【連結財務諸表注記】
1.報告企業
SOMPOホールディングス株式会社(以下「当社」といいます。)は日本国に拠点を置く株式会社であり、登記上の本社の住所は、東京都新宿区西新宿一丁目26番1号であります。
当社グループの連結財務諸表は、当社および子会社ならびに関連会社に対する持分で構成されております。当社グループの事業内容は、注記「5.セグメント情報」に記載しております。
2.連結財務諸表作成の基礎
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第312条の規定を適用しております。当社グループは2025年3月31日に終了する連結会計年度にIFRSを初めて適用し、IFRSへの移行日は、2023年4月1日であります。
当社グループはIFRSへの移行にあたり、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下「IFRS第1号」といいます。)を適用しております。また、IFRSへの移行が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に与える影響は、注記「39.IFRSへの移行に関する開示」に記載しております。
本連結財務諸表は、2025年6月30日に、グループCEO 取締役 代表執行役社長 奥村幹夫およびグループCFO 取締役 代表執行役副社長 濵田昌宏によって承認されております。
連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、保険契約、金融商品およびトルコにおける超インフレ会計の適用等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
連結財務諸表は当社の機能通貨である円(百万円単位、単位未満切捨て)で表示しております。
連結財務諸表の作成において、早期適用した新会計基準等はありません。
当社グループの連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書および解釈指針は、次のとおりであります。なお、これらの適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
3.重要性がある会計方針
連結財務諸表の作成にあたり適用した重要性がある会計方針は次のとおりであります。
子会社とは当社グループにより支配されている企業であり、当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有しており、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しております。
なお、当社グループの連結財務諸表には、当社および子会社が支配するストラクチャード・エンティティの勘定をすべて含んでおります。ストラクチャード・エンティティとは、議決権または類似の権利が支配の有無の判定において決定的な要因とならないように設計された事業体であります。当社および子会社は、ストラクチャード・エンティティに対する支配の有無を、議決権または類似の権利の保有割合に加え、投資先に対する契約上の取決めなどを勘案して総合的に判定し、支配を有するストラクチャード・エンティティを連結しております。
当社および当社が直接または間接に支配する子会社について、当社が支配を獲得した日から、当社が支配を喪失する日まで連結しており、すべての重要な連結会社間の債権・債務残高および取引高は、連結財務諸表作成にあたり消去しております。
関連会社とは、当社グループがその経営および財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配的持分は有しない企業をいいます。一般的に、当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合には、重要な影響力があると推定されております。当社グループが重要な影響力を有しているか否かの評価にあたり考慮されるその他の要因には、取締役会への役員の派遣等があります。これらの要因が存在する場合には、当該企業に対する当社グループの投資が議決権株式の20%未満であったとしても、当社グループが重要な影響力を有することがあります。
なお、当社は、国内損害保険子会社を通じて、日本地震再保険株式会社の議決権の26.6%を所有しておりますが、同社事業の公共性を踏まえ、同社の財務および営業または事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと判断されることから、関連会社から除いております。
共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有であり、取決めの変動リターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。共同支配の取決めへの投資は、各投資家が有する契約上の権利および義務に基づいて、共同支配事業か共同支配企業のいずれかに分類されます。共同支配事業とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めに関する資産に対する権利および負債に対する義務を有している場合の共同支配の取決めであり、共同支配企業とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の共同支配の取決めをいいます。
関連会社および共同支配企業に対する持分の投資は、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」(以下「IFRS第5号」といいます。)に従って会計処理される、売却目的で保有する資産に分類される場合を除いて、持分法により会計処理しております。関連会社および共同支配企業の経営成績に対する当社グループの持分は、当社グループの会計方針と整合するように修正され、連結損益計算書において持分法による投資損益として認識しております。取引に係る未実現損益は、投資先に対する当社グループの持分の範囲で消去されております。持分法による会計処理では、関連会社および共同支配企業に対する当社グループの投資は、当初、取得原価で計上された後、取得後の純利益または損失に対する当社グループの持分および当該関連会社または共同支配企業の資本または純資産に直接反映されたその他の変動に対する当社グループの持分を反映して、増額または減額されております。
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債および当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定しております。
取得日において識別可能な資産および負債は、以下を除き、取得日における公正価値で測定しております。
・繰延税金資産または繰延税金負債および従業員給付契約に関連する負債または資産は、それぞれIAS第12号「法人所得税」(以下「IAS第12号」といいます。)およびIAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定しております。
・株式報酬に関連する負債は、IFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って認識し、測定しております。
・IFRS第5号に従って売却目的に分類される資産または処分グループは、当該基準書に従って測定しております。
・IFRS第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」といいます。)の範囲に含まれる契約グループは、当該基準書に従って測定しております。
のれんは、取得対価、取得日時点で測定した被取得企業の非支配持分の金額および当社グループが以前より保有していた被取得企業に対する持分の支配獲得日における公正価値の合計が、取得日時点における識別可能な資産および負債の正味価額を上回る場合に、その超過額として測定しております。この差額が負の金額である場合には、ただちに純損益として認識しております。非支配持分は、公正価値で測定するか、または被取得企業の識別可能な純資産の比例持分で測定するかを、取得日に個々の企業結合ごとに選択しております。
企業結合を達成するために発生した取得関連コストは、発生時に費用として認識しております。
外貨建取引は、取引日における為替レートにより機能通貨に換算しております。外貨建の貨幣性資産および負債は、期末日における為替レートにより換算しております。公正価値で測定される外貨建の非貨幣性資産および負債は、公正価値が測定された日における為替レートにより機能通貨に換算しております。
外貨建の貨幣性資産および負債の換算および決済により生じる為替換算差額は、発生する期間の純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産(以下「FVTOCI」といいます。)のうち資本性のものおよびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる為替換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体の資産および負債(取得により発生したのれんおよび公正価値の調整を含む)については、決算日における為替レートにより表示通貨に換算しております。在外営業活動体の収益および費用は、その期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均為替レートで表示通貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の持分全体の処分および支配、重要な影響力または共同支配の喪失を伴う持分の一部処分の発生時に、当該為替換算差額は処分損益の一部として純損益で認識しております。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
非デリバティブ金融資産は、金融資産を契約条項の当事者となった時点で当初認識しております。すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定(以下「FVTPL」といいます。)される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。
当初認識時において、非デリバティブ金融資産を償却原価で測定される金融資産、FVTOCIまたはFVTPLに分類しております。
償却原価で測定される金融資産
以下の要件を満たす場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
FVTOCI
(ⅰ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産(以下「負債性FVTOCI」といいます。)
以下の要件を満たす場合には、負債性FVTOCIに分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産(以下「資本性FVTOCI」といいます。)
当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした資本性金融資産については、資本性FVTOCIに分類しております。
FVTPL
償却原価で測定される金融資産またはFVTOCI以外の金融資産は、FVTPLに分類しております。
ただし、純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産について、FVTPLとして指定することにより、会計上のミスマッチを除去または大幅に低減する場合には、当初認識時にFVTPLとして指定する取消不能な選択をする場合があります。
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
償却原価で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。また、償却原価で測定する金融資産に係る利息発生額は連結損益計算書の「金利収益」に含まれております。
FVTOCI
(ⅰ)負債性FVTOCI
負債性FVTOCIについては、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は、減損損失(戻入)および為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益累積額は純損益に振り替えております。
(ⅱ)資本性FVTOCI
資本性FVTOCIについては、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益累積額は利益剰余金に直接振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については純損益として認識しております。
FVTPL
FVTPLについては、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合または契約上のキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡することにより、実質的に所有に伴うすべてのリスクと経済価値が移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
非デリバティブ金融負債は、当社グループが発行した負債性金融商品をその発行日に当初認識しており、その他のすべての金融負債を当社グループが当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識しております。すべての金融負債は、公正価値から取引コストを控除した金額で当初測定しております。
当初認識時において、非デリバティブ金融負債を償却原価で測定される金融負債に分類しております。
金融負債の当初認識後の測定は、償却原価で測定される金融負債については、実効金利法による償却原価で測定しております。また、償却原価で測定する金融負債に係る利息発生額は連結損益計算書の「その他の金融費用」に含めております。
金融負債は消滅した時点、すなわち契約中に特定された債務が免責、取消しまたは失効となった時点で認識を中止しております。
金融資産および金融負債は、認識している金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ、純額ベースで決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
償却原価で測定される金融資産または負債性FVTOCIに係る予想信用損失に対する信用損失引当金を認識しております。ただし、負債性FVTOCIに対する信用損失引当金は、その他の包括利益で認識しております。
当社グループは、期末日ごとに金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しております。当該評価を行う際には、金融資産の債務不履行発生のリスクを期末日現在と当初認識日現在で比較し、当初認識以降の信用リスクの著しい増大を示す、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しております。
なお、当社グループは、金融資産に係る信用リスクが期末日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと推定しております。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る信用損失引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
当社グループは、金融資産の予想信用損失を次のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測についての、期末日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
予想信用損失は、金融資産の予想存続期間にわたる信用損失の確率加重した見積りであります。信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。
金融資産の予想信用損失は、減損損失として純損益に認識しております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻し入れしております。
また、当社グループは、金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
当社グループは、為替リスクや金利リスクなどをヘッジするために、為替予約、通貨スワップ、通貨オプション、金利スワップおよび株価指数先物などのデリバティブを利用しております。当該デリバティブは、FVTPLに分類し、契約が締結された時点の公正価値で当初測定し、その後も公正価値で事後測定しております。
デリバティブの公正価値の変動額は、純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の適格要件を満たすかどうかを評価するために、取引開始時にヘッジ手段とヘッジ対象との関係ならびに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的および戦略について文書化しております。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジ有効性の要求をすべて満たしているかどうかを判定する方法は、ヘッジ開始時に文書化しており、継続的な評価を実施しております。なお、ヘッジ有効性の継続的な評価は、各期末日またはヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方において行っております。
ヘッジ会計の適格要件を満たすヘッジ関係については、次のように会計処理しております。
公正価値ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額は、純損益として認識しております。ヘッジ対象に係る公正価値の変動額のうち、ヘッジ対象のリスクに起因する利得または損失は帳簿価額を調整するとともに純損益として認識しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分はただちに純損益として認識しております。なお、通貨スワップに係る通貨ベーシス・スプレッド部分はヘッジ手段から除外し、ヘッジコストとしてその他の包括利益で認識し、累積額はその他の資本の構成要素に含めております。
ヘッジされた予定取引がその後に非金融資産もしくは非金融負債の認識を生じる場合または非金融資産もしくは非金融負債に係るヘッジされた予定取引が公正価値ヘッジの適用される確定約定となった場合、その他の包括利益を通じて認識した利得または損失の累積額を直接、当該資産または負債の当初原価またはその他の帳簿価額に振り替えております。
上記以外のキャッシュ・フロー・ヘッジは、その他の包括利益を通じて認識した利得または損失の累積額をヘッジされた予想将来キャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期間に純損益に振り替えております。
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、発生した非有効部分はただちに純損益に計上しております。
ヘッジ会計を中止する場合、その他の包括利益を通じて認識した利得または損失の累積額は、ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生が依然見込まれる場合には、当該キャッシュ・フローが発生するまでその他の資本の構成要素に残し、ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がもはや見込まれない場合には、ただちに純損益に振り替えております。
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した額で計上しております。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去および土地の原状回復費用が含まれております。有形固定資産の処分損益(処分により受け取る金額の純額と有形固定資産の帳簿価額との差額として算定)は、その他の収益またはその他の費用として純損益で認識しております。
