(経営方針)
当社は、山形県を営業基盤とする株式会社荘内銀行(以下、荘内銀行)と秋田県を営業基盤とする株式会社北都銀行(以下、北都銀行)の経営統合により2009年に設立されました。東北初の県境をまたがる地域金融機関グループとして、広域性から得られる営業情報の拡がり、お客さまのニーズに寄り添うコンサルティング営業の実践、地方創生施策への主体的な貢献を強みに、地元である山形県、秋田県の活性化に取り組んでいます。
2021年に新経営理念を制定し、役職員全員が自ら考え行動することで持続可能な地域社会の実現に貢献し、東北地方に根差した地域金融機関として地域のお客さまとともに成長する姿を目指していくことを公表しております。
グループ経営理念
一人ひとりの情熱と知恵と挑戦で、
東北を幸せと希望の産地にします。
(経営環境及び対処すべき課題)
東北地方は人口減少や高齢化など構造的な問題を抱え、加えて、人手不足に伴う人件費の高騰、インフレの進行など、地域経済の厳しい状況が長期化することが懸念されております。また、地域内事業所数の減少、内外の金利環境の変化、地政学的リスクの高まり、異業種参入による競争環境の変化など、地域金融機関を取り巻く環境は厳しさを増しています。
このような中で、2025年度は、第5次中期経営計画の最終年度として、地域における金融仲介機能の充実及び取引先の経営改善や事業再生支援等に積極的に取り組むとともに、GX・DX分野を中心としたコンサルティング営業の強化、合併シナジーの前倒し発揮による一層の経営効率化により、最終年度目標の達成に注力してまいります。また、事業環境の変化に応じた不断の変革を実践し、持続可能な地域づくりに貢献することのできる広域地方銀行グループを目指してまいります。
(当社傘下の荘内銀行及び北都銀行の合併について)
当社グループは、経営統合シナジーの更なる発揮と地域のお取引先との関係強化を目指し、経営統合の最終段階として、荘内銀行及び北都銀行の合併及びシステム統合を実施することを決定しております。
合併により誕生する新銀行の概要は以下のとおりです。なお、関係当局の許認可の取得等を前提としております。また、システム統合までに必要な準備期間を考慮し合併の効力発生日を2027年1月としておりますが、2025年度から頭取及び本部担当役員等を両銀行間で兼務する実質1行の経営体制とし、合併効果の前倒しの発揮に取り組んでまいります。
合併の効力発生日: 2027年1月1日(システム統合を同日に実施する予定)
合併の方式: 荘内銀行を存続会社、北都銀行を消滅会社とする吸収合併方式
新銀行の商号: 株式会社フィデア銀行(存続会社である荘内銀行が商号を変更)
本店所在地: 山形県山形市
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① ガバナンス
どに関して取締役会に助言することなどを目的として、取締役会の任意組織として社外取締役等を中心に構成するサステナビリティ委員会を設置しました。
また、サステナビリティ委員会において決定した基本方針のもと、具体的な業務執行及び各種施策を検討し実行する当社及び荘内銀行、北都銀行の横断的な会議体としてサステナビリティ推進会議を設置しております。サステナビリティ推進会議においては、当社グループ一体の取り組みとして、気候変動への対応に加え、人的資本や多様性への対応、地方銀行としての地域貢献のあり方等を検討しております。
サステナビリティ委員会は、サステナビリティ推進会議における検討内容及び各種施策への取り組み状況について報告を受け、その取り組み状況等を評価検証します。また、取締役会は、サステナビリティ委員会における審議内容について報告を受け、当社グループ全体のサステナビリティ経営への取り組み状況を監督評価する体制としております。
(イ) 2024年度のサステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会の主な協議・報告事項
当事業年度においてサステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会を7回開催しています。開催状況は以下のとおりです。
② 戦略
また、サステナビリティ方針を踏まえ、当社グループが「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念を実現するうえで取り組むべき5つの課題をマテリアリティ(重要課題)として特定しました。これらマテリアリティへの取り組みを通じて、SDGs達成に向けた社会課題解決に貢献してまいります。
なお、当社グループの気候変動への対応に関する戦略については「(2)気候変動への対応 ②戦略」、人的資本に関する戦略については「(4)人的資本、多様性への対応 ①戦略」を参照ください。
当社グループは、マテリアリティとして、地域経済の持続的な成長、持続可能な地域環境づくり、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、社会から信頼されるガバナンスの構築という5つの重要課題を特定し、地域に根差した事業を展開する広域金融グループとしてこれらの解決に貢献することが重要ととらえています。事業遂行上のリスクの中でも、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、サステナビリティ関連リスクを含め3「事業等のリスク」を判断しております。
特に、当社に重要な影響を及ぼすリスクとしてトップリスクを選定しており(
トップリスクの選定にあたっては、当社グループを取り巻く様々なリスク事象を抽出し、本部各部及び各役員とも協議の上、リスクマネジメント会議で決定しております。
リスク管理にあたる組織及びプロセスについて、
当社グループは、サステナビリティ方針の中で、重要な社会課題の一つである持続可能な地域環境づくりに取り組むこととしており、その一環として、2022年3月にTCFD提言(※)への賛同を表明しています。再生可能エネルギー事業のご支援や自治体と協働しての脱炭素化のご支援など持続可能な地域社会の実現に主体的に貢献するとともに、TCFD提言に沿った情報開示に取り組んでまいります。
① ガバナンス
当社グループの気候変動への対応に関するガバナンスは、サステナビリティ全般のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」を参照ください。
② 戦略
当社グループは、気候変動に起因するリスクが、戦略、財務、事業運営などに影響を与えるものと認識するとともに、持続可能な地域環境づくりのための再生可能エネルギー事業をはじめとしたサステナブルファイナンスをビジネス機会ととらえ積極的に取り組んでまいります。
また、サステナビリティ方針に基づく投融資方針を下記のとおり定め公表しております。
(気候変動に伴うリスクと想定される影響)
当社は、気候変動に伴うリスクと機会について、短期、中期、長期の時間軸で分析を行っており、その内容は以下のとおりとなっております。(以下、「短期」5年程度、「中期」10年程度、「長期」30年程度)
(ビジネス機会への取り組み)
お客さまの脱炭素経営への移行に向けたコンサルティング提供やSDGs/ESGの取組支援は、当社グループのビジネス機会になると認識しております。中長期的な目線でお取引先や地域のお客さまの課題やニーズを理解し、気候変動対応や脱炭素社会への移行の支援を行うことで、投融資をはじめとしたソリューションの提供などのビジネス機会の創出・拡大に取組んでおります。
(地域の脱炭素化への貢献 - 電力小売事業への参入)
