当連結会計年度におけるわが国経済は、金融緩和をはじめとした各種政策の効果などを背景に円安株高が進行し、設備投資の増加や企業収益が徐々に改善されるなど一部に明るい兆しが見え始めました。一方で、個人消費においては、雇用および個人所得の改善を背景に緩やかな回復基調が持続しているものの、新興国経済の先行き不安とともに経済環境は不透明な状況が続きました。
当社グループが事業展開しているインターネット市場は、拡大と発展を続けており、とりわけEC関連市場におけるサービス競争は激化しております。特に、急速に普及したスマートフォンによってインターネットの利用シーンが大幅に増えたことや、ショッピングカートASPサービスの低価格化により、個人が今まで以上に容易にネットショップを開設しやすくなっております。また、CtoC(一般消費者間で行われる電子商取引)分野の成長も著しく、EC総利用人口は今後も増加基調が続くと予想されます。
このような状況の下、当社グループは、レンタルサーバー、ショッピングカートASPサービス、ハンドメイドマーケットといった個人の表現活動の発信を支援するため、企業理念「もっとおもしろくできる」を掲げ、様々なインターネットサービスの事業展開を行ってまいりました。
主力のストック事業につきましては、Web広告及び各種キャンペーンを積極的に展開し、新規顧客の獲得を図りました。また、顧客満足度や利便性の向上につながる施策を実施し、継続率の向上を図ったことから、契約件数は堅調に推移いたしました。
さらに、CtoCハンドメイドマーケット「minne」においては、積極的な戦略投資を継続して行ったことから、流通額が大きく伸長いたしました。なお、同サービスにつきましては、継続的に各種広告を展開していることに加え、平成27年9月7日に追加投資を決議し、さらなる広告強化を図ったことから、広告宣伝費1,525,345千円を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高5,697,805千円(前年同期比25.7%増)、営業損失621,337千円(前年同期間は営業利益724,413千円)、経常損失597,520千円(前年同期間は経常利益742,783千円)、当期純損失797,754千円(前年同期間は当期純利益410,443千円)となりました。
(セグメント別の状況)
① ホスティング事業
ホスティング事業については、レンタルサーバーに係る各サービスにおいてプランの拡充や様々なキャンペーンを継続して展開し、新規顧客の獲得を図りつつ、機能及び操作性向上、セキュリティの強化などを行ったことにより、当連結会計年度末のレンタルサーバー契約件数は423,000件(前年同期末比13,000件増)となりました。また、レンタルサーバーをはじめとするその他の関連サービスでの契約件数が順調に増加したことから、ドメインサービスも堅調に推移し、登録ドメイン数は1,058,000件(前年同期末比108,000件増)となりました。
この結果、当連結会計年度におけるホスティング事業の売上高は3,488,912千円(前年同期比12.9%増)、セグメント利益は1,045,058千円(前年同期比11.5%増)となりました。
② EC支援事業
EC支援事業については、「カラーミーショップ」において上期を中心に積極的な広告やキャンペーンなどによる新規顧客の獲得を図るとともに、ネットショップ運営の支援・啓蒙活動として電話サポートをはじめ、日本各地でのECセミナーの開催など直接的なアプローチを行ったことにより、当連結会計年度末の「カラーミーショップ」契約件数は44,200件(前年同期末比1,800件増)となりました。
また前述のとおり、「minne」への積極的な戦略投資を行ったことから、サービスの認知度およびアプリのダウンロード数が順調に増加し、流通額が好調に推移いたしました。
この結果、当連結会計年度におけるEC支援事業の売上高は1,803,943千円(前年同期比54.4%増)、セグメント損失は957,760千円(前年同期間はセグメント利益341,340千円)となりました。
③ コミュニティ事業
コミュニティ事業は、無料ブログサービス「JUGEM」において、スマートフォンユーザーに向けた利便性向上などを図った結果、無料会員数が堅調に増加しております。また、広告売上の拡大を図るとともに運用の効率化を継続的に行い、利益の最大化を図りました。
この結果、当連結会計年度におけるコミュニティ事業の売上高は277,280千円(前年同期比1.1%増)、セグメント利益は89,185千円(前年同期比13.8%増)となりました。
④ その他
平成26年11月にサービスの提供を開始した「PEPABO WiMAX」が順調に契約件数を伸ばしていることから、当連結会計年度における売上高は127,668千円、セグメント損失は22,512千円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ551,627千円減少し、1,556,777千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は503,160千円(前年同期間は1,033,396千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失753,702千円、売上債権の増加額566,727千円による減少の一方で、未払金の増加額732,757千円による増加の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果得られた資金は279,574千円(前年同期間は201,671千円の支出)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入700,000千円による増加の一方で、有形固定資産の取得による支出263,871千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出101,727千円による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は328,041千円(前年同期比75,887千円の支出増)となりました。これは、配当金の支払額180,339千円、自己株式の取得による支出147,701千円による減少の結果であります。
