第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当期のわが国経済は、緩やかな景気回復基調が継続いたしましたが、海外経済に弱さがみられることから、景気が下押しされるリスクがあり、先行きは不透明な状況が続いています。

個人消費はおおむね横ばいとなっておりますが、食品業界においては、原材料価格の高騰等に伴い物価が高止まりする中で、個人の消費支出に節約する動きもみられます。

このような経営環境下、当期においては、「雪印メグミルクグループ中期経営計画(平成26年度~平成28年度)」に基づき、需要の拡大と競争力の強化に取り組み、チーズやヨーグルトなどの主力商品の拡売、生産性の向上によるローコストオペレーションの実現ならびに販売価格の見直しによるコストアップへの対応等により収益性向上に努めました。

以上の結果、当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高578,328百万円(前年同期比105.2%)、営業利益14,004百万円(前年同期比149.3%)、経常利益14,223百万円(前年同期比136.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、「旧横浜チーズ工場」および「旧関西チーズ工場」の売却による特別利益を計上したため、15,047百万円(前年同期比382.7%)となりました。また、平成28年3月末では、子会社32社および関連会社15社となっております。

 

セグメントごとの当連結会計年度の業績は次のとおりです。なお、各セグメントごとの売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。

 

①  乳製品事業

当事業には、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂(マーガリン等)、育児品(乳幼児用粉乳等)等の製造・販売が含まれております。

    売上高は226,950百万円(前年同期比106.5%)、営業利益は9,455百万円(前年同期比101.6%)となりまし

   た。

    売上高は、販売価格の見直し後も販売物量が堅調に推移したこと、市場拡大の影響や積極的なプロモーション

   活動の展開によりチーズの売上が好調に推移したこと、安定供給に努めたバターの売上が伸長し、市場低迷に伴

   うマーガリンの売上減少を吸収したことなどから、当事業全体では増収となりました。

営業利益は、乳価改定など原材料コストや物流コストの上昇があったものの、販売価格の見直しや戦略投資

   設備の活用によるコストダウンなどの収益改善策が奏功し増益となりました。

②  飲料・デザート類事業

当事業には、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。

    売上高は269,401百万円(前年同期比105.4%)、営業利益は2,297百万円(前年同期は営業損失1,724百万円)

   となりました。

    売上高は、販売価格の見直しを行った中で、飲料は販売物量が減少しましたが、ヨーグルトは市場拡大に加え

   て、機能性表示食品制度を活用し当社保有の乳酸菌「ガセリ菌SP株」の訴求に重点的に取り組んだ結果、カテゴ

   リー全体が大きく伸長し、デザートは新商品およびリニューアル品が牽引したことなどから、当事業全体では増

   収となりました。

営業利益は、乳価改定など原材料コストや物流コストの上昇があったものの、ヨーグルトやデザートの売上

   の伸長に伴い、収益性の高い商品の構成比が高まったこと、販売価格の見直しなどの収益改善策が寄与したこ

   と、生産ラインの見直しを進めたことなどから、大幅な増益となり黒字化しました。

③  飼料・種苗事業

当事業には、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売が含まれております。

    売上高は45,955百万円(前年同期比96.8%)、営業利益は860百万円(前年同期比78.3%)となりました。

   当期は、飼料の販売物量の減少に加えて、販売競争の激化による販売単価の下落等が影響し、減収減益となりま

   した。

④  その他事業

    当事業には、不動産賃貸、共同配送センター事業等が含まれております。

    売上高は36,021百万円(前年同期比106.7%)、営業利益は1,326百万円(前年同期比218.6%)となりまし

   た。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、14,797百万円となりました。

当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。           (単位:百万円)

  区分

前連結会計年度

  (26.4.1~27.3.31)

当連結会計年度

  (27.4.1~28.3.31)

増減

  営業活動によるキャッシュ・フロー

11,241

26,433

15,192

  投資活動によるキャッシュ・フロー

△27,617

4,567

32,185

  財務活動によるキャッシュ・フロー

14,854

△25,332

△40,187

  現金及び現金同等物に係る換算差額

134

△59

△193

  現金及び現金同等物の増加額(△は減少額)

△1,387

5,609

6,996

  現金及び現金同等物の期首残高

10,570

9,188

△1,382

  新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額

4

△4

  現金及び現金同等物の期末残高

9,188

14,797

5,609

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、26,433百万円の収入(前連結会計年度は11,241百万円の収入)となりました。

前連結会計年度との比較では、主に固定資産売却損益、たな卸資産の増減額、法人税等の支払額の減少があった一方で、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増減額が増加したことなどにより、15,192百万円の収入増となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4,567百万円の収入(前連結会計年度は27,617百万円の支出)となりました。

前連結会計年度との比較では、主に有形及び無形固定資産の取得による支出や関係会社株式の取得による支出の減少や有形及び無形固定資産の売却による収入が増加したことなどにより、32,185百万円の支出減となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、25,332百万円の支出(前連結会計年度は14,854百万円の収入)となりました。

