文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年3月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「持続可能社会=発展すればするほど自然資本と人間関係資本が増加する社会」の実現を基本理念とし、経営の効率性、健全性及び透明性を確保した上で、株主・顧客・取引先・従業員・地域社会など全てのステークホルダーとの関係性及び利益を重視したステークホルダー経営を目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、成長性・収益性については売上高、営業利益及び営業利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
2030年の事業確立を目指し、2021~2023年末までは、市場創造への挑戦期間(=市場創造期)と位置づけ、持続性の向上を目指す企業・自治体向けの新サービス開発に注力いたします。また次の2026年末までの3年間を成長期(=市場展開期)、その次の2029年末までの3年間を拡大期(=市場拡大期)と定め、新サービスの提供拡大と本格的な収益化を目指してまいります。
2022年から2024年末までの3カ年は、市場創造期の2・3年目及び市場展開期の1年目となります。持続可能な企業経営・地域運営支援ニーズが急速に顕在化する時期と考え、以下のサービスの確立と提供に注力いたします。
① 持続可能な企業経営への適正な移行戦略に関する市場確立
(イ)Cyano Project(循環型事業創出プログラム)の提供拡大
(ロ)MCPジャパン・ホールディングス株式会社との合弁会社の事業確立
(ハ)協業・共創によるサーキュラー産業ネットワークの確立
② 持続可能な地域運営への適正な移行戦略に関する市場創出
(イ)MEGURU STATION®の面的展開
(ロ)地域脱炭素プログラムの開発・提供
(ハ)①-(ハ)と連携した、もの・情報・気持ちの最適解を導く新たな社会基盤の開発及び全国展開準備
③ 成長領域における事業拡大と適切な経営支援の投資
(イ)好調なシリコン事業に関する投資
(ロ)環境認証審査サービス、マレーシア事業の提供拡大、新市場開拓
(ハ)①②に関わる事業開発に関する投資
④ ①②③を実行するための経営基盤の強化
(イ)他社との戦略的パートナーシップの締結
(ロ)企業文化性の再構築・ステークホルダーとの関係強化
(ハ)良質な経営資源が増幅する仕組みづくりの強化
(4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
企業を取り巻く状況に目を向けますと、新型コロナウイルス感染症第6波に伴う活動制限等の影響や、原材料の供給不足や資源価格の高騰といったグローバルサプライチェーンの不安定性の増加、また、世界経済の不確実性拡大や自然災害の頻発など、不透明な状況が続くものと予想されます。一方で、国内外における脱炭素やサーキュラーエコノミーの潮流や、投資家や企業や自治体のESG[環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)]重視の流れが加速しております。こうした背景のもと、企業や自治体において、サプライチェーンとデマンドチェーンのESGの最適化等による“持続性”向上ニーズがこれまで以上に高まってきていると考えております。
このような状況の中で、当社グループは「未来デザイン企業」として“産業と暮らしのRe・デザイン”をテーマに、グループミッションである持続可能な社会の実現に直結する「社会デザイン事業」の確立に向けた商品開発・展開を引き続き推進いたします。2022年は、2021年から3年間の“市場創造への挑戦期間”の2年目であり、ESGの最適化等により、持続可能な企業経営・地域運営を伴走支援する新サービスの開発・進化及び展開に注力いたします。
産業のRe・デザインにおいては、持続可能な経営ニーズを受けて、市場の開拓・深耕と新サービスの進化・展開に注力いたします。具体的には、企業経営の持続性を高め、循環型の事業創出・事業変革(=移行戦略)を支援する「Cyano Project」により、攻めのESG経営コンサルティングや環境BPO(AMITA Smart Eco、100%リサイクルサービス、守りのESG経営コンサルティング)による新市場商品の構築支援など、統合的サポートを展開し、並行してラインナップを強化してまいります。その際には、J-CEPをはじめとした企業・地域との連携により、例えば海洋プラスチック問題も視野に入れたプラスチックの資源循環など、サーキュラーエコノミーの推進活動(資源の最適循環、新たなビジネス創出等)と連動してまいります。
暮らしのRe・デザインにおいては、商品プロトタイプの構築・実証及び事業モデルの確立に注力いたします。中軸サービスとして開発を進めてきた「MEGURU STATION®(めぐるステーション)」を機能改良し、福岡県大刀洗町や神戸市をはじめとする複数地域で仮説検証を実施しながら、地域循環共生社会構築における地域脱炭素プログラムの提供と、環境コストの低減・互助共助の仕組み・ローカルソーシャルビジネスのマネジメント等による地域四大課題(少子高齢化・人口減少・雇用縮小・社会保障費の増大)のソリューション提供によって、自立分散型の統合的タウンマネジメントの中核商品化を目指してまいります。そして、産業のRe・デザインと暮らしのRe・デザインを融合したサービス基盤(プラットフォーム)を構想してまいります。
さらに「社会デザイン事業」の確立に向けた商品開発・展開と並行し、成長期にあるサービス(シリコンスラリー廃液の100%リサイクルサービス、環境認証審査サービス、海外マレーシア事業等)の提供加速等による収益力の強化を推進いたします。また企業文化の再構築(新しい目標管理手法の運用改善、人材育成の強化等)や、ステークホルダーとの関係強化・社会的認知度の向上等に繋がる施策等、良質な経営資源の増幅に向けた仕組みづくりに引き続き取り組んでまいります。
