第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

 

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府・日銀による各種経済政策の効果による雇用・所得環境の改善やインバウンド消費の拡大などを背景に緩やかな回復傾向で推移いたしました。一方、海外におきましては、アメリカ経済は堅調に推移したものの、中国や新興国経済の減速、欧州及び中東地区での地政学的リスク、為替の変動や原油価格の急落など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような経済環境の中、当社グループにおきましては、高い技術力をもとにお客様からのニーズに柔軟に対応し、堅調に受注を拡大するとともに、新たな案件の獲得にグループ一丸となって努めてまいりました。また、グループ間での人材や技術力の共有、効率的なアサインによる生産性の向上などに取り組んでまいりました。さらに、平成27年5月1日付でアンドールシステムサポート株式会社を当社グループの一員に加えたことにより、より幅広い案件に対応することが可能になったと同時に、新たな業務分野の拡充にもつながりました。

なお、その他事業におけるRFID事業は平成27年3月31日付で事業譲渡いたしました。

利益面に関しましては、売上高の増加とともに、前年度に行った本社移転による作業効率化・各種ノウハウ等の情報共有も引き続き徹底し、増益となりました。

以上により、当社グループの売上高は7,717百万円前年同期比11.5%増)、営業利益は610百万円同10.7%増)、経常利益は621百万円同10.8%増)、当期純利益は391百万円同17.5%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて279百万円減少し1,403百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は、145百万円前連結会計年度に得られた資金は700百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益621百万円の計上などの資金増加要因が、法人税等の支払額181百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果得られた資金は、152百万円前連結会計年度に使用した資金は246百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入198百万円などの資金増加要因が、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出82百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は、577百万円前連結会計年度に使用した資金は248百万円)となりました。これは主に、短期借入れによる収入400百万円などの資金増加要因が、短期借入金の返済による支出823百万円、配当金の支払額154百万円などの資金減少要因を下回ったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

生産実績においては、当社グループの業務形態上、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりであります。

事業部門別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

エンジニアリング事業

 

 

 

 

  業務請負形態

3,332,271

+41.5

491,169

+24.3

合計

3,332,271

+41.5

491,169

+24.3

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 特定派遣形態は、サービスの提供量に応じて対価を得るため受注実績には記載しておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

事業部門別

販売高(千円)

前年同期比(%)

エンジニアリング事業

7,717,078

+13.5

合計

7,717,078

+11.5

 

(注) 1 当社及び連結子会社は、エンジニアリング事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

2 平成27年3月31日付でその他事業におけるRFID事業を譲渡したことにより、当連結会計年度よりその他事業の販売高を記載しておりません。そのため、前年同期比に差異が生じております。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

キヤノン株式会社

4,244,883

61.3

4,409,914

57.1

 

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、主としてファームウエア、ソフトウエア並びにハードウエアの開発及び評価に関するサービスを提供しております。当社グループの主要取引先が属する業界においては、顧客企業におけるエンジニアに対するニーズと競合他社との差別化の観点から、支援する技術品質の安定的な向上とともに、以下の3点を重要課題として取り組んでまいります。

 

(1) コア事業における一部の取引先への依存度低減及び新規優良取引先の開拓

当連結会計年度のキヤノングループへの売上高は当社グループ売上高の58.4%を占めており、経営の健全性確保の観点からも同社グループへの依存度をより低減させることが、以後の安定した経営を進める上で重要な経営課題であると認識しております。

この経営課題への取組みとして、新規優良取引先の開拓は必須であり、M&Aを含めた営業活動を積極的に推し進めております。今後も引き続き、新規優良取引先の開拓を推し進めてまいりますが、従来からのデジタル製品メーカーや情報通信分野に加え、車載分野、金融分野、医療分野、航空宇宙分野、介護・災害向けロボット分野にも注力し、営業推進を行ってまいります。また、Web系のシステム開発にも取り組んでまいる所存です。

 

