文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、人々の生命や健康にかかわる医療機器を取り扱う企業として、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保に資する責任を果たすために『地域医療への貢献』を理念として掲げ、迅速かつ適切で安定した医療機器の供給、それぞれの地域に適応した付加価値の高いサービスの提供、最新の情報提供等を通じて、地域社会、ひいてはすべての人々の健康と豊かな生活へ貢献することを目指しております。
この企業理念の実現のため、各地域において顧客を始めとしたステークホルダーから最も信頼される存在となることをビジョンとして掲げております。経営環境の目まぐるしい変化に対応するため、当社グループ独自のサービス提案の強化、M&Aによる企業規模の拡大と効率的な資源配分、シナジーの創出により安定的な成長を目指し、業績においても業界におけるリーディングカンパニーとなることを目指してまいります。また、利潤の追求のみならず、当社グループの社会的価値の向上も重視し、リスク管理・コンプライアンス体制及びコーポレート・ガバナンスの強化による透明性・健全性の高い経営体制の構築、ESG、SDGsへの取り組みも推進してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
政府は高齢化進展による2025年問題を見据え、診療報酬の見直し、病院の機能分化等の医療提供体制の整備を図っており、医療機器販売業界では償還価格の下落や競争激化による利益率の低下という影響を受けております。一方、高齢化進展に伴う医療機器の需要増加の影響もあり、市場規模自体は緩やかに拡大しております。足元では、各医療機関においては新型コロナウイルスの治療対応のため、感染防止対策の整備・強化を迫られる中、患者の受診抑制、緊急性の低い手術の延期等が医療経営に大きな影響を及ぼしており、医療経営に資するサービスの提供がより一層求められるものと予想しております。また、医療機器メーカーによるリスク低減施策として大手ディーラーへの取引先集約という動きもあることから、中小企業の多い医療機器販売業界においては、企業規模、商圏の拡大を目的とした経営統合の気運が一層高まるものと考えられます。
このような状況の中、当社グループが中長期的な成長を維持して企業価値の最大化を図っていくために取り組むべき課題は次のとおりであります。
① 競争力の強化
当社グループの成長戦略の中核となる地域は、国内最大の市場である東京都を中心とする首都圏です。今までに培ったノウハウと情報ネットワークを活用して、医療機器の販売だけでなく、当社グループの有する物流管理システムや手術室運営支援プログラム「SURGELANE」、材料価格最適化支援システム「meccul®」、手術室情報管理システム「MORISS」等の各種ソリューションツールを組み合わせることで、良質な医療環境の提供及び病院の経営改善に総合的に貢献できる企業として引き続き首都圏の医療機関へ積極的に提案を行ってまいります。また、急性期医療を提供する医療機関への営業強化ならびに低侵襲手術分野への注力により市場シェアの獲得を図る方針です。併せて、東海地区・北関東地区・東北地区・北陸地区における体制の更なる盤石化を図ります。加えて、当社グループは品質管理体制や物流システムを更に強化して、医療機関の皆様が医療機器を安全に、安心してお使いいただけるように取り組んでいく方針です。
② M&A及びアライアンスの推進とグループ経営管理体制の強化
競争激化や人材不足等の要因で厳しさを増す経営環境に対応するため、継続的にM&A及びアライアンスを推進し、事業規模の拡大や人材の獲得を図る方針です。委員会等の組織横断的な取り組みや人事交流を通じてグループ内の連携を強化し、ノウハウを共有するとともに当社グループの有するソリューションツールの活用を推進していくことで生産性の向上を図ります。売上原価率の低減に向けた取り組み、IT、物流等の業務インフラの整備や管理業務の集約による効率化に加え、働き方改革に向けた業務環境の改善についてもグループ一体となって注力してまいります。また、グループ事業部門の最適化、PMI(Post Merger Integration:統合効果の最大化)の推進についても継続的に取り組んでまいります。以上の取り組みの強化により、当社グループは長期にわたり安定的な成長を図ってまいります。
③ コーポレート・ガバナンス
長期にわたり企業価値の向上を実現するためには、「地域医療への貢献」という経営理念に基づき、すべてのステークホルダーから支持を得て、経営の透明性・健全性を確保しながらも、効率的な意思決定を可能とするコーポレート・ガバナンス体制の構築こそが重要であると考えております。そのためには、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人等の法律上の機能制度の更なる改善及び整備を図り、監督から執行の現場までを有機的に連携させることで、その機能を強化するとともに徹底してまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下に記載のとおりであります。当該リスクは、当社の取締役会の諮問機関として設置した「コンプライアンス・リスク委員会」(注)において審議し、当社の取締役会において決議されたものであります。当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を認識し、事業活動を行っております。文中の将来に関する事項は、当連結会計期間の末日において判断したものであります。
