第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「毎日の料理を楽しみにする」という企業理念に基づいて、レシピサービス「クックパッド」を運営し、日本のみならず世界中の料理のつくり手の「料理」に関する様々な課題解決にむけて事業展開を行っています。個人と社会と地球が抱える様々な課題を、料理をとおして見つけ、考え、解決し、これからの時代にふさわしい豊かさをつくっていくことを当社の使命と考え、会社の経営の基本方針としています。

 

 (2) 目標とする経営指標

当社グループは2017年から10年をさらなる大きな成長のための事業基盤創りに再度注力する「投資フェーズ」としており、サービス開発、ユーザーベース獲得、ブランド構築等の事業拡大のための投資を行っていくため、中長期的な財務数値を前提とした経営指標は特に設けていません。
 

(3)優先的に対処すべき課題

当社グループは、「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを掲げ、長期的な成長のための投資を行っています。この期間に下記の3つを達成したいと考えています。

 

①「クックパッド」を世界中で使われるサービスにすること

「クックパッド」は、国内では幅広く認知されたサービスに成長しています。海外においても、徐々に利用者が増加している状況です。これからもますます世界中の人々に利用されるサービスにしていきます。

 

②「便利」なサービスから、「楽しみになる」サービスにすること

当社は、一人ひとりの生活者がつくり手になると、気づきが増えて、家族や、地域社会、地球の健康にとってより良い判断をするようになると信じています。したがって、便利にとどまることなく、つくり手であり続けることの意義を感じる楽しみなサービスにしていきます。

 

③レシピサービスにとどまらず、料理を取り巻くバリューチェーンの中で、つくり手を増やすためのサービスを展開すること

家庭で食事をする上では、種や苗のつくり手、農家、加工や物流の業者、食器やキッチン用品の製造者など多くのつくり手が関わっています。このバリューチェーンのつくり手が増え、つくり手のこだわりが、生活者に伝われば伝わるほど、料理は楽しみになっていく可能性が増えます。これらのつくり手の支援に当社は注力していきます。

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因と考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の株式に関する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

1. 事業内容に係わるリスク要因について

(1) 「クックパッド」への依存について

当社グループは、レシピの投稿及び検索を中心としたサービスである「クックパッド」を運営しています。当社グループの事業は、「クックパッド」を基盤としているため、利用者の様々なニーズに対応するための機能拡充が順調に進まないこと、予期せぬ事象が発生すること等によりサービスの利便性が低下し、利用者数が減少した場合やサービス運営が不能となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 「クックパッド」等の有料サービスの代金回収における特定事業者への依存について

当社グループでは、「クックパッド」等の有料サービスの利用料金の回収について、携帯キャリアやモバイルアプリケーションの配信プラットフォーマー等に回収代行業務を委託しています。これらの会社が回収代行の手数料率や利用者への販売価格の価格テーブルを変更等した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) サービスの健全性の維持について

「クックパッド」では、不特定多数の利用者同士が独自にコミュニケーションを図っており、こうしたコミュニケーションにおいて、他人の知的財産権、名誉、プライバシー、その他の権利等の侵害、その他不適切な投稿がなされる危険性が存在しています。
 このため、禁止事項を利用規約に明記するとともに、利用規約に基づいた利用がされていることを確認するためにユーザーサポート体制を整備し、利用規約に違反した利用者に対しては、ユーザーサポートから改善要請等を行っており、一定の健全性は維持されているものと認識しています。
 しかしながら、急速な利用者数の増加による規模拡大に対して、サービス内における不適切行為の有無等を完全に把握することは困難であり、サービス内においてトラブルが発生した場合には、規約の内容に関わらず、当社が法的責任を問われる可能性があります。また、当社の法的責任が問われない場合においても、トラブルの発生自体がサービスのブランドイメージ悪化を招き、当該事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 「クックパッド」利用者の投稿コンテンツの利用について

