第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社は、「美を創造し、演出する」という企業理念の実現に向けて、スキンケア製品の研究開発や製造、販売にとどまらず、お客様に寄り添い、共に美しさを育むため、直営サロンでの肌カウンセリングや東洋式フェイシャルケア等の各種アフターサービスを提供し、お客様とコミュニケーションを深めることにより、他社との差別化を図ってまいります。

 

(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題

 今後の見通しにつきましては、長く続いたコロナ禍の出口が見え始め、行動制限の大幅な緩和や、マスク着用の義務解除等により人流は回復基調にあり、消費行動はコロナ禍前の水準に戻ることが予想される一方、エネルギー価格等、様々なものの価格が上昇しており、消費行動拡大への足枷となっております。また、ウクライナ紛争も出口が見通せず、二極化しつつある世界において、情勢不安への懸念が高まりつつあります。

 当社グループにおきましても、長く続いたコロナ禍の影響による既存顧客の減少等、厳しい状況が続いたものの、マスク着用の義務解除による化粧品需要拡大等、明るい兆しも見えており、2024年3月期よりスタートした新たな中期経営計画のもと、重点項目を着実に実行することにより、再成長を目指してまいります。

 

<新中期経営計画の取組み(2024年3月期から2026年3月期)>

 当社グループは、2024年3月期から新中期経営計画(2024年3月期から2026年3月期)をスタートいたしました。「製品価値向上」「サロン価値向上」「新しい価値の創造」という3つの重点課題を掲げ、再成長を目指してまいります。

 また、新中期経営計画の策定と合わせ、激変する社会環境と価値観の変化にしなやかに対応し、未来に向けた新しい「美」を追求、提案し、必要とされる企業であり続けるために、ブランディングプロジェクトを始動いたします。2024年の新社屋竣工、2026年の創業60周年に向けて、人と地球に優しい、サスティナブルな社会に貢献する企業を目指してまいります。

 

①「製品価値向上」

 心と肌を科学して、お客様に安心と安らぎを提供することをR&Dの意義(パーパス)とし、当社技術の盤石化と、技術と製品価値の市場への認知度拡大を目指します。基礎研究においては、サロンケアの科学的解明から着想を得た精神皮膚科学研究を軸とし、社内だけではなく外部研究機関との連携を積極的に図ることで、新規技術開発と製品価値への展開を進めてまいります。製品開発においては、スターブランド・スターアイテム育成に注力し、ホームケア製品の認知と価値を高めることで新規顧客の獲得を目指します。加えて、サロン発想のスキンケア製品と技術をサロン以外で展開することで、新規事業や海外事業、OEM、ODM受託事業等、新しい事業展開を行ってまいります。

 

②「サロン価値向上」

 サロン価値の向上のためには、「新たな顧客の開拓」と「顧客満足の向上」が重要であると考えております。

 新たな顧客の開拓として、肌チェック等のイベントブースの刷新や、イベントごとのターゲットに刺さるアプローチ施策の徹底により、イベントでの獲得効率の改善を図ってまいります。加えて、ブランド動画を刷新し、動画配信サイト等での広告宣伝による認知度拡大を目指すなど、WEB等のオンラインでの接点拡大も積極的に進めてまいります。

 顧客満足度の向上においては、サロン空間演出等、顧客にとってさらに居心地の良いサロンとなるよう、ブランディングプロジェクトの始動とともに、店舗のリニューアルを順次行ってまいります。また、コロナ禍以降、既存顧客の来店数が減少する中、当社の製品、サロン及びフェイシャリストをご愛顧いただいているロイヤルカスタマーに支えられていると強く実感しております。ロイヤルカスタマーであることの魅力やその価値の最大化のため、ロイヤルカスタマー専用デスクを新たに設置し、更なるファン化に努めてまいります。

 また、「ホームケア」と「サロンケア」により、お客様に最高の美しさを提供するというビジネスモデルが当社の最大の強みであり、競合他社との差別化になっていると認識しております。この「ホームケア」と「サロンケア」の科学的価値や機能的価値を真摯に分析し、当社の価値を再構築するための戦略として、シーボン美容理論(シーボン.ビューティーメソッド)を構築してまいります。ホームケアとサロンケアというシステム主体のコミュニケーションから、「なぜ、このシステムで美しくなるのか」という、理由を主体とするコミュニケーションへ変更することで、お客様が当社を選択する動機付けとなり、さらに、長期に渡ってサロンに通うモチベーションとなることから、シーボンの美容理論を構築し、スタッフ全員がお客様に対して説明できる体制づくりを実現してまいります。

 サロンの出退店に関しましては、基準に則った店舗開発計画の実行及び都市型・郊外型を組合せた新規出店・改装・退店の計画の実行により、売上高の拡大と、利益率の向上を目指してまいります。従来の全国統一のレイアウトや店舗オペレーション等を見直し、都市型サロンでは、新規顧客との接点をさらに拡大すべく、現状のサロンスタイルと美容機器を併用した販売戦略を担う店舗へと改革いたします。一方、郊外型サロンでは、従来通りの運用を行いながら、店舗オペレーションやレイアウトを改善し高収益化を目指してまいります。

 

