(1)業績
(当連結会計年度の概況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、前半は熊本地震の影響や英国のEU離脱決定に伴う急激な円高により停滞傾向にありましたが、11月上旬に行われた米国大統領選挙におけるトランプ氏の当選に端を発したドル高円安、株高により、景気後退のリスクは緩和されました。足元は、企業収益、雇用情勢、設備投資等の改善により、緩やかな回復基調が継続していますが、米国をはじめとした保護主義の台頭や地政学リスクもあり、先行きはなお不透明な状況にあります。
当社グループが属しておりますエレクトロニクス業界におきましては、その牽引役をスマートフォンに依存する傾向が続いていますが、その成長性は鈍化しています。その一方で、自動車の電子化・自動化やIoT(モノのインターネット化)の進展により、新たな市場の拡大が期待されます。
このような状況の下、当社グループは、ソニー製の半導体・電子部品事業を軸とし、自社工場におけるEMS(電子機器受託製造サービス)等の高付加価値事業の拡大、取扱い製品の拡張、新規事業の創出に引き続き注力してまいりましたが、売上高は円高に加え、熊本地震の影響もあり減少しました。また、連結子会社であるUKC ELECTRONICS(H.K.)CO.,LTD.(以下、UKC香港という)及びUKC ELECTRONICS(S)PTE,LTD.(以下、UKCシンガポールという)における貸倒引当金計上等により、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、2,737億52百万円(前年同期比1.1%減)、営業損失は66億3百万円(前年同期は28億97百万円の損失)、経常損失は73億85百万円(前年同期は39億37百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は86億88百万円(前年同期は62億27百万円の損失)となりました。
セグメント別の業績は次の通りであります。
・半導体及び電子部品事業
半導体及び電子部品事業におきましては、下期は海外スマートフォン向け等の売上が好調に推移したものの、上期から11月上旬まで続いた円高の影響や4月の熊本地震に伴う一部製品の販売機会損失により、減収となりました。また、UKC香港及びUKCシンガポールにおける貸倒引当金計上等により、セグメント損失を計上しました。
以上の結果、売上高は2,555億67百万円(前年同期比1.1%減)、セグメント損失は68億80百万円(前年同期は30億9百万円の損失)となりました。
・電子機器事業
電子機器事業におきましては、第4四半期の業績は前年同期を上回ったものの、通期売上高は微減となりました。セグメント利益は、利益率の向上により増益となりました。
以上の結果、売上高は169億88百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益は2億50百万円(前年同期比39.2%増)となりました。
・システム機器事業
非接触ICカード関連事業におきましては、売上高は前年同期比微減となりましたが、電子マネーや出入管理関連ビジネスの商談は引き続き活況に推移しております。その一方で、半導体及び電子部品の信頼性試験・環境物質分析サービス事業におきましては、車載向け等受注増により、増収となりました。セグメント利益は、利益率の向上により増益となりました。
以上の結果、売上高は28億91百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益は2億4百万円(前年同期比48.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、81億40百万円(前年同期は68億89百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失(71億54百万円)、売上債権の増加(153億25百万円)、たな卸資産の増加(20億25百万円)、前渡金の増加(47億96百万円)、仕入債務の増加(104億20百万円)、貸倒引当金の増加(117億28百万円)及び法人税等の支払額(14億2百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、10億70百万円(前年同期は3億68百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(12億90百万円)、及び投資有価証券の売却による収入(3億14百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、62億93百万円(前年同期は34億10百万円の獲得)となりました。これは主に、運転資金のための短期借入金の純増加(98億18百万円)、長期借入金の返済による支出(26億55百万円)及び配当金の支払額(8億63百万円)によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体及び電子部品事業(百万円) |
23,005 |
78.4 |
|
電子機器事業(百万円) |
4,975 |
102.5 |
|
システム機器事業(百万円) |
1,544 |
97.2 |
|
合計(百万円) |
29,526 |
82.5 |
(注)1.金額は製造原価により表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体及び電子部品事業(百万円) |
219,950 |
103.7 |
|
電子機器事業(百万円) |
9,265 |
95.2 |
|
システム機器事業(百万円) |
713 |
88.8 |
|
合計(百万円) |
229,929 |
103.2 |
(注)1.金額は仕入価格により表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体及び電子部品事業(百万円) |
23,723 |
82.1 |
2,092 |
88.3 |
|
電子機器事業(百万円) |
7,808 |
112.3 |
1,349 |
238.5 |
|
システム機器事業(百万円) |
2,622 |
101.5 |
578 |
93.5 |
|
合計(百万円) |
34,154 |
88.8 |
4,020 |
113.1 |
(注)1.金額は販売価格により表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体及び電子部品事業(百万円) |
255,467 |
98.9 |
|
電子機器事業(百万円) |
15,621 |
98.7 |
|
システム機器事業(百万円) |