    前連結会計年度との比較では、主に短期借入金および長期借入金の純増減額が減少したことや連結の範囲の変更

   を伴わない子会社株式の取得による支出が増加したことなどにより、40,187百万円の収入減となりました。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

    至  平成28年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

乳製品                (百万円)

170,182

103.5

飲料・デザート類      (百万円)

242,778

129.8

飼料・種苗            (百万円)

31,118

95.2

              合計      (百万円)

444,079

115.6

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

    至  平成28年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

乳製品                (百万円)

226,950

106.5

飲料・デザート類      (百万円)

269,401

105.4

飼料・種苗            (百万円)

45,955

96.8

    報告セグメント計  (百万円)

542,307

105.1

その他                (百万円)

36,021

106.7

            合計      (百万円)

578,328

105.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

    至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

    至  平成28年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱日本アクセス

119,295

21.7

129,748

22.4

㈱セブン-イレブン・ジャパン

95,809

17.4

110,301

19.1

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)中期経営計画における事業戦略

当社は企業価値の向上に向けて「雪印メグミルクグループ中期経営計画(平成26年度~平成28年度)」を定め、次の4つのコンセプトにより戦略を推進し、収益性を向上させ、次なる成長のための基盤固めを着実に行なってまいります。

事業構造改革

円安や乳資源需給逼迫など厳しい経営環境下でも利益を確保すべく、プロダクトミックスの改善、生産物流体制の最適化、業務効率化によるコストダウン、ならびにコストアップ吸収策の早期実現に取り組み、収益性を向上させてまいります。

②戦略投資設備の最大活用

これまで投資してきた海老名工場と阿見工場を最大活用すべく、販売物量を拡大して工場稼働率を向上させ、安定した利益を確保してまいります。

新工場では円滑な生産移管から安定稼働につなげ、高い生産性、品質、技術力を実現してまいります。

③成長分野の事業拡大

将来に亘り継続成長すべく、当社の強みを活かすことが出来る成長分野に経営資源を重点配分いたします。対象分野は「ヨーグルト」、「ナチュラルチーズ」、「業務用チーズ」、「機能性食品事業」、「海外事業」とします。

「ヨーグルト」、「ナチュラルチーズ」、「業務用チーズ」は、市場規模が継続的に拡大する中で、新商品の投入・育成を図りながら当社のシェアを更に高めてまいります。

「機能性食品事業」は、自社が保有する機能性素材を価値訴求し、拡大する健康食品市場の需要を取り込んでまいります。

「海外事業」は東南アジアでの粉ミルクの販売拡大を中心として、インドネシアでのチーズ拡販や東南アジア地域での新規展開の積極推進を図ります。

④機能強化と体制整備

事業構造改革と成長分野の事業拡大の取り組みを支えるべく、研究開発力の強化、品質保証機能の強化、国内原料乳確保のための酪農生産基盤の維持・拡大、海外乳資源の安定確保のための調達体制整備、ならびに他社連携を含めた生産物流体制の整備に取り組んでまいります。

 

(2)平成28年度の経営方針

当社は「雪印メグミルクグループ中期経営計画(平成26年度~平成28年度)」の達成に向け、平成28年度の経営方針を定め、以下の重要な施策に対し積極的な取り組みを進めてまいります。

①当社グループの有する機能を最大限活用し、グループシナジーを創出することにより、バリューチェーンを強化します。

②新たな企業価値を創造するための研究開発活動の推進、ならびに積極的なマーケティング投資による新たなカテゴリー戦略商品の育成により、乳の新しい価値を創造する「ものづくり」への取り組み強化を図ります。

③阿見工場や海老名工場等の戦略投資設備の最大活用、高付加価値商品の販売拡大によるプロダクトミックスの改善、生産体制や配送体制の効率化により、市場競争力を高める収益基盤の確立を図ります。

④乳資源の戦略的活用ならびに海外事業および機能性食品事業の積極的な展開により、新たな環境変化への対応と持続的成長に向けた市場創造に取り組みます。

⑤CSRの取り組みレベルを向上し、今後とも社会に信用される企業グループを目指します。

 

 

[当社株式等の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について]

  平成27年6月25日開催の当社定時株主総会において、「当社株式等の大量買付行為に関する対応方針」(以下「本買収防衛策」といいます。)を継続することが、承認可決されました。

