第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(経営環境、グループ経営理念)

山形県を営業基盤とする株式会社荘内銀行(以下、荘内銀行)と、秋田県を営業基盤とする株式会社北都銀行(以下、北都銀行)が、県境をまたがる経営統合により2009年に共同持株会社フィデアホールディングス株式会社を設立し、フィデアグループとしてスタートいたしました。

フィデアグループは、役職員全員が自ら考え行動することで持続可能な地域社会の実現に貢献し、東北地方に根差した地域金融機関として地域のお客さまとともに成長する姿を目指してまいります。

 

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(経営環境及び対処すべき課題)

東北地方は人口減少や高齢化など構造的な問題を抱え、加えて、人手不足に伴う人件費の高騰、インフレの進行など、地域経済の厳しい状況が長期化することが懸念されております。また、地域内事業所数の減少、内外の金利環境の変化、地政学的リスクの高まり、異業種参入による競争環境の変化など、地域金融機関を取り巻く環境は厳しさを増しています。

このような中で、2024年度は、第5次中期経営計画の2年目として、地域における金融仲介機能の充実及び取引先の経営改善や事業再生支援等に積極的に取り組むとともに、GX・DX分野を中心としたコンサルティング営業体制の強化、統合シナジーの深掘りによる一層の経営効率化、市場部門の収益力回復に注力してまいります。また、事業環境の変化に応じた不断の変革を実践し、持続可能な地域づくりに貢献することのできる広域地方銀行グループを目指してまいります。

 

(グループ再編の検討開始について)

当社グループは、公的資金を2023年2月に完済したことを踏まえ、経営統合の最終段階として、荘内銀行及び北都銀行の合併に向けた検討を進めることを2024年1月に決定し、2024年2月には、当社及び荘内銀行、北都銀行により合併準備委員会を設置し両行の合併に向けた具体的な協議を開始しております。

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当社グループにおいては、2009年に共同持株会社である当社を設置しフィデアグループとしてスタートして以来、経営統合効果の実現による企業価値向上を目指し、営業ノウハウの共有、本部機能の効率化、基幹系システムの統合、関連会社の統合などを実施してまいりました。2016年のマイナス金利政策導入以降は、一層の経営効率化を図るべく、営業体制の改革、持株会社と両行にまたがる本部機能の一本化、事務集中部門の統合などを進めてまいりました。また、荘内銀行及び北都銀行では、地域に根差した地域密着の強みを生かし、お取引先のニーズに寄り添う法人個人一体営業を展開し地域経済活性化を図るとともに、地方創生につながる再生可能エネルギー事業、定住・移住促進事業、観光拠点を活用したまちづくり事業などに積極的、主体的に取り組んでまいりました。

両行の合併により、規模の拡大による資金供給能力の向上や本部業務の効率化による営業体力の充実、両行それぞれに配置している専門人材によるコンサルティング力向上を実現し、これまで両行が長年にわたり築いてきた地域のお客さまとの関係を一層強化してまいります。

 

※ 今後のスケジュール感

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

グループ経営理念に基づき、当社グループのサステナビリティへの考え方についてサステナビリティ方針として策定するとともに、あわせて投融資方針等各種方針を明示し具体的に実践しております。また、取締役会にサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ方針に係る業務執行の状況について監督する体制としております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) ガバナンス

当社は、2020年度にスタートした第4次中期経営計画とあわせて「フィデアグループSDGs宣言」を公表し、SDGsの趣旨に賛同し、地域課題の解決に向けた取り組みを通じて地域社会の持続的な発展を目指すこと、また役職員全員がSDGsの達成に取り組むことを表明しております。

このような中、2021年度には、当社グループのSDGs達成に向けた取り組み及びサステナビリティ経営の状況を評価、検証するとともに、今後のあり方などに関して取締役会に助言することなどを目的として、取締役会の任意組織として社外取締役等を中心に構成するサステナビリティ委員会を設置しました。

また、サステナビリティ委員会において決定した基本方針のもと、具体的な業務執行及び各種施策を検討し実行する当社及び荘内銀行、北都銀行の横断的な会議体としてサステナビリティ推進会議を設置しております。サステナビリティ推進会議においては、当社グループ一体の取り組みとして、気候変動への対応に加え、人的資本や多様性への対応、地方銀行としての地域貢献のあり方等を検討しております。

サステナビリティ委員会は、サステナビリティ推進会議における検討内容及び各種施策への取り組み状況について報告を受け、その取り組み状況等を評価検証します。また、取締役会は、サステナビリティ委員会における審議内容について報告を受け、当社グループ全体のサステナビリティ経営への取り組み状況を監督評価する体制としております。

 

(2) 戦略

当社は、グループ経営理念に基づき東北地方に根差した地域金融機関として、地域経済の活性化、持続可能な地域社会の実現に貢献し地域のお客さまとともに成長していくというサステナビリティへの考え方について、サステナビリティ方針として策定しております。

<サステナビリティ方針>

フィデアグループは、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念の実現に向け、我々を取り巻く、地域経済の持続的な成長、持続可能な地域環境づくり、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、並びに社会から信頼されるガバナンス構築の5つを重要な社会課題として認識し、解決に取り組みます。

これらの課題解決を通じて当社グループの企業価値向上を実現し、地域社会と地域経済の持続的な発展に貢献してまいります。

 

また、サステナビリティ方針を踏まえ、当社グループが「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念を実現するうえで取り組むべき5つの課題をマテリアリティ(重要課題)として特定しました。これらマテリアリティへの取り組みを通じて、SDGs達成に向けた社会課題解決に貢献してまいります。

<マテリアリティ(社会とフィデアグループが持続的に成長するための重要課題)>

1.地域経済の持続的な成長

地域やお客さまが抱える課題の解決に取り組むとともに、デジタル技術も活用しながら、適切な投融資等の金融サービスを提供し、地域経済の持続的な発展に貢献します。また、地方自治体や教育機関等と協働で地方創生に取り組むことで、地域課題の解決を目指します。

 

2.持続可能な地域環境づくり

環境に配慮した経営の実践を通じて地球温暖化や気候変動に対応するとともに、東北地方の豊かな自然の力を活用した再生可能エネルギー事業等に積極的に取り組み、脱炭素社会の実現を目指します。また、東北の農林水産業、観光産業などの産業を支える恵まれた自然環境を守る活動を支援し、持続可能な地域環境の実現に貢献します。

 

3.人権の尊重

性別、性的指向、性自認、宗教、信条、障害、人種、国籍等、あらゆる人権を尊重します。

 

4.働きがいのある職場づくり

全ての従業員が働きがいを感じ、能力を発揮できる職場環境を整備するとともに、従業員一人ひとりが希望する働き方を実現します。また、ダイバーシティと働き方改革を推進し、多様な人材の活躍機会を創出します。

 

5.社会から信頼されるガバナンスの構築

透明性と実効性の高いコーポレート・ガバナンスを実現し、持続的な企業価値の向上に取り組みます。また、株主、お客さま、従業員、地域社会など多様なステークホルダーに対し積極的に情報を開示することで、信頼される企業を目指します。

 

① 気候変動への対応

当社グループは、気候変動に起因するリスクが、戦略、財務、事業運営などに影響を与えるものと認識するとともに、持続可能な地域環境づくりのための再生可能エネルギー事業をはじめとしたサステナブルファイナンスをビジネス機会ととらえ積極的に取り組んでまいります。

また、サステナビリティ方針に基づく投融資方針を下記のとおり定め公表しております。

「投融資方針」

1.フィデアグループは、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の趣旨を踏まえ、グループ経営理念に基づく企業活動を通じた地域社会と地域経済の持続的な発展の実現に向け、地域における環境及び社会問題の解決につながる投融資を推進します。

2.また、環境への負荷や人権問題など社会への影響の大きい事業等に対する投融資に関しては慎重に判断し、十分に留意します。

3.以下に例示するような事業に対して、積極的に支援を行います。

①  地域社会や地域経済の持続的な発展に資する取り組み及びその事業(創業及び事業承継を含む)

②  気候変動リスクを低減する省エネルギーや再生可能エネルギー事業、脱炭素社会の実現に寄与する事業

③  水資源や森林資源などの保全に資する事業

④  少子高齢化に対応する教育、医療や福祉に資する事業

⑤  農林水産業や観光産業をはじめとした地域産業の振興に資する事業

⑥  防災や減災に資する取り組み及びその事業

⑦  その他、持続可能な地域づくりに資する事業

4.以下のような先には投融資を行いません。

①  反社会的勢力及び事業

②  人権侵害や強制労働への関与先

③  非人道的な兵器の開発・製造の関与先や、規制・制裁対象先

④  新設の石炭火力発電所向け投融資

ただし、例外的に取り組みを検討する場合は、発電効率性能や環境への影響、地域社会への影響、個別案件毎の背景や特性等について総合的に勘案し、慎重に対応を検討

 

 

(気候変動に伴うリスクと想定される影響)

当社は、気候変動に伴うリスクと機会について、短期、中期、長期の時間軸で分析を行っており、その内容は以下のとおりとなっております。(以下、「短期」5年程度、「中期」10年程度、「長期」30年程度)

 