当社グループは、インターネットを利用したホスティング事業、EC支援事業、コミュニティ事業に加えて、その他の事業の提供を行っており、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループでは概ね受注から役務提供開始までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) | |
販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
ホスティング事業 | 3,488,912 | +12.9 |
EC支援事業 | 1,803,943 | +54.4 |
コミュニティ事業 | 277,280 | +1.1 |
その他 | 127,668 | - |
合計 | 5,697,805 | +25.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループでは前身となる合資会社マダメ企画の設立以来、「ロリポップ!」をはじめとするホスティング事業を中心に事業を展開してまいりました。収益基盤の多角化を目的に平成16年1月「Color Me Shop! mini」でEC支援事業に、また、同年2月「JUGEM」でコミュニティ事業に進出しております。ホスティング事業とあわせた3つの事業ドメインを確固たるものとするために「インターネットで可能性をつなげる、ひろげる」というミッションの下、既存事業の基盤強化と更なる新規事業の展開をすべく、人材育成や組織体制の整備に力を注いでまいります。
(1) 既存事業の基盤強化
ホスティング事業においては、当社サービス開始当初と比べ競合サービスも増加しており、更なる競争力強化のために、プランの拡充や機能強化などを図り、新たな顧客層の取り込みに注力してまいります。EC支援事業では、引き続き集客力の強化と流通額の拡大を図ってまいります。コミュニティ事業では、メディアとしての価値向上を目標に掲げ、広告収入による収益強化を図るとともに、運用効率を上げ、利益の最大化に取り組んでまいります。
(2) 既存サービスに対する継続的な機能追加と新規サービスの投入
これまでも「ロリポップ!」や「カラーミーショップ」において、ユーザーからの要望に基づいて継続的に新しい機能を追加することによって競争優位性を保ってまいりました。今後も他社との競争激化が予想される中、ユーザビリティの向上やデザインのリニューアル等も含めた継続的な改善サイクルを定着させてまいります。また、新しい顧客層の開拓を目指し、新たな成長ドライバーとなるサービスを継続的に開発、投入してまいります。
(3) 人材の育成及び確保
当社グループの属するインターネットサービス市場においては、特にエンジニアの人材流動性が高く、優秀な人材を確保し、またその能力が発揮されるかが最大の重要事項といえます。当社グループでは「P-1グランプリ(社内のサービス企画プレゼン大会)」や「お産合宿(開発合宿)」等の制度を活用し、アイデアの具現化のために自由度の高い環境を提供しているほか、従業員同士及び他社との情報交換やスキル向上を目的とした勉強会の開催を奨励しております。
また、エンジニアについては、管理職とは別に技術職を対象とした制度を設け、能力に応じて待遇が変わるエンジニア職位制度を導入し、モチベーションの向上、当社グループ全体の技術力の底上げを図っております。こうした方法で優秀な人材を確保し、知識や経験を共有することで技術の変化をいち早くキャッチアップし、さらには先んじることが可能になると考えております。
(4) 組織体制の整備
当社グループは、既存事業の堅実な拡大とそれを基盤とした積極的な新規事業への投資を行いながら継続的な企業価値向上を図るため、組織体制についても適宜改善を行い、規模や状況に応じた体制構築を行ってまいります。
以下において、本書提出日現在における当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
(1)GMOインターネットグループとの関係について
当社グループは親会社であるGMOインターネット株式会社を中心とした企業集団(以下、GMOインターネットグループ)に属しており、同社は当社の議決権の65.1%(うち2.1%は間接保有)を保有しております。当社グループは独立性、自主性に基づき企業運営を行っておりますが、GMOインターネットグループの当社に対する基本方針等に変更が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(GMOインターネットグループとの取引)
GMOインターネットグループとの取引については、取引条件の経済合理性を保つため定期的に契約の見直しを行っており、今後発生する取引等につきましても、市場原理に基づいて取引の是非を判断してまいります。しかしながら、GMOインターネットグループの当社グループに対する取引方針や条件等に大きな変更が生じた場合や、取引が困難となった際の代替事業者の確保に時間を要した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(GMOインターネットグループとの人的関係について)