当社グループの営業地盤である東北地方は、再生可能エネルギー資源を豊富に有する地域として、発電事業者による投資活動、開発が進んでおります。一方、その発電した電力の活用に向けた地域での取組みは限定的であり、地元で発電しているメリットを地域企業が享受できていないことが課題と認識しています。これに対応するため、2024年11月に当社の完全子会社として「フィデアエナジー株式会社」を設立しました。再生可能エネルギーの地産地消を実現するため、主に北都銀行において培ってきた再生可能エネルギー事業への知見を生かし、秋田県内で盛んな風力発電などを活用した電力小売事業に取り組むことで、地域の脱炭素化、地域経済活性化に積極的に貢献してまいります。
2025年3月28日に小売電気事業者としての登録手続き等が完了し、2025年度上半期の電力小売り開始を予定しております。当初は当社グループへの電力小売りからスタートし(2025年当社グループ50%へ電力小売り予定)、2026年度には地元県内の一般事業会社に電力小売りを開始することを計画しております。また、将来的には再生可能エネルギー発電事業、カーボンクレジット事業、脱炭素コンサルティング事業をあわせて取り扱う総合的な脱炭素支援体制の構築を目指してまいります。
(シナリオ分析)
シナリオ分析にあたっては、「環境省 TCFD提言に沿った気候変動リスク・機会のシナリオ分析実践ガイド(銀行セクター向け)ver.2.0」を参考とし、下記分析結果は、一定の前提条件のもとに試算しております。今回の分析範囲においては、当社グループの財務への影響は限定的なものとなりましたが、引き続きシナリオ分析の高度化に努めてまいります。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言が推奨するセクター等を対象に分析を行った結果、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいセクターとして、気候変動に関連する炭素税導入の影響が大きいと想定される「電力」「ガス」「石油」を選定しました。分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook 2021」における、Net Zero Emissions by Scenario(NZE(1.5℃シナリオ))などを参考に、炭素税の導入等、脱炭素社会への移行に伴う与信コストの影響を試算しました。
台風・洪水や高潮等の急性的な自然災害による浸水被害を分析しました。分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、当社グループに担保を提供している取引先の与信コストの影響額及び当社グループの影響を試算しました。
当社グループの気候変動への対応に関するリスク管理は、サステナビリティ全般のリスク管理に組み込まれています。詳細については「(1) サステナビリティ全般 ③リスク管理」を参照ください。
フィデアグループ投融資方針に基づきサステナブルファイナンスに積極的に取り組むとともに、2030年度までのCO2排出量70%削減(2013年度比)を目標に、再生可能エネルギー由来電力への転換、省エネルギー化、各種認証制度の活用などを進めてまいります。
2021年度から2030年度まで10年間の累計実行額目標 4,000億円(うち環境分野※ 2,000億円)
サステナブルファイナンスの累計実行額は2021年度から2024年度までに2,159億円の実績となっており、2030年度までの累計実行目標4,000億円に対して進捗率は53.9%となっております。うち環境分野での累計実行額は994億円と、サステナブルファイナンス全体の約50%を占めています。
当社グループでは、再生可能エネルギー分野のコンサルティング営業を強化しており、これまで陸上風力発電事業、バイオマス発電事業向けのプロジェクトファイナンス組成などで実績を積み上げております。秋田県沖、山形県沖を中心とした洋上風力発電事業の本格化も予定されており、引き続き積極的に脱炭素社会実現に貢献してまいります。
※うち環境分野=フィデアグループ投融資方針で定める「気候変動リスクを低減する省エネルギーや再生可能エネルギー事業、脱炭素社会の実現に寄与する事業」、「水資源や森林資源、生物多様性などの保全に資する事業」
「2025年度までに2013年度比 △60%」、「2030年度までに2013年度比 △70%」及び「2030年度ネットゼロ(2013年度排出量実績8,802t-CO2)」(Scope1、2合計)
ⅰ.Scope1、2のCO2排出量削減計画
ⅱ.Scope3について
Scope3(カテゴリ1~14)の算定方法は、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer2.7(環境省、経済産業省)」を参考に、排出係数は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer3.5(環境省、経済産業省)」を使用しております。カテゴリ3、8~11、14は該当せず、排出量はゼロとなっております。
単位:t-CO2
ⅲ.Scope3(カテゴリ15)について(事業性融資を対象にTCFD14業種に分類)
a.Scope3(カテゴリ15)は、気候変動におけるリスクと機会を捉えていく重要な項目と考えております。GHG排出量の算定においてはパーセフォニ社が提供するPCAF(※1)に準拠した算定方式、各種排出係数を内包した炭素会計プラットフォーム(※2)を用いて事業性融資のお取引先全量を対象として実施しました。
b.今後は、算定精度の向上を図っていくほか、カテゴリ15における算定対象のアセット(住宅ローン、自動車ローン、プロジェクトファイナンスなど)の拡大を検討していく予定です。
c.カテゴリ15(投融資)のCO2排出量削減に向けては、サステナブルファイナンスに取組むとともに、再生可能エネルギーを軸とした産業振興など、地方創生の取り組みや持続可能な地域社会の実現に積極的に貢献していきます。また、2026年度にはフィデアエナジー株式会社による地域への再生可能エネルギーを由来とした電力供給を行う予定です。
※1 PCAF:「Partnership for Carbon Accounting Financials」金融機関の投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ
※2 炭素会計プラットフォームを用いた算定にあたっては、当社グループで使用している日銀業種分類から世界産業分類(GICS)へ変換する必要があります。その変換については環境省の業種紐付表をベースとしており、複数の変換先が存在する場合は、過少の算定とならないようにするため変換先の排出係数の最も高いものを対象として計算しております。従って、お客さまの実際に営んでいる事業内容とは一部一致しないものがあります。
※3 データクオリティスコア:データクオリティスコアは、ファイナンスドエミッションにおけるGHG排出量データの品質を5段階で示した数値であり、1に近いほど品質が高く、5に近いほど推計値を多く使用しているものになります。
当社グループでは、マテリアリティの1つとして「持続可能な地域環境づくり」を設定しており、生物多様性保全及び自然資本(※1)への対応を気候変動と並ぶ重要な経営課題と認識しております。当社グループの事業活動は生態系サービスの恩恵を受けながら自然資本に依存し、他方で事業活動によって自然に負の影響を与えており、自然資本の損失の深刻化は事業リスクとなっております。そのため、当社グループには、ネイチャーポジティブ(自然再興)(※2)に向け行動することが求められており、また自然資本の適切な保全・回復に向けた取り組みは、地域経済の持続的な成長を実現するためにも喫緊の課題となっております。
