第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループの経営方針は以下のとおりであります。

当社は2010年4月1日に、㈱エルモ社と㈱タイテックの時代状況に対する共通認識のもと、企業集団としての力の結集とグループ各社の成長・発展をはかることを目的に、両社の共同持株会社として発足いたしました。指針を「健全な企業成長と企業価値の着実な向上」と定め、当社グループがこれまでに蓄積してまいりましたオプト・エレクトロニクス技術とマーケティング力の更なる強化をベースに、企業価値の向上をはかってまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、「オプト・エレクトロニクス技術を核にグローバルな『人と社会』に貢献する」、「知恵とアイデアと積極果敢さに溢れた事業展開を追求する」、そして「『技術を活かすこと』『皆さまのお役に立つこと』という姿勢を貫き、着実に前進する」というグループ経営理念のもと、コア技術と強いマーケティング力をもってグローバルな事業展開を推進します。

他の事業グループとの差別化要因は、当社グループはオプトロニクス(光学)とエレクトロニクス(電子)の両面に強みを持っている事業グループであるという点だと考えております。この強みを最大限活かす、つまり、オプト・エレクトロニクス事業でのシナジーを発揮するために、現在、グループ会社間共同での研究開発活動を積極的に進めております。既成概念・既存市場にとらわれない製品開発活動を推進していく所存です。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 企業成長及び企業価値の向上を測る指標として当社が重視している経営指標は、会社の本業の収益力を示す代表的な指標である営業利益率と株主資本の効率化をはかる代表的な指標である自己資本当期純利益率とし、その向上に努めております。

 

(4) 経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は、今後も引き続き厳しいものになると予想されます。この状況に適切に対応するために、当期に取り組みました構造改革を発展させ当社グループの経営基盤を更に強固なものにするとともに、新市場に向けた新規光学関連機器の拡販、並びに、需要が拡大しております中国FA市場におけるビジネスの推進に最大限注力してまいります。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響等により、世界景気の不透明感が増しており、予断を許さない状況が続くものと思われます。

 当社グループは、顧客、お取引先、社員及びその家族の感染予防・感染拡大の防止を最優先としつつ、顧客への商品の提供とサービス活動の継続をはかってまいります。

 またこのような状況の下、当社グループは重点とする市場で、既存事業のシェアを高めることに注力し、技術連携、協働商品開発の強化による高付加価値事業、商品への展開を推し進め、成長を目指してまいります。

①新たな顧客価値の創造

当社グループは、「オプト(Opt:光学)、エレクトロニクス(Electronics:電子)技術」の両方を有するのが最大の強みであります。また、近年ではM&Aを積極的に推進しており、新たに加わった企業の技術やサービスを融合し、グループ全体で顧客価値の創造に取り組んでまいります。

②マーケティング力の強化

 グループ共同での展示会を積極的に開催いたします。また、中核子会社の㈱タイテックでは、社内カンパニー「ITANZI」として活動し、主力分野であるFA関連機器の分野で製品とサービスを「ITANZI」ブランドとして拡販いたします。

③生産性の向上

 生産拠点の集約により、グループ全体の工場稼働率の平準化と資産の効率活用を推進し、高品質な製品を安定的に低コストで供給する、競争力のある生産体制の構築を目指します。

 また、グループ内の基幹システム統一を進めておりますが、その導入範囲を広げ、効率的な運営を行ってまいります。

④グローバル化の推進

 光学事業ではICT(Information and Communication Technology)教育機器への世界的な関心並びに需要の高まりに適切かつ速やかに対応していくため、グローバルなマーケティング力の強化を実施してまいります。

 電子事業におきましては、中国におけるFA関連機器等の中国現地企業及び日系企業に対する営業活動を強化してまいります。

 

⑤CSR(企業の社会的責任)の推進

CSRに積極的に取り組み、未来を創造する企業として、従業員、顧客、社会の求める満足感に充分応えられるよう、コンプライアンスの徹底、ステークホルダーへの積極的な情報開示、環境への配慮など、具体的に実践してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境の変化

当社グループはオプト・エレクトロニクス技術を核に事業の拡大をはかっておりますが、新規並びに拡大化の戦略におきましては、市場の需要動向、競合他社の戦略・政策が大きく影響いたします。さらに他社が異質の技術原理、差別化技術等によって、より優れた商品を投入してくる可能性も否定することは出来ません。こうした場合、当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。

(2) 特定事業・製品並びに受託先企業の業績への依存

光学事業においては、特に市場占有率の高い書画カメラや光学ユニットにおいて、当該市場全体の需要動向並びに競合各社の戦略・政策が当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