本書提出日現在における当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名のうち、取締役会長である熊谷正寿、取締役である西山裕之、伊藤正及び安田昌史は、それぞれGMOインターネット株式会社の代表取締役会長兼社長グループ代表、取締役副社長グループ代表補佐グループEC支援部門統括兼グループ人財開発統括、専務取締役グループインフラ部門統括兼事業本部長、取締役副社長グループ代表補佐グループ管理部門統括でありますが、その豊富な経験をもとに当社の事業に関する助言を得ることを目的として招聘しております。また、当社代表取締役社長である佐藤健太郎は、GMOインターネット株式会社の取締役であります。
さらに、監査等委員である取締役浜谷正俊は、GMOインターネットグループであるGMOリサーチ株式会社の社外監査役でありますが、その豊富な経験をもとに当社の事業に関する助言を得ることを目的として招聘しております。
(GMOインターネットグループとの事業の棲み分けについて)
GMOインターネットグループの主な事業は、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット証券事業、モバイルエンターテイメント事業及びインキュベーション事業です。
その中で、グループ企業数社と当社グループにおきましては、サービス形態が一部類似しておりますが、当社グループは主に個人の創作活動や趣味を通じた自己表現やコミュニケーションツールとしての利用、また、個人事業主、小規模法人など低価格でのビジネスニーズに対して提供しているのに対し、当社グループ以外のGMOインターネットグループ企業は、法人をターゲットにインターネットを通じたビジネス展開や企業情報の発信のための高性能で多機能なサービスを提供しており、ターゲット・価格帯・基本性能が異なることから、事業の棲み分けがなされております。
(ブランドに対するリスク)
GMOインターネットグループにおいて業務遂行上の第三者とのトラブル、役職員による不正行為の発覚、事実と異なる風評報道などがあった場合には、当社グループを含むGMOインターネットグループの信用が毀損され、企業イメージの悪化などにより、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)事業内容について
(特定事業への依存リスク)
当社グループの主力事業はホスティング事業であり、その売上高の構成比は当連結会計年度で61.2%となっております。今後はEC支援事業、コミュニティ事業に係る売上高の増加によりホスティング事業に係る売上高の構成比率は低下していくと想定しております。
しかしながら、想定どおりに減少することは保証できず、ホスティング事業への依存が継続する可能性があります。このため、後述する競合状況の激化や法的規制の変化などによりホスティング事業の業績が悪化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(競合と市場状況について)
ホスティング事業の事業領域であるレンタルサーバー、ドメインの分野においては、利用者ニーズの多様化、高度化も含めた市場規模の拡大が今後も進むと考えております。しかし、代替となるサービスの発生やレンタルサーバー以外の形態によるインターネット利用の拡大等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、同事業領域は参入障壁が低く、多数の同業他社が存在しております。そのような中において、「ロリポップ!」は個人向けのレンタルサーバーサービスで国内最大規模であると認識しておりますが、昨今、「ロリポップ!」と同価格帯のサービスも多数存在しており、競争状態にあります。
その対策として、当社グループは、ターゲットや価格帯を変えた複数のサービスブランドを展開しており、それらをあわせて総合的にシェアを拡大していく戦略をとっております。
しかしながら、今後の技術開発競争、価格競争や新規参入により更なる競争の激化が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
EC支援事業の事業領域である電子商取引の分野においては、インターネットの普及に伴い、急速に市場規模の拡大を続けております。当社グループでは今後もEC市場が拡大することを想定しており、販売する側も大企業から中小企業、個人商店等から個人へと裾野が広がると考えております。
しかしながら、電子商取引を取り巻く法規制や、トラブル等により、当社グループの期待どおりに電子商取引の市場が発展しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
EC市場が拡大した場合にも、当社グループより先行してサービス展開を行っている競合他社若しくは新規参入業者に技術開発競争、価格競争、ブランドにおいて優位性を保てない場合には、当社グループのEC支援事業において想定どおりの成長が見込めない可能性があります。
