(1)業績
当期のわが国経済は、緩やかな景気回復基調が継続しておりますが、海外経済の不確実性や、金融資本市場を中心とした不安定な状況に加えて、為替相場の大幅な変動に対する懸念があり、先行きは不透明な状況が続いています。
個人消費は持ち直しの動きが続いておりますが、価格に見合う価値を求める消費者の動きが強まっており、食品業界においては、低価格品と高付加価値品のそれぞれに志向が多様化する中で、新たな需要が生まれる一方、需要の落ち込む商品もあり、まだら模様の状況となっております。
このような経営環境下、当社グループは、当期を最終年度とする「雪印メグミルクグループ中期経営計画(2014年度~2016年度)」に基づき、市場競争力を高める収益基盤の確立に取り組み、チーズやヨーグルトなどの主力商品の販売拡大、高付加価値品の拡売によるプロダクトミックスの改善、ならびに戦略投資設備の有効活用による生産性向上等に努めました。
以上の結果、当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高587,935百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益18,753百万円(前年同期比33.9%増)、経常利益20,269百万円(前年同期比42.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,988百万円(前年同期比13.7%減)となりました。また、2017年3月末では、子会社32社および関連会社15社となっております。
セグメントごとの当連結会計年度の業績は次のとおりです。なお、セグメントごとの売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。
① 乳製品
当セグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂、育児用粉乳等の製造・販売が含まれております。
売上高は232,386百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は11,714百万円(前年同期比23.9%増)となりました。
売上高は、油脂は市場の低迷に伴い減少しましたが、バターは安定供給に引続き取り組んだこと、チーズは市場が伸長する中で、プロモーション活動により6Pチーズやさけるチーズを中心に好調に推移したことなどから、当セグメント全体では増収となりました。
営業利益は、チーズの販売拡大などにより増益となりました。
② 飲料・デザート類
当セグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。
売上高は277,477百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は4,623百万円(前年同期比101.2%増)となりました。
売上高は、飲料は新たな価値を提供する商品として発売したBOTTLATTEシリーズが寄与したこと、ヨーグルトは市場の伸長に加えて、機能性表示食品制度を活用し当社保有の乳酸菌「ガセリ菌SP株」の訴求に継続して取り組んだことなどが奏功し、当セグメント全体では増収となりました。
営業利益は、機能性訴求によるヨーグルトの販売拡大と、これに伴うプロダクトミックスの改善などにより大幅な増益となりました。
③ 飼料・種苗
当セグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売が含まれております。
売上高は43,008百万円(前年同期比6.4%減)、営業利益は1,255百万円(前年同期比45.9%増)となりました。
当期は、主に飼料の販売単価の下落等が影響し減収となりましたが、販売費用を見直し効果的な運用に努めたことや仕入単価が下落したことなどから増益となりました。
④ その他
当セグメントには、不動産賃貸、共同配送センター事業等が含まれております。
売上高は35,063百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は1,101百万円(前年同期比16.9%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、15,940百万円となりました。
当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 (単位:百万円)
|
区分 |
前連結会計年度 (2015.4.1~2016.3.31) |
当連結会計年度 (2016.4.1~2017.3.31) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
26,433 |
29,934 |
3,500 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
4,567 |
△14,408 |
△18,975 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△25,332 |
△14,376 |
10,956 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△59 |
△6 |
52 |
|
現金及び現金同等物の増加額(△は減少額) |
5,609 |
1,143 |
△4,465 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
9,188 |
14,797 |
5,609 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
14,797 |
15,940 |
