第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は2017年5月に、「グループ長期ビジョン2026」、およびその第1ステージの実行計画となる「グループ中期経営計画2019」を策定いたしました。

(1)グループ長期ビジョン2026

①目指す姿

雪印メグミルクグループが10年後に目指す姿を「ミルク未来創造企業」と名づけ、「グループ企業理念」の実現に向けた具体的な姿として、次の3つの未来を描きました。

ア.消費者

「乳(ミルク)で食の未来を創造します。」

イ.酪農生産者

「酪農生産者の未来に貢献します。」

ウ.私たち

「私たち社員の未来を拓きます。」

②コンセプト

Transformation & Renewal 「変革」、そして更なる「進化」へ

ア.事業ポートフォリオの変革   =  Transformation

イ.事業成長を支える生産体制の進化 = Renewal

ウ.グループ経営の推進 = Group Management

これらのコンセプトを実行していくために、グループの事業領域を、「乳製品」「市乳」「ニュートリション」「飼料・種苗」の4つの事業分野に再編成を行ない、グループ企業との連携により、グループ・バリューチェーンを強化します。

③ステージ毎の位置づけと役割

グループ長期ビジョン2026の取組み期間である2017年度から2026年度を3つのステージに分けて推進します。

 

第1ステージ

(2017年度~2019年度)

第2ステージ

(2020年度~2022年度)

第3ステージ

(2023年度~2026年度)

Transformation

(変革)の始動

Transformation

(変革)の加速

Renewal(進化)へ

 

グループ経営の

始動・推進

グループ経営の

展開強化

グループ経営の

加速・進化

・収益基盤の複数化および

 キャッシュフロー最大化

・生産体制進化への着手

収益基盤の確立

・生産体制進化の本格始動

・4つの事業分野による

 収益の安定的創出

・調達・生産体制の確立

④目標とする経営指標

最終年度の連結売上高は7,000億円~8,000億円、連結営業利益は300億円~400億円を目指します。

⑤キャッシュフロー配分方針

長期のキャッシュフロー配分方針は、「財務の健全性」、「資本効率」、および「株主還元」の3つを意識することにより、最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向30%以上を目処といたします。また、2017年度から2026年度の10年間の投資総額は3,000億円~4,000億円を予定しております。

 

(2)グループ中期経営計画2019

①基本戦略

グループ中期経営計画2019では、次の基本戦略を推進してまいります。

ア.事業ポートフォリオ変革

「市乳」事業分野の収益性を高めることで、「乳製品」事業分野に次ぐ収益の柱に育成します。併せて、「ニュートリション」、「飼料・種苗」事業分野では、成長モデルを構築し、事業を拡大します。

イ.事業ポートフォリオ変革を支える機能戦略

A.戦略的な調達・生産体制構築による競争基盤の確保

生乳需給環境を踏まえ、乳資源の安定調達に努めるとともに、国内酪農生産への支援に取り組んでまいります。また、成長分野への投資を実施するとともに、将来を見据えた新たな生産体制の進化(Renewal)に着手します。

 

B.研究開発起点の「ものづくり」による新たな価値の創造

研究開発体制や機能を強化するとともに、オープンイノベーションの推進などにより、新たな価値(需要)を創造します。

C.人材の多様性を尊重した生産性の高い組織の構築

時短推進、在宅勤務制度の導入などにより業務改革に取り組み、働きやすい環境を整備します。また、新たな研修体系を導入することで、人材の育成を図ります。

D.グループ経営資源活用による競争力・総合力の最大化

グループ会社やパートナーとの連携を深めることで、グループ・バリューチェーンを強化するとともに、ガバナンス、品質保証、環境マネジメントなどを含めたコーポレート機能を強化します。

②目標とする経営指標

最終年度の連結売上高は6,300億円、連結営業利益は220億円、連結EBITDAは400億円を目指します。

③キャッシュフロー配分方針

長期のキャッシュフロー配分方針に基づき、最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率40%以上、連結配当性向20%以上を目処といたします。また、2017年度から2019年度の3年間の投資総額は770億円を予定しております。

 

(3)次期の経営環境及び対処すべき課題

わが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復の継続が期待されるものの、先行きは未だ不透明なまま推移することが予想されます。当社を取り巻く環境は、国内・外の乳資源需給や為替相場が大きく変動する可能性、原材料のコストアップなどにより、厳しい状況にあります。一方個人消費は持ち直しが続くことが期待され、消費者の価値観の多様化にともない、機能や効能などを高めた商品を求める動きも強まっております。

 

(4)年度経営方針

当社は「グループ長期ビジョン2026」、およびその第1ステージの実行計画となる「グループ中期経営計画2019」の達成に向け、2018年度の経営方針を定め、以下の重要な施策に対し積極的な取り組みを進めてまいります。