③「新しい価値の創造」

 海外EC市場及びバラエティ市場への進出、拡大のため、経営資源の投入を進め、売上高や販路の拡大を図ってまいります。

 海外EC市場では、パートナーシップを締結した杭州創詩品牌管理有限公司との連携を強化し、「独身の日」等の大型イベントでの知名度や売上高の向上を進め、中国パートナー企業の会員専用サイトでの販売を軸に、国内においてはインバウンドの増加や、在日中華圏顧客のサロン来店促進にも注力してまいります。

 バラエティ市場では、4月より新ブランド「スリール」を発売いたしました。当該製品は、創業57年の化粧品メーカーとして蓄積した肌データと、イベント等での肌チェックやアンケートにより集められた、5万人のお客様の声を反映した毛穴パックとなります。全国のロフトにて発売しており、今後販売動向を注視しつつ、販路の拡大や新製品の追加を進めていき、新たな市場において、サロン発信のメーカーとしてのアイデンティティを確立してまいります。

 加えて、顧客とのカジュアルな接点づくりと、幅広い顧客層にリーチするために、小規模の店舗型サロン・レクチャー型店舗を出店し、新たなビジネスモデル構築のトライアルを行ってまいります。新たな顧客との接点開発として、新設店舗自体が常設している集客イベント場所という位置付けにもなり、既存サロンへの誘導も担う店舗形態を目指してまいります。また、シーボンのイメージ形成や醸成を図っていきながら、新しい顧客層の開拓や、過去に接点のあった顧客の誘引にもつなげてまいります。

 

※5万人のお客様の声

 :■調査期間:2020年6月1日~2022年1月31日

  ■調査手法:スキンチェッカーを使用しアンケートに回答

  ■対象者:20歳以上の女性(イベントにて肌チェックを受けていただいた方)

  ■調査人数:55,614名

 

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な事業の拡大を通じて、企業価値と企業体力を高めていくことを経営の目標に掲げております。経営指標としては、事業及び企業の収益力を表す各利益項目を重視し、特に売上高、営業利益及び経常利益の増額を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループでは、「シーボン.サステナビリティ宣言」を掲げ、「美を創造し、演出する」という企業理念のもと、全ての人々のQOL(Quality of Life)を向上し、持続可能な社会の実現を目指すこと、を宣言しております。社員一人ひとりが“自分らしく”輝くために、お互いの個性や多様性を尊重できる企業風土と、新しいことにチャレンジできる企業風土の醸成を目指し、取り組んでまいります。

 サステナビリティに関する取り組みは、当社ホームページに掲載しております。

 https://www.cbon.co.jp/company/sdgs

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティに対する取り組みを重要な経営課題と認識しており、全社体制で臨むため、代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会を設けており、方針やビジョンの確認、課題の洗い出し及びそれに対する施策の方向性を決定しております。その決定を受け、各本部から実務責任者を選任したサステナビリティ会議にて、施策のための討議及び推進を行っております。サステナビリティ委員会では、サステナビリティ会議における施策実行状況をモニタリングし、その活動内容を取締役会にて報告しております。

 

(2)戦略

 当社グループでは、マテリアリティ(重要課題)として「女性活躍推進」「社会との共生」「環境との共生」の3項目を掲げ、激変する社会環境と価値観の変化にしなやかに対応し、必要とされる企業であり続けるために、人と地球にやさしい、サステナブルな社会に貢献する企業を目指してまいります。

 

 また、当社における人的資本価値向上の取り組みは、以下のとおりです。

 ・社員が自己研鑽できる研修の充実を図ると共に、社員のライフステージに寄り添った柔軟な勤務制度を整える

  ことで、「働きがい」と「働きやすさ」のある職場作りを行っております。

 ・お客様に「満足を超える感動」を感じていただくための、価値あるサービスを実施するために、すべての社員

  が心身ともにすこやかに、純粋な精神とまごころでお客様に寄り添っていけるよう、健康的な職場環境を提供

  しております。

 ・お客様とのコミュニケーションを深めることにより、他社との差別化を図ってまいりました。社員一人ひとり

  を「財産」と捉え、日々の業務や研修を通じて成長を促し、活力のある職場でいきいきと働くことができる会

  社を目指してまいります。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、リスクの識別・評価を実施し、原則2ヶ月に1回開催される「リスクマネジメント委員会」において、外部の有識者を交えた管理・モニタリングを行い、必要に応じて取締役会等に報告等を行っております。

 社員に対して業務や職場環境の満足点・改善点を把握するための従業員満足度調査(ESアンケート)を年に1回実施しており、「社員の声」に真摯に向き合うことで、エンゲージメントの向上を図っております。また、内部通報制度においては、社外に内部通報窓口を設置しており、さらに、内部通報窓口を一般通報と役員由来の案件の2つに分けることで、社員が安心して通報できる体制を整備しております。

 詳細は、「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した人的資本価値向上の取り組みについて、職場環境がコロナ禍以前に戻りつつある中、ワークライフバランスが取れる環境を保つよう、次の指標を用いております。

 なお、指標及び目標の設定は、従業員の定着や満足度向上に資するものとするため、今後も議論を深めてまいります。

 

指標

目標

実績(当連結会計年度)

