第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループの経営方針は以下のとおりであります。

当社は2010年4月1日に、㈱エルモ社と㈱タイテックの時代状況に対する共通認識のもと、企業集団としての力の結集とグループ各社の成長・発展をはかることを目的に、両社の共同持株会社として発足いたしました。指針を「健全な企業成長と企業価値の着実な向上」と定め、当社グループがこれまでに蓄積してまいりましたオプト・エレクトロニクス技術とマーケティング力の更なる強化をベースに、企業価値の向上をはかってまいります。

 

(2) 経営戦略等

これまで当社グループは、「オプト・エレクトロニクス技術を核にグローバルな『人と社会』に貢献する」、「知恵とアイデアと積極果敢さに溢れた事業展開を追求する」、そして「『技術を活かすこと』『皆さまのお役に立つこと』という姿勢を貫き、着実に前進する」というグループ経営理念のもと、コア技術と強いマーケティング力をもってグローバルな事業展開を推進してきました。

他の事業グループとの差別化要因は、当社グループはオプトロニクス(光学)とエレクトロニクス(電子)の両面に強みを持っている事業グループであるという点だと考えております。この強みを最大限活かす、つまり、オプト・エレクトロニクス事業でのシナジーを発揮するために、グループ会社間共同での研究開発活動を積極的に進めてまいりました。

翌連結会計年度からは、4社統合を契機として従業員のベクトルを合わせ、組織の一体化を加速するとともに、「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用して企業や人々に役立つ商品・サービスを積極的に展開し「ベンチャー企業の機動力」と「大手企業の力強さ」を兼ね備えた他社にはできないことに取り組む企業体とし、今後ともグローバルな「人と社会」に貢献していきます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 企業成長及び企業価値を測る指標として当社が重視している経営指標は、会社の本業の収益力を示す代表的な指標である売上高営業利益率と株主資本の効率化を測る代表的な指標である自己資本当期純利益率とし、その向上に努めております。

 

(4) 経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は、ますます厳しくなっていくものと予想されます。このような状況に適切に対応するため、当社は積極的な社内組織再編などにより、経営体質の改善・強化を実践してきました。また、更なる事業強化を通じて経営体質を強化するために積極的なM&Aを実施しています。

 2021年4月1日付の4社統合を総仕上げとした構造改革と積極的なM&Aにより当社グループ経営の基盤を更に強化していきます。また、「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用して「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の重点4市場に商品・サービスを展開しつつ、新たな市場価値創造をすることで事業を発展させ、グローバルな「人と社会」に貢献していきます。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の混乱から社会活動の正常化に向けた取り組みがなされ、米中を中心に景気が回復する一方で、COVID-19の影響が世界経済に影を落とし、オンライン授業や企業の遠隔ミーティングなどの急拡大に伴うIT機器の需要増や第5世代通信技術普及に向けた取り組み等により世界的な半導体の供給不足などの影響が懸念されます。

 当社グループは、お客様、お取引先、社員およびその家族の新型コロナウイルスへの感染予防・感染拡大の防止を最優先としつつ、お客様への商品の提供とサービス活動の継続を図ってまいります。

 また、前出のとおり、当社は3社の子会社を吸収合併して純粋持株会社から事業会社へと移行しました。これに伴い、社内カンパニー制を導入し、エルモカンパニー、ファインフィットデザインカンパニー、タイテックカンパニーが「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の分野をカバーして既存事業のシェアを高めることに注力しつつ、技術連携、共同商品開発強化による高付加価値事業や商品・サービスの展開を推し進め、成長を目指してまいります。

 

 具体的には、以下に掲げる経営課題に取り組んでまいります。

① 次の100年もみなさまに信頼され、更なる成長企業を目指す(旧エルモ社100周年を迎えて)

1) 企業文化の異なるグループ企業集団が2021年4月1日付で合併し、コンパクトなホールディングス会社から大規模な事業会社になりました。従業員のベクトルを合わせ、組織の一体化を加速させるとともに、早期のシナジー創出を実現していきます。

「ベンチャー企業の機動力」と「大手企業の力強さ」を兼ね備えた他社にはできないことに取り組む企業体とし、今後ともグローバルな「人と社会」に貢献していきます。

2) 当社は積極的な社内組織再編などにより、経営体質の改善・強化を実践してきました。また、更なる事業強化のためより一層の経営体質の強化を行い、積極的なM&Aを実施しており、借入も大きくなっています。今後も営業キャッシュ・フローを生み出す経営により財務体質を改善して、適正な借入と事業の拡大をバランスよく実行してまいります。