当社グループでは、「クックパッド」利用者が投稿したコンテンツを、その事業において利用する場合があります。この場合において、当社グループは必要に応じて投稿コンテンツのオリジナル性を確認するとともに、投稿コンテンツの利用に関する投稿者の意思を確認する等の適切性及び適法性確保のための手続きを行っています。投稿コンテンツに権利侵害等の疑いまたは風評問題が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 新規事業展開について

当社グループは、「毎日の料理を楽しみにする」というミッションの下、料理を中心とした様々な新規事業の展開を目指しています。しかしながら、新規事業の展開にあたってはその性質上、市場環境等の変化により、計画通りに利益を確保できない可能性があります。このような事態が発生し、新規事業を計画通りに展開できなかった場合には、投資の回収が困難になり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(6) 国際事業展開について

当社グループは、世界中の人々に利用されるレシピサービスの提供を目指し、グローバルに事業展開を行っています。しかしながら、各国の法令、制度・規制、政治・社会情勢、文化、宗教、ユーザー嗜好、商慣習の違い、為替等をはじめとする潜在的リスクに対処出来ないこと等により事業を推進していくことが困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 技術革新について

当社グループが事業を展開するインターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新技術の導入が相次いで行われています。当社グループは、これらの変化に対応するため、技術者の確保や必要な研究活動を行っています。これらが想定通りに進まない場合等、変化に対する適切な対応ができなかった場合には、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) システム障害について

「クックパッド」へのアクセスの急増等の一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウェアの不具合、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故等、当社グループの予測不可能な様々な要因によってコンピューターシステムに障害が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が生ずる可能性があります。また、コンピューターシステムの作動不能や欠陥に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や当社に対する損害賠償請求が発生する場合も想定され、このような場合には当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 競合について

「クックパッド」は、料理レシピの投稿及び検索サービスとして利用者の獲得において先行しているものと認識しています。しかしながら、今後、資本力、マーケティング力、幅広い顧客基盤、高い知名度や専門性を有する企業等の参入及びそのサービス拡大が生じ、競争の激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
 このような環境において、今後も優位性を発揮し、企業価値の維持向上が図れるか否かについては不確実な面があるため、競合他社や競合サービスの影響により、当社グループの競争優位性が低下した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

2.経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスク要因について

(1) コーポレートブランドの価値毀損について

当社グループは、コーポレートブランドの価値がユーザーの信頼確保、ユーザー基盤の拡大、当社サービスの利用促進に貢献していると考えています。したがって、コーポレートブランドに対する否定的な評判・評価がインターネット等を通じて世間に流布される場合には、当社グループのブランド価値が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 法的規制等について

当社グループは、インターネットを活用して事業を展開しております。そのため、今後、インターネットの利用自体やインターネット関連サービス又はインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 知的財産権に係る方針等について

当社グループによる第三者の知的財産権侵害については、その発生を防ぐべく調査その他の対応を行っていますが、その解釈の違い等、第三者の知的財産権侵害の可能性は完全に排除されているとは言えません。第三者の知的財産権を侵害した場合においては、当社グループが損害賠償請求や差止請求等、または当社グループに対するロイヤリティの支払要求等を受けることにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 個人情報保護について

「クックパッド」等では個人情報を取得利用しているため、当社グループは「個人情報の保護に関する法律」、「欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)」、その他の法令に基づき、個人情報保護に関する義務を課されています。当社グループは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、当社において個人情報管理規程等を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、当社グループの役職員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインの遵守に努め、個人情報の保護に積極的に取り組んでいます。
 しかしながら、当社グループが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等を生じる可能性が完全に排除されているとは言えません。したがって、これらの事態が起こった場合には、適切な対応を行うための相当なコストの負担、損害賠償による損失、社会的信用やブランドイメージの低下によって、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 情報漏えいについて

当社グループは、業務に関連して多数の機密情報を保有しています。情報セキュリティ教育や、アクセス制御等の情報セキュリティ管理体制の整備を通じ、人的・物理的・技術的対策を講じていますが、これら対策にかかわらず、機密情報の漏えいが生じた場合には、適切な対応を行うための相当なコストの負担、損害賠償による損失、社会的信用やブランドイメージの低下によって、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 人材の確保及び育成について

