文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「大幸薬品は『自立』『共生』『創造』を基本理念とし、世界のお客様に健康という大きな幸せを提供します。」という企業理念を実現するに当たり、「健康社会の『ないと困る』を追求する。」をスローガンとして掲げ、すべての企業活動の指針としております。
なお、当社グループは事業の持続的成長を図る観点より、まずは売上高及び営業利益の成長性を重視しております。また、資本の効率化による株主利益の最大化を目指し、フリー・キャッシュ・フローの増大、自己資本利益率(ROE)も重視しております。
(2)経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境につきましては、多数のメーカーが競合する厳しい競争環境の下で国内人口の減少による市場規模の縮小等の脅威にさらされております。一方、成長市場であるアジア諸国、特に中国市場を中心とした海外市場における需要は拡大しております。
このような環境の中、「正露丸」、「セイロガン糖衣A」を主力製品とする医薬品事業と、「クレベリン」を主力製品とする感染管理事業を活動の柱とする当社グループは、リソースの最適配分と事業収益基盤の再構築を図りつつ、「ないと困る」と思っていただける製品・事業を創造し続けることにより、新たな成長に挑戦してまいります。
医薬品事業におきましては、人口の高齢化等に伴い医療費の高騰が社会問題化する中で、セルフケアとしてのセルフメディケーションの推進に期待が高まることにより、一般用医薬品の重要性が再認識されつつあります。
このような環境の中、当社グループは、古き良き伝統薬を時代に合わせた形で提供し続けていくことが重要なテーマであると考え、当社の主力製品「正露丸」、「セイロガン糖衣A」を新たな使用機会の提案等により世界に広めてまいります。
国内では減少傾向にある既存ユーザーの維持拡大に向け、再度ポジショニングを明確化し、わかりやすいストーリーにして伝達するとともに、製品理解の促進及び使用用途の深耕を図ることによってシェア向上を目指してまいります。また、新製品開発及び新規市場開拓も行ってまいります。海外では中国市場を中心に当社製品への潜在的需要が拡大しているアジア諸国において市場の開拓を強化してまいります。
感染管理事業におきましては、様々な感染症の発生と脅威に伴い、医療分野のみならず生活に関わるすべての分野において、世界的に感染予防と衛生管理に対する関心と需要が高まりつつあります。
このような環境の中、当社グループは、濃度長期保持型二酸化塩素ガス溶存液や低濃度二酸化塩素ガス関連製品等の特許技術、高感度二酸化塩素ガス測定装置の開発、二酸化塩素の基礎研究及び製品の安全性と有効性の研究により、革新的な感染症対策を可能とし、世界に先駆けて物体・空間除菌市場を創造してまいりました。
国内では、インフルエンザ等への感染に対し最も意識が高い層を明確なターゲットとし、コミュニケーションを効率化するとともに、製品及びパッケージのデザイン見直しや新製品開発、新たな使用用途及び使用機会の提案等により、一般用、業務用ともに、さらなる市場拡大に努めてまいります。海外では成長市場である中国市場において有力なパートナー企業とともに売上拡大を目指してまいります。
中長期的には、様々な研究機関との共同研究をはじめ、知的財産のさらなる蓄積、新たな許認可の取得及び新たな技術開発をしていくとともに、新製品・サービスの企画、販売、マーケティング等に関する国内外のパートナー企業とのアライアンスも積極的に活用し、飛躍的な成長を図ってまいります。
加えて、成長を支えるための体制強化を図るべく、京都工場・研究開発センターを2021年度に本格稼働させることにより、生産活動の拡大と生産性の向上を図ってまいります。また、意思決定メカニズムと経営管理システムを洗練させ、経営の健全性と透明性を確保するとともに、成長の源泉となる人材の採用・育成と組織力を強化してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)特定製品への依存及び生産拠点の集中について
当社グループにおける売上高の大半が「クレベリン 置き型」、「正露丸」及び「セイロガン糖衣A」によって構成されております。当該製品の製造につきましては、培ってきたノウハウをもとに、万全の品質管理・品質保証体制をもって臨んでおりますが、万一品質等に問題が発生した場合には、販売中止・回収を余儀なくされることも考えられます。また、当該製品製造は代替拠点を持たないために、各工場の所在する地域において地震等の災害が発生した場合には、これらの製品の供給が困難となることも考えられます。その他、予期せぬ製品への風評被害、競争環境の激変、原材料の調達に支障をきたすような場合にも、当該製品の営業成績に止まらず、当社グループ全体の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定取引先への依存について
当社グループの売上高のうち、国内においてはアルフレッサヘルスケア㈱、㈱大木、㈱PALTAC、海外では香港の一徳貿易有限公司の上位4社への売上高が、当連結会計年度において全体の約79%と大きな割合を占めております。このため、これら取引先の経営施策や取引方針、若しくは各社の財務状態の悪化により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)海外事業展開に伴うリスク
