1ヶ月の終値単純平均値に対するプレミアムでは43.4%、同日までの過去3ヶ月の終値単純平均値に対するプレミアムでは43.8%、同日までの過去6ヶ月の終値単純平均値に対するプレミアムでは44.7%)と比較した場合、公表前営業日終値及び過去1ヶ月間、過去3ヶ月間、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムのそれぞれ対応する期間の類似事例の中央値との乖離が5.8%及び7.5%、4.3%、1.4%であるものの、類似事例134件を10%毎のプレミアム帯で区切った場合に30%以上40%未満のプレミアム帯に分布している事例の件数は、公表前営業日終値を基準とした場合は28件(134件に対する割合は20.8%)、また同日までの過去1ヶ月間、過去3ヶ月間、過去6ヶ月間の終値単純平均値の場合は、それぞれ31件(同23.1%)、32件(同23.9%)、21件(同15.7%)であり類似事例のうち相応の割合の事例が属するプレミアム帯であること(過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは最頻度数、公表前営業日及び過去3ヶ月間に対するプレミアムでは40%以上50%未満のプレミアム帯に次ぐ度数、過去6ヶ月間に対するプレミアムでは40%以上50%未満のプレミアム帯及び50%以上60%未満のプレミアム帯に次ぐ度数)を踏まえれば、本公開買付けに付与されたプレミアムが参照事例に比して不合理な水準とまでは言えない。
・また、本公開買付価格が、当社株価の過去2年間の最高値である1,774円(2024年4月30日、取引時間中高値)を上回り、当該過去2年最高値に対して18.4%のプレミアムが付与された水準であることに鑑みても、本公開買付価格は当社の株主に十分配慮された水準であると評価できる。
・したがって、本公開買付価格に付与されたプレミアムは、参照事例との比較において不合理な水準ではない。
㋓ 交渉経緯の検討
・本公開買付価格等を巡る当社と公開買付者との交渉経緯は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおりであり、当社が本特別委員会の意見も踏まえて公開買付者と複数回にわたり書面・対面による交渉及び協議を行ってきたものであって、交渉経緯において不十分な点は認められず、本特別委員会として、当社による交渉は真摯なものであったと認める。
㋔ 小括
・上記のとおり、本株式価値算定書(大和証券)において算定の前提とされている事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情は存在せず、事業計画の内容に不合理な点は見受けられない。
・大和証券が採用した算定手法は本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定手法であり、かつ、大和証券による算定手法の採用理由に不合理な点は認められない。また、大和証券による市場株価法、類似会社比較法及びDCF法による算定内容について特に不合理な点は認められない。
・本公開買付価格は、本株式価値算定書(大和証券)の市場株価法及び類似会社比較法における評価レンジの上限を超えており、DCF法における評価レンジの範囲にも入っていること、本公開買付けに付与されたプレミアムは、参照事例との比較において不合理な水準ではないこと、本公開買付価格は、当社株価の過去2年間の最高値を上回る水準であること、上記㋓で言及した交渉経緯により形成された本公開買付価格は公開買付者及び当社の間において独立当事者間取引と実質的に同視し得る状況が確保された上で真摯な交渉が実施された結果合意されたものであると認められることからすれば、妥当であると考えられる。
・そして、本公開買付価格が妥当であると考えられることからすれば、それと同額とされる本スクイーズアウト手続において当社株主に交付される対価も妥当であると認められる。
・また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権1個当たりの行使価額(第10回新株予約権、第11回新株予約権ともに1,692円)との差額に本新株予約権1個当たりの目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額として定められており、この定め方は適切なものであると判断できることから、上記のとおり本公開買付価格が妥当であると考えられることにより、本新株予約権買付価格もまた妥当であると認めることができる。
・本取引は、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」のとおり、本公開買付け及びその後の本スクイーズアウト手続の実施による二段階買収という方法により実施されることが想定されている。一段階目として公開買付けを行い、二段階目として株式併合を行うという方法は、完全子会社化の取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、裁判所に対する価格決定の申立てが可能である。また、下記(c)に記載のとおり、強圧性にも配慮がされている。
・そして、本スクイーズアウト手続に係る公開買付者と電通グループとの間の合意によれば、本自己株式取得に係る本自己株式取得価格は、本スクイーズアウト手続前の1株あたり1,518円を予定しているとのことであり、本自己株式取得価格の算出においては、電通グループにおいて法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮しつつ、当社の少数株主への配分をより多くすることで、本公開買付けにおける本公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、本自己株式取得価格にて本自己株式取得が行われた場合の電通グループの税引後手取り額として計算される金額が、仮に電通グループが本公開買付価格で本公開買付けに応じた場合に得られる手取り金額と同等となることを基準としているとのことであり、本公開買付価格との均一性の観点から不合理な点は認められない。
