(1)業績
(当連結会計年度の概況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益、雇用情勢、設備投資の改善などによりおおむね緩やかな回復基調が続きました。その一方で、中国をはじめとするアジア新興国の経済の減速、原油価格の低迷、難民問題やテロといった地政学的要因等により、日本や世界の経済の下振れリスクがいっそう強まっております。
当社グループが属しておりますエレクトロニクス業界におきましては、その牽引役をスマートフォンに依存する傾向が続いておりますが、足元では中国のスマートフォン市場の成長が鈍化しています。その一方で、自動車分野では、電子技術の搭載による情報化や自動化の潮流が顕著であり、市場の拡大が期待されます。
このような状況の下、当社グループは、ソニー製の半導体・電子部品事業を軸とし、自社工場におけるEMS(電子機器受託製造サービス)等の高付加価値事業の拡大、取扱い製品の拡張、外部提携も含めた新規事業の創出に引き続き注力してまいりましたが、連結子会社であるUKC ELECTRONICS(H.K.)CO.,LTD.(以下、UKC香港という)における貸倒引当金計上等により、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,767億9百万円(前年同期比9.0%増)、営業損失は28億97百万円(前年同期は38億17百万円の利益)、経常損失は39億37百万円(前年同期は44億72百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は62億27百万円(前年同期は22億76百万円の利益)となりました。
セグメント別の業績は次の通りであります。
・半導体及び電子部品事業
半導体及び電子部品事業におきましては、主にEMS事業を含むスマートフォン向け需要により、増収、増益となりました。その一方で、UKC香港における貸倒引当金計上等により、セグメント損失を計上しました。
以上の結果、売上高は2,584億12百万円(前年同期比9.3%増)、セグメント損失は30億円9百万円(前年同期は36億88百万円の利益)となりました。
・電子機器事業
電子機器事業におきましては、業務用電子機器の顧客需要の回復等により増収となりました。
以上の結果、売上高は172億11百万円(前年同期比10.0%増)、セグメント利益は1億80百万円(前年同期比37.7%増)となりました。
・システム機器事業
非接触ICカード関連事業におきましては、電子マネー関連ビジネスの商談は引き続き活況に推移しているものの、一部顧客の在庫調整の影響により、売上は微減となりました。また、半導体及び電子部品の信頼性試験・環境物質分析サービス事業におきましては、車載向け等受注増により、増収となりました。セグメント利益は、先行投資等により販管費が増加したことに伴い、減益となりました。
以上の結果、売上高は28億82百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益は1億37百万円(前年同期比37.1%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、68億89百万円(前年同期は102億42百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失(46億18百万円)、売上債権の増加(29億9百万円)、たな卸資産の増加(3億92百万円)、仕入債務の減少(70億29百万円)、貸倒引当金の増加(93億87百万円)及び法人税等の支払額(15億91百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3億68百万円(前年同期は2億49百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(3億69百万円)、投資有価証券の売却による収入(2億3百万円)及び定期預金の払戻による収入(18億16百万円)と預入による支出(12億0百万円)との差額によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、34億10百万円(前年同期は11億30百万円の使用)となりました。これは主に、運転資金のための短期借入金の純増加(56億17百万円)、長期借入金の返済による支出(14億79百万円)及び配当金の支払額(7億6百万円)によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体及び電子部品事業(百万円) |
29,360 |
109.4 |
|
電子機器事業(百万円) |
4,854 |
96.1 |
|
システム機器事業(百万円) |
1,588 |
102.4 |
|
合計(百万円) |
35,804 |
107.1 |
(注)1.金額は製造原価により表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体及び電子部品事業(百万円) |
212,197 |
108.5 |
|
電子機器事業(百万円) |
9,735 |
123.2 |
|
システム機器事業(百万円) |
802 |
105.1 |
|
合計(百万円) |
222,735 |
109.0 |
(注)1.金額は仕入価格により表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体及び電子部品事業(百万円) |
28,892 |
124.6 |
2,370 |
118.6 |
|
電子機器事業(百万円) |
6,953 |
110.5 |
565 |
160.5 |
|
システム機器事業(百万円) |
2,584 |
96.1 |
618 |
77.9 |
|
合計(百万円) |
38,430 |
119.5 |
3,554 |
113.0 |