(注)「コンプライアンス・リスク委員会」は、当社の代表取締役社長を委員長とし、当社の取締役及び監査役、各子会社の代表取締役社長を委員とする会議体であります。四半期に1回開催し、コンプライアンス及びリスクに関する重要事項の審議、その他事業活動に伴い生じる各種リスクについて確認し、その発生及び影響を最小限に止めるための施策を検討し、実施しております。
(1) 業界環境について
① 国の医療政策について
我が国においては、少子高齢化が進む中、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる2025年にかけて急速な医療ニーズの増加が見込まれることから、2014年に制定された医療介護総合確保促進法に基づき、病院・病床機能の分化・強化、在宅医療の充実、チーム医療の推進、医師等の確保・偏在対策等によって、患者個々の状態にふさわしい、良質かつ適切な医療を効果的・効率的に提供する体制の構築を目指す医療法の改正が行われております。この改正に基づき、各都道府県では、2025年の医療需要と医療機能ごとの病床の必要量を推計し地域の実情に応じた医療提供体制実現のための施策を内容とする「地域医療構想」を策定し、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの医療機能ごとの分化と連携を推進しております。
当社グループでは、地域における医療政策・外部環境の変化や医療機関の経営状況についてきめ細やかな情報収集に努め、ソリューションビジネスの推進による提案力の強化やスケールメリットを活かした物流効率化等、より一層地域医療への貢献を果たす施策に取り組む考えですが、医療機関における機能分化・集約が促進することで、医療機関ごとに購入する医療機器の集約が生じ販売先となる医療機関が減少する可能性、また、医療機器販売業界における競争を更に激化させる可能性があり、当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
② 償還価格の改定について
償還価格とは、公的医療保険制度において医療機関が診療報酬として保険機関(一部は患者の負担)に請求できる代金のうち、医療材料として請求できる材料(特定保険医療材料)の請求価格であります。原則2年に1回行われる診療報酬の改定に伴い、償還価格も改定されます。特定保険医療材料の医療機関への販売価格及び仕入先からの仕入価格は、償還価格を基準にするものの、一定ではありません。また、償還価格の改定価格も各々の医療材料によりすべて異なります。従って、償還価格の改定による販売額や収益への影響額を事前に算定することは困難であります。
当社グループにおいては、このような償還価格の対象となる特定保険医療材料の販売高が全体の3分の1程度を占めており、償還価格の改定が当社グループの販売価格や売上総利益率の低下傾向に作用する場合には、当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 経営戦略及び対処すべき課題について
① M&Aについて
当社グループでは、変化する業界環境に対応して成長を維持し、多様化する医療現場のニーズに応えるため、中長期的な経営戦略として、各地域に密着した企業とのM&Aによる企業規模の拡大を目指しています。スケールメリットを活用したコスト削減や業務効率化により、安定的な成長と企業価値の向上を図る考えです。
しかしながら、医療機器販売業界は中小規模の企業が多く、そのほとんどが非上場企業であり、必ずしも企業価値算定の基準となる市場価格が存在するわけではなく、財務内容の精緻化及び透明性においても十分ではないものと認識しております。当社グループでは、取得価格や合併比率等の決定にあたっては、事前調査を実施のうえで財務状況や事業計画の進捗状況、将来の見通し等を総合的に勘案し、規模等に応じ独立した第三者算定機関による企業価値算定結果をも踏まえたうえで、可能な限り慎重に交渉・協議する考えですが、根拠とした事業計画を達成できる保証は無く、結果として予測通りの収益を得られないと判断された場合には、「のれん」の減損損失を計上する可能性があり、これにより当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。また、事前調査にあたっては、細心の注意を払い可能な限り正確に実施する考えですが、買収・合併後に簿外債務やコンプライアンス上の問題が発生する可能性があり、これにより当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
