第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月23日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「持続可能社会=発展すればするほど自然資本と人間関係資本が増加する社会」の実現を基本理念とし、経営の効率性、健全性及び透明性を確保した上で、株主・顧客・取引先・従業員・地域社会など全てのステークホルダーとの関係性及び利益を重視したステークホルダー経営を目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、成長性・収益性については売上高、営業利益及び営業利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2022年11月に2030年の事業ビジョン「エコシステム社会構想2030」を発表いたしました。本構想の実現に向けて、2023年末までを市場創造への挑戦期間(=市場創造期)と位置づけ、持続性の向上を目指す企業・自治体向けの商品開発やサービスレベルの高度化、産官学との戦略的パートナーシップ、積極的な投資による経営基盤の強化等に注力いたします。また次の2026年末までの3年間を成長期(=市場展開期)、その次の2029年末までの3年間を拡大期(=市場拡大期)と定め、価値提供の拡大と新規事業領域の本格的な収益化を目指してまいります。

 

2023年から2025年末までの3カ年は、市場創造期の3年目および市場展開期の1・2年目となります。制約条件下において、企業・地域の持続可能な経営の最も有力な方法論は「サーキュラー」であると共通認識化する時期だと考え、以下の重要取り組みに注力いたします。

 

① 2030年ビジョンの実現に向けた"MEGURU PLATFORM"の構築

(イ)MEGURU STATION®の面的展開加速、ビジネスモデルの確立

(ロ)デジタル技術を用いた、情報プラットフォームの開発・実装・収益化

(ハ)MEGURU FACTORIESをはじめとした産官学の協業・共創による、サーキュラーな産業エコシステムの確立

 

② "Circular Design"の提供によるアミタグループ全体の高収益化

(イ)サーキュラーニーズ(ネイチャーポジティブ・カーボンニュートラル・循環経済)を捉えた移行戦略支援の加速

(ロ)北九州製造所でのシリコンリサイクル設備増強などにより、半導体産業のサーキュラー化を推進

(ハ)顧客占有率・顧客単価の向上による収益率の更なる拡大

(二)マレーシア事業の拡大、アジア成長国での新市場開拓

 

③ 2027年の創立50周年を見据えた、時代に先駆ける"エコシステム経営"の構築・実践

(イ)会社分割・子会社新設による意思決定のスピード向上と次世代の育成

(ロ)週32時間就労をはじめとした互助共助価値創造型ライフスタイルへのシフト

(ハ)産官学との戦略的パートナーシップなど「エコシステム社会構想2030」の実現に向けた良質な経営資本(人的資本・金融資本・関係資本)を獲得するための戦略的な施策の実行

 

 

(4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

企業を取り巻く状況に目を向けますと、新型コロナウイルス感染症の影響から生産活動、消費活動ともに穏やかに持ち直していくと思われるものの、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う様々な影響、原材料の供給不足や資源価格の高騰といったグローバルサプライチェーンの不安定性の継続、米欧や中国を中心とする世界経済の減速影響、また、自然災害の頻発など、不透明な状況が続くものと予想されます。一方で、国内外における脱炭素やサーキュラーエコノミーの潮流、投資家や企業、自治体のESG重視の流れは、資源価格の高騰等により一時的な停滞が見られたものの、安全保障の観点も加わって継続しており、今後もサーキュラーエコノミー推進による“持続性”向上ニーズは加速していくと予想されます。

このような状況の中で、当社グループは「未来デザイン企業」として“産業と暮らしのRe・デザイン”をテーマに、社会の持続性と関係性を向上する「社会デザイン事業」の確立に向けた商品開発・展開を引き続き推進いたします。2022年11月には、2030年に向けた事業ビジョンを、「エコシステム社会構想2030」(以下本構想)という形で発表いたしました。本構想の実現に向け、組織の機動性・サービスの品質・価値創造力などを高めるため、子会社の分社化(※詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」を参照)及び新たな子会社の設立(AMIDAO株式会社)や、NTTコミュニケーションズ社、三井住友信託銀行社等をはじめとする、異業種企業との戦略的パートナーシップを積極的に推進しております。2021年から3年間の“市場創造への挑戦期間”の最終年度である2023年は、持続可能な企業経営・地域運営を支援するサービスの開発及び展開に引き続き注力し、また、企業等との戦略的パートナーシップの推進や、J-CEPのような共創型のコンソーシアムにて、市民・自治体・大学・官公庁等との連携も拡大することで、2024年からの“市場展開期”とその先の本構想の実現へとつなげていきたいと考えております。