有形固定資産項目は、償却可能額(取得原価から残存価額を控除した金額)を規則的にその耐用年数にわたって減価償却しております。当社グループは、資産から得ることができる将来の経済的便益の消費パターンを反映した方法として主として定額法によっております。
有形固定資産項目の減価償却は、資産の稼動が可能になった時より開始し、資産が消滅(滅却もしくは売却)または売却目的で保有する資産に分類された日のいずれか早い日に終了します。
重要な有形固定資産項目の見積耐用年数は、次のとおりであります。なお、見積耐用年数、残存価額および減価償却方法は、期末日ごとに見直しており、見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間および将来の期間において認識しております。
・建物 3年~75年
・その他 2年~20年
無形資産は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した額で計上しております。個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
内部利用目的のソフトウェアを開発するための支出については、信頼性をもって測定可能であり、将来の経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用または販売する意図およびそのための十分な資源を有している場合に限り自己創設無形資産として資産計上しております。
資産計上したソフトウェアに係る支出は、取得価額から償却累計額および減損損失累計額を控除した額で計上しております。
耐用年数を確定できない無形資産および未だ使用可能でない無形資産は、償却しておりません。耐用年数を確定できない無形資産は、当該資産の耐用年数を確定できないものと判断する事象または状況が引き続き存在しているか否かについて、期末日ごとに見直しを行っております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの耐用年数にわたり定額法で償却しております。償却方法、耐用年数および残存価額は、期末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しております。
主な耐用年数は次のとおりであります。
・ソフトウェア 5年~10年
・その他の無形資産 2年~24年
減損については、「(10)非金融資産の減損」に記載しております。
当初認識時におけるのれんの測定については、「(2)企業結合」に記載しております。当初認識後ののれんについては償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。減損については、「(10)非金融資産の減損」に記載しております。
契約の開始時に、当該契約がリースであるか、またはリースを含んだものであるかを判定し、使用権資産およびリース負債を認識しております。使用権資産は、契約開始日に取得原価で当初測定しており、その取得原価は、リース負債の金額および発生した初期直接コスト等から構成されております。リース負債は、契約開始日における未払リース料を、追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しております。
開始日後においては、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い時点まで、定額法により減価償却しております。使用権資産の耐用年数は、有形固定資産の耐用年数と同じ基準で決定しております。また、リース負債は、実効金利法を用いて測定しており、リースの条件変更または見直しを反映するように再測定しております。
当社グループは、連結財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」に、リース負債を「その他の負債」に含めて表示しております。
なお、リース期間が12か月以内の短期リースおよび少額資産のリースに係る使用権資産およびリース負債を認識しないことを選択しており、リース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
繰延税金資産を除く非金融資産について、期末日ごとに減損している可能性を示す兆候があるか否かを判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれんおよび耐用年数を確定できないまたは未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同時期に見積っております。
回収可能価額は、資産または資金生成単位の使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローの見積額を貨幣の時間的価値および当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。減損損失は、資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、純損益として認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、最初に、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、次に、当該資金生成単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により、当該単位の中の他の帳簿価額を減額するように配分しております。
のれんに関する減損損失については、戻し入れておりません。過去の期間において、のれん以外の資産について認識した減損損失は、期末日ごとに、損失の減少または消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れております。減損損失の戻入れについては、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費または償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限としております。
持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは別個に認識されておらず、個別に減損テストを実施しておりませんが、持分法適用会社に対する投資の総額を単一の資産として、持分法適用会社に対する投資が減損しているかもしれないという客観的な証拠が存在する場合に、減損テストの対象としております。
保険契約者または他の保険会社から重大な保険リスクを引き受けている契約を保険契約として分類しており、また、基礎となる保険契約に係る重大な保険リスクを移転している契約を再保険契約として分類しております。また、保険契約および再保険契約により金融リスクにもさらされております。
当初認識時に次の要件を満たす保険契約を、直接連動有配当保険契約として分類しております。
・契約条件で、基礎となる項目の明確に識別されたプールに対する持分に保険契約者が参加する旨を定めている。
・保険契約者に基礎となる項目に対する公正価値リターンの相当な持分に等しい金額を支払うと予想している。
・保険契約者に支払う金額の変動の相当な部分が、基礎となる項目の公正価値の変動に応じて変動すると予想している。
その他のすべての保険契約およびすべての再保険契約は、直接連動有配当保険契約以外の契約に分類しており、これらの契約の一部には、保険料配分アプローチ(Premium Allocation Approach)(以下「PAA」といいます。)を適用して測定しております。
保険契約はグループごとに集約して測定しており、保険契約グループは保険契約ポートフォリオに基づいて決定しております。類似したリスクにさらされ、一括して管理されている複数の契約により構成された各ポートフォリオは、契約の発行年月およびその収益性に基づき、少なくとも次のグループに分割しております。
・当初認識時に不利な契約グループ
・当初認識時において、その後に不利となる可能性が高くない契約グループ
・その他の契約グループ
また、再保険契約についても同様に、少なくとも次のグループに分割しております。
・当初認識時に正味の利得が存在する契約グループ
・当初認識時において、その後に正味の利得が発生する可能性が高くない契約グループ
・その他の契約グループ
発行した保険契約グループを次のうちの最も早い日から認識しております。
・契約グループのカバー期間の開始時
・契約グループ内の保険契約者からの初回支払期日
・事実および状況が保険契約の属するグループが不利であることを示している日
ただし、契約上の支払期日がない場合には、保険契約者から最初の支払を受けた日をその支払期日とみなしております。
また、次の日において再保険契約グループを認識しております。
・比例的なカバーを提供する再保険契約については、基礎となる保険契約の当初認識日
・その他の再保険契約については、再保険契約グループのカバー期間の開始日
ただし、カバー期間の開始前から基礎となる不利な保険契約グループを認識し、関連する再保険契約がそれ以前に締結されていた場合、再保険契約グループは、その保険契約グループの当初認識日に認識しております。
契約グループの測定においては、契約の境界線内の将来キャッシュ・フローのすべてを含めております。
保険契約グループについては、保険契約者に保険料の支払を強制できる報告期間中またはサービスを提供する実質的な義務を有している報告期間中に存在する実質的な権利および義務から生じるキャッシュ・フローは、契約の境界線内にあると判断しております。サービスを提供する実質的な義務は、次のいずれかの場合に終了すると判断しております。
・特定の保険契約者のリスクを再評価する実務上の能力を有していて、その再評価したリスクを完全に反映する価格または給付水準を設定できる場合
・当該契約を含むポートフォリオのリスクを再評価する実務上の能力を有していて、そのポートフォリオのリスクを完全に反映する価格または給付水準を設定でき、かつ、その再評価日までの保険料の価格設定にその再評価日後の期間に係るリスクが考慮されない場合
また、再保険契約グループについては、再保険者から支払を強制される報告期間中または再保険者からサービスを受領する実質的な権利を有している報告期間中に存在する実質的な権利および義務から生じるキャッシュ・フローは、契約の境界線内にあると判断しております。再保険者からサービスを受領する実質的な権利は、次のいずれかの場合に終了すると判断しております。
・再保険者が、移転されたリスクを再評価する実務上の能力を有していて、その再評価したリスクを完全に反映する価格または給付水準を設定できる場合
・再保険者が、カバーを終了させる実質的な権利を有する場合
当初認識時に、保険契約グループを、履行キャッシュ・フロー(見積将来キャッシュ・フロー(貨幣の時間価値および関連する金融リスクを反映するように調整)および非金融リスクに係るリスク調整で構成される)ならびに契約上のサービス・マージン(Contractual Service Margin)(以下「CSM」といいます。)の合計額で測定しております。
保険契約グループのCSMは、その契約に基づきサービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表しております。保険契約グループの当初認識時において、履行キャッシュ・フロー、その日に生じたキャッシュ・フローならびに保険獲得キャッシュ・フロー(以下「新契約費」といいます。)に係る資産および当該保険契約グループに係るキャッシュ・フローについて過去に認識した資産または負債の認識の中止から生じた金額の合計が、正味のインフローである場合には、当該保険契約グループは不利な契約ではありません。この場合、CSMはその正味のインフローと同額で正負が逆の金額として測定しており、当初認識時に発生する損益はありません。その合計が正味のアウトフローの場合には、当該保険契約グループは不利な契約グループとなり、その正味のアウトフローは、当初認識時に損失として純損益で認識しております。
期末日現在における保険契約グループの帳簿価額は、残存カバーに係る負債と発生保険金に係る負債の合計であります。残存カバーに係る負債は、将来の期間において契約に基づき提供されることとなるサービスに係る履行キャッシュ・フローおよび期末日の残存CSMで構成されております。発生保険金に係る負債は、まだ支払われていない発生保険金(発生しているがまだ報告されていない保険金を含む)および関連する費用に係る履行キャッシュ・フローで構成されております。
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、期末日時点で、将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率および非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定されております。なお、当初認識後の各契約グループに係るCSMを報告期間ごとに計算しており、その後の報告期間において、従前行われた会計上の見積りの取扱いを変更しない会計方針を採用しております。
(i) 直接連動有配当保険契約以外の保険契約
期末日におけるCSMの帳簿価額は、期首における帳簿価額を、次の項目で調整した金額であります。
・当期中にグループに加えられた新契約のCSM
・当期中にCSMの帳簿価額に対して発生し、計上した利息(当初認識時に決定した割引率で測定)
・将来のサービスに係る履行キャッシュ・フローの変動(ただし、次の場合を除く)
-履行キャッシュ・フローの増加がCSMの帳簿価額を上回り、損失要素が発生した場合(超過額は損失として純損益で認識)
-履行キャッシュ・フローの減少が損失要素に配分される場合(過去に純損益で認識した損失の戻入れが発生)
・CSMに係る為替換算差額の影響
・当期間にサービスを提供したことにより、保険収益として認識した金額
(ii) 直接連動有配当保険契約
期末日におけるCSMの帳簿価額は、期首における帳簿価額を、次の項目で調整した金額であります。
・当期中にグループに加えられた新契約のCSM
・基礎となる項目の公正価値に対する当社グループの持分金額の変動(ただし、次の場合を除く)
-持分金額の減少がCSMの帳簿価額を上回り、損失要素が発生した場合(超過額は損失として純損益で認識)
-持分金額の増加が損失要素に配分される場合(過去に純損益で認識した損失の戻入れが発生)
・将来のサービスに係る履行キャッシュ・フローの変動(ただし、次の場合を除く)
-履行キャッシュ・フローの増加がCSMの帳簿価額を上回り、損失要素が発生した場合(超過額は損失として純損益で認識)
-履行キャッシュ・フローの減少が損失要素に配分される場合(過去に純損益で認識した損失の戻入れが発生)
・CSMに係る為替換算差額の影響
・当期間にサービスを提供したことにより、保険収益として認識した金額
再保険契約
当社グループは、原則として保険契約グループと同一の会計方針を適用して再保険契約グループを測定しておりますが、一部の測定方法については保険契約グループと異なっております。
将来キャッシュ・フローの見積りにおいては基礎となる保険契約グループの見積りに用いた仮定と首尾一貫した仮定を利用しておりますが、保険契約グループとは異なり、再保険者の不履行リスクに関する調整を考慮しております。再保険者の不履行リスクの影響は期末日ごとに評価し、その不履行リスクの変動の影響は純損益で認識しております。また、再保険契約グループは、不利になることはありません。
再保険契約グループが、基礎となる不利な保険契約グループの認識以前またはそれと同時に締結されている場合には、その保険契約グループの当初認識時に計上される損失に対して、再保険契約グループのCSMを調整し、収益を認識しております。
損失回収要素は、再保険契約グループにおけるCSMの調整を表すものとして、次の項目を乗じて設定しており、その後の変動に応じて調整しております。
・基礎となる保険契約グループについて認識した損失
・基礎となる保険契約グループに係る保険金請求のうち、保有している再保険契約グループから回収できると見込む割合
次のいずれかに該当する契約グループには、原則としてPAAを適用しております。
・契約グループ内の各契約のカバー期間が1年以内である契約グループ
・PAAを適用して測定した結果が、上記⑤の測定を適用した結果と重要な相違がないと合理的に予想される契約グループ
保険契約
各保険契約グループの当初認識時の残存カバーに係る負債の帳簿価額は、当初認識時に受け取った保険料により測定しており、新契約費および新契約費に係る資産や当該保険契約グループに係るキャッシュ・フローについて過去に認識した資産または負債の認識の中止から生じた金額は残存カバーに係る負債から控除しております。なお、新契約費については、保険契約グループに規則的かつ合理的な方法で配分しております。
残存カバーに係る負債の帳簿価額は、事後測定において受け取った保険料および費用として認識した新契約費の償却によって増加し、提供したカバーについて保険収益として認識した金額および当初認識後に配分された追加的な新契約費により減少しております。また、重大な金融要素がある場合には、残存カバーに係る負債について貨幣の時間価値および金融リスクの影響を反映するような調整を行っております。
カバー期間中のいずれかの時点で、保険契約グループが不利であることを事実および状況が示している場合には、残存カバーに係る履行キャッシュ・フローの現在の見積りが残存カバーに係る負債の帳簿価額を上回る範囲で、損失を純損益で認識し、残存カバーに係る負債を増額しております。この履行キャッシュ・フローには貨幣の時間価値および金融リスクの影響を反映しております。
保険契約グループの発生保険金に係る負債については、発生保険金に関連する履行キャッシュ・フローの金額で認識しております。その履行キャッシュ・フローは、保険金請求の発生日から1年以内に支払われる見込みがない場合には、現在の割引率で割引計算をしております。
再保険契約
原則として保険契約グループと同一の会計方針を適用して再保険契約グループを測定しておりますが、必要に応じて保険契約グループと異なる特徴を反映するように調整を行っております。損失回収要素が、PAAを適用して測定した再保険契約グループに対して発生する場合には、CSMを調整する代わりに、残存カバーに係る資産の帳簿価額を調整しております。
契約が消滅する場合(すなわち、契約で定められた義務の失効、免責または取消しがあった場合)のほか、会計処理を著しく変化させるような契約の条件変更があった場合に、契約の認識の中止を行っております。
資産である保険契約のポートフォリオおよび負債である保険契約のポートフォリオならびに資産である再保険契約のポートフォリオおよび負債である再保険契約のポートフォリオは、連結財政状態計算書において区分して表示しております。また、連結損益計算書および連結包括利益計算書において認識した金額を、保険サービス損益(保険収益と保険サービス費用で構成)および保険金融収益または費用に区分して表示しております。
再保険契約からの収益および費用は、保険契約からの収益および費用と区分して表示しており、保険金融収益または費用を除いて、「再保険損益」として純額で保険サービス損益に表示しております。
非金融リスクに係るリスク調整の変動は、保険サービス損益と保険金融収益または費用とに分解しております。
保険収益は、投資要素を除外し、次のように認識しております。
PAAを適用せずに測定する契約
保険収益は、保険契約グループに基づくサービスの提供に応じて認識しており、対価を受け取ることを見込むサービスに関連する残存カバーに係る負債の変動の合計を表しております。
また、保険料のうち新契約費の回収に関連する部分を、時の経過に基づいて規則的な方法で各期間に配分しており、配分した金額は保険収益として認識し、同額を保険サービス費用として認識しております。
保険収益として認識するCSMは、保険契約グループのカバー単位に基づいており、期末日に残存するCSM(配分前)を当期間に提供した各カバー単位と将来の期間に提供することが見込まれる各カバー単位に同等に配分することによって決定しております。カバー単位の数は、保険契約グループ内の契約によって提供されるサービスの量であり、提供される給付の量およびカバーの予想存続期間を考慮して決定しております。なお、カバー単位は各期末日において見直し、更新しております。