3) われわれもSDGsへの取り組みは必須です。商品・サービスを通じた社会への価値提供により、人と環境に優しい企業体として活動していきます。

② 事業の強化

1) 「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の重点4市場に対し、これまでは「オプト(Opt:光学)、エレクトロニクス(Electronics:電子)技術」で価値提供してきましたが、今後は「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用して企業や人々に役立つ商品・サービスを積極的に展開してまいります。

2) 映像&IT事業は、ICT(Information and Communication Technology)教育機器への世界的な関心と、企業におけるDX化需要の高まりに適切かつ速やかに対応できるグローバルなマーケティング力強化と商品開発に力を入れてまいります。

ロボティクス事業は、ロボット制御機器等の性能向上、更には工場改善ソリューション商品を強化し、より現場に密接したサービスを、日本のみならず中国・アジアを中心にグローバルに展開していきます。

3) 当社が持続的な成長を遂げるためには、「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用した商品・サービスをグローバルに展開するとともに、事業を発展させ、社会貢献を実現するために更なるM&Aが必要と考えています。これにより短期間で新しい商圏に参入でき、もしくはサービス・商品が提供可能となり、より良いお客様目線の活動ができる様になります。

③ 社内体制の整備

1) 社会の信頼に応えつつ、企業価値を継続的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みと、有効に機能発揮させることが重要であると認識しています。経営の効率化や透明性・健全性の確保、監督体制の構築、遵法対応・リスク管理の強化など、経営上の組織や仕組みを整備して、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。

2) 当社は企業におけるDX化需要の高まりに対応するソリューションを提供していく一方で、当社も社内インフラを強化してDX化(経費精算、ERP、タレントマネジメント、予実管理等)を推進し、生産性向上を図ることで、従業員がステークホルダーに多くの価値を提供できる企業体を目指していきます。

3) CSRに積極的に取り組み、未来を創造する企業として、従業員・お客様、社会の求める満足感に充分応えられるよう、コンプライアンスの徹底、ステークホルダーへの積極的な情報開示、環境への配慮など、具体的に実践してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境の変化

当社グループはオプト・エレクトロニクス技術を核に事業の拡大をはかっておりますが、新規並びに拡大化の戦略におきましては、市場の需要動向、競合他社の戦略・施策が大きく影響いたします。さらに他社が異質の技術原理、差別化技術等によって、より優れた商品を投入してくる可能性も否定することは出来ません。こうした場合、当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(2) 特定事業・製品並びに受託先企業の業績への依存

光学事業においては、特に市場占有率の高い書画カメラや光学ユニットにおいて、当該市場全体の需要動向並びに競合他社の戦略・施策が当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

また、電子事業では開発受託先企業が多岐に亘っております。当社グループの業績は、顧客企業の業績不振、予期しない契約打ち切り、方針の変化、値下げ要請など、顧客企業の業績や当社グループにおいて管理できない要因により大きな影響を受けます。

(3) 業績変動要因

光学事業の主要製品のうち書画カメラの売上は、主たる販売先である文教市場の予算執行時期にあたる夏休みや年度末に偏る傾向があります。

電子事業では、主に工作機械業界及びエレクトロニクス業界の企業を顧客とし、事業を展開しております。工作機械業界及びエレクトロニクス業界の需要縮小は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(4) 研究開発活動及び人材育成

当社グループの業績を維持し、また成長をはかるためには常に新しい差別化技術を開発し、それを製品化・市場投入して行かねばなりませんが、研究開発の成果は不確実なものであります。また、技術スキルの高い人材の確保と育成ができなかった場合には、当社グループの業績並びに成長に対し大きな影響を及ぼす可能性があります。

(5) 新製品の開発

新製品の開発が予定どおりに進捗しない場合や現行製品から新製品への移行が適切に行えない場合には、競争力の低下により当社グループの業績並びに成長に対し大きな影響を及ぼす可能性があります。

(6) 原材料の調達

当社グループは、半導体含め多数の外部取引先から原材料、部品等を調達しておりますが、重要部品が何らかの理由により当社グループが計画していた数量や価格で入手できず、予定していた数量の生産が出来ない場合等には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(7) 競争の激化