当社グループは、中国本土・香港・台湾を中心とする海外市場において、従来より「正露丸」、「セイロガン糖衣A」等の販売をしており、また、近年では「クレベリン」等の販売も徐々に進めております。その結果、海外市場における売上高は、当連結会計年度において約18%を占めております。当該国における政治、経済、法律、文化、ビジネス慣習、競合企業の存在、為替、その他様々なカントリーリスク等によって、予想し得ない事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)類似品の存在について
当社グループが製造・販売しております「正露丸」及び「セイロガン糖衣A」は、他社においても同一又は類似した名称で製造・販売が行われております。このため、当社グループが製造・販売しております製品と類似した商品が市場には多数存在しており、特に類似したパッケージの場合には、消費者が当社グループの製品と誤認して購入する可能性が否定できません。また、感染管理事業における主要製品である「クレベリン」においても、他社から類似品の製造・販売が行われております。この場合においても、消費者が当社グループの製品と誤認して購入する可能性が否定できません。
さらには、これらの類似品において品質問題等が発生した場合には、当社グループの製品のイメージダウン及び予期せぬ風評被害が発生する可能性も否定できず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)急激な需要の変化等に関するリスク
感染管理事業においては、衛生管理製品を市場に提供していくために、二酸化塩素ガス特許技術を応用した製品等の企画・開発・販売を進めております。近年の感染症に対する予防意識の高まりを背景に、幅広い顧客をターゲットに事業を推進しております。
そのため、当該事業は感染対策を中心とした市場環境に影響を受け、感染症の流行及び予防意識の動向等によっては製品の需要に急激な変化が生じ、一時的な製品供給不足や過剰生産に陥る可能性があります。その結果として、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)原材料価格及び調達に関するリスク
当社グループは、原材料等について急激に価格が高騰した場合、あるいは一部の原材料等について供給が滞り、代替の調達先が確保できない場合には、製品の利益率の悪化や機会損失の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)製造物責任に関するリスク
当社グループの製品については、関係法令を遵守し万全の体制で生産しておりますが、予期せぬ事情により、品質に関する重大な問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)競合に関するリスク
医薬品事業における「正露丸」、「セイロガン糖衣A」を中心とする当社グループの製品の知名度は高く、その結果、安定的な収益の獲得が出来ておりますが、今後他社による新たな製品開発及び競合品の価格引き下げ等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、感染管理事業における「クレベリン」等の製品においても、他社の優れた製品の出現や競合品の価格引き下げ等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)知的財産権に関するリスク
当社グループの感染管理事業における製品は、関連特許により、国内を中心に一定の範囲・期間保護されております。当社グループでは特許権を含む知的財産権を管理し、第三者からの侵害にも常に注意を払っておりますが、当社グループの保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社グループの自社製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、その第三者から損害賠償を請求される可能性があります。また、当社の特許は、一定の範囲に限定されたものであるために、その範囲外から他社の優れた製品が出現した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)法的規制等に関するリスク
当社グループの属する医薬品事業は、国内市場においては「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」という。)等関連法規、また、中国本土・香港・台湾を中心とする海外市場においても同等の法規の厳格な規制を受けており、各事業活動の遂行に際して許認可等を受けております。これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現時点におきましては当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合や何等かの事由により許認可等の更新が出来なかった場合には、当社グループの運営に支障をきたし、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また「薬機法」等関連法規以外にも、事業活動を行う上で様々な法規制等の適用を受けております。当社グループでは、コンプライアンス体制を構築し遵守に努めておりますが、重大な法令違反を起こした場合や法規制等に追加変更があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、台風や地震等の自然災害で景気が一時的に落ち込んだものの、雇用情勢や個人消費の改善等により緩やかな回復基調で推移しました。