2,663 |
103.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
273,752 |
98.9 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれも総販売実績の10% 未満であるため、記載を省略しております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念のキーワードである「United Knowledge Company」として、経営統合により拡大・拡充した事業基盤、経営資源等のハード、及び知識、経験、能力等のソフトを最大活用することにより、エレクトロニクスの分野で、当社グループの経営ビジョンである「最高品質のサービスを最適コストで提供する」、「顧客とともに進化・成長する」、「新しい市場、新しい価値を創造する」を実現し、持続的な発展・成長、企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、売上高営業(経常)利益率、ROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけており、生産性、資本効率性を伴った利益率の向上を通じ、持続的な成長、企業価値の拡大を図ります。中期的(3~5年以内)には、売上高営業利益率3%、ROE10%以上を目指してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループが属しておりますエレクトロニクス業界は、自動車等と並びグローバル化が最も進んでいる業界の一つです。テクノロジーが日進月歩で進化していく中、マーケットの遷移、メーカーの盛衰等が地球規模で起こっています。近年は特にこれまで市場を牽引してきた先進国市場の成熟化、停滞の一方で、中国やインドに代表される新興国の消費市場の拡大と製造業の興隆が顕著になってきています。経済構造改革に伴う新興国の一時的停滞は予見されるものの、この傾向は不可逆的に今後も継続していくものと考えます。
このような事業環境下、当社グループとしましては、主軸の映像関連事業に加えて、成長領域に事業を拡張させることで、継続的に企業価値の向上を図っていくことを中長期的な基本戦略としております。
(4) 会社の対処すべき課題
中長期的な基本戦略を踏まえ、当社グループが対処すべき主要課題は以下のとおりです。
① 商材の拡張
当社の強みである映像関連の事業基盤をより強化、拡大することに資する商材に加えて、成長が期待されるアプリケーション領域(環境・エネルギー、自動車、医療、他産業機器)や地域(中国・ASEAN)にフィットした新規商材の開拓と拡販に注力してまいります。
② 販路の拡張
中国・ASEANを中心としたアジア圏へビジネスの比重が移ってきている中、同地域への販売力強化を図るべく、自社リソースの効率的展開やM&A・事業提携を積極的に推進します。
③ 事業領域の更なる拡張
当社グループの売上高の9割以上を占める半導体及び電子部品事業は主に物販とそれに必要な技術サポート、並びにEMS事業で構成されています。顧客の利便性を考慮すると、今後は個別商材の販売やその組み合わせにとどまらず、顧客のニーズを総合的に満たすシステム化(ソリューション化)が重要と考えています。その実現に向けて、当社グループの経営資源を補完するハード・ソフトウェア技術やサービスを外部から積極的に取り入れてまいります。
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、また、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
①顧客の需要動向と事業の季節変動について
当社グループの顧客は、AV機器・パソコン関連機器・カメラ・通信機関連機器等のセットメーカーや放送局、一般企業等であります。当社グループが販売する半導体・電子部品は顧客(セットメーカー)製品に搭載されており、また当社グループが販売する機器は顧客の業務プロセスの一部に組み込まれ、使用されています。したがって、顧客製品の需要動向・搭載機能や経済環境・景気の変動に伴う顧客の設備投資動向は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電子機器事業は、放送関連市場、企業・学校・官公庁市場を主な市場としている特性から、顧客の予算執行の関係で期末の9月と3月に売上高が集中する傾向にあり、期末月の売上予測を過大に見積もった場合、当社グループの業績予測に少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。
②特定の取引先への依存度が高いことについて
当社グループは、主要株主であるソニー株式会社の半導体、電子部品を主に取り扱っているため、ソニー株式会社及び同社の子会社への依存度が高くなっております。従いまして、ソニー株式会社の経営方針の変更等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③仕入先との関係について
当社グループは、国内外の多岐に渡る仕入先から商材を調達しております。仕入先の事業再編(M&A等)や販売チャネル・テリトリー政策の変更により当社グループの商権が喪失・縮小した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
④為替変動の影響について
当社グループは、日本国内のほかアジア地域においてグローバルな事業活動を展開しているため、為替変動の影響を受けております。このため、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、全てをカバーできる保証はなく、著しい為替変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤競合について
当社グループの商品カテゴリーを扱う商社は多数存在するため、価格競争の激化、技術革新に伴う商品の陳腐化といった要因が業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥人材の確保及び育成について
当社グループの事業拡大、持続的成長のためには、優れたスキル、ノウハウを保有した人材の採用及び育成が重要であると認識しております。こういった人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの事業展開や業績に影響が及ぶ可能性があります。
⑦海外進出に伴うリスクについて
