文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)雪印メグミルクグループ 企業理念
雪印メグミルクグループの企業理念は、私たちの使命と、コーポレートスローガンで構成します。
私たちの使命
私たち雪印メグミルクグループは、3つの使命(「消費者重視経営の実践」「酪農生産への貢献」「乳(ミルク)にこだわる」)を果たし、ミルクの新しい価値を創造することにより、社会に貢献する企業であり続けます。
消費者重視経営の実践
雪印メグミルクグループは、消費者基本法に定められた「消費者の権利」と「事業者の責務」をしっかりと認識し、
● 安全で安心していただける商品・サービスを提供すること
● 可能な限りの情報提供、情報開示を行うこと
● 消費者の声を傾聴し、経営に反映していくこと
● 危機管理の体制を整え、不測の事態に迅速かつ適切に対応していくこと
を基本姿勢として、消費者重視経営を実践していきます。
酪農生産への貢献
私たち雪印メグミルクグループは、日本の酪農を基盤として成り立っています。
私たちは、酪農生産者の良きパートナーとして信頼関係を深め、乳の価値をしっかりと伝えていくことで、生産者の想いに応えていきます。
そして、牛乳・乳製品の需要拡大を実現することで、国内酪農生産の基盤の強化と持続的発展に貢献していきます。
乳(ミルク)にこだわる
私たち雪印メグミルクグループは、ミルクの持つ無限の可能性を信じ、ミルクに向き合い、ミルクにこだわり続けることで、ミルクの持つ可能性を「深め」、ミルクの価値を「高め」、世界に「拡げていく」ことを実現していきます。
コーポレートスローガン
「未来は、ミルクの中にある。」
(2)グループ長期ビジョン 2026
当社は2017年5月に、2026年に目指す姿として「グループ長期ビジョン 2026」を策定いたしました。
①目指す姿
雪印メグミルクグループが2026年に目指す姿を「ミルク未来創造企業」と名づけ、「グループ企業理念」の実現に向けた具体的な姿として、次の3つの未来を描きました。
ア.消費者
「乳(ミルク)で食の未来を創造します。」
雪印メグミルクグループの強みを作り、活かし、価値を創造・提供します。更に、乳(ミルク)の持つ無限の可能性を引き出し、ものづくりを通じて、世界の人々に食の喜びを提供し続けます。
イ.酪農生産者
「酪農生産者の未来に貢献します。」
酪農生産者とともにミルクの価値を高めることで、持続的な成長を実現します。更に、良きパートナーとして、酪農・乳業の持続可能な成長へ貢献を続けます。
ウ.私たち
「私たち社員の未来を拓きます。」
人が企業を育て、企業も人を育てることを踏まえ、多様な人材が希望と誇りを持って、それぞれの個性と能力を最大限に発揮しながら、成長し続ける企業グループを目指します。
〈3つの未来〉
②コンセプト
Transformation & Renewal「変革」、そして更なる「進化」へ
ア.事業ポートフォリオの変革 = Transformation
イ.事業成長を支える生産体制の進化 = Renewal
ウ.グループ経営の推進 = Group Management
これらのコンセプトを実行していくために、グループの事業領域を、「乳製品」「市乳」「ニュートリション」「飼料・種苗」の4つの事業分野に編成し、グループ企業との連携により、グループ・バリューチェーンを強化します。
③ステージ毎の位置づけと役割
グループ長期ビジョン 2026の取組み期間である2017年度から2026年度を3つのステージに分けて推進します。
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第1ステージ (2017年度~2019年度) |
第2ステージ (2020年度~2022年度) |
第3ステージ (2023年度~2026年度) |
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位 置 づ け |
Transformation (変革)の始動 |
Transformation (変革)の加速 |
Renewal(進化)へ
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グループ経営の 始動・推進 |
グループ経営の 展開強化 |
グループ経営の 加速・進化 |
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役 割 |
・収益基盤の複数化および キャッシュ・フロー最大化 ・生産体制進化への着手 |
・グループ収益基盤の確立 ・生産体制進化の本格始動 |
・4つの事業分野における 収益の安定的創出 ・生産体制進化の加速 |
④目標とする経営指標
最終年度の連結売上高は7,000億円~8,000億円、連結営業利益は300億円~400億円を目指します。
⑤キャッシュ・フロー配分方針
長期のキャッシュ・フロー配分方針は、「財務の健全性」、「資本効率」、および「株主還元」の3つを重視し、最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向30%以上を目処といたします。なお、「グループ長期ビジョン 2026」における10年間の投資総額は3,000億円~4,000億円を予定しておりましたが、これまでの投資実績、現在の経営環境等を踏まえ2,800億円に見直しております。
(3)雪印メグミルクバリュー
「グループ長期ビジョン 2026」を達成するため、雪印メグミルクグループの役職員一人ひとりが大切に考える
共通の姿勢・価値観として、次のとおり定めました。
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主体性 |
自分から動き出そう。 私が実現したい未来のために。 |
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チャレンジ |
チャレンジを楽しもう。 なりたい私の未来のために。 |
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チームワーク |
チカラを重ねよう。 私たちみんなの未来のために。 |
(4)グループ中期経営計画 2022
①「グループ中期経営計画 2019」の振り返り
長期ビジョンにおける第1ステージ「グループ中期経営計画 2019」では、目標として掲げていた、連結売上高 6,300億円、連結EBITDA 400億円、連結営業利益 220億円を達成することはできませんでした。
これは主に、コストアップ対応の不足、マーケティング投資効率の悪化、および市乳事業の業績停滞によるものと認識しております。
コストアップ対応においては、2017年度からの3年間で、乳価を含めた原材料費で約44億円、物流費で約36億円、エネルギー費用で約14億円のコストアップがありましたが、十分な対応を取ることができませんでした。今後も継続的なコストアップが想定される中で、生産・物流体制の最適化などの取り組みによるコストアップへの対応がこれまで以上に重要です。
マーケティング投資効率の悪化については、人口減少や高齢化の進展、世帯構成やライフスタイルが変化する中で、多様化した広告手法への対応が遅れたことが一因です。今後は、利用者が急拡大するSNSの活用など、新たなマーケティング手法を積極的に活用し、効果を検証することでマーケティング投資効率を高めていきます。
市乳事業の業績停滞については、2014年度には市乳事業分野全体の営業利益は赤字でしたが、事業構造改革を進め、2019年度には52億円の営業黒字となりました。しかしながら、市乳事業分野の中核である牛乳類事業の赤字からは脱却できておりません。今後の更なる事業利益創出に向けて、牛乳類事業の事業構造改革が不可欠です。
②環境認識
国内の生乳生産量は、これまでの減少あるいは横ばいの推移から、2019年度は増加に転じており、今後も増産となることを見込んでおります。また、家計消費支出の推移においては、乳製品の支出は、健康志向の高まりなどから堅調に推移しています。この中でチーズは成長を続け、ヨーグルト需要は高止まりが続いています。
世界の乳製品消費量を見ますと、乳製品は伸長トレンドにあり、特に当社グループが事業展開をしているアジア・オセアニアにおいては、その傾向が顕著となっております。
これらにより「乳製品」は国内外共に、今後も成長が見込まれるポテンシャルの高い市場と認識しております。
また、TPP11、日欧EPA、日米貿易協定の相次ぐ発効などにより、乳の国際化が進展しております。今後は、乳原料などの輸入、国内乳製品の海外輸出や、海外起点の事業展開などにより、乳製品取引の更なる国際化の進展が想定されます。これは当社グループが積極的な事業展開を進めて行くうえで、大きなチャンスととらえております。