①高付加価値商品や主力商品の販売を拡大するとともに、成長分野へのマーケティング投資を継続することで、

 グループ収益基盤の強化を図ります。

②乳資源需給やコストアップなどの内外の構造変化に対応する調達・生産体制整備に取り組みます。

③研究開発力を活かして、需要創造型・高付加価値商品を開発し、市場へ投入することで「ものづくり」による

 新たな価値の創造に取り組みます。

④グループ間の協業・連携によるシナジーを追求することで、グループ・バリューチェーンを強化します。

⑤社会とともに持続的に発展していくために、グループ全体でのCSR経営を推進します。

[当社株式等の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について]

  2018年6月27日開催の当社定時株主総会において、「当社株式等の大量買付行為に関する対応方針」(以下「本買収防衛策」といいます。)を継続することが、承認可決されました。

  有効期間は、2021年6月開催予定の第12回定時株主総会終結の時までの3年間となっております。

1.買収防衛策導入の基本方針

  当社取締役会は、金融商品取引所に当社株式を上場している以上、当社株式は自由に売買が行なわれることを前提にすべきであり、当社取締役会の同意がない大量買付行為がなされた場合でも、その是非を最終的に判断するのは株主の皆様であると考えます。したがいまして、株主の皆様が大量買付行為を評価するために、大量買付者から当該大量買付行為に関する十分な情報が提供されること、当社取締役会がこれを評価・検討し当該大量買付行為に関する意見も併せて株主の皆様に情報を提供すること、および必要に応じて当社取締役会が株主の皆様へ代替案を提示するための相当期間が確保されることが重要であると考えております。これらの考えに基づき、当社取締役会は、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただけるようにするため、以下のとおり、大量買付行為に関するルール(以下「大量買付ルール」といいます。)を定めることとしております。当社取締役会は、大量買付者に対して当該大量買付ルールの遵守を求め、このルールに則って十分な情報が提供された場合は、その内容を評価・検討し、当該大量買付行為に関する意見も併せて株主の皆様に適切な時期に開示することといたします。

  一方、大量買付者が大量買付ルールを遵守しない場合や、大量買付ルールを遵守した場合であっても、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するおそれのある大量買付行為の場合は、新株予約権の無償割当て等の対抗措置を発動する可能性があります。ただし、当社取締役の保身を排除するために、大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合に対抗措置を発動することができる要件を限定し、「独立委員会」の勧告を得て、対抗措置を発動するものといたします。

 

2.大量買付ルールの概要

(1)大量買付ルールの基本と大量買付行為の定義

  本買収防衛策の大量買付ルールの基本は、次のとおりです。

①  事前に大量買付者から当社取締役会に対して十分な情報の提供がなされること

②  当社取締役会による当該提供情報に関する一定の評価期間が経過した後に大量買付行為を開始すること

また、「大量買付行為」とは、次の買付行為をいい、いずれについても予め当社取締役会が同意したものを除きます。

①  特定株主グループの株式等保有割合を20%以上とすることを目的とする株式等の買付け

②  特定株主グループの株式等保有割合が20%以上となる株式等の公開買付け

 

(2)大量買付意向表明書の提出

  大量買付者が大量買付行為を行なおうとする場合には、事前に当社取締役会宛に、大量買付ルールに従う旨の「大量買付意向表明書」(以下「意向表明書」といいます。)を提出していただくことといたします。意向表明書には「大量買付者の名称および住所」「設立準拠法」「代表者の氏名」「国内連絡先」「提案する大量買付けの概要」「大量買付者およびその共同保有者が保有する当社株式等の数」「大量買付ルールを遵守する旨の誓約」を記載していただきます。

  当社取締役会は、大量買付者から意向表明書を受領したことについてすみやかに情報開示を行ないます。
 

(3)大量買付情報の提供

  大量買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断および当社取締役会の評価・検討のために十分な情報(以下「大量買付情報」といいます。)を提供していただきます。

  当社取締役会は、意向表明書の受領後5営業日以内に、大量買付者から当初提出していただくべき大量買付情報のリストを、回答期限を定めて交付します。

  なお、当社取締役会は、当初提出していただいた情報をすみやかに独立委員会に提供するものとします。独立委員会は、当該情報の内容を確認し、大量買付情報として不十分であると判断した場合には、その都度回答期限を定めて、十分な大量買付情報がそろうまで追加的に情報の提供を求めるよう、当社取締役会に勧告するものとします。

  独立委員会は、必要な情報がそろったと判断した時点で、大量買付情報の提出が完了した旨を当該大量買付者に書面で通知することおよびその旨の情報開示を行なうよう当社取締役会に勧告するものとします。また、当該大量買付情報が株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示するよう当社取締役会に勧告するものとします。

  当社取締役会は、独立委員会の勧告に沿って、大量買付情報の提出が完了した旨、および当該大量買付情報の全部または一部の情報開示を行ないます。

(4)当社が要請する情報内容

  大量買付者に提供していただく大量買付情報の主な項目は次のとおりです。

①  大量買付者およびそのグループの詳細

共同保有者および特別関係者(ファンドの場合は組合員その他の構成者を含む。)の具体的名称、資本構成または主要出資者、経歴・沿革、事業内容、財務内容、当社事業と同様の企業・事業経験、同種事業の場合のセグメント情報、大量買付経験と対象企業のその後の状況等