当社グループは、事業拡大に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えています。特に利用者向けサービスの構築及び運用面においては高度な技術スキルを有する人材が要求されることから、サービス構築のために必要な人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があります。また将来を担う人材として、毎年継続的に新卒者を採用する方針です。
 しかしながら、当社グループが求める優秀な人材の確保や育成が計画通り進まなかった場合、及び既存の人材が社外流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) M&Aについて

当社グループがM&Aを実施した場合、被買収企業との融合又は提携先との関係構築・強化が予定通り進捗しない場合、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合等、投資に要した資金、時間その他の負担に見合った利益を回収できない可能性があり、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、国際会計基準に基づいて当該事象に伴い発生した相当額ののれんを連結財政状態計算書に計上します。当該のれんについては、将来の収益力を適正に反映していますが、事業の展開等が計画通りに進まない場合、国際会計基準に基づいたのれんの減損処理を行う必要が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 当社と大株主との関係について

当社の創業者である佐野陽光(以下「佐野氏」といいます。)は、当社の取締役兼執行役であり、かつ、当社の議決権の43.36%を保有している大株主でもあります。したがって、佐野氏は、株主総会や取締役会等を通じ、役員の選解任を含む当社の意思決定に重要な影響を及ぼしうる立場にあります。今後佐野氏の当社の経営に関する考え方に変更が生じた場合等には、当社グループの事業戦略に重要な影響を与える可能性があります。

 

(9) 自然災害について

当社グループの主たる拠点は東京都内にあり、当地域内において、地震、津波等の大規模災害が発生したことにより被害を受けた場合、事業を円滑に運営できなくなる可能性があり、当社グループ事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

(10) 新型コロナウルスの感染拡大について

新型コロナウイルス感染症の拡大が、世界の経済活動や企業運営に甚大な影響を与えています。当社グループにおいては、従業員の安全を確保するとともに、当社グループの事業に対する影響の把握及び事業継続のために必要な対策を検討し実施しております。新型コロナウイルスが当連結会計年度の業績に与える影響は限定的であると認識しておりますが、感染拡大長期化による消費活動の低迷や、当社グループ従業員等の感染による事業活動の制約などにより、今後の経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りです。

 

①経営成績の状況

2020年12月期連結会計年度(2020年1月1日~2020年12月31日)の業績は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自  2019年1月1日

 至  2019年12月31日)

当連結会計年度

(自  2020年1月1日

 至  2020年12月31日)

前期比

売上収益

11,753

11,095

△5.6

営業利益

306

151

△50.6

税引前当期利益

269

134

△49.9

親会社の所有者に帰属する
当期利益(△損失)

△968

405

 

 

当社グループは「毎日の料理を楽しみにする」というミッションの下、日本のみならず世界中の料理のつくり手を増やすべく、料理に関する様々な課題解決に向けた積極的な投資を行っています。このミッションについて、当社グループの事業活動の目的・存在意義を明確にするため、定款に「当会社は、『毎日の料理を楽しみにする』ために存在し、これをミッションとする。」、「世界中のすべての家庭において、毎日の料理が楽しみになった時、当会社は解散する。」という記載をしています。

世界中の人々の生活は資本主義体制の中で非常に豊かになりました。貧困に悩む人は減り、医療技術の革新により人類の寿命は長くなりました。しかしながら、生活は豊かになりましたが、肥満や生活習慣病、バーチャルな人間関係の偏重がもたらす心の病は増加しました。また、「地球」の健康という意味でも、CO2排出量の増加、オゾン層の破壊、土壌や海洋の自浄作用を超えた汚染等大きな犠牲を払ってきました。

外食やデリバリーの普及によって、安くて美味しいものが手軽に食べられるようになりましたが、それらの食品を流通させるために、多くの森林が伐採され、ゴミも増え続けています。結局、今まであった問題を解決する中で、また新たな問題を作っているに過ぎないのではないかと当社グループは考えています。