・また、本株式交換に係る公開買付者と電通グループとの間の合意によれば、本株式交換における交換比率算定の基礎となる当社の株式価値は公表日前営業日を評価基準日とする市場株価基準法(過去3ヶ月間における終値単純平均株価)に基づく評価とする方針であるとのことであり、当該方針に恣意性は認められず、特段不合理な点は認められない。
・よって、本取引の方法に不合理な点は認められず、妥当であると考えられる。
以上より、本特別委員会は、本取引の取引条件(本取引における本公開買付価格を含む。)は妥当性があると認める。
(c) 以下の点から、本取引の交渉過程及び意思決定に至る手続は公正性があるものと認められ、必要な公正性担保措置が必要な程度に講じられたものと認められる。
・上記のとおり、本特別委員会は、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立した委員により構成される委員会であり、各委員はいずれも企業経営者としてのマネジメント経験・知見を有しており、かつ、いずれの委員も当社の社外役員として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していること(ただし、うち2名は、既述のとおり、2025年3月29日の当社株主総会をもって退任している。)を踏まえると、いずれの委員も本諮問事項を検討・判断する適格性を有するものと考えられる。また、本特別委員会は、大和証券及び島田法律事務所について、公開買付者グループ、電通グループ及び当社からの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、それぞれを当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして選任することについて承認している。また、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制に独立性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしている。その上で、本特別委員会は、①公開買付者及び当社から提出された各資料及び書類の検討、②本特別委員会による公開買付者、電通グループ及び当社に対する書面質問及び質疑応答の結果の検討を行っている。また、本特別委員会は、当社及びそのアドバイザーから、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議及び交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会を開催して協議及び交渉の方針等を協議し、複数回にわたり意見を述べるなどして、公開買付者との交渉過程全般にわたって実質的に関与している。したがって、本取引においては、当社取締役会が、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して意思決定を行う仕組みが担保され、かつ、本特別委員会が有効に機能するために必要な権限等が付与されていると評価できることから、本特別委員会は有効に機能したものと考えられる。
・上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」のとおり、当社は、本取引に係る交渉等に関する専門的助言を得るため、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を選任し、大和証券から、本取引に係る交渉方針等について助言を受けており、また本株式価値算定書(大和証券)を取得している。また、上記「③ 当社における独立した法律事務所からの助言」のとおり、当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定過程における公正性及び適正性についての専門的助言を得るため、当社、公開買付者グループ及び電通グループから独立したリーガル・アドバイザーとして島田法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けに関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について法的助言を受けている。したがって、当社は、外部専門家の独立した専門的助言を取得しているものと認められる。
・上記「④ 当社における独立した検討体制の構築」のとおり、当社は、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題を排除する観点から、公開買付者グループ及び電通グループから独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を当社の社内に整備したものと認められる。具体的には、当社は、公開買付者との本公開買付価格の交渉、事業計画の策定など、構造的な利益相反の問題による影響を排除する必要性が高い事項については、公開買付者グループ及び電通グループから独立した役職員(現在及び過去において公開買付者グループ及び電通グループ(子会社を含む。)の役職員を兼務していない当社の役職員)のみにより構成される当社独立チームが担当するものとし、公開買付者によるデュー・ディリジェンスへの対応など、構造的な利益相反の問題による影響を排除する必要性が高いとまでは認められない事項については、上記の当社独立チームの構成員及びそれ以外の役職員のうち当社独立チームが指名する者において対応するものとした。