主なリスク

時間軸

移行リスク

◇ 気候変動問題に対する適切な取り組みや開示が他社比劣後することによる企業価値の低下

短期~長期

◇ 気候変動に対応した規制や税制等が変更となり、お客さまの業績にネガティブな影響が及ぶことによる信用リスクの発生

中期~長期

◇ 脱炭素関連技術の進捗、消費者の製品嗜好の変化等の市場環境の変化に伴い、お客さまの業績にネガティブな影響が及ぶことによる信用リスクの発生

中期~長期

物理的リスク

◇ 水害等に伴う不動産担保(建物等)の毀損や、お客さま事業施設が自然災害で被災し、事業が停滞することによる信用リスクの発生

短期~長期

◇ 当社グループ事業施設の毀損による事業コストの増加や浸水被害等による営業停滞リスクの発生

短期~長期

機会

◇ 気候変動対策、脱炭素社会への移行を支援するための投融資やサービスの提供

(山形県や秋田県沖における洋上風力発電事業など、脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギー事業へのファイナンスや脱炭素化に関連するコンサルティング機会の拡大など、環境負荷低減を目的とした商品・サービスの積極的な提供)

短期~長期

◇ 当社グループの省資源・省エネルギー化の実施による事業コストの低下

短期~長期

 

(ビジネス機会への取り組み)

お客さまの脱炭素経営への移行に向けたコンサルティング提供やSDGs/ESGの取組支援は、当社グループのビジネス機会になると認識しております。中長期的な目線でお取引先や地域のお客さまの課題やニーズを理解し、気候変動対応や脱炭素社会への移行の支援を行うことで、投融資をはじめとしたソリューションの提供などのビジネス機会の創出・拡大に取組んでおります。

 

(シナリオ分析)

シナリオ分析にあたっては、「環境省  TCFD提言に沿った気候変動リスク・機会のシナリオ分析実践ガイド(銀行セクター向け)ver.2.0」を参考とし、下記分析結果は、一定の前提条件のもとに試算しております。今回の分析範囲においては、当社グループの財務への影響は限定的なものとなりましたが、引き続きシナリオ分析の高度化に努めてまいります。

 

(イ)移行リスク

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言が推奨するセクター等を対象に分析を行った結果、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいセクターとして、気候変動に関連する炭素税導入の影響が大きいと想定される「電力」「ガス」「石油」を選定しました。分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook 2021」における、Net Zero Emissions by Scenario(NZE(1.5℃シナリオ))などを参考に、炭素税の導入等、脱炭素社会への移行に伴う与信コストの影響を試算しました。

 

シナリオ

IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)

NZE(Net Zero Emissions)2050シナリオ

分析内容

◇ リスクと機会の影響評価のためのパラメータを特定。シナリオ下におけるパラメータ変化を基に炭素税が導入された場合の費用負担増加による与信先の財務内容が悪化するシナリオを想定し、当社グループの与信コストの変化を分析

分析対象

「電力」「ガス」「石油」

観測期間

2050年まで

分析結果

与信コスト等

最大7.3億円

 

(ロ)物理的リスク

台風・洪水や高潮等の急性的な自然災害による浸水被害を分析しました。分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、当社グループに担保を提供している取引先の与信コストの影響額及び当社グループの影響を試算しました。

シナリオ

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)

RCP8.5(シナリオ)

分析内容

◇ 河川の氾濫等による浸水を想定し、不動産担保の毀損及び投融資先の業績悪化による与信コストを分析

①直接影響:不動産担保の毀損

②間接影響:与信先の営業停止による売上や利益減少等を要因とした財務状況の悪化による信用格付の低下

◇ 河川の氾濫等による浸水を想定し、当社が保有する店舗・ATM等への被害や営業停滞による影響を分析

分析対象

当社グループへ不動産担保(建物等)を提供している取引先

当社グループが保有する店舗・ATM、浸水被害による営業停滞日数等

観測期間

2050年まで

分析結果

与信コスト等

最大24.6億円

 

② 人的資本、多様性への対応

当社グループは、特定した5つのマテリアリティの中で、人的資本・多様性に関連した重要課題として、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、人材育成を掲げ、具体的な対応を進めております。

 

(イ)人権への取り組み

当社グループは、人権を尊重しあらゆる人権侵害行為の根絶することを目指し、サステナビリティ方針に基づいた人権方針を定め公表しております。

また、企業活動が人権に与えるマイナスの影響を軽減することを目指し、企業の事業活動やサプライチェーンを通じて及ぼす労働問題、消費者被害、地域住民への影響の排除などを含む投融資方針を前述のとおり定め公表しております。

「人権方針」

フィデアグループは、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、地域社会の持続的な発展に貢献していきます。

地域社会の持続的な発展を目指すうえで、人権の尊重を重要な社会課題の1つとして認識し、本業を通じてこの解決に取り組んでいきます。

1.国際規範の尊重

世界人権宣言をはじめとする人権に関する国際規範を尊重します。

2.あらゆる差別行為の根絶

性別、性的指向、性自認、宗教、信条、障害、人種、国籍等を理由とした差別や人権侵害を行いません。また、従業員一人ひとりの多様性を尊重し、あらゆるハラスメントや非人道的な扱いを根絶します。

3.人権に関する教育の実施

従業員一人ひとりが人権問題に関する正しい認識と理解を深めるため、研修をはじめとし、人権に関する教育を実施します。

人権方針に基づく具体的な活動として、人権をテーマとした外部講師による研修のほか、新入行員研修や階層別研修など集合研修を通じた人権啓発、ハラスメントに係る相談窓口及び内部通報窓口の設置、全行員を対象としたハラスメント研修などを実施しております。

 

(ロ)社内環境整備への取り組み

当社グループは、従業員が能力を発揮できる職場環境づくり、健康で安全な職場環境の整備、多様な人材の確保などを目指し、サステナビリティ方針に基づいた社内環境整備方針を下記のとおり定め公表しております。

「社内環境整備方針」

従業員満足(ES)や自発的貢献意欲の向上を図り、これを起点としてお客さま満足(CS)の向上に繋げられるように、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境の整備に努めていきます。

また、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していきます。

社内環境整備方針に基づく具体的な活動として、第4次中期経営計画期間に夢の銀行づくりプロジェクトを推進しており、勤務時の服装自由化、アニバーサリー休暇の導入、テレワーク対象者の拡大、外部資格取得費用の補助拡大、副業兼業制度の導入、外部トレーニー派遣などポストチャレンジ制度の拡充、上司と部下の対話機会を創出する1on1ミーティングの導入、マネジメント層における日頃の行動を客観的に振り返る機会として360度評価の導入などを実施しております。

第5次中期経営計画においては、引き続き夢の銀行づくりプロジェクトを推進し、従業員の働きがい、エンゲージメントの向上に資する取り組みを次のステージへと進化させます。また人事制度の中核となる評価、報酬制度等の改定を予定しております。

 

(ハ)人材育成への取り組み

当社グループは、従業員が能力を発揮できる職場環境づくり、経営理念及び経営戦略に基づいた人材育成、従業員一人ひとりの活躍の応援を目指し、サステナビリティ方針に基づいた人材育成方針を下記のとおり定め公表しております。

「人材育成方針」

経営理念の実現に向け、従業員一人ひとりが行動指針〈Future7〉を主体的に実践し、地域やお客さまに寄り添い、それぞれが抱える課題の解決やニーズにお応えする、高次のコンサルティング力やソリューション提案力を身につけた人材を育成します。そのためには、一人ひとりのスキルに応じた各種研修(OFF-JT)、実践経験(OJT)、自己啓発(SD)を複合的に組み合わせ、従業員の自律的成長支援に不断に取り組んでまいります。また、多様なff人材は新たな価値を生み出す源泉であると捉え、一人ひとりのモチベーション向上と自由な発想を促す個人の成長や経験の積上げ機会を設けていきます。

当社グループでは、経営理念を実現するために、一人ひとりがどのような姿勢・気持ちで行動するべきかを行動指針〈Future7〉として制定し、人材育成方針及び中期経営計画に基づき法人個人一体営業人材の育成に注力しております。

 

※ 行動指針〈Future7〉

1.前例にとらわれず、決して立ち止まらず、常に新しいことに挑み続けます。

2.お客さまの夢を自分ごとにし、実現のために情熱をもって考え、動きます。

3.向上心・探究心・好奇心を心掛け、常に自らをアップデートしていきます。

4.高水準のコンサルティングで、地域に幅広い知見とアイデアを提供します。

5.一人ひとりを尊重し、個々の成長や挑戦を後押しできる組織を目指します。

6.よく聞き、よく話す、声が闊達に飛び交う風通しのよい職場をつくります。

7.法令遵守と高い倫理観に基づき、地域の一員として責任ある行動をします。

 

(3) リスク管理

当社グループは、マテリアリティとして、地域経済の持続的な成長、持続可能な地域環境づくり、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、社会から信頼されるガバナンスの構築という5つの重要課題を特定し、地域に根差した事業を展開する広域金融グループとしてこれらの解決に貢献することが重要ととらえています。事業遂行上のリスクの中でも、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、サステナビリティ関連リスクを含め3「事業等のリスク」を判断しております。

特に、当社に重要な影響を及ぼすリスクとしてトップリスクを選定しており、サステナビリティ関連リスクの気候変動リスク・人的リスクを選定しております。これらリスクは必ずしも独立して発生するものではなく、信用リスク、市場リスク、自己資本比率に関するリスクなど、他の様々なリスクの発生につながり、また、様々なリスクを増大させる可能性があると認識しております。