1,143 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、29,934百万円の収入(前連結会計年度は26,433百万円の収入)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に固定資産除売却損益の増加やたな卸資産の増減額の減少があった一方で、法人税等の支払額の増加、関係会社事業損失の減少や仕入債務の増減額の減少などにより、3,500百万円の収入増となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14,408百万円の支出(前連結会計年度は4,567百万円の収入)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に有形及び無形固定資産の売却による収入が減少したことなどにより、18,975百万円の支出増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,376百万円の支出(前連結会計年度は25,332百万円の支出)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に短期借入金の純増減額が増加したことや連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が減少したことなどにより、10,956百万円の支出減となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
前年同期比(%)
|
|
乳製品 (百万円) |
163,945 |
96.3 |
|
飲料・デザート類 (百万円) |
208,688 |
103.2 |
|
飼料・種苗 (百万円) |
28,695 |
92.2 |
|
合計 (百万円) |
401,329 |
99.5 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
前年同期比(%)
|
|
乳製品 (百万円) |
232,386 |
102.4 |
|
飲料・デザート類 (百万円) |
277,477 |
103.0 |
|
飼料・種苗 (百万円) |
43,008 |
93.6 |
|
報告セグメント計 (百万円) |
552,872 |
101.9 |
|
その他 (百万円) |
35,063 |
97.3 |
|
合計 (百万円) |
587,935 |
101.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱日本アクセス |
129,748 |
22.4 |
132,556 |
22.6 |
|
㈱セブン-イレブン・ジャパン |
110,301 |
19.1 |
119,645 |
20.4 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当社は「雪印メグミルクグループ長期ビジョン2026」(以下 長期ビジョン2026)、およびその第1ステージの実行計画となる「雪印メグミルクグループ中期経営計画2019」(以下 中期経営計画2019)を2017年5月に策定いたしました。
(1)長期ビジョン2026
①目指す姿
雪印メグミルクグループが10年後に目指す姿を「ミルク未来創造企業」と名づけ、「グループ企業理念」の実現に向けた具体的な姿として、次の3つの未来を描きました。
ア.消費者
「乳(ミルク)で食の未来を創造します。」
イ.酪農生産者
「酪農生産者の未来に貢献します。」
ウ.私たち
「私たち社員の未来を拓きます。」
②コンセプト
Transformation & Renewal 「変革」、そして更なる「進化」へ
ア.事業ポートフォリオの変革 = Transformation
イ.事業成長を支える生産体制の進化 = Renewal
ウ.グループ経営の推進 = Group Management
これらのコンセプトを実行していくために、グループの事業領域を、「乳製品」「市乳」「ニュートリション」「飼料・種苗」の4つの事業分野に再編成を行ない、グループ企業との連携により、グループ・バリューチェーンを強化します。
③ステージ毎の位置づけと役割
長期ビジョン2026の取組み期間である2017年度から2026年度を3つのステージに分けて推進します。
|
|
第1ステージ (2017年度~2019年度) |
第2ステージ (2020年度~2022年度) |
第3ステージ (2023年度~2026年度) |
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位 置 づ け |
Transformation (変革)の始動 |
Transformation (変革)の加速 |
Renewal(進化)へ
|
|
グループ経営の 始動・推進 |
グループ経営の 展開強化 |
グループ経営の 加速・進化 |
|
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役 割 |
・収益基盤の複数化および キャッシュフロー最大化 ・生産体制進化への着手 |
・収益基盤の確立 ・生産体制進化の本格始動 |
・4つの事業分野による 収益の安定的創出 ・調達・生産体制の確立 |
④目標とする経営指標
10年後の連結売上高は7,000億円~8,000億円、連結営業利益は300億円~400億円を目指します。
⑤キャッシュフロー配分方針
長期のキャッシュフロー配分方針は、「財務の健全性」、「資本効率」、および「株主還元」の3つを意識することにより、10年後の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向30%以上を目処といたします。また、10年間の投資総額は3,000億円~4,000億円を予定しております。
(2)中期経営計画2019
①基本戦略
中期経営計画2019では、次の基本戦略を推進してまいります。
ア.事業ポートフォリオ変革
「市乳」事業分野の収益性を高めることで、「乳製品」事業分野に次ぐ収益の柱に育成します。併せて、「ニュートリション」、「飼料・種苗」事業分野では、成長モデルを構築し、事業を拡大します。
イ.事業ポートフォリオ変革を支える機能戦略
A.戦略的な調達・生産体制構築による競争基盤の確保
生乳需給環境を踏まえ、乳資源の安定調達に努めるとともに、国内酪農生産への支援に取り組んでまいります。また、成長分野への投資を実施するとともに、将来を見据えた新たな生産体制の進化(Renewal)に着手します。
B.研究開発起点の「ものづくり」による新たな価値の創造
研究開発体制や機能を強化するとともに、オープンイノベーションの推進などにより、新たな価値(需要)を創造します。
C.人材の多様性を尊重した生産性の高い組織の構築
時短推進、在宅勤務制度の導入などにより業務改革に取り組み、働きやすい環境を整備します。また、新たな研修体系を導入することで、人材の育成を図ります。
D.グループ経営資源活用による競争力・総合力の最大化
グループ会社やパートナーとの連携を深めることで、グループ・バリューチェーンを強化するとともに、ガバナンス、品質保証、環境マネジメントなどを含めたコーポレート機能を強化します。
②目標とする経営指標
最終年度の連結売上高は6,300億円、連結営業利益は220億円、連結EBITDAは400億円を目指します。
