第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営方針

当社グループは、コーエーテクモの精神「創造と貢献」、コーポレートスローガン「Level up your happiness」のもと、新しい価値を創造して、社会に貢献し、世界中のみなさまの心の豊かさや幸せに寄与貢献することを存在意義とし、「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」となることを目指します。その実現のために以下の経営方針をもってあたります。

経営基本方針

① 最高のコンテンツの創発

素晴らしいコンテンツを通じて、お客様に最高の感動を提供する

② 成長性と収益性の実現

経営基盤を安定化させ、更なる発展を目指す

③ 社員の福祉の向上

業績と福祉の向上により、活力に満ちた魅力ある企業となる

④ 新分野への挑戦

社会にとって役に立つ新しさの実現にチャレンジし続ける

2024年3月期経営方針

「グローバルIPの創造と展開」

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、成長性と収益性の実現により企業価値を高めてまいりますが、重要な経営指標としては、売上高営業利益率30%以上を目標としています。

なお、売上高営業利益率の推移は下表のとおりです。

 

 

売上高営業利益率

平成31年3月期

31.0%

令和2年3月期

33.1%

令和3年3月期

40.4%

令和4年3月期

47.5%

令和5年3月期

49.9%

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

① コンテンツ・クリエイション戦略

様々な分野に独創性溢れるエンタテインメント・コンテンツを提供し、幅広い年齢層にコーエーテクモファンを広げる

② コンテンツ・エキスパンション戦略

IPを多方面に展開して、総合的なIPの商品力を高め、新しいファンを獲得する

③ グローバル・ロジスティックス戦略

開発・販売のグローバル化を推進し、コストダウンによる収益力を強化するとともに、海外で新たなファンを開拓する

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、更なる成長性と収益性の実現を、当社の対処すべき重要な課題であると認識しています。

① 成長性の実現

培った有力IPと高度な開発力をベースにナンバリングタイトルの伸長を図るとともに、コラボレーションビジネスや新規IPの創出などを通じて「グローバルIPの創造と展開」を推進し、ブランド価値の最大化を目指してまいります。また、スマートフォンゲームやダウンロード販売等のデジタル分野も大きなビジネスチャンスととらえ、一層の強化を図ります。

② 収益性の実現

海外開発会社の有効活用やプロジェクト損益のきめ細やかな管理を通じて目標とする売上高営業利益率の達成を目指します。また、開発プロセスの改善に取り組み、品質向上、納期遵守、予算の徹底に努め、高い収益性を実現してまいります。

 

(5) 次期の見通し

今後の景気見通しについては、世界的な金融引き締めや長期化するウクライナ問題等により、引き続き不確実性が高い状況が続くと想定されます。

グローバルのゲーム市場は、2022年はコロナ禍の収束による外出機会の増加等により需要面で一部弱含む動きが見られました。今後は、家庭用ゲームではハードの普及が進み、スマートフォンゲームでは新興国を中心にグローバルでの市場規模拡大が見込まれるほか、ユーザー数の増加を背景としたPCゲームの伸びも相まって、ゲーム市場全体としては引き続き拡大していくことが予想されます。

 

このような経営環境下において、当社グループは、グループビジョン「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」のもと、成長性と収益性の実現に向け挑戦を続けてまいります。この度、コーポレートスローガン「Level up your happiness」を新たに制定しました。今までにない新しい面白さを創造して、世界中のお客様の心の豊かさに寄与貢献してまいります。

2023年3月期より開始した3ヶ年の中期経営計画では、2025年3月期に売上高1,000億円、営業利益400億円、経常利益500億円を計画しております。重点目標として、パッケージゲームでは500万本級タイトルの実現と毎期200万本級タイトルの発売、スマートフォンゲームでは月商20億円タイトルへのチャレンジと複数の月商10億円タイトルの創出に取り組みます。

 