産業のRe・デザインにおいては、持続可能な企業経営への移行戦略支援(=トランジションストラテジー事業)を強化します。具体的には、企業経営の持続性を高め、循環型の事業創出・事業変革(=移行戦略)を支援する「Cyano Project」を通じ、攻めのESG経営コンサルティングや環境BPO(AMITA Smart Eco、サーキュラーマテリアル事業、守りのESG経営コンサルティング)など、方針策定から仕組み化まで各ソリューションによる統合的サポートを展開してまいります。その際には、脱炭素経営への移行戦略支援を行うCodo Advisory株式会社、既存・新規の戦略的パートナーシップ、J-CEPなどと連携することで提供価値の向上を図ってまいります。成長期にある環境認証審査サービスについてはニーズの拡大に合わせた組織体制の強化を図ってまいります。マレーシアをはじめとする海外においては、自社工場における再資源化事業の安定化・推進以外にも、循環型社会の仕組みづくりなど国内で開発・展開中の事業提供なども視野に入れて市場の開拓を行ってまいります。

国内100%リサイクルサービスは、天然資源の代替製品を製造するリサイクル事業から、持続可能な調達・資源活用の総合ソリューションを提供するサーキュラーマテリアル事業へ高度化いたします。具体的には、CO2削減に資する石炭代替燃料など新たな循環資源及び循環技術の開発や機能強化、パートナー企業との積極的なアライアンスなど、事業革新の機動力を高めてまいります。また、成長期にあるシリコンスラリー廃液の再資源化へ新たな設備投資を行い、2024年以降の製造能力を1.5倍に高めてまいります。

暮らしのRe・デザインにおいては、商品プロトタイプの構築・実証及び事業モデルの確立に引き続き注力いたします。具体的には、中核サービスとして開発を進めてきた「MEGURU STATION®」のモデル開発を完了し、福岡県大刀洗町や兵庫県神戸市をはじめとする複数地域において、同地域内での面的展開と仮説検証を実施しながら、環境コストの低減・互助共助の仕組み・消費動向や資源情報の活用等により地域・企業・社会の課題を統合解決するビジネスモデル化を目指してまいります。その際には資源の安全性を証明するためのトレサビリティや利用者の貢献を可視化する必要があるため、Web3関連技術を用いてトークンエコノミーの設計・開発等(=エコシステム共創事業)を行うAMIDAO株式会社と連携してまいります。

さらに「社会デザイン事業」を支える経営基盤として、企業文化の再構築(新しい目標管理手法の運用改善、週32時間就労への挑戦、人材育成の強化等)や、ステークホルダーとの関係強化・社会的認知度の向上等に繋がる施策等、良質な経営資源の増幅に向けた仕組みづくりに引き続き取り組んでまいります。

財務上の課題に関連して、当期純利益の計上等により、自己資本比率が増加しておりますが、財務体質の更なる改善に努めてまいります。また、2020年10月30日に15億円のシンジケートローン契約を締結いたしましたが、今後とも各銀行との緊密な連携等により財務基盤を安定化することで、社会情勢の変化に柔軟に対応しつつ、更なる企業価値の向上に向けて邁進してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会計の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月23日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当社グループが紹介する産業廃棄物の収集・運搬業者や中間処理業者による不法投棄等によるリスク

当社グループが資源発生元に対して提案・紹介する産業廃棄物の収集・運搬業者や中間処理業者については、その選定の過程で許認可の取得状況や財務状況等を訪問調査や外部の信用調査機関等による調査で確認を行い、信用できると当社グループが判断した業者に限定して紹介をしております。しかし、当社グループの紹介した業者が不法投棄等を行った場合、当社グループが「産業廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、廃棄物処理法)等に基づく罰則を受けることはありませんが、当社グループの信用が低下し、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② リサイクル工場施設の賃貸借契約について