これにより、公開買付者との本公開買付価格の交渉、事業計画の策定など、構造的な利益相反の問題による影響を排除する必要性が高い事項については、現に電通グループ(子会社を含む。)の業務執行者を兼務している北原整取締役及び波多野日出夫監査役は関与しないこととし(なお、現在及び過去において、公開買付者の役職員を兼務する当社の役職員は存在しなかった。また、新澤明男取締役(2025年3月29日の当社株主総会をもって退任)は2024年3月まで株式会社電通デジタルの非業務執行取締役を兼務していたが、非業務執行の立場であり、かつ、1年前に既に退任しており、電通グループ側で本取引に関して一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引に関する利益相反のおそれはないと判断して、退任時までは本取引に関する当社取締役会の審議及び決議に参加することとされた。)、現在に至るまでかかる取扱いを継続しており、独立性・公正性の観点から問題がなく、かかる体制については本特別委員会の承認を受けている。なお、当社は、北原整取締役及び波多野日出夫監査役は、上記のとおり現に電通グループ(子会社を含む。)の業務執行者を兼務していることに鑑み、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、本取引に係る当社取締役会の審議及び決議(監査役は審議)には参加しないこととし、かつ、当社の立場において、本取引に係る検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加しないこととしている。また、宇佐美進典代表取締役及び永岡英則取締役については、当社株式の一定割合を所有しており、公開買付者から当該当社株式の今後の取扱い等についての具体的な条件の提示等がなされた場合には、改めて特別利害関係の有無を検討することとされていたところ、両名と公開買付者の間で、2025年6月16日、両名の所有する当社株式等の全てにつき本公開買付けに応募する旨の本応募合意契約が締結される予定であるとされていること及びその契約内容からみて、両名の利害は当社の少数株主の利害と基本的に一致しており、利益相反の関係は認められず、その他特別利害関係を認めるべき事情も見当たらないことから、両名は本取引に係る当社取締役会の審議及び決議に参加することとしている。以上の点について、本特別委員会として、不合理と判断すべき事項は見当たらない。
・下記「⑦ 当社の株主及び本新株予約権者が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置」のとおり、公開買付者は、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことである。また、公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日と設定する予定であるが、本公開買付けの開始予定を公表した2025年6月16日から本公開買付けの開始予定である2025年8月下旬までの期間は約2ヶ月にわたるため、当社の株主及び本新株予約権者に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会は確保されるように配慮しており、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことである。以上の点についての公開買付者の説明に不合理な点は認められない。したがって、本取引においては、M&A指針において望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められる。
・本特別委員会に関する情報として、①本特別委員会における検討経緯や、②本取引の是非、取引条件の妥当性や手続の公正性についての本特別委員会の判断の根拠・理由に関して、充実した情報開示が予定されている。また、③本取引を実施するに至ったプロセス等、④当社の取締役等が本取引に関して有する利害関係の具体的な内容や、当該取締役等の取引条件の形成過程への関与の有無・態様、⑤当社の取締役会が取得した本株式価値算定書(大和証券)に関しても充実した情報開示が予定されている。したがって、本取引においては、少数株主の判断に資する充実した情報開示がされる予定であると認められる。
・以上より、本取引においては、必要な公正性担保措置が必要な程度に講じられていることからすれば、本特別委員会は、本取引につき、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているものと認める。
・なお、公開買付者によると、本公開買付けにおいては、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定は行われないとのことであるが、以上で検討した公正性担保措置が講じられていることからすれば、当該設定が行われないことの一事をもって、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているものと認めるとする本特別委員会の上記判断が左右されるものではないと判断する。
(d) 上記(a)のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的に正当性及び合理性があるものと認められる。また、上記(b)のとおり、本取引の取引条件は、本公開買付価格を含めて、妥当性があるものと認められ、上記(c)のとおり、本取引の交渉過程及び意思決定に至る手続は公正性があるものと認められ、必要な公正性担保措置が必要な程度に講じられたものと認められる。したがって、本取引を行うこと、当社の取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること、当社の取締役会が当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、その他当社による本取引の手続に係る決定は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと認められる。
