第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

   当社グループは、トータル試作部品加工から各種金型製作、量産加工までの総合加工メーカーのトップランナーとして、また、著しい成長が見込まれるサービス・サポート系ロボット分野におけるスタートアップ企業の包括的事業化支援事業として、高い技術力と夢とチャレンジ精神を持って、顧客には信頼と満足を、社員には生きがいと幸福の実現を提供し、また環境との調和を図り、地域社会・地球環境に対し良き会社であり続けることにより、社会に貢献します。

 

(2)経営環境及び戦略

 当社グループの置かれている環境としましては、コンシューマ系エレクトロニクスの開発・試作ならびに量産は縮小傾向、単価も減少傾向であり競争は今まで以上に激化してきています。自動車分野は堅調でありますが、参入企業も多く、競争が激しくなっています。また、高級時計分野においても、成長の勢いがやや鈍化傾向となってきているなどのほか、直近では新型コロナウイルス感染症による影響も予想され大変厳しい経営環境を予想しています。このような状況の中、当社グループといたしましては、新規市場である5G対応、携帯/ウエアラブル端末、環境/省エネ/再生可能エネルギー分野への参入を目指しています。製造工程の改善による超短納期化とそれに起因する製造コスト削減への取り組み、技術力・設備力を生かした切削加工・金型製造分野の探索などのほか、大手製造メーカーとの連携による国内・海外のOEM案件の発掘に注力していきたいと考えています。

また、著しい成長が見込まれるサービス・サポート系ロボット分野において、これまで培った総合ものづくり力を生かし開発・試作・量産などの製造面の支援だけでなく、資金調達・販売・保守などの事業化面の支援を包括的に実施して、「包括的な事業化支援企業」としての地位を確立し、グループとしての収益機会の拡大、企業価値向上を図ります。

 

(3) 対処すべき課題等

 ① 競争力の強化

当社グループの主たる顧客である精密機器、電気機器の完成品メーカーの多くは、近年、中国をはじめとしたアジア諸国への生産拠点移転が進んでおります。また、アジア諸国における金型製造技術の向上は、日本国内金型市場へのアジア製品進出の契機となり、競争状態を激化させることとなっております。国内においても、試作品製造に参入する企業が増加しており、競争の激化に拍車をかけております。さらに、完成品メーカーの研究開発投資動向は安定的ではなく、開発投資の循環が存在しており、試作企業、金型製造企業はこの循環において、円滑な事業機会獲得に向けて、持続的に経営の最適化を図っております。

このような経営環境に適合して事業を推進するために、当社グループとして、独自の「一括一貫体制」による総合ものづくり力をさらに強化し、難易度の高い仕様や短納期、新規材料への対応を可能とする技術水準向上や操業度の確保を図ることによって、競合他社との差別化を図り、競争力を強化するとともに、積極的に新規分野へ営業展開を拡大していくことが重要であると考えております。

 

 ② 技術の研鑽

精密機器、電子機器の技術革新は、その部品構造の微細化を要求することとなり、このことは、当社グループの顧客要求仕様の高難易度化をもたらしております。特に加工寸法精度については、従来の100分の2~3㎜程度から1000台へと大幅に水準が上昇しております。一方、加工対象の形状についても、曲面加工が要求される機会が多くなるなど、複雑化する傾向にあります。

このような技術環境に対して、当社は高精度の最新製造設備の導入と、創業以来培ってきた「匠」の技の伝承を継続的に実施することで、より競争優位をもたらす技術力を育むことが重要であると考えております。

 

 

 ③ 新規事業の創出

現在、当社は、サービス・サポート系ロボットを中心とした成長著しいスタートアップとの連携を強化しております。「ものづくりメカトロ研究所」ではこれまでに蓄積してきた高精度製作技術に加え、電機、制御技術等を含めた装置製造の技術の蓄積、受託開発、製品試作、量産品製造を推進しておりますとともに、国内外で定められている多様な安全規格に基づいた製品としての品質保証体制の構築、医療機器製造の認可の取得にも注力しております。

また、発展途上であるロボット産業分野においては、ユーザーニーズの取得、新規製品の啓蒙のため、マーケティング・販売活動を推進することも重要であると考えております。そのため、新しいロボット製品・技術を紹介するサイト「WORLD-ROBOTEC」、実際に見て・触れて・体験していただくための「東京ショールーム」を開設するとともに、豊富な顧客ネットワークを生かした実証ステージの提供に取り組んでおります。さらに資金面でも支援するため、「ロボットものづくりスタートアップ支援ファンド」を設立いたしました。