③位置づけ
「グループ中期経営計画 2022」は、「グループ長期ビジョン 2026」の取組み期間(2017年度~2026年度)における第2ステージの実行計画にあたります。変革(Transformation)を加速し、収益基盤を確立し、生産体制進化(Renewal)を始動していくステージとしております。
④取組みの柱
「4つの事業分野における収益基盤の確立」に向けて、「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」を進め、「Transformation(変革)の加速」を実現するために「生産体制進化の本格始動」を戦略の柱とします。
⑤事業分野別の戦略
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乳製品事業分野 |
ア.家庭用バターの生産・販売拡大 イ.チーズ事業の戦略的拡大 |
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市乳事業分野 |
ア.ヨーグルト・デザート事業の戦略的拡大 イ.牛乳類事業の構造改革※ |
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ニュートリション事業分野 |
ア.粉乳事業(国内・海外)の競争力強化 イ.機能性食品事業の利益創出 |
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飼料・種苗事業分野 |
ア.飼料事業の効率化・高品質化 イ.種苗事業の戦略的拡大 |
※2026年度末までに牛乳類事業の営業利益黒字化を達成します。
⑥基盤となる機能戦略
ア.事業戦略に基づくTransformation(変革)とRenewal「生産体制の進化」の実現
イ.「ものづくり」の強化と新たな価値創造
ウ.グループ経営の推進によるグループ総合力の強化
エ.グループの持続的発展に向けた取組み
(5)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
①中期目標経営指標
最終年度の連結売上高は6,400億円、連結営業利益は220億円、連結EBITDAは410億円を目指します。
②財務指標の目処
最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向20%~30%、連結有利子負債残高780億円を目処といたします。また、3年間の投資総額は860億円を予定しております。
(6)次期の経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、各国中央銀行や政府が打ち出す金融政策や経済対策による景気への一定の下支え効果は期待されるものの、新型コロナウイルス感染症の影響や収束の時期などを見通すことは非常に難しく、わが国経済は、厳しい状況が続くことが見込まれます。また金融政策や経済対策の効果が限定的なものにとどまる、或いは感染症の更なる拡大、影響の長期化等が生じた場合には、内外経済はさらなる下振れに直面するリスクも想定されます。
食品業界においては、飲食店の来店客数の減少や営業時間の短縮による売上の落ち込みなどに伴い業務用食材の需要が低迷するリスクがある一方で、家庭での調理、喫食機会の増加、或いは総菜などを持ち帰る中食機会の増加に伴う需要の高まりも予想されます。
個人消費は、外出自粛などの影響により落ち込む中でも、価値観や嗜好の多様化に対応し、機能を明確に訴求する商品や生活シーンを提案する商品を求める動きが強まっております。
当社グループを取り巻く環境は、感染症の拡大により消費低迷が長期化するリスク、原材料コストや人手不足を背景とした労務費、物流等の様々なコスト増加といった厳しい状況にあります。一方で、家庭での調理、喫食機会の増加、総菜などを持ち帰る中食機会の増加など、需要の高まりに対し、食シーンの提案などの情報発信や新たな商品の提供などの適切な対応が求められます。
このような状況において、当社は新たに策定した「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「生産性改革の推進」、「事業構造改革の断行」、および「Transformation(変革)の加速」を実現するための「生産体制進化の本格始動」の3つを戦略の柱と位置づけ、最終年度の2022年度に「4つの事業分野における収益基盤の確立」を実現するべく取り組んでまいります。
当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、以下の重要な施策に対し積極的な取り組みを進めてまいります。
①生産性改革の推進
ア.事業の戦略的拡大と「ものづくり」の強化
・チーズ事業の戦略的拡大
・機能性ヨーグルトを軸とした発酵乳事業の戦略的拡大
・機能性食品事業の拡大
・種苗事業の戦略的拡大
・「ものづくり」の強化と新たな価値創造
イ.乳資源の効率的な調達、および効果的な活用
ウ.グループ全体における生産性改革の取組み強化
②事業構造改革の断行
・牛乳類事業の2026年度までの黒字化に向けた市乳事業構造改革
・業務製品事業のプロダクトミックスの改善
・海外現地法人の構造改革
③生産体制進化の本格始動
事業ポートフォリオの変革(Transformation)と生産体制進化(Renewal)の実現
・乳製品、市乳工場の生産体制整備
・グループ会社への展開
④グループ経営の展開強化とグループの持続的発展に向けた取組み
ア.グループガバナンス体制およびグループコーポレート機能の強化
イ.グループ・バリューチェーンの強化および協業によるシナジー発揮
ウ.CSR重要課題(マテリアリティ)のKPI達成とSDGsへの貢献
また、事業分野ごとの主な取り組み次のとおりです。
〈乳製品事業分野〉
・さけるチーズの更なる市場拡大や、伸長が期待される家飲み需要に対応したおつまみ向け新商品の発売などによるチーズ事業の戦略的拡大
・新しい食べ方の提案などのプロモーション活動を通じた店頭展開の強化、および市場の活性化
・付加価値商品の開発に向けたマーケティングおよび研究開発力の強化
〈市乳事業分野〉
・「恵 megumi」シリーズのリニューアルやマーケティング投資の継続による機能訴求の強化、乳酸菌ヘルベヨーグルトのラインナップ追加などによる、機能性ヨーグルトの戦略的拡大
・おいしさの実現とともに、口栓付き容器の商品発売等の新たな価値の提供による牛乳類事業の収益性向上
〈ニュートリション事業分野〉
・毎日骨ケアMBP®を中心とした通販事業の効率化と事業規模の拡大
・新市場、新領域への商品投入による展開拡大
〈飼料・種苗事業分野〉
・飼料事業の効率化・高品質化による収益力の強化
・種苗事業の戦略的拡大と収益基盤の整備
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当社グループは、以下のような経営および事業リスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
(1)酪農乳業界について
① 当社グループの主要原料である加工原料乳の取引は、「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」および「畜産経営の安定に関する法律」の影響を受けます。従って、同法に基づく交付対象数量、補給金単価等の変更が当社グループの原料調達等に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループが生産する乳製品には、国内農業保護を目的とした関税制度が敷かれております。しかし、WTO(世界貿易機関)農業交渉やFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)等の交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合には、当社グループの販売および原材料調達に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこれまで同様、国内酪農に軸足を置きつつ、乳の国際化を視野に入れ、関税水準の引き下げに伴う乳製品輸入で得られるメリットの最大限の活用を検討してまいります。
(2)需給変動について
① 当社グループは国内で生産される生乳を主要原料としておりますが、国内の生乳需給はこれまでも過剰と逼迫を繰り返しており、過剰の場合には製品在庫過多により販売競争が激化し、逼迫の場合には製造量減少により生産効率が低下することとなります。