  有効期間は、平成30年6月開催予定の第9回定時株主総会終結の時までの3年間となっております。

1.買収防衛策導入の基本方針

  当社取締役会は、金融商品取引所に当社株式を上場している以上、当社株式は自由に売買が行なわれることを前提にすべきであり、当社取締役会の同意がない大量買付行為がなされた場合でも、その是非を最終的に判断するのは株主の皆様であると考えます。したがいまして、株主の皆様が大量買付行為を評価するために、大量買付者から当該大量買付行為に関する十分な情報が提供されること、当社取締役会がこれを評価・検討し当該大量買付行為に関する意見も併せて株主の皆様に情報を提供すること、および必要に応じて当社取締役会が株主の皆様へ代替案を提示するための相当期間が確保されることが重要であると考えております。これらの考えに基づき、当社取締役会は、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただけるようにするため、以下のとおり、大量買付行為に関するルール(以下「大量買付ルール」といいます。)を定めることとしております。当社取締役会は、大量買付者に対して当該大量買付ルールの遵守を求め、このルールに則って十分な情報が提供された場合は、その内容を評価・検討し、当該大量買付行為に関する意見も併せて株主の皆様に適切な時期に開示することといたします。

  一方、大量買付者が大量買付ルールを遵守しない場合や、大量買付ルールを遵守した場合であっても、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するおそれのある大量買付行為の場合は、新株予約権の無償割当て等の対抗措置を発動する可能性があります。ただし、当社取締役の保身を排除するために、大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合に対抗措置を発動することができる要件を限定し、「独立委員会」の勧告を得て、対抗措置を発動するものといたします。

 

2.大量買付ルールの概要

(1)大量買付ルールの基本と大量買付行為の定義

  本買収防衛策の大量買付ルールの基本は、次のとおりです。

①  事前に大量買付者から当社取締役会に対して十分な情報の提供がなされること

②  当社取締役会による当該提供情報に関する一定の評価期間が経過した後に大量買付行為を開始すること

また、「大量買付行為」とは、次の買付行為をいい、いずれについても予め当社取締役会が同意したものを除きます。

①  特定株主グループの株式等保有割合を20%以上とすることを目的とする株式等の買付け

②  特定株主グループの株式等保有割合が20%以上となる株式等の公開買付け

 

(2)大量買付意向表明書の提出

  大量買付者が大量買付行為を行なおうとする場合には、事前に当社取締役会宛に、大量買付ルールに従う旨の「大量買付意向表明書」(以下「意向表明書」といいます。)を提出していただくことといたします。意向表明書には「大量買付者の名称および住所」「設立準拠法」「代表者の氏名」「国内連絡先」「提案する大量買付けの概要」「大量買付者およびその共同保有者が保有する当社株式等の数」「大量買付ルールを遵守する旨の誓約」を記載していただきます。

  当社取締役会は、大量買付者から意向表明書を受領したことについてすみやかに情報開示を行ないます。
 

(3)大量買付情報の提供

  大量買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断および当社取締役会の評価・検討のために十分な情報(以下「大量買付情報」といいます。)を提供していただきます。

  当社取締役会は、意向表明書の受領後5営業日以内に、大量買付者から当初提出していただくべき大量買付情報のリストを、回答期限を定めて交付します。

  なお、当社取締役会は、当初提出していただいた情報をすみやかに独立委員会に提供するものとします。独立委員会は、当該情報の内容を確認し、大量買付情報として不十分であると判断した場合には、その都度回答期限を定めて、十分な大量買付情報がそろうまで追加的に情報の提供を求めるよう、当社取締役会に勧告するものとします。

  独立委員会は、必要な情報がそろったと判断した時点で、大量買付情報の提出が完了した旨を当該大量買付者に書面で通知することおよびその旨の情報開示を行なうよう当社取締役会に勧告するものとします。また、当該大量買付情報が株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示するよう当社取締役会に勧告するものとします。

  当社取締役会は、独立委員会の勧告に沿って、大量買付情報の提出が完了した旨、および当該大量買付情報の全部または一部の情報開示を行ないます。

(4)当社が要請する情報内容

  大量買付者に提供していただく大量買付情報の主な項目は次のとおりです。

①  大量買付者およびそのグループの詳細

共同保有者および特別関係者(ファンドの場合は組合員その他の構成者を含む。)の具体的名称、資本構成または主要出資者、経歴・沿革、事業内容、財務内容、当社事業と同様の企業・事業経験、同種事業の場合のセグメント情報、大量買付経験と対象企業のその後の状況等

②  大量買付行為の目的、方法および内容

目的、買付時期、買付方法、買付対価の価額・種類、関連する取引の仕組み、買付方法の適法性等

③  買付対価の算定根拠

算定の数値、算定の前提となる事実、算定方法、算定担当者または企業、大量買付けにより生じることが予想される影響額およびその算定根拠、そのうち他の株主に対して分配される影響額と算定根拠等

④  買付資金の裏付け

資金調達方法、資金提供者の有無および具体的名称(実質的提供者を含む。)、資金調達に係る取引

⑤  大量買付行為完了後の当社経営方針および事業計画

意図する当社と当社グループの経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、資産活用策、これら事業計画の実現可能性と予想されるリスク

