文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、トータル試作部品加工から各種金型製作、量産加工までの総合加工メーカーのトップランナーとして、また、著しい成長が見込まれるサービス・サポート系ロボット分野におけるスタートアップ企業の包括的事業化支援事業として、高い技術力と夢とチャレンジ精神を持って、顧客には信頼と満足を、社員には生きがいと幸福の実現を提供し、また環境との調和を図り、地域社会・地球環境に対し良き会社であり続けることにより、社会に貢献します。
(2) 経営環境及び戦略
当社グループの置かれている環境としましては、コンシューマ系エレクトロニクスの開発・試作ならびに量産は縮小傾向、単価も下落傾向であり競争は今まで以上に激化してきています。自動車分野は堅調でありますが、参入企業も多く、競争が激しくなっています。また、高級時計分野においても、成長の勢いがやや鈍化傾向となってきているなどのほか、当連結会計年度は年度を通じて、新型コロナウイルス感染症による影響により大変厳しい状況となりました。先行きに関しても不透明な状況が続いております。当社グループといたしましては、新規市場である5G対応、携帯/ウエアラブル端末、環境/省エネ/再生可能エネルギー分野への参入を目指しています。製造工程の改善による超短納期化とそれに起因する製造コスト削減への取り組み、技術力・設備力を生かした切削加工・金型製造分野の探索などのほか、大手製造メーカーとの連携による国内・海外のOEM案件の発掘に注力していきたいと考えています。
また、著しい成長が見込まれるサービス・サポート系ロボット分野において、これまで培った総合ものづくり力を生かし開発・試作・量産などの製造面の支援だけでなく、資金調達・販売・保守などの事業化面の支援を包括的に実施して、「包括的な事業化支援企業」としての地位を確立し、グループとしての収益機会の拡大、企業価値向上を図ります。
(3) 対処すべき課題等
① 競争力の強化
当社グループの主たる顧客である精密機器、電気機器の完成品メーカーの多くは、近年、中国をはじめとしたアジア諸国への生産拠点移転が進んでおり、アジア諸国の金型製造技術の向上は、日本国内金型市場へのアジア製品進出の契機となり、競争状態を激化させることとなっております。
また、昨今、急速に製造業においてもリモート化・DX化の波が押し寄せ、更なる短納期化・低価格化が求められております。
国内においても、試作品製造に参入する製造会社が増加しており、競争の激化に拍車をかけております。さらに、完成品メーカーの研究開発投資動向は安定的ではなく、開発投資の循環が存在しており、試作企業、金型製造企業はこの循環において、円滑な事業機会獲得に向けて、持続的に経営の最適化を図っております。
このような経営環境に適合して事業を推進するために、当社グループとして、当社独自の「一括一貫体制」による総合ものづくり力をさらに強化し、リモート化・DX化に取り組み、迅速に正確な情報を収集するとともに、難易度の高い仕様や短納期、新規材料への対応を可能とする技術水準向上や操業度の確保に努めることによって、競合他社との差別化を図り、競争力を強化するとともに、積極的に新規分野への営業展開を拡大していくことが重要であると考えております。
② 技術の研鑽
精密機器、電子機器の技術革新は、その部品構造の微細化を要求することとなり、このことは、当社グループの顧客要求仕様の高難易度化をもたらしております。特に加工寸法精度については、従来の100分の2~3mm程度から1000分台へと大幅に水準が上昇しております。一方、加工対象の形状についても、曲面加工が要求される機会が多くなるなど、複雑化する傾向にあります。
このような技術環境に対して、当社は常に新しい加工技術を導入することに挑戦し、高精度の最新製造設備の導入と、創業以来培ってきた「匠の技」の伝承を継続的に実施することで、より短納期に資する工程改善に取り組むことにより、更なる競争優位をもたらす技術力を育むことが重要であると考えております。
③ 新規事業の創出
現在、当社は、サービス・サポート系ロボットを中心とした成長著しいスタートアップとの連携構築を強化しております。「ものづくりメカトロ研究所」ではこれまでに蓄積してきた高精度製作技術に加え、電気、制御技術等を含めた製品製造の技術の蓄積、受託開発、製品試作、量産品製造を推進しておりますとともに、国内外で定められている多様な安全規格に基づいた製品としての品質保証体制の構築、医療機器製造の認可の取得にも注力しております。
また、発展途上であるロボット産業分野においては、ユーザーニーズの取得、新規製品の啓蒙のため、マーケティング・販売活動を推進することも重要であると考えております。そのため新しいロボット製品・技術を紹介するサイト「WORLD ROBOTEC」、実際に見て・触れて・体験していただくための「東京ショールーム」を開設するとともに、豊富な顧客ネットワークを生かした実証ステージの提供に取り組んでおります。さらに資金面でも支援するため、「ロボットものづくりスタートアップ支援ファンド」を設立、スタートアップ関連製品の販売体制の強化、サービス運用体制の強化、製品の全国的な保守を行うための企業連携の構築など、これまでの製造支援だけでなく、経営全般を包括的に支援することで、受託型加工企業からスタートアップとの連携プラットフォームを構築する総合的なスタートアップ事業化支援企業へと成長を図ってまいります。