② 乳製品や飼料原料の国際市況は、世界経済の変動による需要の増減、旱魃等の異常気象による飼料作物の不作を原因とする製品供給の減少等の影響を受け、大きく変動することとなります。国際的に需給が逼迫した場合には原材料確保の困難化や原材料価格の高騰として、また需給が緩和した場合には安価な輸入乳製品の流入や飼料価格の下落として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、配合飼料価格上昇時には畜産経営者に配合飼料価格安定制度により価格補てん措置が採られることになっておりますが、メーカー拠出金が増加した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、牛乳・乳製品の需要拡大を通じて国内酪農生産の基盤強化と持続的発展に貢献していきます。
また、需給変動による収益への影響の軽減に向けて、事業ポートフォリオを再編し、収益基盤の複数化とその確立に取り組むとともに、継続的なプロダクトミックスの改善による収益力の強化に取り組んでおります。
(3)販売先の寡占化とメーカー同士の競合の激化について
① 当社グループの製品は量販店中心に販売されておりますが、量販店を含む流通業界においては再編・淘汰が進み、流通業者の寡占化および大規模化が進展しております。この結果、特定の販売先の仕入れ・販売施策の変更および販売先の業績の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 乳業・食品業界においては大手メーカー同士の経営統合や中小メーカーの再編・淘汰が進展し、規模拡大と事業領域の拡大が進んでおります。この結果、当社グループの事業領域への他業界からの新規参入や、メーカー間の商品開発・価格競争の一層の激化等が想定され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社はメーカーとして、「ものづくり」の強化と新たな価値の創造に取り組むことで、商品開発力の強化とともに、商品を通じた価値の提供を目指しております。あわせて、当社グループは新たな収益機会の創出に向けて、ニュートリション事業分野における通販チャネルを通じた機能性食品事業の規模の拡大、および利益の創出に取り組んでおります。
(4)市場規模の縮小等について
現在、当社グループの商品の大部分は日本国内向けに販売しておりますが、日本においては少子高齢化の進展により人口減少傾向にあり、当社グループが対象とする市場が縮小してきております。また、畜産市場においても飼養頭数が変動しており、こうした市場の縮小等が今後も続いた場合に、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは機能を訴求する商品や高付加価値商品の開発強化、販売拡大により、国内事業の収益基盤の強化・確立を目指しております。また、海外の生産拠点の活用によりチーズの販売物量を拡大し、ボーダレス展開を加速することで、海外事業の強化を図っております。
(5)食品の安全性について
① 食品業界においては、食品の安全性や品質管理が強く求められております。当社は品質管理に関して、世界標準の品質管理手法であるISO9001およびHACCP(Hazard Analysisand Critical Control Point)の考え方を取り入れ、独自の品質保証システム「MSQS(MEGMILK SNOWBRAND Quality Assurance System)」を構築しております。しかしながら、仮に品質問題が生じた場合には自主的あるいは食品衛生法等の法令に基づく商品の回収や工場の操業停止、製造物責任法に基づく責務の負担等により当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。さらにこれらの事態の発生は、当社グループの社会的信用にも悪影響を与える可能性があります。
② 当社グループ固有の品質問題のみならず、国内外において、健康に影響を及ぼす物質の混入、家畜伝染病等の乳食品に関する品質問題や健康問題などが発生した場合、さらには問題発生の有無にかかわらずこれらに関する風評が拡大した場合には、当社グループの売上に影響を及ぼし、この結果として業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)法規制について
① 乳製品、飲料・デザート類は、食品衛生法の他、乳および乳製品の成分規格等に関する省令により成分規格や製造方法、表示方法等について規制を受けております。飼料・種苗は飼料安全法、種苗法、農薬取締法、家畜伝染病予防法等の法規制を受けております。これらの法令は食品等の安全性確保のために設けられており、当社グループでは法令を遵守し、製造工程管理や品質管理、適正表示等に努めております。しかしながら、製造工程等においてトラブル等が発生し、結果として規制に抵触することとなった場合には、製品の廃棄・回収コストの発生や社会的な信用力の低下により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 法令の改正がなされた場合には、これまでの成分規格や製造方法等が認められなくなったり、新しい成分規格や製造方法等に対応するためのコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)大規模な地震・火災等の発生および伝染病について
① 当社グループの生産事業拠点が大規模な地震や火災の発生等により長期間操業停止した場合、または生産事業拠点の従業員が伝染病に感染するなどして製品供給が長期間停止した場合に、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧に向けた対策を事業継続計画(BCP)を策定して進めておりますが、当社グループの生産・供給体制に影響を与え、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 乳製品、飲料・デザート類の原料となる生乳は酪農生産者から工場に受け入れる段階で検査および殺菌等の処理を実施しておりますが、工場で生乳を受け入れた後に生乳を搾った牛が法令に定められた家畜伝染病に感染していたことが判明した場合には、法令等の定めに従い当該生乳または当該生乳を原材料とする製品の廃棄を行ないます。廃棄される原材料または製品の量が多くなる場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 家畜伝染病が発生した場合、国内の乳製品、飲料・デザート類の消費の減少や、飼育頭数の減少に伴う飼料需要の減退等により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替レートの変動について
当社グループは、一部の原材料および商品を海外から調達していることから、為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円安は当社グループに悪影響を及ぼし、円高は当社グループに好影響をもたらします。
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2021年度3月期計画前提為替レート |
1米ドル=108円 |
|
為替感応度(営業利益ベース) |
1円高 → +1.6億円 |
(9)個人情報保護について
当社グループでは、グループ各社が保有する個人情報の保護・管理について、「個人情報保護方針」および関連諸規定を定めるとともに、従業員教育などを通じ、厳正な管理に努めております。しかしながら、予期せぬ事態により情報の流出などが発生した場合には、社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報システムについて
当社グループでは、原材料の発注、製品の製造、商品の受注、経理処理等、事業全般にわたり情報システムを活用しております。当社グループにおいては、情報システムを適切に運営するため、規定類の整備や社員教育、セキュリティ対策等を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等予想の範囲を超えた出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、事業の停滞や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)知的財産について
当社グループは、研究開発を始めその事業活動において、当社グループが所有している、または第三者により適法に使用許諾を受けている種々の知的財産を活用しております。当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、事業活動を行なっておりますが、知的財産権に関する訴訟等が提訴された場合、その結果によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)天候について
