第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)雪印メグミルクグループ 企業理念

雪印メグミルクグループの企業理念は、私たちの使命と、コーポレートスローガンで構成します。

 

私たちの使命

私たち雪印メグミルクグループは、3つの使命(「消費者重視経営の実践」「酪農生産への貢献」「乳(ミルク)にこだわる」)を果たし、ミルクの新しい価値を創造することにより、社会に貢献する企業であり続けます。

 

消費者重視経営の実践

雪印メグミルクグループは、消費者基本法に定められた「消費者の権利」と「事業者の責務」をしっかりと認識し、

● 安全で安心していただける商品・サービスを提供すること

● 可能な限りの情報提供、情報開示を行うこと

● 消費者の声を傾聴し、経営に反映していくこと

● 危機管理の体制を整え、不測の事態に迅速かつ適切に対応していくこと

を基本姿勢として、消費者重視経営を実践していきます。

 

酪農生産への貢献

私たち雪印メグミルクグループは、日本の酪農を基盤として成り立っています。

私たちは、酪農生産者の良きパートナーとして信頼関係を深め、乳の価値をしっかりと伝えていくことで、生産者の想いに応えていきます。

そして、牛乳・乳製品の需要拡大を実現することで、国内酪農生産の基盤の強化と持続的発展に貢献していきます。

 

乳(ミルク)にこだわる

私たち雪印メグミルクグループは、ミルクの持つ無限の可能性を信じ、ミルクに向き合い、ミルクにこだわり続けることで、ミルクの持つ可能性を「深め」、ミルクの価値を「高め」、世界に「拡げていく」ことを実現していきます。

 

コーポレートスローガン

「未来は、ミルクの中にある。」

 

(2)グループ長期ビジョン 2026

当社は2017年5月に、2026年に目指す姿として「グループ長期ビジョン 2026」を策定いたしました。

①目指す姿

雪印メグミルクグループが2026年に目指す姿を「ミルク未来創造企業」と名づけ、「グループ企業理念」の実現に向けた具体的な姿として、次の3つの未来を描きました。

ア.消費者

「乳(ミルク)で食の未来を創造します。」

雪印メグミルクグループの強みを作り、活かし、価値を創造・提供します。更に、乳(ミルク)の持つ無限の可能性を引き出し、ものづくりを通じて、世界の人々に食の喜びを提供し続けます。

イ.酪農生産者

「酪農生産者の未来に貢献します。」

酪農生産者とともにミルクの価値を高めることで、持続的な成長を実現します。更に、良きパートナーとして、酪農・乳業の持続可能な成長へ貢献を続けます。

ウ.私たち

「私たち社員の未来を拓きます。」

人が企業を育て、企業も人を育てることを踏まえ、多様な人材が希望と誇りを持って、それぞれの個性と能力を最大限に発揮しながら、成長し続ける企業グループを目指します。

 

〈3つの未来〉

0102010_001.png

 

②コンセプト

Transformation & Renewal「変革」、そして更なる「進化」へ

ア.事業ポートフォリオの変革 = Transformation

イ.事業成長を支える生産体制の進化 = Renewal

ウ.グループ経営の推進 = Group Management

これらのコンセプトを実行していくために、グループの事業領域を、「乳製品」「市乳」「ニュートリション」「飼料・種苗」の4つの事業分野に編成し、グループ企業との連携により、グループ・バリューチェーンを強化します。

 

③ステージ毎の位置づけと役割

「グループ長期ビジョン 2026」の取組み期間である2017年度から2026年度を3つのステージに分けて推進しております。

 

第1ステージ

(2017年度~2019年度)

第2ステージ

(2020年度~2022年度)

第3ステージ

(2023年度~2026年度)

Transformation

(変革)の始動

Transformation

(変革)の加速

Renewal(進化)へ

 

グループ経営の

始動・推進

グループ経営の

展開強化

グループ経営の

加速・進化

・収益基盤の複数化および

 キャッシュ・フロー最大化

・生産体制進化への着手

・グループ収益基盤の確立

・生産体制進化の本格始動

・4つの事業分野における

 収益の安定的創出

・生産体制進化の加速

④目標とする経営指標

最終年度の連結売上高は7,000億円~8,000億円、連結営業利益は300億円~400億円を目指します。

(※連結売上高は「収益認識に関する会計基準」適用前の数値目標となっております。)

⑤キャッシュ・フロー配分方針

長期のキャッシュ・フロー配分方針は、「財務の健全性」、「資本効率」、および「株主還元」の3つを重視し、最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向30%以上を目処といたします。なお、「グループ長期ビジョン 2026」における10年間の投資総額は3,000億円~4,000億円を予定しておりましたが、これまでの投資実績、現在の経営環境等を踏まえ2,800億円に見直しております。

 

(3)雪印メグミルクバリュー

「グループ長期ビジョン 2026」を達成するため、雪印メグミルクグループの役職員一人ひとりが大切に考える

共通の姿勢・価値観として、次のとおり定めました。

 

 

主体性

自分から動き出そう。

私が実現したい未来のために。

チャレンジ

チャレンジを楽しもう。

なりたい私の未来のために。

チームワーク

チカラを重ねよう。

私たちみんなの未来のために。

 

0102010_002.png

 

(4)グループ中期経営計画 2022

①位置づけ

「グループ中期経営計画 2022」は、「グループ長期ビジョン 2026」の取組み期間(2017年度~2026年度)における第2ステージの実行計画にあたります。変革(Transformation)を加速し、収益基盤を確立し、生産体制進化(Renewal)を始動していくステージとしております。

 

②取組みの柱

「4つの事業分野における収益基盤の確立」に向けて、「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」を進め、「Transformation(変革)の加速」を実現するための「生産体制進化の本格始動」を戦略の柱としております。

 

