第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績

全般

当第3四半期連結累計期間(2018年4月1日~2018年12月31日)においては、米国と中国との貿易摩擦拡大による景気減速の懸念等が顕在化していく中で、減税や雇用環境の改善等を背景にした好調な米国経済により、世界経済は全体として緩やかな回復を維持しました。

わが国経済については、各地で自然災害が発生したものの、堅調な内外の需要を背景に、設備投資が増加し、企業収益及び雇用情勢の改善等により、緩やかに回復が継続しました。

同期間における原油価格(ドバイ原油)は、期初の1バーレル当たり67ドルから、OPECの協調減産継続や制裁影響によるイラン産原油供給量の減少等により上昇し、一時83ドルとなりました。その後、米国のイラン制裁一時緩和と世界景気の減速による供給過剰感から急激な下落に転じ、期末は53ドル、期平均では前年同期比18ドル高の1バーレル当たり71ドルとなりました。

銅の国際価格(LME〔ロンドン金属取引所〕価格)は、期初の1ポンド当たり306セントから、当初は概ね310セント付近で推移していましたが、6月に入ると南米有力銅鉱山におけるストライキの懸念等により、一時329セントまで上昇しました。その後、ストライキ懸念の収束や米中貿易摩擦拡大による景気減速懸念を材料に下落に転じ、期末は271セント、期平均では前年同期比4セント高の1ポンド当たり289セントとなりました。

円の対米ドル相場は、期初の1ドル当たり106円から徐々に円安が進み、期末は111円、期平均では前年同期比1円円高の111円となりました。

こうした状況のもと、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は、原油価格及び銅価格の上昇等により、前年同期に比べ12.7%増の8兆3,313億円となりました。また、営業利益は、第2四半期まで堅調であった石油製品市況が第3四半期において原油価格の急激な下落により悪化したものの、上流事業の利益増、事業ポートフォリオ見直しによる子会社売却益等により、4,593億円(前年同期は4,115億円)となりました。在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は4,400億円(前年同期は3,655億円)となりました。

金融収益と金融費用の純額238億円を差し引いた結果、税引前四半期利益は4,355億円(前年同期は3,935億円)となり、法人所得税費用1,337億円を差し引き、四半期利益は3,018億円(前年同期は2,895億円)となりました。

なお、四半期利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する四半期利益が2,783億円、非支配持分に帰属する四半期利益が235億円となりました。

 

セグメント別の概況は、次のとおりです。

 

エネルギー

石油製品事業については、国内石油製品需要は自動車の低燃費化や電力の燃料転換などの構造的な変化に加え、原発再稼働の影響もあり減少しました。石油製品市況は国内、海外ともに灯油、軽油は堅調に推移したものの、ガソリンについては前年同期に比べ悪化しました。

石油化学製品事業については、パラキシレン市況は前年同期並みに推移したものの、ベンゼン市況は前年同期に比べ悪化しました。

現在、統合シナジー(中期経営計画の最終年度である2019年度に1,000億円の収益改善)の早期達成・最大化に向け、製造、供給、購買等の各部門において合理化・効率化に取り組んでおり、当第3四半期連結累計期間において、603億円の収益改善を実現しました。

こうした状況のもと、エネルギー事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期比14.3%増の7兆1,345億円、営業利益は3,006億円(前年同期は3,071億円)となり、原油価格の上昇を主因とする在庫影響による会計上の利益が186億円(前年同期は444億円)発生したことから、在庫影響を除いた営業利益相当額は2,820億円(前年同期は2,627億円)となりました。

 

 

石油・天然ガス開発

原油及び天然ガスの生産量は、前年同期に比べ減少しました。これは、2018年2月のカナダのシンクルード・オイルサンド・プロジェクトの全保有権益の売却及び同月にパプアニューギニアで発生した地震による生産減、その他プロジェクトにおける油田・ガス田の自然減退などの影響によるものです。また、原油及び天然ガスの販売価格は、原油市況を反映し前年同期に比べ上昇しました。