この様な状況の下、当社グループの連結経営成績は、以下の通りとなりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高10,418百万円(対前連結会計年度比10.1%増)、営業利益2,029百万円(対前連結会計年度比9.3%増)、経常利益1,885百万円(対前連結会計年度比20.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,415百万円(対前連結会計年度比29.3%増)となりました。
セグメント別の経営成績につきましては以下の通りであります。
(医薬品事業)
医薬品事業は、対前連結会計年度比1.6%増の5,542百万円の売上高となりました。
国内向けの売上高は対前連結会計年度比0.6%減の3,705百万円、海外向けの売上高は対前連結会計年度比6.3%増の1,837百万円となりました。セグメント損益は対前連結会計年度比1.6%減の1,901百万円となりました。
(感染管理事業)
感染管理事業は、対前連結会計年度比22.0%増の4,862百万円の売上高となりました。
国内一般用製品の売上高は対前連結会計年度比23.8%増の3,728百万円、国内業務用製品の売上高は対前連結会計年度比17.3%増の1,083百万円、海外向けの売上高は対前連結会計年度比2.6%増の50百万円となりました。セグメント損益は対前連結会計年度比5.7%増の1,315百万円となりました。
(その他事業)
その他事業は、対前連結会計年度比26.2%減の13百万円の売上高となりました。セグメント損益は34百万円の損失(前連結会計年度は32百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は21,600百万円(前連結会計年度末比1,127百万円増)となりました。また、負債合計は4,114百万円(同61百万円増)、純資産合計は17,485百万円(同1,065百万円増)となりました。前連結会計年度末からの主な変動要因は、現金及び預金の増加等による流動資産1,007百万円の増加と、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金増加等による純資産1,065百万円の増加であります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末から0.8ポイント増加し、80.8%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)が前連結会計年度末より645百万円増加し、当連結会計年度末残高は7,192百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りになります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,748百万円(前連結会計年度は59百万円の使用)となりました。主に税金等調整前当期純利益1,985百万円、減価償却費460百万円の計上の一方で、法人税等の支払額565百万円、売上債権の増加額274百万円等の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は746百万円(前連結会計年度は113百万円の使用)となりました。主に有形固定資産の売却による収入504百万円の増加要因の一方で、投資有価証券の取得による支出725百万円、有形固定資産の取得による支出303百万円、無形固定資産の取得による支出202百万円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は338百万円(前連結会計年度は73百万円の使用)となりました。主に株式の発行による収入178百万円の増加要因の一方で、配当金の支払額498百万円等の減少要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
(千円) |
5,591,315 |
96.0 |
|
感染管理事業 |
(千円) |
4,985,641 |
124.3 |
|
その他事業 |
(千円) |
15,382 |
78.2 |
|
合計 |
(千円) |
10,592,340 |
107.5 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
(千円) |
33,379 |
57.1 |
|
感染管理事業 |
(千円) |
- |
- |
|
その他事業 |
(千円) |
- |
- |
|
合計 |
(千円) |
33,379 |
57.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
(千円) |
5,542,565 |
101.6 |
|
感染管理事業 |
(千円) |
4,862,208 |
122.0 |
|
その他事業 |
(千円) |
13,873 |
73.8 |
|
合計 |
(千円) |
10,418,646 |
110.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
アルフレッサヘルスケア㈱ |
3,779,065 |
40.0 |
4,232,075 |
40.6 |
|
一徳貿易有限公司 |
1,423,135 |
15.0 |
1,442,120 |
13.8 |
|
㈱大木 |
1,355,455 |
14.3 |
1,409,551 |
13.5 |
|
㈱PALTAC |
1,046,261 |
11.1 |
1,168,051 |