財務上の課題に関連して、当連結会計年度において、経常利益の増加並びに連結子会社である株式会社アミタ持続可能経済研究所の発展的解消のためアミタ株式会社に統合させたことにより株式会社アミタ持続可能経済研究所の税金費用を回収することなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益が増加いたしました。当期純利益の計上により、自己資本比率は改善してきましたが、財務体質の更なる改善に努めてまいります。また、2020年10月30日に15億円のシンジケートローン契約を締結いたしましたが、今後とも各銀行との緊密な連携等により財務基盤を安定化することで、社会情勢の変化に柔軟に対応しつつ、更なる企業価値の向上に向けて邁進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会計の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年3月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 当社グループが紹介する産業廃棄物の収集・運搬業者や中間処理業者による不法投棄等によるリスク
当社グループが資源発生元に対して提案・紹介する産業廃棄物の収集・運搬業者や中間処理業者については、その選定の過程で許認可の取得状況や財務状況等を訪問調査や外部の信用調査機関等による調査で確認を行い、信用できると当社グループが判断した業者に限定して紹介をしております。しかし、当社グループの紹介した業者が不法投棄等を行った場合、当社グループが「産業廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、廃棄物処理法)等に基づく罰則を受けることはありませんが、当社グループの信用が低下し、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
② リサイクル工場施設の賃貸借契約について
当社グループのリサイクル工場のうち、姫路循環資源製造所においては施設用地の一部(総面積21,487.43㎡中、7,505.55㎡分)及び工場建物の一部、北九州循環資源製造所においては施設用地、川崎循環資源製造所においては工場建物を賃借しております。
現時点においては、用地及び建物の貸主と当社グループの関係は良好であり、貸主から契約期間中の解約の申し出がなされる可能性は低いものと考えておりますが、貸主側の事情の変更等により、予期せぬ解約の申し出がなされる可能性があります。仮に、解約の申し出がなされた場合、当該施設は産業廃棄物の中間処理施設であることから、代替の用地及び建物の確保には相当の困難が伴うものと予想されます。従って、解約の申し出がなされた場合に代替の用地及び建物が適時に確保できない場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制について
当社グループが行う地上資源事業は、廃棄物処理法上、産業廃棄物の処分に該当し、また、発生品の運搬に関して積み替えのための保管を行うことは産業廃棄物の収集・運搬に該当します。従って、当社グループの地上資源事業は廃棄物処理法の規制を受けることになります。
(イ)産業廃棄物処理業許可
廃棄物処理法上、産業廃棄物の収集・運搬(保管・積み替えを含む)及び処分(中間処理・再生を含む)を業として行うためには各自治体の許可が必要とされております。そのため、当社グループは、以下のような産業廃棄物処理業に関する許可を取得しており、その有効期限はそれぞれ以下に示すとおりとなっております。
<アミタ株式会社>
a. 産業廃棄物処分業許可(姫路市長)許可番号07023000689号 2027年11月1日
b. 特別管理産業廃棄物処分業許可(姫路市長)許可番号07073000689号 2027年11月1日
c. 産業廃棄物処分業許可(茨城県知事)許可番号00821000689号 2027年12月25日
d. 特別管理産業廃棄物処分業許可(茨城県知事)許可番号00871000689号 2027年12月25日
e. 産業廃棄物処分業許可(川崎市長)許可番号05720000689号 2022年3月31日
f. 産業廃棄物処分業許可(北九州市長)許可番号07620000689号 2022年6月28日
g. 産業廃棄物処分業許可(宮城県知事)許可番号00429000689号 2026年6月8日
h. 産業廃棄物収集運搬業許可(兵庫県知事)許可番号02802000689号 2023年4月26日
i. 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(兵庫県知事)許可番号02852000689号 2022年7月1日
j. 産業廃棄物収集運搬業許可(姫路市長)許可番号07013000689号 2027年11月1日
k. 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(姫路市長)許可番号07063000689号 2027年6月14日
l. 産業廃棄物収集運搬業許可(岡山県知事)許可番号03303000689号 2024年8月21日
(ロ)事業活動の停止及び取消し要件について
廃棄物処理法上、不法投棄、無許可営業、無許可変更及びマニフェスト虚偽記載等一定の要件に該当する場合には、当社グループに対し事業の停止命令及び許可の取消し処分がなされる場合があります。