一人当たり月平均所定時間外労働

15時間未満

12.3時間

年次有給休暇取得率

80%以上

77.8%

(注)女性管理職比率、男性育児休業等取得率、男女間賃金格差については、「第1 企業の概況、5 従業員の状況、(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループでは、企業目標の達成を脅かす不確実性があり、結果的に当社グループ及びステークホルダーが不利益を被るものを「リスク」、このリスクの顕在化によりその状態を放置した場合、業務が著しく遅延また長期にわたり中断する場合や大きく信用を失墜し、企業の存続が危ぶまれる事態に陥る可能性が高まることを「危機」と定義しております。代表取締役の諮問機関である「リスクマネジメント委員会」において、リスクの識別・評価・管理・モニタリングを行い、必要に応じて取締役会等に報告・諮問を行っております。また、危機発生時には、業務全般の運営を継続しながら、通常機能に回復させることを確保するために必要な体制を整備し、損失を最小限に食い止めるべく危機事態に対処いたします。

 以下には、当社グループのリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項のうち、顕在化の可能性が高く、取り組みを強化している重要な項目を記載しております。なお、記載されたリスクは全てを網羅したわけではなく、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。

 

ハザードリスク

主要なリスク項目

リスクの内容/対応策

感染症

 社会的影響の大きい感染症が発生した場合、直営店舗にてお客様と対面による販売及びサービス提供する事業の特性により、店舗の臨時休業や営業時間短縮等に伴う、来店者数の減少等により、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 お客様とスタッフの健康と安全を第一に考え、直営店舗においては、ベッド間隔の調整や定期的換気による衛生的な空間づくりを行い、スタッフに対しては、検温や健康チェック、手指や機器の消毒など、感染予防対策を行っております。

 また、ECをはじめ、新たな販路獲得に向けた化粧品や健康食品等の開発を進め、直営店舗以外の事業領域の展開にも注力してまいります。

自然災害等

 気候変動の影響による台風・豪雨・洪水や地震等の自然災害について、頻度や損害規模がここ数年増大しております。被害状況の大きさによっては、店舗の臨時休業等事業活動の停止、店舗への製商品供給に支障をきたすだけでなく、設備等の復旧に巨額の費用を要する等、当社グループの事業活動全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 当社グループでは、自然災害や火災・事故等の発生に備え、平時より老朽化した設備の改修や施設の定期点検、防災教育を行っております。また、緊急時に備え、具体的な行動フローにまで落とし込んだ「危機管理ガイドライン」を作成し、年1回以上の訓練を行うとともに、災害備蓄品の整備等を進めております。

 

営業活動におけるリスク

主要なリスク項目

リスクの内容/対応策

集客活動

 当社グループは、新規のお客様を開拓するために、イベントプロモーションやWeb広告・デジタルメディアの活用等による集客活動を通じて、サロンでのトライアルプランへ誘致を行っております。新規来店者の約6割がイベントプロモーションを来店動機としており、イベントプロモーションの集客力低下は、経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 新規集客においては、従来行っておりましたダイレクトアプローチだけでなく、製品の価値やサービスの魅力を伝えるコンテンツを新たな集客チャネルとし、情報発信を強化することでの新規顧客獲得施策を推進してまいります。また、美容サービス検索・予約サイトからの集客誘導をはじめとしたWebマーケティングを集客活動の新たな軸の一つとなるよう注力してまいります。

販売チャネル

 当社グループの販売チャネルは、直営店舗(91.7%)・通信販売(3.7%)・国内代理店(1.5%)・海外代理店(0.9%)・その他(2.2%)で構成され、直営店舗での販売が売上の大半を占めます。デジタル化等による消費者のライフスタイルや消費行動が多様化しており、お客様ニーズに対応したチャネルの整備が遅延した場合には、経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

※括弧内は、2023年3月期の連結売上高に占める割合

〔対応策〕

 既存の直営店展開を中心としたビジネスモデルに満足することなく、店舗ならではの「満足を超える感動体験」を追求するとともに、SNS等を駆使し、当社の製品価値・サービス価値に関する情報発信を強化してまいります。

 併せて、新しい販売チャネルの拡充を図り、そのチャネルに合った製品開発を推進し、新たな顧客層の獲得を図ってまいります。

アフターサービス

 当社グループの主力チャネルである「シーボン.フェイシャリストサロン」では、「会員アフターサービス規約」に基づき、ホームケア製品の購入金額に応じたポイント「ビューティアップ・ポイント」を付与し、ポイント数に応じて、各種アフターサービスを提供しております。アフターサービスの提供が、お客様の定期的な来店・リピート購入等へ結びつくとともに、顧客ロイヤルティの向上につながっており、サービスの質の低下等により顧客離れが起こる事態となった場合には、経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 他社サービスとの差別化のため、美容法のエビデンスの収集やお客様に効果を実感していただくカウンセリングシステムを導入しております。製品やサービスの価値を客観的に示すことで、お客様が継続的にサロンに通っていただける動機づけを図っております。

 また、外部機関との共同研究により、アフターサービスの一環として提供している「東洋式フェイシャルケア」の心身に与える効果の科学的検証を進め、日本皮膚科学会や日本薬学会にて発表を行うなど、さらなる顧客ロイヤルティの向上に取り組んでおります。