飲料・デザート類は、天候の影響を受ける可能性があります。特に、天候不順や、夏場の気温が低く推移した場合には、売上高が減少し、飲料・デザート類の業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)資金調達について
当社グループは、金融機関からの借り入れ、社債発行による資金調達を金利環境等を勘案のうえ行っておりますが、金融市場環境に変化があった場合に、資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)その他のリスク
上記以外にも事業活動を行ううえで、経済情勢の変化に伴うリスクやコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。
なお、直近では、新型コロナウイルス感染症の拡大による消費低迷など経済への影響が長期化することが懸念されております。当該リスクが顕在化した場合には、経済活動が停滞し景気が悪化することで、販売低迷の長期化や原材料価格を含む様々なコストの上昇などが生じ、当社グループの業績と財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、特定子会社の異動には該当しておりませんが、当連結会計年度より、雪印メグミルクインドネシア株式会社(PT. MEGMILK SNOW BRAND INDONESIA)及びアダーデライツオーストラリア有限会社(Udder Delights Australia Pty Ltd)は重要性が増したため、連結の範囲に含めております。なお、2020年3月末では、子会社32社および関連会社14社となっております。
①財政状態及び経営成績の状況
〈連結経営成績〉
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
増減率(%) |
|
売上高 (百万円) |
603,378 |
613,405 |
1.7 |
|
営業利益 (百万円) |
17,230 |
17,998 |
4.5 |
|
経常利益 (百万円) |
19,014 |
19,680 |
3.5 |
|
税金等調整前当期純利益 (百万円) |
15,273 |
16,885 |
10.5 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) |
10,754 |
12,165 |
13.1 |
|
1株当たり当期純利益 (円) |
158.64 |
179.71 |
13.3 |
〈セグメント別概況〉
|
|
売上高 |
営業利益又は営業損失 |
||||
|
2019年3月期 (百万円) |
2020年3月期 (百万円) |
増減率 (%) |
2019年3月期 (百万円) |
2020年3月期 (百万円) |
増減率 (%) |
|
|
乳製品 |
241,018 |
249,098 |
3.4 |
11,759 |
11,557 |
△1.7 |
|
飲料・デザート類 |
279,704 |
283,923 |
1.5 |
3,169 |
5,229 |
65.0 |
|
飼料・種苗 |
46,039 |
43,703 |
△5.1 |
1,163 |
1,036 |
△10.9 |
|
その他 (注)1 |
36,616 |
36,680 |
0.2 |
1,058 |
170 |
△83.9 |
|
合計 |
603,378 |
613,405 |
1.7 |
17,150 |
17,994 |
4.9 |
|
調整額 |
- |
- |
- |
80 |
4 |
△94.1 |
|
全社連結合計 |
603,378 |
613,405 |
1.7 |
17,230 |
17,998 |
4.5 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、共同配送センター事業および不動産賃貸事業等が含まれております。
当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。
〈資産の部〉
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して10,988百万円の増加となりました。
これは主に、受取手形及び売掛金が減少した一方で、有形固定資産や商品および製品、無形固定資産が増加したことなどによります。
〈負債の部〉
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して1,676百万円の増加となりました。
これは主に、支払手形及び買掛金が減少した一方で、未払金が増加したことなどによります。
〈純資産の部〉
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末と比較して9,311百万円の増加となりました。
これは主に、利益剰余金が増加したことなどによります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、15,524百万円となりました。
当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
|
区分 |
前連結会計年度 (2018.4.1~2019.3.31) |
当連結会計年度 (2019.4.1~2020.3.31) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
21,938 |
24,322 |
2,383 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△14,248 |
△16,629 |
△2,380 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△7,396 |
△6,651 |
745 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△65 |
9 |
75 |
|
現金及び現金同等物の増加額(△は減少額) |
227 |
1,052 |
824 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
14,076 |
14,303 |
227 |
|
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 |
- |
168 |
168 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
14,303 |
15,524 |
1,220 |
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動によるキャッシュ・フローは、24,322百万円の収入(前連結会計年度は21,938百万円の収入)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に売上債権の増減額が減少した一方で、仕入債務の増減額が減少したことなどにより、2,383百万円の収入増となりました。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動によるキャッシュ・フローは、16,629百万円の支出(前連結会計年度は14,248百万円の支出)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に投資有価証券の売却による収入が減少し、また、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、2,380百万円の支出増となりました。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,651百万円の支出(前連結会計年度は7,396百万円の支出)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に長期借入れによる収入や社債の発行による収入が減少した一方で、長期借入金の返済による支出の減少や、短期借入金の純増減額が増加したことなどにより、745百万円の支出減となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%)
|
|
乳製品 |
172,043 |
102.6 |
|
飲料・デザート類 |
208,184 |
100.0 |
|
飼料・種苗 |
33,516 |
106.2 |
|
合計 |
413,744 |