(2) 優秀な人材の確保及び育成

取引先のニーズに対して、最適なサービスを提供するためには、優秀なエンジニアの確保及び育成が、重要な課題であると認識しております。

このため、エンジニアの採用面において「人」を最重視した方針を掲げ、技術スキルのみに偏った採用に陥らず、人間性重視の採用戦略を推し進めております。

採用後は、新卒エンジニアに対しては、社会人として常識のある行動の教育と、集中的な技術基礎教育を行い、その後、OJTを通じて実践的な技術力を磨いております。エンジニアとして一定のスキルが身についてからも、グループ制による技術力の向上と各種育成プログラムにより、継続してスキルアップが可能な場を提供し、優秀なエンジニアの育成を行っております。

 

(3) 業務効率化による利益率向上への取り組み

要員の適正化や作業工数の効率化、他プロジェクトとの連携による人材リソースの共有などで、より効果的な利益率の向上が可能であり、その実現のためには、スケジュール策定・工数見積・要員計画といったプロジェクト管理スキルの高いリーダーが必要であると認識しております。

当社グループでは、技術面の教育に加えて、実際のプロジェクト運営の経験を数多く積ませることで、優秀なプロジェクトリーダー・マネージャーの育成を行い、より一層の利益率の向上に取り組んでおります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下においては、当社グループの事業展開上における現在の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しており、併せて必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。また、以下の記載は本株式の投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループでは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重にご検討ください。

 

(1) 人材の確保に関するリスク

① 優秀な人材の確保及び育成について

エンジニアリング事業において顧客のニーズに的確に対応するためには、関連する技術・技能を有した多くの優秀な人材を常時確保しておく必要があります。また、それ以上に顧客との関係の向上が重要であると考えております。当社グループは、これらの達成の為に、要員計画に基づき、新卒、経験者の採用を行うとともに従業員に対する技術教育の実施や健康管理の推進に努めております。

しかしながら、今後、事業を拡大していくにあたり、これら事業の推進に必要な人材を適切に確保・育成できない場合等には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 労務費の増加について

当社グループの原価の大部分は労務費であります。労務費の増加は、売上高の増加により吸収可能と考えておりますが、契約金額に転嫁できなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、社会保険については、平成16年の年金制度改革により、標準報酬月額に対する厚生年金保険料会社負担分の料率は、平成16年10月時点の6.967%から、平成29年まで毎年0.177%ずつ引き上げられ、平成29年以降は、9.15%で固定することとなっております。当社グループは、今後においても従業員全員の社会保険加入を遵守いたしますので、社会保険料率の上昇が当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) エンジニアリング事業の変動要因に関するリスク

① 契約金額の下落について

当社グループが顧客と締結する契約金額は、地域及び顧客企業の業種、景気動向や同業他社との競争、技術革新のスピードへの対応度合い等に左右されます。当社グループは、今後とも既存取引先のニーズに対応し、安定した取引の継続を図るとともに、新規顧客の獲得に努める中で、当社グループの契約金額が下落することを防止するよう努めてまいりますが、事業環境に変化が起こった場合や、競争力のあるサービスを維持できず、顧客ニーズに適切に対応できないことによって同業他社との競争が激化した場合等には、契約金額が下落し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 品質について

当社グループが提供する業務では、顧客の要求事項に基づき、受託ソフトウエアの開発、製品の設計・開発及び保守サービス等を行っておりますが、それらの品質管理を徹底し顧客に対する品質保証を行うとともに、顧客サービスの満足度の向上に努めております。また、引合い・見積り・受注段階からのプロジェクト管理の徹底、プロジェクトマネジメント力の強化に努め、不採算案件の発生防止にも努めております。

しかしながら、当社グループの提供するサービス等において、品質上のトラブルが発生した場合には、トラブル対応による追加コストの発生や損害賠償等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(3) 情報の漏洩に関するリスク

① 個人情報及び特定個人情報の管理について

当社グループでは、個人情報及び特定個人情報(以下、個人情報)の取扱いに関する基本方針を定め、個人情報の管理・取扱いには管理責任者を置き、個人情報の厳正な管理を行っております。また、当社においてプライバシーマークを取得しております。

しかしながら、万一個人情報が流出した場合には、損害賠償等が求められる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用を低下させ、事業活動に重大な影響を与える可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性もあります。

 

