第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「インターネットを通じて、世界をより良くする。」をミッションとして掲げ、インターネットの新たな可能性を開拓することを通じて、世の中に新しい価値を提供し続けていくことを目指しております。当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業を展開しながら、企業価値並びに株主価値の増大を図ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループが重視している経営指標は、売上高及び営業利益であります。また、これらを支える営業上の指標として、ユーザー数、ユーザー当たり売上高等を重視しております。

 

(3)経営環境

 我が国における個人のスマートフォン保有率は前年比1.7ポイント増の69.3%(出典:総務省「令和2年通信利用動向調査の結果」)と伸びるとともに、2020年の国内ゲームアプリの市場規模も前年比8.4%増の1兆3,164億円(出典:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書 2021」)と成長しております。しかしながら、国内外経済は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により急速に悪化し、経済活動停滞の長期化も懸念され、予断を許さない状況となっております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループでは、新たな収益源の確保を重要課題としており、以下の対処すべき課題を認識しております。

 

① ゲーム事業の継続成長

 ゲーム事業は当社グループの収益基盤であり、ゲーム事業の継続成長のため、「エンジン×IP×グローバル」戦略を進めております。アプリゲームについては、新規タイトルリリースによる新たな収益源の創出、グローバル運営体制強化による既存タイトルの収益力強化、長期視点の運営によるIPファンコミュニティの拡大と活性化に取り組んでまいります。また、ブラウザゲームは、高い利益率を維持しながら継続的な利益創出ができるように取り組んでまいります。

 

② ライブエンターテインメント事業の推進

 当社グループは、バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」の運営を中心としたライブエンターテインメント事業を展開しておりますが、「REALITY」の機能強化やコンテンツ拡充を進めると共に、プロモーション実施によるグローバル展開の強化に取り組んでまいります。

 

③ 広告・メディア事業の強化

 当社グループは「aumo」「LIMIA」「MINE」「ARINE」などのメディアを展開しており、バーティカルメディア群の更なる規模拡大に向けて取り組んでまいります。

 

④ 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化

 当社グループは、今後、新規事業を展開するにあたって、各事業分野で活躍できる優秀な人材の採用・育成に取り組んでまいります。また、新規事業分野に潜在する各種リスク群も踏まえて、内部統制及びコンプライアンス体制の充実及び強化を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 事業環境に係るリスク

Ⅰ アプリゲームについて

アプリゲームの高機能化、多機能化による質の向上に伴い、開発難易度の増加により開発期間が長期化し、開発費が高騰する傾向にあります。

また、競合他社との競争激化に伴い、ユーザー獲得が想定どおりに進まなかった場合やユーザー数が減少した場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ 技術革新について

当社グループは、急速な技術革新に柔軟に対応すべく、先端的なテクノロジーに対する知見やノウハウの蓄積、更には高度な技能を習得した優秀な技術者の採用・育成に取り組んでおります。しかしながら、こうした変化に対する適切な対応が遅れた場合、また、これらの対応に伴うシステム投資や人件費等の支出が拡大した場合には、当社グループの技術的優位性やサービス競争力の低下を招き、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 事業展開に関するリスク

Ⅰ ゲーム事業について

当社グループが提供するサービスを、様々なユーザーに継続的に利用していただくため、エンターテインメント性の高いコンテンツを揃えております。しかしながらユーザーの嗜好の多様化、コンテンツの陳腐化に起因する課金ユーザー比率の低下、課金利用の減少等が生じる場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ 広告・メディア事業について

広告・メディア事業の収益モデルは、集客力が向上することで広告媒体としての価値が高まり売上拡大が図られるという特徴を有しております。しかしながら、広告出稿元のマーケティング・販売促進等の予算縮小、広告代理店等の営業戦略等の変化等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況によっては、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅲ ライブエンターテインメント事業について

当社グループは、バーチャルYouTuber関連に特化したライブエンターテインメント事業を推進しております。ライブエンターテインメント事業ではバーチャルライブ配信アプリ「REALITY」を中心に規模を拡大してまいりますが、見通しとは異なる状況が発生するなどにより事業の展開が計画通りに進まない場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅳ 有料課金サービスに関するリスクについて