海外事業

 当社グループの主たる販売拠点は国内ですが、マーケットの拡大が期待される国・地域において事業展開をしており、今後一層の拡大を目指しております。

 これらの海外での事業活動におきましては、内戦、戦争の勃発・拡大、経済的・政治的な政情不安、労働問題、人権問題、テロ、クーデター、感染症の流行による都市封鎖等による経済停滞や社会的混乱等のリスクが潜在しております。

〔対応策〕

 当社グループは、海外での事業におきましては、当社コンプライアンス課及び海外事業推進課が該当国・地域の現地法令に知見のある弁護士事務所と契約し、海外情報をいち早く収集し、予防法務、戦略法務について適切な助言を得られる体制を構築しております。また、中国現地法人につきましては、現地弁護士事務所と契約し、より現地から早期の情報収集を図っております。

 

 

システム開発

 当社グループは、自社開発の基幹システムを基礎に、直営店舗・製造部門・本社部門の様々な情報を一元管理しており、システムの安定的な稼働が業務遂行上重要な事項となっております。そのため、基幹システムに障害の兆候が見られる場合には、担当スタッフに対し自動的に通知が送信されるなど、システム障害を未然に防ぐよう努めております。しかし、基幹システムの構造の肥大化・複雑化といったレガシー化が進んだ場合には、業務効率の低下による営業機会の損失や維持管理コストの増大等、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 ITシステムの強化・合理化におきましては、引き続き、基幹システム刷新に向けて取り組んでまいりますが、併せて、情報セキュリティの強化と社内における業務プロセスの見直しを推進してまいります。取締役会やリスクマネジメント委員会において定期的な報告を行い、適切なプロセスと意思決定のもと、実施してまいります。

個人情報の漏洩

 当社グループは、お客様の個人情報のほか、適切なカウンセリングを行うために必要な範囲で生活状況や健康状態を確認させていただくことがあるとともに、化粧品の購入履歴や肌情報等お客様のプライベートな情報を入手する立場にあります。こうしたお客様の情報は、基幹システム内で共有化を図り、お客様が全国のサロンをご利用し、データに基づいたカウンセリング等のアフターサービスを受けられることを可能としております。外部からの不正アクセスを含む意図的な行為や過失により、個人情報が外部に流出した場合には、社会的信用の低下や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 当社グループでは、「個人情報保護の基本方針」にてお客様の個人情報の取り扱いに関して厳格に定めるとともに、少なくとも年に1度社員教育を実施し、個人情報漏洩の事故防止を図っております。また、個人情報を格納するサーバーには厳格なアクセス制限をかけた上で、社内ネットワークと物理的に隔離しているほか、情報システムの強化等により、情報セキュリティマネジメントの向上を図っております。

グループ管理体制

 当社グループには、国内2社、海外1社のグループ会社があり、当社とのシナジー効果により、より多くの収益を上げられる見込みがあります。グループ子会社が想定した業績・成果が上げられない場合、不正や社会のルールを逸脱した経営が行われるなどの不祥事が発覚した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 当社グループにおいては、人的・物的連携を強固にすることで、更なるシナジー効果が期待できると見込んでおり、積極的な交流を図っていく一方、当社のガバナンスやコンプライアンスに関してはグループ子会社にも及ぶものであり、実効性のある管理体制を敷き、運用してまいります。

人材確保

 当社グループは、製販一体であり、自社工場による製品の製造・品質管理や、フェイシャリストによる製品の販売及びサービスの提供が、事業の維持及び拡大の根幹となっております。しかしながら、雇用情勢の変化や労働市場の競争激化への対応の遅れなどにより、必要な人材の採用計画に大幅な遅延が起こる場合には、製品開発計画や製造計画、販売計画等に滞りが生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 当社グループは、人材を事業拡大の中核と位置づけ、人材の確保や定着のための様々な制度を設けており、出産や育児、介護等、ライフステージが変わっても働き続けられる柔軟な勤務制度等を導入しております。その一方で、年齢や勤続年数によらない評価制度を導入し、成果を公正に評価する体制づくりをしております。社員に「働きやすさ」と「働きがい」を提供することで、優秀な人材の確保に尽力しております。

 また、社員のエンゲージメントを高めるべく、定期的に「従業員満足度調査(ESアンケート)」を実施し、その結果を踏まえた個別課題を抽出し、具体的な対応を図ることで、定着の促進や働き方の多様化及び柔軟化を推進しております。

 

生産活動におけるリスク

主要なリスク項目

リスクの内容/対応策

製品開発

 当社グループの連結売上全体の92.4%を占めるスキンケア製品市場において、エイ

ジングケア意識の浸透により、高機能化粧品のニーズが高まっているほか、女性のラ

イフスタイルの変化に合わせ、スキンケア製品に対するお客様のニーズも多様化して

おります。今後の業績拡大に向け、計画に基づいてお客様ニーズに対応した製品開発

に注力してまいりますが、想定した成果が得られない場合には、当社グループの経営

成績等に影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 当社グループでは、お客様に長くご愛顧いただける製品づくりを目指しております。市場動向も踏まえながら、お客様から寄せられるメールアンケートによる既存製品の満足度調査、新製品発売時には購入者アンケートを実施することで、満足度の監視及び変化するニーズを収集し、常に満足して頂ける製品を開発してまいります。その他、外部機関との共同研究や内部研究体制を強化し、新たな技術シーズを創出することで、他社との差別化を図り、独自性の高い製品開発に取り組んでおります。