ブログ、SNS等の普及に伴うインターネット広告市場の拡大が進み、テレビ、新聞、雑誌に次ぐ広告媒体へと成長しており、今後も当該市場は拡大していくものと予想されますが、当社グループのコミュニティ事業の主たる収益はインターネット広告枠の販売による広告収入であるため、当該市場の成長そのものの鈍化や、他の広告媒体との競合状況等の影響により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、コミュニティ事業の分野においてもホスティング事業と同様に参入障壁が低く、ブログやSNS等の分野において新しいサービスが多数展開されており、激しい競争状態にあります。今後より一層競争が激しくなることが予想される同分野において、競合他社に対する優位性を確保できない場合や、アクセス増に伴うサーバー負荷増大により維持コストが高くなる場合等の事象が発生することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(広告の掲載基準について)
「JUGEM」等のサービスに掲載されるインターネット広告においては、広告代理店及び当社グループにおいて独自の広告掲載基準を設けており、法令や公序良俗に反したインターネット広告の排除に努めております。
しかしながら、何らかの要因により当社グループが掲載したインターネット広告に問題があった場合には、顧客や閲覧者からのクレームが発生する可能性は否定できず、当社グループの提供するサービスへの信用低下やブランドイメージの毀損などにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(技術革新について)
当社グループの事業領域においては、日夜急激な技術革新や新しいサービスが登場しているとともに、顧客ニーズの変化の速さも特徴とされております。当社グループでは常にそれらに対応し、新しい機能・サービスの提供や、顧客ニーズの変化・拡大に対応するサービスの拡張を行うために、積極的な技術開発を行っております。
しかしながら、技術革新への対応が遅れた場合や、当社グループが想定しない新サービスの普及などにより当社グループの提供するサービスが陳腐化した場合には、競合他社に対する競争力が低下する可能性があります。
また、新しい技術やサービスに対応するために必要な費用負担が想定を超える可能性もあります。このような事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(情報セキュリティについて)
当社グループは、第三者による当社グループのサーバー等への侵入に対して、ファイヤーウォールや対策機器などのシステム的な対策を施すほか、専門のチームを設置することにより組織的な情報セキュリティ対策強化を推進しております。
しかしながら、ハッカー等の悪意をもった第三者の攻撃等により顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手されるといった機密性が脅かされる可能性、顧客サイトの改ざん等のデータの完全性が脅かされる可能性、及びいわゆるサービス不能攻撃によってサービス自体が提供できなくなる等のシステムの可用性が脅かされる可能性は否定できません。
このような事態が生じた場合には、当社グループに対する法的責任の追求、企業イメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(システムトラブルについて)
当社グループの事業においては、24時間365日安定したサービスを提供する必要がありますが、当社グループのサービスを構成しているプログラム及びシステムは、通信ネットワークに依存しております。
サービスのシステム監視体制やバックアップなどの対応策をとっておりますが、災害や事故等の発生により通信ネットワークが切断された場合、急激なアクセスの増大によりサービスの稼働するサーバーが一時的に作動不能となった場合、及びサーバーハードウェアに不具合が発生した場合には、安定したサービスが提供できなくなる可能性があります。
この場合、顧客への利用料金の返金等の直接的な損害が生じる可能性があるほか、信用低下やブランドイメージの毀損などにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(外注先について)
当社グループの運営するサービスは、サーバー及びサーバーを設置するラックの供給を外注先に依存しております。この外注先は、入退室時の情報管理等の管理体制が整備され防災措置・安全対策等を行っているデータセンターを運営する信頼性の高い業者に限定しております。
しかしながら、予期せぬ自然災害や不法行為などが生じ、当該外注先の役務提供の遅れや提供不能などの事態が生じた場合には、当社グループもまたサービス提供の遅れや提供不能などの事態が生じるおそれがあり、その場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、外注先の経営悪化等により予期せぬ取引の解消が生じた場合には、サーバーの撤去費用又は他のデータセンターへの移転費用が予算を超えて計上されることとなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、主な外注先は、GMOインターネット株式会社、GMOクラウド株式会社であります。
(3)法的規制等について
(法的規制について)
① 電気通信事業法
当社グループは、電気通信事業法に基づく電気通信事業者として総務省へ届出を行い、同法により通信の秘密等の義務を課せられております。当社グループはこの義務を守るため、通信設備のセキュリティレベルを高めるとともに、従業員に対する教育を行う等の施策をとっておりますが、万が一当社グループが総務大臣から業務改善等の命令を受け、又は罰則の適用を受けるような事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、特定電気通信役務提供者に該当し、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」の適用を受けております。同法は、インターネット等による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示請求権等を規定しております。