また、電子事業では開発受託先企業が多岐に亘っております。当社グループの業績は、顧客企業の業績不振、予期しない契約打ち切り、方針の変化、値下げ要請など、顧客企業の業績や当社グループにおいて管理できない要因により大きな影響を受けます。

(3) 業績変動要因

光学事業の主要製品のうち書画カメラの売上は、主たる販売先である文教市場の予算執行時期にあたる夏休みや年度末に偏る傾向があります。

電子事業では、主にエレクトロニクス業界の企業を顧客とする「開発提案型EMS(エレクトロニクス・マニュファクチュアリング・サービス:電子製品製造請負サービス)」企業として事業を展開しており、エレクトロニクス業界の需要縮小は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(4) 研究開発活動及び人材育成

当社グループの業績を維持し、また成長をはかるためには常に新しい差別化技術を開発し、それを製品化・市場投入して行かねばなりませんが、研究開発の成果は不確実なものであります。また、技術スキルの高い人材の確保と育成ができなかった場合には、当社グループの業績並びに成長に対し大きな影響を及ぼす可能性があります。

(5) 新製品の開発

新製品の開発が予定どおりに進捗しない場合や現行製品から新製品への移行が適切に行えない場合には、競争力の低下により当社グループの業績並びに成長に対し大きな影響を及ぼす可能性があります。

(6) 原材料の調達

当社グループは、多数の外部取引先から原材料、部品等を調達しておりますが、重要部品が何らかの理由により当社グループが計画していた数量や価格で入手できず、予定していた数量の生産が出来ない場合等には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(7) 競争の激化

国内外のメーカーとの価格競争の激化により、販売価格が著しく下落する可能性があります。また、高シェア商品でも将来も優位に立てる保証はありません。他社新製品の開発により販売数量が減少するなど、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

(8) 製品の品質

当社グループは、㈱エルモ社・㈱中日諏訪オプト電子・㈱タイテックが品質マネジメントシステム(ISO9001)並びに環境マネジメントシステム(ISO14001)を、㈱中日諏訪オプト電子はさらに医療機器における品質マネジメントシステム(ISO13485)も取得して、品質面で万全を期すよう体制を整えておりますが、欠陥が発生しない保証はありません。製造物責任賠償保険に加入しておりますが、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、そのコストや当社グループに対する評価を著しく低下させ、売上高の減少などにより業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(9) 第三者所有の知的財産権への抵触

当社グループは、新製品開発や生産・販売活動において当社グループ所有もしくは適法に使用許諾を受けた知的財産権を使用しております。しかしながら、認識の範囲外で第三者より知的財産権の侵害を主張される可能性は否定できません。その場合に、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

(10)海外での事業展開

当社グループは、海外現地法人並びに販社を通じて海外で販売活動を行っており、生産に関しましても主力製品の製造を中国の現地法人で行っているほか、多くの部品の仕入調達を主にアジア諸国に依存しております。こうした海外での事業展開においては、予期しない法律・規制の変更、政治体制・経済環境の変動、テロ・戦争・感染症等による社会の混乱、水・電力や通信網等インフラストラクチャーの障害、人材の採用・確保の難しさ等のリスクにより事業活動に障害が生じる可能性があります。

(11)為替相場の変動

前項に示したとおり、当社グループは海外においても事業展開を実施しており、このため外国為替レートの大きな変動は、当社グループの外貨建てで取引されている売上高並びに仕入高に影響し、結果として当社の業績に大きな影響を与えます。

(12)環境規制

当社グループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。当社グループは、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、工場の環境整備を進めております。しかしながら、事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、当社グループが現在稼働させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

(13)のれん及び無形固定資産に関する事項

当社グループは新たな成長戦略の一つとして、企業買収を行っております。その結果のれん及び無形固定資産が増加いたしました。のれん及び無形固定資産につきましては、将来の収益力が低下した等により、のれん及び無形固定資産についての減損が必要になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(14)自然災害、および感染症蔓延のリスク

大規模地震の発生や、気候変動などに起因する自然災害の発生、また感染症の蔓延により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、新型コロナウイルス感染症につきましては、従業員の感染による健康被害に加え、それに伴う工場の閉鎖、及び事業場内での流行による事業活動の制限や生産性の低下、また部品供給の停滞による生産活動の停止など、現在対策を徹底しておりますが、大きな影響を受ける可能性があります。

当社グループでは次のような対策により感染予防に取り組んでおります。今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいります。