③キャッシュフロー配分方針
長期のキャッシュフロー配分方針に基づき、最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率40%以上、連結配当性向20%以上を目処といたします。また、3年間の投資総額は770億円を予定しております。
(3)次期の経営環境
我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が期待されるものの、先行きは不透明な状況です。当社を取り巻く環境は、国内・外の乳資源需給や為替相場が大きく変動する可能性があり、不安定な要素があります。一方個人消費は、景気変動により低迷が懸念されるものの、健康志向の高まりなどから、機能や効能などを高めた商品を求める新たな需要が生まれつつあり、購買意欲の高まりもみられます。
(4)年度経営方針
中期経営計画2019の初年度であることから、上記の中期戦略を当年度の経営方針として、取組みを進めてまいります。
[当社株式等の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について]
2015年6月25日開催の当社定時株主総会において、「当社株式等の大量買付行為に関する対応方針」(以下「本買収防衛策」といいます。)を継続することが、承認可決されました。
有効期間は、2018年6月開催予定の第9回定時株主総会終結の時までの3年間となっております。
1.買収防衛策導入の基本方針
当社取締役会は、金融商品取引所に当社株式を上場している以上、当社株式は自由に売買が行なわれることを前提にすべきであり、当社取締役会の同意がない大量買付行為がなされた場合でも、その是非を最終的に判断するのは株主の皆様であると考えます。したがいまして、株主の皆様が大量買付行為を評価するために、大量買付者から当該大量買付行為に関する十分な情報が提供されること、当社取締役会がこれを評価・検討し当該大量買付行為に関する意見も併せて株主の皆様に情報を提供すること、および必要に応じて当社取締役会が株主の皆様へ代替案を提示するための相当期間が確保されることが重要であると考えております。これらの考えに基づき、当社取締役会は、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただけるようにするため、以下のとおり、大量買付行為に関するルール(以下「大量買付ルール」といいます。)を定めることとしております。当社取締役会は、大量買付者に対して当該大量買付ルールの遵守を求め、このルールに則って十分な情報が提供された場合は、その内容を評価・検討し、当該大量買付行為に関する意見も併せて株主の皆様に適切な時期に開示することといたします。
一方、大量買付者が大量買付ルールを遵守しない場合や、大量買付ルールを遵守した場合であっても、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するおそれのある大量買付行為の場合は、新株予約権の無償割当て等の対抗措置を発動する可能性があります。ただし、当社取締役の保身を排除するために、大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合に対抗措置を発動することができる要件を限定し、「独立委員会」の勧告を得て、対抗措置を発動するものといたします。
2.大量買付ルールの概要
(1)大量買付ルールの基本と大量買付行為の定義
本買収防衛策の大量買付ルールの基本は、次のとおりです。
① 事前に大量買付者から当社取締役会に対して十分な情報の提供がなされること
② 当社取締役会による当該提供情報に関する一定の評価期間が経過した後に大量買付行為を開始すること
また、「大量買付行為」とは、次の買付行為をいい、いずれについても予め当社取締役会が同意したものを除きます。
① 特定株主グループの株式等保有割合を20%以上とすることを目的とする株式等の買付け
② 特定株主グループの株式等保有割合が20%以上となる株式等の公開買付け
(2)大量買付意向表明書の提出
大量買付者が大量買付行為を行なおうとする場合には、事前に当社取締役会宛に、大量買付ルールに従う旨の「大量買付意向表明書」(以下「意向表明書」といいます。)を提出していただくことといたします。意向表明書には「大量買付者の名称および住所」「設立準拠法」「代表者の氏名」「国内連絡先」「提案する大量買付けの概要」「大量買付者およびその共同保有者が保有する当社株式等の数」「大量買付ルールを遵守する旨の誓約」を記載していただきます。
当社取締役会は、大量買付者から意向表明書を受領したことについてすみやかに情報開示を行ないます。
(3)大量買付情報の提供
大量買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断および当社取締役会の評価・検討のために十分な情報(以下「大量買付情報」といいます。)を提供していただきます。
当社取締役会は、意向表明書の受領後5営業日以内に、大量買付者から当初提出していただくべき大量買付情報のリストを、回答期限を定めて交付します。
なお、当社取締役会は、当初提出していただいた情報をすみやかに独立委員会に提供するものとします。独立委員会は、当該情報の内容を確認し、大量買付情報として不十分であると判断した場合には、その都度回答期限を定めて、十分な大量買付情報がそろうまで追加的に情報の提供を求めるよう、当社取締役会に勧告するものとします。
独立委員会は、必要な情報がそろったと判断した時点で、大量買付情報の提出が完了した旨を当該大量買付者に書面で通知することおよびその旨の情報開示を行なうよう当社取締役会に勧告するものとします。また、当該大量買付情報が株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示するよう当社取締役会に勧告するものとします。
当社取締役会は、独立委員会の勧告に沿って、大量買付情報の提出が完了した旨、および当該大量買付情報の全部または一部の情報開示を行ないます。
(4)当社が要請する情報内容
大量買付者に提供していただく大量買付情報の主な項目は次のとおりです。
① 大量買付者およびそのグループの詳細
共同保有者および特別関係者(ファンドの場合は組合員その他の構成者を含む。)の具体的名称、資本構成または主要出資者、経歴・沿革、事業内容、財務内容、当社事業と同様の企業・事業経験、同種事業の場合のセグメント情報、大量買付経験と対象企業のその後の状況等
② 大量買付行為の目的、方法および内容