②  大量買付行為の目的、方法および内容

目的、買付時期、買付方法、買付対価の価額・種類、関連する取引の仕組み、買付方法の適法性等

③  買付対価の算定根拠

算定の数値、算定の前提となる事実、算定方法、算定担当者または企業、大量買付けにより生じることが予想される影響額およびその算定根拠、そのうち他の株主に対して分配される影響額と算定根拠等

④  買付資金の裏付け

資金調達方法、資金提供者の有無および具体的名称(実質的提供者を含む。)、資金調達に係る取引

⑤  大量買付行為完了後の当社経営方針および事業計画

意図する当社と当社グループの経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、資産活用策、これら事業計画の実現可能性と予想されるリスク

⑥  大量買付行為完了後の取引拡大等により得られる大量買付者と当社の相乗効果

⑦  当社の利害関係者(当社従業員、取引先、顧客、地域社会等)に関する対応方針および影響

⑧  当社の他の株主様との利益相反を回避するための具体的方策

⑨  その他当社取締役会または独立委員会が合理的に必要と判断する情報

 

(5)評価期間

  当社取締役会は、大量買付行為の評価、検討、交渉、意見形成および代替案立案等を行なうための期間(以下「評価期間」といいます。)として、当該大量買付行為の内容に応じて次の①または②による期間を設定します。大量買付行為は、次の評価期間が経過した後にのみ実施されるものとします。

  ①  60日:現金を対価とする公開買付けによる当社全株式等の買付けの場合

  ②  90日:その他の大量買付けの場合

  上記期間には、独立委員会が当該大量買付行為に関する検討に要する期間および当社取締役会に対し対抗措置を発動すべきか否かを勧告するまでに要する期間を含みます。

  ただし、独立委員会は、当社取締役会が、大量買付行為の内容の検討、大量買付者との交渉、代替案の作成等を行なうために必要な範囲内で評価期間を延長することを当社取締役会に勧告できるものとします。当社取締役会が評価期間を延長することを決議した場合には、評価期間を延長する理由、延長期間、その他公表すべき事項について、当該延長の取締役会決議後すみやかに大量買付者への通知および情報開示を行なうものとします。

 

(6)取締役会による意見・代替案の提示

  当社取締役会は、評価期間内において、独立委員会と連携を取りながら、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点で、大量買付者から提供された大量買付情報の評価・検討を行ないます。当社取締役会は、必要に応じて大量買付者と協議・交渉を行ない、大量買付けに関する提案内容の改善を大量買付者に要求し、あるいは株主の皆様に対して代替案を提示することがあります。

2【事業等のリスク】

雪印メグミルクグループ(以下本項において、「当社グループ」といいます。)の財政状態および経営成績等に影響を及ぼすおそれのあるリスクについて主な事項を記載しております。

  本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

  当社グループは、これらのリスク発生等の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。

 

(1) 酪農乳業界について

①当社グループの主要原料である加工原料乳の取引は、「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」および「畜産経営の安定に関する法律」の影響を受けます。従って、同法に基づく交付対象数量、補給金単価等の変更が当社グループの原料調達等に影響を及ぼす可能性があります。

②当社グループが生産する乳製品には、国内農業保護を目的とした関税制度が敷かれております。しかし、WTO(世界貿易機関)農業交渉やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)等の交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合には、当社グループの販売および原材料調達に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 需給変動について

①当社グループは国内で生産される生乳を主要原料としておりますが、国内の生乳需給はこれまでも過剰と逼迫を繰り返しており、過剰の場合には製品在庫過多により販売競争が激化し、逼迫の場合には製造量減少により生産効率が低下することとなります。

②また、乳製品や飼料原料の国際市況は、世界経済の変動による需要の増減、旱魃等の異常気象による飼料作物の不作を原因とする製品供給の減少等の影響を受け、大きく変動することとなります。国際的に需給が逼迫した場合には原材料確保の困難化や原材料価格の高騰として、また需給が緩和した場合には安価な輸入乳製品の流入や飼料価格の下落として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、配合飼料価格上昇時には畜産経営者に配合飼料価格安定制度により価格補てん措置が採られることになっておりますが、メーカー拠出金が増加した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 販売先の寡占化とメーカー同士の競合の激化について

①当社グループの製品は量販店中心に販売されておりますが、量販店を含む流通業界においては再編・淘汰が進み、流通業者の寡占化および大規模化が進展しております。この結果、特定の販売先の仕入れ・販売施策の変更および販売先の業績の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②また、乳業・食品業界においては大手メーカー同士の経営統合や中小メーカーの再編・淘汰が進展し、規模拡大と事業領域の拡大が進んでおります。この結果、当社グループの事業領域への他業界からの新規参入や、メーカー間の商品開発・価格競争の一層の激化等が想定され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 市場規模の縮小等について

現在、当社グループの商品の大部分は日本国内向けに販売しておりますが、日本においては少子高齢化の進展により人口減少傾向にあり、当社グループが対象とする市場が縮小してきております。また、畜産市場においても飼養頭数が変動しており、こうした市場の縮小等が今後も続くと当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 食品の安全性について