不利な保険契約グループの残存カバーに係る負債の損失要素を設定しており、不利な保険契約グループに基づくサービスの提供に応じて、履行キャッシュ・フローを損失要素と損失要素以外の残存カバーに係る負債とに規則的な方法で配分し、損失要素に係る履行キャッシュ・フローの金額については保険収益の認識において除外しております。
不利な保険契約グループにおいては、将来のサービスに係る履行キャッシュ・フローの変動および直接連動有配当保険契約の基礎となる項目の公正価値に対する当社グループの持分金額の変動は、損失要素のみに配分しております。損失要素がゼロまで減額された後は、当該保険契約グループについてCSMが新たに認識されることになります。
PAAを適用して測定する契約
各期間の保険収益は、当期間のサービスの提供に対して予想される保険料の受取額であり、予想される保険料の受取額を、原則として時の経過に基づいて各期間に配分しております。
保険サービス費用は、投資要素の返済を除外した次の項目から構成されており、原則として発生時に純損益に認識しております。
・発生保険金およびその他費用
・新契約費償却額
・不利な契約に係る損益(将来のサービスに関する変動)
・発生保険金に係る負債の変動(過去のサービスに関する変動)
再保険損益は、再保険者からの回収額から支払再保険料の配分額を控除した金額であります。
再保険契約グループに基づくサービスを受け取る際に、支払再保険料の配分額を認識しております。PAAを適用せずに測定する契約の場合、各期間に受け取ったサービス(支払再保険料の配分額)は、対価を支払うことを見込んでいるサービスに関連する残存カバーに係る資産の変動の合計を表しております。
PAAを適用して測定する契約の場合、各期間の支払再保険料の配分額は、当期間のサービスの受取に対して予想される保険料の支払額であります。
なお、基礎となる不利な保険契約グループをカバーする再保険契約グループについて、認識された損失の回収を表すため、次のとおり、残存カバーに係る資産の損失回収要素を設定および修正しております。
・基礎となる不利な保険契約グループをカバーする再保険契約が、基礎となる不利な保険契約の認識と同時にまたはそれ以前に締結されている場合には、当該再保険契約グループについて、基礎となる不利な保険契約の認識時に損失回収要素を設定しております。
・基礎となる不利な保険契約グループの履行キャッシュ・フローの変動により損失要素が発生または変動した場合には、将来のサービスに関連する再保険契約グループの履行キャッシュ・フローの変動について、損失回収要素を設定および修正しております。
当該再保険契約グループに基づくサービスの受取に応じて、残存カバーに係る資産を損失回収要素と損失回収要素以外の残存カバーに係る資産とに規則的かつ合理的に配分し、損失回収要素の変動額については支払再保険料の配分額から除外しております。
保険金融収益または費用は、貨幣の時間価値および金融リスクならびにこれらの変動の影響から生じた、保険契約グループおよび再保険契約グループの帳簿価額の変動で構成されております。
原則として保険金融収益または費用を純損益とその他の包括利益とに分解することを選択しており、純損益に含める金額は、見込まれる保険金融収益または費用の合計額を契約グループの存続期間にわたり規則的に配分することによって算定しております。残存カバーに係る資産または負債に対しては、対象となる保険契約グループのほとんどについて、金融リスクに関連する仮定の変更が保険契約者に支払われる金額に相当な影響を与えないことから、規則的な配分額を、契約グループの当初認識時に決定した割引率により算定しております。また、発生保険金に係る資産または負債に対しては、発生保険金に係る資産または負債を認識したタイミングで決定した割引率を用いて算定しております。
確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、資産上限の影響を考慮する)を控除したものであり、退職給付に係る資産または負債として連結財政状態計算書で認識しております。確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用および過去勤務費用は予測単位積増方式に基づき、制度ごとに算定しております。割引率は、制度ごとの将来の給付支払見込日までの期間をもとに割引期間を設定し、当該割引期間に対応した決算期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき設定しております。
退職給付に係る負債(資産)の純額の再測定はその他の包括利益で認識し、発生した期においてただちに利益剰余金に振り替えております。再測定は、数理計算上の差異ならびに純利息費用に含まれる部分を除く、制度資産に係る収益および資産上限額の影響の変動で構成されます。また、勤務費用および純利息費用は発生した期に純損益として認識し、過去勤務費用は制度改訂もしくは縮小が発生した時または関連するリストラクチャリング費用もしくは解雇給付を認識した時の、いずれか早い方の期において純損益として認識しております。
当社および一部の子会社は、確定拠出年金制度を設けております。確定拠出年金は、雇用主が一定額の掛金を定期的に従業員の個人口座に拠出し、その拠出額以上の支払については法的または推定的債務を負わない退職後給付制度であります。このため、確定拠出制度への拠出は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しております。
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
賞与については、その支払を行う現在の法的または推定的債務を負っており、かつ、その金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、その制度に基づいて支払われる将来給付額を負債として認識しております。
退職給付以外の長期従業員給付として、一定の勤続年数に応じた長期休暇制度や累積型有給休暇制度を有しております。
当該長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度および当年度において提供したサービスの対価として稼得した将来給付額を見積もり、金額に重要性がある場合を除き割引計算は行わず、負債として認識しております。
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合には、当該引当金は債務の決済に必要と予想される支出額の現在価値で測定しております。現在価値は、貨幣の時間的価値とその負債に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて計算しております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、その他の金融費用として認識しております。
当社が発行する資本性金融商品は、発行価額を資本金および資本剰余金で認識し、直接発行費用は資本剰余金から控除しております。
自己株式を取得した場合には、取得原価で認識し、資本の控除項目としております。また、その直接取得費用は、資本剰余金から控除しております。自己株式を売却した場合は、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
当社グループは、取締役および執行役員に対するインセンティブ制度として、持分決済型のストック・オプション制度を導入しております。ストック・オプションは付与日における公正価値で測定しており、ストック・オプションの公正価値は、ブラック・ショールズモデル等を用いて算定しております。ストック・オプションの付与日に決定した公正価値は、最終的に権利が確定すると予想されるストック・オプションの数の見積りに基づき、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
当社グループは、業績連動型株式報酬制度として株式給付信託(Board Benefit Trust)(以下「株式給付信託(BBT)」といいます。)を導入しており、取締役(非業務執行社内取締役および社外取締役を除く)、執行役および執行役員の役務に基づいて株式および現金で支給されており、その支給方法により次のとおり分類しております。
受領した役務を付与された資本性金融商品の付与日における公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
受領した役務および発生した負債は、当該負債の公正価値で測定されます。負債に分類される報酬の公正価値は、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。また、当該負債の公正価値を期末日および決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。
当社グループは、取締役(非業務執行社内取締役および社外取締役を除く)、執行役および執行役員に対する報酬の付与において、権利確定時の当社株式の株価を基礎とした金額を現金で決済するファントムストック制度を導入しております。期末日に付与が見込まれるユニット数に基づく支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値の変動を期末日に再測定し純損益として認識しております。
介護事業においては、介護施設入居者等に、介護付きホームなどでの各種介護サービスや、入居者への福祉用具販売サービスが提供された時点で履行義務が充足され、当該履行義務を充足した時点で収益を認識しております。
なお、介護施設入居者等に対するサービスについて、顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が代理人に該当する取引については、顧客から受け取る額から仕入れ先に支払う額を控除した純額で収益を認識することとしております。
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するものおよび直接資本またはその他の包括利益に認識する項目を除き、純損益に認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率および税法は、決算日までに制定または実質的に制定されたものであります。
繰延税金は、連結会計年度の末日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異等に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産および負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資および共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異のうち、解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高いもの
・子会社、関連会社に対する投資および共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くないものまたは当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高くないもの
繰延税金資産および負債は、決算日において制定または実質的に制定されている法人所得税法令に基づいて、繰延税金資産が回収される期または繰延税金負債が決済される期に適用されると見込まれる税率に基づいて算定しております。
繰延税金資産および負債は、当社グループが当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合または異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産および負債を純額ベースで決済することを意図している場合もしくはこれら税金資産および税金負債が同時に実現する予定である場合には、連結財政状態計算書において相殺して表示しております。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、各報告期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しております。
4.重要な会計上の見積りおよび判断
連結財務諸表の作成において、経営者は、当社グループの会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定の設定を行っており、実際の結果は当該見積りとは異なる可能性があります。見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直されます。見積りの変更による影響は、当該見積りの見直しを行った期および将来に向かって認識されます。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りおよび判断は、次のとおりであります。
注記「11.金融商品の公正価値」に記載しております。
注記「11.1 公正価値で測定される金融商品」の「(3) レベル3に関する開示」の「② 観察不能なインプット」および「③ 公正価値の評価プロセス」に記載しております。
注記「11.1 公正価値で測定される金融商品」の「(3) レベル3に関する開示」の「② 観察不能なインプット」および「③ 公正価値の評価プロセス」に記載しております。
上記の仮定の前提となる状況の変化により、金融商品の公正価値に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、重要な観察不能インプットが公正価値評価に与える影響については、注記「11.1 公正価値で測定される金融商品」の「(3) レベル3に関する開示」の「④ 観察不能なインプットの影響」に記載しております。
注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
上記の仮定の前提となる状況の変化により、のれんの減損に係る回収可能価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、回収可能価額の変動がのれんの減損に与える影響については、注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
注記「17.保険契約および再保険契約」に記載しております。
注記「17.1 保険契約および再保険契約の測定に使用したインプット、仮定および見積技法」に記載しております。
注記「17.1 保険契約および再保険契約の測定に使用したインプット、仮定および見積技法」に記載しております。
上記の仮定の前提となる状況の変化により、履行キャッシュ・フローの見積り金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。こうした前提の変化が税引前利益および税引前その他の包括利益に与える影響については、注記「37.2 保険リスク」に記載しております。
5.セグメント情報
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループでは、独立した経営単位である関係会社が、当社の経営方針のもと、それぞれの事業における包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、個々の関係会社を最小単位とした事業別のセグメントから構成されており、「国内損害保険事業」、「海外保険事業」、「国内生命保険事業」および「介護事業」の4つを報告セグメントとしております。なお、報告セグメントに含まれていない当社、延長保証事業、デジタル関連事業、アセットマネジメント事業等は「その他」の区分に集約しております。
「国内損害保険事業」は、主として日本国内の損害保険引受業務、資産運用業務およびそれらに関連する業務を、「海外保険事業」は、主として海外の保険引受業務および資産運用業務を、「国内生命保険事業」は、主として日本国内の生命保険引受業務および資産運用業務を、「介護事業」は、主として介護および介護周辺サービスの提供業務をそれぞれ行っております。
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、注記「3. 重要性がある会計方針」における記載と同一であります。報告セグメントの利益または損失は親会社の所有者に帰属する当期利益をベースとした数値としております。
セグメント間の内部収益は、第三者間取引価格等に基づいております。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注1)収益は、保険事業にあっては保険収益、その他の事業にあってはその他の営業収益、連結財務諸表計上額にあっては保険収益とその他の営業収益の合計金額を記載しております。
(注2)「その他」の区分は報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、当社(保険持株会社)、延長保証事業、デジタル関連事業、アセットマネジメント事業等であります。
(注3)減価償却費及び償却費、資本的支出には、使用権資産に係る金額が含まれております。
(注4)収益の調整額は、国内損害保険事業、海外保険事業および国内生命保険事業に係るその他の営業収益27百万円およびセグメント間取引消去△76,861百万円であります。セグメント利益または損失(△)の調整額は、全額セグメント間取引消去によるものであります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)収益は、保険事業にあっては保険収益、その他の事業にあってはその他の営業収益、連結財務諸表計上額にあっては保険収益とその他の営業収益の合計金額を記載しております。
(注2)「その他」の区分は報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、当社(保険持株会社)、延長保証事業、デジタル関連事業、アセットマネジメント事業等であります。
(注3)減価償却費及び償却費、資本的支出には、使用権資産に係る金額が含まれております。
(注4)収益の調整額は、国内損害保険事業、海外保険事業および国内生命保険事業に係るその他の営業収益140百万円およびセグメント間取引消去△78,212百万円であります。セグメント利益または損失(△)の調整額は、全額セグメント間取引消去によるものであります。
(注)主に海外保険事業における保険収益であり、農業保険、賠償責任保険などが含まれております。
(注1)主に顧客の所在地を基礎とした社内管理区分により分類しております。
(注2)連結損益計算書における保険収益およびその他の営業収益の合計金額を記載しております。その他の営業収益は主に介護事業における収益であり、国内で生じております。
(注)主に各社の所在地を基礎とした社内管理区分により分類しております。
該当事項はありません。
6.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、次のとおりであります。
現金及び現金同等物の範囲
当社グループでは、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物を、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動において僅少なリスクしか負わない取得日から満期日または償還日までの期間が3か月以内の定期預金等の短期投資としております。また、連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の残高と一致しております。
非資金取引
前連結会計年度および当連結会計年度における重要な非資金取引については、リース取引による使用権資産の取得が該当し、注記「15.リース」に記載しております。この他に重要な非資金取引はありません。
利用制限
保険子会社は所在国における法令や規制の対象となっており、配当規制等の適用により資金移動が制限される場合がありますが、当社グループの流動性に重要な影響はありません。
7.投資有価証券
投資有価証券の分類別の内訳は、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注1)資本性FVTOCI