生産体制

当社グループでは、ほぼ全てのスキンケア製品の研究開発、生産を1968年に竣工し

た栃木県の自社工場「生産センター」で行っております。現在の事業規模における製品製造のキャパシティは有するものの、今後グローバル市場に本格的に進出した際の

生産数の大幅増加に伴う生産設備・生産人員の不足や、老朽化に伴う建物の破損等による生産体制への対応の遅れがあった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 当社グループでは、定期的な生産設備の点検を行い、適宜新規設備の導入等の設備投資を行っております。今後、グローバル市場への進出拡大が見込まれるため、生産センター近隣の倉庫を製造業登録し、資材や製品の保管スペースを確保することで、増産への対応が可能な体制を構築しております。また、中長期的に販売計画を基にした生産数量の予測を行っており、当該予測に基づいた生産人員の採用を行っております。

品質保証

 お客様にとって安心・安全な製商品の提供は、化粧品会社として事業を行う上で最

重要価値の一つです。そのため、万が一重大な製品事故や安全性に対する懸念が生じ

た場合、当社グループ全体の信用低下につながる可能性があります。また、結果的に

当社グループの製商品に問題なかった場合でも、風評被害等により同様の影響を受け

る可能性があります。

〔対応策〕

 当社グループでは、製品関連法規の遵守及び自主的に設定した独自の品質評価基準

を設定し、製品の設計、開発、原材料の管理、製造、出荷等それぞれの段階でこれら

基準を遵守徹底しております。特にお客様に安心してご使用頂けることを最重要事項

とし、処方設計段階での安全性リスクに応じた各種試験や実使用テストの実施は当然

のこと、使用する原材料の肌への負担、有害な不純物などを文献や試験結果から徹底

して検証し、より安全性を確保するための強化を図っております。

 発売後においても、お客様総合窓口やメールアンケート等を通じて製品へのお申し

出やご意見、ご要望を収集し、即時に関連部署へフィードバックを行いできる体制を構築しており、更なる品質向上に努めております。また、不測の事態が生じた際は責任役員へ報告する体制を構築しており、法令遵守の徹底に努めております。

 なお、当社工場で製造された製品には、「管理バーコード」を貼付し、原材料や生

産工程等の情報を読み取ることができるようになっており、この情報にお客様の購入

データを加え、万が一製品の安全性に問題が生じた場合でも追跡可能な情報管理をし

ております。

 

コンプライアンスリスク

主要なリスク項目

リスクの内容/対応策

販売コンプライアンス

 当社グループは、「特定商取引に関する法律」「消費者契約法」等様々な法規制のもと、集客・販売活動を行っております。消費者保護の観点から、将来的に法規制が強化される可能性が高く、万が一これらに抵触することとなった場合、あるいはこれら法令等の改正又は新たな法令等の制定に対し適切な対応ができない場合には、行政機関による指導又は業務停止命令の対象となり、社会的信用の低下等により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 「販売ガイドライン」等各種ルールを定め、接客時の心構えとともに繰り返し社員教育を実施し、お客様の期待を超える接客サービスの提供を目指しております。

 また、日々の接客や販売活動が適切に行われているかを確認するため、お客様・スタッフ・組織という3つの視点でモニタリングを行っております。特にお客様からについては、メールによるアンケート調査によりダイレクトな意見を吸い上げ、日々の接客の改善に活用しています。

広告コンプライアンス

 当社グループは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、医薬品等適正広告基準、不当景品類及び不当表示防止法並びに化粧品の表示に関する公正競争規約等法規制のもと、広告活動を行っております。消費者保護の観点から、将来的に法規制が強化される可能性が高く、万が一これらに抵触することとなった場合、あるいはこれら法令等の改正又は新たな法令等の制定に対し適切な対応ができない場合には、行政機関による指導又は課徴金、刑事罰等の罰則対象となり、社会的信用の低下等により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

〔対応策〕

 当社グループは、日本化粧品工業連合会が遵守すべき指針として定めた「化粧品等の適正広告ガイドライン」に沿った広告をおこなっております。

 当社におきましては、コンプライアンス課広告法規支援担当を設置し、自社により制作される広告について広告審査を行うこととしており、厳正に対処しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

 

(1)経営成績の状況

指標

2022年3月期

(前年実績)

2023年3月期

(修正計画)

2023年3月期

(実績)

前年比

計画比

売上高

9,153,473千円

8,279,711千円

8,525,428千円

93.1%

103.0%

営業利益又は営業損失(△)

193,706千円

△312,811千円

△145,253千円

経常利益又は経常損失(△)

301,299千円

△298,631千円

△127,071千円

経常利益率

3.3%

△3.6%

△1.5%

親会社株主に帰属する

当期純利益又は

親会社株主に帰属する

当期純損失(△)