①食品業界においては、食品の安全性や品質管理が強く求められております。

当社は品質管理に関して、世界標準の品質管理手法であるISO9001およびHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方を取り入れ、独自の品質保証システム「MSQS(MEGMILK SNOW BRAND Quality Assurance System)」を構築しております。しかしながら、仮に品質問題が生じた場合には自主的あるいは食品衛生法等の法令に基づく商品の回収や工場の操業停止、製造物責任法に基づく責務の負担等により当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。さらにこれらの事態の発生は、当社グループの社会的信用にも悪影響を与える可能性があります。

②また、当社グループ固有の品質問題のみならず、国内外において、メラミンや農薬混入、家畜伝染病等の乳食品に関する品質問題や健康問題などが発生した場合、さらには問題発生の有無にかかわらずこれらに関する風評が拡大した場合には、当社グループの売上に影響を及ぼし、この結果として業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 法規制について

①乳製品、飲料・デザート類は、食品衛生法の他、乳および乳製品の成分規格等に関する省令により成分規格や製造方法、表示方法等について規制を受けております。飼料・種苗は飼料安全法、種苗法、農薬取締法、家畜伝染病予防法等の法規制を受けております。これらの法令は食品等の安全性確保のために設けられており、当社グループでは法令を遵守し、製造工程管理や品質管理、適正表示等に努めております。しかしながら、製造工程等においてトラブル等が発生し、結果として規制に抵触することとなった場合には、製品の廃棄・回収コストの発生や社会的な信用力の低下により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

②また、法令の改正がなされた場合には、これまでの成分規格や製造方法等が認められなくなったり、新しい成分規格や製造方法等に対応するためのコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 大規模な地震・火災等の発生および伝染病について

①当社グループの生産事業拠点が大規模な地震や火災の発生等により長期間操業停止した場合、または生産拠点の従業員が新型インフルエンザウイルス等の伝染病に感染するなどして製品供給が長期間停止した場合には、当社グループの生産体制に影響を与え、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

②また、乳製品、飲料・デザート類の原料となる生乳は酪農生産者から工場に受け入れる段階で検査および殺菌等の処理を実施しておりますが、工場で生乳を受け入れた後に生乳を搾った牛が法令に定められた家畜伝染病に感染していたことが判明した場合には、法令等の定めに従い当該生乳または当該生乳を原材料とする製品の廃棄を行ないます。家畜伝染病に感染していた牛からの生乳は他の健康な牛から搾られた生乳と混合して加工されていることから、廃棄される原材料または製品の量が多くなる場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

③家畜伝染病が発生した場合、国内の乳製品、飲料・デザート類の消費の減少や、飼育頭数の減少に伴う飼料需要の減退等により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 為替レートの変動について

当社グループは、一部の原材料および商品を海外から調達していることから、為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円安は当社グループに悪影響を及ぼし、円高は当社グループに好影響をもたらします。

 

(9) 個人情報保護について

当社グループでは、グループ各社が保有する個人情報の保護・管理について、「個人情報保護方針」および関連諸規定を定めるとともに、従業員教育などを通じ、厳正な管理に努めております。しかしながら、予期せぬ事態により情報の流出などが発生した場合には、社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報システムについて

当社グループでは、原材料の発注、製品の製造、商品の受注、経理処理等、事業全般にわたり情報システムを活用しております。当社グループにおいては、情報システムを適切に運営するため、規定類の整備や社員教育、セキュリティ対策等を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等予想の範囲を超えた出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、事業の停滞や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 知的財産について

当社グループは、研究開発を始めその事業活動において、当社グループが所有している、または第三者により適法に使用許諾を受けている種々の知的財産を活用しております。当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、事業活動を行なっておりますが、知的財産権に関する訴訟等が提訴された場合、その結果によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 天候について

飲料・デザート類は、天候の影響を受ける可能性があります。特に、天候不順や、夏場の気温が低く推移した場合には、売上高が減少し、飲料・デザート類の業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当期のわが国経済は、景気は緩やかに回復しており、今後もその継続が期待される一方で、海外経済の不確実性や、金融資本市場を中心とした不安定な状況に対する懸念があります。

個人消費は雇用・所得環境が改善する中で持ち直しており、食品業界においては、節約の動きが継続してみられる一方で、機能を訴求した商品を求める動きも強まるなど、消費者の価値観が多様化する中で様々な需要が生まれております。

このような経営環境下、当社グループは、「グループ中期経営計画2019」に基づき、収益基盤の複数化およびキャッシュ・フローの最大化に取り組み、機能性ヨーグルトなどの高付加価値商品およびチーズなどの主力商品の販売拡大にともなうプロダクトミックスの改善、ならびにニュートリション事業分野における新市場への展開拡大などによる、将来の成長に向けた収益基盤の強化等に努めました。