⑥  大量買付行為完了後の取引拡大等により得られる大量買付者と当社の相乗効果

⑦  当社の利害関係者(当社従業員、取引先、顧客、地域社会等)に関する対応方針および影響

⑧  当社の他の株主様との利益相反を回避するための具体的方策

⑨  その他当社取締役会または独立委員会が合理的に必要と判断する情報

 

(5)評価期間

  当社取締役会は、大量買付行為の評価、検討、交渉、意見形成および代替案立案等を行なうための期間(以下「評価期間」といいます。)として、当該大量買付行為の内容に応じて次の①または②による期間を設定します。大量買付行為は、次の評価期間が経過した後にのみ実施されるものとします。

  ①  60日:現金を対価とする公開買付けによる当社全株式等の買付けの場合

  ②  90日:その他の大量買付けの場合

  上記期間には、独立委員会が当該大量買付行為に関する検討に要する期間および当社取締役会に対し対抗措置を発動すべきか否かを勧告するまでに要する期間を含みます。

  ただし、独立委員会は、当社取締役会が、大量買付行為の内容の検討、大量買付者との交渉、代替案の作成等を行なうために必要な範囲内で評価期間を延長することを当社取締役会に勧告できるものとします。当社取締役会が評価期間を延長することを決議した場合には、評価期間を延長する理由、延長期間、その他公表すべき事項について、当該延長の取締役会決議後すみやかに大量買付者への通知および情報開示を行なうものとします。

 

(6)取締役会による意見・代替案の提示

  当社取締役会は、評価期間内において、独立委員会と連携を取りながら、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点で、大量買付者から提供された大量買付情報の評価・検討を行ないます。当社取締役会は、必要に応じて大量買付者と協議・交渉を行ない、大量買付けに関する提案内容の改善を大量買付者に要求し、あるいは株主の皆様に対して代替案を提示することがあります。

4【事業等のリスク】

雪印メグミルクグループ(以下本項において、「当社グループ」といいます。)の財政状態および経営成績等に影響を及ぼすおそれのあるリスクについて主な事項を記載しております。

  本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

  当社グループは、これらのリスク発生等の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。

 

(1) 酪農乳業界について

①当社グループの主要原料である加工原料乳の取引は、「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」の影響を受けます。従って、同法に基づく交付対象数量、補給金単価等の変更が当社グループの原料調達等に影響を及ぼす可能性があります。

②当社グループが生産する乳製品には、国内農業保護を目的とした関税制度が敷かれております。しかし、WTO(世界貿易機関)農業交渉やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合には、当社グループの販売および原材料調達に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 需給変動について

①当社グループは国内で生産される生乳を主要原料としておりますが、国内の生乳需給はこれまでも過剰と逼迫を繰り返しており、過剰の場合には製品在庫過多により販売競争が激化し、逼迫の場合には製造量減少により生産効率が低下することとなります。

②また、乳製品や飼料原料の国際市況は、世界経済の変動による需要の増減、旱魃等の異常気象による飼料作物の不作を原因とする製品供給の減少等の影響を受け、大きく変動することとなります。国際的に需給が逼迫した場合には原材料確保の困難化や原材料価格の高騰として、また需給が緩和した場合には安価な輸入乳製品の流入や飼料価格の下落として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、配合飼料価格上昇時には畜産経営者に配合飼料価格安定制度より価格補てん措置が採られることになっておりますが、メーカー拠出金が増加した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 販売先の寡占化とメーカー同士の競合の激化について

①当社グループの製品は量販店中心に販売されておりますが、量販店を含む流通業界においては再編・淘汰が進み、流通業者の寡占化および大規模化が進展しております。この結果、特定の販売先の仕入れ・販売施策の変更および販売先の業績の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②また、乳業・食品業界においては大手メーカー同士の経営統合や中小メーカーの再編・淘汰が進展し、規模拡大と事業領域の拡大が進んでおります。この結果、当社グループの事業領域への他業界からの新規参入や、メーカー間の商品開発・価格競争の一層の激化等が想定され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 市場規模の縮小等について

現在、当社グループの商品の大部分は日本国内向けに販売しておりますが、日本においては少子高齢化の進展により人口減少傾向にあり、当社グループが対象とする市場が縮小してきております。また、畜産市場においても飼養頭数が変動しており、こうした市場の縮小等が今後も続くと当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 食品の安全性について

①食品業界においては、食品の安全性や品質管理が強く求められております。

当社は品質管理に関して、世界標準の品質管理手法であるISO9001およびHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方を取り入れ、独自の品質保証システム「MSQS(MEGMILK SNOW BRAND Quality Assurance System)」を構築しております。しかしながら、仮に品質問題が生じた場合には自主的あるいは食品衛生法等の法令に基づく商品の回収や工場の操業停止、製造物責任法に基づく責務の負担等により当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。さらにこれらの事態の発生は、当社グループの社会的信用にも悪影響を与える可能性があります。

