当連結会計年度におけるわが国経済は、原油等の資源価格の下落を背景とした企業収益の改善や雇用情勢の好転による緩やかな回復基調が一部では見られましたが、景気全体としては足踏み状態が続き、個人消費が伸び悩む中、中国を始めとした新興国経済の減速に加え英国のEU離脱決定を背景とした金融市場の混乱による景気減速の懸念が強まっております。
医療業界におきましては、平成28年度の診療報酬改定が決定し、医師の人件費等に当たる「診療報酬本体」は0.49%引き上げ、医薬品や材料の価格である「薬価部分」は1.33%(うち材料価格は0.11%)引き下げとなることから、診療報酬全体(ネット)では0.84%のマイナスとなりました。改定の基本方針として地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する充実等が掲げられており、急性期病院の施設基準が厳格化される一方、外来や在宅医療の推進が図られ、認知症ケアや小児、救急医療等が重点分野とされ、地域の診療所や薬局における「かかりつけ機能」をより評価する施策が盛り込まれております。
当社グループが属する医療機器販売業界におきましては、地域包括ケアシステムの推進による医療機関の経営環境の変化によって複合的なサービスへの要求の更なる高まりが見込まれることに加え、業界内での大型のM&Aや他業界からの参入による競争激化から、医療機関との継続的な取引関係の維持において様々な提案力が引き続き求められてくると考えられます。
このような経営環境の下、当社グループは「地域医療への貢献」を経営理念に掲げ、医療機器の供給を始めとして、ITによる管理システムや物流の効率化、高度・先進医療技術や医療現場に関する情報提供など医療経営のサポートを推進する事で、多様化する医療ニーズに応え、高度で信頼できる医療環境の創造へ貢献することを目標とし、特にSPD事業の拡大に注力しており、医療材料(消耗品)の販売を通じた手術室業務支援ソフトウェア「サージレーン」や医療材料データベース・医療材料分析サービス「メッカル」、手術室の貸出品管理を目的とした手術室情報管理システム「MORISS」の提案等、医療機関の経営改善に繋がる複合的なサービスの推進に努めました。
その結果、売上高については、前期は大型の設備案件が大幅に減少しておりましたが、当期においては医療機関の増改築に伴う備品案件獲得や一般消耗品の売上が堅調に推移したため、前期を上回ることが出来ました。一般消耗品のうちSPD事業においては想定した利益率を下回り、前期と比較して売上総利益率が若干低下したものの、備品販売において堅調に利益を確保することが出来たため、売上総利益全体としては、前期を上回ることが出来ました。販売管理費については、新規物流センター開設に伴う外部委託先に対する業務委託費や、新規SPD案件の初期導入に係る人件費等が増加しました。
この結果、当連結会計年度における売上高は158,400百万円(前期比8.4%増)、営業利益は987百万円(同45.8%増)、経常利益は1,449百万円(同40.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は899百万円(同107.7%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a医療機器販売事業
医療機器販売事業の売上高では、消耗品については、新規獲得したSPD契約による消耗品売上のベースアップもあり、堅調に進捗しました。備品については、病院等の新築及び増改築に伴う備品の獲得があり前期に比べて増加しました。この結果、売上高は154,734百万円(前期比8.5%増)となりました。利益面では、医療機関からの値下げ要求の高まる中、SPD事業における利益率低下の影響等により前期に比べて消耗品の売上総利益率については若干低下しましたが、販売高増加による販売促進リベートの効果もあり、売上総利益は前期に比べて増加しました。備品についても売上総利益率は前期よりも若干低下しましたが、超音波診断装置や各種臨床検査機器等の診断検査機器等や手術室関連の備品販売があり売上総利益は前期に比べて増加しました。この結果、売上総利益は14,542百万円(同5.3%増)となりました。
またセグメント利益(営業利益)は、4,681百万円(同10.1%増)となりました。
b介護・福祉事業
介護・福祉事業は、営業体制の整備等の効果により介護機器のレンタル事業が堅調に推移し、また㈱ケアフォースを連結の範囲に含めたことによる影響もあり、売上高は3,665百万円(前期比3.3%増)となりました。利益についても、㈱ケアフォースの影響や前期に比べて売上原価が低減したことなどにより、売上総利益は1,528百万円(同6.4%増)となりました。
またセグメント利益(営業利益)は、399百万円(同8.7%増)となりました。
(注)当社グループのセグメントは、次のとおりであります。
医療機器販売事業……(医療機器販売事業)
国内の医療機器メーカー・代理店・商社等より仕入れた医療機器(備品・消耗品)を、国内の病院等医療施設に販売しており、当社グループの基幹となる事業であります。
(医療機器の修理及びメンテナンス事業)