当社グループのリサイクル工場のうち、姫路循環資源製造所においては施設用地の一部(総面積21,487.43㎡中、7,505.55㎡分)及び工場建物の一部、北九州循環資源製造所においては施設用地を賃借しております。

現時点においては、用地及び建物の貸主と当社グループの関係は良好であり、貸主から契約期間中の解約の申し出がなされる可能性は低いものと考えておりますが、貸主側の事情の変更等により、予期せぬ解約の申し出がなされる可能性があります。仮に、解約の申し出がなされた場合、当該施設は産業廃棄物の中間処理施設であることから、代替の用地及び建物の確保には相当の困難が伴うものと予想されます。従って、解約の申し出がなされ、代替の用地及び建物が適時に確保できない場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法的規制について

当社グループが行うサーキュラーマテリアル事業は、廃棄物処理法上、産業廃棄物の処分に該当し、また、発生品の運搬に関して積み替えのための保管を行うことは産業廃棄物の収集・運搬に該当します。従って、当社グループのサーキュラーマテリアル事業は廃棄物処理法の規制を受けることになります。

(イ)産業廃棄物処理業許可

廃棄物処理法上、産業廃棄物の収集・運搬(保管・積み替えを含む)及び処分(中間処理・再生を含む)を業として行うためには各自治体の許可が必要とされております。そのため、当社グループは、産業廃棄物処理業に関する許可を取得しており、その許可と有効期限は以下に示すとおりです。

<アミタ株式会社>(提出日現在:アミタサーキュラー株式会社)

a. 産業廃棄物処分業許可(姫路市長)許可番号07023000689号 2027年11月1日

b. 特別管理産業廃棄物処分業許可(姫路市長)許可番号07073000689号 2027年11月1日

c. 産業廃棄物処分業許可(茨城県知事)許可番号00821000689号 2027年12月25日

d. 特別管理産業廃棄物処分業許可(茨城県知事)許可番号00871000689号 2027年12月25日

e. 産業廃棄物処分業許可(北九州市長)許可番号07620000689号 2029年6月28日

f. 産業廃棄物処分業許可(宮城県知事)許可番号00429000689号 2026年6月8日

g. 産業廃棄物収集運搬業許可(兵庫県知事)許可番号02802000689号 2023年4月26日

h. 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(兵庫県知事)許可番号02852000689号 2029年7月1日

i. 産業廃棄物収集運搬業許可(姫路市長)許可番号07013000689号 2027年11月1日

j. 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(姫路市長)許可番号07063000689号 2027年6月14日

k. 産業廃棄物収集運搬業許可(岡山県知事)許可番号03303000689号 2024年8月21日

 

 

(ロ)事業活動の停止及び取消要件について

廃棄物処理法上、不法投棄、無許可営業、無許可変更及びマニフェスト虚偽記載等一定の要件に該当する場合には、当社グループに対し事業の停止命令及び許可の取消処分がなされる可能性があります。

当社グループは、内部監査等を通じて定期的に業務における法令遵守の確認を行い、廃棄物処理法の事業停止要件、許可取消要件に該当することのないよう努めております。万が一、当社グループの業務がこれらの要件に該当し、事業停止命令、許可取消処分がなされた場合、当社グループの強みである自社製造所によるサーキュラーマテリアル製造業務が不可能となり、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ハ)許可の更新

廃棄物処理法上、産業廃棄物処理業の許可は有効期限が5年間(優良産業廃棄物処理業者認定制度による優良認定を受けた場合は7年間)とされており、当社グループが有する産業廃棄物処理業の許可には上記のような有効期限が定められているため、該当許可の有効期限が切れる場合は許可を更新する必要があります。また、更新が認められるためには廃棄物処理法上の基準に適合している必要があります。

