文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年3月18日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループでは、「産業が発展すればするほど、自然資本と人間関係資本が増加する、持続可能な社会の実現」という基本理念のもとで、経営の効率性、健全性及び透明性を確保し、事業資本の最大化及び株主の皆様やお客様をはじめ社会から高い信頼と評価を得る会社の実現を目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、成長性・収益性については売上高、営業利益及び営業利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
中期的な強化項目として3つの強化項目を挙げております。
① 社会デザイン事業における独自サービスの提供拡大
・企業の持続性・社会的価値の向上に向けた統合的サービスの開発及び顧客への提案力強化
・ICTとアウトソーシングによる環境管理業務の効率化支援サービスの提供拡大及びサービス品質の向上に注力
・産官学民連携による、サーキュラーエコノミーの実現を目的としたプラットフォームの開発・運用
・新たな地上資源(リサイクル製品)の開発・製造の拡充や、再資源化困難物等のリサイクル設備導入による100%リサイクルサービスの多機能化・高付加価値化
・パートナー企業を含む全国の資源循環プラットフォームを駆使したリサイクル提案力の強化と廃棄物管理トータルソリューションの推進
・地域の4大課題(少子高齢化・人口減少・雇用縮小・社会保障費の増大)を解決する自立分散型の地域創生に向けたサービスの確立と水平展開
② 海外展開の推進
・アジア圏での地上資源事業の展開・拡大
・貿易取引の販路拡大と取扱商品拡大
・地域内資源循環システムの構築と水平展開
③ 組織力の向上
・組織の機能及び連携の強化
・人材教育の強化
・企業文化の再構築
・ステークホルダーとの関係性強化
上記施策とグループ全体でのコスト削減施策を確実に実施していくことで経営基盤を強化し、「循環型システム」を創るリーディング・カンパニー・グループとして事業の成長・拡大を図ってまいります。
(4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
企業を取り巻く状況に目を向けますと、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に減衰していくと思われるものの当面継続する見通しであります。また、海外経済の不確実性向上や自然災害の頻発、AIやICT等の急速な技術革新、そして、投資家や企業のESG[環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)]重視の流れが加速し、国内外を問わず脱炭素やサーキュラーエコノミー型ビジネスへの移行が求められております。
こうした状況の中、企業や自治体は持続性を向上させる事業運営の必要性に直面しており、1社だけでは解決しえない領域も含め、柔軟かつスピード感のある対応とこれらを乗り切る事業力強化やイノベーション創造に資する施策へのニーズが一層に高まっていると考えております。
このような状況の中で、当社グループは「未来デザイン企業」として、“産業と暮らしのRe・デザイン”をテーマに、グループミッションである持続可能な社会の実現に直結する「社会デザイン事業」の確立に向けた商品開発・展開を推進いたします。2021年から2023年までの3年間は、市場創造への挑戦期間と位置づけ、持続可能な企業経営・地域運営を伴走支援する新サービス開発に注力いたします。
産業のRe・デザインにおいては、これからの持続的な経営スタイルとして、複雑性を重ねて動的調和を保つ自然界の知恵に習った「エコシステム経営」を提唱いたします。エコシステム経営の3要素は、ステークホルダーを統合する「ミッション」、環境変化に対応して組織内外の経営資源を再結合・再統合する能力「ダイナミック・ケイパビリティ」、サプライチェーンの持続性を高める「循環型ビジネスモデル」であります。約40年に渡り培ったサステナビリティ分野の良質なネットワーク並びに人・資源・情報のプラットフォームを活かし、上述の「エコシステム経営」を推進する新たなパッケージ商品「Cyano Project(シアノプロジェクト):循環型事業創出プログラム」を中心に、「サーキュラーエコノミー」「気候変動対策」といった重要テーマについて、ビジョン策定から実行までの全工程を統合的にサポートしてまいります。
暮らしのRe・デザインにおいては、商品プロトタイプの構築及び事業モデルの確立に注力いたします。中軸サービスとして開発を進めてきた「互助の関係性を生み出すプラットフォーム」(MEGURU STATION®:めぐるステーション)を改良・機能強化し、奈良県生駒市をはじめ、複数地域で仮説検証を実施予定であります。地域の4大課題(少子高齢化・人口減少・雇用縮小・社会保障費の増大)を解決する、自立分散型の統合的タウンマネジメントの中核商品化を目指してまいります。
さらに「社会デザイン事業」の確立に向けた商品開発・展開と並行し、成長期にあるサービス(シリコンスラリー廃液の100%リサイクルサービス、環境認証審査サービス、海外マレーシア事業等)の提供加速による収益力の強化、並びに経営基盤の強化を推進いたします。また組織機能の強化や人材育成の強化に加え、企業文化の再構築(人事制度の改定、目標管理手法の見直し等)や、ステークホルダーとの関係強化・社会的認知度の向上等に繋がる施策等、良質な経営資源の増幅に向けた仕組みづくりに取り組んでまいります。