当社グループが病院等医療施設に販売した医療機器の修理及びアフターサービス、病院等医療施設との保守契約に基づく医療機器全般のメンテナンスを行っております。
介護・福祉事業……… 国内外の介護福祉機器メーカー・代理店・商社等より仕入れた介護福祉機器(備品・消耗品)を、国内の病院等医療施設及び介護施設並びに医療機器販売業者、一般個人に販売しております。また、介護福祉機器の一般個人へのレンタルを行っております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ1,211百万円増加し、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額86百万円と合わせて5,501百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,628百万円の収入(前期は962百万円の支出)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益1,444百万円、減価償却費749百万円及び仕入債務の増加額686百万円の収入があった一方で、受取利息及び受取配当金64百万円及び売上債権の増加額56百万円による支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、567百万円の支出(前期は920百万円の支出)となりました。
これは主に、保険積立金の解約による収入100百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出302百万円、長期前払費用の取得による支出263百万円及び無形固定資産の取得による支出115百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、848百万円の支出(前期は1,335百万円の収入)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入600百万円及び短期借入金の純増加額306百万円の収入があった一方で、長期借入金の返済による支出1,425百万円があったことによるものであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
医療機器販売事業 |
139,886,000 |
8.2 |
|
介護・福祉事業 |
2,245,770 |
6.3 |
|
合計 |
142,131,771 |
8.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
医療機器販売事業 |
154,734,719 |
8.5 |
|
介護・福祉事業 |
3,665,676 |
3.3 |
|
合計 |
158,400,395 |
8.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
政府は高齢化進展による2025年問題を見据え、診療報酬の見直し、病院の機能分化等の医療提供体制の整備を図っており、医療機器販売業界では償還価格の下落や競争激化による利益率の低下という影響を受けています。医療機器メーカーによるリスク低減施策としての大手ディーラーへの取引先集約という動きもあることから、中小企業の多い医療機器販売業界においては、企業規模、商圏の拡大を目的とした経営統合の誘因が一層強まるものと考えられます。
このような状況の中、当社グループが中長期的な成長を維持して企業価値の最大化を図っていくために取り組むべき課題は次のとおりであります。
(1) 競争力の強化
当社グループの成長戦略の中核となる地域は、国内最大の市場である東京都を中心とする首都圏です。今までに培ったノウハウと情報ネットワークを活用して、医療機器の販売だけでなく病院物流管理システムの構築や医療材料データベースの提供、医療材料の消費分析、病院経営セミナーの開催等、病院の経営改善に総合的に貢献できる企業として引き続き首都圏の医療機関へ積極的に提案を行い、市場シェアの獲得へつなげるとともに、東海地区・北関東地区・東北地区における体制の更なる盤石化を図る方針です。
また、当社グループは品質管理体制や物流システムをさらに強化して、医療機関の皆様が医療機器を安全に、安心してお使いいただけるように取り組んでいく方針です。
(2) 営業生産性の向上
医療制度改革により、医療機関の機能分化・強化が進むことで、各地域における医療機関からのニーズが多様化・専門化することが見込まれます。当社グループは、様々な医療機関のニーズに応えるために、各子会社の営業組織の運営・支援体制の強化を図ってまいります。これにより、営業社員一人当たりの生産性の向上を通じ、グループ全体の収益性の向上を目指してまいります。
(3) 人材育成
大きな転換期を迎えている医療環境の中で、慣習や経験に囚われることのない自由闊達な社風の醸成と人材の育成を図る方針です。また、ITを活用した情報の共有化やeラーニングによる教育のほか、グループや部門横断型の分科会の取り組みによる体制・連携の強化と個々のスキルアップ、並びに各職位別の教育プログラムによる次世代の経営人材育成にも取り組んでいく方針です。