現在当社グループは、当該基準に適合しており、許可が更新されない事由は発生しておりません。しかし、今後の更新時に廃棄物処理法で規定されている基準に当社グループが適合していると認められない場合、許可の更新がされず、当社グループのサーキュラーマテリアル製造施設等の操業が停止することで当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ニ)新たな処理業の許可又は事業範囲変更の許可取得

当社グループが新たな事業展開を行うにあたり、事業範囲変更の許可又は許可の新規取得が必要となる可能性が考えられます。これらの許可を取得するためには、当社グループが廃棄物処理法の基準に適合している必要があります。

現在当社グループは、当該基準に適合しており、許可の取得が認められない事由はございませんが、万が一、廃棄物処理法に規定されている基準に当社グループが適合していると認められない場合、許可の申請が却下されることになります。また、当社グループがすでに取得している廃棄物処理業許可の停止並びに取消要件に該当した場合、許可の新規取得は不可能となります。このような事態が発生した場合、新規事業の展開自体が不可能となり、当社グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 環境認証審査サービスについて

当社グループが行う環境認証審査サービスの業務執行に当たって、FSCについては審査会社としての資格、MSC・ASCについては認証機関としての資格を維持するため、それぞれFSC認証機関(Soil Association、ソイルアソシエーション)及び第三者認定機関であるASI(Accreditation Service International、国際認定サービス)の各種監査を受けます。当社グループは、サービスのQMS(Quality Management System、品質管理システム)の維持・向上に取り組んでおりますが、当該監査を通過できなかった場合、審査及び認証サービスの資格が一時停止又は取消されることで当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 為替変動の影響について

当社グループは台湾・韓国・マレーシア等の海外の会社と取引を行っており、これらの会社との取引は主に米ドル建てですが、海外事業の展開に伴い現地通貨建て取引が拡大する見通しであることから、円/米ドル並びに、円/現地通貨の為替レートの変動リスクが発生いたします。為替変動リスクは完全に排除することは困難であり、為替変動は当社グループの業績に影響を及ぼすことがあります。

 

⑥ 財政状況、経営成績について

(イ)借入金の依存度について

当社グループの事業においては、循環資源製造所における設備投資や効率的な営業戦略を実行するためのIT設備投資及び営業網拡大・人員増強等のための投資が不可欠ですが、これらの投資により、2022年12月期末における総資産に占める借入金の比率は26.0%であります。今後、経済情勢の変化による金利上昇により支払利息負担が増大することで、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ロ)業績の変動について

当社グループの事業において扱う発生品(廃棄物等)は、資源発生元の製造工程から副次的に発生する物であり、製造業において大幅な生産調整が行われた場合、発生品の取扱量も想定を下回ることで、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(ハ)競争の状況について

当社グループは企業のサステナビリティ向上ニーズに対して、約45年に渡り培ったサステナビリティ分野の良質なネットワーク、並びに人・資源・情報のプラットフォームを活かした統合的な提案を行っており、100%リサイクルサービスにおいても、天然資源の代替製品を製造するリサイクル事業から、持続可能な調達・資源活用の総合ソリューションを提供するサーキュラーマテリアル事業へ高度化するなど、他社との差別化を進めております。ただ、産業廃棄物の排出量は近年漸減の傾向がみられ、さらに、自治体等による廃棄物処理のマッチング提案等がインターネットの普及により低廉化されております。また環境市場の拡大に伴い、新しいビジネスモデルで環境市場に参入する企業も増加しており、環境市場の拡大・活性化は当社グループにとってもチャンスです。しかしながら、競争の激化が当社グループの顧客の流出に繋がる可能性もあり、その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦ 事故、自然災害等による影響について