②また、当社グループ固有の品質問題のみならず、国内外において、メラミンや農薬混入、家畜伝染病等の乳食品に関する品質問題や健康問題などが発生した場合、さらには問題発生の有無にかかわらずこれらに関する風評が拡大した場合には、当社グループの売上に影響を及ぼし、この結果として業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 法規制について

①乳製品、飲料・デザート類は、食品衛生法の他、乳および乳製品の成分規格等に関する省令により成分規格や製造方法、表示方法等について規制を受けております。飼料・種苗は飼料安全法、種苗法、農薬取締法、家畜伝染病予防法等の法規制を受けております。これらの法令は食品等の安全性確保のために設けられており、当社グループでは法令を遵守し、製造工程管理や品質管理、適正表示等に努めております。しかしながら、製造工程等においてトラブル等が発生し、結果として規制に抵触することとなった場合には製品の廃棄・回収コストの発生や社会的な信用力の低下により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

②また、法令の改正がなされた場合には、これまでの成分規格や製造方法等が認められなくなったり、新しい成分規格や製造方法等に対応するためのコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 大規模な地震・火災等の発生および伝染病について

①当社グループの生産事業拠点が大規模な地震や火災の発生等により長期間操業停止した場合、または生産拠点の従業員が新型インフルエンザウイルス等の伝染病に感染するなどして製品供給が長期間停止した場合には当社グループの生産体制に影響を与え、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

②また、乳製品、飲料・デザート類の原料となる生乳は酪農生産者から工場に受け入れる段階で検査および殺菌等の処理を実施しておりますが、工場で生乳を受け入れた後に生乳を搾った牛が法令に定められた家畜伝染病に感染していたことが判明した場合には、法令等の定めに従い当該生乳または当該生乳を原材料とする製品の廃棄を行ないます。家畜伝染病に感染していた牛からの生乳は他の健康な牛から搾られた生乳と混合して加工されていることから、廃棄される原材料または製品の量が多くなる場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

③家畜伝染病が発生した場合、国内の乳製品、飲料・デザート類の消費の減少や、飼育頭数の減少に伴う飼料需要の減退等により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 為替レートの変動について

当社グループは、一部の原材料および商品を海外から調達していることから、為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円安は当社グループに悪影響を及ぼし、円高は当社グループに好影響をもたらします。

 

(9) 個人情報保護について

当社グループでは、グループ各社が保有する個人情報の保護・管理について、「個人情報保護方針」および関連諸規定を定めるとともに、従業員教育などを通じ、厳正な管理に努めております。しかしながら、予期せぬ事態により情報の流出などが発生した場合には、社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報システムについて

当社グループでは、原材料の発注、製品の製造、商品の受注、経理処理等、事業全般にわたり情報システムを活用しております。当社グループにおいては、情報システムを適切に運営するため、規定類の整備や社員教育、セキュリティ対策等を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等予想の範囲を超えた出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、事業の停滞や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 知的財産について

当社グループは、研究開発を始めその事業活動において、当社グループが所有している、または第三者により適法に使用許諾を受けている種々の知的財産を活用しております。当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、事業活動を行なっておりますが、知的財産権に関する訴訟等が提訴された場合、その結果によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 天候について

飲料・デザート類事業は、天候の影響を受ける可能性があります。特に、天候不順や、夏場の気温が低く推移した場合には、売上高が減少し、飲料・デザート類事業の業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている研究開発課題や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。

原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内生乳生産量の減少による乳原料不足など、いまだ厳しい外部環境の中、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行なっております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は3,846百万円です。

各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。

〔乳製品事業〕

 当連結会計年度の研究開発費の総額は1,841百万円です。

①  当社

  バター・油脂カテゴリーにおいては、ロングセラーブランドである「ネオソフト」の更なるおいしさアップを

 図り、歴史を重ねても絶え間ない進化を続けて参ります。また、ネオソフトブランド再構築に向けて、中容量ヘ

 ルシータイプ「ハーフ」、「キャノーラハーフ」、「べに花」のデザイン改良を行ないました。

  プロセスチーズでは、ボリュームカテゴリーの更なる活性化に向けた商品力、ラインナップの強化に取り組ん

 でおります。伸長するベビーチーズには、春に「うまみベビーチーズ」、秋に「わさびベビーチーズ」を発売

 し、家飲み需要にのって大変好評を得ております。最大ボリュームのスライスチーズでは、「こんがり焼ける

 とろけるスライス」に北海道産芳醇ゴーダを加え、コクとうまみを強化し、究極のスライスチーズを目指しまし

 た。

  ナチュラルチーズでは、人気の「雪印北海道100 さけるチーズ」シリーズに、風味にこだわった「ロース

 トガーリック味」、消費者を対象としたアンケートで人気のあったフレーバー「バター醤油味」を発売し、こち

 らも大変好評を得ております。

  食品カテゴリーでは、牛乳と混ぜるだけで簡単にホイップクリームができる「かんたんホイップ」に、お客様

 の声に応えて、「ちょこっと使い」に便利な使い切りサイズ30gにいたしました。今後も様々な食シーンの提案

 と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。

  乳製品事業における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究では、主においしさを構成する技術と、当社独