トップリスクの選定にあたっては、当社グループを取り巻く様々なリスク事象を抽出し、本部各部及び各役員とも協議の上、リスクマネジメント会議で決定しております。

リスク管理にあたる組織及びプロセスに

ついて、第4提出会社の状況 4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(1) コーポレート・ガバナンスの概要にリスク管理態勢の整備状況として記載しております。サステナビリティ関連リスクを識別、評価、管理するプロセス、組織等は、統合的リスク管理態勢に統合されており、リスク区分に応じた管理部署を定めるとともに、当社グループ全体のリスク管理態勢を最高リスク管理責任者(CRO)、リスク統括部が統括しております。業務執行に係るリスクの状況については、リスクマネジメント会議で審議され、その審議内容を取締役会に設置されたリスク委員会に報告し検証等を行う体制としております。

 

(4) 指標及び目標

① 気候変動への対応

フィデアグループ投融資方針に基づきサステナブルファイナンスに積極的に取り組むとともに、2030年度までのCO2排出量70%削減(2013年度比)を目標に、再生可能エネルギー由来電力への転換、省エネルギー化、各種認証制度の活用などを進めてまいります。

 

(イ)サステナブルファイナンス実行目標及び実績

2021年度から2030年度まで10年間の累計実行額目標 4,000億円(うち環境分野* 2,000億円)

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サステナブルファイナンスの累計実行額は2023年度までに1,526億円の実績となっており、2030年度までの累計実行目標4,000億円に対して進捗率は38.2%となっております。うち環境分野での累計実行額は763億円と、サステナブルファイナンス全体の約50%を占めています。

当社グループでは、再生可能エネルギー分野のコンサルティング営業を強化しており、これまで陸上風力発電事業、バイオマス発電事業向けのプロジェクトファイナンス組成などで実績を積み上げております。秋田県沖、山形県沖を中心とした洋上風力発電事業の本格化も予定されており、引き続き積極的に脱炭素社会実現に貢献してまいります。

*環境分野=フィデアグループ投融資方針で定める「気候変動リスクを低減する省エネルギーや再生可能エネルギー事業、脱炭素社会の実現に寄与する事業」、「水資源や森林資源などの保全に資する事業」

 

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2013年度以降のプロジェクトファイナンスの累計実行額は2023年度までに1,283億円の実績となっております。

当社グループでは、秋田県の恵まれた風況を活用した風力発電事業、また、出羽山地や奥羽山脈の豊富な森林資源を背景とした木質バイオマス事業など、震災以降注目されている再生可能エネルギー事業向けのプロジェクトファイナンスのアレンジャー業務に積極的に取り組んでおります。

2023年に北都銀行は、株式会社ウェンティ・ジャパンが富山県入善町で開発を行ってきた洋上風力発電事業について、建設費用など67億円をプロジェクトファイナンスとして組成し、洋上風力発電事業向けの融資契約を地方銀行が組成するプロジェクトファイナンスとしては全国初の案件となりました。

 

(ロ)CO2排出量削減目標及び実績

<Scope1、2について>

「2025年度までに2013年度比 △60%」、「2030年度までに2013年度比 △70%」及び「カーボンクレジットの取得等の施策により2030年度ネットゼロ(2013年度排出量実績8,833t-CO2)」

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<CO2排出量削減計画詳細>

単位:t-CO2

排出量(計画)

削減率

基準年度

2013年度

直接排出(Scope1)

1,689

関節排出(Scope2)

7,143

Scope1、2合計

8,833

中間年度

2025年度

直接排出(Scope1)

1,051

△38%

関節排出(Scope2)

2,483

△65%

Scope1、2合計

3,534

△60%

2030年度

直接排出(Scope1)

1,013

△40%

関節排出(Scope2)

1,637

△77%

Scope1、2合計

2,650

△70%

 

 

<Scope3について>

a.Scope3(カテゴリー1~14)の算定方法は、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer2.6(環境省、経済産業省)」を参考に、排出係数は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer3.4(環境省、経済産業省)」を使用しております。カテゴリー3、8~11、14は該当せず、排出量はゼロとなっております。

b.Scope3(カテゴリー15)は、気候変動におけるリスクと機会を捉えていく重要な項目と考えております。GHG排出量の算定においてはPCAF(※1)に準拠した算定方式、各種排出係数を内包した他社クラウドサービス(※2)を用いて事業性融資のお取引先全量を対象として実施しました。

c.今後は、算定精度の向上を図っていくほか、カテゴリー15における算定対象のアセット(住宅ローン、自動車ローン、プロジェクトファイナンスなど)を拡大するとともに、投融資先のCO2排出量削減に向けてエンゲージメント強化も検討していく予定です。

※1 PCAF:「Partnership for Carbon Accounting Financials」金融機関の投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ

※2 他社クラウドサービスを用いた算定にあたっては、フィデアグループで使用している日銀業種分類から世界産業分類(GICS)へ変換する必要があります。その変換については環境省の業種紐付表をベースとしており、複数の変換先が存在する場合は、過少の算定とならないようにするため変換先の排出係数の最も高いものを対象として計算しております。従って、お客さまの実際に営んでいる事業内容とは一部一致しないものがあります。

単位:t-CO2

カテゴリー

2022年度

2023年度

1.購入した製品・サービス(コピー用紙等)

3,235

3,064

2.資本財(建築、ソフトウエア等)

4,655

3,343

4.輸送、配送(上流)

198

233

5.事業から出る廃棄物

1

1

6.出張(鉄道、航空機等)

79

149

7.雇用者の通勤(鉄道、バス等)

1,567

1,385

12.販売した製品の廃棄

16

36

13.リース(店外ATM)

308

302

15.投融資(事業性融資)

4,944,295

5,145,148

合計

4,954,354

5,153,661

 

<Scope3(カテゴリー15)について(TCFDの14業種に分類)>                        単位:t-CO2

業種

2023年度排出量

 

業種

2023年度排出量

石油・ガス

1,108,048

 

化学

63,244

電力

742,021

 

建築資材・資本財

587,913

空運

361,009

 

不動産管理・開発

8,352

海運

316,361

 

飲料・食品

1,250,118

陸運

19,338

 

農業

0

自動車

0

 

製紙・林業

13,284

金属・鉱業

131,158

 

その他

544,302

 

 

 

合計

5,145,148

 

 

② 人的資本、多様性への対応

経営戦略や行動指針、サステナビリティ方針に基づく人材戦略上の重要な課題について、以下の目標指標を設定し、具体的な対応を進めております。

 

■ 人材戦略

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<多様性確保>

女性活躍推進体制を一層強化するとともに、女性に限らず、中途採用者の管理職への登用など、中核人材の登用等における多様性の確保についても積極的に取り組み、性別や年齢などに関係なく、多様な人材が意欲をもって活躍する、活力ある組織の構築を推進していきます。

 

(イ)中核人材の登用等における多様性の確保に関するKPI

・「女性役員比率」は、第5次男女共同参画基本計画における女性登用加速化の方針に対応し、2025年度の目標を昨年度の12%から19%に変更しております。

・具体的な取り組みとして、取締役会の機能を一層強化し、経営の透明性及び意思決定の多様性を高めるために、豊富な経験と高い識見・専門性を有する女性外部人材の登用に積極的に取り組んでおります。内部人材については、次の役員候補となる女性管理職の育成を着実に進めるとともに、役員登用に向けて候補者を選定のうえ計画的な育成に取り組み、最終的に2030年度の女性役員比率30%以上を目指してまいります。

・中途採用については、専門性の高い人材の確保や組織の活性化に向け、通年採用などの取り組みを充実させるとともに、中途採用者向けの研修・育成体系を整備し、人材の定着と早期の能力発揮を促してまいります。

 

 

KPI指標

内容

実績(2023年度)

目標

(2025年度)

実数

(分子/分母)

比率

女性役員比率

フィデアホールディングスの女性役員(執行役を含む)比率

2/23

8.7

19

女性部長相当職

比率

フィデアホールディングス:部長

荘内銀行及び北都銀行:部長、単独室長、支店長

9/77

11.7

12

女性課長相当職

比率

フィデアホールディングス:室長、センター長、チーム長

荘内銀行及び北都銀行:副部長、室長、センター長、副支店長、出張所長、次長、課長など

85/254

33.5

30

中途採用者の

課長相当職比率

フィデアホールディングス、荘内銀行及び北都銀行の中途採用者の課長相当職比率

26/254

10.2

18

※ 目標(2025年度)は継続的に上回ることを目指しております

※ 中途採用者には臨時職員の行員登用者を含みます

 

<人材育成>

当社グループでは地域の持続的な成長のためには、地元企業が抱える課題の解決に資するコンサルティングの提供が必要不可欠であると考えております。質の高いコンサルティング提案を実施するためには人材育成をこれまで以上に加速させる必要があり、下記の項目について取り組みを強化しております。

 

(イ)スキルバロメーターによる法人スキルの状況

店舗統廃合や少人数事務運営体制の構築など、全体の従業員数をコントロールする一方で、従業員のスキルレベルに応じた効果的な育成(研修・OJT・自己啓発)により、法人スキルA・Bに相当する、当グループの営業戦略を支えるコンサルティング営業人材の拡大を目指してまいります。

法人スキル

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2025年度目標

229名(27%)

211名(28%)

216(28%)

230名(31%)

119名(14%)

90名(12%)

110(14%)

130名(17%)

153名(18%)

141名(18%)

131(17%)

100名(13%)

345名(41%)

324名(42%)

315(41%)

286名(38%)

合計

846名(100%)

766名(100%)

772名(100%)

746名(100%)