当社グループが運営する「GREE」や各種アプリゲーム、「REALITY」においては、有料ガチャ(金銭もしくは金銭で購入できる前払式支払手段を直接の対価として行うことができるランダム型アイテム提供方式)が主な収益源となっております。当社グループでは、業界団体が定めるガイドライン等を遵守すると共に、必要な社内規程を整備して事業展開しておりますが、上記ガイドラインや社内規程が適切に運用されない場合、ユーザー数の減少、課金ユーザー比率の低下、課金利用の減少等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅴ 国際展開について

当社グループは各種アプリゲーム、「REALITY」について日本国内に加えて海外での展開を推進しておりますが、各国の法令、制度・規制、政治・社会情勢、文化、宗教、ユーザー嗜好、商習慣の違い、為替等をはじめとした潜在的リスクに対処出来ないことなどにより事業を推進していくことが困難となった場合に、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅵ 新規事業について

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、今後も引き続き、積極的にビジネス領域の拡大に取り組んでいく考えであります。これによりシステム投資、広告宣伝費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、見通しとは異なる状況が発生するなどにより新サービスや新規事業の展開が計画通りに進まない場合、投資を回収出来ず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システムに関するリスク

Ⅰ システム等に関連する設備投資負担について

当社グループは、サービスの安定稼働やユーザー満足度の向上を図るためには、サービスの成長に即してシステムやインフラに対する先行投資を行っていくことが必要であると認識しております。今後予測されるユーザー数及びトラフィックの拡大、並びに新サービスの導入及びセキュリティの向上に備えての継続的な設備投資、又はこうしたリスクの低減を見据えたクラウドサービスへの移行を実施しておりますが、実際のユーザー数及びトラフィックが当初の予測から大幅に乖離する場合には、設備投資の前倒しや当初の計画よりも多額の投資負担を余儀無くされ、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ サービス及びシステムの障害並びにインターネット接続環境の不具合について

当社グループは、サービス及びそれを支えるシステム、並びにインターネット接続環境の安定した稼働が事業運営の前提であると認識しており、安定的なシステム運用体制の構築に努めております。しかしながら、予期せぬ自然災害や事故、ユーザー数及びトラフィックの急増や大規模なクラウドサービスの障害、ネットワーク経由の不正アクセスやコンピュータウィルスの感染など、様々な問題が発生した場合にはサービスの安定的な提供が困難となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 経営体制に関するリスク

Ⅰ 特定人物への依存について

当社グループの代表取締役会長兼社長である田中良和は、創業者であると同時に創業以来当社グループの事業推進、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を担ってまいりました。

当社グループでは、取締役会や経営会議等において役員及び社員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ 人材の確保について

当社は、事業戦略の遂行、更なる事業展開、企業成長に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用・育成し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの安定稼働や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、当該人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めてまいります。しかしながら、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅲ 内部管理体制について

当社グループでは、企業価値の持続的な増大を図るためにコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、更には健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ コンプライアンスに関するリスク

Ⅰ コンプライアンス体制

当社グループでは、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、社内研修、ポータルサイトへの掲載等の手段により周知徹底を図り、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。

しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関してコンプライアンス上問題のある事態が発生した場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ 当社グループが提供するサービスの安全性及び健全性の維持について

当社グループが提供するサービスにおいて、不特定多数のユーザーが利用していることから、様々な問題が発生するリスクが潜在しております。また、ユーザー数の拡大や多様化に伴い、ユーザーがより安心して安全に利用出来る環境を整備していくことが事業者に求められております。

当社グループでは、これらの問題について、以下のような取り組みを行っております。

(a) 利用規約による禁止行為の明確化

(b) 投稿等の監視体制及びユーザーへの教育、啓発活動の強化

(c) 「利用環境向上委員会」の設置

(d) 青少年の保護及び健全育成、利用環境の向上に向けた対応

これらの施策により、当社グループが提供するサービスについては現段階において一定の安全性・健全性は保たれているものと認識しており、今後も、監視人員の拡充や関連システムの機能強化、ユーザーへの啓発・教育活動を推進する方針であります。しかしながら、当社グループが提供するサービスに関連して何らかの問題が発生した場合には、当社グループが法的責任を問われるほか、当社グループ及び当社グループが提供するサービスの信頼性やブランドが毀損し、サービスの安定的な提供が困難となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅲ 不正行為等によるリスクについて