 自の乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品

 の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。

 主な研究成果は以下の通りです。

 ・マーガリン類における油脂成分と乳化剤の分布状態について、質量分析イメージング技術を用いた分析によ

  り、製品品質の向上に結びつく可能性がある新たな知見を得ました。

 ・バターの品質および利用価値向上を目的としてバター特有の香気成分の新たな分析方法を確立し、バターらし

  さを特徴付ける香気成分に関する新たな知見を得ました。

 ・当社独自の機能性素材である「ミルクセラミドMC-5」が有する皮膚保湿機能改善効果について、ヒト試験にお

  いて肌質を改善する効果と有効量に関する新たな知見を得ました。

 ・当社独自の機能性素材である「ミルクセラミドMC-5」の摂取が、記憶力などの脳機能を維持または改善する可

  能性を、動物試験によって新たに見出しました。

  これらの研究成果は、日本食品科学工学会、The International Chemical Congress of Pacific Basin

 Societies 2015(開催地:米国・ハワイ州)、アジア栄養学会議(日本栄養・食糧学会大会と合同開催)など

 の各学会で発表いたしました。

 

②  雪印ビーンスターク㈱

  「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供す

 るために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産

 婦・授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母

 親商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでいます。

  商品開発では、当社の基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か

 月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売しました。「すこやかM1」は、永年の母

 乳調査研究、とくに免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。

  また、母乳栄養者向け「3つの乳酸菌M1」を発売しました。この商品は母乳栄養児の免疫力を高め、アレルギ

 ー発症を抑えることが期待されます。人工栄養児だけでなく、母乳栄養児へのサポートも取組んでいます。

  さらに、このたび約30年ぶりに全国的な母乳調査研究を開始しました。母乳調査は雪印乳業時代より、第1回

 (1960年)、第2回(1989年)調査を実施し、今回で第3回目の実施となります。本調査では、過去2回の調査

 との比較により、約60年間の日本人の母乳成分の変化を把握します。また、今回は母乳成分分析だけでなく、母

 親の生活習慣や食事調査、乳児の発達状況、5年間の追跡調査を併せて実施します。本調査により、粉ミルクな

 どの育児品開発とともに、新規の機能性食品開発への応用や母子栄養に関する貴重な情報を得ることが期待され

 ます。

  専門学会での外部発表では、「妊産婦へのプロバイオティクス投与による乳児のアレルギー発症予防の可能性

 (新生児栄養フォーラム・東京)」の口頭発表や「αS1-カゼイン加水分解物とL-テアニンを含有する食品が睡

 眠の質の悪化を訴える中高年女性の睡眠に及ぼす影響(日本女性心身医学会雑誌)」の論文投稿など、当社の研

 究成果を報告しました。また、NHKや中日新聞社、共同通信社などマスコミ関係から取材を受け、当社の研究開

 発成果を積極的に情報発信しました。

 

〔飲料・デザート類事業〕

 当連結会計年度の研究開発費の総額は1,198百万円です。

・  当社

  牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、新たに紙ゲーブル・カップに次ぐ第3の容器「TT容器」の特徴を最大

 限引き出し、独自の世界観を持った本格飲料「BOTTLATTE」シリーズを発売しました。複数ラインナッ

 プで市場に定着するブランドを目指します。

  カップ飲料商品では、オフシーンのリラックスに着目し“上質なひとやすみ”を提供する「なごむブレンド」

 シリーズを発売しました。

  果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、野菜飲料において漠然とした健康感による訴求からの脱却を目指し、

 野菜Daysシリーズの刷新をいたしました。果汁混合タイプについては“栄養素訴求”により具体的健康感を

 付与し、野菜100%タイプにおいては“野菜の甘み”と“飲みごたえ”が両立した「農協野菜Days美味野菜」

 を容量900mlで新たに発売いたしました。

  ヨーグルトカテゴリーでは、乳酸菌研究において様々な健康機能が明らかになっている当社独自の2つのプロ

 バイオティクス乳酸菌「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」を使用した商品開発および商品力向上に引き続