※ スキルバロメーターは株式会社フィデア情報総研が提供する業務スキルの習得状況を可視化するための評価ツールです。

※ 各スキルの人数の右側のパーセンテージは構成比を表示しております。

※ 人員数は、荘内銀行及び北都銀行の営業店が対象。また、預金や為替業務などの内部事務に従事する従業員数を含んでおります。

※ A~Dの各スキルのレベルは下記のとおりです。

事業性貸出(プロパー)に加え、コンサルティング営業が可能

事業性貸出(プロパー)に加え、顧客ニーズを想定した商品別営業が可能

法人基盤営業に加え、事業性貸出(マル保)が可能

スキルCに向けて育成途上にある

 

 

(ロ)人材育成の取り組み状況

・人材育成の具体的施策として、法人営業力と事業金融力(取引先の経営支援や途上管理)を軸とした「研修(OFF-JT)」、「実践(OJT)」、「自学」、三位一体による人材育成プログラムを展開しております。

・より専門性の高い知識の習得や、人脈形成を通じたキャリアアップを目的として、審査部トレーニーや外部機関への研修派遣を実施。審査部トレーニーについては、第5次中期経営計画期間にあたる2023年度から2025年度の3か年で累計109名の派遣を計画しております。

・事業性評価を起点とした取引先支援を実践・強化するために必要な資格の習得を促進し、FP1級や中小企業診断士などの専門性の高い資格や、事業性評価並びにSDGs・ESG、脱炭素、DX、M&A関連資格など、当グループで取り組みを強化している分野の資格保有者数を2025年度までに1,500名とする計画です。

・当グループが目指す、高いコンサルティング力を有する人材を育成するうえで、研修費や検定試験の受験費用の補助、自己啓発奨励金など、必要な人への投資を計画的に実施してまいります。

育成施策名

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2025年度目標

集合研修

259名

238名

219

OJT支援

58名

58名

136

審査部トレーニー

19名

29名

29

109

外部研修派遣

10名

14名

11

資格保有者数

517名

623名

1,032

1,500

研修費等

26百万円

24百万円

33百万円

40百万円

※ 集合研修は、本部が主催する集合研修で現場におけるOJTと連動した法人スキル育成に資するものの合計参加者数を表示しております。

※ OJT支援は、実際の融資案件組成や格付申請、顧客交渉等の際に本部よりフォローを行い、人材育成を加速させる目的で実施する施策です。

※ 審査部トレーニーは、融資審査の専門部署である「審査部」に営業店等の行員を一定期間(3か月~6か月程度)トレーニングのために派遣するものです。

※ 外部研修派遣は、専門知識の習得や人脈形成を通じたキャリアアップを目的として外部専門機関等へ派遣するものです。

※ 資格保有者数は、次にあげる資格保有者の合計人数です。

FP1級、中小企業診断士、日商簿記2級、M&Aエキスパート、M&Aベーシック、事業性評価エキスパート、金融DXアドバイザー、ITパスポート、SDGs・ESGファシリテーター、脱炭素アドバイザー

※ 研修費等は、国内研修費、研修旅費、自己啓発奨励金、通信講座補助の合計額です。

 

<従業員エンゲージメント向上>

従業員満足(ES)や自発的貢献意欲の向上を図り、これを起点としてお客さま満足(CS)の向上に繋げられるように、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境の整備に努めていきます。

 

(イ)従業員満足度調査の推移

・従業員満足度調査は、従業員の意識(働きがい、モチベーション、企業風土、職務内容、職場環境、処遇等に対する満足度)を明らかにし、今後のグループ施策に反映させることを目的に実施しております。

・直近では2023年3月2日~3月24日に実施し、グループ合計1,783名(フィデアHD178名、荘内銀行774名、北都銀行831名、回答率97.6%)が回答しております。

・課題解決に向けた対策の実行に真摯に取り組み、2025年度の総合満足度の目標を3.65ポイント以上としております。

 

2019年度実績

2021年度実績

2023年度実績

2025年度目標

総合満足度

3.42

3.58

3.58

3.65以上

※ 従業員満足度調査は、2年ごとに実施しております。

※ 総合満足度は従業員が5点満点で評価するもので、フィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行に所属する正行員のほかパート従業員等、3社に所属する全ての従業員を対象としております。

 

(ロ)1on1ミーティング実施状況

・1on1ミーティングは、上司と部下のコミュニケーション機会の拡大を目的として導入し、2021年の開始以降、コミュニケーションツールとして定着が図られつつあります。

・今後は、所定の期間内での完全実施を目指すとともに、上司向けセミナー等を通じて上司の傾聴力・カウンセリング力の支援・指導を実施。ミーティング内容を充実させ、実効性を高めていく方針です。

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2025年度目標

実施率

84.7%

91.0%

95.1

100.0

※ 1on1ミーティングでは、部下が主役となり上司との双方向のコミュニケーションの場として1対1で面談を行います。

※ 年2回、9月と3月に実施しており、上表は3月の実施率を表示しております。

 

<健康経営の推進>

地域とともに発展する銀行であり続けるためには、従業員とその家族一人ひとりが心身ともに健康であることが不可欠であると考えております。当社グループは、健康意識向上とワークライフバランスの推進を通じて、活き活きと働き続けられる職場づくりに取り組み、将来にわたり地域社会の発展に貢献する企業を目指します。

 

(イ)年次有給休暇・時間外勤務の状況

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2025年度目標

有給休暇取得率

60.4%

60.1%

64.1

70.0%以上

時間外勤務時間数

10時間55分

10時間40分

11時間9分

10時間以内

※ 有給休暇取得率はフィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行に所属する正行員のほかパート従業員等、3社に所属する全ての従業員を対象に算出しております。

※ 時間外勤務時間数は、時間外対象の行員(社員)における、1か月平均の時間外勤務時間数です。

 

(ロ)健康診断等受診率

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2025年度目標

定期健康診断

受診率

100.0%

100.0%

100.0

100.0

特定検診受診率

99.5%

99.9%

99.6

100.0

精密検査受診率

80.0%

86.7%

71.9

100.0

 

(ハ)ストレスチェック受検率

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2025年度目標

受検率

97.6%

97.7%

94.8

95.0%以上

※ フィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行に所属する正行員のほかパート従業員等、3社に所属する全ての従業員を対象に実施。ストレスへの気づきを促し、メンタルヘルス不調の未然防止につなげてまいります。

 

 

<社内環境整備方針に基づく主な取り組み>

項目

内容

服装自由化

それぞれの業務に相応しい清潔感がある服装に配慮しながら、ビジネスウェアのほか、ビジネスカジュアルウェア(ジャケット等)、カジュアルウェア(襟なしシャツ、デニム等)などの服装を自主的に選択可能としております。

アニバーサリー休暇

従業員本人や家族の誕生日、結婚記念日などの記念日及びその前後の日に、年1回取得できる休暇制度を新設。

有給休暇の取得促進による、ワークライフバランスの充実に取り組んでおります。

テレワーク

本部従業員の企画業務や報告資料の作成、営業店従業員のお客さま向け提案書の作成等、モバイル端末を活用した新たな働き方を実現することで、多様かつ柔軟な働き方の中から、従業員一人ひとりが集中的かつ効率的な働き方を自律的に選択し、高いパフォーマンスの発揮と生産性の向上を目指しております。

リカレントツール(eラーニング)/通信講座の費用補助

通信講座及びeラーニング受講費用の半額を補助。

eラーニングは従来の金融に関するコンテンツに加え、企画書やビジネス文章の書き方、プレゼンテーション力・交渉力などのビジネススキルや、PowerPoint・Excelの実用的な操作方法、語学など、幅広いコンテンツを受講可能としております。知識の広がりや興味の深掘りを後押しすると共に、中堅以上のリスキリングを促進。高い知的好奇心のもと、自律的に「学び」を楽しむことができる組織風土を目指していきます。

副業、兼業

従業員の多様な働き方を支援するとともに、当社業務(銀行業務)外の活動による新たな知識やスキルの習得、ひいては従業員の自律的かつ主体的なキャリア形成を応援するもの。

中小企業診断士などの保有資格を活かした講義や講演、NPO法人の理事、スポーツ少年団のコーチや審判など、原則として、地域貢献に資する事業の副業・兼業を認めております。

ポストチャレンジ制度

外部専門機関やグループ各本部等の研修派遣先におけるトレーニー経験を、従業員自らが手を挙げ経験することを通じ、働きがいを醸成するための制度。

従来からの取り組みをフィデアグループ統一の取り組みとして再構築し内容を拡充。知識習得や幅広い人脈づくりを通じ、キャリアアップを目指す従業員を支援しております。

1on1ミーティング

業務面談や業務報告とは異なり、部下の話すことに耳を傾け、部下が自ら行動できるように導き支援する場として新設。部下が、やりがいや意義をより感じながら仕事に取り組むことができる環境を整備。

半年に一回、1on1ミーティングを実施し、上司と部下が1対1による対話を深めることを通して、従業員のキャリア支援を行うとともに一人ひとりのモチベーションアップにつなげていきます。

360度評価

マネジメント層における日頃の行動を多面的に評価・フィードバックし、自身の行動を部下や同僚、上司がどのように受け止めているか客観的に振り返る機会として導入。

自身や上司の評価だけで気づかなかったマネジメント上の強みや弱みを把握。新たに得た「気づき」をもとに、自己認識の変化と行動変容を促すことを目的に実施しております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項において、将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

また、リスクは必ずしも独立して発生するものではなく、あるリスクの発生が他の様々なリスクの発生につながり、様々なリスクを増大させる可能性があります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。

