第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「技術で社会に貢献する」を基本理念に掲げ、かつ「企業にとって、最大の資源は人材である」との考えをもとに「人」を根幹に据えた事業戦略を進めてまいりました。

また、高い意識と技術をもつ人材が充実した環境で働くことが、価値あるテクノロジーを生み出す近道だと考え、仕事とプライベートのバランスを大切にする社風の構築にも力を注いでまいりました。その結果として、優れた人材集団の形成ができ、顧客からも高い評価を頂くに至っております。この考え方を基本に、今後も事業拡大を推し進めるためには、一層の「人」への投資(教育・研修)と技術力の向上を図っていくことが必要であります。当社グループといたしましては、顧客の求める、以下に記載の「高・守・即」を実践しております。

    高  高信頼・高技術・高品質・高性能・高意欲・高知識・高効率
    守  守納期・守環境・守機密・守法令
    即  即対応

当社グループは、より多くの顧客満足を得る企業となり、更なる技術力や利益の向上を図ってまいります。さらに、ボランティア等の社会貢献を実践し、全てのステークホルダーに愛される企業・貢献できる企業となるべく成長し、企業価値を最大限に高めていく所存であります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループでは、会社が継続的に成長を実現するためには、既存事業でより高い成長性を確保し、人材採用や教育、更にM&Aや新規事業への投資を行うことが重要であると考えております。これらを実現するため、売上高を増加させるとともに、適正な利益を確保することを目標としております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

当連結会計年度(2024年3月1日~2025年2月28日)におけるわが国経済は、堅調な企業業績及び雇用・所得環境の改善の下で、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の経済政策の不確実性や中国経済の先行き不安、さらには物価上昇、中東情勢、金融資本市場の変動などにより、依然として先行きは下振れリスクを伴った不透明な状況であります。

当社グループが属するIT業界におきましては、ソフトウエア投資が増加しており、企業収益の改善等を背景に、今後もITへの投資は堅調に推移することが期待されます。

このような環境の下、当社グループにつきましては、顧客企業におけるエンジニアに対するニーズと競合他社との差別化の観点から、支援する技術品質の安定的な向上とともに、以下の3点を重要課題として取り組んでまいります。

 

① 新事業領域の開拓

ITサービスに対する顧客ニーズは多様化・高度化し、常に成長分野が変化しております。企業競争力を向上するためにも、新たなサービスやソリューションを創出することが重要であるとの認識のもと、新たな付加価値を提供する新規事業の創出を図るとともに、技術革新へ適応した新規サービスの創出を図ってまいります。まずは、中期経営計画でターゲットとしているAI関連事業に関しまして、開発技術者の教育による技術力の向上のみならず、営業担当者の知見の深耕、顧客および外部との共創も含め、領域拡大に努めてまいります。

 

 

② 優秀な人材の確保及び育成

取引先のニーズに対して、最適なサービスを提供するためには、優秀なエンジニアの確保及び育成が、重要な課題であると認識しております。

このため、エンジニアの採用面において「人」を最重視した方針を掲げ、技術スキルのみに偏った採用に陥らず、人間性重視の採用戦略を推し進めております。

採用後は、新卒エンジニアに対して、社会人として常識のある行動の教育と、集中的な技術基礎教育を行い、その後、OJTを通じて実践的な技術力を磨いております。エンジニアとして一定のスキルが身についてからも、各種育成プログラムにより、継続してスキルアップが可能な場を提供し、優秀なエンジニアの育成を行っております。

 

③ 業務効率化による利益率向上への取り組み

利益率向上への取り組みとして、業務効率化は不可欠であると認識しております。その実現には、スケジュール策定・工数見積・要員計画といったプロジェクト管理のスキルの高いリーダーが必要となります。

当社グループでは、技術およびマネジメントの教育に加えて、実際のプロジェクト運営の経験を数多く積ませることで、優秀なプロジェクトリーダー・マネージャーの育成を行い、中長期的な利益率の向上に取り組んでおります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

当社グループは、「技術で社会に貢献する」というミッションのもと、豊かで夢のある社会づくりに貢献することで、当社グループ事業の持続可能性(サステナビリティ)を高め、企業価値を高めるものと考えています。