財務上の課題に関連して、事業撤退を進めていた台灣阿米達股份有限公司の株式譲渡が2020年6月11日に完了したことにより、当連結会計年度において株式売却益並びに繰延税金資産の計上による法人税等調整額の計上及び法人税等還付税額の計上を行うこととなり、親会社株主に帰属する当期純利益が増加いたしました。当期純利益の計上により、自己資本比率は改善してきましたが、財務体質の更なる改善に努めてまいります。また、既存借入金のリファイナンス及び今後の経営計画を推進する上で必要な財務基盤の安定化を目的として、2020年10月30日に15億円のシンジケートローン契約を締結しましたが、今後とも各銀行との緊密な連携等により財務基盤を安定化することで、社会情勢の変化に柔軟に対応しつつ、更なる企業価値の向上に向けて邁進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会計の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年3月18日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 当社グループが紹介する産業廃棄物の収集・運搬業者や中間処理業者による不法投棄等によるリスク
当社グループが資源発生元に対して提案・紹介する産業廃棄物の収集・運搬業者や中間処理業者については、その選定の過程で許認可の取得状況や財務状況等を訪問調査や外部の信用調査機関等による調査で確認を行い、信用できると当社グループが判断した業者に限定して紹介をしております。しかし、当社グループの紹介した業者が不法投棄等を行った場合、当社グループが「産業廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、廃棄物処理法)等に基づく罰則を受けることはありませんが、当社グループの信用が低下し、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
② リサイクル工場施設の賃貸借契約について
当社グループのリサイクル工場のうち、姫路循環資源製造所においては施設用地の一部(総面積21,487.43㎡中、7,505.55㎡分)及び工場建物の一部、北九州循環資源製造所においては施設用地、川崎循環資源製造所においては工場建物を賃借しております。
現時点においては、用地及び建物の貸主と当社グループの関係は良好であり、貸主から契約期間中の解約の申し出がなされる可能性は低いものと考えておりますが、貸主側の事情の変更等により、予期せぬ解約の申し出がなされる可能性があります。仮に、解約の申し出がなされた場合、当該施設は産業廃棄物の中間処理施設であることから、代替の用地及び建物の確保には相当の困難が伴うものと予想されます。従って、解約の申し出がなされた場合に代替の用地及び建物が適時に確保できない場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制について
当社グループが行う地上資源事業は、廃棄物処理法上、産業廃棄物の処分に該当し、また、発生品の運搬に関して積み替えのための保管を行うことは産業廃棄物の収集・運搬に該当します。従って、当社グループの地上資源事業は廃棄物処理法の規制を受けることになります。
(イ)産業廃棄物処理業許可
廃棄物処理法上、産業廃棄物の収集・運搬(保管・積み替えを含む)及び処分(中間処理・再生を含む)を業として行うためには各自治体の許可が必要とされております。そのため、当社グループは、以下のような産業廃棄物処理業に関する許可を取得しており、その有効期限はそれぞれ以下に示すとおりとなっております。
<アミタ株式会社>
a. 産業廃棄物処分業許可(姫路市長)許可番号07023000689号 2027年11月1日
b. 特別管理産業廃棄物処分業許可(姫路市長)許可番号07073000689号 2027年11月1日
c. 産業廃棄物処分業許可(茨城県知事)許可番号00821000689号 2027年12月25日
d. 特別管理産業廃棄物処分業許可(茨城県知事)許可番号00871000689号 2027年12月25日
e. 産業廃棄物処分業許可(川崎市長)許可番号05720000689号 2022年3月31日
f. 産業廃棄物処分業許可(北九州市長)許可番号07620000689号 2022年6月28日
g. 産業廃棄物収集運搬業許可(大阪府知事)許可番号02700000689号 2021年10月22日
h. 産業廃棄物収集運搬業許可(兵庫県知事)許可番号02802000689号 2023年4月26日
i. 産業廃棄物収集運搬業許可(姫路市長)許可番号07013000689号 2027年11月1日
j. 産業廃棄物収集運搬業許可(岡山県知事)許可番号03303000689号 2024年8月21日
k. 産業廃棄物収集運搬業許可(広島県知事)許可番号03400000689号 2021年11月5日
l. 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(兵庫県知事)許可番号02852000689号 2022年7月1日
m. 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(姫路市長)許可番号07063000689号 2027年6月14日
(ロ)事業活動の停止及び取消し要件について
廃棄物処理法上、不法投棄、無許可営業、無許可変更及びマニフェスト虚偽記載等一定の要件に該当する場合には、当社グループに対し事業の停止命令及び許可の取消し処分がなされる場合があります。