(4)効率的な経営体質
当社グループは、効率的な経営体質と内部統制の強化を目的として、基幹コンピュータシステムを開発し、グループ事業会社各社に導入しております。当該システムにおいて、主要仕入先の購買業務を共通化し、発注及び購買業務、支払業務及び資金管理を共有化し、業務効率及び資金効率の向上を図っています。中核子会社においては導入から数年が経過し、システムの開発及び運用の両側面において成熟しつつありますが、引き続き管理業務の効率化に取り組みながらも、モバイル端末の活用等による営業活動の効率化及び経営判断に有用な情報を適時に提供するための分析機能の更なる向上を目指しシステムを強化していく方針です。
当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある事項は以下に記載のとおりであります。当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を認識し、事業活動を行っております。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
なお、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。
(1) 業界環境について
①国の医療政策について
国の一般会計における社会保障費は全歳出の3分の1程度にまで膨大しているため、社会保障制度改革国民会議において、「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等を目的とした基本方針」が発表されており、これにより「2025年モデル」(注)と呼ばれる医療機能の再編計画が実施され、医療費の増加が抑制されることが見込まれます。当社グループでは、このような医療改革に対して適宜・適時に対策を講じてまいりますが、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
(注)2025年モデルとは2012年2月閣議決定された社会保障・税一体改革において示された2025年の医療提供体制であります。厚生労働省では、2025年を目途に高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、病床機能分化を進めるとともに、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。
②償還価格の改定について
償還価格とは、公的医療保険制度において医療機関が診療報酬として保険機関(一部は患者の負担)に請求できる代金のうち、医療材料として請求できる材料(特定保険医療材料)の請求価格であります。原則2年に1回行われる診療報酬の改定に伴い償還価格も改定されますが、改定価格は各々の医療材料によりすべて異なります。また、医療機関への販売価格及び仕入先からの仕入価格は、償還価格を基準にするものの、一定ではないことから、償還価格の改定による収益への影響額を事前に算定することは困難であります。しかしながら、当社グループが販売しております償還価格の対象となる特定保険医療材料は当社グループの販売高の3割程度を占めております。従って、償還価格の改定により、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
(2) 今後の経営戦略について
①M&Aについて
医療構造改革の推進(医療費抑制政策)に伴う医療施設の減少や複数の医療機関による共同購買の進展は、当社グループが属する医療機器販売業界においてM&Aや業務提携等による業界の再編成を促進するものと予想されます。このような状況の中、当社グループは経営戦略としてM&Aを推進していく方針でありますが、医療機器販売業界は中小規模の企業が多く、そのほとんどが非上場企業であり、財務内容の精緻化及び透明性において十分ではないものと認識しております。従って、事前調査は細心の注意を払い可能な限り正確に実施する考えでありますが、買収・合併後に簿外債務やコンプライアンス上の問題が発生する可能性があります。また、企業文化の融合や人事交流が円滑に実施できず人材が流出したり社内の融和が進まない場合あるいは基幹システムや業務手順の統合が徹底できない場合等には、業務の効率化やシナジー効果等、予測された効果が発揮できない可能性があります。
②新規事業について
当社グループが新規事業に取り組む場合には、事前に十分な検討を行ったうえで事業計画が策定され、また、取締役会における承認のうえで行われます。新規事業の展開には先行投資が必要となるケースが多く、また、当該事業が安定して収益を計上するまでには相当の時間を要することが予想されるため、一時的に当社グループの利益率が低下する可能性があります。また、医療業界の環境変化等により当該事業が当初の事業計画通りに展開できなかった場合には、投資を回収できなくなる可能性や当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 当社グループの事業に係る法的規制について