保険取引の維持や保険販売チャネルにおける関係維持、グループ戦略実現に向けたアライアンス強化等を目的として保有する資本性金融資産については、資本性FVTOCIとして分類しており、主な銘柄および公正価値は下記のとおりであります。
認識を中止した資本性FVTOCIに分類される有価証券の公正価値および累計利得または損失は次のとおりであります。
なお、認識の中止によるその他の包括利益累積額の利益剰余金への税引後振替額(純額)は、前連結会計年度および当連結会計年度でそれぞれ、96,559百万円(利得)および264,305百万円(利得)であります。これらは、公正な競争を阻害する要因となりうる政策保有株式の削減に加え、財務健全性の維持・向上および資本効率の向上等を目的として売却したものであります。
なお、資本性FVTOCIに係る受取配当金のうち、期中に認識を中止した銘柄に係るものは、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ1,155百万円および1,668百万円であります。
(注2)主に投資信託への投資であります。
(注3)負債性FVTOCIに係る予想信用損失
負債性FVTOCIは公正価値で測定されるため、信用損失引当金の金額には負債性FVTOCIに対するものは含まれておりません。負債性FVTOCIに係る信用損失引当金の金額は、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ746百万円、757百万円および713百万円であります。
(注4)予想回収期間による分類
移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末における残高のうち、1年以内に期限が到来するものは、それぞれ250,202百万円、368,473百万円および354,160百万円であります。
8.貸付金等
貸付金等の内訳は、次のとおりであります。
(注)移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末における残高のうち、1年以内に期限が到来するものは、それぞれ198,428百万円、186,044百万円および205,502百万円であります。
9.デリバティブ
当社グループは、為替予約、通貨スワップ、通貨オプション、金利スワップおよび株価指数先物などの様々なデリバティブ取引を行っております。
当社グループは、通常業務として、(a) 金利リスクの管理、(b) 為替リスクの管理および(c) その他の目的でデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは当社グループのリスクを経済的にヘッジしておりますが、その一部はIFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」といいます。)におけるヘッジ会計の要件を満たしておりません。このため、ヘッジ会計が適用されるものを除き、連結財政状態計算書に「デリバティブ資産」または「デリバティブ負債」として公正価値で計上されており、公正価値の変動は「その他の投資損益」として連結損益計算書に計上されております。
デリバティブ資産およびデリバティブ負債の内訳は、次のとおりであります。
なお、ヘッジ会計を適用していないデリバティブに係るデリバティブ資産はFVTPLの金融資産、デリバティブ負債はFVTPLの金融負債に分類されております。
10.ヘッジ会計
該当事項はありません。
11.金融商品の公正価値
活発な市場で取引される金融資産および金融負債の公正価値は、市場価格に基づいております。その他すべての金融商品については、当社グループはその他の評価技法を用いて公正価値を決定しております。
取引頻度が低く、価格の透明性が低い金融商品の公正価値については、客観性が低く、流動性、集中、市場要因の不確実性、価格設定の仮定および特定の金融商品に影響を与えるその他のリスクにより、様々な判断が求められます。
公正価値測定を行ううえで使用するインプットの重要性を反映した以下の公正価値ヒエラルキーを用いて公正価値を分類しております。レベル間の振替は各報告期間の期末時点で発生したものとして認識しております。
レベル1:活発な市場における同一資産・負債の公表された調整前の市場価格
レベル2:レベル1に含まれる市場価格以外のインプットのうち、直接的または間接的に観察可能なもの
レベル3:観察不能なインプット
公正価値ヒエラルキーにおけるレベルごとの公正価値は、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注1)前連結会計年度において、市場における活発な取引が行われなくなったことから、外国債券19,119百万円についてレベル1からレベル2に振り替えております。また、当連結会計年度において、市場における活発な取引が行われなくなったことから、外国債券24,440百万円についてレベル1からレベル2に振り替えております。
(注2)主に投資信託への投資であります。
公正価値の算定に用いた主な評価技法およびインプットは、次のとおりであります。
投資有価証券
活発な市場における無調整の相場価格を利用できるものはレベル1に分類しております。主に上場株式、国債、上場投資信託がこれに含まれます。公表された相場価格を用いていたとしても市場が活発でない場合にはレベル2に分類しております。主に地方債、社債がこれに含まれます。非上場投資信託等については、委託会社から提示された基準価額等によっており、主に信託財産の構成物のレベルに基づきレベル2またはレベル3に分類しております。私募債については、第三者から入手した価格に基づき算出した価額を公正価値としており、入手した価格に使用されたインプットが観察可能なインプットを用いている場合または観察できないインプットの影響が重要でない場合については、レベル2の公正価値に分類しており、重要な観察できないインプットを用いている場合については、レベル3の公正価値に分類しております。買入金銭債権については、第三者から入手した価格に基づき算出した価額を公正価値としており、入手した価格に使用されたインプットに基づきレベル2に分類しております。非上場株式等、活発な市場または活発でない市場における同一銘柄の市場価格が入手できない場合の公正価値は、マルチプル法などの適切な評価技法により測定しており、類似会社における株価純資産倍率および株価収益率などの重要な観察できないインプットを用いていることから、レベル3に分類しております。
デリバティブ
取引所取引については、取引所等における最終の価格をもって公正価値としております。店頭取引については、金利、外国為替相場等のインプットを用いて、将来キャッシュ・フローの割引現在価値やオプション価格計算モデル等により算定した価額をもって公正価値としております。取引所取引については、主にレベル1に分類しております。店頭取引のうち観察可能なインプットを用いている場合または観察できないインプットの影響が重要でない場合については、レベル2に分類しており、重要な観察できないインプットを用いている場合については、レベル3に分類しております。
レベル3に分類された金融商品の期首と期末との調整表は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)純損益に認識した利得または損失は、連結損益計算書上の「金利収益」および「その他の投資損益」に含まれております。その他の包括利益に認識した利得または損失は、連結包括利益計算書上の「資本性金融商品に対する投資」および「負債性金融商品に対する投資」に含まれております。
(注2)レベル3への振替は、投資先が取引所への上場を廃止したことによるものであります。
(注3)レベル3からの振替は、投資先が取引所に上場されたこと等に起因するものであります。
(注4)主に投資信託への投資であります。
(注5)連結損益計算書上の「金利収益」および「その他の投資損益」に含まれております。
(注6)純額で表示しております。
レベル3に分類された金融商品の測定に用いられた重要な観察不能なインプットに関する情報は、次のとおりであります。
金融商品の公正価値について、グループ各社が定める基本的方針に従い、各担当部署において算定および検証が行われます。算定された結果は、各担当部署における適切な責任者が承認しております。
公正価値の算定にあたっては、個々の資産の性質、特性およびリスクが最も適切に反映されるよう算定しております。また、第三者から入手した相場価格を利用する場合においても、利用されている評価技法およびインプットの確認などの適切な方法により価格の妥当性を検証しております。
レベル3に区分された金融資産を測定するための重要な観察不能なインプットの影響は、次のとおりであります。
非上場株式
マルチプル法により評価される非上場株式の公正価値は、観察不能なインプットである株価純資産倍率および株価収益率の上昇(下落)により、増加(減少)します。また、非流動性ディスカウントの上昇(下落)により、減少(増加)します。
償却原価で測定される金融商品の公正価値を、公正価値ヒエラルキーのレベル別に分析したものは、次のとおりであります。なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている項目については、表に含めておりません。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
公正価値の算定に用いた主な評価技法およびインプットは、次のとおりであります。
貸付金等
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合を除き、貸付金等の案件ごとに将来の回収予定キャッシュ・フローを、期間に対応したリスクフリーレートに内部格付けに基づく信用リスクプレミアムと流動性プレミアムを付加した割引率により割り引いた金額としており、レベル3に分類しております。
社債
取引所の価格および業界団体等より公表されている価格等を基に算定した価額をもって公正価値としており、レベル2に分類しております。
借入金
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合を除き、元利金の合計額と、当該債務の残存期間および信用リスクを加味した利率を基に、割引キャッシュ・フロー法により算定しており、レベル2に分類しております。
12.その他の資産および負債
その他の資産の内訳は、次のとおりであります。
その他の負債の内訳は、次のとおりであります。
(注1)主に代理店に対する債権および共同保険における他の引受保険会社に対する債権であります。
(注2)主に共同保険における他の引受保険会社に対する債務であります。
13.有形固定資産
有形固定資産の内訳は、次のとおりであります。
(注)使用権資産に係る定量的な開示は、注記「15.リース」に記載しております。
有形固定資産(使用権資産を除く)の帳簿価額の増減および取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額は、次のとおりであります。
(注1)減損損失については、連結損益計算書における「その他の費用」に計上しております。
(注2)減価償却費については、連結損益計算書における「保険サービス費用」、「投資経費」、「一般管理費」および「その他の費用」に計上しております。
前連結会計年度および当連結会計年度において、重要な減損損失はありません。
14.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減および取得原価、償却累計額および減損損失累計額は、次のとおりであります。
(注1)減損損失については、連結損益計算書における「その他の費用」に計上しております。
(注2)償却費については、連結損益計算書における「保険サービス費用」、「一般管理費」および「その他の費用」に計上しております。
前連結会計年度において、海外保険事業のうちリテール事業ののれん全額について減損損失15,375百万円を認識しております。詳細は、「(1) 海外保険事業 ② リテール事業」に記載しております。
当連結会計年度において、のれんの減損損失はありません。
資金生成単位または資金生成単位グループに配分されたのれんの金額は、次のとおりであります。
のれんは資金生成単位または資金生成単位グループごとに帳簿価額と回収可能価額を比較して減損テストを行っており、回収可能価額として使用価値または公正価値のいずれか高い金額を使用しております。使用価値は、経営者が承認した事業計画に基づくキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引くことにより算定しております。また、使用価値の算定に用いる事業計画は5年を上限とし、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価や過去の実績および企業内外からの情報に基づき作成しております。使用価値の算定に用いる事業計画を超えて発生すると見込まれるキャッシュ・フローには、資金生成単位グループの市場の長期平均成長率を加味した継続価値を用いております。税引前の割引率は、資金生成単位グループの加重平均資本コストを基礎に算定しております。
回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定には、保険料増収率、損害率、経費率、資産運用収支および税金が含まれております。
回収可能価額の算定に用いた永久成長率および税引前の割引率について合理的な範囲で変動があった場合でも、回収可能価額が資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っていることから、重要な減損損失が発生する可能性は低いと判断しております。
回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定には、保険料増収率、損害率、経費率、資産運用収支および税金が含まれております。
前連結会計年度において、直近の実績を踏まえた最新の事業計画をもとにのれんの減損テストを行った結果、回収可能価額が資金生成単位グループの帳簿価額を下回ったため、のれん全額について減損損失15,375百万円を認識しております。
回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定には、施設入居率が含まれております。
回収可能価額の算定に用いた永久成長率および税引前の割引率について合理的な範囲で変動があった場合でも、回収可能価額が資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っていることから、重要な減損損失が発生する可能性は低いと判断しております。
回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値に基づき算定しております。
経営者が承認した6年(移行日は8年、前連結会計年度は7年)の事業計画に基づくキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引くことにより算定しております。
また、公正価値の算定に用いる事業計画は、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価や過去の実績および企業内外からの情報に基づき作成しております。
当該公正価値は用いた評価技法への重要なインプットに基づきレベル3に分類されます。
キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定には、売上高成長率が含まれております。
移行日においては、回収可能価額は帳簿価額を9,027百万円上回っておりますが、回収可能価額の算定に用いた税引前の割引率が78bp上昇した場合、減損損失が発生する可能性があります。
前連結会計年度においては、回収可能価額の算定に用いた永久成長率および税引前の割引率について合理的な範囲で変動があった場合でも、回収可能価額が資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っていることから、重要な減損損失が発生する可能性は低いと判断しております。
当連結会計年度においては、回収可能価額は帳簿価額を9,652百万円上回っておりますが、回収可能価額の算定に用いた税引前の割引率が90bp上昇した場合、減損損失が発生する可能性があります。
15.リース
リースに係る費用、キャッシュ・フローおよび使用権資産の帳簿価額は、次のとおりであります。
当社グループは、主に介護事業において営業用不動産に係るリース取引を行っており、解約不能期間の終了後において延長オプションが付されていることから、当該延長オプションを行使することが合理的に確実である場合には、リースの開始日において、リース期間の見積りに含めております。
なお、リース負債の満期分析については、注記 「37.リスク管理に関する開示 37.5 流動性リスク」に記載しております。
16.持分法で会計処理されている投資
前連結会計年度および当連結会計年度において、個々に重要性のある関連会社または共同支配企業はありません。
個々に重要性のない関連会社または共同支配企業に対する投資の帳簿価額は、次のとおりであります。
個々に重要性のない関連会社または共同支配企業における当期利益、その他の包括利益および当期包括利益合計に対する持分は、次のとおりであります。
当連結会計年度において、持分法で会計処理されている投資の減損損失を21,065百万円認識し、連結損益計算書において「持分法による投資損益」に含めて計上しております。
関連会社のうち、保険会社は所在国における法令や規制の対象となっており、当該国における規制当局の監督を受けていることが通常であることから、配当規制等の適用により資金移動が制限される場合があります。
17.保険契約および再保険契約
保険契約および再保険契約に係る資産および負債の内訳は、次のとおりであります。なお、連結財政状態計算書においては、ポートフォリオごとに資産計上額と負債計上額を区分して表示しております。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
履行キャッシュ・フローは、次のとおりで構成されております。
・将来キャッシュ・フローの見積り
・貨幣の時間価値および将来キャッシュ・フローに係る金融リスク(当該金融リスクが将来キャッシュ・フローの見積りに反映されていない範囲で)を反映するための調整
・非金融リスクに係るリスク調整
将来キャッシュ・フローの見積りの目的は、生じ得るすべての範囲の結果を反映する一定範囲のシナリオの期待値を算定することであります。期待現在価値を算出するため、各シナリオから生じるキャッシュ・フローをその発生確率で加重平均したうえで、現在価値に割り引いております。市場変数に基づいて変動するキャッシュ・フローと他のキャッシュ・フローとの間に重大な相互依存関係がある場合には、確率論的なモデル化技法を用いてその期待現在価値を見積っております。確率論的なモデル化には、金利や株式配当等の市場変数について生じ得る多数の経済シナリオに基づく将来キャッシュ・フローの予測が含まれます。
なお、将来キャッシュ・フローは名目キャッシュ・フローであり、インフレーションの影響を含んだキャッシュ・フローとしております。
当社グループでは、インフレ―ションの仮定は、直近に発行された物価連動国債に織り込まれたブレーク・イーブン・インフレ率と最新の消費者物価指数を参考に算出しております。また、金利の補外手法と整合するよう、31年目以降のインフレ率は40年かけて終局金利のうちの期待インフレ率に収束するように線形補間しております。
損害保険事業
将来キャッシュ・フローは次のとおり未経過期間と既経過期間に分けて見積りを行っております。
<未経過期間>
将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる損害率、維持費率などの仮定は、各会社が保有する商品の種類、契約内容、将来キャッシュ・フローの特性などを考慮し、最近の実績値を含む過年度実績の情報を反映しております。
損害率の仮定は、主に各会社の過年度実績値を用いることによって算出しており、一部の商品については、巨大災害の影響および季節性の特性を考慮した調整を加えております。
維持費率の仮定は、主に各会社の過年度実績値を用いることによって算出しており、経費ごとの特性を反映しております。