近年は、単に製品を創出するのではなく、環境・社会・経済を両立させるSDGsの目標に沿ったテクノロジーの創出が求められており、当社は連携プラットフォームによって多くのスタートアップと連携しながら、社会の課題解決に寄与するソリューションを提供してまいります。
④ サステナビリティ経営への取り組み
SDGsへの取り組みが求められる中、当社グループは、ガバナンスの強化により、企業活動のリスク軽減に努めるとともに、健康経営・働き方改革を推進し、従業員のワークエンゲージメントを向上させ、技術者の育成・確保に取り組みます。また、適切な成長投資により、環境や社会に貢献するモノづくりを志向して、社会から信頼され、長期にわたって市場から求められるように努めます。
⑤ 人材の確保、育成
変化する事業環境に最適な企業構造を保ちつつ、長期的な成長を担保するために、優秀な人材の確保、育成が急務であると考えております。また、対象製造品は、部品単位からユニット・製品単位となり、多岐にわたり、他社との連携の必要性を背景に多様な知見を有し、これら連携を円滑に推進する事業プロデューサーの育成が肝要と考えております。一方で、少子高齢化、多様な働き方による製造業での人材不足に直面し、電気電子・制御・調達等の専門性の高い分野においては、経験豊富なシルバー人材も有効に活用してまいります。
このような背景に対し、当社は今後の日本の製造業の中心になるであろうサービス・サポート系ロボット分野にいち早く注力し、多岐にわたるスタートアップ企業と連携することにより、魅力ある事業を展開することで人材を確保し、さらに、次世代を担う新しい技術を習得したマルチな幹部候補生を育成し、継続的な事業環境を創造してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場環境の変化について
当社グループの顧客は、スマートフォン、自動車、時計部品、事務機器メーカーなどであり、開発試作モデルの設計から金型製造及び機構・内装部品等の製造、並びに量産製品の製造を受注しております。従いまして、当社グループの経営成績及び財政状態は、取引先の新製品開発計画、モデルチェンジの周期、開発予算及び市場の需要動向等の影響を受ける可能性があります。当社では、毎月の定例役員会での取引先の状況や見積り動向(件数、価額等)、受注単価動向等の情報の共有と週1回の役員連絡会での取引先の動向、仕入先の動向等の情報を共有し、役員並びに会議参加者が担当部署への情報伝達を行い休業等の稼働調整やリモート化・DX化を推進して機動的で幅広い情報収集など徹底を図っております。長引く新型コロナウイルス感染症拡大懸念の影響からの反動による市場の需要回復ならびに顧客の開発意欲の回復機運は徐々に高まっているものの、依然として残る新型コロナウイルス感染症の影響や、米国の金融政策、東欧情勢不安、電子機器部品の世界的な供給懸念などもあり、先行きに関しましては、未だ不透明な状況が続いております。
(2) 新規事業の開発について
当社グループの独自製品であるマッスルスーツ、ドローン、配送ロボット等を始めとしたサポート・サービスロボットの開発・製造に積極的に取り組んでいますが、人材の不足、開発の遅れ、各種実証や認証の対応等に時間を要する等のリスクが潜んでおり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(3) 機密保持について
当社グループは、顧客の新製品の開発や研究等、高度な機密情報を数多く取扱っており、機密情報の管理は経営の重要な課題と認識しております。このため「情報管理規程」を制定し、社内研修の実施、社内入出管理、作業指定区域の指定、データ・図面・製品・仕掛品・文書等の管理を行い、全従業員及び外注先に対する機密保持誓約書の徴求を行うなどして、制度・管理の両面において機密保持に関する十分な注意を払っております。しかしながら、万一機密情報が外部へ流失した場合、当社グループの信用失墜に伴う受注減少や賠償責任の発生等により経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(4) 製品の品質について
当社グループは、顧客と合意した仕様(寸法、材料、加工方法)を満たすものか否かにつき充分な検査を実施したうえで、製品を出荷いたします。さらに、当社製造過程の過失により製品欠陥が発生した場合に備え、製造物責任賠償保険に加入しております。しかしながら、製品欠陥が生じた場合は、当該保険範囲を超過した賠償請求の発生および当社グループの信用失墜によって、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(5) 納期について