また、M&Aの対象となる各社にはそれぞれの企業文化と従業員がいることを認識しております。当社グループでは、地域に密着した各社の企業文化と従業員を尊重し、グループとして手を携えていく考えですが、企業文化の融合や人事交流が円滑に実施できず、人材が流出してしまう場合や基幹システム・業務手順の統合が徹底できない場合には、M&Aによる業務の効率化やシナジー効果等の予測された効果が発揮できない可能性があり、これにより当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
② 新規事業について
当社グループでは、多様化する医療現場のニーズに応えるため、ソリューションビジネスの推進による提案力の強化やスケールメリットを活かした物流効率化等、より一層、地域医療への貢献を果たす施策に取り組み、企業価値の向上に努めていく考えです。当社グループが新規事業に取り組む場合には、事前に十分な検討を行ったうえで事業計画が策定され、取締役会における承認のうえで行われます。しかしながら、新規事業の展開には先行投資が必要となるケースが多く、当該事業が安定して収益を計上するまでには相当の時間を要することが予想されるため、一時的に当社グループの利益率が低下する可能性があります。また、医療業界の環境変化等により当該事業が当初の事業計画通りに展開できなかった場合には、投資を回収できなくなる可能性があり、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材育成について
当社グループの事業には、大きな転換期を迎えた病院、診療所等の医療機関の多様化するニーズを的確に把握し、適切に対応できる人材が不可欠です。当社グループにおいては、長時間労働の抑制及び多様かつ柔軟な働き方の支援を通じ、働き方改革に取り組むとともに、研修及び教育制度の充実、評価制度の導入により、地域医療を支える全ての従業員が働きがいをもって仕事ができる環境整備に力を入れております。しかしながら、今後、各事業分野及び地域における人材獲得競争の激化等により、相応しい人材の獲得が困難となる場合、人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
④ 効率的な経営体質について
当社グループは、購買から販売、請求・入金といった各業務を連携・統合する基幹システムをグループ事業会社に導入することで効率的な経営体質と内部統制の強化を図っており、各部が連携し、運用する営業現場や管理部門からの情報・意見を汲み上げながら、今後も、システムの機能強化や更なる整備に取り組み、より付加価値の高いシステム環境を構築していく方針です。しかしながら、システム環境の構築には多額の設備投資が必要となる一方で、医療現場の運用や多様化するニーズとの間に齟齬が生じてしまった場合、新規運用についての成熟が思うように進まなかった場合には、かえって営業生産性や業務効率性を低下させる可能性があり、これにより投資を回収できなくなる可能性、当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 当社グループの事業に係る法的規制について
当社グループは事業の遂行にあたって、以下のような法的規制の適用を受けております。
そのため当社グループでは、医療に携わる企業として、「正義と利益のどちらかを取らなければならない状況に遭遇したら、迷わず正義を取れ」を企業活動の基本姿勢とし、コンプライアンスガイドラインの策定、eラーニングでの社内研修制度により、当社グル―プの役員及び従業員としての行動規範の周知徹底を図り、法的規制に対する違反行為のリスクを低減するよう努めています。また、他の業務執行部門から独立した当社の内部監査室による内部監査を実施し、内部管理体制の適切性・有効性を検証、評価し、その改善を促すことにより、法令を遵守するための体制構築に取り組んでおります。しかしながら、これらの対策を行ったとしても、役員及び従業員による個人的な不正行為を含む法的規制に対する違反行為のリスクを回避できない可能性があります。法的規制に対する違反行為があった場合には、違反の内容に応じて、許認可等の取消その他の行政処分、罰金刑といった法的制裁を受ける可能性のほか、取引先からの取引停止を受ける可能性、当社グループへの信頼低下などによる販売活動へ影響が生じる可能性、被害者に生じた損害の賠償、内部管理体制の改善・強化等のために多額の費用が生じる可能性があり、これにより当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
① 許認可等について
医療機器の販売業・貸与業・修理業・製造販売業、医薬品及び再生医療等製品の販売業について医薬品医療機器等法による規制の適用を受けており、その他遂行する事業、取扱う商品・サービスに応じて、毒物及び劇物取締法、介護保険法、建設業法といった各種業法による規制の適用を受けております。医薬品医療機器等法を含む各種業法に基づき取得している主な許認可等については、次のとおりです。
② 贈賄防止に関する法令・独占禁止法について
当社グループの販売先には国公立病院等の公的な医療機関が含まれており、取引にあたっては入札が実施されることもあるため、贈賄防止に関する法令や入札談合を禁止する独占禁止法を遵守する必要があります。なお、当社グループは米国メーカーの医療機器を多数取り扱っており、贈賄防止に関する法令については国内法だけでなく、米国海外腐敗行為防止法(FCPA)等の国外法にも注意を払う必要があります。