以上の結果、当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高596,158百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益19,363百万円(前年同期比3.3%増)、経常利益20,996百万円(前年同期比3.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13,386百万円(前年同期比3.1%増)となりました。また、2018年3月末では、子会社33社および関連会社15社となっております。

なお、当連結会計年度より、SBSフレック株式会社は重要性が増したため、持分法適用関連会社としております。

セグメントごとの当連結会計年度の経営成績は次のとおりです。なお、セグメントごとの売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。

 

乳製品

当セグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂、ニュートリション事業(機能性食品、粉ミルク等)等の製造・販売が含まれております。

売上高は239,746百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は12,132百万円(前年同期比3.6%増)となりました。

 

飲料・デザート類

当セグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。

売上高は275,499百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は4,761百万円(前年同期比3.0%増)となりました。

 

飼料・種苗

当セグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売が含まれております。

売上高は44,718百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は1,350百万円(前年同期比7.6%増)となりました。

 

その他

当セグメントには、不動産賃貸、共同配送センター事業等が含まれております。

売上高は36,194百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は1,139百万円(前年同期比3.4%増)となりました。

  (資産の部)

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して11,397百万円の増加となりました。

これは主に、たな卸資産や投資有価証券、受取手形及び売掛金が増加したことなどによります。

 

  (負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して455百万円の減少となりました。

これは主に、支払手形及び買掛金や未払金が増加した一方で、借入金や未払法人税等が減少したことなどによります。

 

  (純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末と比較して11,852百万円の増加となりました。

これは主に、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことなどによります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、14,076百万円となりました。

当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

           (単位:百万円)

  区分

前連結会計年度

(2016.4.1~2017.3.31)

当連結会計年度

(2017.4.1~2018.3.31)

増減

  営業活動によるキャッシュ・フロー

29,934

22,817

△7,117

  投資活動によるキャッシュ・フロー

△14,408

△11,799

2,608

  財務活動によるキャッシュ・フロー

△14,376

△12,904

1,472

  現金及び現金同等物に係る換算差額

△6

21

28

  現金及び現金同等物の増加額(△は減少額)

1,143

△1,864

△3,008

  現金及び現金同等物の期首残高

14,797

15,940

1,143

  現金及び現金同等物の期末残高

15,940

14,076

△1,864

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、22,817百万円の収入(前連結会計年度は29,934百万円の収入)となりました。

前連結会計年度との比較では、主に法人税等の支払額が減少した一方で、たな卸資産の増減額が増加したことなどにより、7,117百万円の収入減となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、11,799百万円の支出(前連結会計年度は14,408百万円の支出)となりました。

前連結会計年度との比較では、主に有形及び無形固定資産の取得による支出が減少した一方で、有形及び無形固定資産の売却による収入が減少したことなどにより、2,608百万円の支出減となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、12,904百万円の支出(前連結会計年度は14,376百万円の支出)となりました。

  前連結会計年度との比較では、主に長期借入金の返済による支出が減少した一方で、短期借入金の純増減額や長期借入による収入が減少、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出や配当金の支払額が増加したことなどにより、1,472百万円の支出減となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

 ア.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2017年4月1日

    至  2018年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

乳製品                (百万円)

167,127

101.9

飲料・デザート類      (百万円)

205,958

98.7

飼料・種苗            (百万円)

30,249

105.4

              合計      (百万円)

403,334

100.5

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 イ.受注実績

当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。

 

 ウ.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2017年4月1日

    至  2018年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

乳製品                (百万円)

239,746

103.2

飲料・デザート類      (百万円)

275,499

99.3

飼料・種苗            (百万円)

44,718

104.0

    報告セグメント計  (百万円)

559,964

101.3

その他                (百万円)

36,194

103.2

            合計      (百万円)

596,158

101.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2016年4月1日

    至  2017年3月31日)

当連結会計年度

(自  2017年4月1日

    至  2018年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱日本アクセス

132,556

22.6

134,629

22.6

㈱セブン-イレブン・ジャパン

119,645

20.4

123,116

20.7

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

 ①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。

特に、以下の重要な会計方針については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用する重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えます。

ア.貸倒引当金

売上債権等の損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

イ.繰延税金資産

繰延税金資産については、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングをもとに、回収可能性があると判断される金額を計上しております。繰延税金資産の評価は、将来の課税所得の見積りと、税務上の実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。

ウ.退職給付費用および債務

従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。

エ.有価証券の減損処理

売買目的有価証券以外の有価証券のうち、市場価格または合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当期の損失として処理しております。また、時価のない株式につきましても、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行ない、評価差額は当期の損失として処理しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、新たに減損処理が必要となる可能性があります。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは「グループ中期経営計画2019」に基づき、収益基盤の複数化およびキャッシュ・フローの最大化に取り組み、機能性ヨーグルトなどの高付加価値商品およびチーズなどの主力商品の販売拡大にともなうプロダクトミックスの改善、ならびにニュートリション事業分野における新市場への展開拡大などによる、将来の成長に向けた収益基盤の強化等に努めました。