当社グループが運営する「GREE」では、サイト内で利用可能な各種アイテムとの交換等を目的として「コイン」を発行しております。一部の悪質なユーザーがアイテム等を不正な方法で入手して利用及び譲渡するといった行為が発覚しており、業界全体としての不正防止のための取り組みが課題となっております。このような不正行為の存在は当社グループの意図しているところではなく、システム面での防止策のみならず利用規約での禁止やユーザーへの啓発を積極的に行うと共に、違反者には利用停止や強制退会を含む厳正な措置を行う等の対策を取っております。

万が一、当社グループのサービスを利用した不正行為が発生した場合には、当社グループの信頼性やブランドが毀損すること等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅳ 法的規制について

当社グループは、インターネットサービス等事業者として、インターネットに関連する法的規制その他の法規制の遵守は経営上の重要課題であると認識しております。規制を受けるものとして「電気通信事業法」、「資金決済に関する法律」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」及び「下請代金支払遅延等防止法」等の各種法令や、各法令の監督官庁が定める省令・指針・ガイドライン等があります。このような法令の制定や改正、監督官庁による行政処分、新たな規制の策定又は改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの事業に適用のある法令のうち、特に重要な規制は以下の通りです。「個人情報の保護に関する法律」については後述します。

(i) 「電気通信事業法」

当社グループは、電気通信事業法の定めに従って「電気通信事業者」として届出を行っているため、通信の秘密の保護等の義務が課されております。当社グループにおいてはその法律に沿った運用を行っておりますが、当社グループが本法令に違反し行政処分等を受けた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(ii) 「資金決済に関する法律」

「GREE」内のゲーム内専用仮想通貨「GREEコイン」及び他社プラットフォーム内で当社グループ名義で配信している各ゲームの専用仮想通貨等が適用の対象となります。当社グループは、その法律に沿った運用を行っておりますが、当社グループが本法令に違反し行政処分等を受けた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

更に、当社グループが海外事業を展開する上では、商取引、広告、景品、個人情報、プライバシー、未成年保護、独占禁止、知的財産権、消費者保護、仮想通貨等に関する現地の法規制並びに事業展開及び投資を行うために必要とされる現地政府の許認可等、諸外国・地域の法規制が適用されます。これらの法規制等の改正や新たな法規制の策定により当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅴ 個人情報保護について

当社グループでは、インターネットサービスの提供を通じ、ユーザーの個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務及び各国の個人情報保護法遵守の義務を課されております。当社グループは、個人情報の外部漏洩・改ざん等の防止のため、個人情報を取り扱う際の業務フローや権限体制を明確化し、個人情報保護規程をはじめとした個人情報管理に関連する規程や規則等を制定し、個人情報保護に関する意識の向上を図ることで、同法及び関連法令等の法的規制の遵守に努めております。

しかしながら、当社グループの関係者や業務提携・委託先などの故意又は過失、コンピューターシステムの瑕疵、コンピューターウイルス、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等により個人情報が外部に流出したり、悪用される事態が発生した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社グループ並びに当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損し、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅵ 第三者との係争について

当社グループは、法令遵守を基本としたコンプライアンス活動の推進により、役員、従業員の法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、ユーザー、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があります。また、後述のとおり知的財産権に関する訴訟の可能性もあります。係る訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生やブランドイメージの悪化等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 知的財産権に関するリスク

Ⅰ 知的財産権の保護に関する方針について

当社グループは、法令遵守及び企業の社会的責任に鑑み、知的財産権の保護は重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループの役員及び従業員による第三者の知的財産権の侵害が発生せぬよう、社内規則の整備や社内教育の充実により防止策を徹底しております。しかしながら、過失により当社グループの役員及び従業員が第三者の知的財産権を侵害する事態が発生した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を負う可能性があるほか、当社グループ並びに当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損し、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、当社グループの知的財産権の保護に努めておりますが、その対応のために多額の費用が発生した場合や、当社グループの知的財産権が適切に保護されず、当社グループの競争優位性が保持されない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ 特許に関連する動向について

当社グループは、現時点において、当社グループの事業・サービスに対して重大な影響を及ぼす特許に関わる問題・事象は無いものと認識しております。但し、インターネット関連技術においては、特許権の範囲が不明確であることから、潜在的なものも含めた特許紛争の対応に係る費用が膨大となること等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅲ 当社グループのサービスに掲載されるコンテンツについて

当社グループが提供するコンテンツについては、担当事業部門及び法務部門が第三者の知的財産権侵害が行われていないことを確認する体制を確立しております。また、社外の法人・個人に、当該コンテンツの制作を委託する場合には、原則として、第三者の知的財産権を侵害していないことを保証していただいております。しかしながら、当社グループによるコンテンツ提供に際して、意図せず第三者の知的財産権の侵害が生じた場合には、当社グループに対し損害賠償責任を追及されたり、サービスの一部が提供を制限されることで、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