101.6 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ.受注実績
当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。
ウ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%)
|
|
乳製品 |
249,098 |
103.4 |
|
飲料・デザート類 |
283,923 |
101.5 |
|
飼料・種苗 |
43,703 |
94.9 |
|
報告セグメント計 |
576,725 |
101.8 |
|
その他 |
36,680 |
100.2 |
|
合計 |
613,405 |
101.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績
に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱セブン-イレブン・ジャパン |
129,208 |
21.4 |
140,801 |
23.0 |
|
㈱日本アクセス |
134,083 |
22.2 |
136,195 |
22.2 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、緩やかな景気の回復が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、足もとでは大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは現時点で難しく、感染症の影響による厳しい状況が続くことも見込まれ、内外経済をさらに下振れさせるリスクへの注意が必要となります。
また、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に対する懸念が強まっております。
個人消費は実質総雇用者所得の緩やかな増加、および雇用情勢の回復を背景に持ち直しておりましたが、感染症の拡大、それに伴う自粛の影響等により、外食や旅行などのサービス消費の冷え込みとともに消費者マインドは大きく落ち込んでおります。
食品業界においては、足もとで感染症による経済活動への影響が大きくなる中で、生産拠点の人手を確保し、物流機能を維持することで、大幅な需要の変動に対処し、商品の安定供給に向けた取り組みを進める企業の動きが拡大しております。
また、外出自粛や学校の臨時休校などの影響により、飲食業の売上減少に伴う業務用食材の需要の落ち込みや学校給食の休止に伴う牛乳類の受注減少が生じる一方、家庭での調理、喫食機会の増加、或いは総菜などを持ち帰る中食機会の増加に伴う需要の高まりも生じております。
回復基調にあった景気は足もとで大きく下落しておりますが、当社グループは「グループ中期経営計画 2019」に基づき、収益基盤の複数化およびキャッシュ・フローの最大化に取り組み、機能性ヨーグルトなどの高付加価値商品およびチーズなどの主力商品の販売拡大に伴うプロダクトミックスの改善、ニュートリション事業分野におけるマーケティング投資の継続による規模の拡大、ならびにグループ経営資源やバリューチェーンの最大活用によるグループ総合力の強化等に努めました。
当社グループの連結売上高は、乳製品セグメントおよび飲料・デザート類セグメントの増収により、613,405百万円(前年同期比1.7%増)となりました。営業利益については、その他セグメントは9月末に発生した子会社である株式会社エスアイシステムの商品倉庫の火災に起因する、代替倉庫の賃借料および運用に係る費用発生の影響などにより大幅な減益となりました。一方で、飲料・デザート類セグメントは、生乳取引価格の引き上げの影響などによる原材料コストやオペレーションコストの増加があったものの、価格改定の実施に伴う販売単価差の影響や宣伝促進費の効率的な運用により大幅な増益となりました。これらにより営業利益は17,998百万円(前年同期比4.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、子会社である株式会社エスアイシステムの商品倉庫の火災に起因して火災損失を計上したものの、減損損失の計上額が前年度から大きく減少したこともあり、12,165百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
なお、当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染症対策により、学校給食休止による牛乳類の受注減、業務用食材の需要の減退などが生じる一方、家庭での調理・喫食機会の増加に伴う家庭用商品の需要の増加など、販売チャネルごとの売上の増減はあるものの、乳製品セグメント、飲料・デザート類セグメントともにセグメント単位では、新型コロナウイルス感染症による大きな影響を受けることなく推移しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、セグメントごとの売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。
〈乳製品〉
当セグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂、ニュートリション事業(機能性食品、粉ミルク等)等の製造・販売が含まれております。
売上高は249,098百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は11,557百万円(前年同期比1.7%減)となりました。
売上高は、バターは安定供給に引き続き努める中で、堅調に推移しました。
油脂は縮小傾向の続く市場の影響もあり、増量キャンペーンなどのプロモーション活動やホームページにおける食べ方の提案などを展開しましたが減収となりました。
チーズは減収となりましたが、食べ方提案やレシピの人気投票などの新たな価値の訴求に向けたプロモーション活動を展開し、市場での優位性が高い商品群は好調に推移しました。新商品は、おつまみ需要の増加や多様化する嗜好に応えるために、「ブルーチーズ入りベビーチーズ」や「6Pチーズ スモーク味」「スモーク香る スライス」などを発売しました。
機能性食品は特定保健用食品の毎日骨ケアMBPⓇがマーケティング投資の継続により伸長しました。新商品は、成長期に適した量の栄養素がバランスよく摂取できる、牛乳に溶かして飲む粉末飲料の『グーンアップ MBPⓇ』のココア味といちごミルク味などを発売しました。
これらの結果、当セグメント全体では増収となりました。
営業利益は、宣伝促進費の効率的な運用に取り組んだ効果が増益要因としてあったものの、固定経費やオペレーションコストが増加したことなどから減益となりました。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して10,306百万円の増加となりました。
これは主に、磯分内工場の新工場建設の進行により建設仮勘定が増加したことなどによります。
〈飲料・デザート類〉
当セグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。
売上高は283,923百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は5,229百万円(前年同期比65.0%増)となりました。
売上高は、飲料は消費者の嗜好が多様化する中で、様々なカテゴリーの商品に需要が分散した影響もあり、白物飲料は堅調に推移しましたが、色物飲料は減収となりました。新商品は、たっぷりボトルで楽しめる本格ラテの「BOTTLATTE」シリーズ(400ml)の容器をスリムタイプの容器(300ml)に変更した、『Bottlatte&Go』シリーズなどを発売しました。『Bottlatte&Go』シリーズは、持ち運びしやすいスリムな形状、簡単開封できる内フタがないキャップにすることにより、利便性、携帯性を向上させ、アウトサイドシーンでも持ち運びしやすくなり、さらなる飲用シーンの拡大を目指します。
ヨーグルトは「ガセリ菌SP株」の内臓脂肪を減らす機能性を伝えるプロモーション活動の継続を含め、それぞれの商品の持つ価値の訴求強化に取り組む中で増収となりました。新商品として「乳酸菌ヘルベヨーグルト ドリンクタイプ」を発売しました。「乳酸菌ヘルベ」( L . helveticus SBT2171)は、当社独自の乳酸菌で、近年の研究により、 「ハウスダストやダニによる目や鼻の不快感を緩和する」機能をヒト試験で確認しております。『乳酸菌ヘルベヨーグルト ドリンクタイプ』を市場に投入し、「め・はな対策」の新習慣として新たな価値を創造し、ヨーグルト市場の活性化を図ってまいります。