このような背景から、2024年12月に、当社グループとして環境問題に対して積極的に取り組む経営姿勢を示す「環境方針」を制定いたしました。また、環境方針の制定を踏まえ、自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)(※3)が公表した情報開示に係る提言(TNFD提言)に賛同表明し、TNFDフォーラムに参画しました。
今後は、当社グループの「東北地方に根差した地域金融機関として地域社会と地域経済の活性化に貢献し、地域のお客さまとともに成長していく」というサステナビリティの考え方に基づき、環境負荷の軽減、生物多様性の保全など、環境方針に沿った取り組みを実践するとともに、TNFD提言に基づく情報開示に取り組んでまいります。
※1 自然資本:森林、水、土壌、大気、生物資源、鉱物資源等、生物・非生物を含めた自然によって形成される資本(ストック)のこと
※2 ネイチャーポジティブ(自然再興):自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め反転させること
※3 TNFD:「Taskforce on Nature-related Financial Disclosures」自然関連の財務情報を開示する枠組の開発・提供を目指す国際イニシアティブ
(4) 人的資本、多様性への対応
① 戦略
当社グループは、地域経済の活性化、持続可能な地域社会の実現に貢献し地域のお客さまとともに成長していくための5つのマテリアリティを特定し、その課題解決に貢献するべく取り組んでおります。その中で、人的資本・多様性に関連した重要課題として、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、人材育成を掲げ、具体的な対応を進めています。
ガバナンス面では、取締役会や経営陣を支える管理職層において、ジェンダー・職歴・年齢等の多様性が確保され、それらの中核人材が経験を重ねながら、取締役や経営陣に登用される仕組みを構築することを目的としてグループ人事会議を実施しております。グループ人事会議で議論し、指名委員会、取締役会への報告を通じて人的資本経営の実現に向けたガバナンスを確保するとともに、人的リスクの低減に努めております。
<グループ人事会議>


② 指標及び目標
当社グループは、人権を尊重しあらゆる人権侵害行為の根絶することを目指し、サステナビリティ方針に基づいた人権方針を定め公表しております。
また、企業活動が人権に与えるマイナスの影響を軽減することを目指し、企業の事業活動やサプライチェーンを通じて及ぼす労働問題、消費者被害、地域住民への影響の排除などを含む投融資方針を前述のとおり定め公表しております。
<実施状況>
一般社団法人全国銀行協会が発行する「みんなの人権を守るために」を基礎資料とした、全役職員向け勉強会の実施、人権をテーマとした外部講師による研修、新入行員研修・階層別研修など集合研修を通じた人権啓発、カスタマーハラスメントの対応方針や発生時の対応方法にかかる勉強会等を実施しております。
また、ハラスメントに係る相談窓口及び内部通報窓口を設置。窓口担当者には年齢や性別の異なる複数人の窓口担当者を配置し、相談者が相談しやすいような配慮を行っております。
当社グループは、従業員が能力を発揮できる職場環境づくり、経営理念及び経営戦略に基づいた人材育成、従業員一人ひとりの活躍の応援を目指し、サステナビリティ方針に基づいた人材育成方針を下記のとおり定め公表しております。
当社グループでは、経営理念を実現するために、一人ひとりがどのような姿勢・気持ちで行動するべきかを行動指針〈Future7〉として制定し、人材育成方針及び中期経営計画に基づき法人個人一体営業人材の育成に注力しております。
<実施状況>
ⅰ.多様性の確保・戦力化
エージェントの活用、アルムナイ・リファラルなど人的ネットワークの活用等、採用チャネルを拡大。性別や年齢を問わず、幅広い業種の中から経験(キャリア)を重視した採用を実施。人材の多様性を確保するとともに、採用後のオンボーディング施策を併進し、早期戦力化と中途採用人材の定着率向上につなげていきます。
ⅱ.スキルバロメーターによる法人スキルの目標及び実績
従業員のスキルレベルに応じた効果的な育成(研修・OJT・自己啓発)により、法人スキルA/Bに相当する、当社グループの営業戦略を支えるコンサルティング営業人材の拡大を目指し、お客様の多様なニーズに応えられる人材の育成を図ってまいります。
※ 法人スキルA~Dの各スキルのレベルは下記のとおりです。
ⅲ.人材育成プログラムの目標及び実績
人材育成の具体的施策として、法人営業力と事業金融力(取引先の経営支援や途上管理)を軸とした「研修(OFF-JT)」、「実践(OJT)」、「自学」、三位一体による人材育成プログラムを展開しております。より専門性の高い知識の習得や、人脈形成を通じたキャリアアップを目的として、審査部トレーニーや外部機関への研修派遣を実施。審査部トレーニーについては、第5次中計期間にあたる2023年度から2025年度の3か年で累計109名の派遣を計画しております。
ⅳ.自律的キャリア形成の目標及び実績
事業性評価を起点とした取引先支援を実践・強化するために必要な資格の習得を促進し、FP1級や中小企業診断士などの専門性の高い資格や、事業性評価並びにSDGs・ESG、脱炭素、DX、M&A関連資格など、当社グループで取り組みを強化している分野の資格保有者数を2025年度までに1,500名とする計画です。
なお、資格保有者数は、次にあげる資格保有者の合計人数です。
FP1級、中小企業診断士、日商簿記2級、M&Aエキスパート、M&Aベーシック、事業性評価エキスパート、金融DXアドバイザー、ITパスポート、SDGs・ESGファシリテーター、脱炭素アドバイザー
ⅴ.人的投資額の目標及び実績
当社グループが目指す、高いコンサルティング力を有する人材を育成するうえで、研修費や検定試験の受験費用の補助、自己啓発奨励金など、必要な人への投資を計画的に実施してまいります。なお、研修費等は、国内研修費、研修旅費、自己啓発奨励金、通信講座補助の合計額です。
当社グループは、従業員が能力を発揮できる職場環境づくり、健康で安全な職場環境の整備、多様な人材の確保などを目指し、サステナビリティ方針に基づいた社内環境整備方針を下記のとおり定め公表しております。
<実施状況>
ⅰ.人事制度の改定
経営戦略と連動した人事戦略の実現に向け、人事制度の見直しを進めております。新しい人事制度では、役割職務の重要度や難易度、業績貢献に応じた評価と処遇を実現。また、新たに専門職コースを設け、主体的・自律的キャリア形成を通じ、専門性の高い人材を育成してまいります。

ⅱ.従業員満足度調査の目標及び実績
従業員満足度調査は、従業員の意識(働きがい、モチベーション、企業風土、職務内容、職場環境、処遇等に対する満足度)を明らかにし、今後のグループ施策に反映させることを目的に実施しております。直近では2024年11月5日~11月29日に実施し、グループ合計1,665名(フィデアHD216名、荘内銀行701名、北都銀行748名)が回答しております。課題解決に向けた対策の実行に真摯に取り組み、2025年度の総合満足度の目標を3.65ポイント以上としております。調査結果も踏まえ、物価上昇等への対応及び優秀な人材確保を目的とした賃上げや初任給引上げによる直接的な処遇改善に加え、頭取・社長と従業員の対話機会を拡充し、経営ビジョンの共有に取り組んでおります。
