アニコムグループは、社名に掲げた「ani(命)+communication(相互理解)=∞(無限大)」を企業活動の根源にすえています。これは、命のあるものすべてがお互いに理解し、尊重し合い、ともに一つの目的に向かって力を合わせることで、これまで不可能と思われていたことが可能になると考えているからです。
こうした考えのもと、私たちはペット保険事業を柱に、この無限大の価値創造力を活かし、世界中に「ありがとう」を拡大することを、グループの経営理念として掲げています。
[中期経営計画2019-2021]

<中長期的な経営戦略>
これまでの当社グループは、“涙を拭く保険会社グループ”として、どうぶつに生じた病気・ケガに対して、保険金の給付サービスや治療等のサービスを提供し、これらのサービスの質の向上することを通じて、日本国内でのペット保険の普及・促進に取り組んできました。その結果、国内でのペット保険の普及率は約10%にまで伸長し、アニコム損害保険株式会社(以下「アニコム損保」といいます。)は、2019年まで12年間連続でシェアNo.1(※)を獲得するなど、国内におけるペット保険事業のリーディングカンパニーとしての地位を確立できたものと考えています。
そして、2019年度からを第2期創業期と位置付け、これまでの歩みを更に加速させ、“涙を拭く保険会社グループ”から、“笑顔を生み出す保険会社グループ”へと成長するための取組みを開始しています。第2期創業期では、創業時から目指してきた、あらゆるデータから、病気・ケガを分析し、「健康度」を見る予防型保険会社グループとなることを実現していきたいと考えており、2019年度からの3年間を計画期間とする中期経営計画を策定し、その中で、ペット保険の収益力を拡大するため、ペット保険の独自性・優位性を推進するための予防事業を確立・展開することを重点施策として掲げています。具体的には、どうぶつのライフステージの川上(生まれる場面)から川下(亡くなる場面)までの様々な場面をカバーする事業を展開し、これらの取組みを着実に実現することで、どうぶつ業界のインフラカンパニーとなり、グループ全体で持続的な成長を遂げていきたいと考えています。
(※)ペット保険会社各社のディスクロージャー誌及び決算公告等から当社が推計したもの。
<ペット保険事業とその他の事業のシナジー>
(川上から川中の施策)
川上から川中までの間では、生まれてくる際に避けられる遺伝病を、繁殖前後の遺伝子検査によって回避するため、当社の子会社であるアニコム先進医療研究所株式会社において、繁殖犬や主要ペットショップで販売されるどうぶつの遺伝子検査を実施することで、グループ全体の売上にも貢献しつつ、避けられる病気を減らし、保険金削減に繋げていきたいと考えています。また、2018年からスタートしているブリーディングサポート事業は、既にスタートしている遺伝子検査事業のほかに、例えば、交配適期診断や人工授精、精子バンクや医療等のトータルでブリーダーをサポートすることの事業化を目指しています。こうしたサポートを通じてブリーディング現場における種々の課題を解決し、ブリーダーの収益機会を向上させるとともに、健康なペットの流通を促進し、人とどうぶつがともに笑顔で生活する環境を提供していきたいと考えています。
(川中から川下の施策)
当社グループでは、ペット保険事業を行う中で、どうぶつの品種、年齢や性別等に加え、疾病データや写真などの様々なデータを保有しています。こうした膨大なデータを活用し、生活習慣と疾病の関係性の分析や、企業や大学等との共同研究や協業による病気等の予防に繋がる新たなフードやデバイスの開発を行っていくとともに、オウンドメディアやSNSを通じた予防啓発活動を積極的に行い、未然に病気を防ぎ、保険金の削減に繋げていきたいと考えています。
また、当社グループでは、自ら動物病院を運営しており、予防診療から再生医療まで、様々な診療を行っています。動物病院事業を展開・拡大していく中で、当社グループの強みであるカルテ管理システムの利用病院の拡大によって、そこから得られる医療データや保険金データを活用し、次世代の予防法の確立を目指していきたいと考えています。


<目標とする経営指標>