11.2 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高につきましては、主に感染管理事業の大幅な増収により、対前連結会計年度比10.1%増の10,418百万円となりました。売上総利益につきましては、増収影響等により、対前連結会計年度比9.3%増の7,161百万円となりました。なお、感染管理事業における製品リニューアルに伴う旧品の返品増加等により、売上総利益率は0.6ポイント悪化し68.7%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費につきましては、マーケティング強化に伴い、販売費、人件費等が増加し、対前連結会計年度比9.3%増の5,131百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業利益につきましては、対前連結会計年度比9.3%増の2,029百万円となりました。経常利益につきましては、為替差益の計上や京都工場・研究開発センターにおける未稼働設備関連費用の減少等により増益幅が拡大し、対前連結会計年度比20.2%増の1,885百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益に固定資産売却益214百万円を計上した一方で、特別損失に割増退職金123百万円を計上したこと等により、対前連結会計年度比29.3%増の1,415百万円となりました。
セグメント別の経営成績につきましては以下の通りであります。
(医薬品事業)
医薬品事業につきましては、対前連結会計年度比1.6%増の5,542百万円の売上高となりました。
国内向けの売上高につきましては、「セイロガン糖衣A」が堅調に推移したものの、「正露丸クイックC」が減少したこと等により、対前連結会計年度比で減少となりました。
海外向けの売上高につきましては、中国市場向けを中心に堅調に推移し、対前連結会計年度比で増加となりました。
セグメント損益につきましては、増収となったものの、京都工場・研究開発センターにおける製造試験費用が増加したこと等により、対前連結会計年度比1.6%減の1,901百万円となりました。
(感染管理事業)
感染管理事業につきましては、対前連結会計年度比22.0%増の4,862百万円の売上高となりました。
国内一般用製品の売上高につきましては、季節性インフルエンザの流行は前年を下回ったものの、マーケティング戦略が奏功しブランド力が高まったこと等により、対前連結会計年度比で大幅に増加となりました(※)。また、製品デザインリニューアルに伴う販促強化により店頭の陳列スペースが拡大し、さらに、2018年12月より新TVCMを放映開始したこと等により、店頭販売が好調に推移しました。
国内業務用製品の売上高につきましては、主にオフィス向けの需要が好調に推移したこと等により、対前連結会計年度比で増加となりました。
セグメント損益につきましては、マーケティング強化に伴う販売費、人件費等の増加を増収影響等により吸収し、対前連結会計年度比5.7%増の1,315百万円となりました。
(※)季節性インフルエンザの流行につきましては、国立感染症研究所 weekly 定点報告数 IDWR 速報データより算出したインフルエンザ流行期(11月~2月)の定点報告数累計値により比較しております。
(その他事業)
その他事業につきましては、主に木酢液を配合した入浴液や園芸用木酢液等の製造販売を行い、売上高は、対前連結会計年度比26.2%減の13百万円となり、セグメント損益は、34百万円の損失(前連結会計年度は32百万円の損失)となりました。
ⅱ 経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因としましては、以下のようなものがあります。
イ.特定製品への依存
当社グループにおける売上高の大半が「クレベリン 置き型」、「正露丸」及び「セイロガン糖衣A」によって構成されており、万一品質等に問題が発生した場合には、販売中止・回収を余儀なくされることも考えられ、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
こうした中、当社グループでは、様々な研究機関との共同研究をはじめ、知的財産のさらなる蓄積、新たな許認可の取得及び新たな技術開発をしていくとともに、新製品・サービスの企画、販売、マーケティング等に関する国内外のパートナー企業とのアライアンスも積極的に活用することで、さらなる商品ラインナップの充実を図ってまいります。
ロ.国内市場規模の縮小
当社グループは日本国内を主要な販売地域のひとつとしているため、国内人口の減少等による市場規模の縮小の脅威にさらされており、今後国内市場の需要減少等により当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
こうした中、医薬品事業につきましては、国内では市場の維持拡大に向けて新製品開発及び新規市場の開拓も行うとともに、海外では当社製品への潜在的需要が拡大しているアジア諸国において市場の開拓を強化してまいります。
一方、感染管理事業につきましては、世界的に感染予防と衛生管理への関心が高まりつつあることから、国内ではさらに積極的な新製品の企画・販売を行うとともに、海外では有力なパートナー企業とともに新規チャネルを開拓し、売上拡大を目指してまいります。
ハ.競合他社の存在
当社グループは多数のメーカーが競合する厳しい競争環境にさらされており、今後他社による新たな製品開発及び競合品の価格引下げ等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
こうした中、当社グループでは、マーケティング戦略を刷新し、正露丸シリーズ及びクレベリンシリーズのブランディングを見直すとともに、製品理解の促進及び使用用途の深耕を図り、競合他社との差別化を打ち出すことで、市場シェア向上を目指してまいります。
ニ.急激な需要の変化等