② 情報セキュリティについて

当社グループでは、業務上多数の顧客情報・製品開発情報等を取扱っております。これらの情報セキュリティ管理につきましては、物理的セキュリティの充実に加え、セキュリティポリシー、行動規範の従業員向け教育の実施、またこれらの運営・維持推進を組織的かつ継続的に取り組んでおります。

しかしながら、万一何らかの原因により情報システムの停止や顧客情報・製品開発情報等の秘密情報の外部への漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用の失墜、企業イメージの低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制及び訴訟に関するリスク

① 特定労働者派遣について

当社グループのエンジニアリング事業において行っている業務は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下、労働者派遣法)」で定められた「労働者派遣事業」に該当するものがあります。当社グループでは関係法令の遵守に努め労働者派遣事業を行っておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法令に違反した場合等には当該事業の停止を命じられ、労働者派遣事業が営めなくなるリスクがあります。また、新たに法規制の緩和や改正等が行われた場合、当社グループに不利な影響を及ぼすものであれば、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

なお、平成27年9月30日に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律」が施行されました。当社グループは本改正への対応は進めており、また本改正は、当社グル―プの事業に不利な影響を及ぼすものではないと認識しております。

 

② 製造物責任について

当社グループは、ISO9001(QMS)の認証を受けるなど、品質管理体制の整備を進め、安定した品質の確保に十分留意して製品の製造を行っております。また、当社グループ製品については、その性質特性上、直接、当社グループ製品が原因で人の生命、身体または財産を侵害する可能性は極めて低いと考えておりますが、当社グループ製品は他の製品への組込み等が想定されることから、製造物責任法の責任範囲について対応するため、生産物賠償責任保険に加入しております。

しかしながら、全ての製品について品質不良等が発生しない保証はなく、また、製品に対するリコール、苦情またはクレームが発生しない保証もないため、このような製品不良等に関わる事態が発生した場合には、当社グループの顧客に対する信用力が著しく低下する可能性があり、かつ想定を超える賠償責任額が発生し、当社グループに対する評価のみならず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権の侵害について

当社グループは、第三者が保有している知的財産権を侵害しないよう特に留意しており、現時点で侵害の事実はないと認識しております。しかし、故意によらず、第三者の特許等の知的財産が新たに登録された場合、また当社グループが認識していない特許等の知的財産が成立している場合、当該第三者から損害賠償または使用差止等の請求を受ける可能性、並びに当該特許等の知的財産に関する対価の支払い等が発生する可能性があります。このような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 一部の取引先への依存について

当社グループの売上高は、特定顧客への依存度が高く、当連結会計年度における売上高比率はキヤノングループが58.4%を占めており、経営の健全性確保の観点からキヤノングループへの売上の拡大を図りつつ、他社への売上をそれ以上に伸長させていくことによって依存度をより低減させることが、以後の安定した経営を進める上で非常に重要な経営課題であると認識しております。この経営課題への取り組みとして、新規優良取引先の開拓は必須であり、積極的に営業活動を推し進めております。また、M&Aの実施による顧客獲得も考慮し戦略的に顧客獲得に取り組んでまいりました。

しかしながら、キヤノングループへの売上高比率は依然として高く、キヤノングループの生産拠点の変更や開発体制の見直し等事業戦略の変更があった場合、新製品販売計画や開発計画などの変更があった場合、及び当社グループへの発注方針に変化があった場合には、取引が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新規事業の展開に関するリスク

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、ネット関連事業をはじめとする新規事業を推進しております。その中で、マーケットの分析やサービスの開発等に時間を要したり、必要な資源の獲得に予想以上のコストがかかるなど、必ずしも計画が順調に進行しない可能性があります。また、景気低迷による企業の設備投資抑制等の影響により、軌道に乗った事業展開ができるとは限らず、方針の変更や事業の見直し等の何らかの問題が発生する可能性もあり、収益獲得に至らず損失が発生する場合もあります。このような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 繰延税金資産について

現在の会計基準では、ある一定の状況において、今後実現すると見込まれる税金費用の減少を繰延税金資産として計上することが認められております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。