以上の結果、当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高は前年同期比1.4%増、営業利益は前年同期比3.3%増、経常利益は前年同期比3.6%増、親会社に帰属する当期純利益は前年同期比3.1%増となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

乳製品

売上高は、油脂は市場の低迷が続き減少しました。バターは安定供給に引続き取り組みました。チーズは市場が伸長する中で、プロモーション活動の効果により6Pチーズやさけるチーズを中心に好調に推移したこと、機能性食品は特定保健用食品の毎日骨ケアMBPがマーケティング投資により伸長したことなどから、当セグメント全体では前年同期比3.2%の増収となりました。

営業利益は、宣伝促進費や原材料コストは増加しましたが、チーズの販売が拡大したことなどから前年同期比3.6%の増益となりました。

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して6,716百万円の増加となりました。

これは主に、たな卸資産が増加したことや、アダーデライツオーストラリア社の株式取得により投資有価証券が増加した一方で、減価償却が進んだことにより建物及び構築物や機械装置などが減少したことなどによります。

 

飲料・デザート類

売上高は、ヨーグルトは当社保有の乳酸菌「ガセリ菌SP株」の機能訴求に継続して取り組んだことから堅調に推移した一方で、飲料は市場低迷の影響により減少したことなどから、当セグメント全体では前年同期比0.7%の微減収となりました。

営業利益は、ロジスティクス費用は増加しましたが、機能性ヨーグルトの販売が拡大したことなどから前年同期比3.0%の増益となりました。

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して5,025百万円の増加となりました。

これは主に、受取手形及び売掛金が増加したことや、機能性ヨーグルトなどの生産体制を強化するために、京都工場でガセリ菌SP株ヨーグルトドリンクタイプの生産ラインを新設したことなどから、建物及び構築物や機械装置が増加した一方で、たな卸資産が減少したことなどによります。

 

飼料・種苗

当期は、牧草・飼料作物種子の販売増加および、配合飼料の販売価格の上昇等の影響により、売上高は前年同期比4.0%の増収、営業利益は前年同期比7.6%の増益となりました。

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して1,871百万円の増加となりました。

これは主に、受取手形及び売掛金やたな卸資産が増加したことや、雪印種苗㈱にて新研究棟が完成したことなどから、建物及び構築物や機械装置が増加した一方で、建設仮勘定が減少したことなどによります。

 

その他

当セグメントには、不動産賃貸、共同配送センター事業等が含まれております。

当期は、売上高は前年同期比3.2%の増収、営業利益は前年同期比3.4%の増益となりました。

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して1,267百万円の増加となりました。

これは主に、受取手形及び売掛金が増加したことや、持分法による投資利益の増加などにより投資有価証券が増加したことなどによります。

 

目標とする経営指標の達成状況等

当社グループは2017年5月に、2020年3月期を最終年度とする「グループ中期経営計画2019」を策定いたしました。

目標とする経営指標及び進捗状況は次のとおりです。

「グループ中期経営計画2019」の初年度となる当連結会計年度における連結売上高は、前年同期比1.4%増の596,158百万円となりました。2019年3月期(予想)は前年同期比1.5%増の605,000百万円を予想しております。2020年3月期(目標)は630,000百万円を目標としております。

 

当連結会計年度における連結営業利益は、前年同期比3.3%増の19,363百万円となりました。2019年3月期(予想)は前年同期比1.9%減の19,000百万円を予想しております。2020年3月期(目標)は22,000百万円を目標としております。

 

当連結会計年度における連結EBITDAは、前年同期比1.8%増の34,520百万円となりました。2020年3月期(目標)は40,000百万円を目標としております。

「グループ中期経営計画2019」における目標経営指標の達成に向けて、チーズなどの主力商品や機能性ヨーグルトの販売拡大、プロダクトミックスの改善等に取り組むことで、収益基盤の複数化、キャッシュ・フローの最大化を図ります。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について

「2  事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。

決算年月

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

自己資本比率(%)

37.8

41.9

43.9

時価ベースの自己資本比率(%)

55.8

60.9

55.3

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率(年)

3.6

2.8

3.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

28.7

42.8

42.2

※自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。

  資金需要

当社グループの主な資金需要は、「グループ中期経営計画2019」の達成に向け、基本戦略で掲げた「事業ポートフォリオ変革」「事業ポートフォリオ変革を支える機能戦略」に必要な投資および、長期借入金の約定返済等であります。

なお、2019年3月期のキャッシュ・フローに関して、重要な資本的支出の予定はありません。

 

  資金調達

当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については金融機関より資金調達しております。なお、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、グループファイナンス制度を導入しております。

さらに、資金調達リスクの回避を図るため、2018年3月期より金融機関とコミットメントライン契約を締結し、資金調達枠を確保しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている研究開発課題や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。

原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内生乳生産量の減少による乳原料不足など、いまだ厳しい外部環境の中、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は4,330百万円です。