当社グループは、ペット保険事業の持続的成長に加え、財務の健全性と資本効率を両立させることを重視しています。そのための経営指標として「成長性」「安全性」「効率性」を重要な経営上の指標としており、「成長性」は連結経常収益3年平均成長率(CAGR)10%以上及び連結経常利益3年平均成長率(CAGR)20%以上、「安全性」はアニコム損保単体のソルベンシー・マージン比率380%程度を目指します。また、「効率性」はROE10~12%程度を目指すこととし、資本効率の最適化の観点から、持続的に資本コストを上回ることが重要であると考えています。これらの指標は、中期経営計画にも掲げており、こうした目標を達成することを通じて、企業価値の向上を目指していきます。

(3) 経営環境及び対処すべき課題
<新型コロナウイルス感染症の影響等>
2020年の年初から、新型コロナウイルス感染症の影響が全世界へ拡大し、国内でも、政府による緊急事態宣言が発令されたことを受け、どうぶつ業界においても、ショッピングモール等の大型商業施設内で営業しているペットショップが休業するといった状況が生じました。しかしながら、路面店等のペットショップでは感染予防等に留意しながら時間短縮し、営業を継続しており、消費マインドが冷え込む状況下においても、これらのペットショップでは、どうぶつの販売頭数が増加しています。よって、現時点において、アニコム損保のペット保険契約件数も順調に増加しており、連結経常収益に大きく影響を与える状況は生じていません。
また、コロナ禍における当社グループの従業員への安全対策については、緊急事態宣言下では従業員の感染リスクを軽減するため、可能な限り人との接触機会を削減することを目的にテレワークを含む在宅勤務を実施しました。一方で、やむを得ずオフィスへの出社を要する従業員に対しては、通勤時の感染リスクを軽減するため、時差出勤、土日勤務を含めたシフト勤務体制を実施したことに加え、自動車や自転車での通勤を行った場合や、オフィスの近隣ホテルへ宿泊した場合の補助を行うことなどの対応を行いました。緊急事態宣言が解除された現在においても、テレワークや時差出勤などを推奨しながら事業を継続しています。
<経営環境等>
これまでの国内のペット産業全体の市場規模は、毎年、拡大し続けており、2017年には約1兆5千億円を超え、ペット保険市場についても、2019年の普及率は約10%の水準まで伸長しています。これは、現代社会において、私たち人間とともに暮らすペットは、「家族の一員」であるという意識の高まりがあることに加え、ペットとして飼育するどうぶつも、これまで人気の犬や猫のほか、ハリネズミやチンチラなどのいわゆるエキゾチックアニマルと呼ばれるどうぶつ種にまで広がっていることが背景にあると考えられます。
現在、国内のペット保険事業には、当社グループを含む損害保険業の免許を受けた5社に、少額短期保険業者の10社を加えた15社が参入しており、競争環境が厳しい状況となっていますが、こうした社会情勢の変化や「家族の一員」であるペットへの飼育者のニーズを逃すことなく的確に捉え、新たな社会的価値を創出し続けていくことで、持続的な成長を目指していきたいと考えています。
〔犬・猫の飼育頭数の推移及びペット産業の市場規模〕

<対処すべき課題>
① ペット保険事業について
アニコム損保のペット保険の保有契約数は約81万件(前期末比8.4%増)となっており、順調に増加し、国内のペット保険の普及率についても2019年には約10%の水準まで伸長しています。しかしながら、ペット保険の先進国である英国やスウェーデンと比較すると未だ低水準と言え、引き続き、成長途上の市場であると考えています。
よって、引き続き、アニコム損保が提供するペット保険が、“どうぶつの健康保険制度”として社会に広く認知・利用されるため、マーケティングやPRを強化していくことが重要であると考えており、ペット保険販売の最重要ターゲットであるNB(New Born)チャネルに加え、既に飼育されているペットをターゲットとした一般チャネルの営業等を強化し、NBチャネルと双璧をなす営業の主軸として成長させていきたいと考えています。その具体的な施策としてWeb、譲渡団体や金融機関等を通じた販売戦略を構築するとともに、マーケティングやPRを強化していきたいと考えています。更に、2020年1月に、国内最大のブリーダーとのマッチングサイトや譲渡などの里親マッチングサイトなどを運営する株式会社シムネットが新たに当社グループに加わりました。同社は、これまでもアニコム損保のペット保険代理店業務を行っていましたが、両社がこれまで以上に緊密に連携し、お互いが持つ強みを活かしたシナジーを最大限に発揮させ、ペット保険契約件数の増加に向けた効果的・効率的な施策に繋げていきたいと考えています。