特に、当社グループの社員を対象にした人的資本の向上に係る取組みは、IT基盤の安定的な稼働を保証するだけでなく、単に事業上のリスク管理の枠を超えて、製品やサービスの品質向上にも大きな効果が期待できます。当社グループのエンジニアがもつ技術と知見を最大限に活用して、それを成長させることが当社グループ事業の継続性と成長性に最も重要な要素になります。当社グループは、エンジニアの挑戦を支援し、「エンジニアがわくわくできる会社」日本一を目指すべく、様々な取組みを進めております。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりの体制で企業活動を行っております。当社グループはパブリックカンパニーとしての社会的責任を自覚するとともに、長期安定的な株主価値の向上を経営の最重要課題として位置付けており、関連法規及び社内規則を遵守する企業倫理を確立し、経営の透明性・効率性・健全性を高めてまいります。

当社グループでの経営監視の仕組みとして、代表取締役直轄の内部監査室を設置し役職員の職務執行を監視する体制をとっております。また、経営の健全性・透明性を高めるために、コンプライアンス委員会を設置するとともに、コンプライアンス・ガイドラインを制定し、役職員に対する研修・周知徹底に努めております。

これらの施策・体制を取ることにより、当社グループといたしましては、コーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。

 

 

(2)戦略

人材の確保及び育成に関しましては、年齢・性別・国籍を問わず、幅広く採用活動を行い、人材に対する積極的な投資を進めております。また、個々の能力に応じた適切な登用と処遇を行い、社員の育成に力を入れつつ、個々の才能を生かした組織の強化を図っております。さらに、半期ごとの評価制度を通じて、スキル向上とキャリアパス支援を行い、一人ひとりが自己実現を果たせるよう取り組んでおります。

社内環境整備に関しましては、従業員の最大限のパフォーマンス実現を目指し、生産性の高い快適なオフィス環境を整えております。在宅勤務、オフィス勤務問わず効率的に業務を遂行し、円滑なコミュニケーションが行えるような施策を展開しております。社内研修を積極的に推進し、互いに触発しあえる環境の中で、イノベーションを促進する文化を目指しております。また、当社グループは勤務体系の多様化により社員のワークライフバランスを支援し、長期的なキャリア構築を促しております。具体的にはフレックスタイム制などの柔軟な勤務制度も導入するなどし、各ライフステージに応じた働き方を可能にしております。

 

(3)リスク管理

当社グループのコンプライアンス及びリスク管理につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであり、必要に応じて、専門家の助言・指導を受けております。

 

(4)指標及び目標

人材の確保及び社内環境について、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりの体制で労働条件等の整備の検討を行っておりますが、指標等の設定を行っておりません。今後においては、適切な指標を設定し、その進捗管理に努めることで人材の確保・育成、社内環境整備についての改善に取り組むことを目指してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

以下においては、当社グループの事業展開上における現在の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しており、併せて必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。また、以下の記載は本株式の投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループでは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重にご検討ください。

 

(1)人材の確保に関するリスク

① 優秀な人材の確保及び育成について

エンジニアリング事業において顧客のニーズに的確に対応するためには、関連する技術・技能を有した多くの優秀な人材を常時確保しておく必要があります。また、それ以上に顧客との関係の向上が重要であると考えております。当社グループは、これらの達成の為に、要員計画に基づき、新卒、経験者の採用を行うとともに従業員に対する技術教育の実施や健康管理の推進に努めております。

しかしながら、今後、事業を拡大していくにあたり、これら事業の推進に必要な人材を適切に確保・育成できない場合等には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 労務費の増加について

当社グループの原価の大部分は労務費であります。労務費の増加は、売上高の増加により吸収可能と考えておりますが、契約金額に転嫁できなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)エンジニアリング事業の変動要因に関するリスク

① 契約金額の下落について

当社グループが顧客と締結する契約金額は、地域及び顧客企業の業種、景気動向や同業他社との競争、技術革新のスピードへの対応度合い等に左右されます。当社グループは、今後とも既存取引先のニーズに対応し、安定した取引の継続を図るとともに、新規顧客の獲得に努める中で、当社グループの契約金額が下落することを防止するよう努めてまいりますが、事業環境に変化が起こった場合や、競争力のあるサービスを維持できず、顧客ニーズに適切に対応できないことによって同業他社との競争が激化した場合等には、契約金額が下落し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 品質について

当社グループが提供する業務では、顧客の要求事項に基づき、受託ソフトウエアの開発、製品の設計・開発及び保守サービス等を行っておりますが、それらの品質管理を徹底し顧客に対する品質保証を行うとともに、顧客サービスの満足度の向上に努めております。また、引合い・見積り・受注段階からのプロジェクト管理の徹底、プロジェクトマネジメント力の強化に努め、不採算案件の発生防止にも努めております。