外部デベロッパーが提供するコンテンツについては、各デベロッパーが第三者の知的財産権を侵害していないことを当社グループに対して規約上保証していることに加え、万が一、権利侵害が生じた場合には各デベロッパーが責任をもって処理・対応することとなっております。しかしながら、権利侵害が生じた場合、約款の内容に関わらず、権利侵害を受けた第三者より当社グループが法的責任を問われる可能性があり、その責任を問われない場合にも、当社グループの信頼性やブランドが毀損され、サービスの安定的な提供が困難となる可能性があります。

ユーザー自身が投稿するコンテンツについては、これらのコンテンツが第三者の著作権を侵害していた場合、当社グループも著作権侵害を助長又は黙認したものとして責任を追及される可能性があります。このような事態を防ぐべく、利用規約において権利侵害行為を禁止するほか、違反行為の通報に対しては迅速に対応し、コンテンツを削除する等の処置を行っております。これらの取り組みにより、当社グループの責任はプロバイダー責任制限法に定められる範囲に限定されるものと認識しており、著作権者からの著作権侵害を理由とした損害賠償請求や差止請求が認められる可能性は低いと認識しております。しかしながら、当社グループの法的責任を追及され、訴訟等の紛争に発展した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 業務提携、M&A(企業買収等)に関するリスク

Ⅰ 他社との業務・資本提携等について

当社グループでは、業務・資本提携、合弁等を通じた事業の拡大に取り組んでおります。当社グループと提携先・合弁先の持つ事業運営ノウハウ等を融合させることにより、大きなシナジー効果を発揮することを目指しておりますが、当初見込んだ効果が発揮されない場合、又はこれらの提携等が解消された場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ M&Aによる事業拡大について

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるにあたり、これらを加速する手段のひとつとして、M&Aを活用する場合があります。M&Aに当たっては、被買収企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを吟味した上で決定しておりますが、被買収企業に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握出来なかった問題が生じた場合、また、事業の展開等が計画通りに進まない場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、買収により、当社グループが従来行っていない新規事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績等の概要

 ①業績

我が国における個人のスマートフォン保有率は前年比1.7ポイント増の69.3%(出典:総務省「令和2年通信利用動向調査の結果」)と伸びるとともに、2020年の国内ゲームアプリの市場規模も前年比8.4%増の1兆3,164億円(出典:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書 2021」)と成長しております。しかしながら、国内外経済は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により急速に悪化し、経済活動停滞の長期化も懸念され、予断を許さない状況となっております。

このような環境のもと、当社グループはゲーム、ライブエンターテインメント、広告・メディアの各領域で投資を行ってまいりました。主力とするゲーム領域においては、引き続きブラウザゲームのコイン消費は減少しておりますが、既存のスマートフォン向けアプリゲーム(以下、「アプリゲーム」)の長期運営体制による収益安定化及び海外展開による収益力向上に取り組むと同時に、新規アプリゲームの開発を進めてまいりました。ライブエンターテインメント領域においては、バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」の機能強化やコンテンツ拡充を進め、また、広告・メディア領域においては、メディア力の強化とユーザー基盤の拡大を進めてまいりました。なお、当社グループにおける新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、広告・メディア領域において一部のメディアで影響を受けましたが、ゲーム領域及びライブエンターテインメント領域への影響は限定的でした。

なお、当連結会計年度において、当社出資ファンドが保有株式を売却したことによる投資事業組合運用益5,483百万円を計上し、また繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等が減少致しました。

以上の取組みにより、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高56,766百万円(前連結会計年度比9.4%減)、営業利益5,378百万円(同70.1%増)、経常利益11,098百万円(同163.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13,533百万円(同399.5%増)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ7,805百万円増加し、当連結会計年度末の残高は94,824百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、1,770百万円(前連結会計年度比12.9%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13,398百万円があった一方、投資事業組合運用益5,483百万円及び投資有価証券売却益2,880百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は、9,293百万円(前連結会計年度比121.1%増)となりました。これは主に、投資事業組合からの分配による収入7,398百万円、投資有価証券の売却による収入4,264百万円があった一方、投資有価証券の取得による支出2,472百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、4,013百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。これは主に、社債の発行による収入7,958百万円があった一方、自己株式の取得による支出9,651百万円があったことによるものであります。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 インターネットを利用したサービスの提供を事業としており、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

 b.受注実績

 概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。

 

 c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。

 

当連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

前年同期比(%)

収入別

販売高(百万円)

有料課金収入

44,968

92.2

その他

11,798

84.8

合計

56,766

90.6

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2019年7月1日

至 2020年6月30日)

当連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

Apple Inc.