なお、従業員満足度調査は、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供するサーベイシステムを使用し、当社への外部委託により原則2年ごとに実施しております。総合満足度は従業員が5点満点で評価するもので、フィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行に所属する正行員のほかパート従業員等、3社に所属する全ての従業員を対象としております。(2024年回答者数:1,665名、回答率:99.7%)
ⅲ.1on1ミーティングの目標及び実績
1on1ミーティングは、上司と部下のコミュニケーション機会の拡大を目的として導入し、2021年の開始以降、コミュニケーションツールとして定着が図られつつあります。今後は、所定の期間内での完全実施を目指すとともに、上司向けセミナー等を通じて上司の傾聴力・カウンセリング力の支援・指導を実施。ミーティング内容を充実させ、実効性を高めていく方針です。
なお、1on1ミーティングは、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供するマネジメント支援ツール「INSIDES(インサイズ)」(部下のアンケート回答内容に基づき、部下の仕事への意欲の状態が上司にレポートされる仕組み。)を活用し、部下のメンタリティに応じた、きめ細かい対話を目指しております。年2回、9月と3月に実施しており、下表は3月の実施率を表示しております。
ⅳ.ダイバーシティ&インクルージョン
女性活躍推進体制を一層強化するとともに、女性に限らず、中途採用者の管理職への登用など、中核人材の登用等における多様性の確保についても積極的に取り組み、性別や年齢などに関係なく、多様な人材が意欲をもって活躍する、活力ある組織の構築を推進していきます。
a.中核人材の登用等における多様性の確保に関するKPIの目標及び実績
「女性役員比率」は、第5次男女共同参画基本計画における女性登用加速化の方針に対応し、2025年度の目標を19%としております。具体的な取り組みとして、取締役会の機能を一層強化し、経営の透明性及び意思決定の多様性を高めるために、豊富な経験と高い識見・専門性を有する女性外部人材の登用に積極的に取り組んでおります。内部人材については、次の役員候補となる女性管理職の育成を着実に進めるとともに、役員登用に向けて候補者を選定のうえ計画的な育成に取り組み、最終的に2030年度の女性役員比率30%以上を目指してまいります。中途採用については、専門性の高い人材の確保や組織の活性化に向け、通年採用などの取り組みを充実させるとともに、中途採用者向けの研修・育成体系を整備し、人材の定着と早期の能力発揮を促してまいります。
※ 課長相当職は本部のスタッフ職(シニアマネージャー、マネージャー)を除きます
※ 中途採用者には臨時職員の行員登用者を含みます
b.男女間賃金差異の実績
女性活躍推進法に基づく、男女間賃金差異は以下の通りです。賃金差異の主な要因は、正規雇用労働者における管理職比率の差異や、非正規雇用労働者(パート・有期労働者)に占める女性の割合が8割を超えるなどの、雇用形態による差異が大きく影響しております。当社グループでは、特に女性の法人分野におけるキャリア開発を強化しており、従来の枠組みにとらわれず活躍の場を広げていくとともに、仕事と家庭の両立に向けた各種制度の拡充に取り組み、男女間賃金差異の縮小、ひいては生産性向上に努めてまいります。
(参考指標1)※フィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行の行員
男女別の平均年齢・平均勤続年数
(参考指標2)
雇用形態別人員構成
c.男性労働者の育児休業取得率の実績
男性職員の積極的な育児参加を促し、育児休業取得率100%の継続はもとより、平均取得日数の増加に取り組んでまいります。対象者一人ひとりに対する育児休業取得の意向確認と両立支援制度の周知を継続。男性の育児参画による女性の継続就業を後押しするとともに、従業員の重要なライフイベントをサポートすることで、モチベーションや生産性の向上を図ります。
ⅴ.健康経営の推進
地域とともに発展する銀行であり続けるためには、従業員とその家族一人ひとりが心身ともに健康であることが不可欠であると考えております。当社グループは、健康意識向上とワークライフバランスの推進を通じて、活き活きと働き続けられる職場づくりに取り組み、将来にわたり地域社会の発展に貢献する企業を目指します。なお、以下の指標は、フィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行に所属する正行員のほかパート従業員等、3社に所属する全ての従業員を対象に算出しております。
a.年次有給休暇・時間外勤務の目標及び実績
有給休暇取得率は、政府目標に対応し70%以上の取得率を継続するとともに、時間外勤務時間数については2025年度10時間以内を目指します。なお、時間外勤務時間数は、時間外勤務対象の行員(社員)における、1か月平均の時間外勤務時間数です。
b.健康診断等受診率の目標及び実績
病気の早期発見・早期治療により、従業員の高いパフォーマンスを維持することを目的とし、健康診断等の受診率100%を目指します。
c.ストレスチェック受験率の目標及び実績
自覚しにくいストレスの状態を理解し一次予防に努めるとともに、セルフケアの意識向上を目指します。
ストレスチェックは、労働安全衛生法に定める項目を、セコムトラストシステムズ株式会社が提供する「セコムあんしんストレスチェックサービス」を利用し、年1回実施しております。
なお、一定数のアンケート辞退者を考慮し、2025年度目標を95%としております。
<社内環境整備方針に基づく主な取り組み>
当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項において、将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
また、リスクは必ずしも独立して発生するものではなく、あるリスクの発生が他の様々なリスクの発生につながり、様々なリスクを増大させる可能性があります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
1.経営環境等に関するリスク
当社の完全子会社である荘内銀行と北都銀行は2026年度中に合併を行う予定です。山形県と秋田県を営業基盤とする両行が一体となり、地域のお客様に対して更なる質の高いサービスを提供することで、地域社会へ更なる貢献を果たすとともに、中長期的な企業価値の向上を目指す所存であります。しかしながら、顧客との関係悪化や想定外の追加費用の発生、事務・システム障害等のオペレーショナル・リスクの顕在化等により合併効果が当初想定したほど発揮されず、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、合併準備委員会、機能別部会を設置し、経営統合を着実に進め、リスクの顕在化を防止すべく取り組んでおります。