当社は、これまでの製造支援だけでなく、販売・サービス・資金面も含めた経営などの包括的に支援することで、受託加工会社から総合的なスタートアップ事業化支援企業へと成長を図ってまいります。

 

④ 人材の確保、育成

変化する事業環境に最適な企業構造を保ちつつ、長期的な成長を担保するために、優秀な人材の確保、育成が急務であると考えております。社内研修プログラムによる教育を強化することにより、これまで培ってきた当社の「匠」の技の伝承を進めてまいります。さらに、次世代を担う幹部候補生と新卒者採用を積極的に行い、当社グループ全体の流れを一貫して把握しうる人材(管理職候補者)を育てることも重要な課題であると考えております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境の変化について

当社グループの顧客は、スマートフォン、自動車、時計部品、事務機器メーカーなどであり、開発試作モデルの設計から金型製造及び機構・内装部品等の製造、並びに量産製品の製造を受注しております。従いまして、当社グループの経営成績及び財政状態は、取引先の新製品開発計画、モデルチェンジの周期、開発予算及び市場動向に影響を受ける可能性があります。また、米中貿易摩擦の影響も懸念されるなか、新型コロナウイルス感染症によると思われる見積件数の減少と競争の激化による単価の下落などによる受注の減少も第4四半期から顕著に表れております。当社では、毎月の定例役員会での取引先の状況や見積り動向(件数、価額等)、受注単価動向等の情報の共有と週1回の役員連絡会での取引先の動向、仕入先の動向等の情報を共有し、役員並びに会議参加者が担当部署への情報伝達を行い休業等の稼働調整を行うなど徹底を図っておりますが、先行きに関しましては現状、見通せず不透明な状況が続いております。

 

(2) 新規事業の開発について

当社グループの独自製品であるマッスルスーツ、ドローン、配膳ロボット等を始めとしたサポート・サービスロボットの開発・製造に積極的に取り組んでいますが、人材の不足、開発の遅れ、各種実証や認証の対応等に時間を要する等のリスクが潜んでおり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
 

  (3) 機密保持について

当社グループは、顧客の新製品の開発や研究等、高度な機密情報を数多く取扱っており、機密情報の管理は経営の重要な課題と認識しております。このため「情報管理規程」を制定し、社内研修の実施、社内入出管理、作業指定区域の指定、データ・図面・製品・仕掛品・文書等の管理を行い、全従業員及び外注先に対する機密保持誓約書の徴求を行うなどして、制度・管理の両面において機密保持に関する十分な注意を払っております。しかしながら、万一機密情報が外部へ流失した場合、当社グループの信用失墜に伴う受注減少や賠償責任の発生等により経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (4) 製品の品質について

当社グループは、顧客と合意した仕様(寸法、材料、加工方法)を満たすものか否かにつき充分な検査を実施したうえで、製品を出荷いたします。さらに、当社製造過程の過失により製品欠陥が発生した場合に備え、製造物責任賠償保険に加入しております。しかしながら、製品欠陥が生じた場合は、当該保険範囲を超過した賠償請求の発生および当社グループの信用失墜によって、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (5) 納期について

当社グループの試作・金型事業では、顧客の試験研究・新規開発に使用される試作品を製造しているため、開発競争の激化による新製品開発サイクルの短期化等の要因により、従来にも増して当社グループへの短納期化が求められている状況であります。当社グループでは、納期を厳守するために製造管理をしておりますが、納期遅延が発生した場合には、継続的な受注が確保出来なくなるおそれもあり、この結果当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (6) 原材料価格の変動等について

当社グループ製品は、概ね金属や樹脂を材料としております。鉄、銅、真鍮等の金属や、原油の市況高騰によって、材料の入手が困難となった場合には、製品の製造遅延及び原価上昇等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

 (7) 人材確保及び育成について

当社グループの事業成長や安定的な経営体制確立のため、経営管理部門及び製造部門における人的資本の充実が必須であると考えられます。しかし、今後の急激な業容拡大や熟練技術者の一時的な大量退職により、人材確保及び技術者育成等が追いつかない場合、納期遅延、品質低下等の問題が発生し、継続的な受注が確保できなくなることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (8) 為替変動の影響について