・安全衛生の徹底(マスク着用、検温、手指のアルコール消毒等)

・在宅勤務、時差出勤の推進

・Web会議等の活用

・国内外出張、県外移動の原則禁止

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

1) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は21,117百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,483百万円増加いたしました。

流動資産は14,508百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,303百万円増加いたしました。これは主に、新型コロナウイルスの影響を加味して手元資金確保を行ったことから現金及び預金が2,884百万円、商品及び製品が234百万円、仕掛品が324百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が514百万円、電子記録債権が191百万円、原材料及び貯蔵品が352百万円減少したことによるものであります。固定資産は6,609百万円となり、前連結会計年度末に比べ180百万円増加いたしました。これは無形固定資産が33百万円、投資その他の資産が249百万円増加した一方、有形固定資産が102百万円減少したことによるものであります。

流動負債は11,116百万円となり、前連結会計年度末に比べ738百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が795百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が379百万円減少したことによるものであります。固定負債は2,540百万円となり、前連結会計年度末に比べ505百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が548百万円増加したことによるものであります。

純資産合計は7,460百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,239百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が1,249百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は35.3%(前連結会計年度末は33.4%)となりました。

 

2) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益の改善や各種政策の効果により、雇用・所得環境は緩やかに回復しましたが、消費増税による消費者マインドの落ち込みに加え、年度後半には新型コロナウイルス感染症の拡大により、慎重さが増しており企業の業況判断は悪化となりました。世界経済については、米中貿易摩擦により製造業の景況感が悪化したことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞など、不透明感が一層高まる状況となりました

このような経済状況のもと、「教育」「FA(Factory Automation:工場自動化)」「医療」「安全・生活」分野を重点市場とし光学事業と電子事業を融合したユニークな企業グループとして事業拡大をはかっております。また、注力分野へのM&Aや、事業の選択と集中を推進し、企業価値の最大化を目指しております。その結果、当社グループの業績は、売上高22,357百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益1,443百万円(前年同期比26.5%増)、経常利益1,384百万円(前年同期比24.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、海外連結子会社における固定資産の譲渡に伴う特別利益229百万円の計上により1,319百万円(前年同期比104.2%増)となりました。また、経営上の目標の指標である営業利益率は6.5%、自己資本当期純利益率は19.3%となりました。

なお、今後も更なるグループ内組織再編を進め、選択と集中による経営効率を高める活動を進めてまいります

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

 

(光学事業)

光学事業の売上高は15,016百万円となり、前年同期に比べ25.8%増加いたしました。同事業の営業利益は910百万円となり、前年同期に比べ65.7%増いたしました。

 

(電子事業)

電子事業の売上高は7,341百万円となり、前年同期に比べ4.4%減少いたしました。同事業の営業利益は593百万円となり、前年同期に比べて17.7%減少いたしました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、新規連結に伴う資金の増加を含め、前連結会計年度末に比べ2,884百万円増加し、4,953百万円となりました

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は2,050百万円(前年同期は得られた資金465百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,588百万円、減価償却費429百万円、のれん償却額212百万円、退職給付に係る負債の減少額105百万円、売上債権の減少額853百万円、たな卸資産の増加額159百万円、仕入債務の減少額403百万円、法人税等の支払額373百万円等によるものであります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は334百万円(前年同期は支出した資金683百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出328百万円、有形固定資産の売却による収入402百万円、無形固定資産の取得による支出62百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出210百万円、関係会社株式の取得による支出131百万円等によるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は1,164百万円(前年同期は得られた資金546百万円)となりました。これは主に、新型コロナウイルスの影響を加味して借入を行ったことによる短期借入金の純増加額642百万円、長期借入れによる収入1,700百万円、長期借入金の返済による支出1,093百万円等によるものであります

 

③生産、受注及び販売の実績

1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

光学事業(千円)

4,421,276

△7.0

電子事業(千円)

6,173,662

△11.2

合計(千円)

10,594,938

△9.5

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

光学事業

7,269,500

19.4

1,198,908

48.0

電子事業

6,434,564

△7.3

1,331,218

24.1

合計

13,704,064

5.2

2,530,127

34.4

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.光学事業のうち、光学ユニット等の精密光学部品については受注生産を行っております。

 

3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

光学事業(千円)

15,016,713

25.8

電子事業(千円)

7,341,006

△4.4

合計(千円)

22,357,720

14.0

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、主として連結会計年度末現在の判断に基づく見積りによるものがあります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において行われる重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに与える影響は現時点においては軽微であります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、翌期以降の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