送信防止措置及び発信者情報の開示等は、顧客及び情報発信者の表現活動に影響を及ぼすものであるため、当社グループは、同法の趣旨に鑑み、慎重かつ適切な判断を行うよう努めております。しかし、訴訟等の段階において、その判断が適切でなかったと認定された場合は、顧客又はその他の関係者、行政機関等から、クレーム、損害賠償請求、行政指導、又は勧告等を受ける可能性があり、かかる場合には当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)
「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」においては他人のID、パスワードの無断使用の禁止が定められており、アクセス管理者はアクセス制御機能が有効に動作するために必要な措置を講ずるよう努めることとされております。当社グループもこの法の趣旨に則り、必要な措置を講ずるよう努めておりますが、今後、アクセス管理者が必要な措置を講ずることについて、より重い法的義務を課すように法令の改正がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ その他
現在もインターネット及び電子商取引を取り巻く法的規制は、議論がなされている状態であり、今後、インターネット利用や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定された場合や、既存の法令等の適用解釈が明確になった場合に備え、迅速に対応できるよう常に情報収集に努めております。
しかしながら、新たに制定された法令等に対応するためのコスト負担が重く、対応困難となるような場合には、当社グループの事業が制約を受ける可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(サービス利用者の違法行為について)
当社グループの運営するサービス上において、出店者や購入者などのサービス利用者が法禁物の取引を行うこと、詐欺などの違法行為を行うこと、他人の所有権、知的財産権、プライバシー権などの権利を侵害する行為を行うこと、法令や公序良俗に反するコンテンツの設置を行うことなどの危険性が存在しております。かかる事態が生じることを防止すべく、当社グループのカスタマーサポートが随時、利用状況の監視や、利用規約に基づく警告・違法情報の削除などを行っております。
しかしながら、万が一、かかる事態が生じることを事前に防止することができなかった場合には、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループについても取引・表現の場を提供する者として責任追及がなされるおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、サービスの利用者が違法行為を行った場合において、警察や裁判所等の公的機関に対して、捜査協力としてサーバーに残されたデータやログ・ファイルを提出することがあります。現在では多くの場合、CD-R等の情報媒体にサーバーからデータを複写して提出しておりますが、サーバーやハードディスクそのものの提出が必要とされた場合や今後法的規制が強化され、該当する設備が全て差し押さえられるようなことになった場合には、サーバーの利用ができなくなり、サービスの提供が中断する可能性があります。
この場合には、当社グループの企業イメージが傷つく可能性や、他の顧客からの損害賠償請求が生じる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(情報管理と情報漏洩について)
当社グループは「個人情報の保護に関する法律」において、個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社グループでは個人情報を取り扱う役職員を限定し、個人情報へのアクセスにあたってはパスワード管理を行い、個人情報へのアクセスをログ管理する等、プログラム、運用両面から厳格な情報管理を継続して行う社内体制を構築しており、今後もより一層の体制強化を図っていく予定です。
また、個人情報の格納されているサーバーについても24時間のセキュリティ管理のあるデータセンターで厳重に管理されております。しかしながら、個人情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や当社グループに対する信用の低下により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4)知的財産権について
(当社グループ保有の知的財産権について)
当社グループでは「ペパボ」「ロリポップ!」「ムームードメイン」「JUGEM」等の社名及び各サービス名について商標登録を行っており、各サービスの商標出願を積極的に行っております。今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定ですが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決のために要する時間や費用により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(当社グループによる第三者の知的財産権侵害について)