19,308

30.8

17,865

31.5

Google Inc.

16,979

27.1

16,317

28.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当社グループは、報告セグメントを単一のセグメントとしておりますので、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成し

ております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見

積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があり

ます。

 重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結

財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

②財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は141,389百万円(前連結会計年度末比14,897百万円増)となりました。

流動資産は109,068百万円(前連結会計年度末比10,092百万円増)となりました。主な増加要因は、「現金及び預金」及び「その他」がそれぞれ7,805百万円、2,037百万円増加したことによるものであります。

固定資産は32,321百万円(前連結会計年度末比4,805百万円増)となりました。主な増加要因は、「投資有価証券」が6,303百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における負債合計は21,176百万円(前連結会計年度末比8,091百万円増)となりました。

流動負債は11,626百万円(前連結会計年度末比450百万円減)となりました。主な減少要因は、「未払金」が525百万円減少したことによるものであります。

固定負債は9,549百万円(前連結会計年度末比8,542百万円増)となりました。主な増加要因としては「社債」が8,000百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産合計は120,212百万円(前連結会計年度末比6,806百万円増)となりました。主な増加要因は、「利益剰余金」及び「その他有価証券評価差額金」がそれぞれ11,590百万円、4,430百万円増加した一方、「自己株式」が9,251百万円増加したことによるものであります。

企業の安定性を示す自己資本比率は、当連結会計年度末は84.6%であります。また、支払い能力を示す流動比率は当連結会計年度末は938.1%となっております。

 

③経営成績の分析

  売上高は、56,766百万円(前連結会計年度比9.4%減)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)業績等の概要 ①業績」をご参照ください。

 売上原価は、25,217百万円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。

 主な減少要因は、協業ゲーム運営に係る業務委託費等の減少によるものであります。

 販売費及び一般管理費は26,170百万円(前連結会計年度比15.3%減)となりました。

 主な減少要因は、売上高減少に伴う決済代行手数料の減少及び広告宣伝費の減少によるものであります。

 営業外収益は、5,817百万円(前連結会計年度比449.0%増)となりました。

 主な内容と致しましては、投資事業組合運用益5,483百万円であります。

 営業外費用は、96百万円(前連結会計年度比3,807.6%増)となりました。

 主な内容と致しましては、支払手数料65百万円であります。

 特別利益は、2,901百万円(前連結会計年度比1.2%増)となりました。

 主な内容と致しましては、投資有価証券売却益2,880百万円であります。

 特別損失は、601百万円(前連結会計年度比43.1%減)となりました。

 主な内容と致しましては、違約金230百万円、拠点再編費用引当金繰入額186百万円であります。

 

④キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑥経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

⑦資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは将来の経営環境の変化への対応や新規事業の開発等のために必要な資金を内部留保しております。当社グループの運転資金需要の主なものは、ゲーム事業における開発費、各事業における広告宣伝費等の営業費用になります。また、重要課題である新たな収益源の確保のため、ゲーム事業の継続成長、広告・メディア事業の強化、ライブエンターテインメント事業の推進に取り組んでいく方針であります。これらの資金需要は自己資金でまかなうことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施致します。

 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は94,824百万円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)主要な取引契約

 

相手先の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

Apple Inc.

Apple Developer Program

License Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間(1年毎の自動更新)

Google Inc.

Google Play

デベロッパー販売/配布契約

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

定めなし

 

(2)その他の経営上の重要な契約

 当社は、2020年10月27日開催の取締役会における決議に基づいて、2021年7月1日付で、当社ゲーム事業におけるアプリゲーム事業およびライセンス事業を、吸収分割により当社の完全子会社であるファンプレックス株式会社に承継致しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、主にスマートフォン向けゲームコンテンツの開発であります。当連結会計年度における研究開発活動に関わる費用の総額は、1,565百万円であります。

 なお、当社グループは、単一セグメントであるためセグメント情報に関連付けて記載しておりません。