当社グループは、内部監査等を通じて定期的に業務における法令遵守の確認を行い、廃棄物処理法の事業停止要件、許可取消し要件に該当することのないよう努めておりますが、万が一、当社グループの業務がこれらの要件に該当し、事業停止命令、許可取消し処分がなされた場合、当社グループの強みである自社製造所による地上資源製造業務が不可能となり、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)許可の更新
廃棄物処理法上、産業廃棄物処理業の許可は有効期限が5年間(優良産業廃棄物処理業者認定制度による優良認定を受けた場合は7年間)とされており、当社グループが有する産業廃棄物処理業の許可には上記のような有効期限が定められているため、上記の許可の有効期限が切れる場合は許可を更新する必要があります。また、更新が認められるためには廃棄物処理法上の基準に適合している必要があります。
現在当社グループは、当該基準に適合しており、許可が更新されない事由は発生しておりませんが、今後の更新時に廃棄物処理法に規定されている基準に当社グループが適合していると認められない場合には、更新がされないことになります。このような場合には、当社グループの地上資源製造施設等の操業が停止することで当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)新たな処理業の許可又は事業の範囲の変更の許可の取得
当社グループが新たな事業展開を行っていくにあたっては、事業の範囲の変更の許可又は許可の新規取得が必要となってくる場合が考えられますが、これらの許可を取得するためには、当社グループが廃棄物処理法の基準に適合している必要があります。
現在当社グループは、当該基準に適合しており、許可の取得が認められない事由はございませんが、万が一、廃棄物処理法に規定されている基準に当社グループが適合していると認められない場合には、許可の申請が却下されることになります。また、当社グループがすでに取得している廃棄物処理業許可の停止並びに取消し要件に該当した場合、新規の許可取得は不可能となります。このような事態が発生した場合、新規事業の展開自体が不可能となり、当社グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 環境認証審査サービスについて
当社グループが行う環境認証審査サービスでは、業務執行に当たって、FSCについては審査会社としての資格、MSC・ASCについては認証機関としての資格を維持するため、それぞれFSC認証機関(Soil Association、ソイルアソシエーション)及び第三者認定機関であるASI(Accreditation Service International、国際認定サービス)の各種監査を受けます。当社グループは、サービスのQMS(Quality Management System、品質管理システム)の維持・向上に取り組んでおりますが、当該監査を通過できなかった場合、審査及び認証サービスの資格が一時停止又は取消されることで当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 為替変動の影響について
当社グループは台湾・韓国等の海外の会社とも取引を行っており、これらの会社との取引は主に米ドル建てでありますが、海外事業の展開に伴い現地通貨建て取引が拡大する見通しであることから、円/米ドル並びに、円/現地通貨の為替レートの変動リスクが発生いたします。為替変動のリスクは完全に排除することは困難であり、為替変動は当社グループの業績に影響を及ぼすことがあります。
⑥ 財政状況、経営成績について
(イ)借入金の依存度について
当社グループの事業においては、循環資源製造所における設備投資や効率的な営業戦略を実行するためのIT設備投資及び営業網拡大・人員増強等のための投資が不可欠ですが、これらの投資により、2020年12月期末における総資産に占める借入金の比率は44.1%であります。今後、経済情勢の変化による金利上昇により支払利息負担が増大することで、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)業績の変動について
当社グループの事業において扱う発生品は、資源発生元の製造工程から副次的に発生する物であり、製造業において大幅な生産調整が行われた場合、発生品の取扱量も想定を下回ることで、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)競争の状況について
当社グループは企業のサステナビリティ向上ニーズに対して、約40年に渡り培ったサステナビリティ分野の良質なネットワーク並びに人・資源・情報のプラットフォームを活かした統合的な提案を行っており、100%リサイクルサービスにおいても、資源発生元の製造工程や発生品を分析し、各発生元に最適な環境リスクの低減手法を提案していくソリューション型の営業手法により他社との差別化をすすめております。ただ、産業廃棄物の排出量は近年漸減の傾向がみられ、さらに、自治体等による廃棄物処理のマッチング提案等がインターネット等の普及により低廉化されております。また環境市場の拡大に伴い新しいビジネスモデルで環境市場に参入する企業も増加しております。環境市場の拡大、活性化は当社グループにとってもチャンスであり、望ましいと考えております。しかしながら、競争の激化が当社グループの顧客の流出に繋がる可能性があり、その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 事故、自然災害等による影響について