当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については可能な範囲で調査を行い対応を行っておりますが、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社グループの事業領域において第三者の知的財産権が確立している可能性や第三者の特許が成立する可能性は否定できません。
この場合には、当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われることにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(ドメイン紛争について)
当社グループではドメインサービスにおいて、Whois(注)情報代理公開というサービスを行っております。これは、顧客の個人情報をWhois情報としてインターネット上に公開する代わりに当社情報をWhois情報として公開するものであり、これにより多くの個人顧客が個人情報開示の心配なくドメインを利用することが可能になっております。
この場合に、Whois情報代理公開を利用した特定ドメインに対し、第三者から商標権の侵害等の通知を当社グループが受けることがありますが、通常は本来の顧客に対して連絡を行い、Whois情報代理公開を中止し、当事者間で紛争の解決を図ることを想定しております。
しかしながら、顧客に連絡がつかない場合等に、当社グループを当事者としてドメイン使用の差止請求、損害賠償請求等の要求が生じる可能性があります。
このような事態が生じた場合には、解決のために多くの時間や費用がかかる等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(注) Whoisとは、IPアドレスやドメイン名の登録者などに関する情報を、インターネットユーザーが誰でも参照できるサービスです。
(5)当社グループの事業体制に関するリスク
(人的資源及び内部管理体制について)
当社グループの中長期的な成長は従業員個々人の力量に大きく依存するため、適切な時期に優秀な人材を確保し雇用を維持する必要があります。また、当社グループでは継続的に優秀な人材の確保と育成に注力しておりますが、優秀な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や既存の優秀な人材が社外に流出した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(新規サービスや新規事業について)
当社グループは、今後のさらなる事業拡大と収益源の多様化を図るため、引き続き、積極的に新サービスや新規事業に取り組んでいく考えであります。これにより人材、システム投資や広告宣伝費等の追加投資的な支出が発生し、利益が減少する可能性があります。
また、新サービスや新規事業を開始した際には、その新たなサービスや新規事業での固有のリスクが加わり、当初想定とは異なる状況が発生することにより収益計画どおりに進まない等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(6)その他
(災害紛争リスク)
地震、雷、台風、津波、悪天候その他の自然災害、長時間の停電、火災、疫病の蔓延、放射能汚染、その他の予期せぬ自然災害が発生した場合、当社グループの事業の運営または継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、政変、戦争、テロリズム、クーデター、外国軍隊からの一方的な攻撃または占領、政府等による当社グループ設備の接収、第三者による当社グループ設備の不法占拠その他の事故によっても、当社グループの事業の運営または継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、あらゆる事態を想定して事業継続のための計画策定などを進めておりますが、これらのリスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合は当社グループの事業の継続自体が不可能となる可能性があります。
(投資に係るリスク)
当社グループは、事業シナジー効果等を期待してインターネット関連の企業に対して投資を実施しておりますが、これらの投資について回収ができない可能性があります。
投資先企業の事業が計画どおり進捗しない場合、また、想定した事業シナジー効果が得られない場合等は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(重要な子会社の株式の譲渡)
当社は、平成27年12月21日開催の取締役会において、当社の特定子会社である株式会社ブクログの保有株式をすべてブックオフコーポレーション株式会社に譲渡することを決議のうえ、同日付けで株式譲渡契約を締結し、平成28年1月18日に譲渡しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
該当事項はありません。
本項における将来に関する事項は、本書提出日現在における当社グループが入手可能な情報から判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財務状態の分析
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は3,073,885千円(前連結会計年度末残高は3,501,192千円)となり、427,306千円の減少となりました。これは主に、売掛金が605,840千円増加した一方で、現金及び預金が951,627千円減少したことによるものです。