当社グループの循環資源製造所には、破砕機や混合機などの製造設備があり、多量の可燃物を取り扱っていることから、様々な安全対策の徹底を図り、対人・対物を問わず、事故防止に務めております。しかしながら、万一重大な事故が発生した場合には、操業を停止せざるを得ない事態や設備の復旧に多額の投資が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、国内外の製造拠点や事務所等において、大規模地震や台風等の自然災害、その他戦争やテロ等、当社グループの制御不能な事態が発生し、事業活動に支障が生じた場合やそれに伴う環境汚染が生じた場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、中核拠点である循環資源製造所においては、当該拠点に影響を及ぼす自然災害等の緊急事態の発生に対して、平時の事前の対策、緊急事態発生時の初動対応、緊急対応及び復旧対応等の計画を定めておくことで、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、身体・生命の安全確保を図りながら優先的に継続・復旧すべき重要業務の継続又は早期復旧を達成することを目的とし、事業継続計画(BCP)を設定しております。

 

⑧ 情報セキュリティについて

当社グループは、事業遂行の一環として、多数の個人情報を有しています。また、当社グループの各サービスに関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理に対策を講じていますが、不測の事態によりコンピュータウィルス、ソフトウェア又はハードウェアの障害、災害、テロ等により情報システムが機能しなくなる可能性や、情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用する可能性があり、このような事態が生じた場合、当社グループの事業や、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 財務制限条項の付された借入契約について

当社は、シンジケートローン契約を締結しており、この契約には各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の部の金額や、各年度の決算期における連結損益計算書の当期損益を基準として財務制限条項が付されています。これに抵触した場合、借入金の返済を求められ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 人的資本の確保について

労働人口が恒常的に減少し、働き方の多様性が加速していく中で、新たな人材確保の難易度が上がった場合や既存人材が流出する等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。なお、Well-being向上により価値創出力を高める週32時間就労への挑戦、価値創出につながる多様な働き方としてリモートワークの推進や社会活動に対する有給休暇制度等の実施、さらには挑戦を促進する目標管理制度の導入や教育訓練施策の強化等をはかっております。

 

⑪ 新型コロナウイルス感染症拡大の影響について

新型コロナウイルス感染症は、国内外の社会経済活動に引き続き影響を与えています。当社グループとしては、当該感染症拡大防止に努めるとともに、顧客企業や取引先を含むステークホルダーの皆様への影響を最小限に抑えるべく、非対面による商談等の推進、遠隔でのサービス提供(オンライン研修サービス、リモート現地確認、リモート審査等)、状況変化に応じた社内方針の設定・周知、社内リモートワークの推進等の対応策の実施に努めております。なお、当該感染症の影響については、連結業績に大きな影響を与えるものではないと判断しておりますが、当該感染症が再拡大した際のリスクとして、顧客企業や取引先において大幅な生産調整や計画変更等が行われた場合や、当社グループ社員に感染者が発生し製造拠点や事業所等における事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ ロシア・ウクライナ情勢に関連する影響等について

ロシア企業との有価物取引の一部又は全部が停止することで、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。ただし当該取引の売上全体に占める割合は1%以下であり、当社グループ全体の業績に与える影響は軽微であります。また、同情勢による資源価格の高騰が産業界に影響を及ぼすことで、顧客企業のESG経営や脱炭素計画が停滞・遅延することが考えられます。それにより当社のコンサルティングサービス等の提供・拡大がずれ込み、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、長期的には資源価格の高騰により国産化・内需拡大が進み、短期的にも製造業における代替資源(リサイクル原料)へのニーズや、持続的なビジネスモデルへの事業変革・移行戦略のニーズは継続・拡大していくと考えており、当社グループ事業拡大への追い風と捉えています。

また、台湾情勢についても注視すべき国際情勢として情報収集ならびに影響分析を進めてまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。そのため、売上高についての前年同期比(%)を記載しておりません。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う影響や、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う様々な影響、原材料の供給不足や資源価格の高騰といったグローバルサプライチェーンの不安定性の増加、大きく変動する為替相場など、先行き不透明な状況が続いております。

このような経済状況のもと、当社グループは持続可能社会の実現を目指す「未来デザイン企業」として“産業と暮らしのRe・デザイン”をテーマに、持続可能な企業経営・地域運営を統合的に支援する「社会デザイン事業」の開発・提供に取り組んでまいりました。