1) たな卸資産

 当社グループは、たな卸資産の評価基準について原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しており、個別に簿価の切下げを行うほか、入庫から一定期間を経過した在庫について、期間の経過に応じ規則的に簿価の切下げを行うなど、状況に応じ適時にたな卸資産の評価減を実施しております。ただし、他社新製品の開発により当社グループの販売数量が減少した場合や、当社グループにおいて管理できない要因など、見積り及びその基礎となる仮定とは異なる結果が生じた場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

2) のれん

 当社グループは、新たな成長戦略の一つとして、企業買収を行っています。企業買収により発生したのれんは、投資効果の発現する期間を個別に見積り均等償却しておりますが、投資先の将来の収益力の低下などが発生した場合には、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。

 

3) 繰延税金資産

 当社グループは、事業計画に基づき将来の課税所得を見積ったうえで、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

1) 経営成績の状況

 当社グループは、「教育」「FA」「医療」「安全・生活」分野を重点市場とし、光学事業と電子事業をグローバルに展開しております。

 教育市場では、主力である書画カメラで製品のラインアップを強化し、グローバルに販売しました。また電子黒板とのシナジー効果の向上に努めました。

 FA市場では、国内では新たな顧客を開拓すべく積極的に展示会に出展しました。中国現地法人は、現地企業の取引拡大に注力しました。

 医療市場では、国立大学法人との共同研究を行い、製品化を進めました。

安全・生活市場では、新たに、車両の全周囲の状況が撮影可能なコンシューマー向けのドライブレコーダの販売を開始しました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高22,357百万円となり、営業利益1,443百万円、経常利益1,384百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,319百万円となりました。また、経営上の目標の指標である営業利益率は6.5%、自己資本当期純利益率は19.3%となりました。

今後も、4つの重点市場に対し、光学と電子を融合した魅力ある製品を開発し、販売することで成長してまいります。また、新しい技術や顧客を獲得する為に企業買収等を行い、グループ全体の成長をはかってまいります。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(光学事業)

 光学事業においては、主要ビジネスである書画カメラ事業が堅調に推移しました。事業譲受により新たに開始した電子黒板事業は、文部科学省による教育のICT化の波に乗り、大幅な増収となりました。また、もう一つの柱である業務用車載機器(ドライブレコーダ・デジタルタコグラフ)は、引き続き事業者の安全意識が高まる、クラウドで運行データを保管できることが支持されて堅調に推移しました

 これらの結果、光学事業における当連結会計年度の売上高は15,016百万円(前年同期比25.8%増)、営業利益は910百万円(前年同期比65.7%増)となりました。

 

(電子事業)

 電子事業においては、主力事業であるFA関連機器が、年度後半から国内設備投資意欲が後退するなか、市況が弱含みで推移しました。一方、FA中国現地法人は、米中貿易摩擦により市況に不透明感があるなか、概ね予定通りで推移しました。

 これらの結果、電子事業における当連結会計年度の売上高は7,341百万円(前年同期比4.4%減)、営業利益は593百万円(前年同期比17.7%減)となりました。

 

2) 資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フローの状況)

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(財務政策)

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、電子機器や部品の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新製品生産に伴うライン設備及び金型やソフトウエア等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は9,040百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,953百万円となっております。

 当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。

 

3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当社グループは㈱エムディテクノスの株式取得のため、2019年6月21日付で株式譲渡契約を締結し、同日に株式を取得いたしました。

当社グループはアイ・ティ・エル㈱の株式取得のため、2020年3月31日付で株式譲渡契約を締結し、同日に株式を取得いたしました。

なお、詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」に記載しております。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、『オプト・エレクトロニクス技術を核に様々な製品とサービスを提供し、グローバルな「人と社会」に貢献する』という事業目的を実現するため、研究開発活動もこの方針に基づき長期的観点をもって行い、社会に役立つ製品づくりを目指した活動に注力しております。

現在、当社グループの研究開発活動は、光学事業におきましては、㈱エルモ社及び㈱中日諏訪オプト電子の開発設計部門において、電子事業におきましては、主に、㈱タイテックの開発設計部門において、グループ各社のマーケティング活動に基づき、顧客ニーズを先取りした独自性のある高品質なサービスや製品の開発を目指し、研究活動を行っております。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、548百万円となりました。

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

光学事業におきましては、教育市場向け書画カメラ、業務用車載機器等の開発を行いました。これらの研究開発費の総額は386百万円となりました。

電子事業におきましては、FA関連機器等の開発を行いました。これらの研究開発費の総額は162百万円となりました。