当社グループの試作・金型事業では、顧客の試験研究・新規開発に使用される試作品を製造しているため、開発競争の激化による新製品開発サイクルの短期化等の要因により、従来にも増して当社グループへの短納期化が求められている状況であります。当社グループでは、納期を厳守するために製造管理をしておりますが、納期遅延が発生した場合には、継続的な受注が確保出来なくなるおそれもあり、この結果当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(6) 原材料価格の変動等について
当社グループ製品は、概ね金属や樹脂を材料としております。鉄、銅、真鍮等の金属や、原油の市況高騰によって、材料の入手が困難となった場合には、製品の製造遅延及び原価上昇等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(7) 人材確保及び育成について
当社グループの事業成長や安定的な経営体制確立のため、経営管理部門及び製造部門における人的資本の充実が必須であると考えられます。しかし、今後の急激な業容拡大や熟練技術者の一時的な大量退職により、人材確保及び技術者育成等が追いつかない場合、納期遅延、品質低下等の問題が発生し、継続的な受注が確保できなくなることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(8) 為替変動の影響について
当社グループは、経営戦略に基づき、海外(中国及び韓国)での製造業務を行っており、その製品の一部を当社が仕入れております。従いまして当社グループでは、為替変動リスクの軽減、回避に努めておりますが、外貨建取引においては、為替変動が取引価格や売上高、当該取引に係る資産及び負債の日本円換算額等に影響を与え、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(9) 財務制限条項への抵触によるリスク
当社グループの借入金のうち、財務制限条項付融資契約について、財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 製造拠点の集中について
当社グループの工場は、東京都八王子市及び福島県下に集中しております。この地域において、当社の想定を超える自然災害等が発生し、人的・物的被害を受けた場合は、工場の生産能力が著しく低下することが予想され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(11) 技術力の向上について
当社グループが提供する金型・試作及び量産の技術による製品は、顧客の試験研究・新規開発に使用されます。開発競争の激化による新製品開発サイクルの短期化等の要因により、新技術開発の必要性が高まっており、従来にも増して技術力の向上を図っておりますが、顧客の要求を満たす新しい技術を常時提供できる保証はないため、今後当社が同業他社と比較して優位性ある提案等ができず、受注機会を逸した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(12)新型コロナウイルス感染症について
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、顧客との対面営業の機会の減少や見積り件数が減少したことで価格競争が激化した結果、受注が低迷・受注単価の低下等により、売上高の減少傾向が現在も続いております。現在は、政府主導のもと実施されている、ワクチン接種の効果等により、収束に向かっていると思われるもののオミクロン株による感染者の増加も受けて、収束の時期は不透明であり、経済活動への影響が現時点では予測できない状況であります。当社といたしましては、常務取締役をリーダーとして、感染症の対策を検討し、手指の消毒、社員のマスク着用の徹底、来訪者への前述の対策の徹底等を実施し、従業員と家族、お客様の安全と健康を最優先に考え様々な対策を実施するとともに、生産品の納期の厳守等の体制を確保し対応しております。また、最近では徐々に見積り件数が回復傾向にありますが、まだ完全回復とは言えず、一部の取引先では引き続き営業活動に制限があるなど、今後も新型コロナウイルス感染症の動向によっては、受注の減少や稼働調整が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の分析・検討は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で度重なる緊急事態宣言の発令やまん延防止法等の重点措置が実施され、社会経済活動の回復の勢いは鈍く厳しい状況で推移しました。ワクチン接種が進んだことで、緩やかながらも改善の動きが見られたものの、年明け以降には感染症が再拡大したうえ、米国の金融引き締めやロシアによるウクライナへの侵攻等による資源価格や原料価格の上昇等により、依然として先行き不透明感は続いています。