当社グループは、内部監査等を通じて定期的に業務における法令遵守の確認を行い、廃棄物処理法の事業停止要件、許可取消し要件に該当することのないよう努めておりますが、万が一、当社グループの業務がこれらの要件に該当し、事業停止命令、許可取消し処分がなされた場合、当社グループの強みである自社製造所による地上資源製造業務が不可能となり、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)許可の更新
廃棄物処理法上、産業廃棄物処理業の許可は有効期限が5年間(優良産業廃棄物処理業者認定制度による優良認定を受けた場合は7年間)とされており、当社グループが有する産業廃棄物処理業の許可には上記のような有効期限が定められているため、上記の許可の有効期限が切れる場合は許可を更新する必要があります。また、更新が認められるためには廃棄物処理法上の基準に適合している必要があります。
現在当社グループは、当該基準に適合しており、許可が更新されない事由は発生しておりませんが、今後の更新時に廃棄物処理法に規定されている基準に当社グループが適合していると認められない場合には、更新がされないことになります。このような場合には、当社グループの地上資源製造施設等の操業が停止することで当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)新たな処理業の許可又は事業の範囲の変更の許可の取得
当社グループが新たな事業展開を行っていくにあたっては、事業の範囲の変更の許可又は許可の新規取得が必要となってくる場合が考えられますが、これらの許可を取得するためには、当社グループが廃棄物処理法の基準に適合している必要があります。
現在当社グループは、当該基準に適合しており、許可の取得が認められない事由はございませんが、万が一、廃棄物処理法に規定されている基準に当社グループが適合していると認められない場合には、許可の申請が却下されることになります。また、当社グループがすでに取得している廃棄物処理業許可の停止並びに取消し要件に該当した場合、新規の許可取得は不可能となります。このような事態が発生した場合、新規事業の展開自体が不可能となり、当社グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 環境認証審査サービスについて
当社グループが行う環境認証審査サービスでは、業務執行に当たって、FSCについては審査会社としての資格、MSC・ASCについては認証機関としての資格を維持するため、それぞれFSC認証機関(Soil Association、ソイルアソシエーション)及び第三者認定機関であるASI(Accreditation Service International、国際認定サービス)の各種監査を受けます。当社グループは、サービスのQMS(Quality Management System、品質管理システム)の維持・向上に取り組んでおりますが、当該監査を通過できなかった場合、審査及び認証サービスの資格が一時停止又は取消されることで当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 為替変動の影響について
当社グループは台湾・韓国等の海外の会社とも取引を行っており、これらの会社との取引は主に米ドル建てでありますが、海外事業の展開に伴い現地通貨建て取引が拡大する見通しであることから、円/米ドル並びに、円/現地通貨の為替レートの変動リスクが発生いたします。為替変動のリスクは完全に排除することは困難であり、為替変動は当社グループの業績に影響を及ぼすことがあります。
⑥ 財政状況、経営成績について
(イ)借入金の依存度について
当社グループの事業においては、循環資源製造所における設備投資や効率的な営業戦略を実行するためのIT設備投資及び営業網拡大・人員増強等のための投資が不可欠ですが、これらの投資により、2021年12月期末における総資産に占める借入金の比率は30.5%であります。今後、経済情勢の変化による金利上昇により支払利息負担が増大することで、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)業績の変動について
当社グループの事業において扱う発生品は、資源発生元の製造工程から副次的に発生する物であり、製造業において大幅な生産調整が行われた場合、発生品の取扱量も想定を下回ることで、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)競争の状況について
当社グループは企業のサステナビリティ向上ニーズに対して、約40年に渡り培ったサステナビリティ分野の良質なネットワーク並びに人・資源・情報のプラットフォームを活かした統合的な提案を行っており、100%リサイクルサービスにおいても、資源発生元の製造工程や発生品を分析し、各発生元に最適な環境リスクの低減手法を提案していくソリューション型の営業手法により他社との差別化をすすめております。ただ、産業廃棄物の排出量は近年漸減の傾向がみられ、さらに、自治体等による廃棄物処理のマッチング提案等がインターネット等の普及により低廉化されております。また環境市場の拡大に伴い新しいビジネスモデルで環境市場に参入する企業も増加しております。環境市場の拡大、活性化は当社グループにとってもチャンスであり、望ましいと考えております。しかしながら、競争の激化が当社グループの顧客の流出に繋がる可能性があり、その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 事故、自然災害等による影響について