産業のRe・デザインにおいては、循環型の事業創出・事業変革を支援する「Cyano Project(シアノプロジェクト)」を軸に、脱炭素、サーキュラーエコノミー、ネイチャーキャピタル等の取り組みを全体最適の視点で提案し、構想から構築、実行までトータルでサポートしております。循環型の持続可能経営ニーズの拡大を追い風に、2022年度は38社より新規受注いたしました(2021年度:24社)。また、国内100%リサイクルサービスは、国内メーカーの製造量減少等の影響により取扱量は前期比ではやや減少したものの、生産プロセスの改善により年々、利益率は高まっております。原料調達リスクが顕在化するなかで、リサイクル資源利用ニーズは着実に拡大傾向にあり、特にシリコンスラリー廃液の100%リサイクルは、国内半導体メーカーの増産に伴う発生品(廃棄物等)の増量を受けて、好調に推移しております。環境認証審査サービスは、FSC®CoC認証を中心に堅実に顧客数が伸長(前期比23%増)しており、今後もTNFDへ対応する企業の増加など、ネイチャーポジティブへの機運が高まる中で、認証取得ニーズの拡大が予想されます。また、海外マレーシア事業は、新型コロナウイルス感染症等からの同国内の経済回復を追い風に、リサイクル資源の出荷量及びNi再生資源の取扱量が過去最大となりました。加えて当社が代表幹事を務める「ジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ:J-CEP」は、2021年の設立から加盟企業が16社増え44社となりました。後述するMEGURU STATION®を活かし、サプライチェーン全体でリサイクルの実証や、量り売り等のサービス化を議論することで、サーキュラーエコノミーの機運を醸成しております。

暮らしのRe・デザインにおいては、互助共助コミュニティ型資源回収ステーション「MEGURU STATION®」を基点に、循環型社会の実現に向けた実証を継続しております。年度末時点では、福岡県大刀洗町との包括連携協定における2か所のステーション開設、兵庫県神戸市との事業連携協定における2か所のステーション開設など、地域の4大課題(少子高齢化・人口減少・雇用縮小・社会保障費の増大)の解決に資するサービス開発に取り組んでまいりました。また、千葉大学との共同研究により「MEGURU STATION®への参加による介護予防効果、社会保障費の削減効果」を推定するなど、自治体における導入効果の定量化・可視化を進めております。

その他、持分法適用関連会社であるCodo Advisory株式会社は、脱炭素経営に向けた移行戦略の策定・評価支援サービス及び気候変動に関する教育ワークショップ等を提供しております。2022年3月の設立から半年間で、大手企業を中心に10社を支援しております。

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(イ)財政状態

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて396,968千円増加し、4,824,280千円となりました。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて149,057千円減少し、2,823,230千円となりました。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて546,026千円増加し、2,001,050千円となりました。

 

(ロ)経営成績

当連結会計年度の経営成績は売上高4,824,795千円(前期差△332,993千円)、営業利益609,728千円(前期比8.9%増、前期差+49,705千円)、経常利益715,537千円(前期比13.7%増、前期差+86,076千円)、親会社株主に帰属する当期純利益531,242千円(前期比16.1%減、前期差△101,594千円)となりました。

なお、当社グループは社会デザイン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて389,077千円増加し、1,779,633千円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は585,083千円(前期比288,140千円の収入の減少)となりました。これは税金等調整前当期純利益712,138千円の計上や減価償却費139,734千円の計上、持分法による投資利益108,901千円の計上などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は69,841千円(前期比4,127千円の支出の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出80,507千円などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は142,166千円(前期比507,355千円の支出の減少)となりました。これは長期借入金の返済による支出150,000千円などによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(イ)生産実績

当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

前年同期比(%)

社会デザイン事業(千円)

3,281,298

97.1

合計(千円)

3,281,298

97.1

(注)生産高は、循環資源製造所において中間処理したものによる生産高を販売価格で表示しております。

 

(ロ)受注実績

当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

社会デザイン事業

3,770,018

99.4

258,861

92.0

合計

3,770,018

99.4

258,861

92.0

(注)受注高及び受注残高は、循環資源製造所におけるリサイクル業務、環境認証審査、各種コンサルティング及び環境に関わる調査・研究を受注したものを記載しております。

 