目的、買付時期、買付方法、買付対価の価額・種類、関連する取引の仕組み、買付方法の適法性等
③ 買付対価の算定根拠
算定の数値、算定の前提となる事実、算定方法、算定担当者または企業、大量買付けにより生じることが予想される影響額およびその算定根拠、そのうち他の株主に対して分配される影響額と算定根拠等
④ 買付資金の裏付け
資金調達方法、資金提供者の有無および具体的名称(実質的提供者を含む。)、資金調達に係る取引
⑤ 大量買付行為完了後の当社経営方針および事業計画
意図する当社と当社グループの経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、資産活用策、これら事業計画の実現可能性と予想されるリスク
⑥ 大量買付行為完了後の取引拡大等により得られる大量買付者と当社の相乗効果
⑦ 当社の利害関係者(当社従業員、取引先、顧客、地域社会等)に関する対応方針および影響
⑧ 当社の他の株主様との利益相反を回避するための具体的方策
⑨ その他当社取締役会または独立委員会が合理的に必要と判断する情報
(5)評価期間
当社取締役会は、大量買付行為の評価、検討、交渉、意見形成および代替案立案等を行なうための期間(以下「評価期間」といいます。)として、当該大量買付行為の内容に応じて次の①または②による期間を設定します。大量買付行為は、次の評価期間が経過した後にのみ実施されるものとします。
① 60日:現金を対価とする公開買付けによる当社全株式等の買付けの場合
② 90日:その他の大量買付けの場合
上記期間には、独立委員会が当該大量買付行為に関する検討に要する期間および当社取締役会に対し対抗措置を発動すべきか否かを勧告するまでに要する期間を含みます。
ただし、独立委員会は、当社取締役会が、大量買付行為の内容の検討、大量買付者との交渉、代替案の作成等を行なうために必要な範囲内で評価期間を延長することを当社取締役会に勧告できるものとします。当社取締役会が評価期間を延長することを決議した場合には、評価期間を延長する理由、延長期間、その他公表すべき事項について、当該延長の取締役会決議後すみやかに大量買付者への通知および情報開示を行なうものとします。
(6)取締役会による意見・代替案の提示
当社取締役会は、評価期間内において、独立委員会と連携を取りながら、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点で、大量買付者から提供された大量買付情報の評価・検討を行ないます。当社取締役会は、必要に応じて大量買付者と協議・交渉を行ない、大量買付けに関する提案内容の改善を大量買付者に要求し、あるいは株主の皆様に対して代替案を提示することがあります。
雪印メグミルクグループ(以下本項において、「当社グループ」といいます。)の財政状態および経営成績等に影響を及ぼすおそれのあるリスクについて主な事項を記載しております。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
当社グループは、これらのリスク発生等の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。
(1) 酪農乳業界について
①当社グループの主要原料である加工原料乳の取引は、「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」および「畜産経営の安定に関する法律」の影響を受けます。従って、同法に基づく交付対象数量、補給金単価等の変更が当社グループの原料調達等に影響を及ぼす可能性があります。
②当社グループが生産する乳製品には、国内農業保護を目的とした関税制度が敷かれております。しかし、WTO(世界貿易機関)農業交渉やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)等の交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合には、当社グループの販売および原材料調達に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 需給変動について
①当社グループは国内で生産される生乳を主要原料としておりますが、国内の生乳需給はこれまでも過剰と逼迫を繰り返しており、過剰の場合には製品在庫過多により販売競争が激化し、逼迫の場合には製造量減少により生産効率が低下することとなります。
②また、乳製品や飼料原料の国際市況は、世界経済の変動による需要の増減、旱魃等の異常気象による飼料作物の不作を原因とする製品供給の減少等の影響を受け、大きく変動することとなります。国際的に需給が逼迫した場合には原材料確保の困難化や原材料価格の高騰として、また需給が緩和した場合には安価な輸入乳製品の流入や飼料価格の下落として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、配合飼料価格上昇時には畜産経営者に配合飼料価格安定制度により価格補てん措置が採られることになっておりますが、メーカー拠出金が増加した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 販売先の寡占化とメーカー同士の競合の激化について
①当社グループの製品は量販店中心に販売されておりますが、量販店を含む流通業界においては再編・淘汰が進み、流通業者の寡占化および大規模化が進展しております。この結果、特定の販売先の仕入れ・販売施策の変更および販売先の業績の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②また、乳業・食品業界においては大手メーカー同士の経営統合や中小メーカーの再編・淘汰が進展し、規模拡大と事業領域の拡大が進んでおります。この結果、当社グループの事業領域への他業界からの新規参入や、メーカー間の商品開発・価格競争の一層の激化等が想定され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 市場規模の縮小等について
現在、当社グループの商品の大部分は日本国内向けに販売しておりますが、日本においては少子高齢化の進展により人口減少傾向にあり、当社グループが対象とする市場が縮小してきております。また、畜産市場においても飼養頭数が変動しており、こうした市場の縮小等が今後も続くと当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 食品の安全性について
①食品業界においては、食品の安全性や品質管理が強く求められております。