 

1.経営環境等に関するリスク

(1) 経営統合に関するリスク

当社の完全子会社である荘内銀行と北都銀行は2026年度中に合併を行う予定です。山形県と秋田県を営業基盤とする両行が一体となり、地域のお客様に対して更なる質の高いサービスを提供することで、地域社会へ更なる貢献を果たすとともに、中長期的な企業価値の向上を目指す所存であります。しかしながら、顧客との関係悪化や想定外の追加費用の発生、事務・システム障害等のオペレーショナル・リスクの顕在化等により合併効果が当初想定したほど発揮されず、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、合併準備委員会、機能別部会を設置し、経営統合を着実に進め、リスクの顕在化を防止すべく取り組んでおります。

 

(2) 金融環境の変化に伴うリスク

当社グループの収益は、貸出金利息収益及び有価証券運用収益に大きく依存しておりますが、景気動向、物価動向、規制当局の方針、日本銀行の金融政策といった、当社グループの支配の及ばない多くの要因により左右されます。特に足元で長期にわたる異次元金融緩和が解除され、継続的に利上げが行われた場合、保有有価証券の評価の悪化や金利上昇に伴う与信関係費用の増加等により当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 人材確保のリスク

当社グループは、日頃より有能な人材の確保や育成に努めております。但し、昨今キャリア観の多様化や賃金上昇に伴う労働市場の流動化により人材流出のリスクが高まっています。一方で、デジタル化やⅠT化への対応等、従来以上に高度な専門性と遵守意識を持った人材確保が必要となっております。こういった人材確保や育成が困難な場合、競争力やサービスの提供力が低下し、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 災害等の発生に関するリスク

大規模地震や風水害等のコントロールの及ばない事態の発生により、資産の毀損、焼失あるいは劣化、又は営業活動の停止等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 競争環境の変化に伴うリスク

日本銀行が異次元金融緩和を解除したことに伴い国内金利の上昇バイアスが高まっていることや、地域金融機関の再編や異業種企業による金融分野への参入などにより、金融業界の競争環境が大きく変化しております。その結果、当社グループの営業基盤における競争が激化するなか、他金融機関などに対して競争優位を得られない場合、当初計画している営業戦略が奏功しないことにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 気候変動に関するリスク

気候変動に伴う異常気象や自然災害等によってもたらされる物理的な被害、気候関連の規制強化や低炭素社会への移行が当社グループ及び、貸出先の事業や財務状況に及ぼす悪影響等を通し、当社グループの業績及び財務状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しており、気候変動が当社グループの事業活動に与える影響を踏まえ、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」のカテゴリー毎に、対応・開示に取組、リスクを管理してまいります。

 

(7) 金融犯罪に係るリスク

キャッシュカードの偽造・盗難や、特殊詐欺等金融犯罪が多発している中、当社グループは、被害の未然防止、セキュリティ強化等に努めております。また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を経営上の重要な課題として、管理態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、金融犯罪の高度化・大規模化等により、被害を受けたお客さまへの補償や、未然防止策の費用等の対応が多額になる場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2.業務遂行に関するリスク

(1) 信用リスク

① 不良債権の増加

貸出先の信用状態の悪化や担保・保証等の価値下落等により、不良債権が増加する可能性があります。また、経済動向や規制の変化等によって、業種、商品や企業グループ等、特定のセグメントに属する貸出資産の質の劣化が同時に進み、想定以上に不良債権が増加する可能性があります。

② 貸倒引当金の積み増し

当社グループは、自己査定の厳格な運用を通じて貸出先の状況を正確に把握し、差し入れられた担保の価値及び経済動向に関する前提及び見積りに基づいて貸倒引当金の額を計上しておりますが、実際の貸倒れが貸倒引当金計上時点における前提及び見積りと乖離した場合には、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済情勢の悪化による担保価値の下落等の事情の発生により、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。

上記の信用リスクに対し、当社グループでは、貸出ポートフォリオの定期的なモニタリングによって特定の顧客セグメントへの与信集中を予防しているほか、貸出先の途上与信管理を徹底し、貸出資産の劣化を防止する方策を継続して講じております。

 

(2) 市場リスク

当社グループは市場関連業務において様々な金融商品での運用を行っており、グループ一体となったポートフォリオの最適化などリスク管理に努めております。しかしながら各国の金融政策動向、世界的な高インフレの継続、地政学的リスクの顕在化等、金融市場が大きく変動した場合には、保有する有価証券の価値が大幅に下落し、減損等の損失発生により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、こうしたリスクに対し、流動性が高く安全性の高い資産への分散投資を基本とした有価証券ポートフォリオ運営管理を徹底するほか、各種保有限度額や評価損益に対する損失管理ポイントの設定等による管理を徹底しております。

 

(3) 自己資本比率に関するリスク

当社は、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第20号)に定められる国内基準(4%)以上に維持しなければなりません。また、当社の銀行子会社も、単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められる国内基準(4%)以上に維持しなければなりません。

当社及び銀行子会社の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、銀行法上の指導や命令を受けることになります。当社又は銀行子会社の自己資本比率の低下に影響を与える主な要因として以下のものがあります。

 

・有価証券の時価の下落に伴う減損処理額の増加

・固定資産の減損損失計上又は売却処分等による土地再評価差額金の減額

・貸出金や有価証券等のリスク・アセットポートフォリオの変動

・自己資本比率の算定基準及び算定方法の変更

・その他の当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある事象の発生

・繰延税金資産の計上に係る制限

 

(4) 流動性リスク

国内外金融機関の信用低下による流動性不安等、市場環境が大きく変化した場合、資金調達費用の増加や資金繰りの悪化が発生し、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) オペレーショナル・リスク

オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動、システムが不適切であること、その他外生的な事象により損失を被るリスクであり、主なリスクは以下のとおりです。

① システムリスク

当社グループは、銀行子会社における営業店、ATM、オンラインシステム及び顧客情報を蓄積する情報システムを保有しております。コンピュータシステムの停止、誤作動あるいは不正利用や標的型攻撃メール等のサイバー攻撃のシステムリスクへの対策やセキュリティポリシーに則った厳格な情報管理に努めておりますが、重大なシステム障害が発生した場合には、決済業務に支障をきたすなど、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、各管理規程に基づき、システムの安定稼動やセキュリティ対策に万全を期すほか、厳格な情報管理を行なう等運用面での対策を実施しております。

② サードパーティリスク

当社グループは、サードパーティの役割を理解し、モニタリングや特定サードパーティへの集中状況の管理等を通して、同リスクを適時かつ正確に把握し適切な対応を行います。但し、予想し得なかった潜在的な脅威が顕在化した場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 事務リスク

当社グループは、事務規程等に則った正確な事務処理の徹底に努めておりますが、役職員により不正確な事務あるいは不正や過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 法務リスク・コンプライアンスに係るリスク

当社グループは、コンプライアンスを重要な経営課題として、規程及び態勢の整備に努めておりますが、法令等遵守状況が不十分であった場合、法令等違反の発生や、将来の法令の変更等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは適切な法令等遵守の徹底に努めながら各種金融サービスを提供しておりますが、今後の事業活動の過程で必ずしも当社グループに責はなくとも当社グループに対する訴訟等が提起された場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、法令諸規則等を遵守すべく、役員及び従業員に対する法令等遵守の徹底や不正行為の防止に向けた態勢整備、定期的な研修等により全社的なコンプライアンス意識の向上に努めております。

⑤ コンダクトリスク

当社グループは、役職員に対する研修等を通じ、法令及び社会規範の遵守に努めておりますが、法令に違反する行為や、法令には違反していないものの社会的目線から乖離した行為による信頼の毀損により、顧客保護、市場の健全性、有効な競争に対し、ネガティブな影響を及ぼす可能性があり、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 人的リスク

当社グループは、日頃より有能な人材の獲得、人材育成、労働意欲の向上に努めておりますが、人材の流出・喪失、士気の低下、不十分な人材育成、人事上の不公正や差別的行為、不適切な就労状況・職場環境等による悪影響から、競争力やサービス提供力の低下をもたらす可能性があり、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 有形資産リスク

当社グループが所有及び賃借中の土地、建物、車両等の有形資産について、自然災害、犯罪行為、資産管理上の瑕疵等の結果、毀損、焼失あるいは劣化することにより業務の運営に支障をきたす可能性があります。また、市場価格の著しい下落、使用範囲又は使用方法の変更、収益性の低下等により固定資産の減損損失を計上することになる場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 風評リスク

当社グループや金融業界に対するネガティブな報道や風説、風評の流布が発生した場合、それが事実であるか否かにかかわらず、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 危機管理

当社グループは、災害等の発生に備え危機管理計画を策定し、業務運営の継続性の確保に努めておりますが、想定外の事態の発生や被害の程度によっては業務継続が困難となり、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 顧客情報漏洩等に係るリスク

当社グループは、膨大な顧客情報を保有しており、情報管理に関する基本方針及び管理規程に則った適切な情報管理態勢の構築に努めておりますが、顧客情報の漏洩、紛失、改ざん及び不正利用等が発生した場合には、顧客への損害賠償あるいは風評リスクの顕在化など、当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 持株会社のリスク

当社は銀行持株会社であり、その収入の大部分を当社が直接保有している銀行子会社等株式の配当金及び経営管理料に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上の制限等により、当社の銀行子会社等が当社に支払うことができる配当の金額が制限される可能性があります。また、銀行子会社等が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合には、当社株主へ配当を支払えなくなる可能性があります。