当社グループは、アジアを中心とした海外ビジネスの拡大を大きな経営目標に掲げ、諸外国で事業を展開しております。そのため、関連する海外各国における政治・経済状況の変化、法律・税制の変化、債権回収リスク、労働力不足と人件費高騰等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧新規事業の立ち上げに伴うリスクについて
当社グループが今後も持続的な成長を遂げるためには、新規事業(新規商材の開拓と拡販、新分野進出等)を推進していくことが重要であると認識しております。新規事業の立ち上げにあたっては、その市場性や採算性などについて十分な検証を行った上で意思決定を行っておりますが、市場環境の急激な変化や不測の事態等により当初の事業計画を達成できない場合には、人材、設備、研究開発といった投資負担が、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨技術投資に関するリスクについて
当社グループでは、同業他社との差別化を図りエレクトロニクス技術商社としての付加価値を顧客に提供するべく、技術力の強化に努めております。サプライヤーとの密接な協力体制を構築することで、自らの存在意義を高めていこうと考えており、そのための人材育成・確保といった先行投資にも力をいれております。しかしながら、半導体・電子部品の技術革新スピードは早く、対応するために必要となる投資額も増加の一途をたどっております。ビジネス案件が頓挫し、投資額に見合ったリターンを得られないような場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩自然災害、事故災害等のリスクについて
当社グループは、エレクトロニクス産業のサプライチェーン(供給連鎖)の一端を担う商社であるため、地震・洪水・台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、自社の関連施設が直接的な被害を受けるリスクに加えて、仕入先メーカー・顧客メーカーの操業停止に伴い、当社グループの事業活動が停滞する可能性があります。
(1)販売特約店契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
株式会社UKCホールディングス |
ソニー株式会社 |
日本 |
ソニー製半導体及び電子部品 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 昭和59年7月4日 期間1年、自動更新 |
|
ソニー製半導体 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 昭和38年11月1日 期間1年、自動更新 |
|||
|
ソニー製電子部品 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 昭和58年11月1日 期間1年、自動更新 |
|||
|
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 |
日本 |
ソニー製半導体及びその関連製品 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 平成28年10月1日 期間1年、自動更新 |
|
|
共信コミュニケーションズ株式会社 |
ソニーマーケティング株式会社 |
日本 |
ソニー製情報機器 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 平成16年10月1日 期間1年、自動更新 |
|
ソニー製家電商品 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 平成16年10月1日 期間1年、自動更新 |
|||
|
ソニービジネスソリューション株式会社 |
日本 |
ソニー製情報機器 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 平成22年4月1日 期間1年、自動更新 |
|
|
CU TECH CORPORATION |
SAMSUNG DISPLAY Co.,Ltd. |
韓国 |
実装基板 |
契約品目に係る製品供給契約 |
契約年月日 平成21年4月9日 期間1年、自動更新 |
(2)当社子会社による転換社債の取得
当社は、平成29年3月30日開催の取締役会において、当社の100%子会社であるUKC ELECTRONICS (H.K.) CO.,LTD.がQuatius Limited(香港、代表Zeng Wu Jiang)の転換社債を取得することを決議し、3月31日に同転換社債を取得いたしました。
当連結会計年度において、重要な研究開発活動はありません。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して84億79百万円増加し、1,242億37百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少26億29百万円、受取手形及び売掛金の増加38億74百万円、電子記録債権の増加2億33百万円、たな卸資産の増加17億15百万円、前渡金の増加49億46百万円、その他流動資産の増加5億12百万円、貸倒引当金の増加13億12百万円及び投資有価証券の増加1億33百万円によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して184億3百万円増加し、870億83百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加106億17百万円、短期借入金の増加104億4百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少14億99百万円、未払法人税等の増加43百万円、その他流動負債の増加2億5百万円及び長期借入金の減少13億35百万円によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して99億24百万円減少し、371億54百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失86億88百万円、利益剰余金からの配当8億63百万円、その他有価証券評価差額金の増加1億77百万円、為替換算調整勘定の減少5億53百万円を要因としたその他の包括利益累計額の変動額3億58百万円によるものであります。
(2) 経営成績の分析
「1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フローの分析
「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。