 き注力しております。特に「ガセリ菌SP株」においては、これまでの当社乳酸菌研究の中で蓄積してきた研究

 成果を用いて、平成27年4月より開始された機能性表示食品制度を活用し、はっ酵乳カテゴリーにおいて初めて

 「ガセリ菌SP株が内臓脂肪を減らす」機能を訴求した機能性表示食品として「恵ガセリ菌SP株ヨーグルトシリー

 ズ」計4品をリニューアル発売しました。リニューアル前と比較し、いずれも3倍以上の売上げを示すなど、大

 変好評を得ております。

  デザートカテゴリーでは、市場の新定番“トールカップデザート”の充実化を図るため、ブランド力(雪印コ

 ーヒー)×技術力を掛け合わせ“あの味”を食べて楽しむ、たっぷりおいしいトールカップデザート「食べる雪

 印コーヒー」を発売いたしました。また、国内外で注目を高めている「和風」をイメージし、消費者の魅力度が

 高く、かつ和菓子の特長「もっちり」、「もちもち」食感を追求した「和とミルクデザート もっちり白ゴマ

 /もっちりミルク」を発売しました。

  飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオテ

 ィクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法な

 ど)を「ヨーグルト」、「牛乳・乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。

 主な研究は以下の通りです。

 ・当社独自のプロバイオティクス菌「ガセリ菌SP株」が有する内臓脂肪蓄積抑制効果について、ヒト試験にお

  いて、その作用メカニズムに関する新たな知見を得ました。

 ・当社独自のプロバイオティクス菌である「ガセリ菌SP株」の摂取が、インフルエンザワクチン摂取後の抗体

  産生を促進し、免疫指標であるNK細胞活性等を高めることにより、インフルエンザに対する防御機能を高める

  可能性を、ヒト試験によって新たに見出しました。

 ・当社独自のプロバイオティクス菌「ビフィズス菌SP株」が産出する菌体外多糖の構造を解析し、産出される

  多糖が特徴的な構造を有すること、また腸内環境改善に寄与している可能性について、新たな知見を得まし

  た。

 ・当社独自の機能性素材であり、骨代謝改善効果が認められている「乳塩基性タンパク質(MBP®)」が、骨末

 端を伸ばす効果を有する可能性を、動物試験によって新たに見出しました。

  これらの研究成果は日本乳酸菌学会、日本食品免疫学会、アジア乳酸菌学会(開催地:タイ)、アジア栄養学

 会議(日本栄養・食糧学会大会と合同開催)などの各学会で発表するとともに、「ガセリ菌SP株」および「ビ

 フィズス菌SP株」を使用した「ナチュレ恵megumi」をはじめとする「恵megumi」ブランド商品や、「MBP®」を

 使用した「毎日骨太」ブランド商品をはじめとした当社基幹商品の価値向上に活用いたしました。

  さらに、北海道大学遺伝子病制御研究室に開設している当社寄附講座「プロバイオティクス・イムノロジー研

 究部門」においては、プロバイオティクス菌がもたらす疾病予防機能の評価および作用機序の解明を目指した研

 究を行なっております。本寄附講座の研究成果である「ガセリ菌SP株」による免疫系を活性化させる効果と、

 「ヘルベティカス菌」による免疫調節作用について、国際酪農連盟主催「ワールドデーリーサミット2015」(開

 催地:リトアニア)において、日本から唯一の招待講演として発表を行ないました。

 