①医療機器販売に係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」)について
医薬品医療機器等法では、高度管理医療機器(注1)、特定保守管理医療機器(注2)及び動物用高度管理医療機器を取り扱う医療機器販売業者については、許可の取得が必要となっております。また、本許可を取得するための要件として、販売管理者の設置や市販後のトレーサビリティ(履歴管理)のための情報化整備等、安全管理のための体制強化が義務付けられております。当社グループでは全営業拠点に販売管理者を設置しており、また、トレーサビリティシステムを導入して安全管理体制の強化を図り、各都県知事より許可を取得しておりますが、何らかの事情により、本法令に違反する行為のあった場合、当社の連結子会社の各事業所において高度管理医療機器の販売業及び貸与業の許可取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
(注1)高度管理医療機器とは、副作用、機能障害を生じた場合、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある医療機器と定められています。
(注2)特定保守管理医療機器とは、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とし、その適正な管理を行わなければ疾病の診断治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがある医療機器と定められています。
②生物由来製品の販売に係る医薬品医療機器等法について
医薬品医療機器等法では、医療機器販売業者は、事業所ごとに生物由来製品(注)を販売した際、販売先の住所・氏名その他厚生労働省令で定める事項に関する情報を、当該生物由来製品の製造承認取得者等(医療機器製造業者及び輸入販売業者)に提供することが義務付けられております。当社グループは生物由来製品を販売しているため、生物由来製品の販売情報を製造承認取得者に通知しておりますが、何らかの事情により上記義務を怠った場合には、当社の連結子会社の各事業所において高度管理医療機器の販売業及び貸与業の許可取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
(注)生物由来製品とは、植物を除く人その他の生物の細胞、組織等に由来する原料又は材料を用いた医薬品、医療機器等のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する製品をいいます。
③医薬品の販売に係る医薬品医療機器等法について
当社グループは医療機器に付帯する医薬品、体外診断用試薬等を販売しております。これらの製品を販売するには医薬品医療機器等法に基づき管理責任者の設置や保管設備の整備等が義務付けられております。当社グループは全営業拠点に管理責任者を設置するとともに品質管理体制を整備して、各都県知事より許可を取得しておりますが、何らかの事情により上記要件を満たせなくなった場合、当社の連結子会社の各事業所において医薬品販売業又は、動物用医薬品販売業の許可取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
④医療機器修理に係る医薬品医療機器等法について
医療機器の修理を行うためには専門性・特殊性が求められるため医療機器修理業の許可を取得する必要があります。また、本許可を取得するための要件として修理業責任技術者の設置、継続的研修の毎年度受講、修理報告書の整理・保管が義務付けられております。当社グループでは修理業を行う営業拠点に修理業責任技術者を設置して管理体制の強化を実施し各都県知事より許可を取得しておりますが、何らかの事情により、本法令に違反する行為のあった場合、当社の連結子会社の各事業所において医療機器修理業の許可取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
⑤毒物及び劇物取締法について
当社グループが販売している臨床検査用試薬の一部に毒物及び劇物取締法における毒物又は劇物の指定を受けている製品があります。当該製品の販売につきましては毒物及び劇物取締法に基づき取扱責任者の設置、保管場所の制限、譲受書の保存等が義務付けられております。当社グループでは該当製品を販売する営業拠点はすべて毒物劇物取扱責任者を設置し安全管理体制を整備して、各都県知事の登録を受けておりますが、何らかの事情により本法令の基準に適合しなくなったと認められた場合、当社の連結子会社の各事業所において登録取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
⑥福祉用具販売事業に係る介護保険法について