③ 景品表示法・医療機器業公正競争規約について
景品表示法は医療機器販売業を含む医療機器業等の業種に適用する特別の景品規制を設けており、当社グループは医療機関等に対して、医療機器の取引を不当に誘引する手段として、医療機器の使用のために必要な物品またはサービスその他正常な商慣習に照らして適当と認められる範囲を超えて景品類を提供することを禁止されております。景品規制については、同法の規制に加え、当社グループが属する業界の自主規制団体である医療機器業公正取引協議会が制定した医療機器業公正競争規約についても遵守する必要があります。
④ 個人情報保護法について
当社グループでは従業員の個人情報の他、医療機関が保有する個人情報、医療機器・介護福祉機器の個人販売先の個人情報を取扱うことがあります。個人情報を取扱うにあたっては、個人情報保護法に基づき、適正な取得や漏えい防止のための管理体制を整備する必要があります。
(4) 大規模自然災害・新興感染症について
① 大規模自然災害について
当社グループは、首都圏・東海地区・北関東地区・東北地区・北陸地区・北海道地区に拠点を置き、広範囲に事業活動を展開しております。地震、火災、台風、洪水、雪害等の自然災害の発生に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、当社グループも医療業界の一員として医療インフラの継続を図るための安定供給体制の整備に努めております。特に地震災害に関しては、神奈川県内に免震構造の物流センターを有し、商品供給維持のためのバックアップ体制の拡充に努めております。しかしながら、当社グループの事業範囲は広範囲であり、昨今の気候変動に伴う災害の大規模化を鑑みると、災害が発生した場合のリスクを全て回避することは困難であります。災害の規模が想定を大きく上回り、当社グループの本社・事業拠点、倉庫施設等の被災により商品が汚損・破損した場合、従業員の勤務が困難となった場合、流通経路の寸断により納品が困難となった場合、顧客及び仕入先等の被災により販売及び仕入が困難となった場合には、経常的な事業運営に支障をきたし、当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
② 新興感染症について
当社グループは、病院や診療所等の医療機関と日常的に密接な関わりを持ち事業活動を行っております。当社グループは、医療関係者として医療機関に準じた感染予防対策を含んだ新興感染症BCPマニュアルを策定し、従業員・顧客・取引先の安全対策の実施に努めております。しかしながら、新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のような大規模な新興感染症が発生した場合のリスクを全て回避することは困難であります。感染拡大の規模やスピードが想定を大きく上回り、従業員が感染し勤務が困難となった場合、感染対策として行政からの要請・指導があり事業活動が制限される場合、顧客である医療機関での感染拡大により診療取りやめとなった場合、仕入先における生産や調達が困難となった場合には、一時的な事業停止、在庫の滞留、売掛債権回収の遅延等経常的な事業運営に支障をきたし、当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 当社グループの製品について
① 取扱製品の使用期限管理について
医療機器や医薬品をはじめとして、当社グループで取扱う製品の一部には、製造元により使用期限が設定されています。当社グループでは、より安全で高品質な製品を医療・介護福祉の現場にお届けすることを目指し、定期的な実地棚卸の実施その他運用の徹底・検証、ITシステムの活用により使用期限管理体制の改善・強化に取り組んでおります。しかしながら、万が一、当社グループの人為的要因やシステムトラブルにより使用期限を経過した製品が流通し重大な健康被害が生じた場合には、医療機器販売業等に係る許認可等の取り消し、当社グループへの信頼低下などにより販売活動へ影響が生じる可能性や、患者様・医療機関等への補償、使用期限管理体制の改善・強化等のために多額の費用が生じる可能性があり、これにより当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
② プライベートブランド商品について
当社グループでは、医療機関のニーズを重視したプライベートブランド商品の販売を行っておりますが、医療関連製品であることから、確かな品質を追求しております。ディーラーからメーカーへと立場を変え、責任ある商品の選定・供給に努めておりますが、プライベートブランド商品に予期しがたい欠陥や不具合が発生した場合には、商品回収や損害賠償などによる多大な費用負担に加え、当社グループへの信頼低下により、当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 医療技術の革新について