また、当連結会計年度末における固定資産の残高は988,664千円(前連結会計年度末残高は913,789千円)となり、74,874千円の増加となりました。これは主に、工具、器具及び備品が144,329千円増加したことによるものです。
以上の結果、総資産の残高は4,062,550千円(前連結会計年度末残高は4,414,982千円)となり、352,431千円の減少となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は3,038,213千円(前連結会計年度末残高は2,291,250千円)となり、746,963千円の増加となりました。これは主に、未払金が736,647千円増加したことによるものです。
また、当連結会計年度末における固定負債の残高は11,985千円(前連結会計年度末残高は15,527千円)となり、3,541千円の減少となりました。これは主に、資産除去債務が7,399千円減少したことによるものです。
以上の結果、負債の残高は3,050,199千円(前連結会計年度末残高は2,306,777千円)となり、743,421千円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,012,350千円(前連結会計年度末残高は2,108,204千円)となり、1,095,853千円の減少となりました。これは主に、当期純損失及び剰余金の配当に伴い、利益剰余金が978,023千円減少したことに加えて、自己株式の取得に伴い、純資産が147,701千円減少したことによるものです。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、EC支援事業におけるminneの積極投資や、ホスティング事業及びEC支援事業におけるレンタルサーバーやオンラインショップ構築ASPなどのストック型サービスの契約件数の伸びが堅調であった点などが寄与し、結果として5,697,805千円となりました。
売上原価は、ムームードメインのドメイン登録手数料等の支払手数料が1,708,535千円になったこと、従業員の増加に伴う人件費(賃金・法定福利費・退職給付費用)が403,604千円となったこと等により、2,628,047千円となりました。
販売費及び一般管理費については、従業員の増加に伴う人件費(給料手当・法定福利費・退職給付費用)が788,521千円となったこと、サービス料金回収代行業者への支払手数料等が514,562千円になったこと、minneの積極投資と各サービスにおけるリスティング広告等の増加により広告宣伝費が1,795,634千円になったこと等により、3,691,094千円となりました。
また、営業外収益は、投資有価証券の受取利息が9,499千円あったこと、投資有価証券の評価益が13,648千円あったこと等により、30,327千円となりました。営業外費用は、投資有価証券の評価損が4,803千円あったこと等により、6,511千円となりました。
そして、固定資産の減損損失43,459千円、投資有価証券の評価損18,934千円とのれん償却額93,787千円により特別損失156,182千円を計上した結果、税金等調整前当期純損失が753,702千円となりました。これに法人税、住民税及び事業税6,478千円及び法人税等調整額37,572千円を計上した結果、当期純損失は797,754千円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,556,777千円となりました。
詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」において記載しております。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。当社の事業環境を鑑みると、ホスティング市場やEC市場において、今後さらに成長が見込まれておりますが、コミュニティ市場においては参入障壁の低さと技術革新の早さから新規参入が相次ぎ、競争が激化することも予想されます。
当社グループといたしましては、高付加価値のサービスを提供し続ける企業として、市場での確固たるポジションを確立するために、経営効率の向上と適切な経営判断に努めてまいります。
(6) 事業等のリスクに記載した重要事項等の分析及び検討内容並びに対応策
当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性がありますが、当社グループは当該状況を解消、改善すべく、以下のとおり対応してまいります。
創業時より当社グループではホスティング事業への依存度が高くなっておりますが、近年は、EC支援事業領域において、集客力の強化と流通額の拡大に注力しております。その結果、ホスティング事業の全事業に対する売上高の構成比が前々年度は69.9%、前年度は68.2%、当連結会計年度で61.2%と、徐々に割合を減らしており、EC支援事業の構成比が増えてきております。
技術革新の分野においては、WEBアプリケーションのみならず、モバイルアプリケーション分野の技術力を向上させるための活動への支援や、開発体制の強化による継続的な運用が可能な体制づくりを行っております。また、システムトラブルへの対策については、サーバー再構築や恒常的な構成改善によってシステムトラブル発生の軽減に努めており、引き続きサービスの安定的な提供のための対策を進めてまいります。