しかしながら、当社グループの提供するサービス等において、品質上のトラブルが発生した場合には、トラブル対応による追加コストの発生や損害賠償等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(3)情報の漏洩に関するリスク

① 個人情報及び特定個人情報の管理について

当社グループでは、個人情報及び特定個人情報(以下、個人情報)の取扱いに関する基本方針を定め、個人情報の管理・取扱いには管理責任者を置き、個人情報の厳正な管理を行っております。また、当社においてプライバシーマークを取得しております。

しかしながら、万一個人情報が流出した場合には、損害賠償等が求められる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用を低下させ、事業活動に重大な影響を与える可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性もあります。

 

② 情報セキュリティについて

当社グループでは、業務上多数の顧客情報・製品開発情報等を取扱っております。これらの情報セキュリティ管理につきましては、物理的セキュリティの充実に加え、セキュリティポリシー、行動規範の従業員向け教育の実施、またこれらの運営・維持推進を組織的かつ継続的に取り組んでおります。また、当社グループでは、生成系AIの活用は業務効率化や価値創出の観点から重要であると認識しております。一方で、その利用にあたっては、適切なリスク管理が不可欠であると考えており、社内においては利用方針を定め、全社員への周知および啓発活動を通じて、適切な利用の促進に努めております。

しかしながら、万一何らかの原因により情報システムの停止や顧客情報・製品開発情報等の秘密情報の外部への漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用の失墜、企業イメージの低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制及び訴訟に関するリスク

① 労働者派遣事業について

当社グループのエンジニアリング事業において行っている業務は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び労働派遣者の保護等に関する法律(以下、労働者派遣法)」で定められた「労働者派遣事業」に該当するものがあります。当社グループでは関係法令の遵守に努め労働者派遣事業を行っておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法令に違反した場合等には当該事業の停止を命じられ、労働者派遣事業が営めなくなるリスクがあります。また、新たに法規制の緩和や改正等が行われた場合、当社グループに不利な影響を及ぼすものであれば、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 製造物責任について

当社グループは、ISO9001(QMS)の認証を受けるなど、品質管理体制の整備を進め、安定した品質の確保に十分留意して製品の製造を行っております。また、当社グループ製品については、その性質特性上、直接、当社グループ製品が原因で人の生命、身体または財産を侵害する可能性は極めて低いと考えておりますが、当社グループ製品は他の製品への組込み等が想定されることから、製造物責任法の責任範囲について対応するため、生産物賠償責任保険に加入しております。

しかしながら、全ての製品について品質不良等が発生しない保証はなく、また、製品に対するリコール、苦情またはクレームが発生しない保証もないため、このような製品不良等に関わる事態が発生した場合には、当社グループの顧客に対する信用力が著しく低下する可能性があり、かつ想定を超える賠償責任額が発生し、当社グループに対する評価のみならず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権の侵害について

当社グループは、第三者が保有している知的財産権を侵害しないよう特に留意しており、現時点で侵害の事実はないと認識しております。しかし、故意によらず、第三者の特許等の知的財産が新たに登録された場合、また当社グループが認識していない特許等の知的財産が成立している場合、当該第三者から損害賠償または使用差止等の請求を受ける可能性、並びに当該特許等の知的財産に関する対価の支払い等が発生する可能性があります。このような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(5)新規事業の展開に関するリスク

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、AIに関連する事業を推進しており、サービスの充実、積極的な営業活動を行っております。その中で、マーケットの分析やサービスの開発等に時間を要したり、必要な資源の獲得に予想以上のコストがかかったりするなど、必ずしも計画が順調に進行しない可能性があります。また、景気低迷による企業の設備投資抑制等の影響により、軌道に乗った事業展開ができるとは限らず、方針の変更や事業の見直し等の何らかの問題が発生する可能性もあり、収益獲得に至らず損失が発生する場合もあります。このような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

 

(6)繰延税金資産について

現在の会計基準では、ある一定の状況において、今後実現すると見込まれる税金費用の減少を繰延税金資産として計上することが認められております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。

当社グループが、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)M&A等に係るリスク

当社グループは、事業範囲の拡大を目的とし、M&A等を積極的に行う方針であります。当社グループでは、企業買収や事業提携を行う際、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業についてデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、買収や事業提携後に予期しない債務が発覚する可能性や、事業環境や競合状況の変化等により当社グループの事業計画に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)災害等の発生について