介護保険法では、居宅介護福祉用具購入費の支給対象となる特定福祉用具(注1)は、都道府県知事より指定を受けた特定福祉用具販売事業者(注2)又は特定介護予防福祉用具販売事業者(注3)から購入されたものであると定められております。協和医科器械㈱及び㈱栗原医療器械店では、特定福祉用具の販売に当たり、全営業拠点に管理者及び福祉用具専門相談員を設置し安全管理体制を整備して、各都県知事より特定福祉用具販売事業者及び特定介護予防福祉用具販売事業者の指定を受けておりますが、何らかの事情により当該要件が満たせなくなった場合、当社の連結子会社の各事業所において指定取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
(注1)居宅介護福祉用具購入費の支給対象となる特定福祉用具とは、腰掛便座、特殊尿器、入浴補助具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分の5種目をいいます。
(注2)特定福祉用具販売事業者とは、介護保険法の要介護度1~5の要介護者を対象に特定福祉用具を販売する事業者をいいます。
(注3)特定介護予防福祉用具販売事業者とは、介護保険法の要支援度1~2の要支援者を対象に特定福祉用具を販売する事業者をいいます。
⑦福祉用具貸与事業に係る介護保険法について
介護保険法では、介護保険法の支給対象となる福祉用具を貸与する事業者は、都道府県知事より福祉用具貸与事業者(注1)又は介護予防福祉用具貸与事業者(注2)の指定を受けることが義務付けられております。協和医科器械㈱及び㈱栗原医療器械店では、福祉用具の貸与に当たり、全営業拠点に管理者及び福祉用具専門相談員を設置し安全管理体制を整備して、各都県知事より福祉用具貸与事業者及び介護予防福祉用具貸与事業者の指定を受けておりますが、何らかの事情により当該要件が満たせなくなった場合、当社の連結子会社の各事業所において指定取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
(注1)福祉用具貸与事業者とは介護保険法の要介護度1~5の要介護者を対象に福祉用具を貸与する事業者をいいます。
(注2)介護予防福祉用具貸与事業者とは、介護保険法の要支援度1~2の要支援者を対象に福祉用具を貸与する事業者をいいます。
⑧医療機器販売に係る建設業法について
当社グループの㈱栗原医療器械店において一般建設業の許可(内装仕上工事業)を取得しております。手術室、集中治療室、MRI等の医療機器販売契約に当たり工事に関わる一件の工事請負金額が500万円以上の工事が含まれる場合は一般建設業の許可を取得している必要があります。また、本許可を取得するための要件として一般建設業の経営業務を管理する責任者(実務経験5年以上の常勤役員1名)の設置が義務付けられております。㈱栗原医療器械店では本社に責任者を設置して県知事より許可を取得しておりますが、何らかの事情により、責任者を設置できない状態になった場合、一般建設業の許可が取り消しとなることにより当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
当社グループの事業及び商品等に対する法的規制の内容
|
対象 |
法令等名 |
法的規制の内容 |
|
高度管理医療機器等 |
医薬品医療機器等法 |
医薬品医療機器等法第39条第1項の規定により許可を受けております。 |
|
動物用高度管理医療機器等販売業・貸与業 |
医薬品医療機器等法 |
医薬品医療機器等法第39条第1項の規定により許可を受けております。 |
|
医薬品販売業 |
医薬品医療機器等法 |
医薬品医療機器等法第24条第1項の規定により卸売販売業の許可を受けております。 |
|
動物用医薬品販売業 |
医薬品医療機器等法 |
医薬品医療機器等法第24条第1項の規定により卸売販売業の許可を受けております。 |
|
医療機器修理業 |
医薬品医療機器等法 |
医薬品医療機器等法第40条の2第1項の規定により許可を受けております。 |
|
毒物劇物一般販売業 |
毒物及び |
毒物及び劇物取締法第4条の規定により登録を受けた業者であることを許可されております。 |
|
福祉用具販売事業 |
介護保険法 |
介護保険法第70条第1項及び第115条の2第1項の規定により指定特定福祉用具販売事業者及び指定特定介護予防福祉用具販売事業者の指定を受けております。 |
|
福祉用具貸与事業 |
介護保険法 |
介護保険法第70条第1項及び第115条の2第1項の規定により指定福祉用具貸与事業者及び指定介護予防福祉用具貸与事業者の指定を受けております。 |
|
一般建設業 |
建設業法 |
㈱栗原医療器械店は、建設業法第3条第1項の規定により一般建設業(内装仕上工事業)の許可を受けております。 |
⑨公正競争規約について
当社グループは、医療機器を公正で自由な競争秩序の下に適正な価格で提供するため、自主規制団体である医療機器業公正取引協議会(以下、「公取協」という)にて制定した医療機器業公正競争規約(以下、「公正競争規約」という)を遵守しております。
当業界におきましては、医療機器の安全で適切な使用を担保するため、医療機関からの要望に応じ、医療現場において医療機器に関する情報を提供する行為(いわゆる「立会い」)を行う場合がありますが、この「立会い」業務に係り、平成20年4月より公正競争規約に基づく運用基準(「医療機関等における医療機器の立会いに関する基準」)が施行され、一定の規制が設けられました。