このような状況のもと、当社グループの売上高及び受注の状況は、依然として厳しい状況が続いております。当社の主要顧客であるデジタルカメラ、時計、事務機器等の精密電子機器メーカーならびに自動車関連部品メーカー等の研究開発及び生産の状況は、前年比では市場の需要ならびに開発意欲等に回復傾向が見られるものの、世界的な資源・部材不足やサプライチェーンの混乱により、生産活動が計画通り進まない状況や、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に慎重な一面も依然として残っており、新規開発試作品製造、金型製造及び量産品製造の受注・生産状況は、引き続き厳しい結果となりました。ロボット・装置関連製品については、サポート・サービスロボット分野のスタートアップ企業への包括事業化連携を掲げた取り組みにより、受託開発や受託製造の引き合いは引き続き拡大傾向にあります。しかしながら、世界的な電子部品・電池などの部材調達が難航していること、株式市場の悪化によるスタートアップ分野への資金流入が直近で若干停滞していること等を背景に、各社開発・製品化への取り組み速度が鈍化傾向になっております。また、注力している当社グループ製品ならびに連携スタートアップの製品販売が弱含みとなっており、ロボット・装置関連製品の売上高は、計画を下回りました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,045百万円(前年同期比13.0%増)となり、売上総利益は672百万円(同27.4%増)、営業損失が596百万円(前年同期は816百万円の営業損失)となりました。受取配当金ならびに助成金収入等の営業外収益124百万円を計上し、持分法による投資損失等の営業外費用380百万円を計上した結果、経常損失が852百万円(前年同期は904百万円の経常損失)となりました。
さらに、投資有価証券売却益、固定資産売却益等の特別利益329百万円を計上いたしました。また、投資有価証券評価損等の特別損失199百万円を計上いたしました。これに、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額△27百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は669百万円(前年同期は934百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループの事業は、「金属製品加工事業」の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末における総資産は、9,774百万円となり、前連結会計年度末と比べ988百万円(前期末比9.2%)の減少となりました。主な増加要因は、流動資産における現金及び預金103百万円(同6.4%)の増加です。一方、主な減少の内訳は、投資その他の資産における投資有価証券781百万円(同15.7%)の減少です。
負債は、3,903百万円となり、前連結会計年度末と比べ281百万円(前期末比7.8%)の増加となりました。主な増加の内訳は、流動負債における短期借入金459百万円(同64.9%)の増加です。一方、主な減少要因は、固定負債における繰延税金負債261百万円(同31.6%)の減少です。
純資産は、5,871百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,270百万円(前期末比17.8%)の減少となりました。主な減少の内訳は、利益剰余金790百万円(同25.5%)、その他の包括利益累計額453百万円(同26.4%)の減少です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ103百万円増加し、1,463百万円(前期末比7.6%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、281百万円の支出超過(前年同期は5百万円の収入超過)となりました。主な収入要因は、持分法による投資損失308百万円、減価償却費185百万円、投資有価証券評価損196百万円、主な支出要因は、税金等調整前当期純損失722百万円、投資有価証券売却益153百万円、有形固定資産売却益131百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは56百万円の収入超過(前年同期は884百万円の支出超過)となりました。主な収入要因は、有形固定資産の売却による収入247百万円、主な支出要因は、生産設備への投資による有形固定資産の取得による支出152百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、294百万円の収入超過(前年同期は9百万円の支出超過)となりました。主な収入要因は、短期借入金の純増加額409百万円、主な支出要因は、配当金の支払額121百万円です。
当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.主要顧客ごとの情報