③事業分野別の戦略

乳製品事業分野

ア.家庭用バターの生産・販売拡大

イ.チーズ事業の戦略的拡大

市乳事業分野

ア.ヨーグルト・デザート事業の戦略的拡大

イ.牛乳類事業の構造改革

ニュートリション事業分野

ア.粉乳事業(国内・海外)の競争力強化

イ.機能性食品事業の利益創出

飼料・種苗事業分野

ア.飼料事業の効率化・高品質化

イ.種苗事業の戦略的拡大

※2026年度末までに牛乳類事業の営業利益黒字化を達成します。

 

④基盤となる機能戦略

ア.事業戦略に基づくTransformation(変革)とRenewal「生産体制の進化」の実現

イ.「ものづくり」の強化と新たな価値創造

ウ.グループ経営の推進によるグループ総合力の強化

エ.グループの持続的発展に向けた取組み

 

(5)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標

①中期目標経営指標

最終年度の連結売上高は6,400億円、連結営業利益は220億円、連結EBITDAは410億円を目指します。

(※連結売上高は「収益認識に関する会計基準」適用前の数値目標となっております。)

②財務指標の目処

最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向20~30%、連結有利子負債残高約780億円を目処といたします。また、3年間の投資総額は約860億円を予定しております。

 

0102010_003.png

 

(6)次期の経営環境及び優先的に対処すべき課題

今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていく中で、緩やかな景気の回復基調が続くことが期待されるものの、感染症の収束の時期を見通すことは非常に難しく、不透明な状況が続くことが見込まれます。

食品業界においては、内食需要は安定して推移することが見込まれるものの、外食需要の回復見込みは不透明であり、全体的には引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。

当社においては、原材料価格、労務費、物流費等の様々なコスト増加や新型コロナウイルス感染症の影響により外食産業向けの需要低迷が長期化するリスクがあります。

一方では、“新しい生活様式”により自宅で過ごす時間が増える中、多様で価値ある商品の提供や食シーンの提案などにより、新たな需要の増加も見込まれます。

このような状況において、当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「生産性改革の推進」、「事業構造改革の断行」、および「Transformation(変革)の加速」を実現するための「生産体制進化の本格始動」の3つを戦略の柱と位置づけ、最終年度の2022年度に「4つの事業分野における収益基盤の確立」を実現するべく取り組んでまいります。

 

当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、以下の重要な施策に対し積極的な取り組みを進めてまいります。

①生産性改革の推進

ア.事業の戦略的拡大と「ものづくり」の強化

・チーズの戦略的拡大、および家庭用バターの供給力強化

・機能性ヨーグルトを軸とした発酵乳の戦略的拡大

・機能性食品の拡大と展開加速、国内粉乳の競争力強化

・飼料・種苗事業の戦略的拡大

・新たな価値を提供する「ものづくり」の強化

イ.グループ全体における生産性改革の取組み強化

 

②事業構造改革の断行

・乳資源需給変動への対応強化と効率的な調達

・「牛乳類」の収益改善に向けた市乳事業構造改革の推進

・業務製品事業のプロダクトミックスの改善

・海外育粉事業の構造改革および戦略的拡大

 

③生産体制進化の本格始動

・乳製品、市乳工場の生産体制整備

・グループ会社の生産体制整備

 

④グループ経営の展開強化とグループの持続的成長に向けた取組み

ア.グループガバナンス体制およびグループコーポレート機能の強化

イ.グループ・バリューチェーンの強化および協業によるシナジー発揮

ウ.CSR重要課題(マテリアリティ)のグループKPI達成とSDGsへの貢献

 

また、事業分野ごとの主な取り組みは次のとおりです。

〈乳製品事業分野〉

・家庭用バターの供給体制強化

・さけるチーズの更なる市場拡大や供給体制強化、海外展開の加速によるチーズ事業の戦略的拡大

・新しい食べ方の提案などのプロモーション活動を通じた店頭展開の強化、および市場の活性化

・付加価値商品の開発に向けたマーケティングおよび研究開発力の強化

 

〈市乳事業分野〉

・骨密度を高める機能性表示食品「MBPドリンク」の発売等による白物飲料の販売拡大

・機能性ヨーグルトを中心とした発酵乳の戦略的拡大

・付加価値を生む容器戦略商品の販売拡大

・デザートの販売拡大

〈ニュートリション事業分野〉

・毎日骨ケアを中心としたECビジネスの継続的な販売拡大

・グループシナジー創出と効率性の追求

・新たな成長機会の創出

〈飼料・種苗事業分野〉

・飼料の高品質化、効率的な供給体制の構築

・牧草・野菜種子の販売拡大

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお当社グループは、以下のような経営および事業リスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。

 

(1)酪農乳業界について

① 当社グループの主要原料である加工原料乳の取引は「畜産経営の安定に関する法律」の影響を受けます。従って、同法に基づく交付対象数量、補給金単価等の変更が当社グループの原料調達等に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループが生産する乳製品には、国内農業保護を目的とした関税制度が敷かれております。しかし、WTO(世界貿易機関)農業交渉やFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)等の交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合には、当社グループの販売および原材料調達に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これまで同様、国内酪農に軸足を置きつつ、乳の国際化を視野に入れ、関税水準の引き下げに伴う乳製品輸入で得られるメリットの最大限の活用を検討してまいります。

 

(2)需給変動について

① 当社グループは、国内で生産される生乳を主要原料としておりますが、国内の生乳需給はこれまでも過剰と逼迫を繰り返しており、過剰の場合には製品在庫過多により販売競争が激化し、逼迫の場合には製造量減少により生産効率が低下することとなります。

② 乳製品や飼料原料の国際市況は、世界経済の変動による需要の増減、旱魃等の異常気象による飼料作物の不作を原因とする製品供給の減少等の影響を受け、大きく変動することとなります。国際的に需給が逼迫した場合には原材料確保の困難化や原材料価格の高騰として、また需給が緩和した場合には安価な輸入乳製品の流入や飼料価格の下落として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、配合飼料価格上昇時には畜産経営者に配合飼料価格安定制度により価格補てん措置が採られることになっておりますが、メーカー拠出金が増加した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、牛乳・乳製品の需要拡大を通じて国内酪農生産の基盤強化と持続的発展に貢献していきます。