地震・暴風雨・洪水等の自然災害、火災・テロ・暴動・戦争等の人災が発生し、当社グループの従業員の勤務に大きな支障をきたした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの自社拠点及び常駐先顧客の事業所は関東地方に集中しており、当該地域において、事業活動の停止及び社会インフラの損壊や機能低下等につながるような、予想を超える事態が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という)の状況の概要は次のとおりです。

 

財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2024年3月1日~2025年2月28日)におけるわが国経済は、堅調な企業業績及び雇用・所得環境の改善の下で、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の経済政策の不確実性や中国経済の先行き不安、さらには物価上昇、中東情勢、金融資本市場の変動などにより、依然として先行きは下振れリスクを伴った不透明な状況が続いております。

当社グループが属するIT業界におきましては、企業の堅調な業績を背景にソフトウエア投資が継続しており、今後もITへの投資は堅調に推移することが期待されます。また、当社グループの主要顧客である大手製造業各社では、一部企業においては先行き不透明な世界的な景況感の中、投資判断に慎重な姿勢も見受けられますが、全般には競争優位に向けた研究開発投資を維持していることから、当社グループに対するニーズも堅調に推移しました。

このような経営環境の下、当社グループは中長期的な成長を見据えた優秀な人材の確保・技術力の強化に取り組み、積極的な採用活動の継続とともにプロジェクトマネージャーとDXが推進できる技術者の育成に努めてまいりました。また、高水準の稼働率維持と一括受託案件獲得の強化ならびに契約単価の改定等の施策にも取り組んでまいりました。

当連結会計年度においては、主力であるWEB/アプリケーション及び業務系システム開発分野は、期初に継続を見込んでいた業務委託案件の一部が終了して稼働が一時低下しましたが、新規案件の獲得並びに新規顧客の開拓を進めたことや内製化を促進したことによって挽回し、売上高は前年比約7%伸長しました。組込み分野は物流システム関連の受注増により売上高が前年比約4%増となり、前年度の品質対応から回復しております。その他、開発支援分野においてマニュアル制作業務の需要が増加し、売上高が前年比約8%増となりました。

今後も引き続き、営業力と利益体質の強化に努めてまいります。

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、2024年9月11日に公表いたしました「連結子会社における固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ」のとおり、連結子会社であるアンドールシステムサポート株式会社が保有する固定資産の譲渡が完了し、譲渡益 225百万円を特別利益に計上しております。

一方、2025年4月11日に公表いたしました「特別損失(投資有価証券評価損)の計上に関するお知らせ」のとおり、当社が保有する投資有価証券の一部について、実質価額が取得価額と比較して著しく下落したため減損処理による投資有価証券評価損 178百万円を特別損失に計上しております。

以上の結果、当社グループの売上高は8,682百万円前年同期比6.3%増)、営業利益は612百万円同8.8%減)、経常利益は645百万円同6.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は432百万円同15.8%減)となりました。

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して582百万円増加し、5,681百万円となりました。主な要因としては、現金及び預金の増加855百万円、有形固定資産の減少291百万円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比較して410百万円増加し、1,344百万円となりました。主な要因としては、未払金の増加82百万円、未払法人税等の増加246百万円によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比較して172百万円増加し、4,336百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金の増加172百万円によるものであります。

なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ855百万円増加3,801百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、844百万円(前連結会計年度に得られた資金は95百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益692百万円、未払金の増減額81百万円、未払消費税等の増減額60百万円などの資金増加要因が、法人税等の支払額80百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、270百万円(前連結会計年度に使用した資金は17百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入514百万円などの資金増加要因が、有形固定資産の取得による支出18百万円、投資有価証券の取得による支出202百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、259百万円(前連結会計年度に使用した資金は258百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額259百万円によるものであります。

 

(2)生産、受注及び販売の状況

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

生産実績においては、当社グループの業務形態上、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりであります。

事業部門別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

エンジニアリング事業

2,904,549

+7.2

595,586

+6.0

 

(注) 業務請負形態の業務委託契約及び派遣形態は、サービスの提供量に応じて対価を得るため受注実績には記載しておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

事業部門別

販売高(千円)

前年同期比(%)

エンジニアリング事業

8,682,548

+6.3

 

(注) 1 当社及び連結子会社は、エンジニアリング事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ソニー株式会社