医療技術は日々進歩しており、例えば心疾患治療における低侵襲性医療の発展により、使用される医療機器にも変化があります。当社グループは、医療機器の総合ディーラーとして、特定の領域に偏ることなくほぼ全ての領域の医療機器を取扱っておりますが、今後の医療技術の革新により、取扱っている医療機器の使用が減少する場合には、当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 貸倒れリスクについて
当社グループでは、取引先の現状、将来性、経営者、業界事情等を評価・判断し与信管理規程に則った取引先別の与信限度額を設定し、与信管理を徹底することで、貸倒れ等を未然に防止し、且つ最小限に抑えるよう努めております。しかしながら、取引先の業績悪化などで予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、損失・引当の計上が必要となった場合には、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 業績の変動について
当社グループの販売先には国公立病院等の公的な医療機関が含まれており、当該医療機関は12月及び年度末である3月において設備投資を集中して行う傾向があるため当社グループの販売高は毎年12月及び3月において他の月より高くなり、これに連動して利益も当該時期に増加する傾向があります。また、その反動で4月から5月にかけての販売高が他の月より低くなり、これに連動して利益も当該時期に減少する傾向があります。また、医療機関の新築、移転、増築が行われる際には、多額の医療機器の一括購入が発生し、一時的に販売高が増加する場合があります。従って、当社グループの四半期の経営成績は、通期の経営成績に連動するものではなく、四半期又は半期の経営成績だけをもって、通期の経営成績を予想することは困難であります。
なお、2018年6月期から2020年6月期における各四半期の売上高及び営業利益又は営業損失の状況は、以下のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における日本国内の経済環境は、雇用・所得環境に引き続き改善が見られ、緩やかな回復基調で推移しましたが、米国をはじめとする政策の変更、貿易摩擦の拡大等の世界経済の減速懸念に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済への影響は大きく、先行き不透明な状況が継続しております。
医療業界におきましては、本年4月の診療報酬改定において医療従事者の働き方改革の推進として、地域における救急医療提供体制の充実、医師等の長時間労働の改善等が重点課題として盛り込まれており、中長期的には質の高い医療の実現と同時に効率的で持続可能な社会保障制度の運用を目指すこととされています。一方で、各医療機関においては新型コロナウイルスの治療対応のため、感染防止対策の整備・強化を迫られる中、患者の受診抑制、緊急性の低い手術の延期等により、医療経営に大きな影響を及ぼしております。
当社グループの属する医療機器販売業界におきましては、診療報酬改定による医療材料の販売価格下落の影響が強まる一方で、医療機関の経営改善や効率化に貢献しうる複合的なサービスの提供が求められる状況となっており、こうした背景からM&Aや業務提携等による事業の拡大や強化を目指す動きが活発化しております。
このような経営環境の下、当社グループは第3四半期より、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、医療機関の医療体制維持のため不足する製品の調達と供給を優先し、全社員で感染拡大防止に努めていくことを方針として事業活動に取り組んでおります。新型コロナウイルス感染拡大による手術症例の減少の影響が出ているものの、全体としては症例数が増加したことで手術室関連の消耗品販売が増加しました。また、2019年10月の消費税増税に伴う駆け込み需要の影響があったことに加え、当第4四半期より㈱アクティブメディカルとの経営統合による業績への寄与もあり、売上高及び売上総利益は増加となりました。なお、㈱アクティブメディカルの株式取得にかかるのれんについて、取得時の前提条件に変化が生じたことから、のれんの再評価を行った結果、137百万円の減損損失を計上しております。
この結果、当連結会計年度における売上高は210,388百万円(前期比6.4%増)、営業利益は1,100百万円(同25.7%増)、経常利益は1,598百万円(同11.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は951百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失70百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(医療機器販売事業)
医療機器販売事業における消耗品につきましては、第3四半期において新型コロナウイルス感染拡大による手術症例の減少の影響があったものの、全体としては症例の増加及び新規獲得したSPD契約による販売増加及び㈱アクティブメディカルとの経営統合も寄与し、売上高及び売上総利益は前期と比較して増加しました。備品につきましては、消費増税前の医療機関における予算執行の前倒しにより、内視鏡システム、画像診断装置、超音波診断装置等の他、放射線機器等の高額備品の販売も増加しました。