また、需給変動による収益への影響の軽減に向けて、事業ポートフォリオを再編し、収益基盤の複数化とその確立に取り組むとともに、継続的なプロダクトミックスの改善による収益力の強化に取り組んでおります。

 

(3)販売先の寡占化とメーカー同士の競合の激化について

① 当社グループの製品は量販店中心に販売されておりますが、量販店を含む流通業界においては再編・淘汰が進み、流通業者の寡占化および大規模化が進展しております。この結果、特定の販売先の仕入れ・販売施策の変更および販売先の業績の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 乳業・食品業界においては大手メーカー同士の経営統合や中小メーカーの再編・淘汰が進展し、規模拡大と事業領域の拡大が進んでおります。この結果、当社グループの事業領域への他業界からの新規参入や、メーカー間の商品開発・価格競争の一層の激化等が想定され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社は、メーカーとして「ものづくり」の強化と新たな価値の創造に取り組むことで、商品開発力の強化とともに、商品を通じた価値の提供を目指しております。あわせて、当社グループは新たな収益機会の創出に向けて、ニュートリション事業分野における通販チャネルを通じた機能性食品事業の規模の拡大、および利益の創出に取り組んでおります。

 

(4)市場規模の縮小等について

現在、当社グループの商品の大部分は日本国内向けに販売しておりますが、日本においては少子高齢化の進展により人口減少傾向にあり、当社グループが対象とする市場が縮小してきております。また、畜産市場においても飼養頭数が変動しており、こうした市場の縮小等が今後も続いた場合に、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、機能を訴求する商品や高付加価値商品の開発強化、販売拡大により、国内事業の収益基盤の強化・確立を目指しております。また、海外の生産拠点の活用によりチーズの販売物量を拡大し、ボーダレス展開を加速することで、海外事業の強化を図っております。

 

(5)食品の安全性について

① 食品業界においては、食品の安全性や品質管理が強く求められております。仮に品質問題が生じた場合には自主的あるいは食品衛生法等の法令に基づく商品の回収や工場の操業停止、製造物責任法に基づく責務の負担等により当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。さらにこれらの事態の発生は、当社グループの社会的信用にも悪影響を与える可能性があります。

② 当社グループ固有の品質問題のみならず、国内外において、健康に影響を及ぼす物質の混入、家畜伝染病等の乳食品に関する品質問題や健康問題などが発生した場合、さらには問題発生の有無にかかわらずこれらに関する風評が拡大した場合には、当社グループの売上に影響を及ぼし、この結果として業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、品質管理に関して世界標準の品質管理手法であるISO9001およびHACCP(Hazard

Analysisand Critical Control Point)の考え方を取り入れ、独自の品質保証システム「MSQS(MEGMILK SNOWBRAND Quality Assurance System)」を構築しており、徹底した品質管理を行なっております。

 

(6)法規制について

① 乳製品、飲料・デザート類は、食品衛生法の他、乳および乳製品の成分規格等に関する省令により成分規格や製造方法、表示方法等について規制を受けております。飼料・種苗は飼料安全法、種苗法、農薬取締法、家畜伝染病予防法等の法規制を受けております。仮に製造工程等においてトラブル等が発生し、結果として規制に抵触することとなった場合には、製品の廃棄・回収コストの発生や社会的な信用力の低下により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 法令の改正がなされた場合には、これまでの成分規格や製造方法等が認められなくなったり、新しい成分規格や製造方法等に対応するためのコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、「雪印メグミルクグループ企業行動憲章」のもと、「グループCSR方針」等のグループ方針に基づき、各社行動基準、関連諸規定を定め、法令を遵守し、製造工程管理や品質管理、適正表示等に努めております。

 

(7)大規模な地震・火災等の発生および伝染病について

① 当社グループの生産事業拠点が大規模な地震や火災の発生等により長期間操業停止した場合、または生産事業拠点の従業員が伝染病に感染するなどして製品供給が長期間停止した場合は、生産・供給体制に影響を与え、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 乳製品、飲料・デザート類の原料となる生乳は酪農生産者から工場に受け入れる段階で検査および殺菌等の処理を実施しておりますが、工場で生乳を受け入れた後に生乳を搾った牛が法令に定められた家畜伝染病に感染していたことが判明した場合には、法令等の定めに従い当該生乳または当該生乳を原材料とする製品の廃棄を行ないます。廃棄される原材料または製品の量が多くなる場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 家畜伝染病が発生した場合、国内の乳製品、飲料・デザート類の消費の減少や、飼育頭数の減少に伴う飼料需要の減退等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧に向けた対策として事業継続計画(BCP)を策定

し、不測の事態に備えております。

また、仮に家畜伝染病等が流行した場合は、迅速な情報収集を行ない、法令や「MSQS(MEGMILK SNOWBRAND

Quality Assurance System)」等に則り、適切な対応を行ないます。

 

(8)為替レートの変動について

当社グループは、一部の原材料および商品を海外から調達していることから、為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円安は当社グループに悪影響を及ぼし、円高は当社グループに好影響をもたらします。

当社グループは、為替予約や外貨決済により、為替レートの変動の影響を低減するように努めております。

 

(9)個人情報保護について

予期せぬ事態により個人情報の流出などが発生した場合には、社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、グループ各社が保有する個人情報の保護・管理について、「個人情報保護方針」および関連諸規定を定めるとともに、従業員教育などを通じ、厳正な管理に努めております。

 

(10)情報システムについて

当社グループでは、原材料の発注、製品の製造、商品の受注、経理処理等、事業全般にわたり情報システムを活用しております。停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予想の範囲を超えた出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、事業の停滞や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、情報システムを適切に運営するため、「情報セキュリティ基本方針」および関連諸規定を定め、従業員教育を行なっております。その上で適切なセキュリティ対策を実施しております。

 