当社グループが、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) M&Aに係るリスク

当社グループは、事業範囲の拡大を目的とし、M&Aを積極的に行う方針であります。当社グループでは、企業買収や事業提携を行う際、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業についてデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、買収後に予期しない債務が発覚する可能性や、事業環境や競合状況の変化等により当社グループの事業計画に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 災害等の発生について

地震・暴風雨・洪水等の自然災害、火災・テロ・暴動・戦争等の人災が発生し、当社グループの従業員の勤務に大きな支障をきたした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの自社拠点及び常駐先顧客の事業所は関東地方に集中しており、当該地域において、事業活動の停止及び社会インフラの損壊や機能低下等につながるような、予想を超える事態が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

契約書名

契約期間

契約内容

当社

キヤノン
株式会社

労働者派遣基本契約書

平成9年1月1日契約締結最新契約:平成21年9月1日から1年自動更新

 

キヤノン株式会社に対して、特定派遣形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

当社

キヤノン
株式会社

開発業務委託基本契約書

平成8年12月1日契約締結最新契約:平成15年10月21日から1年自動更新

 

キヤノン株式会社に対して、業務請負形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

当社

ソニー
株式会社

人材派遣基本契約書

平成18年3月1日契約締結最新契約:平成19年10月1日から1年自動更新

 

ソニー株式会社に対して、特定派遣形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

当社

ソニー
株式会社

業務委託基本契約書

平成17年6月14日契約締結最新契約:平成17年6月14日から1年自動更新

 

ソニー株式会社に対して、業務請負形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

株式会社
コアード

 

株式会社
富士通システムズ・イースト

システムエンジニアリング業務基本契約書

平成11年7月5日契約締結
最新契約:平成16年2月23日から1年自動更新

株式会社富士通システムズ・イーストに対して、業務請負形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

この連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行わなければなりません。見積り特有の不確実性が存在するため、結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

当社グループの財政状態及び経営成績にとって重要であり、かつ、相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針について、以下のとおり説明いたします。

 

① 収益の認識

請負業務の売上高につきましては、請負作業が終了し納品・検収を受けた時点で収益を認識しております。 

派遣業務の売上高につきましては、毎月末に当月1日から月末までの技術者の取引先企業での役務提供に対応して収益を認識しております。

商品等の受け渡しのみで完了する売上高につきましては、出荷をした時点で収益を認識しております。

なお、受注制作のソフトウエアにつきましては、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については進行基準(案件の進捗率の見積りは原価比例法)により収益を認識しております。

② 貸倒引当金(債権の回収可能性)

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等により、また、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。取引先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合には、引当金を計上する必要が生じ、損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 繰延税金資産

当社グループは、企業会計上の収益または費用と、課税所得計算上の益金または損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債と課税所得計算上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表上に繰延税金資産を計上しております。当社グループの将来的な業績予想を検討して十分回収可能性があると考えておりますが、状況によっては繰延税金資産の全額または一部を取崩す必要が生じる可能性があります。

④ 役員退職慰労引当金

当社グループは、役員及び執行役員の退職慰労金の支出に備えて、役員退職慰労金内規に基づき役員及び執行役員の在任期間に対応する役員退職慰労引当金を計上しております。

⑤ 賞与引当金

当社グループは、従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額のうち当連結会計年度負担分を計上しております。

⑥ 受注損失引当金

  当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計期間末における受注のうち発生する原価の見積額が受注額を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を計上しております。

 

(2) 財政状態の分析

  当連結会計年度末における資産合計額は3,798百万円(前連結会計年度末比241百万円増)、負債合計額は1,043百万円(同4百万円増)、純資産合計額は2,755百万円(同236百万円増)となりました。

(流動資産)

  当連結会計年度末における流動資産の残高は2,933百万円となり、前連結会計年度末に比べ51百万円減少となりました。これは主に、現金及び預金1,503百万円(前連結会計年度末比279百万円減)、受取手形及び売掛金1,012百万円(同137百万円増)、仕掛品242百万円(同88百万円増)によるものであります。

(固定資産)