この結果、売上高は205,389百万円(前期比6.5%増)、売上総利益は20,362百万円(同11.7%増)、セグメント利益(営業利益)は6,805百万円(同13.7%増)となりました。
(介護・福祉事業)
介護・福祉事業につきましては、介護機器のレンタル事業及び、備品販売が好調に推移し、前期と比較して売上高は増加したものの、㈱ケアフォースにおいて、販売可能性の低い商品の廃棄損を計上した影響により売上総利益率は低下しました。
この結果、売上高は4,998百万円(前期比4.3%増)、売上総利益は1,909百万円(同1.1%増)、セグメント利益(営業利益)は、543百万円(同0.2%減)となりました。
(注)当社グループのセグメントは、次のとおりであります。
医療機器販売事業……(医療機器販売事業)
国内の医療機器メーカー・代理店・商社等より仕入れた医療機器(備品・消耗品)を、国内の病院等医療施設に販売しており、当社グループの基幹となる事業であります。
(医療機器の修理及びメンテナンス事業)
当社グループが病院等医療施設に販売した医療機器の修理及びアフターサービス、病院等医療施設との保守契約に基づく医療機器全般のメンテナンスを行っております。
介護・福祉事業……… 国内外の介護福祉機器メーカー・代理店・商社等より仕入れた介護福祉機器(備品・消耗品)を、国内の病院等医療施設及び介護施設並びに医療機器販売業者、一般個人に販売しております。また、介護福祉機器の一般個人へのレンタルを行っております。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末から7,969百万円増加し69,970百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末から4,742百万円増加し57,041百万円となりました。これは主に現金及び預金が2,144百万円、受取手形及び売掛金が1,395百万円、商品及び製品が931百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末から3,226百万円増加し12,929百万円となりました。これは有形固定資産が312百万円、無形固定資産が1,488百万円、投資その他の資産が1,425百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末から6,780百万円増加し56,097百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末から3,484百万円増加し49,799百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が1,337百万円、短期借入金が1,157百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末から3,295百万円増加し6,298百万円となりました。これは主に長期借入金が2,797百万円、繰延税金負債が297百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末から1,188百万円増加し13,873百万円となりました。これは主に資本剰余金が695百万円減少した一方で、利益剰余金が1,342百万円、その他有価証券評価差額金が513百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ2,095百万円増加し、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額95百万円と合わせて、8,450百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,169百万円の収入(前期は1,084百万円の支出)となりました。
これらの要因は主に、税金等調整前当期純利益1,334百万円、減価償却費674百万円、売上債権の減少額2,307百万円等の収入要因が、仕入債務の減少額2,321百万円、たな卸資産の増加額746百万円等の支出要因を上回ったことによるものであります。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、138百万円の収入(前期は1,702百万円の収入)となりました。
これらの要因は主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入792百万円、貸付金の回収による収入351百万円等の収入要因が、有形固定資産の取得による支出472百万円、無形固定資産の取得による支出499百万円等の支出要因を上回ったことによるものであります。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、787百万円の収入(前期は1,313百万円の支出)となりました。