(11)知的財産について

当社グループは、研究開発を始めその事業活動において、当社グループが所有している、または第三者により適法に使用許諾を受けている種々の知的財産を活用しております。知的財産権に関する訴訟等が提訴された場合、その結果によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、関連諸規定を定めるとともに、専門部署によるチェックを行ない、第三者の権利を侵害することのないよう、事業活動を行なっております。

 

(12)天候について

飲料・デザート類は、天候の影響を受ける可能性があります。特に、天候不順や、夏場の気温が低く推移した場合には、売上高が減少し、当社グループの飲料・デザート類の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、需要の変動に対して、最適なプロダクトミックスとなるよう生産体制を見直す等、適切な対応を行なっています。

 

(13)資金調達について

当社グループは、金融機関からの借り入れ、社債発行による資金調達を行なっておりますが、金融市場環境に変化があった場合に、資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、現預金残高に加え、金融機関とコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結するなど、十分な資金の流動性を確保しております。

 

(14)その他のリスク

上記以外にも事業活動を行なううえで、経済情勢の変化に伴うリスクやコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による消費低迷など経済への影響が長期化することが懸念されております。当該リスクが顕在化した場合には、経済活動が停滞し景気が悪化することで、販売低迷の長期化や原材料価格を含む様々なコストの上昇などが生じ、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、お客様へ安全で安心して頂ける商品の安定供給に努めております。顧客、取引先及び社員の安全を最優先に考え、感染防止に向けて衛生管理を徹底するとともに、時差出勤や在宅勤務の拡大などによる円滑な事業の運営に努めております。また、感染拡大の防止に向けて、感染リスクが高い国や地域への渡航の原則禁止、工場や酪農と乳の歴史館の見学の中止等の対応を実施しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、2021年3月末では、子会社32社および関連会社14社となっております。

①財政状態及び経営成績の状況

〈連結経営成績〉

 

2020年3月期

2021年3月期

増減率(%)

売上高   (百万円)

613,405

615,186

0.3

営業利益  (百万円)

17,998

19,780

9.9

経常利益  (百万円)

19,680

21,662

10.1

税金等調整前当期純利益     (百万円)

16,885

21,156

25.3

親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円)

12,165

14,913

22.6

1株当たり当期純利益        (円)

179.71

220.64

22.8

 

〈セグメント別概況〉

 

売上高

営業利益又は営業損失

2020年3月期

(百万円)

2021年3月期

(百万円)

増減率

(%)

2020年3月期

(百万円)

2021年3月期

(百万円)

増減率

(%)

乳製品

249,098

262,337

5.3

11,557

13,675

18.3

飲料・デザート類

283,923

274,487

△3.3

5,229

4,143

△20.8

飼料・種苗

43,703

43,349

△0.8

1,036

1,123

8.4

その他 (注)1

36,680

35,012

△4.5

170

1,056

519.6

合計

613,405

615,186

0.3

17,994

19,999

11.1

調整額

4

△218

全社連結合計

613,405

615,186

0.3

17,998

19,780

9.9

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、共同配送センター事業および不動産賃貸事業等が含まれております。

 

当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。

〈資産の部〉

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して28,216百万円の増加となりました。

これは主に、建物及び構築物や機械装置及び運搬具、投資有価証券が増加したことなどによります。

〈負債の部〉

当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して8,055百万円の増加となりました。

これは主に、未払金が減少した一方で、資金調達を行ったことによる借入金が増加したことなどによります。

〈純資産の部〉

当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末と比較して20,160百万円の増加となりました。

これは主に、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことなどによります。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、21,829百万円となりました。

当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

           (単位:百万円)

  区分

前連結会計年度

(2019.4.1~2020.3.31)

当連結会計年度

(2020.4.1~2021.3.31)

増減

  営業活動によるキャッシュ・フロー

24,322

26,567

2,245

  投資活動によるキャッシュ・フロー

△16,629

△27,076

△10,447

  財務活動によるキャッシュ・フロー

△6,651

6,771

13,422

  現金及び現金同等物に係る換算差額

9

42

32

  現金及び現金同等物の増加額(△は減少額)

1,052

6,305

5,252

  現金及び現金同等物の期首残高

14,303

15,524

1,220

  新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額

168

-

△168

  現金及び現金同等物の期末残高

15,524

21,829

6,305

 

〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉

営業活動によるキャッシュ・フローは、26,567百万円の収入(前連結会計年度は24,322百万円の収入)となりました。

前連結会計年度との比較では、主に売上債権の増減額や法人税等の支払額が増加したものの、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増減額が増加したことなどにより、2,245百万円の収入増となりました。

 

〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉

投資活動によるキャッシュ・フローは、27,076百万円の支出(前連結会計年度は16,629百万円の支出)となりました。

前連結会計年度との比較では、主に有形及び無形固定資産の売却による収入が増加したものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、10,447百万円の支出増となりました。

 

〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉

財務活動によるキャッシュ・フローは、6,771百万円の収入(前連結会計年度は6,651百万円の支出)となりました。

前連結会計年度との比較では、主に長期借入れによる収入の増加や長期借入金の返済による支出の減少などにより、13,422百万円の収入増となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

ア.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

 

前年同期比(%)

 

乳製品

175,123

101.8

飲料・デザート類

199,231

95.7

飼料・種苗

31,535

94.1

              合計

405,889

98.1

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

イ.受注実績

当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。

 

ウ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

 

前年同期比(%)

 

乳製品

262,337

105.3

飲料・デザート類

274,487

96.7

飼料・種苗

43,349

99.2

    報告セグメント計

580,174

100.6

その他

35,012

95.5

            合計

615,186

100.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績

に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2019年4月1日

    至  2020年3月31日)

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

    至  2021年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

140,801

23.0

149,558

24.3

㈱日本アクセス

136,195

22.2

136,141

22.1

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2  事業等のリスク」に記載のとおりです。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度のわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、業種により差はあるものの、総じて厳しい環境下で推移しました。一時は持ち直しの動きがみられたものの、直近では感染再拡大の動きが強まっており、先行きは不透明な状況が続いております。