(ハ)販売実績

当社グループは「社会デザイン事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

前年同期比(%)

社会デザイン事業(千円)

4,824,795

合計(千円)

4,824,795

(注)1.最近2連結会計年度においては、連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。売上高に大きな影響が生じるため、前年同期比は記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なることがあります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(イ)財政状態及び経営成績

a.財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における総資産は、流動資産は現金及び預金などの増加などにより423,174千円増加、固定資産については、減価償却などにより26,206千円減少いたしました。結果、前連結会計年度末に比べて396,968千円増加し、4,824,280千円となりました。

(負債合計)

当連結会計年度末における負債合計は、流動負債は支払手形及び買掛金の減少などにより43,005千円減少し、固定負債については長期借入金の返済などにより106,052千円減少いたしました。結果、前連結会計年度末に比べて149,057千円減少し、2,823,230千円となりました。

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより前連結会計年度末に比べ546,026千円増加し、2,001,050千円となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高はCyano Projectの提供が拡大した一方で、「収益認識に関する会計基準」等の適用などにより、4,824,795千円(前期差△332,993千円)となりました。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は「収益認識に関する会計基準」等の適用の影響を除く売上高の増加などにより2,137,542千円(前期比6.8%増、前期差+136,039千円)となりました。

(営業損益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は報酬給与手当、旅費交通費及び業務委託手数料等が増加したことなどにより1,527,814千円(前期比6.0%増、前期差+86,334千円)となった一方で、売上総利益の増加により、当連結会計年度の営業利益は609,728千円(前期比8.9%増、前期差+49,705千円)となりました。

(経常損益)

当連結会計年度の経常利益は営業利益の増加やマレーシア事業に関わる持分法による投資利益が同国内でのグリーン投資税制の税控除を受けたことも含めて増加したことなどにより715,537千円(前期比13.7%増、前期差+86,076千円)となりました。

(税金等調整前当期純損益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に固定資産に係る特別損失があったことや経常利益の増加などにより712,138千円(前期比21.6%増、前期差+126,399千円)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加があった一方で、前連結会計年度に子会社合併に伴う税金費用の軽減があったため、531,242千円(前期比16.1%減、前期差△101,594千円)となりました。

c.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(ハ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、借入の返済及び利息の支払い等であります。投資を目的とした資金需要は、製造設備やIT機器等の設備投資、商品開発や経営資源の増幅に資する施策等の(設備投資以外の)投資等によるものであります。

当社グループの資金の源泉は、当面は主として営業活動、銀行借入、新株予約権により、必要とする資金を調達する方針であります。なお、既存借入金のリファイナンス及び今後の経営計画を推進する上で必要な財務基盤の安定化を目的として、2020年10月30日付で15億円のシンジケートローン契約を締結しております。

なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,779,633千円となっております。

 

(ニ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、成長性・収益性については売上高、営業利益及び営業利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。

当連結会計年度における売上高は4,824,795千円(前期差△332,993千円)、営業利益は609,728千円(前期比8.9%増、前期差+49,705千円)であり、営業利益率は12.6%(前期比1.7ポイント改善)となり、ROE(株主資本利益率)は30.8%(前期比25.1ポイント悪化)となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

(合弁契約による合弁事業)

当連結会計年度における、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。

契約締結先

内容

出資額

合弁会社名

設立年月

MCPジャパン・

ホールディングス㈱

顧客企業の脱炭素経営への移行戦略(トランジションストラテジー)の立案支援及びアセスメントを中心としたサービス提供

当社

25,000千円

Codo Advisory㈱

(資本金50,000千円)

2022年3月

MCPジャパン・

ホールディングス㈱

25,000千円

 

(新株予約権引受契約)

当社は、2022年12月2日付の取締役会において、第三者割当による第1回新株予約権を発行することを決議し、割当先との間で、2022年12月19日付にて本新株予約権に係る引受契約を締結いたしました。

詳細は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況 ③その他の新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。