当社グループは、経営戦略に基づき、海外(中国及び韓国)での製造業務を行っており、その製品の一部を当社が仕入れております。従いまして当社グループでは、為替変動リスクの軽減、回避に努めておりますが、外貨建取引においては、為替変動が取引価格や売上高、当該取引に係る資産及び負債の日本円換算額等に影響を与え、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (9) 製造拠点の集中について

当社グループの工場は、東京都八王子市及び福島県相馬郡飯舘村に集中しております。この地域において、当社の想定を超える自然災害等が発生し、人的・物的被害を受けた場合は、工場の生産能力が著しく低下することが予想され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (10) 技術力の向上について

当社グループが提供する金型・試作及び量産の技術による製品は、顧客の試験研究・新規開発に使用されます。開発競争の激化による新製品開発サイクルの短期化等の要因により、新技術開発の必要性が高まっており、従来にも増して技術力の向上を図っておりますが、顧客の要求を満たす新しい技術を常時提供できる保証はないため、今後当社が同業他社と比較して優位性ある提案等ができず、受注機会を逸した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (11)新型コロナウイルス感染症について

当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により見積り件数が減少し価格競争が激化した結果、受注が低迷したことに伴い、2020年4月以降受注状況を見極め稼働調整を行っており、売上高の減少となっております。現在は緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルス感染症の収束の時期は不透明であり、経済活動への影響を現時点では予測できない状況であります。当社といたしましては、新型コロナウイルス感染症の対策として、常務取締役をリーダーとして、感染症の対策を検討、以下の対策を実施しました。出張の禁止、外訪活動の制限、可能な限りの在宅勤務、web会議システムの構築、毎日の検温と体調の記録・報告、手洗い・手指の消毒、社員のマスク確保と着用の徹底、来訪者への前述の対策の徹底等を実施し、従業員と家族、お客様の安全と健康を最優先に考え様々な対策を実施するとともに、生産品の納期の厳守等の体制を確保し、対応しております。また、緊急事態宣言解除以降、徐々に見積り件数が回復、単価も戻りつつありますが、現状ではまだ完全回復とは言えず、一部の取引先を除いて営業活動に制限があるなど、現状も先行きについては不透明であり、今後も新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の動向によっては、受注の減少や稼働調整が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

  ① 財政状態及び経営成績の状況

   (経営成績の状況) 

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府・日銀による経済政策や金融政策により、企業収益や雇用情勢の改善等を背景に、緩やかな回復基調が継続したものの、米中貿易摩擦の影響に伴う、海外経済動向の不確実性の高まりによる国内景気への影響が懸念されるなか、新型コロナウイルス感染症の発生により実体経済へ大きな影響が発生し、当社グループにおいても第4四半期に於いて、見積り件数の減少による競争の激化と単価の下落等により、受注が大幅に減少となり、利益率も低下する等の影響が見られました。現状においては、件数・単価等につき若干ではありますが回復の兆しが見られますが、先行きに関しては引き続き不透明な状況であり、翌連結会計年度は少なくとも一定期間は影響があるものと想定しています。

このような状況のもと、当社グループの売上高及び受注の状況は、当社の主要顧客であるスマートフォン、自動車、時計部品、事務機メーカーなどの研究開発及び生産の状況は非常に厳しい状況であり、前連結会計年度堅調であった時計、自動車部品も弱含みとなり、新規開発試作品製造、金型製造於いても新型コロナウイルス感染症の影響から第4四半期に於いては大きな減少となりました。量産品製造の受注に於いては、時計部品・半導体製造装置部品等の一部試作品受注が量産品に移行となり、これらの受注は継続していますが、第4四半期に於いては、試作品製造・金型製造と同様に厳しい状況となりました。一方、ロボット・装置関連製品については、当社グループの独自製品であるマッスルスーツ、ドローン、配膳ロボット等をはじめとした介護・医療分野及びサポート・サービスロボット分野における技術の研鑚に積極的に取り組み新製品を市場へ投入するとともに、同分野を中心としたスタートアップ企業への包括事業連携を掲げて開始した「WORLD ROBOTEC」の取り組みを核として、受託開発や受託製造が拡大しております。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,365百万円(前年同期比11.1%減)となり、売上総利益は829百万円(同41.1%減)、営業損失が232百万円(前年同期は114百万円の営業利益)となりました。スクラップ売却収入及び受取配当金等の営業外収益92百万円を計上し、持分法による投資損失等の営業外費用310百万円を計上した結果、経常損失が450百万円(前年同期は118百万円の経常利益)となりました。