デザートは新商品の発売等、商品力の強化に取り組み前年並みの推移となりました。新商品は、チーズを使用したカップスイーツとして「チーズ meets スイーツ すっきりレアチーズ」 「チーズ meets スイーツ なめらかチーズプリン」などを発売しました。国内市場では、チーズを使った商品やメニューが引き続き話題になっており、チーズの消費量は継続して過去最高を更新するなど、市場は拡大しております。なお、「チーズ meets スイーツ」は、当社が得意とする“チーズ”と、長年培ってきた独自の技術を持つ“デザート”を融合させ、特許製法でつくり上げた、 多層で楽しめるチーズスイーツです。これらの結果、当セグメント全体では増収となりました。
営業利益は、生乳取引価格の引き上げの影響などによる原材料コストやオペレーションコストの増加があったものの、価格改定の実施に伴う販売単価差の影響や宣伝促進費の効率的な運用に取り組んだ効果などにより大幅な増益となりました。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して67百万円の増加となりました。
これは主に、生産設備への投資などにより機械装置及び運搬具が増加した一方で、受取手形及び売掛金が減少したことなどによります。
〈飼料・種苗〉
当セグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売が含まれております。
売上高は43,703百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益は1,036百万円(前年同期比10.9%減)となりました。
当期は、牧草・飼料作物種子および飼料の販売物量が減少したこと、造園事業の大型案件が減少したことなどにより、当セグメント全体で減収となり、営業利益も減益となりました。
当連結会計年度末総資産は前連結会計年度末と比較して507百万円の減少となりました。
これは主に、受取手形及び売掛金と長期貸付金が減少した一方で、短期貸付金が増加したことなどによります。
〈その他〉
当セグメントには、共同配送センター事業、不動産賃貸事業等が含まれております。
売上高は36,680百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は170百万円(前年同期比83.9%減)となりました。
営業利益は、9月末に発生した子会社である株式会社エスアイシステムの商品倉庫の火災に起因する、代替倉庫の賃借料および運用に係る費用発生による影響などにより大幅な減益となりました。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して192百万円の減少となりました。
これは主に、商品及び製品が減少したことなどによります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
「グループ長期ビジョン 2026」におけるキャッシュ・フロー配分方針は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) グループ長期ビジョン 2026 ⑤キャッシュ・フロー配分方針」に記載しております。
「グループ中期経営計画 2022」におけるキャッシュ・フローに関連する情報は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標」に記載しております。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
決算年月 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
44.1 |
46.3 |
47.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
55.5 |
50.7 |
44.9 |
|
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) |
3.3 |
3.3 |
2.9 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
42.2 |
49.3 |
62.6 |
※自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。
4.2019年3月期の期首より、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を適用しており、2018年3月期については遡及適用後の数値を記載しています。
〈資金需要の動向〉
当社グループの主な資金需要は、「グループ中期経営計画 2022」の達成に向け、取組みの柱として掲げた「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」、および「生産体制進化の本格始動」に必要な投資であります。
なお、2021年3月期のキャッシュ・フローに関しては、磯分内工場のリニューアルに関わる支出が一部発生するなど投資資金が増加する見込みでありますが、おおよそ営業キャッシュ・フローで獲得した資金で充当する予定です。
〈資金調達の方法〉
当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については金融機関からの借入、社債の発行等により資金調達しております。外部からの資金調達につきましては、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。
また、グループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、グループファイナンス制度を導入しております。
さらに、資金調達リスクの回避を図るため、金融機関と合計200億円のコミットメントライン契約を締結し、資金調達枠を確保しております。
なお、新型コロナウイルス感染症による今後の経済・金融への影響が不透明であることから、不測の事態に備え、2020年6月に100億円の新規資金調達を行ない、手元流動性を高めております。
③目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは2017年5月に、「グループ長期ビジョン 2026」、および「グループ中期経営計画 2019」を策定いたしました。
「グループ長期ビジョン 2026」では最終年度となる2027年3月期のゴールイメージを、連結売上高は7,000~8,000億円、連結営業利益は300~400億円としております。また「グループ中期経営計画 2019」では、目標経営指標を連結売上高630,000百万円、連結営業利益22,000百万円、連結EBITDA40,000百万円としておりました。
「グループ長期ビジョン 2026」および「グループ中期経営計画 2019」の3年目となる、当連結会計年度における連結売上高は前年同期比1.7%増の613,405百万円、連結営業利益は前年同期比4.5%増の17,998百万円、連結EBITDAは前年同期比3.1%増の34,156百万円となり、「グループ中期経営計画 2019」の目標経営指標を達成することはできませんでした。
しかしながら、「グループ長期ビジョン 2026」に掲げる戦略のコンセプト「Transformation&Renewal」の方向性を変えるものではありません。2020年度からは、第2ステージの実行計画である「グループ中期経営計画 2022」をスタートし、Transformation(変革)の加速、およびグループ経営の展開強化の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
「グループ中期経営計画 2022」の初年度である2021年3月期(予想)は、連結売上高は前年同期比1.1%増の620,000百万円、連結営業利益は前年同期比5.6%増の19,000百万円、連結EBITDAは前年同期比4.8%増の35,800百万円としております。
当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、高付加価値商品や主力商品の売上拡大、および生産体制整備や事業構造改革の推進によるグループ収益力の強化、生産性改革の推進によるグループ・バリューチェーンの生産性向上などに取り組むことで2021年3月期(予想)の連結売上高、連結営業利益を達成します。
④新型コロナウイルス感染症への対応
当社グループでは、顧客、取引先及び社員の安全を最優先に考え、感染防止に向けて衛生管理を徹底するとともに、時差出勤や在宅勤務の拡大などによる円滑な事業の運営に努めております。また、感染拡大の防止に向けて、感染リスクが高い国や地域への渡航の原則禁止、工場や酪農と乳の歴史館の見学の中止等の対応を実施しております。