2024年3月期は、グループ経営方針として引き続き「グローバルIPの創造と展開」を掲げています。グローバルIPを創造し、プラットフォーム、ジャンル、コラボレーション、ライセンス、タイアップと多方面に展開することで、更なる成長性と収益性を実現します。

エンタテインメント事業では、パッケージゲームの大型タイトルや複数の新作を発売します。スマートフォンゲームでは、既存タイトルの収益性向上に取り組むとともに、新規タイトルの配信を計画しています。一方、協業タイトルや自社開発のスマートフォンタイトルによる費用の増加、協業先による開発費負担の減少等により、営業費用の増加を見込んでいます。

アミューズメント事業では、既存店の効率的な運営に取り組むとともに、新規出店を計画しています。スロット・パチンコでは、受託開発業務や版権許諾を推進します。

不動産事業では、ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohamaにおいては、引き続き高い稼働率を維持し、収益の拡大を図ります。その他の運用不動産についても物件管理の向上を進めてまいります。

営業外収支では、金融環境の変化に対応しながら、安定した運用収益の実現を図ってまいります。

 

これらにより、2024年3月期の業績は売上高950億円(前年同期比21.1%増)、営業利益375億円(同4.2%減)、経常利益405億円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益310億円(同0.2%増)を見込んでおります。

 

(注) 上記の業績予想数値は、いずれも業界の動向、国内及び海外の経済状況、為替相場の影響などの要因について、現時点で入手可能な情報をもとに行った見通しであります。そのため、上記数値はこれらの要因の変動により異なる可能性があります。

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

サステナビリティ経営推進体制のトップは取締役会であり、当社グループのサステナビリティの取組について、各部門から取締役会へ定期的な報告を実施しています。特に人的資本関連の方針及び計画策定は、取締役会にて承認の上、取り組んでいます。

 

(2)戦略

  当社グループにおける、人材の育成及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

当社グループにとって「人」こそが最大の財産であり、すべての源泉であると考えています。人材育成の方針は、「人=自立(自律)したプロフェッショナルなクリエイター」を育て、社員と会社が共に成長することです。ゲームファンが当社に入社し、充実した人材育成の仕組みのもと、ゲームのクリエイターとして、プロデューサーとして、経営層として活躍していきます。夢を実現するフィールドとして当社の中で社員は成長し、当社は企業価値の向上を実現します。

社内環境整備に関しては、社員のエンゲージメントが高まる働きやすい環境を整備します。多様化するニーズ、進化し続ける最先端技術、変化する社会情勢といった様々な状況に対応すべく、社員が自らの能力開発とスキルアップに積極的に取り組める環境を整えています。また、成長性と収益性を実現し、その収益によって社員の福祉の向上を図り、業界トップクラスの待遇を実現します。

 

(3)リスク管理

当社グループでは、当社のコンプライアンス担当取締役をリスク管理の統括責任者として任命し、また、リスク管理委員会を設置し、サステナビリティ関連のリスク及び機会を含む全社一元的なリスク管理を行うことで、関係部門間での情報共有、相互協力、的確な判断及び迅速な対応に努めております。

 

(4)指標及び目標

指標及び目標

実績

競争力の源泉となる人材の確保

ゲーム開発職の人員数

(プログラマー・プランナー・CGデザイナー)

1,572名

(内、海外開発子会社423名)

新卒採用における女性比率

(目標:2026年3月期までに30%以上)

23.5%

新卒採用における外国籍人材比率 

14.0%

女性役員比率

15.8% ※2

女性管理職比率
(目標:2026年3月期までに8.7%以上)

7.8%

安心して働ける環境の整備

離職率

4.6%

産前産後休業からの復職率

100.0%

育児休業取得率

75.8% (男性66.7%、女性100.0%)

育児休業からの復職率

100.0%(男性100.0%、女性100.0%)

年次有給休暇の取得率
(目標:2026年3月期までに70%以上)