(e) よって、当社の取締役会は、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに対して賛同の意見を表明すること、並びに当社の株主及び新株予約権者に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきである。
2025年7月24日、当社は、公開買付者から、8月中旬までに日本及び韓国の競争法令に基づき必要な手続及び対応は完了する見込みであり、中国の競争法令に基づく必要な手続及び対応についても、公開買付期間満了の日の前日までに完了する目途が付いたことも踏まえ、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載の前提条件③については、本公開買付前提条件としては放棄することとし、また、その他の前提条件については充足されることを前提として、本公開買付けを2025年8月18日に開始することを予定している旨の連絡を受けました。当該連絡を受け、当社は、本特別委員会に対して、2025年6月16日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会は、2025年6月16日以降に本取引に影響を及ぼしうる重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年6月16日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月15日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年8月15日付答申書を提出いたしました。
当社は、島田法律事務所から受けた法的助言及び大和証券から取得した本株式価値算定書(大和証券)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2025年6月16日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議を行いました。
その結果、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、2025年6月16日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役合計6名のうち、北原整氏を除く5名)の全員一致で、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本取引に賛同の意見を表明するとともに、当社の株主及び新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しておりました。
その後、2025年7月24日、当社は、公開買付者から、8月中旬までに日本及び韓国の競争法令に基づき必要な手続及び対応は完了する見込みであり、中国の競争法令に基づく必要な手続及び対応についても、公開買付期間満了の日の前日までに完了する目途が付いたことも踏まえ、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載の前提条件③については、本公開買付前提条件としては放棄することとし、また、その他の前提条件については充足されることを前提として、本公開買付けを2025年8月18日に開始することを予定している旨の連絡を受けました。当該連絡を受け、当社は、本特別委員会に対して、2025年6月16日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会は、2025年6月16日以降に本取引に影響を及ぼしうる重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年6月16日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月15日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年8月15日付答申書を提出いたしました。その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年8月15日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年8月15日現在においても、2025年6月16日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。以上より、当社は、2025年8月15日付の会社法第370条による取締役会決議(書面決議)によって、決議に参加した当社の取締役(取締役合計6名のうち、北原整氏を除く5名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、2025年6月16日付の上記各取締役会には、当社の監査役3名のうち、波多野日出夫氏を除く2名全員が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。また、2025年8月15日付の上記取締役会の決議の目的である事項の提案について、監査役はいずれも異議を述べておりません。