さらに、持分変動利益、補助金収入等の特別利益168百万円を計上いたしました。また、投資有価証券評価損、固定資産圧縮損、減損損失等の特別損失118百万円を計上いたしました。これに、税金費用140百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は541百万円(前年同期は917百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

なお、当社グループの事業は、「金属製品加工事業」の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。

 

 参考:製品別売上高

(単位:百万円、%)

項目

前連結会計年度

(自 2018年5月1日

  至 2019年4月30日)

当連結会計年度

(自 2019年5月1日

  至 2020年4月30日)

増減率

試作・金型製品

3,268

2,577

△21.2

量産製品

2,088

1,944

△6.9

ロボット・装置等

529

790

49.2

その他・ガンマカメラ等

150

53

△64.3

合計

6,037

5,365

△11.1

 

 

  (財政状態の状況)

  a.資産の部
 当連結会計年度における資産は10,557百万円となり、前年同期と比べ2,192百万円(17.2%)の減少となりました。 これは主に、現預金が法人税の支払、予定納税、配当金の支払等により減少したことや受取手形および売掛金の回収が進んだことならびに、当連結会計年度の後半には、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が減少したことならびに株式市場が低迷したことに伴い投資有価証券の評価額が減少したことによるものです。

 

  b.負債の部 
 当連結会計年度における負債は3,064百万円となり、前年同期と比べ720百万円(19.0%)の減少となりました。これは主に、売上の減少に伴い支払手形及び買掛金が減少したことならびに、流動負債の未払法人税等が減少したことのほか、固定負債の繰延税金負債が減少したことによるものです。
 
c.純資産の部
 当連結会計年度における純資産は7,492百万円となり、前年同期と比べ1,472百万円(16.4%)の減少となりました。これは主に、前期は親会社株主に帰属する当期純利益を917百万円計上しましたが、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失541百万円と前年比大幅に減少したこと及びその他の包括利益累計額において、その他有価証券評価差額金が676百万円減少したことによるものです。
 

    ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,185百万円減少し、2,231百万円(前期末比34.7%減)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、254百万円の支出超過(前年同期は976百万円の収入超過)となりました。主な収入要因は、売上債権の減少565百万円(前年同期は167百万円の売上債権の増加)、減価償却費239百万円(前年同期比24.9%増)、主な支出要因は、税金等調整前当期純損失400百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益1,391百万円)、法人税等の支払額756百万円(前年同期比526.0%増)です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは726百万円の支出超過(前年同期は436百万円の収入超過)となりました。主な収入要因は、投資有価証券の売却による収入23百万円(前年同期比98.0%減)、主な支出要因は、生産設備への投資による有形固定資産の取得による支出212百万円(前年同期比27.8%減)、投資有価証券の取得による支出353百万円(前年同期比0.1%増)です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、183百万円の支出超過(前年同期は494百万円の収入超過)となりました。主な収入要因は、非支配株主からの払込による収入4百万円(前年同期比99.5%減)、主な支出要因は、配当金の支払額121百万円(前年同期比40.8%増)です。

 

   ③ 生産、受注及び販売の状況

    a. 生産実績

当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

金属製品加工事業

5,272,506

△8.6

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

    b. 受注実績

当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

金属製品加工事業

5,122,925

△16.2

457,602

△34.6

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

    c. 販売実績

当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

金属製品加工事業

5,365,546

△11.1

 

 

 (注)1.主要顧客ごとの情報

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

セイコーエプソン株式会社

657,360

10.9

-

-

 

 

 (注)2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

      3 当連結会計年度においては、総販売実績の10%を超えている該当先はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。これらの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

   また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項  追加情報」に記載のとおりであります。

 

   ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
 (売上高) 
 試作・金型製品は前年同期比21.2%減少の2,577百万円、量産製品は同6.9%減少の1,944百万円、ロボット・装置等は同49.2%増加の790百万円、その他・ガンマカメラ関連等は同64.3%減少の53百万円となり、全体では、同11.1%減少の5,365百万円となりました。
 (売上原価)
 内製化の強化、原価低減の意識改革等により外注加工費等を中心に削減に努めましたが、売上が減少(671百万円、11.1%減)となり、一方では、材料費の価格上昇や受注単価の低下などにより、売上原価は前年同期比2.0%の減少となり、売上原価は4,536百万円(92百万円の減少)に留まりました。
 (売上総損益)
 売上総利益率が上記により前年同期比で7.8%悪化し15.5%となり、前年同期比41.1%減少の829百万円となりました。
 (販売費及び一般管理費)
 人件費ならびに租税公課・広告宣伝費等の費用が減少したことにより、前年同期比17.9%減少の1,062百万円となりました。
 (営業損益)
 営業損益は売上の減少が最大の要因で前年同期比347百万円の悪化となり、232百万円の営業損失(前年同期は114百万円の営業利益)となりました。
 (営業外収益)
 受取配当金は増加となりましたが、受取補償金の減少により、前年同期比27百万円減少の92百万円となりました。
 (営業外費用)
 持分法による投資損失等の費用が増加した結果、前年同期比195百万円増加の310百万円となりました。
 (経常損益)
  営業損益の悪化及び営業外費用の増加により、450百万円の経常損失(前年同期は118百万円の経常利益)となりました。
 (特別利益)
  持分変動利益、補助金収入等を計上しましたが、前連結会計年度は投資有価証券売却益が大きく、前年同期比1,618百万円減少の168百万円となりました。
  (特別損失)
  投資有価証券評価損、固定資産圧縮損等の計上はありましたが、前年同期比395百万円減少の118百万円となりました。
  (親会社株主に帰属する当期純損益)
 法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前年同期比389百万円減少し140百万円となりました。
 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、541百万円(前年同期は917百万円の当期純利益)となりました。
 

   b. 経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況  2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

   c. 財政状態及び経営成績の状況

当社グループの財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析の状況 (1)経営成績等の状況等の概要 ①財政業態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

  d. キャッシュ・フローの分析

当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析の状況」に記載のとおりであります。

 

   e. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は主に設備投資資金であります。

現在、設備投資資金につきましては、内部資金、銀行借入金及び新株の発行等により資金調達することとしております。
 2020年4月30日現在、長期借入金の残高は75百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計1,300百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。(借入実行残高500百万円、借入未実行残高800百万円)

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 (1) 研究開発活動の目的

 ①既存事業にて培われた技術基盤
  当社グループは、主に精密電子機器、事務機器及び自動車部品等のメーカーを顧客として、顧客の製品開発及び生産活動に貢献する試作品、金型、量産品の製造を行っております。これら製造に用いられる金型設計・製作、板金加工、機械加工、成形加工、プレス加工等の各技術は、先端製造設備と当社創業以来培ってまいりました「匠の技」の融合によって構築されております。

 
②「匠の技」の活用による自社製品創出
  当社グループにおいて、創業より培ってまいりましたものづくりのノウハウ、すなわち「匠の技」は競争力の源泉であります。当社はこれを既存事業に活用するのみならず、新規事業(自社製品)の開発に投入し、次世代の収益源として育むべく「ものづくりメカトロ研究所」を社内に設置、研究開発活動を推進しております。大学や研究機関で生み出された先端の要素技術やアイデアは、それを具現化するマーケティングや実証なども含めたプロセスが重要であり、このプロセスに対し「“匠の技”によるものづくり」を施すことによって、開発側の思いだけで製品化するのではなく、ユーザーのニーズに即した運用性に探れた革新的な製品の創出を図っております。
 


   (2) 研究開発体制(組織、人員)

  当社「ものづくりメカトロ研究所」は、「ものづくり」によって培われた「匠の技」を有する技術者、そして 機械工学に精通した技術者、合計27名によって運営されております。更に、高度先端シード技術の導入等を目的として、国内外の大学、研究機関との提携関係を構築しております。そのうえ、研究開発が進展した場合には、ものづくりの実践として先端製造設備を有する当社工場を活用いたします。これらの体制をもって研究開発活動を運営しております。

 

   (3) 研究開発テーマ

     ①ロボット開発

 当社は、分野毎にそれぞれ秀でた技術を有する大学、ならびに当社グループ関係会社との連結において、以下の各種ロボット開発を推進しております。また、注力して推進するスタートアップ企業への包括的事業化支援事業「プラットフォーム構想」と「WORLD ROBOTEC」の取り組みにおいて、多くのスタートアップ企業の開発を支援しております。