85.4%

働きがい向上につながる施策

ベースアップ、特別賞与、新卒初任給引き上げの実施、独身寮345戸・世帯者向け社員寮

15戸の提供

成果を出した人材を評価し報いる施策

プロジェクトメンバーへの報奨金支給の実施

 

※1.当社及び国内子会社における数値を記載しております。

2.執行役員を除いた数値を記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は当社への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではないことをご留意ください。

 

(1) 市場環境の変化について

ゲーム業界においては、コンテンツを提供するプラットフォームの多様化、高性能化が進むとともに、技術革新やユーザー層の嗜好変化が早く、これらに応じた新商品・新サービスの導入が相次いでおります。また近年では、インターネットを始めとした他のエンタテインメント業種との競争が激化しております。当社グループは、急速な技術革新へ柔軟に対応する体制をとり、独創性の高い、高品質なコンテンツをタイムリーに開発・販売することにより、他社との差別化及び安定収益化を確保する方針です。しかしながら、市場環境の変化への対応が十分ではない場合には、当社グループの経営成績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(2) 製品発売時期による経営成績の短期的な変動について

当社グループは、新規タイトルの創出による特定タイトルへの依存度低下、最適な製品発売時期を見据えた開発スケジュールの管理の徹底により、年間ベースでの業績目標を達成すべく努力しております。しかしながら、自然災害、市場動向、又はやむをえない開発スケジュールの変更等による製品発売時期変動のため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 海外事業展開について

当社グループは、海外での事業展開を積極的に進めておりますが、各国の法規制、政治・社会情勢、為替変動等によるリスクが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 個人情報の管理について

当社グループは、ユーザーに関する個人情報を取得しており、その管理には充分に留意しております。しかしながら、個人情報の流出等の問題が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 知的財産権について

当社グループは、保有する知的財産権が他者から侵害されないよう保護に努め、また、当社グループの製品・サービスが、他者の知的財産権を侵害しないよう充分に留意しております。しかしながら、侵害の可能性について第三者との間で疑義や係争等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 法的規制について

アミューズメント事業におきましては、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、関連する政令及び条例により規制を受けております。今後、これらの法令に重大な改廃があった場合、又は新たな法令が制定・施行された場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 有価証券の保有について

当社グループでは、エンタテインメント事業等の開発投資、事業投資に対処するために、現預金や換金性の高い有価証券を保有しております。これらの資産は国内外の株式や債券等に投資し、安全かつ効率的な資金運用を行っております。運用の意思決定やポートフォリオの設定は内部統制に基づく社内規程に従って行いリスクの管理に努めておりますが、株式及び債券市場、為替相場、経済情勢等が急激に変動した場合には、保有する有価証券の減損や評価損が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 情報システムリスク

当社グループは、業務運営に必要な情報システムについて適正に管理し効率的な運用を図っておりますが、予期せぬコンピュータウィルス、サイバー攻撃、ソフトウエア又はハードウェアの障害、災害などにより情報システムが機能しなくなった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、ウィズコロナへの移行が進み経済の持ち直しが期待されているものの、物価上昇や金融市場の変動により、先行きは不透明な状況です。

中期経営計画の初年度となる当期は、グループ経営方針として「グローバルIPの創造と展開」を掲げ、各種施策に取り組んでいます。

当期は、中期経営計画で重点目標として掲げるパッケージタイトルの発売、スマートフォンゲームの配信を開始しました。パッケージゲームでは、『WILD HEARTS』『Wo Long: Fallen Dynasty』を発売し、メタクリティック(※1)で高い評価をいただきました。スマートフォンゲームでは、既存タイトルが安定して利益貢献した他、新作タイトル『信長の野望 覇道』を配信開始しました。営業外収支においては、戦略的にポートフォリオの組み替えを行い、厳しい金融環境の影響を受ける中、黒字を確保しました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