1,246,539

15.3

1,342,005

15.5

富士通株式会社

1,023,891

12.5

1,168,602

13.5

 

 

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a 財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計額は5,681百万円(前連結会計年度末比582百万円増)、負債合計額は1,344百万円(同410百万円増)、純資産合計額は4,336百万円(同172百万円増)となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は5,151百万円となり、前連結会計年度末に比べ794百万円増となりました。これは主に、現金及び預金3,501百万円(前連結会計年度末比855百万円増)、受取手形、売掛金及び契約資産1,217百万円(同22百万円増)によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は529百万円となり、前連結会計年度末に比べ211百万円減となりました。これは、有形固定資産166百万円(前連結会計年度末比291百万円減)、無形固定資産1百万円(同2百万円減)、投資その他の資産361百万円(同82百万円増)によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は1,225百万円となり、前連結会計年度末に比べ429百万円増となりました。これは主に、未払金337百万円(前連結会計年度末比82百万円増)、未払消費税等169百万円(同60百万円増)、未払法人税等267百万円(同246百万円増)によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は118百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円減となりました。これは主に、役員退職慰労引当金64百万円(前連結会計年度末比7百万円減)、その他34百万円(同10百万円減)によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は4,336百万円となり、前連結会計年度末に比べ172百万円増となりました。これは主に、利益剰余金4,330百万円(前連結会計年度末比172百万円増)によるものであります。

 

b 経営成績の分析

(売上高)

主力であるWEB/アプリケーション及び業務系システム開発分野は、期初に継続を見込んでいた業務委託案件の一部が終了して稼働が一時低下しましたが、新規案件の獲得並びに新規顧客の開拓を進めたことや内製化を促進したことによって挽回し、売上高は前年比約7%伸長しました。組込み分野は物流システム関連の受注増により売上高が前年比約4%増となり、前年度の品質対応から回復しております。その他、開発支援分野においてマニュアル制作業務の需要が増加し、売上高が前年比約8%増となりました。その結果、当連結会計年度における売上高は8,682百万円前年同期比6.3%増)となりました。

(売上総利益)

グループ全体で内製化の促進と稼働及び生産性の向上に努めました。その一方で、WEB/アプリケーション及び組込み分野は、新規顧客獲得にあたって利益率が低いプロジェクトが増加したことを主要因に売上総利益が伸び悩みました。その結果、当連結会計年度における売上総利益は1,653百万円同2.4%増)となりました。

(営業利益)

連結子会社であるアンドールシステムサポート株式会社の本社移転に係る諸経費をはじめ、一時的な要因で販売費及び一般管理費が増加しました。その結果、当連結会計年度における営業利益は612百万円同8.8%減)となりました。

(経常利益)

保険配当金や助成金の収入などにより、営業外収益が37百万円となりました。その結果、当連結会計年度における経常利益は645百万円同6.6%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

連結子会社であるアンドールシステムサポート株式会社が保有する固定資産を譲渡し、譲渡益225百万円を特別利益に計上しました。

一方、当社が保有する投資有価証券の一部について、投資先企業の事業計画及び直近の業績推移等を精査して実質価額を評価した結果、取得価額と比較して著しく下落したため減損処理による投資有価証券評価損178百万円を特別損失に計上しました。

その他、法人税等の計上により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は432百万円同15.8%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの資金需要のうち主なものは、労務費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当し、投資が必要な場合には状況に応じて金融機関からの調達を行うこととしております。

なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動によるキャッシュ・フローの水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

契約書名

契約期間

契約内容

当社

ソニー
株式会社

人材派遣基本契約書

2021年7月1日契約締結
最新契約:2021年7月1日から1年自動更新

ソニー株式会社に対して、派遣形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

当社

ソニーグループ株式会社

人材派遣基本契約書

2006年3月1日契約締結
最新契約:2021年7月1日から1年自動更新

ソニーグループ株式会社に対して、派遣形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

当社

ソニーグループ株式会社

業務委託基本契約書

2005年6月14日契約締結
最新契約:2005年6月14日から1年自動更新

ソニーグループ株式会社に対して、業務請負形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

株式会社
コアード

 

富士通
株式会社

システムエンジニアリング業務基本契約書

2005年4月1日契約締結
最新契約:2017年8月1日から1年自動更新

富士通株式会社に対して、業務請負形態によるサービスの提供を行うための基本契約書

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。