ひとの健康に必要なものは、食事、運動、睡眠といわれています。世界でもっとも頻度高く行われている社会活動は、家族での食事です。つまり食は、地球にも、ひとにも、社会にも大きな影響を与えているといえます。この食の良し悪しが地球と、ひとと、社会のこれからの分岐点になると思っています。

当社グループは、食の世界を良くするには、「つくり手を増やすこと」が重要だと考えています。資本主義社会では、どうしても利益の追求が優先され、結果、地球の未来を犠牲にすることが多くなりますが、つくり手になると様々な「気づき」が増え、より正しいと思う考えに基づいて「自ら変える力」が強くなります。「つくり手」で居続けてもらうためには、料理が楽しみに、それも、毎日楽しみになる仕組みづくりが必要だと思うのです。料理をもっとクリエイティブで楽しいものにしたい。「つくること」をワクワク楽しいことにしたい。「作業」ではなくどんどんうまくなるものにしたい。料理をとおして、他の人とのつながりが楽しみとなり増えていくようにしたい。そんな風に考えています。世界中の70億人の中には、すでに料理を楽しんでいる「つくり手」がたくさんいます。そのひとたちのエネルギーや、知恵や、思いや、気持ちが人々を励まし助けになるようなコミュニティをつくりたいと思っています。当社グループは地球、ひと、社会、の健康を「毎日の料理を楽しみにする」ことによって実現していきます。

当社グループは、国内においては、料理レシピ検索・投稿サービス「クックパッド」をはじめ、買い物をもっと自由にする生鮮食品EC「クックパッドマート」、料理が楽しくなるマルシェアプリ「Komerco」、料理動画サイネージ「cookpad store TV」や、有名人と一緒に料理を楽しめる「cookpadLive」等の運営を行っています。海外においては、「クックパッド」のグローバルプラットフォームを、世界75カ国、33言語(日本を除く)で展開しています。

当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の流行で、国内外が未曽有の危機に直面することとなりました。このような環境の中、国内では、学校休校やリモートワークの推奨により料理をする機会が増えた人への支援として、クックパッドプレミアムサービスの機能の一部である「人気順検索」を無料開放、利用者の皆様から寄せられたアイディアや発見を集約して提供する等の支援を行いました。当社サービスが「人々の役に立つためには」、「日常生活の一部になるためには」ということを、ここまで意識したことはなかったように思います。今後も当社は、世界中の人々の「毎日の料理を楽しみにする」を実現することで、企業価値の向上を目指し邁進してまいります。

これらの結果、当連結会計年度における売上収益は11,095百万円(前期比5.6%減)となりました。これは主にその他売上において、通信キャリアとのレベニューシェア型の売上収益がサービス終了に伴い減少したこと、及び国内レシピサービス広告売上において、ネットワーク広告の販売単価が下落し、売上収益が減少したことによります。販売費及び一般管理費は10,604百万円(前期比2.3%増)となりました。人件費の一部を売上原価に計上したことに加えて、新型コロナウイルスの影響により旅費交通費や研修費が減少したものの、新規事業にかかる人員数や費用が増加したことによります。その他営業収益において、子会社清算に伴い為替換算調整勘定取崩益の計上を行った他、その他営業費用においては前連結会計年度に計上したのれんの減損損失を計上しなかったことにより、営業利益は151百万円(前期比50.6%減)となりました。税引前当期利益は134百万円(前期比49.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人税等を計上した一方で、繰延税金費用の減少及びCookpadTV株式会社において非支配持分に帰属する当期損失が発生したことにより、405百万円となりました。

 

当社グループは、「毎日の料理を楽しみにする事業」の単一セグメントでありますが、売上収益の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自  2019年1月1日

 至  2019年12月31日)

当連結会計年度

(自  2020年1月1日

 至  2020年12月31日)

前期比

毎日の料理を楽しみにする事業

11,753

11,095

△5.6

 