当社グループの循環資源製造所には、破砕機や混合機といった製造設備があり、また多量の可燃物を取り扱っていることから、様々な安全対策の徹底を図り、対人・対物を問わず、事故防止に務めております。しかしながら、万一重大な事故が発生した場合には、操業を停止せざるを得ない事態や設備の復旧に多額の投資が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外の製造拠点や事務所等において、大規模地震や台風等の自然災害、その他戦争やテロ等、当社グループの制御不能な事態が発生し、事業活動に支障が生じた場合やそれに伴う環境汚染が生じた場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、中核拠点である循環資源製造所においては、当該拠点に影響を及ぼす自然災害等の緊急事態の発生に対して、平時の事前の対策、緊急事態発生時の初動対応、緊急対応及び復旧対応等の計画を定めておくことで、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、身体・生命の安全確保を図りながら優先的に継続・復旧すべき重要業務の継続又は早期復旧を達成することを目的とし、事業継続計画(BCP)を設定しております。
⑧ 情報セキュリティについて
当社グループは、事業遂行の一環として、多数の個人情報を有しています。また、当社グループの各サービスに関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理に対策を講じていますが、不測の事態によりコンピュータウイルス、ソフトウェア又はハードウェアの障害、災害、テロ等により情報システムが機能しなくなる可能性や、情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用する可能性があり、このような事態が生じた場合、当社グループの事業や、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 財務制限条項の付された借入契約について
当社は、シンジケートローン契約を締結しておりますが、この契約には各年度の決算期の末日における連結貸借対照表の純資産の部の金額や、各年度の決算期における連結損益計算書の当期損益を基準として財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には借入金の返済を求められ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 新型コロナウイルス感染症拡大の影響について
新型コロナウイルス感染症は、国内外の社会経済活動に引き続き大きな影響を及ぼしております。当社グループとしては、当該感染症拡大防止に努めるとともに、顧客企業や取引先を含むステークホルダーの皆様への影響を最小限に抑えるべく、非対面による商談等の推進、遠隔でのサービス提供(オンライン研修サービス、リモート現地確認、リモート審査等)、状況変化に応じた社内方針の設定・周知、社内リモートワークの推進等の対応策の実施に努めております。なお、当該感染症の影響については来期の連結業績に大きな影響を与えるものではないと判断しております。しかしながら、当該感染症の影響が拡大又は長期化した場合のリスクとして、当該感染症の影響により顧客企業や取引先において大幅な生産調整や計画変更等が行われた場合や、当社グループ社員に感染者が発生し製造拠点や事業所等における事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、依然として新型コロナウイルス感染症の影響下にあり、輸出や生産は増加基調にあるものの、同感染症の第6波及び世界的な感染拡大による影響は継続しており、引き続き不確実性を含んだ状況で推移しております。
このような経済状況のもと、当社グループは持続可能社会の実現を目指す「未来デザイン企業」として“産業と暮らしのRe・デザイン”をテーマに、持続可能な企業経営・地域運営を統合的に支援する「社会デザイン事業」の開発・提供に取り組んでまいりました。産業のRe・デザインにおいては、企業経営の持続性を高め、循環型の事業創出・事業変革を支援する新サービス「Cyano Project(シアノプロジェクト)」を本格展開し、受注数・問い合わせ件数がともに伸長しております。本サービスは、顧客企業のESGリテラシーの向上から新規ビジネスモデルの構想・プロトタイプの設計・実証実験・事業化計画の立案まで、統合的にサポートするもので、オンライン商品説明会に多数の企業が参加するなど、市場の好反応を得ております。また、100%リサイクルサービスの拡充、環境認証審査サービスの提供拡大などに取り組んでまいりました。海外マレーシア事業では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う厳しい活動制限により入出荷が一時停止する事態が生じましたが概ね回復し、通年では製造量が増加しております。暮らしのRe・デザインにおいては、地域内の資源循環と互助の関係性を創出するプラットフォーム「MEGURU STATION®(めぐるステーション)」の開発を含めた商品プロトタイプ及び事業モデルの構築に取り組んでまいりました。2021年11月には神戸市の「令和3年度プラスチック資源の地域拠点回収モデル事業運営支援業務」を受託してコミュニティスペースを有する資源回収ステーションの運営を開始し、地域課題を統合的に解決する資源循環の仕組み化に取り組んでおります。