国内外のメーカーとの価格競争の激化により、販売価格が著しく下落する可能性があります。また、高シェア商品でも将来も優位に立てる保証はありません。他社新製品の開発により販売数量が減少するなど、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

(8) 製品の品質

当社グループは、㈱エルモ社・㈱中日諏訪オプト電子・㈱タイテックが品質マネジメントシステム(ISO9001)並びに環境マネジメントシステム(ISO14001)を、㈱中日諏訪オプト電子はさらに医療機器における品質マネジメントシステム(ISO13485)も取得して、品質面で万全を期すよう体制を整えておりますが、欠陥が発生しない保証はありません。製造物責任賠償保険に加入しておりますが、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、そのコストや当社グループに対する評価を著しく低下させ、売上高の減少などにより業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(9) 第三者所有の知的財産権への抵触

当社グループは、新製品開発や生産・販売活動において当社グループ所有もしくは適法に使用許諾を受けた知的財産権を使用しております。しかしながら、認識の範囲外で第三者より知的財産権の侵害を主張される可能性は否定できません。その場合に、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

(10)海外での事業展開

当社グループは、海外現地法人並びに販社を通じて海外で販売活動を行っており、生産に関しましても主力製品の製造を中国の現地法人で行っているほか、多くの部品の仕入調達を主にアジア諸国に依存しております。こうした海外での事業展開においては、予期しない法律・規制の変更、政治体制・経済環境の変動、テロ・戦争・感染症等による社会の混乱、水・電力や通信網等インフラストラクチャーの障害、人材の採用・確保の難しさ等のリスクにより事業活動に障害が生じる可能性があります。

(11)為替相場の変動

前項に示したとおり、当社グループは海外においても事業展開を実施しており、このため外国為替レートの大きな変動は、当社グループの外貨建てで取引されている売上高並びに仕入高に影響し、結果として当社の業績に大きな影響を与えます。

 

(12)環境規制

当社グループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。当社グループは、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、工場の環境整備を進めております。しかしながら、事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、当社グループが現在稼働させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

(13)のれん及び無形固定資産に関する事項

当社グループは新たな成長戦略の一つとして、企業買収を行っております。その結果のれん及び無形固定資産が増加いたしました。のれん及び無形固定資産につきましては、将来の収益力が低下した等により、のれん及び無形固定資産についての減損が必要になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(14)自然災害、および感染症蔓延のリスク

大規模地震の発生や、気候変動などに起因する自然災害の発生、また感染症の蔓延により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、新型コロナウイルス感染症につきましては、従業員の感染による健康被害に加え、それに伴う工場の閉鎖、及び事業場内での流行による事業活動の制限や生産性の低下、また部品供給の停滞による生産活動の停止など、現在対策を徹底しておりますが、大きな影響を受ける可能性があります。

当社グループでは次のような対策により感染予防に取り組んでおります。今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいります。

・安全衛生の徹底(マスク着用、検温、手指のアルコール消毒等)

・在宅勤務、時差出勤の推進

・Web会議等の活用

・国内外出張、県外移動の原則禁止

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

1) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は28,976百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,858百万円増加いたしました。

流動資産は21,378百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,870百万円増加いたしました。これは主に、連結範囲の変更及びシンジケートローンの実行を行ったことから現金及び預金が3,330百万円、受取手形及び売掛金が3,224百万円、原材料及び貯蔵品が231百万円増加した一方、電子記録債権が173百万円、商品及び製品が399百万円、仕掛品が224百万円減少したことによるものであります。固定資産は7,598百万円となり、前連結会計年度末に比べ988百万円増加いたしました。これは無形固定資産が613百万円、投資その他の資産が390百万円増加した一方、有形固定資産が15百万円減少したことによるものであります。

流動負債は15,117百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,000百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が934百万円、短期借入金が2,388百万円増加したことによるものであります。固定負債は4,521百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,980百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が2,062百万円増加したことによるものであります。

純資産合計は9,338百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,877百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が1,863百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は32.2%(前連結会計年度末は35.3%)となりました。

 

2) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、COVID-19の影響で4-6月期は緊急事態宣言が発出され、企業収益や個人消費が急速に縮小し、雇用環境が悪化しました。その後もCOVID-19制圧と社会・経済活動の両立により、足元の経済は持ち直しの動きがあるものの不透明な状況が続いています。世界経済もCOVID-19による社会・経済活動の停滞後、欧米中などでCOVID-19に対するワクチン接種が始まり、米中を中心に経済が持ち直しつつあるものの、先行き不透明な状況が続いています。