当社グループは、適正な「立会い」を行うため、従業員に当該基準を周知徹底し、医療機関にもご理解・ご協力いただくよう努めておりますが、当該基準の内容に係る当社の理解や解釈に齟齬があった場合、規約違反に問われ、販売停止や信頼低下等により、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
⑩個人情報の管理について
当社グループで取り扱う個人情報は、主に個人販売先や従業員の情報でありますが、機密漏洩防止規程、情報システム管理規程及び個人情報管理マニュアル等に基づき、適切な個人情報保護を図っております。しかし、予期せぬ事件・事故等で個人情報が漏洩した場合、損害賠償や信頼低下等により、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
⑪米国海外腐敗行為防止法(以下、「FCPA」という。米国の連邦法:1977年制定)について
当社グループは、米国メーカーの医療機器を多数取り扱っております。米国ではFCPAにより(米国から見た)外国の公務員に賄賂を提供することの禁止、適正な会計記録の保持について厳格に規制されており、世界中のあらゆる企業に適用され多くの企業が違反により摘発されております。また、医療機器業界においても厳しい執行が行われております。当社グループでは、コンプライアンスガイドラインに公的機関との適切な取引について明文化し、定期的に研修を行うことにより従業員に当該規制を周知徹底するとともに賄賂の提供が行われない管理体制を構築しておりますが、当該規制の内容に係る当社の理解や解釈に齟齬があった場合、米国メーカー及び当社グループが規制違反に問われる可能性があります。規制違反に問われた場合には、米国メーカーとの取引停止、信頼低下等により、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。
(4) 業績の変動について
当社グループの販売高の7割程度が病院、診療所等の医療機関であります。また、公的病院への販売高は2割強程度でありますが、当該病院等は12月及び年度末である3月において設備投資を集中して行う傾向があるため当社グループの販売高は毎年12月及び3月において他の月より高くなり、これに連動して利益も当該時期に増加する傾向があります。また、その反動で4月から5月にかけての販売高が他の月より低くなり、これに連動して利益も当該時期に減少する傾向があります。また、医療機関の新築、移転、増築が行われる際には、多額の医療機器の一括購入が発生し、一時的に販売高が増加する場合があります。従って、当社グループの四半期の経営成績は、通期の経営成績に連動するものではなく、四半期又は半期の経営成績だけをもって、通期の経営成績を予想することは困難であります。
なお、平成26年6月期から平成28年6月期における各四半期の売上高及び営業利益又は営業損失の状況は、以下のとおりであります。
|
|
|
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|
|
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(単位:百万円) |
|
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|
平成26年6月期(連結) |
平成27年6月期(連結) |
平成28年6月期(連結) |
|||||
|
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
|||
|
売上高 |
上半期 |
第1Q |
32,654 |
22.4 |
33,931 |
23.2 |
36,641 |
23.1 |
|
第2Q |
38,010 |
26.0 |
38,419 |
26.3 |
39,857 |
25.2 |
||
|
|
|
70,664 |
48.4 |
72,351 |
49.5 |
76,499 |
48.3 |
|
|
下半期 |
第3Q |
44,408 |
30.4 |
39,048 |
26.7 |
44,853 |
28.3 |
|
|
第4Q |
30,895 |
21.2 |
34,769 |
23.8 |
37,048 |
23.4 |
||
|
|
|
75,304 |
51.6 |
73,817 |
50.5 |
81,901 |
51.7 |
|
|
通期 |
145,969 |
100.0 |
146,168 |
100.0 |
158,400 |
100.0 |
||
|
営業利益 |
上半期 |
第1Q |
120 |
7.5 |
△103 |
△15.3 |
△130 |
△13.2 |
|
第2Q |
487 |
30.4 |
371 |
54.8 |
456 |
46.2 |
||
|
|
|
607 |
37.9 |
267 |
39.5 |
325 |
33.0 |
|
|
下半期 |
第3Q |
1,143 |
71.4 |
552 |
81.5 |
733 |