当社グループの循環資源製造所には、破砕機や混合機といった製造設備があり、また多量の可燃物を取り扱っていることから、様々な安全対策の徹底を図り、対人・対物を問わず、事故防止に務めております。しかしながら、万一重大な事故が発生した場合には、操業を停止せざるを得ない事態や設備の復旧に多額の投資が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外の製造拠点や事務所等において、大規模地震や台風等の自然災害、その他戦争やテロ等、当社グループの制御不能な事態が発生し、事業活動に支障が生じた場合やそれに伴う環境汚染が生じた場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、中核拠点である循環資源製造所においては、当該拠点に影響を及ぼす自然災害等の緊急事態の発生に対して、平時の事前の対策、緊急事態発生時の初動対応、緊急対応及び復旧対応等の計画を定めておくことで、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、身体・生命の安全確保を図りながら優先的に継続・復旧すべき重要業務の継続又は早期復旧を達成することを目的とし、事業継続計画(BCP)を設定しております。
⑧ 情報セキュリティについて
当社グループは、事業遂行の一環として、多数の個人情報を有しています。また、当社グループの各サービスに関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理に対策を講じていますが、不測の事態によりコンピュータウイルス、ソフトウェア又はハードウェアの障害、災害、テロ等により情報システムが機能しなくなる可能性や、情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用する可能性があり、このような事態が生じた場合、当社グループの事業や、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 財務制限条項の付された借入契約について
当社は、シンジケートローン契約を締結しておりますが、この契約には各年度の決算期の末日における連結貸借対照表の純資産の部の金額や、各年度の決算期における連結損益計算書の当期損益を基準として財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には借入金の返済を求められ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 新型コロナウイルス感染症拡大の影響について
新型コロナウイルス感染症は、国内外の社会経済活動に大きな影響を及ぼしております。当社グループとしては、当該感染症拡大防止に努めると共に、顧客企業や取引先を含むステークホルダーの皆様への影響を最小限に抑えるべく、非対面による商談等の推進、遠隔でのサービス提供(オンライン研修サービス、リモート現地確認、リモート審査等)、状況変化に応じた社内方針の設定・周知、社内リモートワークの推進等の対応策の実施に努めております。また、当該感染症の影響により、顧客企業や取引先における生産量又は取扱量が減少する傾向は来期も一定程度続くと仮定した計画を立てております。しかしながら、当該感染症の影響が更に拡大又は長期化した場合のリスクとして、当該感染症の影響により顧客企業や取引先において大幅な生産調整や計画変更等が行われた場合や、当社グループ社員に感染者が発生し製造拠点や事業所等における事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に下押しされた状況から一定の回復が見られたものの、同感染症の第3波及び世界的な感染拡大による影響は依然大きく、わが国を含めた世界経済全体の先行きは不透明な状況で推移しております。
このような経済状況のもと、当社グループは持続可能社会を実現する未来デザイン企業を目指し、循環型システムを創るリーディング・カンパニー・グループとして、事業セグメントを「社会デザイン事業」に一本化し、社会全体の持続性向上に資するサービスの統合的な提供・創出に注力してまいりました。具体的には、サステナブルな企業経営・地域運営を統合的に支援するサービスの提供拡大、特にロイヤル顧客企業の増加や取引拡大に向けた営業体制の改変とサービス拡充に取り組みました。その中で、100%リサイクルサービスでは、北九州循環資源製造所に新たに追加した設備によるシリコンスラリー廃液のリサイクルが好調に推移してまいりました。環境認証審査サービスでは、新型コロナウイルス感染症の影響により審査の延期等があった一方で新規顧客の獲得やバックオフィスの補強を進めてまいりました。また、海外マレーシア事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により製造量が一時的に落ち込んだものの製造量を拡大し、更なる製造能力増強に取り組んでまいりました。サステナブルな地域運営支援では、奈良県生駒市での自治体・企業との連携による持続可能なまちづくりの実証実験等を進展させてまいりました。また、2019年度に事業撤退した台灣阿米達股份有限公司(以下、台灣阿米達)の株式譲渡を行い、台湾からの撤退を完了いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて484,541千円増加し、4,311,276千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて100,065千円増加し、3,502,190千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて384,476千円増加し、809,085千円となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は売上高4,608,264千円(前期比2.9%減、前期差△135,788千円)、営業利益289,773千円(前期比22.8%増、前期差+53,710千円)、経常利益292,327千円(前期比18.5%増、前期差+45,537