食品業界においては、緊急事態宣言による外出自粛要請や飲食店の短縮営業が実施されたことにより、内食需要が増加した一方、外食需要が大きく落ち込みました。国の経済対策により、外食産業の業績も一時は回復の動きがみられましたが、再び先行きが見通せない状況となっております。

このような環境下、当社グループは「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「4つの事業分野(乳製品事業分野、市乳事業分野、ニュートリション事業分野、飼料・種苗事業分野)における収益基盤の確立」に向けた取り組みを進めました。

この中では、機能性を軸としたヨーグルトおよびチーズなどの主力商品の戦略的拡大とプロダクトミックスの更なる改善、ニュートリション事業分野におけるマーケティング投資の継続による規模拡大と収益獲得の両立、種苗事業における戦略的拡大と収益基盤の整備、ならびにグループ経営資源の活用拡大やバリューチェーンの生産性向上によるグループ総合力の強化等に努めました。

 

当社グループの連結売上高は、乳製品セグメントの増収等により、615,186百万円(前年同期比0.3%増)となりました。営業利益については、飲料・デザート類セグメントにおける販売物量減少による利益減の影響等があったものの、乳製品セグメントにおける販売物量増や飲料・デザート類セグメントにおける宣伝促進費の効率的な運用に取り組んだ効果、その他セグメントにおいて前年度に子会社で発生した火災に起因する費用が当年度は発生していないこと等により19,780百万円(前年同期比9.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の計上額が前年度から増加したものの、固定資産売却益の計上額が前年度から大きく増加したこと、前年度に子会社の火災に起因して計上した火災損失計上額が減少したことなどから14,913百万円(前年同期比22.6%増)となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、セグメントごとの売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。

〈乳製品〉

当セグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂、ニュートリション事業(機能性食品、粉ミルク等)等の製造・販売が含まれております。

売上高は262,337百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は13,675百万円(前年同期比18.3%増)となりました。

売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大により、内食需要の高まりが家庭用に追い風となる一方、業務用は、外食需要の落ち込みにより逆風となるなど、販売チャネルによって異なる影響を受けました。

このような中、バターは安定供給に引き続き努めたことから前年並みに推移しました。

油脂は積極的なプロモーション活動を展開したものの、前年度2月末頃より始まった内食需要の急激な増加が今年度は落ち着いたため減収となりました。チーズは家庭内でのおつまみ需要の増加や、さけるチーズなどのナチュラルチーズが好調に推移したことなどから微増収となりました。新商品は、多様化する嗜好や健康意識の高まりに応えるために、「4種のチーズスライス」や「あじわい減塩チーズ カルシウム入り」などを発売しました。

機能性食品はコロナ禍で好調なECビジネスにおいて、マーケティング投資を継続したことにより伸長しました。新商品は、内臓脂肪が気になる方に向けた「ガセリ菌SP株カプセル」や記憶力の低下が気になる方に向けた「Wのひらめき」などを発売しました。

これらの結果、当セグメント全体では増収となりました。

営業利益は、家庭用商品における販売物量の増加、固定経費の減少などから増益となりました。

〈飲料・デザート類〉

当セグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。

売上高は274,487百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は4,143百万円(前年同期比20.8%減)となりました。

売上高は、飲料は、新型コロナウイルス感染症の影響により、内食需要は堅調に推移したものの、外出機会減少に伴いコンビニエンスストア等での販売が減少したことにより、白物飲料、色物飲料ともに減収となりました。新商品では飲料タイプとしては、日本初の「骨密度を高める」機能性表示食品となる「MBPドリンク」を発売しました。骨の健康に寄与することで健康寿命の延伸に貢献できると考えております。

ヨーグルトは、販売に注力している保健機能商品として内臓脂肪を減らす乳酸菌「ガセリ菌SP株」と目や鼻の不快感を緩和する乳酸菌「乳酸菌ヘルベ」について、それぞれの価値訴求強化に向けたプロモーション活動を展開し拡大を図りましたが、市場における機能性表示商品のバリエーション化などにより減収となりました。新商品は「毎日骨太MBP® ヨーグルト」を発売しました。1個(100g)で1日分の1/2のカルシウムとビタミンD、MBP®を20㎎摂ることができ、ミルクのおいしさにこだわった商品となっております。

デザートは新商品の発売等、商品力の強化に取り組み、内食需要の高まりもあり好調に推移しました。新商品はひとつのカップで多彩な味わいが楽しめる「Parfait Style ラム酒香るチョコバナナ」「Parfait Style いちご&バニラ」などを発売しました。改良品としては2005年の発売以来、多くのお客様にご愛顧いただいている「栗原さんちのおすそわけ」シリーズを2021年3月にリニューアル発売しております。

これらの結果、当セグメント全体では減収となりました。

営業利益は、宣伝促進費の効率的な運用に取り組んだ効果はあったものの、新型コロナウイルス感染症による消費動向の変化の影響などを受け販売物量が減少したこと、オペレーションコストが増加したことなどから減益となりました。

〈飼料・種苗〉

当セグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売、造園事業が含まれております。

売上高は43,349百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は1,123百万円(前年同期比8.4%増)となりました。

売上高は、牧草・飼料作物種子および飼料の販売物量減少や造園事業の減少などにより当セグメント全体で減収となった一方で、営業利益は、固定経費などの減少により増益となりました。

新商品は、長期収穫に向く、つる性丸さやインゲンの「ゴールデンランナー」や着果が安定して果揃い良好なミニカボチャ「栗てまり」、大さやで高温期にも着さやが優れる青豆品種のエダマメ「青祭」などを発売しました。

〈その他〉

当セグメントには、共同配送センター事業、不動産賃貸事業等が含まれております。

売上高は35,012百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は1,056百万円(前年同期比519.6%増)となりました。