このような経済状況のもと、当社グループは「教育」「安全・生活」「医療」「FA(Factory Automation:工場自動化)」分野を重点市場とし、光学事業と電子事業を融合したユニークな製品を提供する企業グループとして事業拡大を図っております。また、引き続き注力分野においてM&Aや、事業の選択と集中を推進し、企業価値の最大化を目指しております。

その結果、当社グループの業績は、売上高は26,481百万円(前年同期比18.4%増)、営業利益は2,420百万円(前年同期比67.7%増)、経常利益は2,533百万円(前年同期比83.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,147百万円(前年同期比62.7%増)となりました。また、経営上の目標の指標である売上高営業利益率は9.1%、自己資本当期純利益率は25.6%となりました。

なお、当社グループは市場環境が著しく変化する中で、現在のグループ経営体制をよりシンプルにして経営スピードを加速し、経営資源の一元管理による生産性の向上や経営効率化の推進、収益基盤を強化する必要があると判断し、本年4月1日付で完全子会社である株式会社エルモ社、株式会社中日諏訪オプト電子及び株式会社タイテックを吸収合併しております。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

 

(光学事業)

光学事業の売上高は18,617百万円となり、前年同期に比べ24.0%増加いたしました。同事業の営業利益は2,058百万円となり、前年同期に比べ126.2%増いたしました。

 

(電子事業)

電子事業の売上高は7,863百万円となり、前年同期に比べ7.1%増加いたしました。同事業の営業利益は471百万円となり、前年同期に比べて20.6%減少いたしました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、非連結子会社との合併に伴う資金の増加を含め、前連結会計年度末に比べ3,330百万円増加し、8,284百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は1,654百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,674百万円、減価償却費464百万円、のれん償却額309百万円、退職給付に係る負債の減少額88百万円、売上債権の増加額2,267百万円、たな卸資産の減少額707百万円、仕入債務の増加額616百万円、法人税等の支払額450百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は2,329百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出296百万円、有形固定資産の売却による収入270百万円、無形固定資産の取得による支出174百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,368百万円、関係会社株式の取得による支出208百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は4,014百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルスの影響を加味して借入を行ったことによる短期借入金の純増加額1,828百万円、シンジケートローン実行等による長期借入れによる収入3,400百万円、長期借入金の返済による支出936百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

光学事業

6,943,979

57.1

電子事業

6,686,012

8.3

合計

13,629,991

28.6

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

光学事業

5,786,139

△20.4

1,564,745

30.5

電子事業

6,284,204

△2.3

1,727,323

29.8

合計

12,070,343

△11.9

3,292,069

30.1

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.光学事業のうち、光学ユニット等の精密光学部品については受注生産を行っております。

3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

光学事業

18,617,165

24.0

電子事業

7,863,861

7.1

合計

26,481,026

18.4

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、主として連結会計年度末現在の判断に基づく見積りによるものがあります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において行われる重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに与える影響は現時点において軽微と見込んでおります。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、翌期に影響を及ぼす可能性があります。

 

1) たな卸資産

 当社グループは、たな卸資産の評価基準について原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しており、個別に簿価の切下げを行うほか、入庫から一定期間を経過した在庫について、期間の経過に応じ規則的に簿価の切下げを行うなど、状況に応じ適時にたな卸資産の評価減を実施しております。ただし、他社新製品の開発により当社グループの販売数量が減少した場合や、当社グループにおいて管理できない要因など、見積り及びその基礎となる仮定とは異なる結果が生じた場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

2) のれん

 当社グループは、新たな成長戦略の一つとして、企業買収を行っています。企業買収により発生したのれんは、投資効果の発現する期間を個別に見積り均等償却しておりますが、投資先の将来の収益力の低下などが発生した場合には、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。

 

3) 繰延税金資産

 当社グループは、事業計画に基づき将来の課税所得を見積ったうえで、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

1) 経営成績の状況

 当社グループは、「教育」「安全・生活」「医療」「FA」分野を重点市場とし、光学事業と電子事業をグローバルに展開しております。

 当連結会計年度は、COVID-19の拡大に伴う緊急事態宣言の発出により、社会活動全体が制約を受けたことによりが急速に縮小し上期を中心にその後もCOVID-19制圧と社会・経済活動の両立により、足元の経済は持ち直しの動きがあるものの不透明な状況が続いています。世界経済もCOVID-19による社会・経済活動の停滞後、欧米中などでCOVID-19に対するワクチン接種が始まり、米中を中心に経済が持ち直しつつあるものの、先行き不透明な状況が続いています。