その他、保険契約者の行動に関する仮定としての解約率等も将来キャッシュ・フローに反映しております。
<既経過期間>
期末日現在において既発生未払となっている保険金請求の最終損害額、損害調査費、残存物の価値およびその他予想される回収額について、既報告の個々の保険金請求を調査することおよび既発生未報告の保険金請求に関する引当をすることにより見積っております。保険金請求の最終損害額は、様々な損害見積技法(例:チェインラダー法、ボーンヒュッター・ファーガソン法)を用いることにより見積られております。これらの技法は、各会社の保険金支払実績が将来の保険金のディベロップメント・パターン、ひいては最終損害額を示すものと仮定しております。保険金請求の最終損害額は各保険種目別に見積っております。ただし、大口の保険金請求についてはこの限りではなく、他の保険金請求と区分して個別に見積っております。
使用している仮定(損害率および将来の保険金請求額の上昇率を含む)は、その予測の基礎としている過去のクレーム・ディベロップメントのデータから推計しておりますが、将来において過去の傾向が適用できない程度および新たな将来の傾向が出現する程度について判断を行っております。
損害調査費率の仮定は、主に会社の過年度実績値を用いることによって算出しており、経費ごとの特性を反映しております。
生命保険事業
将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる死亡率、罹患率、維持費率および保険契約者の行動に関する仮定は、商品の種類別に策定し、最近の実績および保険契約グループ内の保険契約者の特性を反映しております。
死亡率および罹患率の仮定は通常、生命表のデータ、業界の傾向および各国の最近の実績を組み合わせて用いることによって策定しております。実績は定期的な調査を通じて観測しており、その調査の結果は新商品の料率設定と既存の保険契約の測定の両方に反映しております。
維持費率の仮定は、主に会社の最新の実績値と過年度の実績値を組み合わせて用いており、そのうえで、経費ごとの特性を反映しております。
保険契約者の行動に関する仮定は、会社の契約管理情報に基づき、過去の経験および最近のデータの傾向を反映するよう統計的手法を用いて、算出しております。
キャッシュ・フロー特性と保険契約の流動性特性を反映するように調整したリスクフリーのイールド・カーブを用いて算定された割引率によりすべてのキャッシュ・フローを割り引いております。リスクフリーのイールド・カーブは国債等の観察可能な市場データに基づき、長期の実質金利とインフレ予想を考慮して、利用可能な最新の市場データと終局金利とで補間計算することにより算出しております。なお、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における終局金利(JPY)は、それぞれ3.50%、3.35%および3.20%であります。
次の表は、保険契約のキャッシュ・フローを割り引くのに用いたイールド・カーブを、主要通貨ごとに示したものであります。
保険事故が発生するかどうかにかかわらず、すべての状況において保険契約者に返済することが要求される金額を契約管理のプロセスにおいて算定しており、これにより保険契約の投資要素を識別しております。投資要素は、保険収益および保険サービス費用から除外しております。
非金融リスクに係るリスク調整は、非金融リスクを負担することに対する報酬を反映して決定しており、規則的かつ合理的な方法を用いて契約グループに配分しております。また、非金融リスクに係るリスク調整には、当社グループが要求する報酬と整合的で、かつリスク回避の程度を反映する方法によって、分散効果を反映しております。
原則として資本コスト法を用いて非金融リスクに係るリスク調整を決定しております。資本コスト法においては、将来の各報告日における必要資本額に資本コスト率を乗じ、非流動性を調整したリスクフリーレートで割り引いて、非金融リスクに係るリスク調整の金額を算定しております。当該必要資本額は、将来の各報告日において保険契約から生じる将来キャッシュ・フローの現在価値の確率分布を見積った上で、99.5%の信頼水準による保険契約期間にわたって生じる保険金および経費支払に関する契約上の義務の履行に要する資本を計算しており、資本コスト率は、投資家が非金融リスクに対するエクスポージャーに対して要求するであろう追加的な報酬として決定しております。移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における資本コスト率は、それぞれ6%であります。
資本コスト法を適用した主な保険子会社における非金融リスクに係るリスク調整は、次の信頼水準に対応しております。
保険カバーと投資リターン・サービス(直接連動有配当保険契約については投資関連サービス)によって提供される給付の量の評価には、損害保険事業については、保険カバーとして既経過保険料を、投資リターン・サービスとして投資要素に該当する解約返戻金をそれぞれ用い、また、生命保険事業については、平準払かつ全期払換算した保険料にカバー期間内における主たる保障金額の比を反映させたうえで、保険カバーとして危険保険料分と付加保険料分を、投資リターン・サービスまたは投資関連サービスとして貯蓄保険料分をそれぞれ用いることで、給付の相対的なウェイト付けを行っております。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当初認識した保険契約および再保険契約に係る影響は、次のとおりであります。なお、企業結合または契約の移転により取得した契約はありません。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
CSMが純損益に認識されると予想される時期は、次のとおりであります。
PAAを適用して測定する保険契約および再保険契約の期首残高と期末残高との調整表
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
保険契約に係るクレーム・ディベロップメント(再保険契約考慮前)は、次のとおりであります。なお、移行措置の適用により、事故発生年度が2019年度以前となるものについてはクレーム・ディベロップメントに関する開示を行っておりません。
17.3 生命保険事業
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当初認識した保険契約に係る影響は、次のとおりであります。なお、企業結合または契約の移転により取得した契約はありません。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
CSMが純損益に認識されると予想される時期は、次のとおりであります。
PAAを適用して測定する保険契約および再保険契約の期首残高と期末残高との調整表
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
生命保険事業においては、保険金支払の金額および時期が通常1年以内に確定することから、クレーム・ディベロップメントに関する開示を行っておりません。
当社グループは、IFRS第17号への移行において、実務上可能な限り完全遡及アプローチを適用しておりますが、一部の契約グループを識別し測定する際に、IFRS第17号を遡及適用するための合理的かつ裏付けのある情報を有していないことから、修正遡及アプローチまたは公正価値アプローチを適用しております。
損害保険事業のうち国内保険会社においては、2022年1月1日以降の新契約に係る保険契約グループおよび再保険契約グループに完全遡及アプローチを適用しており、それ以外の保険契約グループおよび再保険契約グループには公正価値アプローチを適用しております。また、海外保険会社においては、2020年1月1日以降の新契約に係る保険契約グループおよび再保険契約グループに完全遡及アプローチを適用しており、それ以外の保険契約グループおよび再保険契約グループには修正遡及アプローチを適用しております。
生命保険事業においては、2022年4月1日以降の新契約に係る保険契約グループに完全遡及アプローチを適用しており、それ以外の保険契約グループにおいては、変額保険の保険契約グループには公正価値アプローチを適用し、変額保険以外の保険契約グループには修正遡及アプローチを適用しております。
修正遡及アプローチが適用される保険契約グループについては、移行日現在の残存カバーに係る負債のCSMまたは損失要素について、移行日現在で利用可能な合理的で裏付け可能なキャッシュ・フローの仮定および見積りに基づいて決定しております。また、IFRS第3号「企業結合」(以下「IFRS第3号」といいます。)の範囲に含まれる企業結合で取得した保険契約について、企業結合で取得される前に発生した保険金の決済に係る負債を、発生保険金に係る負債として分類しております。
公正価値アプローチが適用される保険契約グループについては、移行日現在の残存カバーに係る負債のCSMまたは損失要素について、移行日現在で利用可能な合理的で裏付け可能な情報に基づいて、保険契約グループの公正価値と履行キャッシュ・フローとの差額として決定しております。また、公正価値アプローチを適用して測定するすべての保険契約グループについて、移行日においてその他の包括利益に累積する保険金融収益または費用の金額は、ゼロとしております。
移行日において修正遡及アプローチまたは公正価値アプローチを適用した契約グループについて、CSMおよび保険収益に対する影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
その他の包括利益に係る移行措置を適用した保険契約に対応する金融資産について、その他の包括利益に認識された累計額の調整表は次のとおりであります。
18.法人所得税
繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の調整表は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部または全部が、将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、繰延税金負債の取り崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しております。過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の見込みに基づき、当連結会計年度末に認識された繰延税金資産は、回収される可能性が高いものと判断しております。
なお、繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金およびその失効期限は、次のとおりであります。なお、金額は税額により記載しております。
(注)主に海外保険事業において生じた失効期限のない繰越欠損金であります。
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ1,661,442百万円、2,119,894百万円および2,276,251百万円であります。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
連結損益計算書に計上された法人所得税費用の内訳は、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度の当期税金費用には、グローバル・ミニマム課税による税金費用4,527百万円が含まれております。
法定実効税率と平均実際負担税率との調整は、次のとおりであります。
当社は、主に法人税、住民税および事業税を課されており、これらを基礎とした法定実効税率は前連結会計年度および当連結会計年度において30.6%であります。また、海外子会社についてはその所在地国における法人税等が課されております。
(法人税の税率変更による影響)
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後開始する連結会計年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産および繰延税金負債については、法定実効税率を主として27.9%から28.9%に変更し計算しております。
この変更により、当連結会計年度の繰延税金負債(繰延税金資産の金額を控除した金額)が18,796百万円、保険契約負債が2,967百万円それぞれ増加し、法人所得税費用が9,662百万円増加し、親会社の所有者に帰属する当期利益は12,624百万円減少しております。
2021年10月に経済協力開発機構(OECD)が合意したグローバル・ミニマム課税へ対応するため、我が国においても国際最低課税額に対する法人税等が創設され、2024年4月1日より施行されました。当社グループは、2023年5月に公表された改訂IAS第12号を適用しております。当該改訂に従い、グローバル・ミニマム課税制度から生じる法人所得税については、これに関する繰延税金資産および負債を認識しておらず、開示にも含めておりません。
当社グループは、当社に課税されるグローバル・ミニマム課税に関連して、4,527百万円の当期税金費用を認識しました。なお、上記のとおり本件に係る我が国における改正税法は2024年4月1日以降に開始する事業年度から適用されたため、前連結会計年度における税金費用への影響はありません。
19.従業員給付
当社は、確定拠出年金制度のほか、確定給付型の制度として、退職一時金制度を設けております。
子会社の損害保険ジャパン株式会社は、確定拠出年金制度のほか、確定給付型の制度として、退職一時金制度ならびに既年金受給者および受給待期者を対象とする規約型企業年金制度および自社運営の退職年金制度を設けております。国内における企業年金制度では、積立基準、受託者責任、情報開示等の統一的な規約があり、年金資産の運用に関する基本方針に基づき、運用方針および結果について、所管部門が適時にミーティングを行っております。会社の財務状況や資産運用の見通し等を基に少なくとも5年ごとに財政再計算を行い、積立基準に満たない場合は掛金の引上げを行っております。
制度資産は当社グループより法的に分離されており、資産運用受託者は制度資産に対し責任を負い、年金制度加入者等に対する忠実義務、分散投資義務等の運営上の責任および利益相反行為の禁止を義務付けられております。また、退職給付信託の設定を行っております。
そのほかの国内子会社では、確定拠出年金制度のほか、確定給付型の制度として非積立型の退職一時金制度を設けております。一部の海外子会社は確定拠出型および確定給付型の退職給付制度を設けております。
確定給付制度に係る退職給付費用については、連結損益計算書における「保険サービス費用」、「投資経費」、「一般管理費」および「その他の費用」に計上しております。
なお、当連結会計年度において、退職一時金制度の一部改訂等に伴い、過去勤務費用4,085百万円が発生し純損益で認識しております。
主要な子会社である損害保険ジャパン株式会社の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ主として7.1年、6.9年および6.6年であります。また、確定給付制度債務の現在価値の算定に使用した重要な数理計算上の仮定は、次のとおりであります。
主要な子会社である損害保険ジャパン株式会社における割引率が変動した場合における確定給付制度債務の現在価値への主な影響は、次のとおりであります。この感応度分析は、他のすべての変数が一定であることを前提としていますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能性があります。
制度資産の種類別の公正価値は、次のとおりであります。
当社グループの主要な制度資産に係る資産運用方針は、将来にわたる確定給付制度債務の支払を確実に行うために、中長期的に安定的な収益を確保することを目的としております。そのため、許容されるリスクの程度について十分な検証を行い、当該リスクの範囲内で最適な資産構成割合を定め、主に国内の株式および債券に幅広く分散投資を行っております。制度資産の運用状況は、定期的にモニタリングされ、確定給付型年金制度の財政状況や運用環境を勘案しながら、必要に応じて資産配分の見直し等を実施しております。なお、翌連結会計年度における掛金の拠出予定額は2,422百万円であります。
確定給付制度について連結財政状態計算書に認識した金額は、次のとおりであります。
資産上限額の影響の変動は、次のとおりであります。
(注) 確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する確定給付資産は確定給付制度に対する将来掛金の減額という形による利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としております。
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、次のとおりであります。
確定拠出制度に係る退職給付費用については、連結損益計算書における「保険サービス費用」、「投資経費」、「一般管理費」および「その他の費用」に計上しております。
20.引当金
当連結会計年度の引当金の内訳および増減は、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度末における残高のうち、1年以内に期限が到来するものは2百万円であります。
資産除去債務
資産除去債務は、有形固定資産の撤去または解体時に必要となる有害物質の除去に関するものであります。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、連結会計年度末日より1年を経過した後の時期であることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けるものであります。
21.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は、次のとおりであります。
(注1)平均利率については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
(注2)償却原価で測定される金融負債に分類しております。
社債の銘柄別明細は、次のとおりであります。
(注1)外国において発行したものであるため、[ ]内に外貨建による金額を付記しております。
(注2)2026年8月8日の翌日以降は、変動金利(ステップアップあり)であります。
(注3)2027年4月26日の翌日以降は、変動金利(ステップアップあり)であります。
(注4)2033年2月13日の翌日以降は、1年国債金利に3.00%を加算した利率であります。
担保に供している資産は、次のとおりであります。
(注)担保として差し入れた投資有価証券のうち、債券貸借取引に関連し、取引相手が再担保として差し入れるまたは再売却することができるものの金額は、移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ559,639百万円、512,134百万円および139,657百万円であります。
財務活動に係る負債の調整表は、次のとおりであります。
(注1)連結財政状態計算書の「レポ取引及び他の類似の担保付借入」との差額は、投資活動に係るレポ取引及び他の類似の担保付借入によるものです。
(注2)その他の負債(リース負債)の財務キャッシュ・フローによる変動は、連結キャッシュ・フロー計算書における財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含まれております。
22.資本およびその他の資本項目
(注1)当社が発行する株式は無額面の普通株式であり、全額払込済となっております。また、上記の発行済株式総数には自己株式が含まれております。
(注2)前連結会計年度における発行済株式総数の減少は、取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少17,538千株であります。
(注3)2024年4月1日付で株式分割に伴う定款変更および普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。これにより、当連結会計年度において、発行可能株式総数は2,400,000千株増加し、発行済株式総数は660,321千株増加しております。
自己株式の増減は、次のとおりであります。