(※1)北米のゲームレビュー集積サイト

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ89億13百万円減少し、2,108億89百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ134億97百万円減少し、682億4百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ45億83百万円増加し、1,426億84百万円となりました。

 

b.経営成績

当社グループの当期業績は、売上高784億17百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益391億33百万円(同13.3%増)、経常利益398億99百万円(同18.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益309億35百万円(同12.5%減)となり、売上高、営業利益は過去最高の業績を達成しました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

エンタテインメント事業

「シブサワ・コウ」ブランドでは、12月に配信開始したスマートフォンゲーム『信長の野望 覇道』が、App Storeセールスランキングで5位に入るなど、好調です。3月には『Winning Post 10』(PS5、PS4、Nintendo Switch、Windows(Steam)用)を国内で発売し、販売本数は7万本となりました。3月には、40周年を迎える「信長の野望」シリーズの記念番組を放映し、『信長の野望・新生 with パワーアップキット』等の新作タイトルや記念施策を発表しました。

「ω-Force」ブランドでは、エレクトロニック・アーツ社と共同で開発・販売を行うハンティングアクションゲーム『WILD HEARTS』を全世界で2月に発売しました。

「Team NINJA」ブランドでは、「三国志」をテーマにしたダークアクションRPG『Wo Long: Fallen Dynasty』を3月に全世界で発売しました。

「ガスト」ブランドでは、2月にスマートフォン/PC向けゲーム『BLUE REFLECTION SUN/燦』を国内で配信開始しました。3月には『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』(PS5、PS4、Nintendo Switch、Windows(Steam)用)を全世界で発売し、29万本の販売となりました。

「ルビーパーティー」ブランドでは、配信中の『金色のコルダ スターライトオーケストラ』において国内版2周年のゲーム内イベントを実施しました。

「midas」ブランドでは、位置情報を活用した新規スマートフォンゲーム『信長の野望 出陣』を、「シブサワ・コウ」ブランドと共同で開発中であることを発表しました。

 

上記ブランド以外では、『零 ~月蝕の仮面~』(Nintendo Switch、PS5、PS4、Windows(Steam)用)を3月に全世界で発売し、販売本数は12万本となりました。

IP事業においては、国内及びアジア各地域で配信中の『三国志・戦略版』(国内では『三國志 真戦』)が、引き続き高水準で推移しました。新規タイトルとして、2月に『LINE:モンスターファーム』(※2)、3月に『三国志・戦棋版』(※3)、『大航海時代 Origin』(※4)が配信開始されました。また、シリーズ累計販売本数160万本を突破した『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』のTVアニメ化(2023年夏放映予定)を発表しました。

以上の結果により、エンタテインメント事業の売上高は739億17百万円(前期比7.4%増)、セグメント利益は384億75百万円(同13.7%増)となりました。

(※2)LINE株式会社が開発・運営を担当。配信地域は国内。

(※3)Lingxi Games社が開発・運営を担当。配信地域は中国大陸。

(※4)Motif社が開発、LINE GAMES社が運営を担当、22年8月より韓国版、23年3月よりグローバル版を配信開始。

 

アミューズメント事業

アミューズメント施設は、既存店売上が好調に推移しました。新たに2店を出店し、当期末における店舗数は10店となりました。スロット・パチンコでは、当社が開発を担当した3タイトル、版権許諾した1タイトルが稼働を開始しました。

以上の結果により、アミューズメント事業の売上高は33億88百万円(前期比21.0%増)、セグメント利益は5億94百万円(同111.3%増)となりました。

 

不動産事業

ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohamaは、引き続き高い稼働率となり、開業以来の累計観客動員数が50万人を突破しました。

以上の結果により、不動産事業の売上高は12億87百万円(前期比21.4%増)、セグメント利益は2億36百万円(同5.3%増)となりました。

 