これらに加えて、ペット保険事業の収益力を更に向上するためには、他社の保険商品と比較し、独自性・優位性を有する魅力ある保険商品を提供していくことが重要であると考えています。その施策の一つとして、2018年12月から、「予防型保険会社」を目指す当社グループ独自のサービスである「どうぶつ健活」を開始しています。これは、どうぶつの腸内フローラ測定の結果から、病気のなりやすさを判定し、その結果に応じて、無料で健康診断が受けられるサービスです。この「どうぶつ健活」を当社グループが提供する保険商品に付帯し(※)、他社が提供する保険商品との差別化を行っています。こうした保険商品の独自性・優位性をお客様に伝えるための取組みを強化していくことで、保険事業の更なる拡大を目指します。
(※)「どうぶつ健活」は、「どうぶつ健保ふぁみりぃスタンダードタイプ」「どうぶつ健保べいびぃ」「どうぶつ健保すまいるふぁみりぃ」「どうぶつ健保しにあ」「どうぶつ健保はっぴぃ」が対象です。但し、腸内フローラ測定はすべてのどうぶつが対象ですが、健康診断サービスの対象は犬・猫に限ります。
② ペットの飼育頭数について
国内においては、生活スタイルの変化等に伴い、猫の飼育頭数が逓増していますが、犬の飼育頭数は、国内人口の高齢化等の理由によるペットの飼育世帯数の伸び悩みや、ブリーダーの高齢化・減少などの理由により、どうぶつの流通頭数が減少しており、飼育頭数の逓減傾向が続いています。こうした課題に対して、特にどうぶつが生まれてくるブリーディング現場の環境を改善していくことが重要であり、当社グループが提供するブリーディングサポート等を通じて対処していきたいと考えています。
具体的には、当社グループでは、どうぶつが有する遺伝性疾患の撲滅を目的とした遺伝子検査事業を開始しており、主要なペットショップやブリーダー等を通じて販売されるどうぶつの遺伝子検査をアニコム先進医療研究所株式会社にて実施しています。こうした遺伝子検査により蓄積されたデータを活用したブリーディングに係る科学的な見地や医療などをトータルでサポートすることにより、ブリーディング現場における様々な課題を解決し、ひいては、健康などうぶつの流通を促し、どうぶつの病気やケガなどへの飼育者の不安を少しでも解消することで、飼育頭数の増加に繋げていきたいと考えています。また、こうしたブリーディングサポートにより、ブリーダーの収益機会を向上させ、ブリーダー数の減少に歯止めをかける施策にも取り組んでいきます。更に、ペット飼育者が病気や高齢になった場合や、どうぶつが高齢となり介護が必要となった場合等に、やむを得ずどうぶつの飼育ができなくなることへの対応として、ペット飼育者の代わりにどうぶつを飼育する終生飼育施設(シェルター)や老犬ホームなどを運営し、ペット飼育者が安心して飼育できる環境を提供し、どうぶつの飼育頭数の増加に繋げていきたいと考えています。
アニコムグループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を与える可能性があると考えられる主な事項及び当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項を以下に記載しています。これらのリスクを認識した上で、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載する方法などにより、事態の発生の回避及び発生した場合の対応に努めています。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断しています。
当社グループは、ペット保険事業を主たる事業とし、グループ全体の売上の約95%を占めています。今後、当該事業の成長が実現できなかった場合、または、ペット保険事業以外の新たな事業領域の拡大が順調に進まなかった場合は、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
(ⅰ) ペット飼育頭数の減少
近年、国内におけるペットの飼育世帯数の伸び悩みに加え、ブリーダーの高齢化・減少などの理由により、犬の飼育頭数の逓減傾向が続いています。今後、こうした逓減傾向が継続していった場合、ペット保険の新規契約件数の継続的な拡大という点について、課題が生じる可能性があります。こうした課題に対処するため、「1 経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが提供するブリーダーへのブリーディングサポートを通じて、健康などうぶつの流通を促すとともに、人とどうぶつが安心して共に暮らせる社会を構築することで、飼育頭数の増加に繋げていきたいと考えています。