営業利益は、前年度に子会社である株式会社エスアイシステムで発生した商品倉庫の火災に起因する費用が、当年度は発生していないことにより大幅な増益となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

「グループ長期ビジョン 2026」におけるキャッシュ・フロー配分方針は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) グループ長期ビジョン 2026 ⑤キャッシュ・フロー配分方針」に記載しております。

キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。

キャッシュ・フロー関連指標の推移

決算年月

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

自己資本比率(%)

46.3

47.3

49.0

時価ベースの自己資本比率(%)

50.7

44.9

38.1

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率(年)

3.3

2.9

3.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

49.3

62.6

67.5

※自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。

 

〈資金需要の動向〉

当社グループの主な資金需要は、「グループ中期経営計画 2022」の達成に向け、取組みの柱として掲げた「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」、および「生産体制進化の本格始動」に必要な投資であります。

なお、2022年3月期のキャッシュ・フローに関しては、長期借入金の返済に関わる支出が増加する見込みでありますが、営業キャッシュ・フローおよび新規調達による資金で充当する予定です。

 

〈資金調達の方法〉

当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については金融機関からの借入、社債の発行等により資金調達をしております。外部からの資金調達につきましては、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。

なお、現預金残高に加え、金融機関と合計200億円のコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結し、十分な資金の流動性を確保しております。

また、グループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、グループファイナンス制度を導入しております。

 

③目標とする経営指標の達成状況等

当社グループは2017年5月に、「グループ長期ビジョン 2026」、2020年5月に「グループ中期経営計画 2022」を策定いたしました。

「グループ長期ビジョン 2026」では最終年度となる2027年3月期のゴールイメージを、連結売上高は7,000~8,000億円、連結営業利益は300~400億円としております。また「グループ中期経営計画 2022」では、最終年度である2023年3月期の目標経営指標を連結売上高6,400億円、連結営業利益220億円、連結EBITDA410億円としております。

(※連結売上高は「収益認識に関する会計基準」適用前の数値目標となっております。)

「グループ中期経営計画 2022」の1年目となる、当連結会計年度における連結売上高は前年同期比0.3%増の6,151億円、連結営業利益は前年同期比9.9%増の197億円、連結EBITDAは前年同期比0.5%増の356億円となりました。

「グループ中期経営計画 2022」の2年目となる2022年3月期(予想)は、連結売上高は5,700億円、連結営業利益は前年同期比3.6%増の205億円、連結EBITDAは前年同期比4.8%増の378億円としております。

なお、2022年3月期の売上高は「収益認識に関する会計基準」を適用し当該基準に基づいた予想となっております。このため、当該基準適用前の2021年3月期の実績値に対する増減率は記載しておりません。

当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、高付加価値商品や主力商品の売上拡大、および生産体制整備や事業構造改革の推進によるグループ収益力の強化、生産性改革の推進によるグループ・バリューチェーンの生産性向上などに取り組むことで2022年3月期(予想)の連結売上高、連結営業利益の達成を目指します。

 

0102010_004.png

④新型コロナウイルス感染症への対応

当社グループでは、お客様へ安全で安心して頂ける商品の安定供給に努めました。また、学校給食の休止や外食需要の減退により牛乳乳製品の需要が大幅に減少する局面では、生乳廃棄回避に向けバター、脱脂粉乳の増産等生乳処理に取り組み、需給調整の機能を果たしました。

運営面では顧客、取引先及び社員の安全を最優先に考え、感染防止に向けて衛生管理を徹底するとともに、時差出勤や在宅勤務の拡大などによる円滑な事業の運営に努めております。また、感染拡大の防止に向けて、感染リスクが高い国や地域への渡航の原則禁止、工場や酪農と乳の歴史館の見学の中止等の対応を実施しております。

⑤重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。

重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている研究開発課題や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。

原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内外の乳・乳製品需給が変動する中、環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心とした「おいしさ」と「健康機能」の追及と、「環境配慮」を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は4,255百万円です。

各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。

〈乳製品〉

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,834百万円です。

●当社

減塩チーズの市場規模は約3倍の潜在規模があると予測されています。そこで、チーズカテゴリーでは、減塩による保存性低下を補うためにイージースマートパックを採用した、塩分35%カット(プロセスチーズ比「日本食品標準成分表2015」)の「あじわい減塩チーズ」の発売を行いました。減塩商品でありながら、ゴーダチーズをベース配合にすることで、しっかりしたチーズのあじわいを感じさせる風味に仕立てました。また、風味に特長のある4種類のチーズ(ゴーダ、モッツァレラ、カマン、チェダー)を配合した「4種のスライスチーズ」の発売を行いました。そのまま食べると、チーズの風味がしっかりと感じられ、加熱すると、「とろ~り」とろけた食感を堪能できる設計と致しました。さらに、骨に特化したコンセプトが高い満足度を生んでいる「毎日骨太」シリーズとして、「毎日骨太2個で1日分のカルシウムチーズケーキヨーグルト味」を発売しました。加えて、「プルーンFe」シリーズとして、「プルーンFe2個で1日分の鉄分」を発売致しました。チーズケーキデザートチーズ市場に「栄養」訴求の新たな価値を提供致します。

油脂カテゴリーでは、「ネオソフト」の改良を行いました。「ネオソフト」ならではの価値を訴求するために、「クリーミー」な味わいを強化致しました。改良にあたり、食パンの研究成果を活用し、パンに合う風味へと仕立てました。また、ミルキーシリーズの第4弾として、「ミルキーホワイトチョコ味」を発売致しました。「ミルキー」の原料である練乳とホワイトチョコは相性が良く、良好な風味を実現しました。

今後も様々な食シーンの提案と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。

 

乳製品事業における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究を行い、おいしさを構成する技術と、当社独自の乳製品の健康機能の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用致しました。