当社グループの収益は、貸出金利息収益及び有価証券運用収益に大きく依存しておりますが、景気動向、物価動向、規制当局の方針、日本銀行の金融政策といった、当社グループの支配の及ばない多くの要因により左右されます。特に足元で長期にわたる異次元金融緩和が解除され、継続的に利上げが行われた場合、保有有価証券の評価の悪化や金利上昇に伴う与信関係費用の増加等により当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日頃より有能な人材の確保や育成に努めております。但し、昨今キャリア観の多様化や賃金上昇に伴う労働市場の流動化により人材流出のリスクが高まっています。一方で、デジタル化やⅠT化への対応等、従来以上に高度な専門性と遵守意識を持った人材確保が必要となっております。こういった人材確保や育成が困難な場合、競争力やサービスの提供力が低下し、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
大規模地震や風水害等のコントロールの及ばない事態の発生により、資産の毀損、焼失あるいは劣化、又は営業活動の停止等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
日本銀行が異次元金融緩和を解除したことに伴い国内金利の上昇バイアスが高まっていることや、地域金融機関の再編や異業種企業による金融分野への参入などにより、金融業界の競争環境が大きく変化しております。その結果、当社グループの営業基盤における競争が激化するなか、他金融機関などに対して競争優位を得られない場合、当初計画している営業戦略が奏功しないことにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
気候変動に伴う異常気象や自然災害等によってもたらされる物理的な被害、気候関連の規制強化や低炭素社会への移行が当社グループ及び、貸出先の事業や財務状況に及ぼす悪影響等を通し、当社グループの業績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しており、気候変動が当社グループの事業活動に与える影響を踏まえ、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」のカテゴリー毎に、対応・開示に取組、リスクを管理してまいります。
キャッシュカードの偽造・盗難や、特殊詐欺等金融犯罪が多発している中、当社グループは、被害の未然防止、セキュリティ強化等に努めております。また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を経営上の重要な課題として、管理態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、金融犯罪の高度化・大規模化等により、被害を受けたお客さまへの補償や、未然防止策の費用等の対応が多額になる場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.業務遂行に関するリスク
貸出先の信用状態の悪化や担保・保証等の価値下落等により、不良債権が増加する可能性があります。また、経済動向や規制の変化等によって、業種、商品や企業グループ等、特定のセグメントに属する貸出資産の質の劣化が同時に進み、想定以上に不良債権が増加する可能性があります。
当社グループは、自己査定の厳格な運用を通じて貸出先の状況を正確に把握し、差し入れられた担保の価値及び経済動向に関する前提及び見積りに基づいて貸倒引当金の額を計上しておりますが、実際の貸倒れが貸倒引当金計上時点における前提及び見積りと乖離した場合には、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済情勢の悪化による担保価値の下落等の事情の発生により、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。
上記の信用リスクに対し、当社グループでは、貸出ポートフォリオの定期的なモニタリングによって特定の顧客セグメントへの与信集中を予防しているほか、貸出先の途上与信管理を徹底し、貸出資産の劣化を防止する方策を継続して講じております。
当社グループは市場関連業務において様々な金融商品での運用を行っており、グループ一体となったポートフォリオの最適化などリスク管理に努めております。しかしながら各国の金融政策動向、地政学的リスクの顕在化等、金融市場が大きく変動した場合には、保有する有価証券の価値が大幅に下落し、減損等の損失発生により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、こうしたリスクに対し、流動性が高く安全性の高い資産への分散投資を基本とした有価証券ポートフォリオ運営管理を徹底するほか、各種保有限度額や評価損益に対する損失管理ポイントの設定等による管理を徹底しております。
当社は、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第20号)に定められる国内基準(4%)以上に維持しなければなりません。また、当社の銀行子会社も、単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められる国内基準(4%)以上に維持しなければなりません。
当社及び銀行子会社の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、銀行法上の指導や命令を受けることになります。当社又は銀行子会社の自己資本比率の低下に影響を与える主な要因として以下のものがあります。
・有価証券の時価の下落に伴う減損処理額の増加
・固定資産の減損損失計上又は売却処分等による土地再評価差額金の減額
・貸出金や有価証券等のリスクの増加やアセットポートフォリオの変動
・自己資本比率の算定基準及び算定方法の変更
・その他の当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある事象の発生
・繰延税金資産の計上に係る制限
国内外金融機関の信用低下による流動性不安等、市場環境が大きく変化した場合、資金調達費用の増加や資金繰りの悪化が発生し、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動、システムが不適切であること、その他外生的な事象により損失を被るリスクであり、主なリスクは以下のとおりです。
当社グループは、銀行子会社における営業店、ATM、オンラインシステム及び顧客情報を蓄積する情報システムを保有しております。コンピュータシステムの停止、誤作動あるいは不正利用や標的型攻撃メール等のサイバー攻撃のシステムリスクへの対策やセキュリティポリシーに則った厳格な情報管理に努めておりますが、重大なシステム障害が発生した場合には、決済業務に支障をきたすなど、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各管理規程に基づき、システムの安定稼動やセキュリティ対策に万全を期すほか、厳格な情報管理を行なう等運用面での対策を実施しております。
当社グループは、サードパーティの役割を理解し、モニタリングや特定サードパーティへの集中状況の管理等を通して、同リスクを適時かつ正確に把握し適切な対応を行います。但し、予想し得なかった潜在的な脅威が顕在化した場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事務規程等に則った正確な事務処理の徹底に努めておりますが、役職員により不正確な事務あるいは不正や過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、コンプライアンスを重要な経営課題として、規程及び態勢の整備に努めておりますが、法令等遵守状況が不十分であった場合、法令等違反の発生や、将来の法令の変更等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは適切な法令等遵守の徹底に努めながら各種金融サービスを提供しておりますが、今後の事業活動の過程で必ずしも当社グループに責任はなくとも当社グループに対する訴訟等が提起された場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、法令諸規則等を遵守すべく、役員及び従業員に対する法令等遵守の徹底や不正行為の防止に向けた態勢整備、定期的な研修等により全社的なコンプライアンス意識の向上に努めております。
