(1)経営成績
全般
当第1四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年6月30日)においては、中国をはじめとするアジア経済が減速しましたが、米国及び欧州においては個人消費が底堅く推移し、世界経済は全体として緩やかな回復となりました。
わが国経済については、企業収益の改善を背景とした設備投資の持ち直しにより、緩やかな回復基調が継続しました。
同期間における原油価格(ドバイ原油)は、期初のバーレル当たり36ドルから、産油国における増産凍結への期待感等から上昇を続け、6月初旬には49ドルまで上昇しました。その後、中国の需要減退懸念等からやや下落し、期末は46ドル、期平均では前年同期比18ドル安の43ドルとなりました。
銅の国際価格(LME〔ロンドン金属取引所〕価格)は、原油価格の上昇やドル安を材料に、期初のポンド当たり221セントからやや上昇しましたが、中国の経済成長の減速や英国の欧州連合(EU)離脱の国民投票の結果による世界経済の先行き懸念を背景に、おおむね低位で推移しました。期末は219セント、期平均では前年同期比60セント安の215セントとなりました。
円の対米ドル相場は、期初の112円から小幅な動きで推移していましたが、6月に入って米国雇用統計の内容が悪化したことや、英国の欧州連合(EU)からの離脱による景気減速懸念から円高が進行し、期末は103円、期平均では前年同期比13円円高の108円となりました。
こうした状況のもと、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は前年同期比21.5%減の1兆8,088億円、経常利益は前年同期比56.2%減の425億円となりました。
なお、在庫影響(総平均法及び簿価切下げによるたな卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた経常利益相当額は、前年同期比60.0%減の330億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
エネルギー
石油製品事業については、販売数量は、ガソリンなどの国内石油製品需要の減少が続いている上、原発再稼働の影響により電力向け重油・原油は、前年同期に比べ大きく減少しました。また、マージンは、国内石油製品市場が悪化したことに加え、輸出製品についても円高の影響により悪化しました。石油化学製品事業については、主力製品のパラキシレンを中心に販売数量は増加しましたが、マージンは円高の影響により悪化しました。
また、原油価格の上昇に伴い在庫影響による会計上の利益が102億円発生しました。(前年同期比43億円の損益悪化要因)
こうした状況のもと、エネルギー事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は、前年同期比23.9%減の1兆4,496億円、経常利益は前年同期比38.0%減の374億円となりました。在庫影響を除いた経常利益相当額は前年同期比40.6%減の272億円となりました。
石油・天然ガス開発
原油及び天然ガスの生産については、カナダ・アルバータ州フォートマクマレー地区において発生した山火事による生産減少はあったものの、既存油田・ガス田からの生産量が増加したことから前年同期に比べ増加しました。原油及び天然ガスの販売価格は、原油市況を反映し、前年同期に比べ下落しました。
また、平成28年5月、英国北海22/25a鉱区に保有するカリーン(Culzean)ガス田の一部権益(16%)をBritoil Limited(英国BP社の子会社)に売却しました。なお、売却後の当社グループ保有権益比率は約18%です。加えて、同年6月、ウトガルド(Utgard、旧名称:Alfa Sentral)ガス・コンデンセート田を構成する英国側P.312 16/18a鉱区に保有する全権益(45%)をStatoil (U.K.) Limitedに売却することを同社と合意しました。
現在当社グループでは収益改善を図るため事業の選択と集中によるポートフォリオの見直しと、投資規模の最適化に鋭意取り組んでおり、今回の権益売却はその一環として実行するものです。
こうした状況のもと、石油・天然ガス開発事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比22.7%増の561億円、経常損益は33億円の損失(前年同期は123億円の利益)となりました。
金属
資源開発事業については、銅価が前年同期に比べ下落したことなどから、前年同期を下回る損益水準となりました。なお、チリのカセロネス銅鉱山においては、銅精鉱の生産工程で生じる「廃さい(鉱石くず)」堆積場の整備の目途が立ち、設備面においては、フル操業が可能な状況となりました。コンサルティングファームの支援も得て、オペレーターの技能向上や設備保全体制の強化に努めています。
銅製錬事業については、電気銅価格(銅建値)は、円高の影響及び銅のLME価格下落により前年同期を下回る水準となりました。電気銅の販売量は輸出の増加を主因に前年同期に比べ増加しました。また、銅鉱石の買鉱条件は前年同期に比べて改善したものの、硫酸の販売価格は市況悪化に伴い下落しました。
電材加工事業については、各製品の販売量は、スマートフォン・サーバー向け等のIT分野での需要が堅調に推移したことから、概ね前年同期並みとなりました。
環境リサイクル事業については、貴金属の各製品価格は、円高による金属価格の下落を主因に概ね前年同期を下回りました。集荷量は、集荷競争激化による影響を主因に、前年同期に比べ減少しました。
チタン事業については、製品販売量は、一部のユーザーによる在庫圧縮の影響により、前年同期を下回りました。
こうした状況のもと、金属事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比16.4%減の2,338億円、経常損益は14億円の損失(前年同期は156億円の利益)となりました。
その他
その他の事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比7.4%減の825億円、経常利益は前年同期比10.1%増の77億円となりました。
建設事業については、設備投資は持ち直しの動きが見られたものの、公共投資は緩やかに減少しており、労務需給や原材料価格等の動向に注意を要するなど、引き続き厳しい経営環境が続いています。こうした状況下、技術の優位性を活かした受注活動やアスファルト合材などの製品販売の強化に努めるとともに、コスト削減・業務効率化に努めています。
上記各セグメント別の売上高には、セグメント間の内部売上高132億円(前年同期は150億円)が含まれています。
特別損益及び親会社株主に帰属する四半期純利益
特別利益は、固定資産売却益14億円等により、合計で17億円となりました。
また、特別損失は、事業構造改革費用98億円、固定資産除却損16億円等により、合計で136億円となりました。
以上の結果、税金等調整前四半期純利益は306億円となり、法人税等36億円、非支配株主に帰属する四半期純利益18億円を差し引き、親会社株主に帰属する四半期純利益は252億円(前年同期比52.7%減)となりました。
(2)財政状態
①資産 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末比4,127億円減少の6兆3,119億円となりました。
②負債 当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末比3,137億円減少の4兆4,825億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末比769億円減少の2兆5,045億円となりました。
③純資産 当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末比990億円減少の1兆8,294億円となりました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末比0.2ポイント上昇し22.5%、1株当たり純資産額は前連結会計年度末比31.23円減少の571.63円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.16ポイント悪化し1.55倍となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,970億円となり、期首に比べ1,943億円減少しました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、資金は545億円減少しました。これは、仕入債務の減少額(1,012億円)、たな卸資産の増加額(664億円)等の資金減少要因が、売上債権の減少額(860億円)、減価償却費(658億円)、税金等調整前四半期純利益(306億円)等の資金増加要因を上回ったことによるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、資金は910億円減少しました。これは、主として石油・天然ガス開発事業への投資及び製油所における石油精製設備の維持・更新のための投資によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、資金は172億円減少しました。これは、配当金の支払額(287億円)等の資金減少要因が、有利子負債の増加による収入(129億円)等の資金増加要因を上回ったことによるものです。
(4)事業上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、5,591百万円です。