74.2 |
|
|
第4Q |
△149 |
△9.4 |
△142 |
△21.1 |
△71 |
△7.2 |
||
|
|
|
993 |
62.1 |
409 |
60.5 |
661 |
67.0 |
|
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通期 |
1,600 |
100.0 |
677 |
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987 |
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(5) 震災等大規模災害について
当社グループは、群馬、神奈川、静岡の3地区に物流センターを有しており、神奈川の首都圏物流センターは免震構造の建物となっております。震災等の大規模災害が発生した場合においても商品供給を維持できるようバックアップ体制の拡充に努めておりますが、災害の規模が想定を大きく上回る場合においては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項は、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
(2) 当連結会計年度の財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末から1,443百万円増加し47,936百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末から1,220百万円増加し40,248百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,296百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末から222百万円増加し7,688百万円となりました。これは主に投資その他の資産が497百万円増加した一方で、無形固定資産が159百万円減少したことによるものであります。
②負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末から673百万円増加し38,646百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末から1,083百万円増加し35,915百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が687百万円、短期借入金が392百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末から410百万円減少し2,730百万円となりました。これは主に退職給付に係る負債が176百万円増加した一方で、長期借入金が661百万円減少したことによるものであります。
③純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末から770百万円増加し9,290百万円となりました。これは主に利益剰余金が640百万円、その他有価証券評価差額金が217百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、売上高は158,400百万円(前期比8.4%増)、営業利益は987百万円(同45.8%増)、経常利益は1,449百万円(同40.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は899百万円(同107.7%増)となりました。
①売上高及び営業利益
医療機器販売事業では、消耗品については、新規獲得したSPD契約による売上増加があり堅調に推移しました。備品についても、病院等の新築及び増改築に伴う備品販売があり、前期と比較して売上高は増加しました。この結果、売上高は154,734百万円(前期比8.5%増)となりました。利益面では、医療機関からの値下げ要求の高まる中、SPD事業における利益率低下の影響等により前期と比較して消耗品の売上総利益率については若干低下しましたが、販売高増加による販売促進リベートの効果もあり、売上総利益は前期と比較して増加しました。備品についても売上総利益率は前期と比較して若干低下しましたが、超音波診断装置や各種臨床検査機器等の診断検査機器等や手術室関連の備品販売があり売上総利益は前期と比較して増加しました。この結果、セグメント利益(営業利益)は、4,681百万円(同10.1%増)となりました。
介護・福祉事業は、営業体制の整備等の効果により介護機器のレンタル事業が堅調に推移し、また㈱ケアフォースを連結の範囲に含めたことによる影響もあり、売上高は3,665百万円(前期比3.3%増)、セグメント利益(営業利益)は399百万円(同8.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、㈱ケアフォースが新たに連結子会社になったこと、新規獲得したSPD契約の人員増に伴う人件費の増加や首都圏物流センターに係る業務委託費の増加等があったため、15,083百万円(前期比3.5%増)となりました。