当社は品質管理に関して、世界標準の品質管理手法であるISO9001およびHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方を取り入れ、独自の品質保証システム「MSQS(MEGMILK SNOW BRAND Quality Assurance System)」を構築しております。しかしながら、仮に品質問題が生じた場合には自主的あるいは食品衛生法等の法令に基づく商品の回収や工場の操業停止、製造物責任法に基づく責務の負担等により当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。さらにこれらの事態の発生は、当社グループの社会的信用にも悪影響を与える可能性があります。
②また、当社グループ固有の品質問題のみならず、国内外において、メラミンや農薬混入、家畜伝染病等の乳食品に関する品質問題や健康問題などが発生した場合、さらには問題発生の有無にかかわらずこれらに関する風評が拡大した場合には、当社グループの売上に影響を及ぼし、この結果として業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法規制について
①乳製品、飲料・デザート類は、食品衛生法の他、乳および乳製品の成分規格等に関する省令により成分規格や製造方法、表示方法等について規制を受けております。飼料・種苗は飼料安全法、種苗法、農薬取締法、家畜伝染病予防法等の法規制を受けております。これらの法令は食品等の安全性確保のために設けられており、当社グループでは法令を遵守し、製造工程管理や品質管理、適正表示等に努めております。しかしながら、製造工程等においてトラブル等が発生し、結果として規制に抵触することとなった場合には、製品の廃棄・回収コストの発生や社会的な信用力の低下により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②また、法令の改正がなされた場合には、これまでの成分規格や製造方法等が認められなくなったり、新しい成分規格や製造方法等に対応するためのコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 大規模な地震・火災等の発生および伝染病について
①当社グループの生産事業拠点が大規模な地震や火災の発生等により長期間操業停止した場合、または生産拠点の従業員が新型インフルエンザウイルス等の伝染病に感染するなどして製品供給が長期間停止した場合には、当社グループの生産体制に影響を与え、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②また、乳製品、飲料・デザート類の原料となる生乳は酪農生産者から工場に受け入れる段階で検査および殺菌等の処理を実施しておりますが、工場で生乳を受け入れた後に生乳を搾った牛が法令に定められた家畜伝染病に感染していたことが判明した場合には、法令等の定めに従い当該生乳または当該生乳を原材料とする製品の廃棄を行ないます。家畜伝染病に感染していた牛からの生乳は他の健康な牛から搾られた生乳と混合して加工されていることから、廃棄される原材料または製品の量が多くなる場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③家畜伝染病が発生した場合、国内の乳製品、飲料・デザート類の消費の減少や、飼育頭数の減少に伴う飼料需要の減退等により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 為替レートの変動について
当社グループは、一部の原材料および商品を海外から調達していることから、為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円安は当社グループに悪影響を及ぼし、円高は当社グループに好影響をもたらします。
(9) 個人情報保護について
当社グループでは、グループ各社が保有する個人情報の保護・管理について、「個人情報保護方針」および関連諸規定を定めるとともに、従業員教育などを通じ、厳正な管理に努めております。しかしながら、予期せぬ事態により情報の流出などが発生した場合には、社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報システムについて
当社グループでは、原材料の発注、製品の製造、商品の受注、経理処理等、事業全般にわたり情報システムを活用しております。当社グループにおいては、情報システムを適切に運営するため、規定類の整備や社員教育、セキュリティ対策等を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等予想の範囲を超えた出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、事業の停滞や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産について
当社グループは、研究開発を始めその事業活動において、当社グループが所有している、または第三者により適法に使用許諾を受けている種々の知的財産を活用しております。当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、事業活動を行なっておりますが、知的財産権に関する訴訟等が提訴された場合、その結果によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 天候について
飲料・デザート類は、天候の影響を受ける可能性があります。特に、天候不順や、夏場の気温が低く推移した場合には、売上高が減少し、飲料・デザート類の業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている研究開発課題や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。
原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内生乳生産量の減少による乳原料不足など、いまだ厳しい外部環境の中、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行なっております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,942百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