その他事業

ベンチャーキャピタル事業において、ファンドの管理費用が発生しました。

以上の結果により、その他事業の売上高は3億66百万円(前期比23.3%減)、セグメント損失は1億73百万円(前期はセグメント利益1億93百万円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して77億69百万円減少し、117億33百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は296億92百万円(前連結会計年度は248億19百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益399億63百万円の計上の一方で、法人税等の支払額209億2百万円の減少要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、支出した資金は213億94百万円(前連結会計年度は131億68百万円の支出)となりました。これは主に有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入607億50百万円の増加要因の一方で、有価証券及び投資有価証券の取得による支出817億49百万円の減少要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、支出した資金は165億88百万円(前連結会計年度は45億61百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額169億87百万円の減少要因によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和4年4月1日

至 令和5年3月31日)

前年同期比(%)

エンタテインメント(百万円)

7,228

92.4

合計(百万円)

7,228

92.4

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

当社グループでは一部個別の受託開発を行っておりますが、金額的重要性が低く、また受注状況の記載が営業の状況に関する実態を表さないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和4年4月1日

至 令和5年3月31日)

前年同期比(%)

エンタテインメント(百万円)

73,682

107.2

アミューズメント(百万円)

3,386

121.1

不動産(百万円)

1,280

120.9

報告セグメント計(百万円)

78,349

108.0

その他(百万円)

67

36.3

合計(百万円)

78,417

107.8

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 令和3年4月1日

至 令和4年3月31日)

当連結会計年度

(自 令和4年4月1日

至 令和5年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ALIBABA CULTURE MEDIA CO., LTD.

14,409

19.8

-

-

Lingxi Games Information Technology (Tianjin) Co., Ltd.

-

-

14,046

17.9

Apple Inc.

9,089

12.5

9,413

12.0

 

(※) ALIBABA CULTURE MEDIA CO., LTD.と当社が交わしていた契約は、同一企業集団に属するLingxi Games Information Technology (Tianjin) Co., Ltd.へ承継されました。当連結会計年度のLingxi Games Information Technology (Tianjin) Co., Ltd.への販売金額は、ALIBABA CULTURE MEDIA CO., LTD.及びLingxi Games Information Technology (Tianjin) Co., Ltd.の取引高を合算して記載しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成にあたっては、連結会計年度末日における財政状態並びに連結会計年度の経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過年度の実績や現状を踏まえ、合理的と判断される前提・仮定に基づき、かかる見積り・予測を行なっておりますが、実際の結果はこれと異なる場合があります。

当社グループは、主として以下の会計方針において、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある見積り・予測が内包されていると認識しております。

a.繰延税金資産の計上

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得がその見積り額を下回る場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。

 

b.有価証券の減損

当社グループの保有する有価証券については、市場価格のある有価証券、市場価格のない有価証券ともに、合理的な判断基準を設定の上、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する株式及び債券の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。なお、減損処理に関する基準については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(有価証券関係)」をご参照ください。

 

c.固定資産の減損

当社グループは、固定資産につき、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日))に基づき、その資産性について営業損益、事業計画や時価等を元に検討しております。

 

d.退職給付に係る負債の計上

当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付制度として、確定給付制度を採用しております。確定給付制度については、退職給付債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を負債又は資産として認識しております。退職給付債務は、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき見積もられています。また、退職給付債務の現在価値を算定するために使用する割引率は、原則として、退職給付債務の見積期間と整合する期末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。 経営者は、これらの前提条件は適切であると考えていますが、実績との差異や仮定の変動は将来の退職給付費用や退職給付債務に影響します。なお、退職給付債務の残高、使用している割引率等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」をご参照ください。