 教育市場では、主力である書画カメラで製品のラインアップを強化し、グローバルに販売しました。また国内市場を中心に電子黒板とのシナジーの向上に努めました。

安全・生活市場では、業務用車載器等に加え、監視カメラや決済端末の開発を行いました。

医療市場では、介護者の業務負担の軽減を目指す睡眠見守りシステムのデータ管理をクラウド化するなど機能強化を進めました。

 FA市場では、コロナ禍で活動が制約される中、国内では新たな顧客を開拓すべく積極的に展示会に出展するとともに、マシンビジョンによる新たなコンセプトの商品開発を進めています。中国現地法人は、現地企業の取引拡大に注力しました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は26,481百万円、営業利益は2,420百万円、経常利益は2,533百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,147百万円となりました。また、経営上の目標の指標である売上高営業利益率は9.1%、自己資本当期純利益率は25.6%となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(光学事業)

光学事業においては、COVID-19拡大の影響により、上期は当社商品群の需要が先延ばしとなる影響はありましたが、下期に入り国内外ともオンライン教育や企業の遠隔ミーティングの急拡大により、電子黒板や書画カメラの需要が高まりました。また、当社のグローバル展開を促進・強化するため、2020年7月にシンガポールに拠点を置くESCO Pte. Ltd.の株式を取得してグループ化しております。

なお、引き続き積極的な製造原価の低減活動を実施しており、利益率の改善に貢献しております。

これらの結果、光学事業における当連結会計年度の売上高は18,617百万円(前年同期比24.0%増)、営業利益は2,058百万円(前年同期比126.2%増)となりました。

 

(電子事業)

電子事業においては、COVID-19拡大の影響により、上期を中心に国内外とも需要が低迷したことや価格競争激化の影響で主力のFA市場を中心に売上が低調に推移したものの、グループ化した2社の増収効果により増収となりました。

製造原価の低減活動を継続しておりますが、価格競争の激化やCOVID-19拡大による工場稼働率の低下、事業強化に伴う販管費の増加により利益率は低下しました。

これらの結果、電子事業における当連結会計年度の売上高は7,863百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は471百万円(前年同期比20.6%減)となりました。

 

※ 当社はこれまで「光学事業」と「電子事業」の2つの事業セグメントを有しておりましたが、翌連結会計年度からは、新たなテクノロジー区分に主眼を置いた「映像&IT事業」と「ロボティクス事業」の2つの事業セグメントに区分を見直します。

 

2) 資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フローの状況)

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(財務政策)

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、電子機器や部品の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新製品生産に伴うライン設備及び金型やソフトウエア等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は13,562百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,284百万円となっております。

 当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。

 

3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社グループは株式会社ブルービジョンの株式取得のため、2020年5月28日付で株式譲渡契約を締結し、同日に株式を取得いたしました。

当社グループはESCO Pte. Ltd.の株式取得のため、2020年6月19日付で株式譲渡契約を締結し、2020年7月3日に株式を取得いたしました。

当社グループは株式会社ファインシステムの株式取得のため、2020年7月15日付で株式譲渡契約を締結し、同日に株式を取得いたしました。

なお、ESCO Pte. Ltd.及び株式会社ファインシステムの詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」に記載しております。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、『オプト・エレクトロニクス技術を核に様々な製品とサービスを提供し、グローバルな「人と社会」に貢献する』という事業目的を実現するため、研究開発活動もこの方針に基づき長期的観点をもって行い、社会に役立つ製品づくりを目指した活動に注力しております。

当社グループの研究開発活動は、光学事業におきましては、㈱エルモ社及び㈱中日諏訪オプト電子の開発設計部門において、電子事業におきましては、主に、㈱タイテックの開発設計部門において、グループ各社のマーケティング活動に基づき、顧客ニーズを先取りした独自性のある高品質なサービスや製品の開発を目指し、研究活動を行っております。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、685百万円となりました。

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

光学事業におきましては、教育市場向け書画カメラや電子黒板、業務用車載機器等の開発を行いました。これらの研究開発費の総額は527百万円となりました。

電子事業におきましては、FA関連機器等の開発を行いました。これらの研究開発費の総額は157百万円となりました。