前連結会計年度及び当連結会計年度においては、総販売実績の10%を超えている該当先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、売上高においては、新型コロナウイルス感染症の影響も残りましたが、前年度に比べ需要が一部で回復し、試作・金型製品は前年同期比25.7%増加の2,466百万円、量産製品は同15.5%増加の1,475百万円、ロボット・装置等は同9.8%減少の1,070百万円、その他・ガンマカメラ関連等は同16.9%減少の32百万円となり全体では、同13.0%増加の5,045百万円となりました。
売上原価については売上高の増加により、前年同期比11.0%の増加となり、4,372百万円となりました。
その結果、売上総利益は、内製化を強化するとともに、原価低減の重要性を再認識し、外注加工費を中心に原価削減に努めましたが、受注競争の激化の影響もあり、売上総利益率は前年同期比で1.5%の回復にとどまり13.3%となり、売上総利益は前年同期比27.4%増加の672百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、研究開発費等で増加はありましたが、人件費、貸倒引当金繰入額等が減少したことにより、前年同期比5.6%減少の1,268百万円となりました。
営業損益は試作・金型製品の売上において緩やかな回復を見せたことにより、前年同期比219百万円の改善となり、596百万円の営業損失(前年同期は816百万円の営業損失)となりました。
営業外収益は、助成金収入の減少により、前年同期比122百万円減少の124百万円となりました。
営業外費用は、持分法による投資損失等の増加により、前年同期比45百万円増加の380百万円となりました。
経常損益は、営業損益の改善により、852百万円の経常損失(前年同期は904百万円の経常損失)となりました。
特別利益は、 投資有価証券売却益、固定資産売却益等が増加、一方で補助金収入の減少により、前年同期比16百万円増加の329百万円となりました。
特別損失は、投資有価証券評価損が増加、一方で減損損失、固定資産圧縮損の減少により、前年同期比129百万円減少の199百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前年同期比60百万円減少し△27百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、669百万円(前年同期は934百万円の当期純損失)となりました。
b. 経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 財政状態及び経営成績の状況
当社グループの財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析の状況 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政業態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金需要は主に設備投資資金であります。
現在、設備投資資金につきましては、内部資金、銀行借入金及び新株の発行等により資金調達することとしております。
2022年4月30日現在、借入金の残高は1,477百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計1,600百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しており、このうち借入未実行残高は600百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。
該当事項はありません。
(1) 研究開発活動の目的
①既存事業にて培われた技術基盤
当社グループは、主に精密電子機器、事務機器及び自動車部品等のメーカーを顧客として、顧客の製品開発及び生産活動に貢献する試作品、金型、量産品の製造を行っております。これら製造に用いられる金型設計・製作、板金加工、機械加工、成形加工、プレス加工等の各技術は、先端製造設備と当社創業以来培ってまいりました「匠の技」の融合によって構築されております。
②「匠の技」の活用による自社製品創出
当社グループにおいて、創業より培ってまいりましたものづくりのノウハウ、すなわち「匠の技」は競争力の源泉であります。当社はこれを既存事業に活用するのみならず、新規事業(自社製品)の開発に投入し、次世代の収益源として育むべく「ものづくりメカトロ研究所」を社内に設置し、研究開発活動を推進しております。大学や研究機関で生み出された先端の要素技術やアイデアは、それを具現化するマーケティングや実証なども含めたプロセスが重要であり、このプロセスに対し「“匠の技”によるものづくり」を施すことによって、開発側の思いだけで製品化するのではなく、ユーザーのニーズに即した運用性に優れた革新的な製品の創出を図っております。

(2) 研究開発体制(組織、人員)