前連結会計年度における増加4,004千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加3,997千株および単元未満株式の買取りによる増加6千株であります。また、減少17,659千株は、取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少17,538千株、株式給付信託(BBT)の権利行使に伴う自己株式の処分による減少109千株、新株予約権の権利行使に伴う自己株式の処分による減少11千株および単元未満株式の売渡しによる減少0千株であります。
当連結会計年度における増加51,022千株は、2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行ったことによる増加1,919千株、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加48,779千株、株式給付信託(BBT)の取得による増加316千株および単元未満株式の買取りによる増加7千株であります。また、減少1,254千株は株式給付信託(BBT)の権利行使に伴う自己株式の処分による減少925千株、新株予約権の権利行使に伴う自己株式の処分による減少328千株および単元未満株式の売渡しによる減少0千株であります。
なお、2024年3月31日および2025年3月31日現在における子会社および関連会社が保有する当社株式数は、それぞれ1,800株および5,500株であります。
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、資本準備金は、株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
日本における会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当することができ、また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
23.株式報酬
ストック・オプションは当社の取締役および執行役ならびに当社子会社の取締役および執行役員への退職給付として付与しております。付与されたオプションの権利行使価格は1株当たり1円であり、当該オプション制度について権利確定期間はありません。したがって、すべてのオプションは付与と同時に受給権が発生します。オプションは一定期間経過後に権利行使が可能となります。旧日本興亜損害保険株式会社から移行し、当社が付与したストック・オプションの一部については、新株予約権者は、損害保険ジャパン株式会社の取締役および執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から起算して1年が経過した日(以下「権利行使開始日」といいます。)から、権利行使開始日から起算して7年が経過した日または行使期間の末日のいずれか早い日までの間に限り、新株予約権を行使することができます。また、それ以外のストック・オプションについては、新株予約権者である当社の取締役および執行役、当社子会社の取締役および執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日を経過する日までの期間に限り、新株予約権を行使することができます。当社グループは、オプションの現金清算または買戻しに関して法的義務またはみなし義務を持ちません。なお、当社は、2016年6月27日開催の第6回定時株主総会において業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT)」の導入を決議し、新規のストック・オプションの付与を行わないこととしております。
未行使オプションおよびその加重平均行使価格の変動は次のとおりであります。
なお、期中に権利が行使されたストック・オプションの権利行使日時点の加重平均株価は、前連結会計年度および当連結会計年度において、1株当たりそれぞれ1,933円および3,017円であります。また、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における未行使のストック・オプションの行使価格は、いずれも1株当たり1円であり、加重平均残存契約年数は、それぞれ13.6年、13.1年および15.4年であります。
(注)2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。このため、オプション数および期中に権利が行使されたストック・オプションの権利行使日時点の加重平均株価は、当該株式分割後の数値に換算して記載しております。
前連結会計年度中および当連結会計年度中に付与されたオプションはありません。
当社グループは、業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT)」(以下「本制度」といいます。)を採用しております。本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託を通じて取得され、当社グループの役員に対して、当社グループの取締役会が定める「役員株式給付規程」に従って、当社株式および当社株式を時価で換算した金額相当の金銭が信託を通じて交付される業績連動型の株式報酬制度であります。
当社グループの役員は、対象期間中のポイント付与日に在任していることなどを条件として、中長期的な株式価値およびマーケット対比の連結業績に応じたポイント(1ポイント=3株)を付与するものであります。各役員は、その退任時に所定の手続きを行うことにより、「役員株式給付規程」に定める要件に基づき、付与されたポイント数に相当する当社株式および当社株式の時価相当の現金の交付を受けることができます。当該報酬制度は、株式給付部分については持分決済型株式報酬、現金給付部分については現金決済型株式報酬として会計処理しております。
前連結会計年度および当連結会計年度における持分決済型株式報酬取引に関する費用は、それぞれ210百万円、828百万円、現金決済型株式報酬取引に関する費用はそれぞれ、1,926百万円、885百万円であります。また、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における持分決済型株式報酬に係る資本計上額は、それぞれ1,201百万円、1,149百万円および1,418百万円、現金決済型株式報酬に係る負債計上額は、それぞれ2,518百万円、4,173百万円および4,503百万円であります。
(注)2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。このため、ポイントに応じた株式の給付数は、当該株式分割後の数値に換算して記載しております。
期中におけるポイント数の変動は、次のとおりであります。なお、本制度は株式および現金を交付するものであるため、権利行使価格はありません。
測定日における加重平均公正価値は、次のとおりであります。
(注)公正価値は当社株式の株価に近似することから、測定日における株価を使用して測定しており、予想配当を考慮にいれた修正は行っておりません。
当社および一部の子会社は、報酬の付与において、権利確定時の当社株式の株価を基礎とした金額を現金で決済するファントムストック制度を導入しております。
当該制度は、当社グループの一部の役員を対象としております。権利確定条件は、付与日以降、原則として3年間勤続していることとなっております。なお、当該制度は、当社株式の株価を基礎として報酬額が決定され、支払がなされるものであるため、行使価格はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における当該制度に関する費用は、それぞれ-百万円、253百万円であります。また、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における当該制度に関する負債の帳簿価額は、それぞれ-百万円、-百万円、176百万円であります。
24.剰余金の配当
配当金の支払額は次のとおりであります。なお、配当の原資は利益剰余金であります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)2023年6月26日定時株主総会決議による「配当金の総額」には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金110百万円が含まれております。
(注2)2023年11月17日取締役会決議による「配当金の総額」には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金114百万円が含まれております。
(注3)2024年6月24日定時株主総会決議による「配当金の総額」には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金111百万円が含まれております。
(注4)2024年11月19日取締役会決議による「配当金の総額」には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金90百万円が含まれております。
(注5)当社は2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っております。基準日が2024年3月31日以前の1株当たり配当額は、当該株式分割前の実際の配当金の額を掲載しております。
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、次のとおりであります。なお、配当の原資は利益剰余金であります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)2024年6月24日定時株主総会決議による「配当金の総額」には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金111百万円が含まれております。
(注2)2025年6月23日定時株主総会決議による「配当金の総額」には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金123百万円が含まれております。
(注3)当社は2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っております。基準日が2024年3月31日以前の1株当たり配当額は、当該株式分割前の実際の配当金の額を掲載しております。
25.保険収益
保険収益の内訳は、次のとおりであります。
26.保険サービス費用
保険サービス費用の内訳は、次のとおりであります。
27.再保険損益
再保険損益の内訳は、次のとおりであります。
28.投資収益および保険金融収益または費用
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)前連結会計年度および当連結会計年度における資本性FVTOCIに係る受取配当金のうち、期末日時点で保有する銘柄に係るものは、それぞれ40,976百万円および42,349百万円であります。
29.費用の性質別内訳
費用の性質別および配賦先別の内訳は、次のとおりであります。
30.その他の金融費用
その他の金融費用の内訳は、次のとおりであります。
31.その他の収益および費用
その他の収益の内訳は、次のとおりであります。
(注)前連結会計年度には子会社株式売却益17,630百万円が含まれております。
その他の費用の内訳は、次のとおりであります。
(注1)主に介護事業における営業費用であります。
(注2)前連結会計年度は主に海外保険事業において生じたのれんに係る減損損失および介護事業において生じた有形固定資産に係る減損損失であります。
32.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額および税効果額は、次のとおりであります。
33.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、当期中の発行済普通株式(自己株式として保有されている当社グループが購入した普通株式を除く)の期中平均普通株式数で除算することによって計算されております。
希薄化後1株当たり当期利益は、すべての希薄化性潜在的普通株式の転換を想定して調整された期中平均普通株式数で計算されており、当社グループの新株予約権も、希薄化性潜在的普通株式の計算に含まれております。
(注1)当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っており、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益を算定しております。
(注2)株主資本において自己株式として計上される「株式給付信託(BBT)」に残存する自社の株式は、基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定上、期中平均普通株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定上、控除した当該自己株式の期中平均普通株式数は、前連結会計年度2,301千株、当連結会計年度1,614千株であります。
34.子会社
当社グループを構成する主要な子会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
保険子会社は所在国における法令や規制の対象となっており、当該国における規制当局の監督を受けていることが通常であることから、配当規制等の適用により資金移動が制限される場合があります。
当社グループは重要な非支配持分がある子会社を有しておりません。
子会社に対する支配の喪失に伴う所有持分の変動について認識した損益のうち、重要なものはありません。
34.2 非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
当社グループは、ファンドを通じた資産運用等を目的として、非連結ストラクチャード・エンティティに対する関与を有しており、これらの取引により、当社グループが連結財政状態計算書に認識した資産の帳簿価額および当社グループの潜在的な最大損失エクスポージャーは、次のとおりであります。なお、連結財政状態計算書上、当社グループが認識した資産は主に「投資有価証券」として表示しております。
当該ストラクチャード・エンティティへの関与から生じる潜在的な最大損失エクスポージャーは、投資の帳簿価額および追加投資に係るコミットメントの合計額に限定されます。最大損失エクスポージャーは生じうる最大の損失額を示すものであり、ストラクチャード・エンティティに関与することにより見込まれる損失の金額を意味するものではありません。
当連結会計年度または過年度において、当社グループは非連結のストラクチャード・エンティティに対して、契約上の義務のない財務的支援を提供したことはありません。また、将来においてもそのような予定はありません。
35.関連当事者
関連当事者との取引について記載すべき重要なものはありません。
経営幹部に対する報酬は、次のとおりであります。なお、当該金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において認識された費用の金額を示しております。
36.コミットメント
契約を締結したが、まだ発生していない設備投資は次のとおりであります。
37.リスク管理に関する開示
37.1 リスク管理の概要
当社グループのリスク管理の枠組みである戦略的リスク経営(ERM)は、経営における高性能な『羅針盤』として、次の「3つの機能」を強化・高度化し、損失を未然に回避するだけでなく、新規事業投資などの機会損失を低減させることで、当社グループを最適な方向に導く役割を果たしております。
戦略的リスク経営(ERM)は、資本・リスク・収益のバランスを取りながら企業価値の最大化を図る一連の経営管理プロセスとして「戦略執行に係るリスクテイク」と「経営基盤の安定に資するリスクコントロール」の2つの側面を持っております。リスクテイクの側面では、リスクアペタイトフレームワークを中心に資本・リスク・収益に関する分析を重要な経営判断に活かし(上記ウ)、リスクコントロールの側面では、当社グループを取り巻く多様なリスクを特定、分析、評価する仕組み(リスクコントロールシステム)を活用して(上記ア、イ)、不測の損失の極小化と利益の安定を目指しております。
当社では、取締役会が制定した「SOMPOグループERM基本方針」に基づき、「戦略的リスク経営(ERM)」の実効性を確保するため、グループ戦略・経営計画と合わせて、リスクテイクの指針としてリスクアペタイト原則、中期リスクテイク戦略およびリスクアペタイト指標からなる「SOMPOグループ リスクアペタイトステートメント」を定めております。
グループCEOの諮問機関であるグループ執行会議では、グループのリスクアペタイトステートメント、中期グループERM推進方針、リスク許容度に関する対応方針・対応策などのリスク管理に関する事項について定期的に経営論議しております。
また、グループ執行会議の下部組織として、グループCROを委員長とするグループERM委員会を設置しております。グループERM委員会では、リスクテイク戦略などグループの戦略的リスク経営に関する重要な事項やリスク管理部、各主管部を通じた重大リスクのコントロールの状況等について、グループ横断で確認・議論を行っております。その結果はグループ執行会議を経て取締役会へ報告を行っており、取締役会からの助言等も踏まえながらグループのリスク管理に関するガバナンスの強化への不断の取組みを継続する態勢としております。
グループCROは、「SOMPOグループERM基本方針」や「中期グループERM推進方針」をグループ会社に周知徹底し、また、定期的なモニタリング、各社CROとのディスカッション等を通じ、グループ全体の戦略的リスク経営の実効性の向上を図っております。
グループ全体のガバナンス体制においては、グループの方針に沿ったリスク管理体制を整備し、リスク管理を各社にて自律的に行っております。当社および主要子会社においては、施策の策定および運用を行う各部門が自律的にリスク管理を行う第1線、専門的見地から第1線を支援・けん制するリスク管理部・各主管部による第2線、内部監査部門が独立した立場からリスクガバナンス体制の妥当性・有効性を監査する第3線の3線体制によりリスク管理の実効性確保および強化に努めております。
なお、2025年4月1日付でリスク管理部はリスク統括部に名称変更しております。
リスクコントロールシステムにおいては、「重大リスク管理」の枠組みで当社グループを取り巻く重大リスクを網羅的に特定し、定性的・定量的な評価を行っております。
定量化が可能なリスクについては「自己資本管理」「ストレステスト」「リミット管理」「流動性リスク管理」の枠組みで自己資本、流動性などに与える影響を様々な定量指標により分析・評価し、財務健全性およびその向上に必要なリスクコントロールの施策に関する経営論議を行っております。
当社グループは、「事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク」を「重大リスク」と定義し、事業の抱えるリスクをボトムアップのリスクアセスメントと、取締役会等によるトップダウンでの確認・議論を通じて網羅的に把握・評価しております。リスク評価の実施にあたっては、経済的損失や業務継続に加えて、お客さま、社会などのステークホルダーの観点でのレピュテーション影響を重視するように基準の明確化を図っております。
重大リスクは、グループCROがリスクアセスメントや専門家等の見解に基づいて網羅的に把握し、リスクが当社グループに及ぼす影響を具体的なシナリオで想定したうえで、発生可能性および影響度でリスクを定性・定量の両面から評価し、管理状況を年2回以上、グループERM委員会にて協議のうえ、グループ執行会議および取締役会に報告しております。
管理態勢の強化が必要なリスクについては、グループ執行会議において議論を行っております。また、現時点では具体的な影響シナリオの想定に基づく評価は困難であるものの、環境変化などにより新たに発現または変化し、今後、当社グループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「エマージングリスク」と定め、個別の重大リスクと関連付けて適切に管理を実施しております。エマージングリスクの選定については、官民の各種情報を将来大きな影響をもたらす可能性のある変化の兆候などの観点から収集・分析し、リスク候補をリストアップしたうえで、その中から重要性を踏まえてリスクを選定しております。