 

(8) 退職給付債務に係るリスク

当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等数理計算において設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件が変更された場合、又は実際の年金資産の時価が下落した場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、退職給付制度の変更により過去勤務費用が発生し、その償却のため費用負担が発生する場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 内部統制の構築等に係るリスク

当社は、金融商品取引法に基づき、連結ベースの財務報告に係る内部統制が有効に機能しているか否かを評価し、その結果を内部統制報告書において開示しております。

当社グループは、適正な内部統制の構築、維持及び運営に努めておりますが、予期しない問題が発生した場合等において、財務報告に係る内部統制の評価手続の一部を実施できないことや、内部統制の重要な欠陥が存在すること等を報告する可能性もあります。そのような場合、当社グループの業績、財務状況及び当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3.トップリスク

当社グループでは、各種のリスクが顕在化した結果、当社グループに損失を与える可能性のある事象をリスク事象と定め、その影響度と蓋然性に基づき重要度を判定の上、「トップリスク」として特定し、管理しております。

2024年3月に選定したトップリスクは、次のとおりです。

トップリスク

リスク事象

当社子会社(荘内銀行・北都銀行)の合併に伴う不測の事態の発生

顧客との関係悪化、対外的信用力の低下や、合併に伴う想定外の追加費用の発生等による収益の低下

事務・システム障害の発生等によるオペレーショナル・リスクの顕在化

国内金融政策の大幅引締への転換

日銀新総裁の下での段階的な利上げ、バランスシートの大幅圧縮等、大幅な金融引締による金利上昇を背景とした有価証券評価損拡大、各経営指標の悪化に伴う各種規制等への抵触

人材確保の困難

当社の従業員数の大幅減少、専門人材の確保や育成の困難化による当社の競争力やサービス提供力の低下

与信関係費用の増加

地政学リスク(世界的対立構造)の拡大等に起因したエネルギー、食料等の価格上昇の長期化による深刻な景気後退や、人手不足、コロナ特例融資等過大債務の返済等に伴う融資先の経営悪化

大規模地震、風水害等の災害発生

大規模災害や、コントロールの及ばない事態の発生による業績や財務状況の悪化

競争環境の激化

地域金融機関の再編や異業種企業による金融分野への参入等の金融業界の競争環境激化に伴う既存収益基盤の毀損

システム障害の発生

人為的過失、機器の故障、災害、サイバー攻撃等によるシステム障害の発生、サービスの停止

環境問題解決への意識の強まり

(気候変動/生物多様性リスク)

気候変動対応遅延、自然資本の喪失等が気候関連リスクを高め、金融機関に対する規制・監督が厳格化

当社グループの環境問題解決に向けた対応への批判に伴う企業価値の毀損

金融犯罪組織等外部からの脅威の増加

金融犯罪・テロ組織からのサイバー攻撃による決済サービス等の業務一時停止や顧客情報漏えい、並びにマネー・ローンダリング、経済制裁対象先、反社会的組織への対応不備による行政処分や風評被害

役職員による不祥事件の発生

法令等違反の発生や社会的目線から乖離した行為による信頼の毀損等、不適切な労務管理や不適切な営業行為等のミスコンダクトリスクの発生

(注)上記は認識しているリスクの一部であり、上記以外のリスクによっても経営上、特に重大な悪影響が生ずる可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

(金融経済環境)

当連結会計年度における我が国経済は、年度末にかけて足踏みもみられましたが、概ね緩やかな回復基調が続きました。住宅建設が弱含んだものの、公共投資が底堅く推移し、設備投資及び個人消費は持ち直しの動きが続きました。

また、当社グループの主たる営業エリアである東北地方の経済においては、一部に弱い動きは見られたものの概ね持ち直しの動きが続きました。生産は一進一退となり、住宅投資も弱い動きとなったものの、設備投資が増加し、雇用・所得環境の改善がみられ、個人消費は緩やかな回復の動きが続きました。

なお、金融面につきましては、世界的な高インフレ環境が続き海外金利が高止まりするなか、日本銀行がイールドカーブコントロールの柔軟化を行ったほか、年度末にかけては賃金と物価の好循環が見通せる状況と判断し8年間続いたマイナス金利政策を解除しました。この間、異次元金融緩和の転換が意識され、10年物国債金利は一時1%に迫る場面が見られるなど上昇しました。日経平均株価は、インフレ定着など長期に渡るデフレからの構造変化、大幅な円安進行や良好な企業業績を背景に、大きく上昇する展開となりました。年明け以降も欧米の利下げへの転換期待や底堅い世界景気も後押しとなり、4万円の大台に乗せるなど史上最高値を更新いたしました。

 

(業績)

当社グループの当連結会計年度の連結業績につきましては、連結経常収益は、有価証券利息配当金など資金運用収益を中心に前期比14億66百万円(2.8%)減少し499億44百万円となりました。また、連結経常費用は、貸倒引当金繰入額などその他経常費用を中心に前期比5億7百万円(1.1%)増加し463億75百万円となりました。

資金利益は、主に預貸金利息差と有価証券利息配当金により構成されておりますが、前期比43億44百万円減少いたしました。地元県内向け事業性貸出の増強とともに金融業向け仕組貸出などにより預貸金利息差が前期比増加に転じましたが、有価証券利息配当金が投資信託の解約損益を中心に減少いたしました。

役務取引等利益は、投資信託を中心に預かり資産関連手数料が増加したほか、ビジネスマッチング及び事業承継、M&Aなど法人関連手数料が増加しております。

第5次中期経営計画の基本方針の一つである経費の削減につきましては、前期比3億52百万円減少と計画を上回って進捗いたしました。人員の自然減を反映し人件費が減少したほか、投資案件の見直しなどから物件費が減少しております。

与信関係費用は、両行の合併を見据え財務基盤の健全性を一層高めるために貸倒引当金を積み増したことなどから、前期比15億1百万円増加しております。

また、市場部門につきましては、内外の金利環境の変化や金融市場の動向に対応しキャピタル収益を確保しながら評価損の圧縮を進めるとともに、将来の収益確保を目的として有価証券ポートフォリオの再構築を進めてまいりました。このような中で、有価証券利息配当金の減少や外貨調達コストである外国為替売買損の増加などから、市場部門経常利益が減少しております。

以上を主な要因として、連結経常利益は前期比19億74百万円(35.6%)減少し35億68百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20億87百万円(63.9%)減少し11億78百万円となりました。

 

 

連結(単位:百万円)

2022年度

2023年度

前年度比

経常収益

51,411

49,944

△1,466

業務粗利益

30,923

27,276

△3,646

 

資金利益

31,924

27,580

△4,344

 

うち預貸金利息差

17,743

18,915

1,172

 

うち有価証券利息配当金

14,282

9,448

△4,833

 

役務取引等利益

5,262

5,870

607

 

その他業務利益

△6,263

△6,173

90

 

うち外国為替売買損(△)

1,768

2,823

1,055

 

うち国債等債券損益

△5,558

△4,630

927

経費(△)

24,350

23,997

△352

実質業務純益

6,573

3,279

△3,293

コア業務純益

12,131

7,909

△4,221

コア業務純益(除く投信解約損益)

5,133

6,653

1,519

 

与信関係費用(△)

1,900

3,401

1,501

 

株式等関係損益

611

4,010

3,398

経常利益

5,543

3,568

△1,974

親会社株主に帰属する当期純利益

3,266

1,178

△2,087

 

※ 部門別損益の状況

2023年度は、グループ横断で設置したGX室、DX室を中心として、お取引先の脱炭素経営のご支援、人手不足対策なども含めたデジタル化のご支援に注力するとともに、当社グループの強みである再生可能エネルギー事業向けプロジェクト・ファイナンスなどにより法人関連収益の拡大に注力いたしました。

このような中で、顧客部門においては、地元県内向け事業性貸出のほか、金融業向け仕組貸出による貸出金利息の底上げなどにより、預貸金利息差が前期比増加に転じました。また、事業承継やM&Aのご支援、GX・DX分野関連を中心としたビジネスマッチングなど、法人関連の手数料収益が伸長し、顧客部門業務純益は前期比22億67百万円増加し31億43百万円となりました。なお、両行の合併を見据え、財務基盤の健全性を一層高めることを目的として貸倒引当金を積み増し与信関係費用が増加したことから、顧客部門経常利益は前期比8億36百万円改善し△65百万円となりました。

市場部門においては、国内外の金利環境が大きく変化し、特に日本銀行の金融政策の修正を見通す中でリスク抑制的な運営を継続し、年度当初から保守的な計画としておりました。市場環境に応じた売買によりキャピタル収益を積み上げるとともに、評価損の圧縮、将来に向けた安定的な収益確保のためのポートフォリオ再構築に取り組む中で、市場部門経常利益は前期比29億8百万円減少し27億37百万円となりました。

 

 

2022年度実績

2023年度

実績

前期比

顧客部門経常利益

(=顧客部門業務純益-与信関係費用)

△901百万円

△65百万円

+836百万円

顧客部門業務純益

(=顧客部門における粗利益-同経費)

876百万円

3,143百万円

+2,267百万円

市場部門経常利益

5,645百万円

2,737百万円

△2,908百万円

(注)当社の主要な子会社である荘内銀行、北都銀行では、管理会計として部門別損益を導入し、顧客部門、市場部門及びその他に区分し、業績管理を行っております。

・ 顧客部門経常利益=顧客部門業務純益(預貸金利息差+役務取引等利益+市場部門への資金貸利息 等-営業経費)-与信関係費用

・ 市場部門経常利益=有価証券利息配当金+国債等債券損益+株式等関係損益+金銭の信託運用損益-外貨調達費用-営業経費-顧客部門からの資金借利息 等

 