感染管理事業においては、感染対策を中心とした市場環境の影響を受け、感染症の流行及び予防意識の動向等によっては、製品の需要に急激な変化が生じ、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
こうした中、当社グループでは、感染症への感染に対し最も意識が高い層を明確なターゲットとしコミュニケーションの効率化を図り、新製品開発や新たな使用用途及び使用機会を提案していくこと、また、需要予測の精度を高め最適な生産・物流体制を目指していくこと等により、一般用、業務用ともに、感染症の流行等に左右されない安定的な収益確保に努めてまいります。
ⅲ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払い等によるものです。投資を目的とした資金需要は、企業価値の向上を図るための設備投資や研究開発等の投資等によるものです。
運転資金及び投資資金については、主に自己資金により調達しております。
なお、当連結会計年度末時点における長短借入金や社債等の残高はございません。
該当事項はありません。
当社グループは「自立」、「共生」、「創造」の基本理念を実践し、世界のお客様に健康という大きな幸せを提供することを使命と考え、生活者が健康で快適な生活を送るために必要とされる製品を提供すべく研究開発活動を行っております。
現在の研究開発は主に当社の京都工場・研究開発センターにおいて、医薬品事業及び感染管理事業を中心に推進されております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りであります。
(1)医薬品事業
消化器管関連医薬品のスペシャリティ・ファーマとして、下痢のメカニズムの解明や、100有余年にわたり利用されてきた「正露丸」の主成分である日局木クレオソートについて、薬理薬効の研究を続けてまいりました。日局木クレオソートの有効性や安全性等の研究成果については、国内外の専門学術雑誌を中心に成果の発表を行うとともに、新規効能に対する研究を各大学と提携し進めてきました。さらに、健康サポート薬局に対応するエビデンスとして、日局木クレオソートと他の薬物との相互作用の研究を進めております。
また、日局木クレオソートが腸内細菌に対して影響を及ぼさないことを臨床研究で検証して、その薬理作用は腸内の殺菌ではなく腸の蠕動運動や水分調節であることを示しました。日局木クレオソートを使用した薬剤の開発も行っており、その効果有効性を周知させるための薬剤の開発も行っております。
さらに、日局木クレオソートの止瀉以外の有用性研究として、アニサキスに対する殺虫作用及び作用機序の検証を進めております。
(2)感染管理事業
二酸化塩素の基礎応用研究としましては、微生物に対する作用メカニズムの研究、各種ウイルス、細菌、真菌等に対する有効性の研究(二酸化塩素関連製品を用いた研究を含む。)、各種応用研究、安全性の研究を自社及び各研究機関と連携をとりながら進めております。これまで実施してきた多くの基礎研究をより高めるため、付着菌や浮遊菌への効果試験も継続して行っており、製品の信頼性を一層高めるよう努めております。
また、前連結会計年度より、大阪大学大学院医学研究科と空間環境感染制御学共同研究講座を立ち上げ、未来の医療として期待されている再生医療分野でサイエンスレベルの高い基礎研究を行い、二酸化塩素ガスの細胞レベルの安全性と細胞培養における有効性の検証を行うことで、医療、食品、医薬等の清浄空間の維持管理等への応用を目指し、これからの感染管理事業の礎を築く研究活動を引き続き展開しております。
一方、製品開発は、特許低濃度二酸化塩素ガス発生装置の開発を中心に、これまで測定することができなかった低濃度の二酸化塩素ガス濃度を測定できる検知器の開発や、その警報システムの開発を行うことで、装置事業のさらなる発展を進めております。加えて、二酸化塩素ガスの新規発生機構の開発を開始することで、新規用途の製品開発に着手しております。中でも、特許低濃度二酸化塩素ガス発生装置である「クレベリン発生機」に関しては、二酸化塩素ガス発生方法の研究開発を継続して行い、空調機器として発展させております。
また、特許濃度長期保持型二酸化塩素ガス溶存液は、衛生製品として製造販売しておりますが、日本国内では動物用を視野に入れた研究開発活動を推進しております。
その他、現在着手している研究開発活動は以下の通りであります。
・0.007 ppmの低濃度二酸化塩素ガスの付着緑膿菌に対する有効性データとその作用機序を学会発表することで、0.01 ppmよりも低い濃度でのエビデンスを拡充しております。
・大阪大学大学院医学研究科の空間環境感染制御学共同研究講座で細胞培養における細胞に対する長期安全性検証結果を学会発表しています。
・安定した二酸化塩素ガスを発生させる装置の開発を行うことで、標準ガスを作り出すことが可能となり、多方面での用途が広がります。
・低濃度の二酸化塩素ガスを検知できる検知器を開発することで、発生している二酸化塩素ガス濃度を確認することが可能となり、信頼性と安全性が高まり感染管理事業の拡大が図れます。
・アライアンスを活用した製品開発にも着手しており、今後二酸化塩素製品の拡大が可能となります。
・開発した検知器を用い、実空間での実証試験や拡散・検証を行い製品の信頼性を高めております。
(3)その他事業
木酢を使用した種子消毒製品の農薬開発に取り組んでおり、実使用に向けた現場試験も実施しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
|
医薬品事業 |
|
|
感染管理事業 |
|
|
その他事業 |
|
|
合計 |
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