(注)1.金額は販売価格により表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体及び電子部品事業(百万円) |
258,312 |
109.2 |
|
電子機器事業(百万円) |
15,830 |
101.2 |
|
システム機器事業(百万円) |
2,566 |
91.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
276,709 |
109.0 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれも総販売実績の10% 未満であるため、記載を省略しております。
当社グループが属しておりますエレクトロニクス業界は、自動車等と並びグローバル化が最も進んでいる業界の一つです。テクノロジーが日進月歩で進化していく中、マーケットの遷移、メーカーの盛衰等が地球規模で起こっています。近年は特にこれまで市場を牽引してきた先進国市場の成熟化、停滞の一方で、中国やインドに代表される新興国の消費市場の拡大と製造業の興隆が顕著になってきています。経済構造改革に伴う新興国の一時的停滞は予見されるものの、この傾向は不可逆的に今後も継続していくものと考えます。
このような事業環境下、当社グループとしましては、主軸の映像関連事業に加えて、成長領域に事業を拡張させることで、継続的に企業価値の向上を図っていくことを中長期的な基本戦略としております。
上記の基本戦略を踏まえ、当社グループが対処すべき主要課題は以下のとおりです。
① 商材の拡張
当社の強みである映像関連の事業基盤をより強化、拡大することに資する商材に加えて、成長が期待されるアプリケーション領域(環境・エネルギー、自動車、医療、他産業機器)や地域(中国・ASEAN)にフィットした新規商材の開拓と拡販に注力してまいります。
② 販路の拡張
中国・ASEANを中心としたアジア圏へビジネスの比重が移ってきている中、同地域への販売力強化を図るべく、自社リソースの効率的展開やM&A・事業提携を積極的に推進します。
③ 事業領域の更なる拡張
当社グループの売上高の9割以上を占める半導体及び電子部品事業は主に物販とそれに必要な技術サポート、並びにEMS事業で構成されています。顧客の利便性を考慮すると、今後は個別商材の販売やその組み合わせにとどまらず、顧客のニーズを総合的に満たすシステム化(ソリューション化)が重要と考えています。その実現に向けて、当社グループの経営資源を補完するハード・ソフトウェア技術やサービスを外部から積極的に取り入れてまいります。
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、また、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
①顧客の需要動向と事業の季節変動について
当社グループの顧客は、AV機器・パソコン関連機器・カメラ・通信機関連機器等のセットメーカーや放送局、一般企業等であります。当社グループが販売する半導体・電子部品は顧客(セットメーカー)製品に搭載されており、また当社グループが販売する機器は顧客の業務プロセスの一部に組み込まれ、使用されています。したがって、顧客製品の需要動向・搭載機能や経済環境・景気の変動に伴う顧客の設備投資動向は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電子機器事業は、放送関連市場、企業・学校・官公庁市場を主な市場としている特性から、顧客の予算執行の関係で期末の9月と3月に売上高が集中する傾向にあり、期末月の売上予測を過大に見積もった場合、当社グループの業績予測に少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。
②特定の取引先への依存度が高いことについて
当社グループは、主要株主であるソニー株式会社の半導体、電子部品を主に取り扱っているため、ソニー株式会社及び同社の子会社への依存度が高くなっております。従いまして、ソニー株式会社の経営方針の変更等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③仕入先との関係について
当社グループは、国内外の多岐に渡る仕入先から商材を調達しております。仕入先の事業再編(M&A等)や販売チャネル・テリトリー政策の変更により当社グループの商権が喪失・縮小した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
④為替変動の影響について
当社グループは、日本国内のほかアジア地域においてグローバルな事業活動を展開しているため、為替変動の影響を受けております。このため、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、全てをカバーできる保証はなく、著しい為替変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤競合について
当社グループの商品カテゴリーを扱う商社は多数存在するため、価格競争の激化、技術革新に伴う商品の陳腐化といった要因が業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥人材の確保及び育成について
当社グループの事業拡大、持続的成長のためには、優れたスキル、ノウハウを保有した人材の採用及び育成が重要であると認識しております。こういった人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの事業展開や業績に影響が及ぶ可能性があります。
⑦海外進出に伴うリスクについて
当社グループは、アジアを中心とした海外ビジネスの拡大を大きな経営目標に掲げ、諸外国で事業を展開しております。そのため、関連する海外各国における政治・経済状況の変化、法律・税制の変化、債権回収リスク、労働力不足と人件費高騰等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧新規事業の立ち上げに伴うリスクについて