※ 連結ROE(自己資本当期純利益率)の状況

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

1.16%

2.86%

3.06%

3.27%

1.33%

 

(ROEの部門別の状況)(2行合算、経常利益ベース)

 

2023年3月期

2024年3月期

増減

ROE(経常利益ベース)

4.73%

3.17%

△1.56%

うち顧客部門経常利益

△0.85%

△0.06%

0.79%

うち市場部門経常利益

5.34%

2.93%

△2.41%

 

連結ROEは、前期比1.94ポイント低下し1.33%となりました。現在取り組み中の第5次中期経営計画において、長期的に連結ROE5%超の水準を目指すこととしており、引き続き、顧客部門経常利益の改善、市場部門の収益性向上に取り組んでまいります。

なお、2行合算の経常利益ベースのROEは、前期比1.56ポイント低下し3.17%となりました。顧客部門において与信関係費用は増加したものの預貸金利息差及び役務取引等利益の積み上げにより顧客部門経常利益が前期比8億36百万円改善し、その結果、顧客部門経常利益ROEが0.79ポイント改善しております。一方で、市場部門は金利環境変化や市場動向に配慮しつつポートフォリオの再構築に取り組んでおり、市場部門経常利益ROEは2.41ポイント低下しております。

 

※  自己資本比率の状況

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連結自己資本比率(国内基準)の2023年度末の実績は、事業性貸出や有価証券など運用資産の増加に伴いリスク・アセットが増加したことを主な要因として、前年度末比0.13ポイント低下し9.07%となりました。

 

 

(財政状態)

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における資産は前連結会計年度末比408億円(1.3%)増加の3兆606億円、負債は前連結会計年度末比456億円(1.5%)増加の2兆9,748億円、純資産は前連結会計年度末比47億円(5.2%)減少の858億円となりました。主な内訳は次のとおりであります。

・預金等(譲渡性預金を含む)

預金等(譲渡性預金を含む)の当連結会計年度末残高は個人預金及び法人預金を中心に前連結会計年度末比356億円(1.3%)増加し2兆7,629億円となりました。

・貸出金

貸出金の当連結会計年度末残高は、営業地盤である山形県内及び秋田県内を含め事業性貸出が増加した一方で、中央政府向けを中心に前連結会計年度末比251億円(1.3%)減少し1兆8,670億円となりました。

・有価証券

有価証券の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末比727億円(11.0%)増加し7,328億円となりました。

 

2023年度までの3か年計画、第5次中期経営計画において顧客支援力の強化、事業性評価活動を活用したコンサルティング営業の徹底に取り組むとともに、お取引先の資金ニーズに積極的に対応する中で、営業地盤である山形県内、秋田県内を含め事業性貸出が増加するとともに法人預金が増加しております。有価証券残高は、金利環境の変化、金融市場の動向を踏まえ、国債を中心に増加しております。

また、当社グループは、主に預金により資金調達を行い、営業地盤である山形県、秋田県を中心に金融仲介機能を発揮し、事業性貸出金を中心とした資金運用を行っております。貸出金以外の運用資金について、主に有価証券により運用しておりますが、主体である国債や地方債のほか、外国証券、投資信託、ETF及びREITなど、運用資産の多様化を図っております。

 

※ 主要な子会社である荘内銀行及び北都銀行の業績及び財政状態

(1) 荘内銀行の業績及び預貸金期末残高

(単位:百万円)

2022年度

2023年度

増減

経常収益

24,376

21,460

△2,916

資金利益

16,300

13,764

△2,535

役務取引等利益

1,573

1,906

332

その他業務利益

△3,720

△3,677

43

経費

11,548

11,293

△255

実質業務純益

2,604

699

△1,904

コア業務純益

5,343

2,679

△2,663

コア業務純益(除く投信解約損益)

2,199

2,649

449

与信関係費用

1,111

747

△364

経常利益

2,390

1,651

△738

当期純利益

1,630

656

△974

 

(単位:億円)

2022年度末

2023年度末

増減

貸出金残高

9,482

9,697

215

預金等残高(譲渡性預金を含む)

13,537

13,667

129

有価証券残高

3,319

3,691

372

 

 

(2) 北都銀行の業績及び預貸金期末残高

(単位:百万円)

2022年度

2023年度

増減

経常収益

22,436

23,468

1,032

資金利益

15,689

13,868

△1,820

役務取引等利益

2,796

3,139

343

その他業務純益

△3,754

△3,722

32

経費

11,515

11,469

△45

実質業務純益

3,215

1,815

△1,400

コア業務純益

6,035

4,465

△1,569

コア業務純益(除く投信解約損益)

2,181

3,240

1,059

与信関係費用

666

2,461

1,794

経常利益

2,615

1,312

△1,302

当期純利益

1,563

139

△1,424

 

(単位:億円)

2022年度末

2023年度末

増減

貸出金残高

9,599

9,151

△447

預金等残高(譲渡性預金を含む)

13,783

14,010

226

有価証券残高

3,281

3,636

355

 

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の減少や借用金の増加等により、675億26百万円の収入(前年度比4,720億65百万円の増加)となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が売却及び償還による収入を上回ったこと等により、755億14百万円の支出(前年度比764億28百万円の増加)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、15億33百万円の支出(前年度比57億2百万円の減少)となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比95億11百万円減少の3,025億25百万円となりました。

なお、当社グループにおいては、資本の財源について、期間損益の安定成長により自己資本の更なる積み上げを図っております。また、資金の流動性について、日次管理によりリスクの状況を把握し、定期的にALM会議、リスクマネジメント会議及び取締役会などにおいて報告、協議を実施するなど、適切なリスク管理体制を構築しております。

また、設備投資の資金調達の方法は自己資金であり、設備投資については「第3 設備の状況」に記載しております。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、一定の仮定のもと会計上の見積りを行った上で資産・負債及び収益・費用を計上する項目があります。当社グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当社グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積りについて、継続してその適切性を評価しておりますが、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と異なる結果となる可能性があります。

当社グループは、以下の項目が重要な会計上の見積りと考えております。

貸倒引当金

当社グループの資産に占める貸出金の割合は高く、貸出金の質、すなわち信用リスクの適切な反映は当社グループ経営の要といえます。連結財務諸表における貸倒引当金の計上に当たって用いた会計上の見積りの内容及び当該見積りに用いた仮定の不確実性の程度やその変動により経営成績等に生じる影響に関しては、「第5  経理の状況  注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(1) 国内業務部門・国際業務部門別収支

当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門で254億41百万円、国際業務部門で21億57百万円、合計で275億98百万円(前連結会計年度比43億30百万円減少)となりました。

役務取引等収支は、国内業務部門で58億74百万円、国際業務部門で△4百万円、合計で58億70百万円(前連結会計年度比6億7百万円増加)となりました。

その他業務収支は、国内業務部門で△10億43百万円、国際業務部門で△51億29百万円、合計で△61億73百万円(前連結会計年度比90百万円増加)となりました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

29,567

2,362

31,929

当連結会計年度

25,441

2,157

27,598

うち資金運用収益

前連結会計年度

29,803

2,565

△3

32,365

当連結会計年度

26,343

2,302

△2

28,643

うち資金調達費用

前連結会計年度

236

203

△3

436

当連結会計年度

902

145

△2

1,045

役務取引等収支

前連結会計年度

5,269

△6

5,262

当連結会計年度

5,874

△4

5,870

うち役務取引等収益

前連結会計年度

8,600

27

8,628

当連結会計年度

9,029

25

9,055

うち役務取引等費用

前連結会計年度

3,331

34

3,365

当連結会計年度

3,155

29

3,185

その他業務収支

前連結会計年度

756

△7,019

△6,263

当連結会計年度

△1,043

△5,129

△6,173

うちその他業務収益

前連結会計年度

7,252

286

7,539

当連結会計年度

5,369

316

5,685

うちその他業務費用

前連結会計年度

6,496

7,306

13,803

当連結会計年度

6,413

5,446

11,859

(注)1.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び円建外国債券等については国際業務部門に含めております。

2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度4百万円、当連結会計年度17百万円)を控除しております。

3.資金運用収益及び資金調達費用の相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

(2) 国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況

当連結会計年度における資金運用勘定の平均残高は、国内業務部門で前連結会計年度比1,044億53百万円増加の2兆7,096億32百万円となり、国際業務部門で前連結会計年度比203億56百万円減少の568億21百万円となりました。利回りについては、国内業務部門で前連結会計年度比0.17ポイント低下の0.97%、国際業務部門で前連結会計年度比0.73ポイント上昇の4.05%となりました。

一方、当連結会計年度における資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門で前連結会計年度比94億45百万円減少の2兆9,140億1百万円となり、国際業務部門で前連結会計年度比199億59百万円減少の572億79百万円となりました。利回りについては、国内業務部門で前連結会計年度比0.03ポイント上昇の0.03%、国際業務部門で前連結会計年度比0.01ポイント低下の0.25%となりました。

 