当社グループは、役職員に対する研修等を通じ、法令及び社会規範の遵守に努めておりますが、法令に違反する行為や、法令には違反していないものの社会的目線から乖離した行為による信頼の毀損により、顧客保護、市場の健全性、有効な競争に対し、ネガティブな影響を及ぼす可能性があり、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日頃より有能な人材の獲得、人材育成、労働意欲の向上に努めておりますが、人材の流出・喪失、士気の低下、不十分な人材育成、人事上の不公正や差別的行為、不適切な就労状況・職場環境等による悪影響から、競争力やサービス提供力の低下をもたらす可能性があり、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが所有及び賃借中の土地、建物、車両等の有形資産について、自然災害、犯罪行為、資産管理上の瑕疵等の結果、毀損、焼失あるいは劣化することにより業務の運営に支障をきたす可能性があります。また、市場価格の著しい下落、使用範囲又は使用方法の変更、収益性の低下等により固定資産の減損損失を計上することになる場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループや金融業界に対するネガティブな報道や風説、風評の流布が発生した場合、それが事実であるか否かにかかわらず、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、災害等の発生に備え危機管理計画を策定し、業務運営の継続性の確保に努めておりますが、想定外の事態の発生や被害の程度によっては業務継続が困難となり、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、膨大な顧客情報を保有しており、情報管理に関する基本方針及び管理規程に則った適切な情報管理態勢の構築に努めておりますが、顧客情報の漏洩、紛失、改ざん及び不正利用等が発生した場合には、顧客への損害賠償あるいは風評リスクの顕在化など、当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は銀行持株会社であり、その収入の大部分を当社が直接保有している銀行子会社等株式の配当金及び経営管理料に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上の制限等により、当社の銀行子会社等が当社に支払うことができる配当の金額が制限される可能性があります。また、銀行子会社等が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合には、当社株主へ配当を支払えなくなる可能性があります。
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等数理計算において設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件が変更された場合、又は実際の年金資産の時価が下落した場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、退職給付制度の変更により過去勤務費用が発生し、その償却のため費用負担が発生する場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、金融商品取引法に基づき、連結ベースの財務報告に係る内部統制が有効に機能しているか否かを評価し、その結果を内部統制報告書において開示しております。
当社グループは、適正な内部統制の構築、維持及び運営に努めておりますが、予期しない問題が発生した場合等において、財務報告に係る内部統制の評価手続の一部を実施できないことや、内部統制の重要な欠陥が存在すること等を報告する可能性もあります。そのような場合、当社グループの業績、財務状況及び当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.トップリスク
当社グループでは、各種のリスクが顕在化した結果、当社グループに損失を与える可能性のある事象をリスク事象と定め、その影響度と蓋然性に基づき重要度を判定の上、「トップリスク」として特定し、管理しております。
2025年3月に選定したトップリスクは、次のとおりです。
(注) 上記は認識しているリスクの一部であり、上記以外のリスクによっても経営上、特に重大な悪影響が生ずる可能性があります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(金融経済環境)
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費の一部に足踏みがみられ、住宅投資が概ね横ばい推移となったものの、設備投資は持ち直しの動きが続き、公共投資が底堅く推移するなど、緩やかな回復の動きが続きました。
また、当社グループの主たる営業エリアである東北地方の経済においては、公共投資や住宅投資には弱い動きが見られるものの、生産は緩やかに持ち直し、設備投資が増加し、雇用・所得環境の改善がみられ、個人消費が緩やかに回復し雇用環境が改善するなど持ち直しの動きが続きました。
なお、金融面につきましては、日本銀行が賃金と物価の好循環が見通せる状況と判断し、2回の追加利上げを実施し政策金利を0.5%へと引き上げました。この間、10年物国債金利は1%を挟んでの推移が続きましたが、年明け以降は上昇基調を強め1.6%に迫るなど約16年半振りの水準まで上昇しました。日経平均株価は、円安進行や良好な企業業績を背景に史上最高値を更新しました。しかし、8月の世界的な景気後退懸念に伴う記録的な乱高下に加え、年明け以降はトランプ関税への警戒も高まるなかで上値が重く推移し下落して年度末を迎えております。
(業績)
当社グループの当連結会計年度の連結業績につきましては、連結経常収益は、貸出金利息など資金運用収益を中心に前期比31億93百万円(6.3%)増加し531億38百万円となりました。また、連結経常費用は、預金等利息など資金調達費用及び国債等債券売却損などその他業務費用を中心に前期比25億53百万円(5.5%)増加し489億29百万円となりました。
資金利益は、主に預貸金利息差と有価証券利息配当金により構成されておりますが、前期比10億3百万円増加いたしました。日本銀行の金融政策の修正を見通す中で、マイナス金利対策の財務省向け貸出を解消し金融業向けの仕組貸出に振り向けております。仕組貸出関連の貸出金利息が前期比19億73百万円増加し、預貸金利息差ひいては資金利益の増強につながっております。
役務取引等利益は、投資信託関連のほかビジネスマッチング及び事業承継、M&Aなど法人関連手数料が増加した一方で、運用環境の変化などにより生命保険関連の手数料を中心に減少しております。
第5次中期経営計画の基本方針の一つである経費の削減につきましては、前期比3億8百万円減少と計画を上回って進捗いたしました。人件費がベースアップを実施したうえで人員数の自然減を反映し減少したほか、投資案件の見直しなどから物件費が減少しております。