44,872千円

△618,014千円

△421,768千円

(注)計画値につきましては、2023年2月3日に期初計画を変更いたしました。

 

 当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における日本国内の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を繰り返したものの、感染拡大の慢性化に対し徐々に適応してきており、国内の人流はコロナ禍以前の状態へと回復しつつあります。また、海外においても「withコロナ」の動きが進み、海外旅行客等が増加するなど、世界的にも人流は回復傾向にあります。しかしながら、世界的な情勢不安や、物価・エネルギー価格等の高騰、欧米での金融機関の破綻等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 こうした経営環境の中、当社グループの主力事業である直営店舗事業は、対面・接触型のサービスという特性から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う行動制限等の影響を大きく受け、不安定な状況が続きましたが、2020年からスタートした中期経営計画の3カ年目として、「顧客数拡大とお客様第一のサービス提供」「高機能製品の創出」「コスト合理化による財務基盤の強化」の3つの重点課題に引き続き取り組み、収益性・生産性の向上に努めてまいりました。

 また、顧客が感じる当社の付加価値をさらに高めるため、既存事業における新たな価値の創出に向け、組織のシームレス化及び機動力の強化を図っております。

 

(売上高)

 新規顧客の来店数は、コロナ禍への適応が進んだことにより、イベントでの集客数が大幅に増加し、増加傾向にあります。しかしながら、既存顧客の来店数は、既存顧客の減少に対して新規顧客の流入がいまだ追いついておらず、前年を割る結果となりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は8,525,428千円(前年同期比6.9%減)となりました。

 

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は、2,186,181千円(前年同期比6.7%増)となりました。その結果、売上総利益は6,339,247千円となり、売上高に対する売上総利益の比率は74.4%(前連結会計年度は77.6%)となりました。

 

(営業利益・経常利益)

 経費の合理化に努め、販売費及び一般管理費は6,484,500千円(前年同期比6.2%減)となり、営業損失は145,253千円(前年同期は営業利益193,706千円)となり、経常損失は127,071千円(前年同期は経常利益301,299千円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 六本木本社ビル建替えに伴う解体撤去費用を含む特別損失282,051千円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は421,768千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益44,872千円)となりました。

 

<当連結会計年度における当社グループの主な取組み>

重点課題①「顧客数拡大とお客様第一のサービス提供」

 直営店舗では、新規顧客の拡大を最重要課題と捉え、施策を実施してまいりました。日本国内の人流が回復傾向にあったことの追い風を受け、サンプリングや肌チェックを通じたイベントでの新規顧客の集客数は前年同期比141.1%と大幅に増加いたしました。このような従前から実施している新規集客活動に加え、インフルエンサーマーケティング等のWEBを活用した集客や、製品をタッチポイントとした集客活動を強化した結果、新規売上高は前年同期比127.0%と大きく伸長いたしました。

 しかしながら、既存顧客の継続数は、既存顧客の減少に対して新規顧客の流入がいまだ追いついておらず、前年同期比98.5%と前年を下回り、加えて、WEB等を活用した新規集客や、若年層への認知度向上施策により、20代や30代の流入が増加した影響を受け、顧客単価が低下した結果、既存顧客への売上高は前年同期比91.4%となりました。

 海外事業においては、主に中国において販売活動を強化してまいりました。6月には大手ECモール天猫(T-mall)に旗艦店を出店いたしました。加えて、9月には中国で会員制自社ECプラットフォームを展開するEC販売大手、ACCESSグループの関連会社である杭州創詩品牌管理有限公司(所在地:中華人民共和国浙江省杭州市)とパートナーシップを締結いたしました。当社のサロン発信化粧品というブランド力と、ACCESSグループの持つ販売網や中国での販売ノウハウを掛け合わせることで、中国での売上高拡大を見込めるものと考えております。

 この結果、海外事業における売上高は前年同期比155.1%と伸長しております。

 

重点課題②「高機能製品の創出」

 研究開発活動においては、皮膚科学研究に基づいた独自原料開発やその有効性の解明、また、お客様がサロンで

過ごす時間をより豊かなものにするため、当社サロン施術のエビデンスの収集等、外部研究機関との連携に加え、

社内研究体制の強化により、製品・サービスの価値向上を図ってまいりました。

 サロン施術の効果の科学的解明から精神皮膚科学に着目し、当期はさらなる研究の深耕により、心理性ホルモンと肌に起こる様々な現象との関連性を解明いたしました。ストレスが引き起こす肌トラブルのケアとして開発した当社独自原料と、新たな研究成果を組み合わせて確立した技術を、サロン製品だけでなくOEM、ODM受託製品へと展開し、お客様の肌と心に寄り添う製品づくりを進めております。

 

<2023年3月期の主な研究発表>

(ⅰ)心理的ストレスがシミの形成に関与する可能性を確認

(2022年6月日本皮膚科学会)

(ⅱ)幸せホルモン「オキシトシン」とストレスホルモン「アドレナリン」が真皮線維芽細胞のヒアルロン酸産生

へ影響を及ぼすことを発見

(2023年3月日本薬学会)

 