〔乳製品〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,795百万円です。
① 当社
バター・油脂カテゴリーにおいては、市場構成比が拡大傾向にあるグルメタイプ(バターやバター風味を加え
た、味わいリッチなタイプ)のマーガリン市場において、カロリーカットの新提案「ネオソフト バター風味 カ
ロリー50%カット」を発売しました。また、購買層の拡大を図るため、乳飲料で若い人から年配の方まで幅広い
世代に人気の「雪印コーヒー」ブランドを活用したパンスプレッド「雪印コーヒーソフト」を発売しました。
チーズカテゴリーにおいては、カテゴリーの更なる活性化に向けた商品力、ラインナップの強化に取り組んで
おります。プロセスチーズでは、日本を代表する和素材である抹茶を使用した「Cheese sweets Journey 抹茶の
チーズスイーツ」を発売し、スイーツ系チーズ市場の活性化を目指しました。最大ボリュームのスライスチーズ
では、「スライスチーズ お徳用」と「とろけるスライス お徳用」を発売し、使用頻度が高いご家庭に合わせた
ラインナップの強化を行ないました。ナチュラルチーズでは、北海道産100%の生乳と生クリームのコクに、さわ
やかなシャルドネが合わさった「雪印北海道100 クリームチーズ シャルドネ」の発売や、辛味とうまみを強化
した「雪印北海道100 さけるチーズ とうがらし味」の改良を行ない、大変ご好評をいただいております。
食品カテゴリーでは、健康意識の高いお客様を中心にご愛顧をいただいている商品である、コップ1杯で1日
分の1/2のカルシウムが効率的に摂取できる「毎日骨太 スキム」が「特定保健用食品」を取得しました。今後も
様々な食シーンの提案と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。
乳製品における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究を行い、おいしさを構成する技術と、当社独自の乳
製品の健康機能の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商
品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。
主な研究成果は以下の通りです。
・ラットを対象とした動物実験において、高脂肪食摂取による脂質代謝の状態が悪化することが、チーズの摂取
によって抑制される可能性があることを見出しました。
・乳製品の食感は、その微細構造と密接な関係があります。乳製品の微細構造観察手法として従来から電子顕微
鏡観察が用いられてきましたが、観察対象である試料(乳製品)を高圧化で凍結処理することにより、これま
でより詳細な乳製品の微細構造観察が可能になりました。
・低脂肪で飽和脂肪酸含量の低いファットスプレッドにおいて、電気伝導度(乳化の安定性の指標)を適切な条
件に調整することによって、風味の発現と微生物の抑制を両立させることができる技術的な知見を得ました。
これらの研究成果は、学術雑誌(Daily Science & Technology)、綜合画像研究支援(IIRS)可視化ワークショ
ップ(共催:日本顕微鏡学会生体解析分科会)で発表いたしました。また、一部の研究成果につきましては、公
開特許公報として公開されました。
② 雪印ビーンスターク㈱
「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供する
ために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・
授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母親商
品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでいます。
商品開発では、当社の基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か月
齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売しています。「すこやかM1」は、永年の母乳
調査研究、とくに免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。
今年度は、赤ちゃん向けの商品として、乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」を50ml調乳できる使い
きり包装の「すこやかM1ミニスティック」を新発売しました。本商品は母乳育児のお母様の少しだけミルクを足し
たいとの要望におこたえして開発しました。夜間や外出時にも便利な商品です。
お母さん向け商品としては、妊娠期の栄養補助食品として「ビーンスタークマム 毎日葉酸+Ca(カルシウ
ム)」を新発売しました。妊娠期に不足しがちな葉酸とカルシウムがおいしく摂れるぶどう風味のタブレットで
す。
さらに、妊娠前から妊娠期に大切な栄養素である葉酸をはじめとする様々な栄養素を補うことができるサプリメ
ントとして、「ビーンスタークマム 葉酸+鉄+亜鉛」ならびに「ビーンスタークマム 葉酸+鉄+Ca」を新発売し
ました。いずれも水で飲むタイプのサプリメントです。とくに「ビーンスタークマム 葉酸+鉄+亜鉛」は、赤ち
ゃんが欲しいと思っている方におすすめのサプリメントです。
また現在、約30年ぶりとなる全国的な母乳調査研究を実施しています。母乳調査は雪印乳業時代より、第1回
(1960年)、第2回(1989年)調査を実施し、今回で第3回目の実施となります。本調査では、過去2回の調査と
の比較により、約60年間の日本人の母乳成分の変化を把握します。また、今回は母乳成分分析だけでなく、母親の
生活習慣や食事調査、乳児の発達状況、5年間の追跡調査を併せて実施します。本調査研究は雪印メグミルクとの
共同研究として、粉ミルクなどの育児品開発とともに、新規の機能性食品開発への応用や母子栄養に関する貴重な
情報を得ることが期待されます。
〔飲料・デザート類〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,329百万円です。
・ 当社
牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、独自の世界観を持った本格飲料「BOTTLATTE」シリーズの基幹である「カ
フェラテ」のブラッシュアップとともに、新規フレーバーとして「コーヒーリッチ」「クリーミーカフェラテ」を