⑤重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。
特に、以下の重要な会計方針については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用する重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えます。
ア.貸倒引当金
売上債権等の損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。新型コロナウイルス感染症の影響による顧客の財政状態の変化については注視をしてまいります。
イ.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングをもとに、回収可能性があると判断される金額を計上しております。繰延税金資産の評価は、将来の課税所得の見積りと、税務上の実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
インバウンド需要、自粛対象施設での販売等を主な収益源とする子会社については、新型コロナウイルス感染症の影響による経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の取崩などの影響を受ける可能性があります。
ウ.退職給付費用および債務
従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。
エ.有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、市場価格または合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当期の損失として処理しております。また、時価のない株式につきましても、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行ない、評価差額は当期の損失として処理しております。新型コロナウイルス感染症の影響も含め将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、新たに減損処理が必要となる可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている研究開発課題や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。
原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内外の乳・乳製品需給が変動する中、環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
〈乳製品〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は
●当社
チーズカテゴリーにおいては、かつお節やいぶりがっこなど日本人の食生活に古くから親しまれている燻製に着目し、スモーキーな香りをまとった商品を上市致しました。6Pチーズのバラエティ商品として「6Pチーズスモーク味」、スライスチーズの新たな提案となる「スモーク香るスライスチーズ」、一口サイズでプリっとした外側となめらかな内側の絶妙な食感のコントラストを楽しめるスモークチーズ「なめらかスモークチーズ」を発売。伸長するベビーチーズカテゴリーにはナチュラルチーズが気軽に楽しめる「ブルーチーズ入りベビーチーズ」、焦がした醤油の芳ばしい風味のある「焦がし醤油ベビーチーズ」を発売し、消費税増税後の高まる家飲み需要に対応致しました。またチーズをよりおいしく食べる提案として、16種類の穀物を配合、香ばしい風味とサクッとした食感を実現した「チーズのための玄米クラッカー」を発売致しました。
油脂カテゴリーにおいては、若年層のマーガリン需要獲得を図るため、不二家の「ミルキー」の味が楽しめる「ミルキーソフト」の第三段として「ミルキーソフト いちご味」を発売致しました。
今後も様々な食シーンの提案と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。
乳製品事業における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究を行い、おいしさを構成する技術と、当社独自の乳製品の健康機能の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用致しました。
主な研究成果は以下の通りです。
・ゴーダチーズの熟成を制御することを目的に、チーズ水分を吸収するアクティブ包装(脱酸素剤・乾燥剤を備えたバリアカップ包装)を用いてゴーダチーズを熟成させ、熟成と風味に与える影響を評価した。その結果、アクティブ包装したゴーダチーズは、リンデッド製法と同様に高い嗜好評点が得られ、アクティブ包装によりゴーダチーズの熟成を制御が出来る可能性が示唆された。
・マーガリンにおけるトリアシルグリセロール(TAG)組成および物理的特性が、マーガリンのざらつきの原因となる粗大結晶形成の挙動に及ぼす影響を調べた。TAG組成が異なる配合のモデルマーガリンを急冷固化し、保存中の結晶化挙動を偏光顕微鏡観察、X線回折、SFC(固体脂含量)測定により評価した結果、油脂結晶の粗大化はTAG組成とSFCの影響を複合的に受けることが示唆された。
・ナチュラルチーズの発酵中の代謝過程の評価に、SPME-GC/MS法を用いた香気成分分析、溶媒抽出-GC/MS法を用いたメタボロミクス技術が適用可能かを検証した。試験管内にて10gのモデルカビ系チーズを調製し、発酵中の経時的な成分解析を実施した。その結果、ジアセチルの分解過程などの公知の代謝過程だけでなく、香気成分前駆物質から香気成分への生成過程を評価できた。以上より、今回の分析法はナチュラルチーズの香気成分制御における発酵条件検討に有用である可能性が示唆された。
これらの研究成果は日本包装学会での発表と、論文としてJournal of American Oil Chemists' Society、Journal of Bioscience and Bioengineeringに掲載致しました。
●雪印ビーンスターク㈱
「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などの調査研究を実施しています。これらの調査研究をもとに、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん向け商品、お母さんのための母親向け商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い商品の開発を行っています。
今年度は、当社の基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」、ならびに9か月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を上期にリニューアル発売しました。「すこやかM1」は、2015年から雪印メグミルク㈱と共同で開始した第3回全国母乳調査における研究成果を生かし、日本で初めて乳児用調製粉乳に「オステオポンチン」を配合しました。
当社初となる乳児用調製液状乳「ビーンスターク・液体ミルク すこやかM1」は、乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」と同じ開発思想を基に、「オステオポンチン」「DHA」等の成分を配合し、2020年4月に発売致しました。
女性の社会活躍が進む中での、妊娠中、授乳中、子育て中の女性向け商品として、指定医薬部外品「ビーンスタークマム ママスマイル」を2020年3月に発売致しました。つらい疲れを回復し、肌の不調を改善する、レモン・ライム風味のミニドリンクです。
2018年度に発売した、大人のための“粉ミルク型サプリメント”「プラチナミルク for バランス」は、風味を改良して2020年2月よりリニューアル発売致しました。
当社初となる機能性表示食品「整腸のプロバイオ」を、2020年2月に発売致しました。お通じの改善のために、1日1回6滴で10億個の生きて届くビフィズス菌がとれるオイルタイプのサプリメントです。60℃以下の料理や飲み物に振りかけて使用します。又、機能性表示食品「大人のDHA&EPA」を2020年3月に発売致しました。中高年の気になる中性脂肪を低下し、記憶をサポートするソフトカプセル型のサプリメントです。1日5粒で手軽に有効量のDHAとEPAを摂取することができます。