  当連結会計年度末における固定資産の残高は865百万円となり、前連結会計年度末に比べ292百万円増加となりました。これは主に、有形固定資産578百万円(前連結会計年度末比409百万円増)、無形固定資産131百万円(同93百万円増)、投資その他の資産156百万円(同210百万円減)によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は848百万円となり、前連結会計年度末に比べ11百万円減少となりました。これは主に、賞与引当金207百万円(前連結会計年度末比28百万円増)、未払金177百万円(同21百万円減)、未払消費税等130百万円(同91百万円減)によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は194百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円増加となりました。これは主に、役員退職慰労引当金50百万円(前連結会計年度末比127百万円減)によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は2,755百万円となり、前連結会計年度末に比べ236百万円増加となりました。これは主に、利益剰余金2,422百万円(前連結会計年度末比236百万円増)によるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

従来の組込み系の開発案件はもとより、業務系、WEB系のシステム及びソフトウエア開発、インターネットを活用した各種サービスの開発に関しましても堅調に受注いたしました。その結果、当連結会計年度における売上高は7,717百万円前年同期比11.5%増)となりました。

(売上総利益)

売上高の増加、グループ間の情報共有徹底による効率的なアサインを実施したこと等により、労務費等の製造原価の増加を吸収いたしました。その結果、当連結会計年度における売上総利益は1,614百万円同11.8%増)となりました。

 

(営業利益)

積極的な採用による新卒エンジニアの人件費及びその教育にかかる費用等により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。一方で、システム部門との連携を深めることにより継続的にコスト削減を推し進めてまいりました。その結果、当連結会計年度における営業利益は610百万円同10.7%増)となりました。

(経常利益)

有価証券利息及び団体保険の配当金等により、営業外収益が14百万円となりました。また、支払利息及び投資有価証券売却損等の営業外費用が発生し、営業外費用は3百万円となりました。その結果、当連結会計年度における経常利益は621百万円同10.8%増)となりました。

(当期純利益)

法人税等の計上により、当連結会計年度における当期純利益は391百万円同17.5%増)となりました。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

  現在の主力取引先であるキヤノン株式会社を中心とするキヤノングループ並びにソニー株式会社を中心とするソニーグループとの取引については、非常に良好な関係にあります。しかし、両社グループに対する売上高は、当社グループ売上高全体の69.2%を占めており、両社との取引状況及び関係等が悪化した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

  当社グループではこれらの状況を踏まえ、事業における基本戦略として、組込みソフト開発に注力した活動を行う一方、昨今の市場環境等を鑑みまして、業務系及びWeb系のソフトウエア開発にも注力してまいります。

  組込みソフトの分野では、要求される技術レベルが高いため、価格競争になる可能性が低く、競争力を維持できる状態での事業展開が可能と考えております。業務系及びWeb系の分野では、SEの質を高めるための教育を実施し、技術スキルのみでなく、提案力、コミュニケーション能力、営業力の向上を図ってまいります。また、そのスピードを上げるためのM&Aも積極的に実施してまいります。

これらの基本戦略を基に、競争力をベースとした事業展開を継続してまいります。

 

(5) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」の項をご参照ください。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

財務面につきまして、利益の増加によるキャッシュ・フローの増加と、それによる資本充実を念頭に経営を行っております。当社グループ経営陣は更なる流動比率の向上と、流動資産中の現預金の増加を目指しており、より余力のある、安定した経営を行っていく次第です。その施策としては、プロジェクト単位での予実管理の徹底、各種教育プログラムによる技術力の向上、社内啓発によるコンプライアンス意識の向上、蓄積されたノウハウの再利用による作業効率化を実施することにより、更なる収益性を担保してまいります。

IT業界におきましては、顧客ニーズの多様化や市場のグローバル化等により同業他社との競争は更に厳しくなると予想されます。当社グループでは、競争力のある人材の育成を進めるとともに、活発な新規顧客獲得の営業活動を進めることにより、売上高の増加及び利益率の向上を図ってまいります。また、昨今の市場動向やニーズ等を鑑みまして、業務系及びWeb系のソフトウエア開発にも注力してまいります。

当社グループは「技術で社会に貢献する」を経営方針とし、株主・顧客・従業員等、すべてのステークホルダーの期待と信頼に応えるべく、経営資源の最適な配置と効率的な投入により企業価値の最大化に注力してまいります。