当社グループが今後も持続的な成長を遂げるためには、新規事業(新規商材の開拓と拡販、新分野進出等)を推進していくことが重要であると認識しております。新規事業の立ち上げにあたっては、その市場性や採算性などについて十分な検証を行った上で意思決定を行っておりますが、市場環境の急激な変化や不測の事態等により当初の事業計画を達成できない場合には、人材、設備、研究開発といった投資負担が、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨技術投資に関するリスクについて
当社グループでは、同業他社との差別化を図りエレクトロニクス技術商社としての付加価値を顧客に提供するべく、技術力の強化に努めております。サプライヤーとの密接な協力体制を構築することで、自らの存在意義を高めていこうと考えており、そのための人材育成・確保といった先行投資にも力をいれております。しかしながら、半導体・電子部品の技術革新スピードは早く、対応するために必要となる投資額も増加の一途をたどっております。ビジネス案件が頓挫し、投資額に見合ったリターンを得られないような場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩自然災害、事故災害等のリスクについて
当社グループは、エレクトロニクス産業のサプライチェーン(供給連鎖)の一端を担う商社であるため、地震・洪水・台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、自社の関連施設が直接的な被害を受けるリスクに加えて、仕入先メーカー・顧客メーカーの操業停止に伴い、当社グループの事業活動が停滞する可能性があります。
(1)販売特約店契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約の内容 |
契約期間 |
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株式会社UKCホールディングス |
ソニー株式会社 |
日本 |
ソニー製半導体及び電子部品 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 昭和59年7月4日 期間1年、自動更新 |
|
ソニー製半導体 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 昭和38年11月1日 期間1年、自動更新 |
|||
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ソニー製電子部品 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 昭和58年11月1日 期間1年、自動更新 |
|||
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共信コミュニケーションズ株式会社 |
ソニーマーケティング株式会社 |
日本 |
ソニー製情報機器 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 平成16年10月1日 期間1年、自動更新 |
|
ソニー製家電商品 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 平成16年10月1日 期間1年、自動更新 |
|||
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ソニービジネスソリューション株式会社 |
日本 |
ソニー製情報機器 |
契約品目に係る販売特約店契約 |
契約年月日 平成22年4月1日 期間1年、自動更新 |
|
|
CU TECH CORPORATION |
SAMSUNG DISPLAY Co.,Ltd. |
韓国 |
実装基板 |
契約品目に係る製品供給契約 |
契約年月日 平成21年4月9日 期間1年、自動更新 |
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して141億円減少し、1,157億58百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少48億36百万円、受取手形及び売掛金の減少14億39百万円、電子記録債権の増加18億6百万円、たな卸資産の減少39百万円、その他流動資産の増加3億8百万円、投資有価証券の減少8億62百万円及び貸倒引当金の増加85億90百万円によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して67億33百万円減少し、686億79百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少86億17百万円、短期借入金の増加39億4百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加18億54百万円、未払法人税等の増加14百万円、その他流動負債の減少4億78百万円及び長期借入金の減少34億68百万円によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して73億67百万円減少し、470億78百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失62億27百万円、利益剰余金からの配当7億6百万円、為替換算調整勘定の減少38百万円を主因としたその他の包括利益累計額の変動額4億33百万円によるものであります。
(2) 経営成績の分析
「1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フローの分析
「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。