開発・生産事業については、2018年9月に、オペレーターとして権益を保有するマレーシア・サラワク州沖SK10鉱区のベリルガス田において、天然ガスの商業生産を開始しました。

こうした状況のもと、石油・天然ガス開発事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期比1.6%減の1,143億円、営業利益は580億円(前年同期は231億円)となりました。

 

金属

資源開発事業については、前年同期に比べ、チリのカセロネス銅鉱山における生産量が増加したことなどから損益が改善しました。同鉱山については、プロジェクトを機動的かつ一元的に管理するための組織を設置し、一層の生産性の向上とコスト削減に取り組んでいます。

銅製錬事業については、電気銅価格(銅建値)は、銅のLME価格上昇により前年同期を上回る水準となりました。電気銅の販売量は輸出の増加を主因に前年同期に比べ増加しました。また、銅鉱石の買鉱条件は前年同期に比べて悪化したものの、硫酸の販売価格は市況改善に伴い上昇しました。

電材加工事業については、各製品の販売量は、サーバー、データセンター、スマートフォン等の高機能IT分野での関連需要拡大を主因に、概ね前年同期を上回りました。

環境リサイクル事業については、リサイクル原料の集荷量は、スクラップ市況の回復を背景に、前年同期に比べ増加しました。

チタン事業については、金属チタン製品及び機能化学品の需要は概ね堅調に推移しました。

こうした状況のもと、金属事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期比9.6%増の7,704億円、営業利益は598億円(前年同期は474億円)となりました。

 

その他

その他の事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期比5.7%減の3,564億円、営業利益は314億円(前年同期は295億円)となりました。

建設事業については、民間設備投資は増加しているものの公共投資はこのところ弱含んでおり、労務費や原材料価格の上昇などの影響もあり、厳しい経営環境が続いています。こうした状況のもと、技術の優位性を活かした受注活動やアスファルト合材などの製品販売の強化に努めるとともに、コスト削減・業務効率化に努めています。

 

上記各セグメント別の売上高には、セグメント間の内部売上高443億円(前年同期は464億円)が含まれています。

 

(2)財政状態

①資産  当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、石油製品の需要期に向けた棚卸資産の積み増し等により、前連結会計年度末比4,212億円増加の8兆8,788億円となりました。

②負債  当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末比2,357億円増加の5兆7,733億円となりました。有利子負債残高は、主に棚卸資産の積み増しに伴う運転資本の増加等により前連結会計年度末比4,141億円増加の2兆6,741億円となり、また、手元資金を控除したネット有利子負債は4,579億円増加の2兆2,683億円となりました。

③資本  当第3四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末比1,855億円増加の3兆1,055億円となりました。

 

なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比0.5ポイント上昇し30.5%、1株当たり親会社の所有者帰属持分は前連結会計年度末比60.15円増加の803.51円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.11ポイント悪化し0.73倍(資本合計ベース)となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,954億円となり、期首に比べ417億円減少しました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果、資金は1,229億円減少しました(前年同期は3,405億円の増加)。これは、石油製品の需要期に向けた棚卸資産の積み増し等を主因とする棚卸資産の増加(△2,401億円)によるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果、資金は2,085億円減少しました(前年同期は1,710億円の減少)。これは、主として製油所における石油精製設備の維持・更新のための投資及び石油・天然ガス開発事業への投資によるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果、資金は2,874億円増加しました(前年同期は1,917億円の減少)。これは、コマーシャル・ペーパーの増加、長期借入れ及び社債の発行による収入等の資金増加要因が、長期借入金の返済及び社債の償還による支出、配当金の支払等の資金減少要因を上回ったことによるものです。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、14,335百万円です。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間

「経営統合契約」(契約当事者:当社、JXエンジニアリング株式会社及び新興プランテック株式会社、締結日:2018年12月20日)

2019年7月1日を効力発生日として、新興プランテック株式会社を吸収合併存続会社、JXエンジニアリング株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことにより、JXエンジニアリング株式会社と新興プランテック株式会社とが経営統合を行うことについて合意したものです。