これらの要因は主に、長期借入による収入1,900百万円等の収入要因が、長期借入金の返済による支出877百万円等の支出要因を上回ったことによるものであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
ⅰ キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローにつきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
ⅱ 資金の需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、医療機器及び医療材料の仕入のほか、全社に係る販売費及び一般管理費によるものであります。投資を目的とした資金需要は、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金につきましては、内部資金又は金融機関からの短期借入を基本としており、M&A等による投資資金は金融機関からの長期借入を基本としております。
当社グループは長期にわたる安定的な成長を目指しており、そのためには、収益性、効率性向上による利益拡大が重要であると考えております。このような認識のもと自己資本当期純利益率(ROE)を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標とし、指標の最大化に向けて邁進してまいります。当連結会計年度は7.2%となりましたが、中長期的には8.0%以上を目標としております。
当社グループの属する医療機器販売業界は、政府の医療費抑制政策を受けて、地域における効率的な医療供給体制の構築に向けた病院の再編及び高額医療機器や材料価格の見直しが行われております。このような環境の下、既存エリアにおける業容拡大のみならず、M&Aによる事業基盤の拡大により更なるマーケットシェアの向上を図っております。また、販売単価が下落傾向にある中、利益を確保するために、販売価格と仕入価格の継続的な交渉、スケールメリットを活かした購買力の強化、物流体制の改善、適正な在庫管理体制、プライベートブランドの販売推進に取り組んでまいります。また「SURGELANE」や「MORISS」等の様々なソリューションビジネスの更なる推進により、医療機関の効率的な運営体制の支援を図っていくことで、地域医療の課題解決へ貢献し、当社グループの社会的価値の向上を図ってまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響は、翌連結会計年度の第2四半期以降徐々に回復していくものの、翌連結会計年度中まで続くことを前提に、会計上の見積りをおこなっております。
なお、上記前提は不確実性が高く、当該感染症の影響が、想定以上に長期化あるいは深刻化した場合には、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っています。将来、実際の課税所得が減少した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。一方、実際の課税所得が増加した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が増加した場合には、繰延税金資産を計上することにより、税金費用が減少する可能性があります。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、事業計画をもとに最新の事業環境に関する情報等を反映しているほか、必要に応じて外部専門家による評価を活用しております。
減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討をおこなっておりますが、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
c 関係会社株式
当社グループは、関係会社株式について、実質価額が取得原価に比べて50%程度以上低下した場合には、事業計画をもとに実質価額の回復可能性を検討しておりますが、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、回復可能性がないと判断され、関係会社株式評価損が発生する可能性があります。
当社は、2019年12月19日開催の取締役会において、株式会社アクティブ・ケアより株式会社アクティブメディカルの発行済全株式を取得することにつき承認決議し、2020年3月31日に企業結合しております。本件は、2019年12月20日に開催されました入札手続きを経て、同月23日に当社が落札し、同月24日に株式会社アクティブ・ケアとの間で株式譲渡契約を締結しております。
当社は、2020年2月6日開催の取締役会において、当社連結子会社である協和医科器械株式会社が株式会社ケアフォースを吸収合併することを決議し、2020年4月1日付で吸収合併いたしました。
上記の2つの契約等の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 企業結合等関係」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。