〔飼料・種苗事業〕

 当連結会計年度の研究開発費の総額は807百万円です。

・  雪印種苗㈱

  飼料開発関係では、昨年来実施しております代用乳の低コスト素材の商品への組み込みをすすめ、昨年の「ま

 るまるみるく」に続いて、「ロボジャック」に組み込んだ製品を5月から販売を開始しました。肉牛用配合飼料

 「名人ぐんぐん」改良版の試作の結果良好であったことから11月から販売を開始しました。人工乳関係ではモネ

 ンシンの使用が認められたことから、新規人工乳「轟スターターM」の販売を1月から開始しました。

  TMRの二次発酵を抑制する原料の試験を昨年来継続し、全国において現地試験を行ない、結果はおおむね良好

 であり、併せて特許も申請しました。TMR新規素材(副産物廃糖液)の現地試験結果が良好であったために富士

 TMRセンターにて利用を開始しました。

  牧草・飼料作物関係ではイタリアンライグラスの優春後継の「タチユウカ」を秋から販売を開始しました。極

 早生「ヤヨイワセ」は過去の成績と同じように良好な結果を確認したために、品種採択し、10月に品種登録出

 願しました。北農研センターと共同開発した糖含量の高いオーチャードグラス「えさじまん」と早生チモシー

 「マオイ」の品種登録・OECD登録が完了しました。トウモロコシは「わかば」後継品種としてSH4812を選抜し平

 成28年度より一部販売することにしました。北海道の優良品種に認定されたシロクローバ「アバパール」、都府

 県用子実用ソルガム「短尺ソルゴー」、芝生用トールフェスク「ダイナマイトLS」を品種採択することに決定し

 ました。

  野菜種子は、良食味シリーズ第1弾の「味風香」を販売開始し、良好な評価を受けております。この品種に続

 く第2弾として準備しております「夏風香」を品種採択し平成28年から販売することにしました。保存性の優れ

 る白皮かぼちゃ「つきみ」、水耕用レタス「フレアベル」を8月に品種採択し本格販売を開始します。また、大

 根新系統の北海道における試作が良好であり、試作を継続します。花卉は自社育種の系統を含むポットカーネー

 ション9品種を8月に品種採択し、品種登録を申請しました。

  植物活力資材関係ではホウ素供給用資材:商品名「B作」とビート用液肥SSH-555:商品名「ねぶとり君555」

 の販売を開始しました。サイレージ用乳酸菌「サイマスター」は北海道の指導参考事項に認定されたために販売

 が順調です。この商材に続く二次発酵抑制の商材として「サイロSP」のリニューアル版「サイマスターSP」を商

 品採択し平成28年度より販売することとしました。

 

当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項においては、将来に関する記述が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。

特に、以下の重要な会計方針については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用する重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えます。

①貸倒引当金

売上債権等の損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

②繰延税金資産

繰延税金資産については、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングをもとに、回収可能性があると判断される金額を計上しております。繰延税金資産の評価は、将来の課税所得の見積りと、税務上の実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。

③退職給付費用および債務

従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。

④有価証券の減損処理

売買目的有価証券以外の有価証券のうち、市場価格または合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当期の損失として処理しております。また、時価のない株式につきましても、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行ない、評価差額は当期の損失として処理しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、新たに減損処理が必要となる可能性があります。

 

(2)経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高578,328百万円(前期比105.2%)、営業利益14,004百万円(前期比149.3%)、経常利益14,223百万円(前期比136.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益15,047百万円(前期比382.7%)となりました。

①売上高

売上高については、前連結会計年度の549,816百万円から28,511百万円(5.2%)増加し、578,328百万円となりました。

乳製品事業につきましては、市場低迷に伴いマーガリンは低調でしたが、安定供給に努めたバターや、市場拡大の影響や積極的なプロモーション活動の展開によりチーズが好調に推移しました。

飲料・デザート類事業につきましては、販売価格の見直しを行った中で、飲料は販売物量が減少しましたが、ヨーグルトは市場拡大に加えて、機能性表示食品制度を活用し当社保有の乳酸菌「ガセリ菌SP株」の訴求に重点的に取り組んだ結果、カテゴリー全体が大きく伸長し、デザートは新商品およびリニューアル品等が好調に推移しました。

飼料・種苗事業につきましては、飼料の販売物量の減少に加えて、販売競争の激化による販売単価の下落等が影響し低調でした。

その他事業は、不動産賃貸や共同配送センター事業等が含まれております。

 

②営業利益

営業利益については、前連結会計年度の9,381百万円から4,622百万円(49.3%)増加し、14,004百万円となりました。

乳価改定など原材料コストや物流コストの上昇があったものの、販売価格の見直しやヨーグルトやデザートの売上の伸長に伴い、収益性の高い商品の構成比が高まったことや戦略設備投資の活用によるコストダウンなどにより、前連結会計年度を上回りました。

③経常利益

経常利益については、前連結会計年度の10,444百万円から3,779百万円(36.2%)増加し、14,223百万円となりました。

これは主に、為替相場の変動により為替差益が無くなり、かつ為替差損が発生したものの、営業利益が増加したため、前連結会計年度を上回りました。

④親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度の3,931百万円から11,115百万円(282.7%)増加し、15,047百万円となりました。

これは主に、前連結会計年度と比べ「旧横浜チーズ工場」および「旧関西チーズ工場」の売却による特別利益が増加したことなどによります。

(3)財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して1,403百万円の減少となりました。

これは主に、現金及び預金やたな卸資産が増加した一方で、土地や建設仮勘定が減少したことなどによります。

 

  (負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して11,595百万円の減少となりました。

これは主に、未払法人税等や支払手形及び買掛金が増加した一方で、長期借入金や短期借入金が減少したことなどによります。

 

  (純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末と比較して10,192百万円の増加となりました。

これは主に、土地再評価差額金や退職給付に係る調整累計額が減少した一方で、利益剰余金が増加したことなどによります。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

「4  事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2  事業の状況  1  業績等の概要    (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。

決算年月

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

34.1

34.7

37.8

時価ベースの自己資本比率(%)

27.3

28.4

55.8

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率(年)

6.3

10.1

3.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

17.3

12.0

28.7

※自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。

②資金需要

当社グループの主な資金需要は、「雪印メグミルクグループ中期経営計画(平成26年度~平成28年度)」の達成に向け、事業戦略で掲げた「事業構造改革」「戦略投資設備の最大活用」「成長分野の事業拡大」「機能強化と体制整備」に必要な投資および、長期借入金の約定返済等であります。

③資金調達

調達コストの観点から、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、グループファイナンス制度を導入しております。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

「3  対処すべき課題」に記載のとおりです。