与信関係費用は、前期に一時的に増加した反動で、前期比19億73百万円減少しております。
また、市場部門につきましては、有価証券の評価損益の改善を優先しつつポートフォリオ再構築に取り組む中で、有価証券利息配当金、国債等債券損益及び株式等関係損益のいずれも前期比減少しております。
以上を主な要因として、連結経常利益は前期比6億40百万円(17.9%)増加し42億9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比16億37百万円(138.8%)増加し28億16百万円となりました。
2024年度は、第5次中期経営計画の2年度目として、地元県内向け事業性貸出の増強に取り組むほか、お取引先の脱炭素コンサルティング及び人手不足対策なども含めたデジタル化のご支援、並びに当社グループの強みである再生可能エネルギー事業向けプロジェクト・ファイナンスなどにより、引き続き法人関連収益の拡大に注力いたしました。
また、日本銀行の金融政策の修正を見通す中で、マイナス金利対策の財務省向け貸出を解消し金融業向けの仕組貸出に振り向けております。仕組貸出関連の貸出金利息は、これまで預貸金利息差として顧客部門に含んでおりましたが、資金運用の一環として取り組んでいるものであり、また残高が増加し預貸金利息差への影響が大きくなっていることから、今期より、市場部門に変更しております。
顧客部門においては、政策金利引き上げの影響により預金等利息が貸出金利息に先行して増加したことや役務取引等利益が減少した一方で、仕組貸出以外の運用利息の増加や経費の減少を主な要因として、顧客部門業務純益は前期比42百万円増加し13億11百万円となりました。また、前期に一時的に増加していた与信関係費用が減少したことから、顧客部門経常利益は前期比20億49百万円改善し1億10百万円と黒字転換しております。
市場部門においては、日本銀行の政策金利が段階的に引き上げられる中で、評価損益の改善を優先しつつ、有価証券ポートフォリオ再構築に取り組む中で、市場部門経常利益は前期比12億13百万円減少し36億89百万円となりました。
(注)当社の主要な子会社である荘内銀行及び北都銀行では、管理会計として部門別損益を導入し、顧客部門及び市場部門に区分し、業績管理を行っております。
・ 顧客部門経常利益=顧客部門業務純益(預貸金利息差(仕組貸出関連利息を除く)+役務取引等利益+市場部門への資金貸利息等-営業経費)-与信関係費用
・ 市場部門経常利益=仕組貸出関連利息+有価証券利息配当金+国債等債券損益+株式等関係損益+金銭の信託運用損益-外貨調達費用-営業経費-顧客部門からの資金借利息等
(ROEの部門別の状況)(2行合算、経常利益ベース)
連結ROEは、前期比2.12ポイント上昇し3.45%となりました。現在取り組み中の第5次中期経営計画において、長期的に連結ROE5%超の水準を目指すこととしており、引き続き、顧客部門経常利益の改善、市場部門の収益性向上に取り組んでまいります。
なお、2行合算の経常利益ベースのROEは、前期比1.25ポイント上昇し4.42%となりました。顧客部門において前期に一時的に増加していた与信関係費用が減少したことを含め顧客部門経常利益が前期比20億49百万円改善し黒字転換した結果、顧客部門経常利益ROEが2.19ポイント改善しております。一方で、市場部門は金利環境変化や市場動向に配慮しつつポートフォリオの再構築に取り組んでおり、市場部門経常利益ROEは0.95ポイント低下しております。

連結自己資本比率(国内基準)の2024年度末の実績は、自己資本の充実及びリスク・アセット・コントロールに取り組む中で、前年度末比0.42ポイント上昇し9.49%となりました。
(財政状態)
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における資産は前連結会計年度末比1,386億円(4.5%)減少の2兆9,219億円、負債は前連結会計年度末比1,302億円(4.3%)減少の2兆8,445億円、純資産は前連結会計年度末比84億円(9.8%)減少の773億円となりました。主な内訳は次のとおりであります。
・預金等(譲渡性預金を含む)
預金等(譲渡性預金を含む)の当連結会計年度末残高は個人預金及び法人預金を中心に前連結会計年度末比712億円(2.5%)減少し2兆6,917億円となりました。
・貸出金
貸出金の当連結会計年度末残高は、金融業向け仕組貸出を含め事業性貸出及び地方公共団体向け貸出を中心に前連結会計年度末比465億円(2.4%)増加し1兆9,135億円となりました。
・有価証券
有価証券の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末比1,670億円(22.7%)減少し5,658億円となりました。
第5次中期経営計画において顧客支援力の強化、事業性評価活動を活用したコンサルティング営業の徹底に取り組むとともに、お取引先の資金ニーズに積極的に対応し、営業地盤である山形県内、秋田県内を含め事業性貸出の増強に注力しております。このような中で、コロナ禍の収束とともに、足元では保証協会保証付き制度融資の返済が進むことで法人預金が減少するとともに、個人消費の回復により個人預金が減少しております。有価証券残高は、金利環境の変化、金融市場の動向を踏まえ、国債、地方債を中心に減少しております。
また、当社グループは、主に預金により資金調達を行い、営業地盤である山形県、秋田県を中心に金融仲介機能を発揮し、事業性貸出金を中心とした資金運用を行っております。貸出金以外の運用資金について、主に有価証券により運用しておりますが、主体である国債や地方債のほか、外国証券、投資信託、ETF及びREITなど、運用資産の多様化を図っております。
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加、預金の減少及び債券貸借取引受入担保金の減少等により、1,521億32百万円の支出(前年度比2,196億58百万円の支出の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出の減少、有価証券の売却及び償還による収入の増加等により、1,596億70百万円の収入(前年度比2,351億85百万円の収入の増加)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、18億45百万円の支出(前年度比3億11百万円の支出の増加)となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比56億91百万円増加の3,082億16百万円となりました。
なお、当社グループにおいては、資本の財源について、期間損益の安定成長により自己資本の更なる積み上げを図っております。また、資金の流動性について、日次管理によりリスクの状況を把握し、定期的にALM会議、リスクマネジメント会議及び取締役会などにおいて報告、協議を実施するなど、適切なリスク管理体制を構築しております。
また、設備投資の資金調達の方法は自己資金であり、設備投資については「第3 設備の状況」に記載しております。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、一定の仮定のもと会計上の見積りを行った上で資産・負債及び収益・費用を計上する項目があります。当社グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当社グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積りについて、継続してその適切性を評価しておりますが、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と異なる結果となる可能性があります。