発売し、ラインナップ強化しました。カップ飲料商品では、 “ミルクの濃厚さ” にこだわって開発した「濃厚ミ
ルク仕立て クリーミーミルク」、「濃厚ミルク仕立て カフェラテ」、「濃厚ミルク仕立て 抹茶ラテ」を発売し
ました。
果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、「甘さひかえめ」、「糖分ひかえめ」といったニーズにお応えした
「Dole® 糖分30%OFF」シリーズを新たに発売いたしました。またコンビニエンスストアを中心に活性化している
スムージ-市場において、「Dole® SMOOTHIE」をリニューアルし、「Dole® GREEN SMOOTHIE」を新たに発売しまし
た。
ヨーグルトカテゴリーでは、乳酸菌研究において様々な健康機能が明らかになっている当社独自の2つのプロバ
イオティクス乳酸菌「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」を使用した商品開発および商品力向上に引き続き注
力しております。特に「ガセリ菌SP株」においては、これまでの当社乳酸菌研究の中で蓄積してきた研究成果を用
いて、2015年に ”機能性表示食品制度” を活用し、「恵ガセリ菌SP株ヨーグルトシリーズ」計4品を販売しまし
た。2016年は、さらに、宅配専用商品として初めて「ガセリ菌SP株が内臓脂肪を減らす」機能を訴求した「恵ガ
セリ菌SP株ヨーグルト宅配専用」及び「恵ガセリ菌SP株ヨーグルトドリンクタイプ宅配専用」を発売いたしまし
た。
デザートカテゴリーでは、フルーツゼリーのおいしさに「プラスアルファ」の価値として「希少糖」を使用した
「FRUITDESSERT希少糖入り オレンジゼリー」と「FRUITDESSERT希少糖入り グレープゼリー」を発売いたしまし
た。
飲料・デザート類における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス
乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を
「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。
主な研究は以下の通りです。
・当社独自のプロバイオティクス菌「ガセリ菌SP株」が有する酸化ストレス抑制効果について、マウス培養細胞を
用いた実験により、その作用メカニズムに関する新たな知見を得ることができました。
・当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)の摂取が、インフルエンザ感染後のウイルスの増殖を
抑制する可能性と、そのメカニズムに関する新たな知見を得ました。
・当社独自のプロバイオティクス菌である「ガセリ菌SP株」の摂取が、RSウイルス感染に伴う肺でのウイルスの増
殖を強く抑制し、ガセリ菌SP株がRSウイルスに対する感染防御を高める可能性を新たに見出しました。
・当社独自の機能性素材であり、骨代謝改善効果が認められている「乳塩基性タンパク質(MBP®)」について、疲
労骨折の発生率が比較的高い女子長距離陸上選手の骨質悪化を改善する可能性を新たに見出しました。
これらの研究成果は腸内細菌学会、日本農芸化学会、日本食品免疫学会、日本臨床スポーツ医学会などの各学会
で発表するとともに、「ガセリ菌SP株」および「ビフィズス菌SP株」を使用した「ナチュレ恵megumi」をはじめと
する「恵megumi」ブランド商品や、「MBP®」を使用した「毎日骨太」ブランド商品をはじめとした当社基幹商品の
価値向上に活用いたしました。
〔飼料・種苗〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は817百万円です。
・ 雪印種苗㈱
飼料開発関係では、乾乳期用のスノードライバランスの嗜好性を改善した商材を5月から販売開始しました。
人工乳の新規製品開発のために新規原料の試験を継続しています。肉牛育成用飼料「黒毛まつり」の現地試作を行
ない結果が良好であったことから販売を開始しました。
牧草・飼料作物関係では4月に北海道優良品種に認定されたシロクローバ「アバパール」と子実用ソルガム「短
尺ソルゴー」を品種採択しソルゴーは販売を開始しました。第3四半期にはテフグラス「ST-1」を品種採択し、
次年度から販売予定であります。北海道の公的試験結果からチモシーのシリウス後継「キウス」、アルファルファ
のケレス後継「ケレス2」、フェストロリウム「ノースフェスト」は成績が良好で優良品種となり、品種登録申請
をしました。フェストロリウムは強害雑草対策にも活用できることから拡売が期待されます。
また、緑肥部門では北海道において問題になっていますシロシストセンチュウ対抗作物として有効な野生トマト
「ポテモン」を本格販売することにしました。
野菜種子では、良食味シリーズ第2弾の「夏風香」は順調に拡売され、これに続く系統も良好な成績を示してお
ります。大根とカボチャ新系統は北海道における試作が良好であったので、ダイコン「夏巡り」と「春桜舞」、カ
ボチャ「栗天下」、スイートコーン「ミエルコーン89」を採択し、次年度より本格販売します。花卉はポットカー
ネ―ション自社育種の3系統を品種登録申請し受理されました。
サイレージ用乳酸菌開発では、二次発酵抑制の商材「サイマスターSP」を4月より新発売し、順調に拡売されて
います。また、飼料イネ用乳酸菌「畜草2号」を高糖分品種用として、畜草1号プラスに加えて9月から販売開始
しましたが、両商材共に順調に拡売されております。活力資材関係では闘根の灌注利用として「闘根灌注用232」
の商品名で製品採択し2017年より販売開始することとしました。
芝生関係ではトールフェスク「アリッド3」の後継としてターフクオリティの優れる「ダイナマイトLS」を品種
採択しました。当社で初めての野芝の開発系統2系統(イジャム、エンルム)を品種登録申請し、次年度から実規
模での試験生産を開始します。また、チューイングフェスク「J-5」、ペレニアルライグラス冬季オーバーシード
用品種として「ブラックキャット2」、アメージングGSの後継として「アメージングA+」、バミューダグラス
「ピラミッド2」を品種採択し販売することとしました。
当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。
本項においては、将来に関する記述が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。