当社グループが保有する保険引受リスク、資産運用リスク、介護リスクおよびオペレーショナル・リスクを定量化したうえで、自己資本がリスク量と比べて充分な水準を維持できるよう管理を行っており、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
当社グループの経営に重大な影響を及ぼし得る事象を的確に把握・管理するために、グループベースで「シナリオ・ストレステスト」、「リバース・ストレステスト」および「感応度分析」を実施し、資本およびリスクへの影響度を分析して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
特定事象の発現により多額の損失が生じることを回避するため、与信リスク、出再リスク、自然災害リスクの各々に対してグループベースで最大限度額を定め、その範囲内でリスクの特性を踏まえたリミットを設定し、リミットを超過した場合には対応策を実施する態勢を整備しております。
日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しております。
当社グループは、保険業法で定められている資本規制の適用を受け、規制当局である金融庁によりモニタリングを受けております。
保険会社グループは、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした通常の予測を超える危険(「連結リスクの合計額」ただし単体の場合は「単体リスクの合計額」)に対して保険会社グループが保有している資本金・準備金等の支払余力(「連結ソルベンシー・マージン総額」ただし単体の場合は「単体ソルベンシー・マージン総額」)の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、連結ソルベンシー・マージン比率(ただし単体の場合は「単体ソルベンシー・マージン比率」)であります。
連結ソルベンシー・マージン比率および単体ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつであり、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
なお、海外保険子会社は、現地の規制当局の監督のもと、所在国における資本規制の適用を受けており、当社は規制などの遵守状況をSompo International Holdings Ltd.におけるモニタリング結果を通じて確認しております。
37.2 保険リスク
37.2.1 保険リスクに対するエクスポージャー
保険リスクは、経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動することにより、損失を被るリスクであります。特に、地震・台風・洪水などの自然災害を原因とする保険金支払に関わるものが大部分を占めております。その他、通常の損害に係る保険金支払に関わるリスクや、保険負債が将来見通しの変化によって変動するリスクがあります。
損害保険事業の保険契約および再保険契約に係る保険種目別・地域別の資産または負債の計上額は、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
保険リスクは、経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動することにより、損失を被るリスクであります。死亡率・生存率・障害発生率の変動など、人の疾病・死亡に関わるリスクに加え、長期間にわたる契約が多いことから、解約率の変動に関わるリスクがあります。その他、事業費率の変動に関わるリスクや、自然災害やパンデミックに起因する巨大災害リスクなどがあります。
生命保険事業の保険契約および再保険契約に係る区分別の資産または負債の計上額は、次のとおりであります。
37.2.2 感応度分析
合理的に起こりうる保険リスクの変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
残存カバーに係る負債については、将来キャッシュ・フローの見積技法に使用されているリスク変数が変動すると、将来キャッシュ・フローの変動がCSMに調整されることによりCSMの償却額が変動するほか、当該保険契約(PAAを適用して測定するものを含む)が新たに不利な契約となるか、または損失要素が変動することにより不利な契約に係る損益が変動するため、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。また、発生保険金に係る負債については、将来キャッシュ・フローの見積技法に使用されているリスク変数が変動すると、将来キャッシュ・フローが変動することにより保険サービス費用が変動するため、税引前利益にその影響を反映しております。
この際、将来キャッシュ・フローが変動するとそれに伴って割引率変動差額が変動することから、保険金融収益または費用に係るポートフォリオごとの会計方針に応じて税引前利益または税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。
なお、上記のそれぞれの変数について、単一の変数のみが変動し、他のすべての変数は一定であると仮定した場合の影響額を記載しております。生命保険事業のインフレ率については、終局金利に織り込まれている期待インフレ率を一定としつつ直近のインフレ率を変動させております。
37.3 市場リスク
市場リスクは、金利、株価および外国為替レート等の市場価格の変動により、保険契約および再保険契約の履行キャッシュ・フローが変動するリスクおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクであります。当社グループにおいては、保険契約、資産運用および資金調達の各取引から市場リスクが生じており、主に金利リスク、株価リスクおよび為替リスクにさらされております。
37.3.1 金利リスク
金利リスクは、保険契約、再保険契約の履行キャッシュ・フローおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが市場金利により変動するリスクであります。
当社グループでは、債券や貸付金等の金融商品により資産運用を行っていることから、金利が上昇すると固定利付債券等の公正価値が減少するリスクがあります。また、金利が下落すると保険契約および再保険契約に係る割引率変動により、その現在価値が増加するリスクがあり、顧客に固定利回りを保証している保険商品に関しては、実際の利回りが当初保証された利回りを下回る場合、当社グループが損失を被るリスクがあります。
当社グループは、資産および負債ポジションに係る金利リスクのエクスポージャーを定期的にモニタリングしており、保険契約とこれに対応する運用資産におけるデュレーションの調整および金利スワップなどのデリバティブを用いた金利エクスポージャーの調整を通じて、グループ全体における金利リスクを適切に管理しております。
感応度分析
合理的に起こりうる市場金利の変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
固定利付の金融商品は金利が変動すると公正価値が変動するため、FVTPLについては税引前利益に、負債性FVTOCIについては税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。保険契約および再保険契約については、金利が変動すると割引率の変動により期末における将来キャッシュ・フローの割引現在価値が変動するため、保険金融収益または費用に係るポートフォリオごとの会計方針に応じて税引前利益または税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、金利が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。
なお、損害保険事業において、感応度はイールド・カーブの平行移動による影響額を示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。また、生命保険事業において、円金利に係る感応度は終局金利を除くイールド・カーブの平行移動による影響額、終局金利に係る感応度は終局金利のみの変動による影響額をそれぞれ区分して示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。
37.3.2 株価リスク
株価リスクは、株価の変動により金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクであり、株式への直接投資またはファンドを通じた株式への投資から生じております。当社グループは、株価エクスポージャーを定期的にモニタリングしており、株価指数先物などのデリバティブ取引を活用し、グループ全体における株価リスクを適切に管理しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、株価が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、株価リスクを有しております。
主要な株価エクスポージャーは、次のとおりであります。
感応度分析
TOPIX(東証株価指数)の変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
株価が変動するとそれに伴い金融商品の公正価値が変動するため、FVTPLについては税引前利益にその影響を反映しており、資本性FVTOCIについては税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、株価が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。なお、感応度は国内上場株式に対する影響額を示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。
為替リスクは、保険契約、再保険契約の履行キャッシュ・フローおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが外国為替レートにより変動するリスクであり、当社グループでは、為替エクスポージャーは主に機能通貨とは異なる通貨建の債券および保険負債について生じております。為替リスクの一部は為替予約、通貨オプションなどのデリバティブ取引を活用し、グループ全体における為替リスクを適切に管理しております。
主要な為替エクスポージャーは、次のとおりであります。
感応度分析
合理的に起こりうる機能通貨以外の為替レートの変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)米ドルまたはユーロが-10%となった場合の影響は、日本円を機能通貨とする国内保険会社については、米ドルまたはユーロに対して10%円高となった場合の影響を示しており、日本円以外を機能通貨とする海外保険会社については、当該機能通貨に対して10%米ドル安またはユーロ安となった場合の影響を示しております。
(注2)米ドルまたはユーロが+10%となった場合の影響は、日本円を機能通貨とする国内保険会社については、米ドルまたはユーロに対して10%円安となった場合の影響を示しており、日本円以外を機能通貨とする海外保険会社については、当該機能通貨に対して10%米ドル高またはユーロ高となった場合の影響を示しております。
保険契約、再保険契約および債券等の貨幣性項目については、機能通貨以外の為替レートが変動すると、それに伴い為替差損益が生じるため、その影響(CSMの償却額については年換算額)を税引前利益に反映しております。国内会社の保険契約および再保険契約から生じる割引率変動差額については、機能通貨以外の為替レートが変動するとその他の包括利益に認識された割引率変動差額が変動することから、その影響を税引前その他の包括利益に反映しております。海外会社の保険契約および再保険契約から生じる割引率変動差額については、機能通貨以外の為替レートが変動すると為替差損益が変動することから、その影響を税引前利益に反映しております。負債性FVTOCIに係る公正価値の変動から生じる評価差額については、同様にその他の包括利益に認識された評価差額が変動することから、その影響を税引前その他の包括利益に反映しております。また、為替リスクのヘッジ対象となる資産または負債が貨幣性であるか非貨幣性であるかにかかわらず、すべての為替デリバティブ取引について、為替レートが変動することに伴う為替差損益の影響を税引前利益に反映しております。なお、上記のそれぞれの変数について、単一の変数のみが変動し、他のすべての変数は一定であると仮定した場合の影響額を記載しております。
信用リスクは、当社グループが保有する債券、貸付金、デリバティブ取引等の運用資産における与信先または再保険契約における出再先の財務状況の悪化や破綻等により、運用資産の価値が減少したり回収が困難となったりすること、または再保険金の回収が困難となることにより財務上の損失を被るリスクであります。
当社グループは、予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産について、次のとおり信用リスクの管理を行っております。
与信に関する方針および信用限度の設定
当社グループでは、内部格付制度によって与信先の信用リスクの程度を適切に把握したうえで、債券や貸付金等など個々の投融資等を実行しております。また、特定与信先への集中を管理するために、内部格付ごとに1与信先当たりの与信額の上限を設定し適切に管理しております。
定期的な信用リスクのモニタリング
当社グループは、与信先の財務状況や債務履行状況をモニタリングしたうえで、内部格付に適時に反映し、必要に応じて与信の削減・保全を図るなど適切に対応しております。また、与信先ごとの管理に加え、業種や国など特定のセクターへの与信が過度に集中しないよう管理しております。
自己査定の実施および検証
すべての債権について自己査定(保有する資産を個別に検討して、回収の危険性または価値の毀損の危険性の度合いに応じて区分すること)を実施しております。
自己査定では、各所管部署が自己査定(1次査定)を実施し、当該部署から独立した部署が検証(2次査定)を実施したうえで、監査部署が監査を行うとともに、自己査定の結果に基づいて予想信用損失の測定および計上を行っております。
次の表は、予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産を内部格付別に分析したものであり、これらの投資による当社グループの最大信用エクスポージャーの総額(信用保証考慮前)を表しております。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)償却原価で測定される金融資産の帳簿価額は、信用損失引当金の控除前における総額による帳簿価額を示しております。
担保およびその他の信用補完
当社グループは貸付金等の債権に対して有価証券および不動産等の担保や親会社等による保証を受け入れております。なお、期末における信用減損金融資産については、当該担保により債権額の概ね全額が保全されております。
与信集中リスク
与信集中リスクとは、特定の与信先に与信が集積することで、当該与信先の財務状況の悪化や破綻により、多額の損失が発生するリスクであります。
当社グループは、内部格付制度を導入したうえで、内部格付ごとに1与信先当たりのエクスポージャーのリミットを設定し、与信の集中を定期的にモニタリングし適切に管理しております。また、個々の与信先への集中のみならず、業種や地域など特定のセクターへの与信状況についても定期的にモニタリングし、過度な集中がないように管理しております。
当社グループでは、与信の多くが国内に集中しておりますが、これ以外に特定の国・地域において与信の集中はありません。また、国内における特定の業種への与信の集中はありません。
当社グループでは、金融商品の形態、信用格付等に基づき、類似したエクスポージャーごとにグループ化して信用リスクを管理しており、当該グループに基づいて予想信用損失の測定を集合的に行っております。
当社グループは、当初認識以降に信用リスクの著しい増大があった金融資産に対して、将来予測的な情報を含めたすべての合理的で裏付け可能な情報を考慮して、金融資産の存続期間にわたる予想信用損失を認識し、金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る信用損失引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。具体的には、予想信用損失は12か月または存続期間にわたる倒産確率(PD)および倒産時損失率(LGD)に基づいて測定しております。当社グループは、全期間のPDおよび12か月のPDを算定するため、複数の外部格付機関から提供された格付ごとの債務者の債務不履行実績に基づくPDテーブルを使用しております。LGDは債務不履行となった場合に発生する可能性のある損失の程度を表しております。採用するLGDは仕組み、担保、債権の優先順位等に基づいて決定しております。
また、利用されるデータは過去における実績に基づいておりますが、マクロ経済情勢等の変化に応じた将来予想を適時に反映するため、著しい経済情勢の変動等が生じた場合には、現在および将来における経済予測を、過去における実績データに補正することとしております。
著しい信用リスクの増大の判定方法
当社グループは、債務者ごとに内部格付を付与して信用リスクを管理しており、S&Pおよびムーディーズなどの外部格付と一定の整合性を維持しております。
当社グループは、当初認識以降に一定の内部格付の引下げがある場合、反証可能な場合を除き30日超の延滞がある場合、その他事業状況、財務状況または経済状況の不利な変化により債務者が債務を履行する能力の著しい変化を生じさせると予想される事象が発生した場合等には、著しい信用リスクの増大があったと判定しております。
当該判定に利用されるデータは過去における実績に基づいておりますが、マクロ経済情勢等の変化に応じた将来予想を適時に反映するため、著しい経済情勢の変動等が生じた場合には、現在および将来における経済予測を、過去における実績データに補正することとしております。
なお、債券については低い信用リスクの例外を適用しており、期末日において投資適格である銘柄については著しい信用リスクの増大はないものとみなしております。
債務不履行の定義
当社グループは、過去における回収実績および規制上要求される自己査定における査定区分との整合性を勘案し、90日超の延滞もしくは法的破綻またはそれに準じる事象の発生を債務不履行として定義しております。
信用減損金融資産の決定
当社グループは、債務不履行となった債権のほか、今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債権および債権者に著しく不利益となるような条件緩和を行った債権等については、信用減損金融資産と判断しております。
直接償却
金融資産の総額での帳簿価額は、回収の合理的な見込みがない場合に(その一部または全額を)直接償却しております。これは通常、債務者が直接償却の対象となる金額を返済するのに十分なキャッシュ・フローを生成できるほどの資産または収益源を有していないと当社グループが判断した場合に生じます。
条件変更された金融資産
金融資産の契約条件は、市況の変更、現在および今後の借手の信用悪化に関連しない他の要因を含む様々な理由によって変更される可能性があります。条件変更が発生した場合は変更前後での影響金額および率のモニタリングを実施し、認識の中止に該当するか個別に検討しております。
認識の中止に該当すると判定された場合には、再交渉された資産は新たな金融資産として公正価値により認識されます。
金融資産の条件が変更されるのに認識の中止が行われない場合には、当該資産の信用リスクの著しい増大があったか否かは、当初認識時と期末日それぞれにおける内部格付の比較によって決定しております。
投資有価証券に対する信用損失引当金の変動は、次のとおりであります。
貸付金等に対する信用損失引当金の変動は、次のとおりであります。