重点課題③「コスト合理化による財務基盤の強化」

 コスト合理化に加え、営業力の強化と本社組織のシームレス化を推進するため、川崎市に置いていたシーボン.パビリオン(メインオフィス)を国内法人へ譲渡し、本社機能を北青山に移転いたしました。シーボン.パビリオン(メインオフィス)の譲渡は、当該施設の維持に掛かっていた固定費が削減されるなど、財務基盤の強化に繋がっております。また、本社移転に伴う組織再編の結果、意思決定の迅速化や組織間の意思疎通の更なる強化が図られるなど、組織のシームレス化を推進いたしました。利便性の高い立地へ本社を移転することで、一般消費者とのリアルな接点を持つ機会が増え、情報収集を強化したことで、当社ブランドの発信機会やクオリティの向上に繋がり、営業力の強化が図られました。

 これらに加え、店舗家賃の減額や合理的な人員配置の実施等、全社的な固定費の削減により、当初目標を上回る合理化を達成いたしました。

 

※ 継続数

  :1ヵ月に1回以上来店のあるお客様ののべ人数

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、減価償却費支払補償費の計上等の 要因により税金等調整前当期純損失364,230千円となったものの有形固定資産売却による収入等により前連結会計年度末に比べ1,182,287千円増加し当連結会計年度末には3,967,021千円となりました

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、営業活動の結果使用した資金は81,470千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失364,230千円、減価償却費271,639千円、解体撤去費用111,994千円、補償金の支払額162,688千円、補償金の受取額200,000千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動の結果獲得した資金は1,353,343千円となりました。これは主に、有形固定 資産の売却による収入1,902,792千円、有形固定資産の取得による支出473,637千円、敷金及び保証金の回収による収入92,050千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は91,291千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出5,800千円、配当金の支払85,491千円によるものであります。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント別ではなく、以下の区分に分け記載しております。

①生産実績

当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

スキンケア

ベーシック(千円)

3,840,888

99.5

スペシャル(千円)

5,897,747

83.1

メイクアップ(千円)

3,655

32.3

その他(千円)

152,586

97.5

合計(千円)

9,894,877

88.9

(注)1.上記金額は、販売単価によっております。

2.上記区分のベーシック及びスペシャルの品目構成は、以下のとおりです。

ベーシック:洗顔料・クレンジング・化粧水・乳液等の基礎化粧品

スペシャル:美容液・クリーム・パック等の化粧品

 

②仕入実績

当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

商品仕入(千円)

115,419

128.2

原材料仕入(千円)

853,124

130.4

その他(千円)

100,836

106.2

合計(千円)

1,069,380

127.4

 

 

③受注実績

 当社グループ製品については受注生産を行っておりません。なお、OEM等による受注生産を一部実施しているものの、金額は僅少です。

 

④販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

製品

スキンケア

ベーシック(千円)

2,615,731

98.9

スペシャル(千円)

5,258,101

94.8

メイクアップ(千円)

3,712

83.2

その他(千円)

3,179

24.9

小計(千円)

7,880,725

96.0

商品

美容関係器具・小物(千円)

96,958

81.6

その他(千円)

145,919

90.2

小計(千円)

242,877

86.6

その他(千円)

401,825

60.3

合計(千円)

8,525,428

93.1

(注)1.上記区分のベーシック及びスペシャルの品目構成は、以下のとおりです。

ベーシック:洗顔料・クレンジング・化粧水・乳液等の基礎化粧品

スペシャル:美容液・クリーム・パック等の化粧品

2.最近2連結会計年度の主要な販路及び販路別売上高及び割合は、次のとおりであります。

販路別

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

直営店舗

8,413,709

91.9

7,818,933

91.7

通信販売

391,344

4.3

316,276

3.7

国内代理店

130,317

1.4

130,814

1.5

海外代理店

49,771

0.6

77,183

0.9

その他

168,329

1.8

182,221

2.2

合計(千円)

9,153,473

100.0

8,525,428

100.0

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

 自己資本比率(%)

79.4

64.8

64.6

 時価ベースの自己資本比率(%)

91.6

77.3

77.3

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.1

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

1,207.5

   自己資本比率:自己資本/総資産

   時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

   キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

   インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

   (注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

   (注2)キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローを利用しております。

  (注3)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

  (注4)2021年3月期及び2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

①資本の財源と資金の流動性について

 資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは安定した収益と成長性を確保するために将来必要な運転資金及び直営店舗の工事費用等の設備投資に必要な資金は、内部留保による手元資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としております。そのため、流動性の観点から基本的には当座預金及び普通預金にて運用しております。それらの資金を確保した上で、発生する余剰資金については、元本返還の確実性が高く、市場価格の変動が少なく、かつ可能な限り高い運用益が得られる方法で運用を行う方針であります。

 なお、運転資金については、十分な内部留保資金を確保しておりますが、不測の事態に備えるため、運転資金の効率的な調達手段として、取引銀行2行とコミットメントライン契約を締結しております。本契約における当連結会計年度末の借入実行残高はありません。

 