特に、以下の重要な会計方針については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用する重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えます。
①貸倒引当金
売上債権等の損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
②繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングをもとに、回収可能性があると判断される金額を計上しております。繰延税金資産の評価は、将来の課税所得の見積りと、税務上の実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
③退職給付費用および債務
従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。
④有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、市場価格または合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当期の損失として処理しております。また、時価のない株式につきましても、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行ない、評価差額は当期の損失として処理しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、新たに減損処理が必要となる可能性があります。
(2)経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高587,935百万円(前期比1.7%増)、営業利益18,753百万円(前期比33.9%増)、経常利益20,269百万円(前期比42.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,988百万円(前期比13.7%減)となりました。
①売上高
売上高については、前連結会計年度の578,328百万円から9,607百万円(1.7%)増加し、587,935百万円となりました。
乳製品につきましては、油脂は市場の低迷に伴い減少しましたが、バターは安定供給に引続き取り組んだこと、チーズは市場が伸長する中で、プロモーション活動により6Pチーズやさけるチーズを中心に好調に推移しました。
飲料・デザート類につきましては、飲料は新たな価値を提供する商品として発売したBOTTLATTEシリーズが寄与したこと、ヨーグルトは市場の伸長に加えて、機能性表示食品制度を活用し当社保有の乳酸菌「ガセリ菌SP株」の訴求に継続して取り組んだことなどが奏功し、当事業全体では増収となりました。
飼料・種苗につきましては、飼料の販売単価の下落等が影響し減収となりました。
その他は、不動産賃貸や共同配送センター事業等が含まれております。
②営業利益
営業利益については、前連結会計年度の14,004百万円から4,748百万円(33.9%)増加し、18,753百万円となりました。
市場競争力を高める収益基盤の確立に取り組み、チーズやヨーグルトなどの主力商品の販売拡大、高付加価値品の拡売によるプロダクトミックスの改善、ならびに戦略投資設備の有効活用による生産性向上等に努め、前連結会計年度を上回りました。
③経常利益
経常利益については、前連結会計年度の14,223百万円から6,045百万円(42.5%)増加し、20,269百万円となりました。
これは主に、営業利益が増加したことに加え、持分法による投資利益の増加や為替差損の減少などにより、前連結会計年度を上回りました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度の15,047百万円から2,058百万円(13.7%)減少し、12,988百万円となりました。
これは主に、前連結会計年度と比べ固定資産売却による特別利益が減少したことなどによります。
(3)財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して2,686百万円の減少となりました。
これは主に、建設仮勘定や投資有価証券が増加した一方で、たな卸資産や機械及び装置が減少したことなどによります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して15,770百万円の減少となりました。
これは主に、1年内返済予定の長期借入金や長期借入金が減少したことなどによります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末と比較して13,083百万円の増加となりました。
これは主に、利益剰余金や退職給付に係る調整累計額、その他有価証券評価差額金が増加したことなどによります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
|
決算年月 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
34.7 |
37.8 |
41.9 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
28.4 |
55.8 |
60.9 |
|
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) |
10.1 |
3.6 |
2.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
12.0 |
28.7 |
42.8 |
※自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。
②資金需要
当社グループの主な資金需要は、「雪印メグミルクグループ中期経営計画(2014年度~2016年度)」の達成に向け、事業戦略で掲げた「事業構造改革」「戦略投資設備の最大活用」「成長分野の事業拡大」「機能強化と体制整備」に必要な投資および、長期借入金の約定返済等であります。
③資金調達
調達コストの観点から、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、グループファイナンス制度を導入しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「3 対処すべき課題」に記載のとおりです。