再保険は、保険リスクを管理するために用いられております。ただし、当社グループの保険会社としての責務が免責されるわけではありません。再保険会社が何らかの理由により保険金の支払を怠った場合でも、当社グループは保険契約者に対して支払を行う義務があります。再保険会社の信用力は、契約締結前に財務上の健全性を確認することにより管理しております。
再保険契約資産はIFRS第9号における予想信用損失モデルの対象となっておりませんが、将来の履行キャッシュ・フローを見積る際には、信用リスクを考慮してキャッシュ・フローを見積っております。
再保険契約資産の内部格付別の残高は、次のとおりであります。なお、最大信用リスク・エクスポージャーは再保険契約資産の残高であります。
出再集中リスク
出再集中リスクとは、特定の出再先に出再が集中することで、当該出再先の財務状況の悪化や破綻により、多額の損失が発生するリスクであります。当社グループは、内部格付制度を導入したうえで、内部格付ごとに1出再先当たりの予想最大回収額のリミットを設定し、出再集中リスクを定期的にモニタリングし適切に管理しております。
流動性リスクは、新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量ないし大口解約に伴う解約返戻金支出の増加および巨大災害での多額の保険金支払により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクや、市場の混乱などで取引ができなかったりすることにより保険金支払が遅延するリスクであります。
当社グループでは、日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生など、流動性リスク・シナリオ発現に伴う保険金支払などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しております。
満期分析
非デリバティブ金融負債およびデリバティブの契約上の割引前キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
社債及び借入金の一部には早期償還条項が付されているものがあるため、実際に生じるキャッシュ・フローの金額は、上記における契約上のキャッシュ・フローの金額とは異なる場合があります。また、変動金利については、期末日における金利が継続すると仮定して算定しております。
保険契約および再保険契約に係る割引前キャッシュ・フローの内訳は、次のとおりであります。なお、PAAを適用して測定した残存カバーに係る資産および負債を含めておりません。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
また、保険契約者から請求があり次第支払う要求払の金額と関連する保険契約グループの帳簿価額は、次のとおりであります。
なお、要求払の金額には、期末時点において保険契約が解約された場合に支払われるであろう解約返戻金の金額を含めております。
強制可能なマスター・ネッティング契約または類似の契約の対象となっている金融資産および金融負債は、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
なお、強制可能なマスター・ネッティング契約および類似の契約において、金融資産および金融負債に関する相殺の権利は、通常の事業活動の過程では発生が予想されていない債務不履行およびその他の特定の事象が発生した場合にのみ強制力が生じ、個々の金融資産および金融負債の決済に影響を与えるものであります。したがって、これらの契約では相殺する法的に強制可能な権利が現時点では生じておらず、連結財政状態計算書における相殺表示の要件を満たしておりません。
38.後発事象
1 自己株式の取得
当社は、2025年5月20日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得することを決議いたしました。
(1)自己株式の取得を行う理由
当社は、財務の健全性を確保しつつ、成長事業分野への投資等により資本効率の向上を図るとともに、株主還元につきましては、基礎還元(修正連結利益の50%)に加え、原則として政策株式売却損益等(税後)の50%を追加還元することとしております。さらに、リスクと資本の状況、業績動向や金融市場環境などを踏まえた資本水準調整も検討する方針としており、配当のほか、自己株式取得も選択肢としております。この方針に基づき、基礎還元および追加還元としての自己株式取得を行うものであります。
(2)取得に係る事項の内容
① 取得対象株式の種類 当社普通株式
② 取得し得る株式の総数 33,000,000株(上限)
③ 株式の取得価額の総額 105,000,000,000円(上限)
④ 取得期間 2025年6月2日から2025年11月18日まで
2 自己株式の消却
当社は、2025年5月20日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議し、2025年5月30日に消却を実施いたしました。
(1)消却する株式の種類 当社普通株式
(2)消却する株式の総数 56,253,300株
(3)消却後の発行済株式総数 934,228,767株
(4)消却日 2025年5月30日
39.IFRSへの移行に関する開示
当社グループは、2025年3月31日に終了する連結会計年度の連結財務諸表から、IFRSを適用しております。日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は、2024年3月31日に終了する連結会計年度に関するものであり、日本基準からIFRSへの移行日は2023年4月1日であります。
IFRS第1号は、IFRSを初めて適用する企業に対して、原則としてIFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めております。ただし、一部について例外を認めており、当社グループは以下の免除規定を適用しております。
IFRS第1号では、移行日前に行われた企業結合に対してIFRS第3号を遡及適用しないことが認められております。当社グループは当該免除規定を適用し、移行日より前に行われた企業結合は修正再表示しておりません(日本基準により会計処理)。移行日前の企業結合から発生したのれんの額は日本基準に基づく移行日時点の帳簿価額によっております。なお、当該のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず移行日時点で減損テストを実施しております。
IFRS第1号では、移行日現在の在外営業活動体に係る換算差額の累計額をゼロとみなす選択をすることが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用しております。
IFRS第1号では、IFRS第9号における分類について、当初認識時点で存在する事実および状況ではなく、移行日時点の事実および状況に基づき判断することが認められております。また、この判断に基づいて、資本性金融資産をFVTOCIとして指定することが認められております。当社グループでは当該免除規定を適用し、一部を除く資本性金融資産をFVTOCIとして指定しております。
IFRS第1号では、移行日時点の保険契約の測定について、IFRS第17号の移行措置を適用することが認められております。なお、IFRS第17号への移行方法については注記「17.4 移行に関する開示」に記載しております。
IFRS第1号では、初度適用企業は、契約にリースが含まれているか否かの評価を移行日時点で判断することが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実と状況に基づいて、契約にリースが含まれているかを判断しております。IFRS第1号では、借手のリースにおけるリース負債および使用権資産を認識する際に、すべてのリースについてリース負債および使用権資産を移行日現在で測定することが認められております。当社グループでは当該免除規定を適用し、リース負債を移行日現在で測定しており、残りのリース料を移行日現在の借手の追加借入利率で割り引いた現在価値としております。
また、当社グループは、使用権資産を移行日現在でリース負債と同額として測定しており、IAS第36号「資産の減損」を移行日現在で使用権資産に適用しております。なお、移行日から12か月以内にリース期間が終了するリースおよび原資産が少額であるリースについて、費用として認識しております。
IFRS第1号では、「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」、「非支配持分」、「金融資産の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しております。当社グループは、これらの項目については移行日より将来に向かって適用しております。
日本基準からIFRSへの移行が、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に及ぼす影響は、次の調整表および調整に関する注記に記載しております。なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識および測定の差異」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しております。
資本に対する調整および包括利益に対する調整に関する注記
(表示組替に関する注記)
日本基準における「現金及び預貯金」のうち、預入期間が3か月超の定期預金について、IFRSにおいては「貸付金等」に含めて表示しております。また、日本基準においては区分掲記しております「買現先勘定」については、IFRSにおいては「現金及び現金同等物」に含めて表示しております。
日本基準における「買入金銭債権」、「金銭の信託」および「有価証券」は、IFRSにおいては「投資有価証券」として表示しております。
日本基準における「その他負債」に含まれる借入金は、IFRSにおいては「社債及び借入金」に含めて表示しております。
日本基準における「有価証券」に含まれる持分法で会計処理されている投資は、IFRSにおいては「持分法で会計処理されている投資」として表示しております。
日本基準における「その他資産」に含まれるデリバティブ資産および「その他負債」に含まれるデリバティブ負債は、IFRSにおいては「デリバティブ資産」および「デリバティブ負債」として表示しております。
日本基準における「資産運用収益」は、IFRSにおいては「金利収益」および「その他の投資損益」に含めて表示しております。また、日本基準における「資産運用費用」は、IFRSにおいては「その他の投資損益」に含めて表示しております。
日本基準における「その他経常費用」に含まれる支払利息は、IFRSにおいては「その他の金融費用」に含めて表示しております。
日本基準における一部の「その他経常収益」および「特別利益」は、IFRSにおいては「その他の収益」として表示しております。
また、日本基準における「その他経常費用」および「特別損失」は、IFRSにおいては「その他の費用」として表示しております。
日本基準における「その他経常収益」または「その他経常費用」に含まれる持分法による投資損益は、IFRSにおいては「持分法による投資損益」として表示しております。
(認識および測定の差異に関する注記)
日本基準においては、連結財務諸表に重要な影響を及ぼさない子会社を非連結子会社としておりましたが、IFRSにおいては原則的な方法により連結範囲を決定しております。また、日本基準においては投資信託等のファンド投資については金融商品として保有目的に応じた会計処理を行っておりますが、IFRSにおいては、こうしたストラクチャード・エンティティについてもその実質的な支配関係について、投資対象のリターンに変動性を与える活動へのパワーを有しているかという観点から判断しており、支配していると判断した場合には、連結の範囲に含めております。
日本基準においては、決算日が親会社と異なる連結子会社について、親会社の決算日との差異が3か月を超えない場合には、子会社の財務諸表を基礎として親会社の決算日との間に生じた重要な取引に関する調整を行って連結しておりましたが、IFRSにおいては、親会社の決算日において実施した仮決算に基づく財務諸表を作成して連結しております。
日本基準においては在外営業活動体の収益および費用は期末日における為替レートで換算しておりましたが、IFRSにおいては為替レートが著しく変動している場合を除き期中平均為替レートで換算しております。
日本基準においては、有価証券は売買目的有価証券、満期保有目的の債券、責任準備金対応債券、子会社株式および関連会社株式またはその他有価証券に分類しております。満期保有目的の債券および責任準備金対応債券は償却原価で測定され、売買目的有価証券およびその他有価証券は、それぞれ純損益およびその他の包括利益を通じて時価で測定されます。また、貸付金等の債権は償却原価で測定されます。一方、IFRSにおいては、金融資産は事業モデルおよび契約上のキャッシュ・フローの特性に基づき資本性FVTOCI、負債性FVTOCI、FVTPLまたは償却原価で測定される金融資産に分類しております。
投資有価証券(資本性金融商品)
日本基準においてその他有価証券に分類した株式は、売却損益および減損損失を純損益として認識しておりましたが、IFRSにおいては、資本性FVTOCIに指定し、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、当該金融資産の認識を中止した場合には、その他の包括利益累積額を利益剰余金に振り替えております。また、日本基準においては、非上場株式は原則として取得原価で測定しておりましたが、IFRSにおいては公正価値で測定しております。
投資有価証券(負債性金融商品)
日本基準において満期保有目的の債券または責任準備金対応債券に分類した債券は、定額法による償却原価で測定しておりましたが、IFRSにおいては、負債性FVTOCIに分類され、公正価値で測定しております。また、日本基準においては、時価の著しい下落等に基づいて減損損失を認識しておりましたが、IFRSにおいては当初認識時点からの信用リスクの著しい増大等に基づき予想信用損失を計上しております。日本基準においては、債券に係る為替換算差額をその他の包括利益として認識しておりましたが、IFRSにおいては純損益として認識しております。
投資信託等のファンド投資
日本基準においてその他有価証券に分類した投資信託は、時価評価差額をその他の包括利益として認識しており、組合等への出資は組合等の営業により獲得した純損益の持分相当額を純損益として認識しておりましたが、IFRSにおいては子会社となるものを除いてFVTPLに分類され、公正価値の変動額を純損益として認識しております。
貸付金等
日本基準においては、貸付金を定額法による償却原価で測定しておりましたが、IFRSにおいては実効金利法による償却原価で測定しております。また、日本基準においては、自己査定に基づく期末時点の信用リスクの評価により、回収不能と見込まれる金額を「貸倒引当金」として計上しておりましたが、IFRSにおいては当初認識時点からの信用リスクの著しい増大等に基づき予想信用損失を計上しております。
日本基準においては、保険契約に係る金利リスクについて繰延ヘッジを適用しておりましたが、IFRSにおいては適格なヘッジ関係ではないためヘッジ会計を適用しておりません。また、日本基準においては、外国債券に係る為替リスクについて時価ヘッジを適用しておりましたが、IFRSにおいてはヘッジ会計を適用しないこととしております。
日本基準においては、オペレーティング・リースについてはリース資産を計上しておりませんでしたが、IFRSにおいてはオペレーティング・リースを含めたすべてのリースについて、原則として使用権資産およびリース負債を計上しております。
日本基準においてはのれんについて一定期間で均等償却しておりましたが、IFRSにおいては移行日以降の償却を停止し、減損テストを実施しております。
日本基準およびIFRSにおける測定方法および表示方法には、次のとおり大きく異なる部分があることから、「認識および測定の差異」として日本基準における計上額の全額を取り消し、IFRSにおける計上額の全額を改めて計上しております。
分類および測定
日本基準においては保険業法における保険契約準備金を負債として計上しておりましたが、IFRSにおいては注記「3.重要性がある会計方針」に基づいて測定された保険契約および再保険契約を資産または負債として計上しております。
日本基準およびIFRSにおける測定方法は、PAAを適用して測定する契約に係る残存カバーに係る資産および負債については概ね類似しておりますが、同契約に係る発生保険金に係る資産および負債ならびにPAAを適用せずに測定する契約に係る資産および負債については、主に次の差異があります。
・日本基準においては、原則として割引計算を行っておりませんでしたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値を反映させて測定しております。
・日本基準においては、明示的にはリスク調整を考慮しておりませんでしたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローに非金融リスクに係るリスク調整を反映させて測定しております。
・日本基準においては、原則として契約締結時点における見積りの前提に基づいておりましたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローは期末日現在における見積りに基づいて測定しております。
・日本基準においては、原則として保険契約に係る費用は発生時に認識しておりましたが、IFRSにおいては、新契約費および直接維持費については見積将来キャッシュ・フローの測定に含めております。
保険収益の表示
日本基準においては保険契約者から収受した時点で認識する収入保険料と保険契約準備金の一部である責任準備金等の増減(費用として表示される「責任準備金等繰入額」または収益として表示される「責任準備金等戻入額」)とに区分して表示しておりましたが、IFRSにおいては「保険収益」として表示しております。
保険サービス費用の表示
日本基準においては保険契約者に支払った時点で認識する支払保険金、保険契約準備金の一部である支払備金の増減(費用として表示される「支払備金繰入額」または収益として表示される「支払備金戻入額」)などに区分して表示しておりましたが、IFRSにおいては「保険サービス費用」として表示しております。また、IFRSにおいては、不利な契約に係る損益についても「保険サービス費用」に含めております。
日本基準においては数理計算上の差異および過去勤務費用について、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しておりましたが、IFRSにおいては数理計算上の差異については、発生時にその他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素で認識した後、ただちに利益剰余金に振り替えております。また、過去勤務費用については、発生時にその全額を純損益として認識しております。
日本基準においては、期末における株式給付債務の見込額を引当金として計上しておりましたが、IFRSにおいては、持分決済型株式報酬は資本性金融商品の付与日における公正価値で測定され、同額を資本の増加として認識しており、現金決済型株式報酬は期末日における公正価値で測定され、同額を負債の増加として認識しております。
日本基準においては、保険業法に基づいて「価格変動準備金」を計上しておりましたが、IFRSにおいては負債の認識要件を満たしていないため計上しておりません。
日本基準からIFRSへの調整に伴い発生した一時差異に対して、「繰延税金資産」および「繰延税金負債」を計上しており、調整額は関連する取引に応じて利益剰余金またはその他の資本の構成要素として計上しております。これらの一時差異は、主に保険契約および金融商品に係る「認識および測定の差異」によるものであります。
初度適用に際して、IFRS第1号に規定されている免除規定を適用し、移行日における累積換算差額をすべて利益剰余金に振り替えております。
IFRS調整に伴う利益剰余金への影響は、次のとおりであります。
日本基準に基づいて開示されている連結キャッシュ・フロー計算書と、IFRSに基づいて開示されている連結キャッシュ・フロー計算書との間に重要な差異はありません。