千円)、親会社株主に帰属する当期純利益388,679千円(前期比139.1%増、前期差+226,122千円)となりました。
なお、当連結会計年度より、当社グループの報告セグメントを単一セグメントに変更したため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて457,327千円増加し、1,235,749千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は391,688千円(前期比38,382千円の収入の減少)となりました。これは税金等調整前当期純利益317,474千円の計上や減価償却費154,633千円の計上、仕入債務62,819千円の減少、持分法による投資利益52,704千円の計上などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は29,842千円(前期比136,198千円の支出の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出79,696千円、保険積立金の解約による収入21,280千円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入17,895千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は96,808千円(前期比248,996千円の収入の増加)となりました。これはシンジケートローンへの切り替えによる長期借入金の増減と、短期借入れによる収入が300,000千円あったことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
社会デザイン事業(千円) |
3,091,701 |
99.6 |
|
合計(千円) |
3,091,701 |
99.6 |
(注)1.生産高は、循環資源製造所において中間処理したものによる生産高を販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
社会デザイン事業 |
3,462,964 |
100.7 |
248,761 |
113.7 |
|
合計 |
3,462,964 |
100.7 |
248,761 |
113.7 |
(注)1.受注高及び受注残高は、循環資源製造所におけるリサイクル業務、環境認証審査、各種コンサルティング及び環境に関わる調査・研究を受注したものを記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ハ)販売実績
当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
社会デザイン事業(千円) |
4,608,264 |
97.1 |
|
合計(千円) |
4,608,264 |
97.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度においては、連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なることがあります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響が来期も続くものと仮定し、会計上の見積りに反映しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態及び経営成績
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は、流動資産は現金及び預金などの増加により530,423千円増加、固定資産については、台灣阿米達の株式譲渡に伴う繰延税金資産が増加した一方で減価償却などにより45,882千円減少いたしました。結果、前連結会計年度末に比べて484,541千円増加し、4,311,276千円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は、流動負債は1年内返済予定の長期借入金の減少などにより226,586千円減少した一方で、固定負債については長期借入金の増加などにより326,651千円増加いたしました。