①  国内業務部門

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

2,605,178

29,803

1.14

当連結会計年度

2,709,632

26,343

0.97

うち貸出金

前連結会計年度

1,849,094

17,859

0.96

当連結会計年度

1,852,993

19,081

1.02

うち商品有価証券

前連結会計年度

600

0

0.08

当連結会計年度

649

0

0.13

うち有価証券

前連結会計年度

577,849

11,725

2.02

当連結会計年度

700,983

7,169

1.02

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

106,810

△16

△0.01

当連結会計年度

96,629

△16

△0.01

うち預け金

前連結会計年度

1,533

222

14.50

当連結会計年度

1,349

64

4.75

資金調達勘定

前連結会計年度

2,923,446

236

0.00

当連結会計年度

2,914,001

902

0.03

うち預金

前連結会計年度

2,697,356

79

0.00

当連結会計年度

2,714,754

59

0.00

うち譲渡性預金

前連結会計年度

78,312

3

0.00

当連結会計年度

81,444

3

0.00

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

23,735

△16

△0.06

当連結会計年度

10,810

△2

△0.02

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

21,842

2

0.00

当連結会計年度

66,381

6

0.01

うち借用金

前連結会計年度

158,698

0

0.00

当連結会計年度

97,109

0

0.00

(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度327,191百万円、当連結会計年度214,404百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度57,696百万円、当連結会計年度58,260百万円)を、それぞれ控除しております。

2.金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度4百万円、当連結会計年度17百万円)を控除しております。

3.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の連結子会社については、一部月末ごとの残高等に基づく平均残高を利用しております。

4.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び円建外国債券等については控除しております。

 

②  国際業務部門

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

77,177

2,565

3.32

当連結会計年度

56,821

2,302

4.05

うち貸出金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

72,103

2,556

3.54

当連結会計年度

52,286

2,278

4.35

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

805

0

0.03

当連結会計年度

198

0

0.02

資金調達勘定

前連結会計年度

77,238

203

0.26

当連結会計年度

57,279

145

0.25

うち預金

前連結会計年度

4,060

33

0.81

当連結会計年度

3,805

103

2.71

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

6

0

3.86

当連結会計年度

5

0

5.43

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

8,636

166

1.92

当連結会計年度

973

39

4.01

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度203百万円、当連結会計年度162百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度-百万円)を、それぞれ控除しております。

2.国際業務部門の当社及び連結子会社の外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

3.国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び円建外国債券等を含めております。

③  合計

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り

(%)

小計

相殺消去額(△)

合計

小計

相殺消去額(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

2,682,356

△64,474

2,617,882

32,369

△3

32,365

1.23

当連結会計年度

2,766,453

△52,430

2,714,023

28,646

△2

28,643

1.05

うち貸出金

前連結会計年度

1,849,094

1,849,094

17,859

17,859

0.96

当連結会計年度

1,852,993

1,852,993

19,081

19,081

1.02

うち商品有価証券

前連結会計年度

600

600

0

0

0.08

当連結会計年度

649

649

0

0

0.13

うち有価証券

前連結会計年度

649,953

649,953

14,281

14,281

2.19

当連結会計年度

753,269

753,269

9,447

9,447

1.25

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

106,810

106,810

△16

△16

△0.01

当連結会計年度

96,629

96,629

△16

△16

△0.01

うち預け金

前連結会計年度

2,338

2,338

222

222

9.52

当連結会計年度

1,548

1,548

64

64

4.14

資金調達勘定

前連結会計年度

3,000,685

△64,474

2,936,210

439

△3

436

0.01

当連結会計年度

2,971,280

△52,430

2,918,850

1,047

△2

1,045

0.03

うち預金

前連結会計年度

2,701,417

2,701,417

113

113

0.00

当連結会計年度

2,718,559

2,718,559

162

162

0.00

うち譲渡性預金

前連結会計年度

78,312

78,312

3

3

0.00

当連結会計年度

81,444

81,444

3

3

0.00

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

23,742

23,742

△16

△16

△0.06

当連結会計年度

10,816

10,816

△2

△2

△0.02

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

30,478

30,478

168

168

0.55

当連結会計年度

67,354

67,354

45

45

0.06

うち借用金

前連結会計年度

158,698

158,698

0

0

0.00

当連結会計年度

97,109

97,109

0

0

0.00

(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度327,394百万円、当連結会計年度214,566百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度57,696百万円、当連結会計年度58,260百万円)を、それぞれ控除しております。

2.資金調達勘定のうち利息からは金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度4百万円、当連結会計年度17百万円)を控除しております。

3.資金運用勘定及び資金調達勘定の相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及びその利息であります。

 

(3) 国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況

当連結会計年度の役務取引等収益は、国内業務部門で90億29百万円、国際業務部門で25百万円、合計で90億55百万円(前連結会計年度比4億26百万円増加)となりました。

一方、役務取引等費用は、国内業務部門で31億55百万円、国際業務部門で29百万円、合計で31億85百万円(前連結会計年度比1億80百万円減少)となりました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

8,600

27

8,628

当連結会計年度

9,029

25

9,055

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

1,949

1,949

当連結会計年度

1,973

1,973

うち為替業務

前連結会計年度

1,354

27

1,382

当連結会計年度

1,322

25

1,348

うち証券関連業務

前連結会計年度

68

68

当連結会計年度

74

74

うち代理業務

前連結会計年度

3,441

3,441

当連結会計年度

3,791

3,791

うち保護預り・貸金庫業務

前連結会計年度

59

59

当連結会計年度

57

57

うち保証業務

前連結会計年度

393

0

393

当連結会計年度

376

0

376

役務取引等費用

前連結会計年度

3,331

34

3,365

当連結会計年度

3,155

29

3,185

うち為替業務

前連結会計年度

109

34

144

当連結会計年度

107

29

137

(注)国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については国際業務部門に含めております。

 

(4) 国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況

○  預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

2,659,900

3,810

2,663,710

当連結会計年度

2,710,156

3,084

2,713,241

うち流動性預金

前連結会計年度

1,737,780

1,737,780

当連結会計年度

1,828,643

1,828,643

うち定期性預金

前連結会計年度

909,471

909,471

当連結会計年度

865,214

865,214

うちその他

前連結会計年度

12,647

3,810

16,457

当連結会計年度

16,298

3,084

19,383

譲渡性預金

前連結会計年度

63,680

63,680

当連結会計年度

49,753

49,753

総合計

前連結会計年度

2,723,580

3,810

2,727,390

当連結会計年度

2,759,910

3,084

2,762,995

(注)1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

2.定期性預金=定期預金+定期積金

3.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については国際業務部門に含めております。

 

(5) 国内・海外別貸出金残高の状況

①  業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

1,892,149

100.00

1,867,032

100.00

製造業

113,962

6.02

115,474

6.19

農業,林業

3,962

0.21

3,076

0.17

漁業

152

0.01

122

0.01

鉱業,採石業,砂利採取業

2,306

0.12

2,113

0.11

建設業

72,685

3.84

72,919

3.91

電気・ガス・熱供給・水道業

93,093

4.92

113,984

6.11

情報通信業

5,606

0.30

5,250

0.28

運輸業,郵便業

16,707

0.88

16,862

0.90

卸売業,小売業

98,281

5.19

92,848

4.97

金融業,保険業

86,223

4.56

273,122

14.63

不動産業,物品賃貸業

132,373

7.00

135,198

7.24

学術研究,専門・技術サービス業

17,682

0.93

16,648

0.89

宿泊業,飲食サービス業

21,761

1.15

19,484

1.04

生活関連サービス業,娯楽業

16,771

0.89

15,801

0.85

教育,学習支援業

3,799

0.20

3,584

0.19

医療・福祉

55,711

2.94

53,418

2.86

その他のサービス

35,160

1.86

35,518

1.90

地方公共団体

410,874

21.72

435,236

23.31

その他

705,030

37.26

456,364

24.44

海外及び特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

合計

1,892,149

―――

1,867,032

―――

(注)国内(除く特別国際金融取引勘定分)のうち「その他」には、中央政府(財務省特別会計)向け貸出金(前連結会計年度末は215,267百万円、当連結会計年度末は当該貸出金なし)が含まれております。

 

②  外国政府等向け債権残高(国別)

該当事項はありません。

 

(6) 国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況

○  有価証券残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

103,450

103,450

当連結会計年度

166,530

166,530

地方債

前連結会計年度

184,449

184,449

当連結会計年度

168,524

168,524

社債

前連結会計年度

121,516

121,516

当連結会計年度

119,366

119,366

株式

前連結会計年度

16,058

16,058

当連結会計年度

24,383

24,383

その他の証券

前連結会計年度

177,061

57,606

234,667

当連結会計年度

224,907

29,162

254,070

合計

前連結会計年度

602,535

57,606

660,141

当連結会計年度

703,713

29,162

732,875

(注)1.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建外国債券等については国際業務部門に含めております。

2.「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号。)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。なお当社は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

(単位:百万円、%)

 

2023年3月31日

2024年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

9.20

9.07

2.連結における自己資本の額

95,978

95,748

3.リスク・アセットの額

1,042,229

1,055,623

4.連結総所要自己資本額

41,689

42,224

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、荘内銀行及び北都銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2.危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3.要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4.正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

荘内銀行(単体)の資産の査定の額

債権の区分

2023年3月31日

2024年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

50

27

危険債権

155

168

要管理債権

5

5

正常債権

9,505

9,744

(注)1.部分直接償却は実施しておりません。

2.金額は単位未満を四捨五入しております。

 

北都銀行(単体)の資産の査定の額(部分直接償却後)

債権の区分

2023年3月31日

2024年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

22

35

危険債権

105

139

要管理債権

3

4

正常債権

9,764

9,306

(注)金額は単位未満を四捨五入しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。