当社グループは、以下の項目が重要な会計上の見積りと考えております。
貸倒引当金
当社グループの資産に占める貸出金の割合は高く、貸出金の質、すなわち信用リスクの適切な反映は当社グループ経営の要といえます。連結財務諸表における貸倒引当金の計上に当たって用いた会計上の見積りの内容及び当該見積りに用いた仮定の不確実性の程度やその変動により経営成績等に生じる影響に関しては、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門で273億54百万円、国際業務部門で12億81百万円、合計で286億35百万円(前連結会計年度比10億37百万円増加)となりました。
役務取引等収支は、国内業務部門で55億55百万円、国際業務部門で0百万円、合計で55億55百万円(前連結会計年度比3億14百万円減少)となりました。
その他業務収支は、国内業務部門で△59億84百万円、国際業務部門で△13億72百万円、合計で△73億57百万円(前連結会計年度比11億83百万円減少)となりました。
(注) 1.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び円建外国債券等については国際業務部門に含めております。
2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度17百万円、当連結会計年度51百万円)を控除しております。
3.資金運用収益及び資金調達費用の相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
当連結会計年度における資金運用勘定の平均残高は、国内業務部門で前連結会計年度比864億24百万円減少の2兆6,232億7百万円となり、国際業務部門で前連結会計年度比246億44百万円減少の321億77百万円となりました。利回りについては、国内業務部門で前連結会計年度比0.17ポイント上昇の1.14%、国際業務部門で前連結会計年度比0.21ポイント上昇の4.26%となりました。
一方、当連結会計年度における資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門で前連結会計年度比311億89百万円減少の2兆8,828億11百万円となり、国際業務部門で前連結会計年度比250億80百万円減少の321億99百万円となりました。利回りについては、国内業務部門で前連結会計年度比0.06ポイント上昇の0.09%、国際業務部門で前連結会計年度比0.02ポイント上昇の0.27%となりました。
(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度214,404百万円、当連結会計年度279,332百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度58,260百万円、当連結会計年度55,184百万円)を、それぞれ控除しております。
2.金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度17百万円、当連結会計年度51百万円)を控除しております
3.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の連結子会社については、一部月末ごとの残高等に基づく平均残高を利用しております。
4.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び円建外国債券等については控除しております。
(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度162百万円、当連結会計年度137百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度-百万円)を、それぞれ控除しております。
2.国際業務部門の当社及び連結子会社の外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
3.国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び円建外国債券等を含めております。
(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度214,566百万円、当連結会計年度279,469百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度58,260百万円、当連結会計年度55,184百万円)を、それぞれ控除しております。
2.資金調達勘定のうち利息からは金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度17百万円、当連結会計年度51百万円)を控除しております。
3.資金運用勘定及び資金調達勘定の相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及びその利息であります。
当連結会計年度の役務取引等収益は、国内業務部門で86億61百万円、国際業務部門で24百万円、合計で86億86百万円(前連結会計年度比3億69百万円減少)となりました。
一方、役務取引等費用は、国内業務部門で31億6百万円、国際業務部門で23百万円、合計で31億30百万円(前連結会計年度比55百万円減少)となりました。
(注) 国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については国際業務部門に含めております。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金+定期積金
3.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については国際業務部門に含めております。
該当事項はありません。
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建外国債券等については国際業務部門に含めております。
2.「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号。)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。なお当社は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:百万円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、荘内銀行及び北都銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
荘内銀行(単体)の資産の査定の額
(注) 1.部分直接償却は実施しておりません。
2.金額は単位未満を四捨五入しております。
北都銀行(単体)の資産の査定の額(部分直接償却後)
(注) 金額は単位未満を四捨五入しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。