国内レシピサービス会員売上

7,378

7,323

△0.7

国内レシピサービス広告売上

3,016

2,818

△6.6

その他売上

1,358

953

△29.8

 

 

当連結会計年度における国内レシピサービス会員売上は7,323百万円(前期比0.7%減)となりました。新型コロナウイルス感染拡大期に行ったプレミアムサービス入会無料施策は好調だったものの、有料会員への流入が限定的であったこと等によります。
  当連結会計年度における国内レシピサービス広告売上は2,818百万円(前期比6.6%減)となりました。「クックパッド」に掲載するバナー広告の売上は増加したものの、ネットワーク広告が、販売数、単価ともに下落したこと等によります。
 当連結会計年度におけるその他売上は、953百万円(前期比29.8%減)となりました。これは主に通信キャリアとのレベニューシェア型の売上収益が減少したこと等によります。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ540百万円減少し、26,664百万円となりました。このうち、流動資産は250百万円減少し、25,161百万円となり、非流動資産は290百万円減少し、1,502百万円となりました。

これらの増減は主に、流動資産については、主に為替の円高影響等により現金及び現金同等物が419百万円減少したことによるものです。非流動資産については、減価償却等により有形固定資産が401百万円減少したことによるものです。

 

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ384百万円減少し、1,999百万円となりました。このうち、流動負債は46百万円減少し、1,382百万円となり、非流動負債は337百万円減少し、617百万円となりました。

これらの増減は主に、非流動負債については、リース負債の返済により、リース負債が356百万円減少したことによるものです。

 

(資本)

当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ156百万円減少し、24,665百万円となりました。これは主に、為替の円高影響等によりその他の資本の構成要素が293百万円減少したこと、非支配持分が268百万円減少したこと及び利益剰余金が405百万円増加したことによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ419百万円減少し、22,685百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、610百万円となりました。これは主に、税引前当期利益134百万円、減価償却費及び償却費540百万円を計上した一方で、営業債権及びその他の債権が250百万円増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、166百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出184百万円が生じたことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は、428百万円となりました。リース負債の返済による支出388百万円が生じたことによるものです。

 

④生産、受注及び販売の状況

    (生産実績)

生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしていません。

 

   (受注状況)

当社グループでは概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しています。

 

  (販売実績)

当連結会計年度の販売実績については、前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①「経営成績の状況」をご参照ください。

 

   なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

当連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Apple Inc.

2,174,009

18.5

2,429,124

21.9

株式会社NTTドコモ

2,649,610

22.5

2,113,337

19.0

ストライプジャパン株式会社

10,978

0.1

1,183,177

10.7

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記」に記載のとおりです。

この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、この結果は資産・負債、収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、一部過去の実績に基づく概算数値を用いるために、不確実性が伴っており実際の結果と異なる場合があります。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (売上収益)

当連結会計年度における売上収益は11,095百万円(前期比5.6%減)となりました。これは主に、ネットワーク広告売上が、販売数・単価の下落により減少したことおよび、その他売上における通信キャリアとのレベニューシェア型の売上収益が減少したことによります。

 

 (営業利益)

当連結会計年度における営業利益は151百万円(前期比50.6%減)となりました。これは主に、上記売上収益の減少に加え、販売費及び一般管理費において、海外の採用活動強化に伴う人件費およびそれに付随する費用と、国内の新規事業に係る費用が増加したことによります。なお、前連結会計年度のその他の費用において、のれんの減損損失769百万円を計上しております。

 

 (親会社の所有者に帰属する当期利益)

親会社の所有者に帰属する当期利益は405百万円となりました。これは主に、繰延税金費用の減少及びCookpadTV株式会社において非支配持分に帰属する当期損失が発生したことによります。

 

 ③資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

資金需要につきましては、当社は2017年から10年をさらなる大きな成長のための事業基盤創りに再度注力する「投資フェーズ」としており、サービス開発、ユーザーベース獲得、ブランド構築等の事業拡大のための投資を行っていく想定です。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施します。

 

 ④経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 特筆すべき事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。