また、上記の当社取締役会においては、当社の取締役6名のうち、北原整氏は電通グループ(子会社を含む。)の業務執行者であることから、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会における審議及び決議に一切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して、公開買付者との協議及び交渉に一切参加しておりません。また、当社の監査役3名のうち、波多野日出夫氏は電通グループ(子会社を含む。)の業務執行者であることから、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会における審議及び決議に一切参加しておりません。
公開買付者は、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主及び新株予約権者の皆様に対して、株式買取請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、公開買付期間を21営業日と設定していますが、本公開買付けの開始予定を公表した2025年6月16日から本公開買付けの開始までの期間は約2ヶ月にわたるため、当社の株主の皆様及び本新株予約権者に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会は確保されるように配慮しており、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
当社は、公開買付者及び電通グループとの間で、2025年6月16日付で、本業務資本提携契約を締結しております。本業務資本提携契約の内容は以下のとおりです。
A) 公開買付者は、本公開買付前提条件がすべて満たされていることを前提条件とし、本公開買付けを開始する。
B) 公開買付者は、(ⅰ)本業務資本提携契約締結後速やかに、日本、中国及び韓国において、本取引の実行に関して必要となる競争法令上の届出その他政府機関等に対する一切の手続(以下「本規制対応手続」という。)を適法に完了させるよう、商業上合理的な範囲で最大限努力をするものとし、かつ、(ⅱ)本規制対応手続につき、競争法令上の待機期間が存在する場合には、当該待機期間(当該手続を所管する政府機関等により延長された場合には、当該延長の期間を含む。)が満了するよう、また、政府機関等の事前の判断等の取得を要する場合には、当該政府機関等の判断等が取得されるよう、商業上合理的な範囲で最大限努力をする(かかる待機期間の満了又は政府機関等の事前の判断等の取得を、個別に又は総称して、以下「本クリアランス」という。)。
電通グループ及び当社は、本規制対応手続の完了及び本クリアランスの取得に向けた公開買付者の対応につき、自ら又はその子会社若しくは関連会社をして、公開買付者が合理的に求める情報の提供その他の協力を、合理的かつ適切な期限及び態様にて行い又は行わせる。また、電通グループ及び当社は、本クリアランスのうち、競争法令上、公開買付者と共同して本規制対応手続における義務者となるものについては、競争法令に基づき届出等の義務者として、公開買付者と共同で本規制対応手続を行うために必要な対応を、合理的かつ適切な期限及び態様にて行い、公開買付者と共同で当該本規制対応手続を行う。
C) 当社は、本業務資本提携契約の締結日において、本特別委員会が、当社の取締役会に対して、本賛同・応募推奨意見を表明することは相当である旨の答申を行い、これが変更又は撤回されていないことを条件として、利害関係を有しない取締役全員の賛成により、本賛同・応募推奨意見を表明することを決議(以下「本賛同・応募推奨表明予定決議」という。)をする。
D) 当社は、本公開買付けの開始日の前営業日において、利害関係を有しない取締役全員の賛成により、本賛同・応募推奨意見を表明することを改めて決議(以下「本賛同・応募推奨表明決議」という。)する。ただし、本業務資本提携契約の締結日から本公開買付けの開始日の前営業日までの期間において、当社の企業価値に重要な増加が生じた場合(業績予想の修正(適時開示義務が生じるものに限る。)を含むがこれに限られない。)であって、当社が公開買付者に対して本公開買付価格の変更を申し入れたにもかかわらず公開買付者がこれに応じないときに、本特別委員会がその答申の内容を変更(賛同・応募推奨ではない内容への変更をいう。)・撤回した場合、又は後述Eの但書に基づき本賛同・応募推奨表明予定決議を撤回又は変更した場合はその限りではない。
E) 当社は、公開買付期間が満了するまでの間、本賛同・応募推奨表明予定決議及び本賛同・応募推奨表明決議を維持し、撤回又は変更しない。ただし、当社は、公開買付者以外の者により、公開買付期間の満了日の10営業日前までに、(x)当社株式に対する買付予定数の上限の定めのない公開買付け(以下「対抗公開買付け」という。)が開始され、又は(y)当社株式に対する買付予定数の上限の定めのない公開買付けに係る法的拘束力を有する真摯な提案(以下「対抗提案」という。)を受領し、かつ、対抗公開買付け又は対抗提案における当社株式の買付価格が本公開買付価格を上回る場合であって、当社が本賛同・応募推奨表明予定決議又は本賛同・応募推奨表明決議を維持することが当社の取締役の善管注意義務に違反すると合理的に認められる場合には、当社は、公開買付期間の満了日の7営業日前までに、公開買付者に対して本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができるものとする。当社が公開買付者に対して当該申入れを行った場合、当社は、公開買付者が本公開買付価格に関する再提案を行う機会を確保できるよう、速やかに公開買付者との間で誠実に協議を行う。公開買付者に対して当該申入れが行われた日から10営業日以内(ただし、遅くとも公開買付期間の満了日の1営業日前まで)に、公開買付者が本公開買付価格を対抗公開買付け又は対抗提案に係る買付価格以上の金額に変更する旨の再提案を行わない場合であって、当社が本賛同・応募推奨表明予定決議又は本賛同・応募推奨表明決議を維持することが当社の取締役の善管注意義務に違反すると合理的に認められる場合には、当社は本賛同・応募推奨表明予定決議又は本賛同・応募推奨表明決議を撤回又は変更する取締役会決議を行うことができる。