当社「ものづくりメカトロ研究所」は、「ものづくり」によって培われた「匠の技」を有する技術者、そして 機械工学に精通した技術者、合計23名によって運営されております。更に、高度先端シード技術の導入等を目的として、国内外の大学、研究機関との提携関係を構築しております。そのうえ、研究開発が進展した場合には、ものづくりの実践として先端製造設備を有する当社工場を活用いたします。これらの体制をもって研究開発活動を運営しております。
(3) 研究開発テーマ
①ロボット開発
当社は、分野毎にそれぞれ秀でた技術を有する大学、ならびに当社グループ関係会社との連携において、以下の各種ロボット開発を推進しております。また、注力して推進するスタートアップ企業への包括的事業化支援事業「プラットフォーム構想」と「WORLD ROBOTEC」の取り組みにおいて、多くのスタートアップ企業の開発を支援しております。
a. マッスルスーツ
東京理科大学が開発した腰痛防止・疲労軽減を目的とした筋力補助装具「マッスルスーツ」につき、持分法適用関連会社の株式会社イノフィスより、継続的に開発・試作を受託しております。当連結会計年度には、株式会社イノフィスは、軽量化及び低価格化を実現した「EVERYモデル」の販売を推進するとともに、腕を補助する「GSアーム」の販売を開始しました。また、更なる機能向上を目指し、より軽量で狭い場所や動き回る作業に適した「GSバック」や次世代マッスルスーツなど新規製品の開発に取り組み、販売開始を予定しております。
b. ドローン
当連結会計年度には、イームズロボティクス株式会社は、高精度GPSユニットや有人地帯目視飛行(レベル4)の解禁を念頭にした2022年6月から導入が義務化される機体認証装置「リモートID」の販売を開始いたしました。また、イームズロボティクス株式会社は、ドローン市場拡大に寄与する安全性・信頼性の高い、安価な量産機体の開発に取り組み、国産ドローンの標準化を志向しており、当社はOEM量産提供を連携して実施できる体制構築に取り組んでおります。
c. 歩行支援ロボット
東京工業大学が開発した「WALK-MATE ROBOT」は、パーキンソン病患者の歩行安定化や高齢者の歩行促進を目的とした歩行支援ロボットです。当連結会計年度には、連結子会社であるWALK-MATE LAB株式会社と共同でロボットの効果測定センサを保険診療が可能な「歩行分析 WM GAIT CHECKER PRO」として、医療機器認証を取得して製品化、販売開始し、当社において受託製造をしております。また、共同でロボットの歩行支援アルゴリズムとセンサ技術を組み合わせて、スマホアプリなどと連動する「GAIT CHECKER コンシューマ」の開発に取り組んでおります。
d. 案内ロボット
当連結会計年度には、SOCIAL ROBOTICS株式会社を連結子会社化いたしました。SOCIAL ROBOTICS株式会社は、「働くサービスロボット」として、当連結会計年度に、自律移動ロボット「BUDDY」の量産製品の生産を開始し、当社において製造を受託しております。飲食店での配膳・下膳の他、宿泊施設や工場・物流センターでの運搬作業補助、医療・介護施設・アミューズメント施設等での間接業務補助などで、滅菌装置との連動によるコロナ対応機器、AIカメラとの連動による警備機器として活用、画像認識、音声認識、エレベータや呼び出しボタン連動など、SIerと連携してユーザビリティの高度化に取り組みました。
e. 手術支援ロボット
臨床外科手術について、遠隔操作、微細操作を可能とするための手術支援ロボットの開発を推進しております。連結子会社であるTCC Media Lab株式会社、電気通信大学、九州大学、早稲田大学、福島県立医科大学等との共同開発を推進しており、当連結会計年度には、AIを活用した麻酔科用神経ブロック支援ならびに鍼灸用超音波画像支援モニターシステムの試作品を製作し、臨床データの蓄積に取り組みました。
f.高効率モータ
株式会社マグネイチャーは、高出力・高効率を実現する「マグネイチャーモータ」を開発しております。「マグネイチャーモータ」は、コアレス構造の「軽量かつ鉄損が発生しないというメリット」を生かしながら、トルクが小さいという弱点を「強電界を発生させることができるハルバッハ配列を生かしたロータを設置すること」で克服した、いずれの速度域でも、安定したトルク性能と高出力を発揮することを実現するハイブリッドモータです。当連結会計年度には、可変速度での使用が前提となるドローンや電気自動車に搭載する第4世代サンプルモデルを試作して、性能試験に取り組みました。
② その他
当社の微細加工技術を生かしたデバイス開発、新たな加工技術の創出にも取り組んでいます。
a. ホットチャンバ式アルミダイカスト
純度の高いアルミを鋳造する技術の開発を推進しております。本技術で製造された部品は、従来品に比べ、放熱性、表面加工性が高く、微細構造が可能となります。当連結会計年度には、製造装置の量産性向上の開発を推進するとともに具体的な適用分野に対しテストサンプルを多数製作し、適用範囲の拡大に取り組みました。
(4) 研究開発費
当連結会計年度において支出した研究開発費は
ただし、販売費及び一般管理費における研究開発費は245,359千円となっております。これは、研究開発に係る助成金収入を、販売費及び一般管理費の控除項目として処理したことによるものです。