研究開発では、雪印メグミルク㈱と当社による第3回全国母乳調査を継続して実施しています。今年度は、第52回欧州小児消化器肝臓栄養学会年次総会(イギリス)において、母乳の主要栄養素濃度は分娩後日数経過に応じて変化すること、および新たに母親のn-3系脂肪酸摂取量が母乳中のたんぱく質濃度に関係する可能性を報告しました。さらに、母乳調査研究の参加者募集が完了したことから、本調査研究の概要を明らかにした論文を、学術雑誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に秋田大学大学院医学系研究科と共同で執筆投稿し、オンライン掲載されました(2020年3月13日付)。今後は、収集した母乳の成分と対応する母子の背景情報との関連性を調べてまいります。
〈飲料・デザート類〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は
●当社
牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、「毎日骨太MBP®」(900ml、500ml)、「毎日骨太MBP® 1日分のカルシウム」(LL200ml)および「アカディおなかにやさしく」(900ml、500ml、180ml)を新たな位置づけの商品として発売致しました。「毎日骨太MBP®」は、乳脂肪率を従来の1.0%から1.8%に引き上げ、よりミルクらしい味わいに近づけ、毎日続けやすいおいしさを目指しました。「アカディおなかにやさしく」は、乳糖を分解しながらも「おいしさ特許製法」により、牛乳らしい味わいに仕立てています。いずれも大容量タイプ(900ml)は、「ピュアパックセンス ウェーブ」という口栓付き容器を日本で初採用しました。また、たっぷりボトルで楽しめる本格ラテの「BOTTLATTE」シリーズ(400ml)の容器をスリムタイプの容器(300ml)に変更し、「Bottlatte&Go」シリーズとして3品(カフェラテ、エスプレッソラテ、ロイヤルミルクティ)を発売致しました。持ち運びしやすいスリムな形状、簡単開封できる内フタがないキャップにすることにより、利便性・携帯性を向上させ、さらなる飲用シーンの拡大を目指します。
ヨーグルトカテゴリーでは、「目や鼻の不快感を緩和する」機能で機能性表示食品の届出を完了し、当社独自の乳酸菌である「乳酸菌ヘルベ」を使用したドリンクタイプのヨーグルトを発売致しました。「恵 megumi」ブランドにおいては、シリーズ全体のパッケージデザインをリニューアルしました。商品名のロゴやアイコンを躍動感のあるデザインにして視認性を高め、機能性表示食品の「ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズは、キャッチコピーを短くして、保健機能「内臓脂肪を減らす」を見やすく表示致しました。
デザートカテゴリーでは、当社が得意とする「チーズ」と、長年培ってきた独自の技術を持つ「デザート」を融合させてつくり上げた、多層で楽しめるチーズスイーツとして、「CHEESE MEETS SWEETS 濃厚チーズプリン」と「CHEESE MEETS SWEETS すっきりレアチーズ」を発売致しました。また、アジアのカフェで出逢えるおいしいデザートをイメージして作った「アジア茶房」ブランドにおいて、アジアンスイーツを2層で楽しむ商品を2品(杏仁マンゴー、黒ごま白ごまプリン)発売致しました。
飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用致しました。
主な研究は以下の通りです。
・Lactobacillus helveticus SBT2171(以下、LH2171)の口内環境改善作用とそのメカニズムの検討を行った。その結果、LH2171が口腔内で抗菌ペプチドの発現を上昇させることで歯周病の原因となる歯周病菌の増殖を抑制し、歯肉組織の炎症を抑制する可能性が示された。
・当社保有の乳酸菌を加齢線虫に投与した結果、乳酸菌の中でも特にヘテロ発酵を行うLactobacillus属が、加齢線虫における温度記憶能力の低下を抑制した。また、加齢線虫における記憶能力の低下の抑制は、単なる寿命延長や運動機能の維持とは独立した機構であることが示唆された。
・女性長距離ランナー(大学生)に半年間40mgのMBPを摂取して貰い、その結果、MBP摂取前は高骨代謝状態であったが、MBP摂取により、過剰な骨代謝は抑制された。また、MBP摂取期間中に疲労骨折は発生しなかった。MBPの摂取により、若齢女性アスリートの過剰な骨代謝を抑制して骨質を改善する可能性を見出した。
これらの研究成果は、日本栄養・食糧学会大会、日本分子生物学会などの各学会での発表の他、論文として体力・栄養・免疫学雑誌に掲載致しました。
〈飼料・種苗〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は
●雪印種苗㈱
飼料分野では草地における雑草比率増加や異常気象下での刈遅れなどによって自給飼料の品質が低下してしまう問題に対し、繊維分解酵素にマンガンを添加して飼養するとさらに消化性が高まることを確認致しました。一方、サイレージ添加用乳酸菌について、現行品に配合しているセルラーゼよりも繊維分解活性が高い酵素を開発し、特許出願致しました。次年度以降、実用化に向けた取り組みを進める予定です。また、オーチャードグラスの高糖含量新品種「えさじまん」の給与・産乳性試験結果3年分をまとめ、農水省委託プロジェクト会議で報告致しました。統計的な有意差は確認できなかったものの、対照品種と比較して試験牛群において採食量・泌乳量が多い傾向が観察されました。試験方法に関して、飼料研究の今後の課題として検討していきます。子牛育成においては近年急速に普及した代用乳多給法によって発生する飼養管理の課題を回避することを目的として、脱脂粉乳/ホエイ比を再検討する試験を実施致しました。ホエイ比を高めると下痢の発生率が高まる傾向が認められたため、超音波検査装置を用いた消化管内カード形成観察法の併用によって最適な比率の検討に取り組みます。
牧草・飼料作物種子分野では栄養価が高く、道東においても越冬性が優れるフェストロリウム「ノースフェスト」を品種採択しました。また、オーチャードグラス「東北8号OG」およびシロクローバ「アバラスティング」が北海道優良品種に選定されました。「アバラスティング」については次年度から発売する予定です。府県向け飼料作物としてソルガム「FS1701bmr」の親系統とエンバク「夏疾風」の品種登録出願を進めています。トウモロコシに関しては府県・道内の両地域で栽培できる耐病性品種「LG30500」が現地試験でも好評だったことから、次年度発売予定と致しました。
畑作・園芸種苗分野では近年の温暖化に対応し、耐暑性を付与したエダマメ「GLYSB1023」の品種登録出願を行いました。また、ブロッコリーのニッチ市場に向けて耐寒性早生品種「ドームツリー」を品種採択し、各地で普及を進めました。緑肥用ヒマワリとしてはバーティシリウム病抵抗性である「NS KRUNA」を選抜し、次年度に道内・府県の双方で現地試験を展開することと致しました。また、緑肥用ソルガム「つちたろう」を盛夏栽培することによってアブラナ科根こぶ病胞子密度を抑制できることを確認致しました。SDGsに関連する当社の取組みのひとつとして現地試験を強化推進していきます。
花卉分野ではポットカーネーション国内トップシェアを目指し、新色を含む7系統を品種登録出願致しました。また、次の戦略商品として多芽性ユリ3系統を品種登録出願致しました。併行して、採算性に問題があったF1シクラメン開発からの撤退を決定し、選択と集中を進めました。
生理活性物質関係では将来的なバイオスティミュラントの興隆による競争激化に備、発根促進液肥「闘根242」、「根真人232」の低コスト製法を開発し、パイロットプラントによる試作品の肥料登録を行いました。さらに、北大共同研究において、「闘根」を処理することにより水稲種子が嫌気条件下で発芽するために必要な遺伝子の発現が顕著に昂進されることを明らかにしました。また、スイートコーン冷凍食品工場で発生し、廃棄されている煮汁中の天然植物ホルモンを乳酸菌培養により強化し、液肥原料とする調製方法を開発致しました。SDGsの観点からも実用化を進めて行きます。
環境緑化分野ではウィンターオーバーシード用のアニュアルライグラス「フェアウェイⅢ」を商品採択致しました。また、ゴルフ場グリーン向け種子繁殖性クリーピングベントグラスとして一世を風靡した「CY-2」の耐暑性・耐病性・冬季緑度をさらに改良した後継品種「CY-4」について品種登録出願準備を進めると共に全米芝質評価試験 NTEPへ事前エントリーを行いました。国内外での実用化を目指します。
当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。