②財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末の流動資産は5,967,985千円となり、前連結会計年度末に比べ1,115,899千円増加いたしました。その主な要因は、固定資産の売却により現金及び預金が増加(前連結会計年度末比1,182,287千円増)したものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末の固定資産は2,870,744千円となり、前連結会計年度末に比べ1,840,532千円減少いたしました。その主な要因は、建物及び構築物の減少(前連結会計年度末比1,076,315千円減)、工具器具及び備品の減少(前連結会計年度末比49,381千円減)、土地の減少(前連結会計年度末比1,100,000千円減)、建設仮勘定の増加(前連結会計年度末比402,824千円増)によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末の流動負債は2,659,974千円となり、前連結会計年度末に比べ183,141千円減少いたしました。その主な要因は、買掛金の増加(前連結会計年度末比38,296千円増)があった一方で、未払金の減少(前連結会計年度末比43,011千円減)、その他流動負債の減少(前連結会計年度末比184,410千円減)によるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末の固定負債は468,565千円となり、前連結会計年度末に比べ51,112千円減少いたしました。その主な要因は、資産除去債務の増加(前連結会計年度末比10,942千円増)があった一方で、その他固定負債の減少 (前連結会計年度末比58,431千円減)によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は5,710,190千円となり、前連結会計年度末に比べ490,378千円減少いたしました。その主な要因は、利益剰余金の減少(前連結会計年度末比507,379千円減)によるものであります。

 この結果、自己資本比率は64.6%(前連結会計年度末は64.8%)となりました。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約内容

契約金額

竣工予定年月

提出会社

北野建設株式会社

2022年9月5日

六本木本店ビルの解体及び建設工事

1,321,000千円

2024年7月

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、主にスキンケア製品を中心とする化粧品及び医薬部外品の研究開発を行っております。「美を創造し、演出する」という企業理念のもと、肌本来の力を高めることに着目した、高機能かつ高い安全性を有する製品の開発を進めていることに加え、アフターサービスであるサロンケアにより培ってきたフェイシャルケア技術について科学的エビデンスに基づいた研究を通し、さらなる技術の深耕に取り組んでおります。そして、化粧品という枠を越えた美の新価値創造と女性のQOL(Quality of Life)の向上を目指す企業として、全てのお客様の美の創造に貢献してまいります。

 製品開発においては製販一体であるメリットを活かし、お客様の来店毎に行っているメールアンケート調査・新製品発売後アンケートの結果から顧客のニーズを迅速かつ精度よく反映させる仕組みにより、満足度の高い製品開発に取り組んでおります。研究においては中長期の「R&D強化計画」に基づき、社内研究の推進など研究基盤の強化を進めると共に、大学や原料メーカー等の外部研究機関との連携を図り、新たな美肌理論や独自性の高い原料の開発等、オープンイノベーションの加速による新価値創造を進めております。

 社内研究においては、サロン施術の効果の科学的解明から精神皮膚科学に着目し、心理性ホルモンと肌に起こる様々な現象との関連性を解明いたしました。具体的な成果として、心理的ストレスホルモン「アドレナリン」と神経成長因子「NGF」によるメラニン合成への影響を確認し、心理的ストレスがシミの形成に関与する可能性について「2022年6月日本皮膚科学会」にて発表致しました。また、幸せホルモン「オキシトシン」とストレスホルモン「アドレナリン」が真皮線維芽細胞のヒアルロン酸産生へ影響を及ぼすことを発見し、「2023年3月日本薬学会」にて発表しております。これらの研究成果については新たな美容理論として、今後の製品やサービスに展開してまいります。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は、160,882千円となっており、主な研究開発成果として、新製品を下記のとおり発売いたしました。

 

製品名称等

特徴

「シーボンパル トリートメントマセ」

「シーボンパル ディープクリアフォーム」

「シーボンパル クリアリングローション」

(7月発売)

「シーボンパル モイスチャライジングローション」

(11月発売)

ありのままを、愛そう。育てよう。

マスク生活の常態化によるテカリやベタつき、毛穴悩みに着目し、汚れ落ちという機能性に加え、肌へのやさしさを持ち合わせて生まれた新ブランド。落とすケアを重視し、まっさらな素肌に化粧水をつけた瞬間の浸透の違いを体感してほしいという想いを込め、クレンジング・洗顔・化粧水の4品をラインナップしております。

※ 浸透:角層まで

「C'ores RAISE」

(11月発売)

サロンケアメソッドの「核(コア)」を凝縮し、贅沢な「馬プラセンタエキス配合の美容液」を中心に設計されたスペシャルケアキット。フェイシャリスト®の手技によるサロンケアはもちろん、7日間のホームケアプログラムとしても、お使いいただける「2WAYスキンケア」。“ポジティブで上向きなハリ艶肌”へ導きます。

「シーボン マイクロニードルSPプログラム」

(1月発売)

長引くマスク生活の影響で、特に気になるのが表に出ている目元と隠れている口元のハリ不足。そんな肌悩みをダイレクトにケアするために、「塗るから注入へ」という “マイクロニードル技術”に着目。

ヒアルロン酸などの保湿成分を針状に固めた目元用・ほうれい線用のシート状美容液。1ヶ月間の集中スペシャルケアで、部位に応じたより効率的なうるおい&ハリケアを実現。一晩貼って寝るだけで、ピンとしたハリ肌へ導きます。

※ヒアルロン酸:ヒアルロン酸Na