F) 当社は、本業務資本提携契約の締結日以降、本賛同・応募推奨表明予定決議又は本賛同・応募推奨表明決議が維持されており、撤回又は変更されていないことを条件として、本取引と競合、矛盾又は抵触する取引(公開買付け、組織再編その他方法を問わず、当社株式を取得する取引、当社グループの株式又は事業の全部又は重要な一部を処分する取引を含む。)に関する勧誘・協議・交渉を行わない。また、当社は、本自己株式取得の実行時までの間、従前の実務・慣行に従い、かつ、通常の業務の範囲において、その業務の執行並びに財産の管理及び運営を行う。
G) 電通グループは、本不応募合意株式について、本公開買付けに応募しない。また、電通グループは、本不応募合意株式について、公開買付者の事前の書面による承諾がない限り、譲渡、承継、担保権の設定その他の処分を行わない。
H) 公開買付者以外の者により、公開買付期間の満了日の10営業日前までに、対抗公開買付けが開始され、又は対抗公開買付けに係る法的拘束力を有する真摯な提案を電通グループ若しくは当社が受領し、かつ、対抗公開買付けにおける当社株式の買付価格が本公開買付価格を5%以上上回る場合、電通グループは、公開買付期間の満了日の7営業日前までに、公開買付者に対して本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができるものとする。電通グループが公開買付者に対して当該申入れを行った場合、電通グループは、公開買付者が本公開買付価格に関する再提案を行う機会を確保できるよう、速やかに公開買付者との間で誠実に協議を行う。公開買付者に対して当該申入れが行われた日から7営業日以内(ただし、遅くとも公開買付期間の満了日の2営業日前まで)に、公開買付者が本公開買付価格を対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に変更する旨の再提案を行わない場合であって、電通グループが本不応募合意株式について対抗公開買付けに応募しないことが、電通グループの取締役の善管注意義務に違反すると電通グループが合理的に認める場合には、電通グループは、本公開買付けの終了前に限り、損害賠償、違約金その他名目を問わず何らの金銭の支払いをすることなく、またその他何らの義務、負担又は条件を課されることなく、本業務資本提携契約を解除することができる。ただし、(ⅰ)本公開買付けが成立した後は解除をすることができないものとし、また、(ⅱ)本公開買付け成立前に本契約が解除された場合であっても、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者が本公開買付けの終了日までに本規定に基づき本契約が解除されたことを理由とする公開買付届出書の訂正届出書を提出しその旨を公表していることを条件として(ただし、本契約の解除が公開買付期間の満了日の2営業日前以降になされた場合には無条件で)、本契約は将来に向かって再度その効力を生じるものとする。
I) 本公開買付けが成立したにもかかわらず、本公開買付けにおいて公開買付者が当社の所有する自己株式及び本不応募合意株式以外の当社株式のすべてを取得できなかった場合、当社は、本株式併合を行い、公開買付者及び電通グループは、本株式併合の円滑な遂行に法令等に基づき必要な事項(株主総会における賛成の議決権行使を含む。)を行う。
J) 公開買付者及び電通グループは、それぞれ、(a)設立及び存続の有効性、(b)本業務資本提携契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力の保有、本業務資本提携契約の締結及び履行に関して必要とされる手続の履践、(c)強制執行可能性、(d)法令等との抵触の不存在、(e)倒産手続等の不存在、(f)反社会的勢力の排除、並びに(g)許認可等の取得・履践について表明し保証する。また、当社は上記に加えて、公開買付者に対して、(h)当社の株式等、(i)インサイダー情報の不存在、(j)財務諸表、(k)重要な変更の不存在、(l)偶発債務、(m)法令等の遵守、(n)契約関係、(o)資産、(p)人事労務、(q)公租公課、(r)訴訟等、(s)情報開示について表明し保証する。
K) 公開買付者、電通グループ及び当社間の本取引後における業務提携に関する事項
L) 公開買付者、電通グループ及び当社は、本契約に定める自らの表明及び保証(ただし当社の表明及び保証については、基礎的な表明保証に限る。)の違反又は本契約に基づく義務の違反に起因又は関連して損害、損失又は費用を相手方当事者が被った場合には、かかる損害等を相当因果関係の範囲内で賠償、補償又は補填する。
M) 上記Hの他、(a)相手方当事者の表明及び保証に重要な点において違反があった場合、(b)相手方当事者の本契約上の義務について重要な点において違反又は不履行があり、その是正を催告したにもかかわらず、催告後10日以内に当該違反又は不履行が解消されない場合、(c)相手方当事者について、支払の停止若しくは手形交換所の取引停止処分又は倒産手続等の開始の申立て若しくは倒産手続等の開始がなされた場合には、各当事者は解除することできる。
N) 本業務資本提携契約は、(a)公開買付者、当社、電通グループが本契約の終了を書面により合意した場合、(b)2026年6月16日までに本公開買付けが開始されない場合(当事者の本契約上の義務違反による場合を除く。)、(c)本公開買付けが撤回され、又は不成立となった場合、(d)本株主間契約が終了した場合、(e)本契約が解除された場合に終了する。