そして、産業と暮らしにまたがるRe・デザインの取組みとして、2021年7月に開始した北九州市における使用済みプラスチック回収実証実験プロジェクト「MEGURU BOX(めぐるボックス)プロジェクト」(当社は代表企業として参画)や、同年11月に持続可能な社会の実現を目指す企業等が住民・行政・大学等と連携してサーキュラーエコノミーを推進する新事業共創パートナーシップ「Japan Circular Economy Partnership:J-CEP」の設立・運営(当社は代表幹事及び事務局企業として参画)等に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて116,035千円増加し、4,427,311千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて529,902千円減少し、2,972,287千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて645,938千円増加し、1,455,024千円となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は売上高5,157,789千円(前期比11.9%増、前期差+549,524千円)、営業利益560,023千円(前期比93.3%増、前期差+270,249千円)、経常利益629,461千円(前期比115.3%増、前期差+337,134千円)、親会社株主に帰属する当期純利益632,836千円(前期比62.8%増、前期差+244,156千円)となりました。
なお、当社グループは社会デザイン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて154,806千円増加し、1,390,556千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は873,224千円(前期比481,535千円の収入の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益585,738千円の計上や減価償却費143,833千円の計上、持分法による投資利益76,868千円の計上、法人税等の還付額87,998千円の計上などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は73,969千円(前期比44,127千円の支出の増加)となりました。これは有形固定資産の取得による支出68,465千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は649,522千円(前期比746,331千円の支出の増加)となりました。これは短期借入金の返済による支出400,000千円、長期借入金の返済による支出150,000千円などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
社会デザイン事業(千円) |
3,380,753 |
109.3 |
|
合計(千円) |
3,380,753 |
109.3 |
(注)1.生産高は、循環資源製造所において中間処理したものによる生産高を販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
社会デザイン事業 |
3,792,703 |
109.5 |
281,236 |
113.1 |
|
合計 |
3,792,703 |
109.5 |
281,236 |
113.1 |
(注)1.受注高及び受注残高は、循環資源製造所におけるリサイクル業務、環境認証審査、各種コンサルティング及び環境に関わる調査・研究を受注したものを記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ハ)販売実績
当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
社会デザイン事業(千円) |
5,157,789 |
111.9 |
|
合計(千円) |
5,157,789 |
111.9 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度においては、連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態及び経営成績
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は、流動資産は現金及び預金などの増加などにより113,923千円増加、固定資産については、減価償却などにより減少した一方で繰延税金資産の増加などにより2,112千円増加いたしました。結果、前連結会計年度末に比べて116,035千円増加し、4,427,311千円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は、流動負債は短期借入金の返済などにより354,693千円減少し、固定負債については長期借入金の返済などにより175,208千円減少いたしました。結果、前連結会計年度末に比べて529,902千円減少し、2,972,287千円となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末に比べ645,938千円増加し、1,455,024千円となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は新サービス「Cyano Project(シアノプロジェクト)」の本格展開、有価物取引の増加、100%リサイクルサービスの取扱量の増加、姫路循環資源製造所及び北九州循環資源製造所のシリコンスラリー廃液のリサイクル量の増加、環境認証審査サービス提供の増加等により5,157,789千円(前期比11.9%増、前期差+549,524千円)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は売上高の増加などにより2,001,502千円(前期比13.0%増、前期差+231,036千円)となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は地代家賃や租税公課等が減少したことなどにより1,441,479千円(前期比2.6%減、前期差△39,212千円)となり、売上総利益の増加もあり、当連結会計年度の営業利益は560,023千円(前期比93.3%増、前期差+270,249千円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の経常利益は営業利益の増加やマレーシア事業に関わる持分法による投資利益の増加などにより629,461千円(前期比115.3%増、前期差+337,134千円)となりました。