この結果、売上高は158,400百万円(前期比8.4%増)、営業利益は987百万円(同45.8%増)となりました。
②経常利益
営業外収益は、購買業務を共通化している主要仕入先との取引量が増加したことにより、仕入割引が増加し、564百万円(前期比1.3%増)となりました。営業外費用は、前期において計上していた、持分法を適用した非連結子会社への投資損失が計上されなかったこともあり、102百万円(同48.7%減)となりました。この結果、経常利益は1,449百万円(同40.2%増)となりました。
③親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、固定資産売却益により5百万円(前期比81.0%減)となりました。特別損失は固定資産売却損1百万円、減損損失5百万円及び投資有価証券評価損2百万円により10百万円(同81.0%減)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は1,444百万円(同43.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は899百万円(同107.7%増)となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
地域包括ケアシステムの推進の一環として地域医療連携推進法人制度が平成29年から施行されます。この制度は地域で医療機関を開設している複数の医療法人などが参画して新たな法人(地域医療連携推進法人)を作り、複数の医療機関や介護施設を一体的に運営する制度です。地域医療連携推進法人の設立のメリットとして、法人内の病院間での医師の配置や病床の融通が可能となるため、病床機能分化と連携の推進による医療資源の有効活用が可能となります。平成28年度は各都道府県における主要病院を中心に、同法人の設立の検討・準備が活発化すると見込まれており、これにより医薬品、医療材料、機器の共同購入や診療の分担等も進展すると考えられます。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、医療機器の供給のみならず、多様化する医療現場のニーズに対応するため、経営戦略として「営業基盤・競争力の強化」「業務効率の改善」「M&Aの推進」を基本方針とし、地域医療への貢献と業容の拡大に努めてまいりました。また、経営ビジョンとして掲げる「医療機器販売業界において圧倒的No1を実現する」ために、平成25年7月、平成26年7月と同業2社を買収、子会社化し、また平成26年10月には医療及び介護向けの移乗機器や電動ベッド等の輸入・販売を目的とした子会社を設立するなど、グループのシェア拡大を実現しております。今後、わが国は高齢化社会の進展に伴い、疾病構造や医療供給体制が変化していくと考えられます。従って、医療資源をそのニーズに合わせてタイムリーに供給することが重要になっていくと予想されます。
このような状況の中、当社は、今まで培ったサージレーン等の病院経営改善ツールを活用した提案型営業の更なる強化やスケールメリットを活かした物流の効率化など、より一層、地域医療への貢献を果たす施策に取り組んでまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローにつきましては、「第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (2)[キャッシュ・フローの状況]」をご参照ください。
②資金の需要
当社の運転資金需要の主なものは、医療機器及び医療材料の仕入のほか、全社に係る販売費及び一般管理費によるものであります。
なお、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入金により調達することとしております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の属する医療機器販売業界は、政府の医療費抑制政策を受けて、高額医療機器や材料価格の大幅な見直しが行われており、国民医療費の伸びと比較して市場成長率は低くなっているものの、新規製品による材料費のアップや症例数増加等の影響を受けて市場規模は拡大しております。また、平成29年からは地域医療連携推進法人制度が施行されることとなっております。
このような環境の下、自社拠点拡充による業容拡大のみならず、M&Aによる収益拡大を図る動きが医療機器ディーラー間で活発化し、シェア競争が激化することが予想され、さらに今後はメーカーによる直販などの動向についても注視していく必要があると認識しております。これらの問題認識への対応として、当社としては医療業界の変化をチャンスと捉え、常に営業効率を意識した活動と労働環境の一層の改善により利益率の改善を図る一方で、引き続き規模の拡大を推進し、最新の医療情報の提供を通じた高付加価値商品の提案営業の強化や、プライベートブランドの展開により、業界におけるリーディングカンパニーを目指してまいります。