公開買付者は、2025年6月16日付で、電通グループとの間で、本株主間契約を締結しているとのことです。
本株主間契約の概要は以下のとおりです。
公開買付者及び電通グループは、本スクイーズアウト手続の完了後、当社をして本自己株式取得を実施させ、また、本自己株式取得の効力発生後速やかに、当社及びD2Cをして、本株式交換を実施させる。
本株式交換後の当社株式の議決権の割合は、公開買付者が51%以上3分の2未満、電通グループが3分の1超49%以下とする。
A) 取締役は7名とし、電通グループが3名、公開買付者が4名を指名する。
B) 代表取締役は1名とし、公開買付者がこれを指名する。
C) 公開買付者及び電通グループは、当社の企業価値向上に向けて、株主間協議、当社を含めた3社間のステアリングコミッティなどを開催する。
当社が、株式等の発行、処分又は付与等の一定の事項を行う場合には、電通グループの事前の書面同意を要する。
A) 電通グループ及び公開買付者は、相手方当事者の書面による事前の同意なくして、第三者にその保有する当社株式の全部又は一部を譲渡、承継、担保差入れその他一切の処分を行うことはできない。
B) (ⅰ)デッドロックが生じた場合において、それぞれが指名する役職員による90日間の協議を実施したにもかかわらず、デッドロックが解消されない場合、(ⅱ)契約義務違反があった場合、(ⅲ)倒産手続等が開始された場合等において、公開買付者は当社株式のコールオプションを、電通グループはプットオプションを有する。
公開買付者は、2025年6月16日付で、当社の代表取締役社長執行役員兼CEOであり第2位株主である宇佐美氏(所有株式数:1,869,154株、所有割合:7.39%)及び当社の取締役執行役員CFOであり第9位株主(2024年12月31日現在、2025年6月30日現在では第10位株主)である永岡氏(所有株式数:372,084株、所有割合:1.47%)との間で、本応募合意契約を締結しているとのことです。
本応募合意契約の概要は以下のとおりです。
A) 本公開買付けを開始した場合には、以下の条件が全て満たされていることを前提条件として、本応募合意株式等について、本応募合意株式に設定されている担保権を含む一切の担保権その他の負担等を消滅(担保権等を設定する契約の解消その他の方法により担保権等を消滅させること及び担保権等に係る記録の抹消又は変更のために必要な一切の行為を行うことをいう。)させた上で、本公開買付けに応募するものとし、かつ、本応募を撤回せず、本応募の結果成立した本応募合意株式等の買付けに係る契約を解除しないものとする。また、宇佐美氏に関しては、本合同会社をして、本合同会社が所有する当社株式(合同会社533の所有株式数:100,000株、所有割合:0.40%。合同会社アタラクシアの所有株式数:20,000株、所有割合:0.08%。本合同会社の所有株式数の合計:120,000株、所有割合:0.47%)について、本公開買付けに応募させるものとし、本応募を撤回させず、本応募の結果成立した当該当社株式の買付けに係る契約を解除させないものとする。ただし、宇佐美氏及び永岡氏は、その任意の裁量により、以下のいずれの条件も放棄することができる。
(a)公開買付者の表明及び保証が重要な点において全て真実かつ正確であること。
(b)公開買付者において、本公開買付けの開始日までに本応募合意契約に基づき履行又は遵守すべき義務が、重要な点において全て履行又は遵守されていること。
(c)本公開買付けで企図される公開買付者による応募対象株式等の買付けが法令に違反していないこと。
(d)本業務資本提携契約に基づき、当社が本賛同・応募推奨表明予定決議又は本賛同・応募推奨表明決議を撤回又は変更する取締役会決議を行い、かつ、本業務資本提携契約に基づき、電通グループが本業務資本提携契約を解除していないこと。
B) 宇佐美氏及び永岡氏は、その所有する当社株式を譲渡してはならず、かつ、いかなる担保権の設定も行ってはならない。
C) 宇佐美氏及び永岡氏は、本公開買付けに競合し、若しくは本公開買付けと矛盾し、又は本公開買付けによる当社株式及び新株予約権の買付けを困難とする取引(当社による第三者との間の合併・会社分割、株式移転・株式交換・株式交付等の組織再編行為その他の方法を問わず当社並びにその子会社及び関連会社(以下総称して、「当社グループ」という。)の株式又は新株予約権を取得する取引、当社グループの株式若しくは新株予約権又は事業の全部又は重要な一部を処分する取引、その他当社グループの経営権の所在に異動をもたらす一切の行為を含む。)に関する提案、勧誘、協議、交渉、合意、実行又は情報提供(総称して、以下「競合取引」という。)を開始し、勧誘し又は競合取引となることを知りながらそれを行うよう働きかけない。
D) 各当事者は、有効な設立(公開買付者のみ)、法律上の権能、執行可能性、必要な承認の取得、法令等との抵触の不存在、当社株式の所有(宇佐美氏及び永岡氏のみ)、反社会的勢力の排除及び倒産手続等の不存在について表明保証を行う。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役の石渡万希子及び渡辺尚の各氏は、社外取締役であります。
(注3) 常勤監査役の野口誉成及び監査役の澤田静華の各氏は、社外監査役であります。
(注1) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 代表取締役 社長執行役員兼CEO宇佐美進典氏は、第10回新株予約権を70個所有しております。また、取締役 執行役員CFO永岡英則氏は、第10回新株予約権を70個所有しております。更に、取締役 執行役員CSO梶原理加氏は第11回新株予約権を70個所有しております。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】