結果、前連結会計年度末に比べて100,065千円増加し、3,502,190千円となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末に比べて384,476千円増加し、809,085千円となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は北九州循環資源製造所や海外有価物の取扱量の増加や企業のサステナビリティ向上を支援するコンサルティングサービスの受注増等があったものの新型コロナウイルス感染症の影響等による100%リサイクルサービスの取扱量の減少等により4,608,264千円(前期比2.9%減、前期差△135,788千円)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は売上高の減少があるものの、売上原価の削減や売上総利益率の高い北九州循環資源製造所の取扱量の増加などにより1,770,465千円(前期比6.9%増、前期差+113,641千円)となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は旅費交通費等の統制費が減少したものの、報酬給与手当や賞与引当金繰入額等の人件費が増加したことにより1,480,692千円(前期比4.2%増、前期差+59,931千円)となりましたが、売上総利益の増加もあり、当連結会計年度の営業利益は289,773千円(前期比22.8%増、前期差+53,710千円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の経常利益はシンジケートローン手数料の計上があったものの、営業利益の増加やマレーシア事業に関わる持分法による投資利益の増加などにより292,327千円(前期比18.5%増、前期差+45,537千円)となりました。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は経常利益の増加や台灣阿米達の株式譲渡による売却益により317,474千円(前期比28.6%増、前期差+70,683千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加並びに繰延税金資産の計上による法人税等調整額の計上及び法人税等還付税額の計上により388,679千円(前期比139.1%増、前期差+226,122千円)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(ハ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、借入の返済及び利息の支払い等であります。投資を目的とした資金需要は、製造設備やIT機器等の設備投資、商品開発や経営資源の増幅に資する施策等の(設備投資以外の)投資等によるものであります。
当社グループの資金の源泉は、当面は主として営業活動、銀行借入により、必要とする資金を調達する方針であります。なお、既存借入金のリファイナンス及び今後の経営計画を推進する上で必要な財務基盤の安定化を目的として、2020年10月30日付で15億円のシンジケートローン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,235,749千円となっております。
(ニ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長性・収益性については売上高、営業利益及び営業利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。
当連結会計年度における売上高は4,608,264千円(前期比2.9%減、前期差△135,788千円)、営業利益は289,773千円(前期比22.8%増、前期差+53,710千円)であり、営業利益率は6.3%(前期比1.3ポイント改善)となり、ROE(株主資本利益率)は63.0%(前期比16.0ポイント改善)となりました。
(株式譲渡契約)
当社は、2020年4月24日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるアミタ株式会社が保有する台灣阿米達股份有限公司の全株式をZhong Bao Co., Ltd.に譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(シンジケートローン契約の締結)
当社は、既存借入金のリファイナンス及び今後の経営計画を推進する上で必要な財務基盤の安定化を目的として、2020年10月23日開催の取締役会において、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとするシンジケートローン契約を締結することを決議し、2020年11月10日に実行いたしました。
シンジケートローン契約の概要
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(1) 組成金額 |
15億円 |
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(2) 契約形態 |
タームローン |
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(3) 契約締結日 |
2020年10月30日 |
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(4) 実行日 |
2020年11月10日 |
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(5) 借入期間 |
10年間(2020年11月10日~2030年11月10日) |
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(6) アレンジャー |
株式会社みずほ銀行 |
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(7) 参加金融機関 |
株式会社みずほ銀行、株式会社商工組合中央金庫、株式会社三井住友銀行、 |
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株式会社りそな銀行 |
特記すべき事項はありません。