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は姫路事務所及び茨城循環資源製造所における固定資産について特別損失を計上しましたが、経常利益の増加などにより585,738千円(前期比84.5%増、前期差+268,264千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加並びに連結子会社であった株式会社アミタ持続可能経済研究所の発展的解消のためアミタ株式会社に統合させたことに伴い株式会社アミタ持続可能経済研究所の税金費用を回収することなどにより632,836千円(前期比62.8%増、前期差+244,156千円)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(ハ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、借入の返済及び利息の支払い等であります。投資を目的とした資金需要は、製造設備やIT機器等の設備投資、商品開発や経営資源の増幅に資する施策等の(設備投資以外の)投資等によるものであります。
当社グループの資金の源泉は、当面は主として営業活動、銀行借入により、必要とする資金を調達する方針であります。なお、既存借入金のリファイナンス及び今後の経営計画を推進する上で必要な財務基盤の安定化を目的として、2020年10月30日付で15億円のシンジケートローン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,390,556千円となっております。
(ニ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長性・収益性については売上高、営業利益及び営業利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。
当連結会計年度における売上高は5,157,789千円(前期比11.9%増、前期差+549,524千円)、営業利益は560,023千円(前期比93.3%増、前期差+270,249千円)であり、営業利益率は10.9%(前期比4.6ポイント改善)となり、ROE(株主資本利益率)は55.9%(前期比7.1ポイント悪化)となりました。
(資本業務提携契約の締結)
当社は、2021年4月5日開催の臨時取締役会において、大平洋金属株式会社(本店:東京都千代田区、代表取締役社長 青山正幸氏、以下「大平洋金属」といいます。)と資本業務提携契約を締結いたしました。
また、大平洋金属が、2021年4月6日付にて、当社筆頭株主である株式会社山﨑砂利商店(以下「山﨑砂利商店」といいます。2021年1月26日付で提出された大量保有報告書によれば、山﨑砂利商店は、2021年1月25日付で、株式会社山﨑ホールディングスが保有していた当社株式432,000株の全てを取得しております。)が保有する当社発行済株式の一部を取得したことにより、当社の主要株主及び主要株主である筆頭株主並びにその他の関係会社の異動が発生しております。
(1) 資本業務提携の目的及び理由
当社は、2021年2月26日に公表した中期3カ年計画(2021-2023年)において「他社との事業連携による新規顧客の獲得や利益率の向上」を重点施策の1つに挙げており、協業・共創による相乗効果を発揮できるパートナーの検討を進めてまいりました。
一方、大平洋金属は、2019年5月10日公表の中期経営計画「PAMCO-2021」において、重点施策として、ニッケル資源調達の長期安定化、将来の収益基盤強化に資する事業の多角化を掲げるとともに、持続可能な社会の実現への貢献を打ち出されております。
上記の経緯を踏まえ、当社と大平洋金属は、両社が有する経営資源やノウハウを持ち寄ることでシナジーを創出し、双方の企業価値を最大化することを目的として、本資本業務提携契約を締結いたしました。
(2) 業務提携の内容等
当社と大平洋金属は、以下の項目を含め、業務提携を行いました。
① ニッケル循環調達モデルの構築(前処理技術の開発を含む)
② サーキュラーエコノミーを軸とした国内外の新規共同事業による持続的な収益源の拡大
③ カーボン・ゼロ社会実現に向けての新規事業開拓
④ 八戸エリアを中心とする地域と産業の活性化並びに持続性の向上
⑤ その他、両社の経営資源の増幅及び企業価値の向上に資する事項
(3) 資本提携の内容等
大平洋金属は、2021年4月6日付で、山﨑砂利商店が保有する当社発行済株式の一部(388,000株)を市場外の相対取引により取得いたしました。
(4) 資本業務提携先の概要
① 名称 大平洋金属株式会社
② 所在地 東京都千代田区大手町一丁目6番1号
③ 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 青山 正幸
④ 事業内容 フェロニッケルの製錬及びスラグ製品の製造
⑤ 資本金 139億2,200万円
(5) 日程
① 取締役会決議日 2021年4月5日
② 資本業務提携契約締結日 2021年4月6日
特記すべき事項はありません。