 

e.受注制作のソフトウエアに係る売上高及び売上原価

当社グループは、受注制作のソフトウエアに係る収益につき、係る契約の履行義務が一定の期間にわたり充足されるものについては、ゲームソフト・コンテンツ開発の進捗によって履行義務が充足されていくものと判断しており、履行義務の完全な充足に向けた進捗度の測定に基づいて、収益を認識しております。なお、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い受託開発については、「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日。以下「収益認識会計基準適用指針」という。)第95項に定める代替的な取り扱いを適用し、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。収益総額、見積総原価及び決算日における進捗率について、当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績は売上高784億17百万円(前連結会計年度比7.8%増)、営業利益391億33百万円(同13.3%増)、経常利益398億99百万円(同18.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益309億35百万円(同12.5%減)となりました。

これらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

③ 当連結会計年度の財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計は、2,108億89百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。うち流動資産は491億13百万円(同31.9%減)、固定資産は1,617億75百万円(同9.5%増)であります。

流動資産の主な内訳は売掛金及び契約資産216億50百万円、現金及び預金125億29百万円、有価証券80億76百万円であります。

固定資産の主な内訳は投資有価証券1,127億66百万円であります。

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計は、682億4百万円(前連結会計年度比16.5%減)となりました。うち流動負債は200億19百万円(同38.6%減)、固定負債は481億85百万円(同1.8%減)であります。

流動負債の主な内訳は未払金45億73百万円、未払法人税等41億12百万円、その他流動負債に含まれる預り金33億12百万円であります。

固定負債の主な内訳は転換社債型新株予約権付社債473億41百万円であります。

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は、1,426億84百万円(前連結会計年度比3.3%増)となりました。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループでは、新規タイトルの創出による特定タイトルへの依存度低下、最適な製品発売時期を見据えた開発スケジュール管理の徹底により、年間ベースでの業績目標を達成すべく努力しております。しかしながら、市場動向や、やむをえない開発スケジュールの変更による製品発売時期変動のため、業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資金需要

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、エンタテインメント事業におけるゲームソフトの開発費、各事業における販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。

 

b.財務政策

当社グループは自己資金による財務調達を基本方針としておりますが、不足が生じた場合は、外部借入や社債の発行による資金調達を実施しております。また、当社グループの収益性向上に資するべく、余剰資金による投資有価証券等の運用を継続的に実施しております。

 

⑥ 経営上の目標の達成状況について

当社グループは更なる成長性と収益性の実現に向けて売上高営業利益率30%以上を重要な経営指標として位置付けております。当連結会計年度における売上高営業利益率は前期より2.4ポイント向上し、49.9%となりました。引き続きこの指標を達成するよう取り組んでまいります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社グループの経営上の重要な契約は、次のとおりであります。

 

(1) ゲーム開発・販売等に関する契約

 

契約会社名

相手先名

契約内容

契約期間

株式会社コーエーテクモゲームス

株式会社ソニー・

インタラクティブ

エンタテインメント

「PlayStation®製品」対応ソフトの製造・販売に関する商標権及び技術情報の供与

平成27年6月1日から平成31年3月31日まで以後1年ごと自動更新

任天堂株式会社

家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」対応ソフトの製造・販売に関する商標権及び技術情報の供与

平成29年2月28日から令和2年2月27日まで以後1年ごと自動更新

Microsoft Corporation

「Xbox One」及び「Xbox Series」対応ソフトの製造・販売に関する規定、ロイヤリティ条件、承認方法、及びオンラインにおける規定等の合意

令和2年6月1日から令和4年3月31日まで以後1年ごと自動更新

Apple Inc.

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間(1年毎の自動更新)

Google Inc.

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

定めなし

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、世界中のお客様の心の豊かさに寄与貢献するべく、AI(人工知能)、AR(拡張現実)等の先端技術を活用して、新しいエンタテインメント・コンテンツを創造するための研究開発を行っております。

また、製品開発以外の基礎研究を独立専門的に行うフューチャーテックベースではゲームエンジンの開発等に注力しており、効率的な品質向上のために重要な役割を果たしております。

当連結会計年度は、エンタテインメント事業において437百万円の研究開発費を計上いたしました。