主な研究成果は以下の通りです。

・クリームチーズを原料としてプロセスチーズに加工する際の製造工程が風味に対してどのような影響を与えるのかを調べた。その結果、製造時の加熱温度が高いと、チーズの構造が強固になり、食べた時にチーズの香りが広がりにくくなることが示唆された。また加熱臭が多く生成されて感じやすくなるため、「ヨーグルトのような香り」「酸っぱい香り」の風味は弱く感じられることが推察された。

・バターなどの油脂食品中の香気成分の分析では、蒸留法やSPMEを用いたヘッドスペース香気分析がよく使用されるが、減圧操作により香気成分が失われやすい。そこで、分析法を検討した結果、溶媒抽出とカラムによる分画を併用することで、効果的にバター香気の抽出が可能であることを確認した。また、香気抽出物から64種類の化合物を同定し、23種類の化合物がバター香気の強度に寄与することが示された。

・ホエイ粉の製造時の噴霧乾燥工程における回収率と品質の向上に向けて、噴霧乾燥機内部へのホエイ粉の付着現象を解明するために検討した。その結果、噴霧乾燥におけるCFDシミュレーション技術を確立して噴霧乾燥機内における乳製品粒子の動きの予測精度が向上した。また、ホエイ粉の内壁への付着は、ガラス転移温度の低い粒子の影響であることが明らかとなった。

これらの研究成果は論文としてInternational Dairy Journal、日本食品化学工学会誌に掲載いたしました。

 

 

●雪印ビーンスターク㈱

「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などの調査研究を実施しています。これらの調査研究をもとに、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん向け商品、お母さんのための母親向け商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い商品の開発を行っています。

今年度は、乳児用調製液状乳「ビーンスターク・液体ミルク すこやかM1」を乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」と同じ開発思想を基に、「オステオポンチン」「DHA」等の成分を配合し、2020年4月下旬に発売しました。

授乳中の女性向け商品「ビーンスタークマム カルシウム+鉄」を2020年9月よりリニューアル発売しました。日焼けを避ける女性が増え、コロナ禍において外出機会が減少する中、授乳期のビタミンD不足に対応するため、通常の食事に加えて本品の1日の摂取目安量(6㎍)を摂取することで、日本人の食事摂取基準(2020年版)の目安量を満たせるようにビタミンDの増量をいたしました。

1才半頃からの口中清涼菓子「ビーンスターク ハキラ」につきましては「オレンジ」の風味改良を行い、2020年9月よりリニューアル発売しました。新フレーバーとして「ラムネ」「ブドウ」「イチゴ」の3品を2021年3月に発売しました。また、「アソート」タイプについては、「ラムネ」「イチゴ」「ブルーベリー」の3つの味に変更し、リニューアル発売しました。

中高年向けに「Wのひらめき」「DHA&EPA」の2品を2021年1月より「雪印メグミルクダイレクト」(通信販売限定)にて発売しました。「Wのひらめき」は60年以上にわたる母乳研究を大人の健康にも活かしたいと考え、母乳中のリン脂質のひとつであるホスファチジルセリンに着目し開発しました。本商品はPS(大豆由来ホスファチジルセリン)とイチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンが含まれ、判断の正確さを向上、記憶の維持をサポートする機能性表示食品です。

研究開発では、雪印メグミルク㈱と当社による第3回全国母乳調査を継続して実施しています。今年度は、免疫機能に関連するオステオポンチン(OPN)について2018年に引き続き報告を行っています。すなわち、1989年調査の日本人初乳では、2013年調査した日本人初乳に比較してOPN濃度が高いことを見出しました。小児アレルギーとの関連についてはさらに検討が必要ですが、近年の日本人初乳ではOPNが減少していることを示したものになります。本内容は、EAACI(欧州アレルギー臨床免疫学会)にて報告を行いました。また、感染防御に関連する成分として重要なシアル酸やオリゴ糖について日本人母乳中の含量について分析し、総シアル酸含量は泌乳期の経過に伴い減少することを示しました。本内容は、日本農芸化学会大会にて報告を行いました。引き続き、母乳の免疫機能や感染防御に関しては研究を進めることとしています。一方、日本人母乳の脂肪酸組成について、特にドコサヘキサエン酸(DHA)の母乳中濃度について米国栄養学会の雑誌Current Developments in Nutritionに掲載されました。母乳中のDHA濃度とお母さんの食事調査結果とあわせて解析したところ、母乳中のDHA濃度は、DHAサプリメントの摂取や焼き魚摂取量に相関があることがわかりました。今後も、日本人の母乳成分と対応する母子の背景情報との関連性を調べてまいります。

 

〈飲料・デザート類〉

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,487百万円です。

●当社

牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、2020年春には「毎日骨太MBP®」(900ml、500ml)、「毎日骨太MBP®1日分のカルシウム」(LL200ml)および「アカディおなかにやさしく」(900ml、500ml、180ml)を、「おいしさと栄養を両立させた新しいカテゴリー」へのリポジショニングを目指す商品として発売。特に大容量タイプ(900ml)においては、いずれも「ピュアパックセンスウェーブ」という口栓付新容器を日本初採用いたしました。

同じく白物乳飲料において、「特濃」(900ml、500ml)、「すっきりCa鉄」(1000ml、500ml)については、秋にリニューアル発売を実施。「特濃」は大容量タイプ(900ml)を口栓付容器に変更し、「すっきりCa鉄」については、安定供給と収益性の確保を両立するために価格改定を実施いたしました。

更に2021年3月23日、満を持して「MBPドリンク100ml」を発売しました。長年の研究の成果である当社独自の乳素材「MBP」を使用した、飲料タイプとして初の「骨密度を高める」機能性表示食品となります。

 

0102010_005.jpg

 

色物乳飲料においては、春に「BOTTLATTE」シリーズ(400ml)を大きく刷新し、新たに「Bottlatte&Go」(300ml)として発売いたしました。容器を手で持ちやすいスリム容器「TTミディ」に変更し、更に簡単開封できる内フタの無いキャップを採用。利便性・携帯性を大きく向上させました。秋には「タンパク質市場の広がり」へ対応する商品として、「PROTEIN10シリーズ」(LL200g)を発売。他社にはない「カップ」タイプで、「おいしく、さらにスタイリッシュにタンパク質を摂りたい」というニーズに応える商品として発売いたしました。