各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。

〔乳製品〕

 当連結会計年度の研究開発費の総額は1,757百万円です。

①  当社

油脂カテゴリーにおいては、加工油脂食品類のおいしさや使いやすさなどの特性の向上に取り組むとともに、トランス脂肪酸低減に取り組んでおります。家庭用マーガリン類の全商品について配合を見直し、トランス脂肪酸を多く含む部分水素添加油脂を使用しない配合を実現した商品を発売しました。また若年層のマーガリン需要獲得を図るため、甘味系スプレッドの開発を行い、幅広い世代のお客様の認知率、食経験、好感度が高い株式会社不二家の「ミルキー」の味が楽しめる商品として「ミルキーソフト」を発売致しました。

チーズカテゴリーにおいては、カテゴリーの更なる活性化に向けた商品力、ラインナップの強化に取り組んでおります。プロセスチーズでは最大ボリュームのスライスチーズにおいて、外食メニューで人気の高まっているチェダーチーズを100%使用した「チェダースライス」を発売致しました。また、世界のチーズデザートをヒントにした商品開発を行っている「Cheese sweets Journey」については、北欧をテーマに「3種のベリーとヨーグルト風味のチーズスイーツ」を発売致しました。伸長著しいベビーチーズカテゴリーにおいては「スパイシーサラミベビーチーズ」を発売し、高まる家飲み需要に対応しました。長年お客様にご愛顧頂いている「6Pチーズ」については外装カートンの開封シールをつまみやすく開けやすいシールに変更致しました。

食品カテゴリーでは、「かんたんマッシュポテト」を食事の支度を短時間に対応できる商品として発売致しました。

今後も様々な食シーンの提案と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。

 

乳製品における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究を行い、おいしさを構成する技術と、当社独自の乳製品の健康機能の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。

主な研究成果は以下の通りです。

・部分水素添加油脂を使用しない配合の家庭用マーガリン類の開発においては、当社独自の乳化技術や結晶化制御技術を活用することにより、「風味のよさ」や「ぬりやすさ」を両立した商品にすることができました。また、当社独自の油脂加工技術や油脂配合技術により、飽和脂肪酸の低含有量化を実現し、引き続き「コレステロール0(ゼロ)」の訴求が可能な商品を実現しました。

・マーガリン類を想定したモデル乳化物において、添加する乳化剤が結晶形成に与える影響について研究した結果、水滴界面上の飽和モノグリセリドが鋳型となって結晶核形成を促進し、結晶を微細化させる作用があることがわかりました。

・チーズの風味は、チーズ中の脂肪やタンパク質の分解の程度によって変わります。チーズの風味を強化する研究において、食用真菌類の培養物をチーズ添加して熟成させることで、過度な遊離脂肪酸の生成が抑えられ、タンパク質の分解率が増したチーズになることがわかりました。

・マウスを対象とした動物実験において、バターミルクからリン脂質を濃縮して調製した乳由来リン脂質高含有素材を配合した飼料を摂取させたところ、小胞体ストレスによる肝臓の脂肪蓄積を低減させる効果があることを見出しました。

これらの研究成果は家庭用のマーガリン類・ショートニングの商品の価値向上に活用するとともに、アジアオレオサイエンス会議・日本油化学会年会、日本栄養・食糧学会大会、日本食品科学工学会などの各学会で発表いたしました。

②  雪印ビーンスターク㈱

「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母親商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでいます。

商品開発では、当社の基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売しています。「すこやかM1」は、永年の母乳調査研究、とくに免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。

今年度は、大人のための“美味しい粉ミルク型サプリメント”「プラチナミルク」をピップ株式会社との共同取組により発売しました。「プラチナミルク」は、当社が半世紀以上にわたる母乳研究および乳幼児用粉ミルクの研究で培った研究開発力で応える新カテゴリー商品です。本品については、世間の関心も高く、発売後、数々のメディアでご紹介いただきました。

赤ちゃん向け商品としては、「ビーンスターク 赤ちゃんのプロバイオ ビフィズスM1」を発売しました。母乳栄養児の腸内にはビフィズス菌が多く存在します。本品は、生後0か月以降の“赤ちゃんのすこやかな毎日”を応援する生きたビフィズス菌が効果的に摂取できるオイル(植物油)ドロップス型の商品です。世界各国で発売されているビフィズス菌のオイルドロップス型サプリメントを当社が日本で初めて発売しました。

また現在、雪印メグミルク㈱との共同研究として、約30年ぶりとなる全国的な母乳調査研究を実施しています。今年度、これらの研究の一環として、大阪樟蔭女子大学との共同研究により、最近の日本人の母乳中ビタミンD濃度を明らかにしました。2016年に収集した母乳では、夏に母乳中のビタミンD濃度が高いこと、また、外出時間と母乳中ビタミンD濃度に有意な正の相関が認められ、母乳中ビタミンD濃度は季節や外出時間の影響を強く受けることがわかりました。また、2016年に収集した母乳では、1989年に収集した母乳に比べて母乳中ビタミンD濃度が低いことが認められ、経年的なビタミンD栄養状態の低下が母乳中ビタミンD濃度低下に寄与した可能性が考えられました。これらの研究成果を、「第71回日本栄養・食糧学会」他において、学術発表しました。