 

   a. マッスルスーツ

 東京理科大学が開発した腰痛防止・疲労軽減を目的とした筋力補助装具「マッスルスーツ」につき、持分法適用関連会社の株式会社イノフィスより、継続的に開発・試作・量産を受託しております。当連結会計年度には、これまで製品化したモデルに加え、軽量化及び低価格化を実現した「EVERYモデル」の量産製造を始め、腕補助、次世代マッスルスーツなど新規製品の開発支援に取り組んでおります。

 

   b. ドローン

千葉大学発のドローンフライトコントローラ開発会社の株式会社自律制御システム研究所と連携して国内初の量産機体を製造した当社は、量産機体の高度化に取り組んでおります。ドローン運用の法整備も急速に進められる昨今、当連結会計年度は、安全性・信頼性の向上に取り組んでおり、消音装置、安全装置、フライトレコーダ、密閉型モータ、長時間航行を可能とする有線給電とバックアップ電源のハイブリッド電源、エンジン式ドローンなど要素技術の開発を実施いたしました。また、農業・警備・構造物検査などの具体的な案件に対し、協力関係にあるスタートアップ企業との連携ならびに顧客より受託にてカスタム機体の開発・製造にも取り組んでいます。

 

   c. 歩行支援ロボット

 東京工業大学が開発した「WALK MATEロボット」は、パーキンソン病患者の歩行安定化や高齢者の歩行促進を目的とした歩行支援ロボットです。当連結会計年度には、連結子会社であるWALK-MATE LAB株式会社と共同で試作機の製作ならびに病院でのリハビリなどにおいて実証試験を実施いたしました。また、歩行の幅や軌道を分析するセンサ「WALK MATE VIEWER」の販売と機能拡充に取り組みました。

 

   d. 案内ロボット 

 可積重量100キロの自律移動ロボットと様々なアプリを搭載することのできるインタ-フェイスシステムの開発を持分法適用関連会社であるSOCIAL ROBOTICS株式会社と共同で試験機の製作ならびに実証実験をしております。「BUDDY」は、レストランやイベント会場などで配膳、記念撮影や案内業務、工場での運搬作業補助などの具体的な使用フィールドで顧客と共同でリスクアセスメント中心に実証試験を重ねるとともに、複数台制御機能の高度化、キャッシング機能や遠隔操作機能などのユーザビリティの高度化に取り組みました。

 

   e. 手術支援ロボット

 臨床外科手術について、遠隔操作、微細操作を可能とするための手術支援ロボットの開発を推進しております。連結子会社であるTCC Media Lab株式会社、電気通信大学、九州大学、早稲田大学等との共同開発をもって推進しており、当連結会計年度には、超音波画像に基づく高度医療情報を提示可能とする汎用かつ簡便な医療「3D-AR(3次元拡張現実)システム」を活用した静脈穿刺支援システムなどの試作品を製作し、機能実証を行いました。

 

    ② その他

   当社の微細加工技術を生かしたデバイス開発、新たな加工技術の創出にも取り組んでいます。

 

   a. マイクロ流体デバイス開発

   従来のシリコン材料を用いたポンプに比して低コスト生産が可能な金属薄膜材料で製作したメタルマイクロポンプを用いたシステムの開発を推進しております。当連結会計年度には、メタルマイクロポンプを用いた応用製品の機能検証を行いました。また、メタルマイクロポンプを用いた「エアブロアー」の開発のほか、当該ポンプデバイスの様々な応用開発にも取り組んでおります。

 

   b. ホットチャンバ式アルミダイカスト

   純度の高いアルミを鋳造する技術の開発を推進しております。本技術で製造された部品は、従来品に比べ、放熱性、表面加工性が高く、微細構造が可能となります。当連結会計年度には、製造装置の量産性向上の開発を推進するとともに具体的な適用分野に対しテストサンプルを多数製作し、適用範囲の拡大に取り組みました。

 

(4) 研究開発費

当連結会計年度において支出した研究開発費は270,003千円であります。

ただし、販売費及び一般管理費における研究開発費は185,639千円となっております。これは、研究開発に係る助成金収入を、販売費及び一般管理費の控除項目として処理したことによるものです。