ヨーグルトカテゴリーでは、2020年1月に「目や鼻の不快感を緩和する」機能性表示食品として「乳酸菌ヘルベ ドリンクタイプ」(100ml)を発売し、年間商材としての定着を目指しました。「恵 megumi」ブランドについては、シリーズ全体のパッケージ変更を実施。視認性を高めたデザインを採用いたしました。機能性表示食品の「恵 ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズについては、商品のキャッチコピーを短くし、保健機能である「内臓脂肪を減らす」を、見えやすく表示しました。

デザートカテゴリーでは、チルドΦ71デザートの強化を図るべく、トールカップは全品一新を図りました。「CHEESE MEETS SWEETS」シリーズについては、当社が得意とする「チーズ」を、独自の積層技術を活用し、多層で楽しめるデザートとして2品(濃厚チーズプリン、すっきりレアチーズ)発売しました。「アジア茶房トール」については、アジアンスイーツを2層で楽しむというコンセプトのもと、2品(杏仁マンゴー、黒ごま白ごまプリン)発売しました。

また2021年3月には、この積層技術でパフェの味わいを再現した新たなデザート「Parfait Style」シリーズ(ラム酒香るチョコバナナ、いちご&バニラ)を発売しました。

 

飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用致しました。また、環境に配慮した容器包装についても研究を続けております。

主な研究は以下の通りです。

・液体の注ぎやすさを評価するため、高速カメラとフォースプレートで記録し、さまざまな粘度の液体を注ぐ感覚を評価した。粘度の増加とともに注ぎやすさのスコアが減少した。注ぎ込みの3段階、すなわち液体が勢いよく流れ出る流動状態(I)、液体が流れ出て伸びる糸掛け状態(II)、液体が液滴として流れ落ちる垂れ状態(III)が観察された。粘度が増加するにつれ、状態IIの期間は延長した。これらの発見は、特徴的な容器や飲料の開発に役立つことが期待される。

・睡眠の特性や睡眠に関わる遺伝子はヒトとショウジョウバエの間でよく保存されている。そこで、モデル動物であるキイロショウジョウバエを用い、Lactobacillus属乳酸菌SBT2227株(SBT2227)による、ハエの睡眠への影響を調べた。その結果、SBT2227の経口投与により、夜間開始時の睡眠量の有意な増加と、睡眠潜時の有意な短縮が認められた。さらに、睡眠促進効果は加熱殺菌処理をしたSBT2227でも消失せず、SBT2227の有効成分は熱安定性を有する物質であることが示唆された。

・プラスチック製の大容量ヨーグルト用輸送容器(クレート)について、環境負荷低減を目的に形状の適正化を試みた。その結果、運用上支障のない強度を維持した上で、約14%軽量化し、プラスチック使用量として約95tを削減した。また、積載効率が10%以上向上した。さらに、通気性の向上により、ヨーグルト製造時の冷却時間を最大約60分短縮し、製造時の使用電力を削減した。

 

これらの研究成果は、論文としてTechnologiesに掲載され、日本分子生物学会、日本包装学会の各学会で発表しました。

 

〈飼料・種苗〉

当連結会計年度の研究開発費の総額は933百万円です。

●雪印種苗㈱

飼料分野では、機能成分シリマリンを含有する周産期用サプリメントの商品特徴について営業部門との社内情報共有を行い、商品採択・発売に向けて市場導入方法の協議を進めています。

代用乳に関しては近年、酪農現場で普及が進んできている個別管理哺乳ロボット(カーフレール)に対応する代用乳を設計・試作し、当社北海道研究農場および外部牧場で給餌試験を実施しています。

サイレージ給与試験としてはアントシアン高含有飼料用トウモロコシサイレージ試験を実施しました。比較対象区に比較して発酵品質の向上が認められましたが、産乳性には差が認められませんでした。

牧草・飼料作物種子分野では、北海道優良品種審議会において、当社で商品化検討を進めている飼料用トウモロコシの熟期80タイプ「LG31207」、90日タイプ「SH1481」、95日タイプ「SHY4041」、105日タイプ「SH15445」、およびペレニアルライグラス「KSP1403」(道総研と共同開発)が正式に認定を受けました。

畑作・園芸種苗分野では、インゲン「BN137」(導入品種)が鹿児島県の現地試験においてジベレリン処理の有無にかかわらず高い評価を得ました。

ダイコン開発については「RA425」が外部特性試験において比較対象品種と遜色なく、新製品として有望と判断し、実用化へ向けた開発を進めています。

緑肥開発では、パールミレット「ネマレット」(ADR300)がソルガム類連作障害発生圃場においても栽培可能、かつキタネグサレセンチュウ抑制能も持つことを明らかにし、商品採択を行いました。他社に先んじた発売と普及を目指します。ペルシアンクローバ「まめ小町」(CP1402)が水田跡地などでの湿害に強く、ダイズシストセンチュウ抑制能が高いことを明らかにし、商品採択を行いました。

多芽性ユリに関しては、増殖用鱗片のウイルス感染が陰性であることを確認し、昨年に引き続いて新潟県花卉球根農業組合での委託増殖と併行して、帯広市でも増殖試験を実施することとしました。

生理活性物質関係では、発根促進用液肥「闘根242」の低コスト商品について、当面は現行商品と同一規格として継続販売し、その後、価格低減効果を活用したマーケティング戦略を策定・実行する販売方針を決定しました。また、発売から30年以上経過している「スノーグローエース」の低コスト試作品を調製し、肥料製造委託先であるダン化学㈱による肥料登録申請を進めました。

環境緑化分野では、千葉県と共同開発したベントグラス「CY-4」(CY-2後継品種)のOECD登録が完了し、2021年度版にリストアップされました。

 

当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。