 

〔飲料・デザート類〕

 当連結会計年度の研究開発費の総額は1,611百万円です。

・  当社

牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、「“リラックスした集中”を持続させ、仕事をはかどらせてくれる“デスクトップラテ”」というコンセプトの「BOTTLATTE」シリーズで、新たに「カフェラテ砂糖不使用」「コーヒーリッチ」の2品を発売しました。既存の2品(「カフェラテ」、「クリーミーカフェラテ」)と合わせ、パッケージをスタイリッシュなデザインにリニューアルし、賞味期間を18日間に延長しました。

カップ飲料商品では、“ミルクの濃厚さ” にこだわって開発した「濃厚ミルク仕立て クリーミーミルク」、「濃厚ミルク仕立て カフェラテ」、「濃厚ミルク仕立て 抹茶ラテ」をリニューアルし、さらにミルク感が引き立つ味わいにしました。

果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、市場規模が拡大しているスムージーにおいて、既存品2品(「Dole® GREEN SMOOTHIE」「Dole® BERRY SMOOTHIE」)のリニューアル、ならびに新商品2品(「Dole® CITRUS SMOOTHIE」「Dole® PINK SMOOTHIE」)を発売いたしました。

ヨーグルトカテゴリーでは、「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」を、ヨーグルトで初めてとなる「内臓脂肪を減らすのを助ける」特定保健用食品(トクホ)として、2018年3月20日より、全国発売いたしました。

さらに、機能性表示食品の「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト ドリンクタイプ」に、新商品(ベリーミックス)を3月20日より追加し、「ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズのラインナップを強化してターゲット層の拡大とシリーズの活性化を図ってまいります。

デザートカテゴリーでは、2015年秋に発売してからご好評をいただいている「たべる雪印コーヒー」をリニューアルいたしました。「雪印コーヒー」の味により近づけるよう風味を改良し、“雪印コーヒーを食べて楽しむ” という魅力をより高めました。

 

飲料・デザート類における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。

主な研究は以下の通りです。

・当社独自のプロバイオティクス菌である「ガセリ菌SP株」のRSウイルス(Respiratory Syncytial ウイルス)増殖抑制効果について、マウスを対象とした動物実験により、経口投与された「ガセリ菌SP株」が消化器官から肺に作用するメカニズムに関する新たな知見を得ることができました。

・当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)の摂取がインフルエンザ感染後のウイルスの増殖を抑制する効果について、マウスの細胞を使った実験により、メカニズムに関する新たな知見を得ました。

・マウスを対象とした動物実験において、当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)を投与することにより、自己免疫性脳脊髄炎の発症や悪化が抑制される可能性があることを見出しました。

・マウスを対象とした動物実験において、当社独自の乳酸菌であるサーモフィルス菌(SBT1277株)の脱脂乳培養物を摂取することにより、肝臓の脂質蓄積が抑制され、脂質代謝が改善される効果があることを見出しました。

これらの研究成果は、日本食品免疫学会、日本食品科学工学会などの各学会での発表の他、論文としてFrontiers in Microbiologyに掲載いたしました。

 

 

〔飼料・種苗〕

 当連結会計年度の研究開発費の総額は961百万円です。

・  雪印種苗㈱

飼料分野では、代用乳の機能性向上と原価低減を目的に7銘柄をリニューアルしました。改善ポイントはタンパク源の変更、新規アミノ酸の添加です。自給飼料有効活用関係では、高消化性のオーチャードグラス「えさじまん」の乾物消失率、乳生産について優位性が確認されました。乳酸菌関係は、予乾ロールサイレージ向けとして、「サイマスター3」を発売しました。

牧草・飼料作物分野ではアルファルファ「ケレス2」とチモシー「キウス」は出願公表されOECD登録も完了しました。根釧地域において利用可能なフェストロリウム「ノースフェスト」の品種登録を申請しました。2015年に優良品種に認定されたシロクローバ「アバパール」と2013年に同じく優良品種に認定されたメドウフェスク「コスモポリタン」を2018年から発売しました。

畑作・園芸種苗分野では大根夏系新発売品種「夏巡り」は北海道において順調に拡売されています。枝豆は「神風香」の試作結果が良好なため2018年から本格販売を開始しました。スイートコーン「ミエルコーン84」の試作結果が良好なため本格販売を開始しました。花卉はポットカーネーションの自社育成9品種を品種登録申請し受理されました。シクラメン培養塊茎1品種を品種採択し、2018年から発売しました。

植物機能性研究分野(微量分析技術・生理活性物質・緑肥)では高速液体クロマトグラフ質量分析計の活用が順調に進んでおり、今後新規の物質分析を進めます。緑肥関係ではイネ科とマメ科の新規のカバークロップについて試験を進め、発売に向けてステップアップを図ります。

環境緑化分野の芝生関係ではケンタッキーブルーグラス「レジェンド」を「エクスカージョン」の後継品種として品種採択し、また新規の植生用品種としてメドウフェスク「レバンシュ」を品種採択し発売しました。

 

当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。