(ⅱ) ペット保険市場の競争激化
現在、我が国のペット保険市場には、保険業法に基づき損害保険業の免許を受けた5社と、同法に基づき少額短期保険業者の登録を行った10社が参入しており、競争環境が厳しい状況となっています。また、今後も異業種や大手損保によるペット保険事業への参入や、既存の同業他社の規模拡大、商品・サービス・価格の競争等により、保有契約の減少、委託代理店数の減少、保険料単価の下落による収入保険料の減少等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。こうした状況への対応として、当社グループの独自のサービスである、どうぶつの腸内フローラ測定する「どうぶつ健活」を保険商品に附帯することなどにより、アニコム損害保険株式会社(以下「アニコム損保」といいます。)の保険商品の独自性・優位性をお客様に伝えるための取組みを強化していきます。
(ⅲ)保険引受リスク
アニコム損保が提供する保険商品は、適正な補償内容及び保険料水準を設定していますが、例えば、どうぶつの伝染病の蔓延(どうぶつを発生源とした新型インフルエンザのような伝染病を含みます)によるどうぶつの疾病発症率の上昇、どうぶつの医療費水準の上昇、保有契約のポートフォリオの変化ならびにリスク濃縮等により、適正な保険料水準を確保できない場合や過度にリスクが集積した場合等には、経営の健全性が維持できず、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
(ⅳ)資産運用リスク
アニコム損保は、株式、債券及び各種投資信託商品等の多様な資産に投資しているほか、預貯金等を保有することで、適切にリスク分散しながら、債券への投資を拡充していくことにより、安定的な資産運用を行っています。その上で、金利水準や株価水準等の変動をモニタリングするとともに、運用資産の時価が下落するリスクを適切にコントロールするべく、ロスカットルールなどの各種の対策を講じています。
しかしながら、今後、金利水準の上昇や株価の大幅な下落等により、投資資産の評価損の発生や拡大のほか、社債等の発行者が債務を履行できなくなり、その元本及び利息等の支払が滞った場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、現時点において、新型コロナウイルス感染症が資産運用に与える影響は限定的ではありますが、感染範囲の拡大や長期化により、影響が大きくなる可能性があります。
(ⅴ)事業運営に関するリスク
事業運営リスクは、事業活動において内在しているものであり、例えば、損害保険事業における保険金の不払・支払漏れ、事務ミス、法令違反等を原因とする監督官庁による行政処分、役職員による不正及び労務管理の不徹底等が挙げられます。当社グループでは、これらをコントロールするべく内部管理体制を構築していますが、このような事業運営リスクが顕在化した場合には、お客様の信頼や社会的信用を失うこととなり、新規契約が獲得できない、既存契約が解約されることなどにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(ⅵ)流動性リスク
当社グループは、適切な資金ポジションの把握による資金繰り管理の体制を構築しています。しかしながら、急激な伝染病の蔓延による支払保険金の増加等により資金ポジションが悪化し、通常よりも著しく高いコストでの資金調達または著しく低い価格での資産売却などを余儀なくされた場合には、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
アニコム損保が行う損害保険業の免許は無期限ですが、当該免許に付された条件に違反したとき、公益を害する行為をしたとき、保険会社の財産の状況が著しく悪化し、保険業を継続することが保険契約者等の保護の見地から適当でないと認めるとき等は、保険業法に基づき免許の取り消し、または業務の停止を命じられる可能性があります。また、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつであるソルベンシー・マージン比率については、2020年3月31日時点で357%となっており、現時点で特段問題ありませんが、今後、保険金等の支払能力の充実が適当であるとされている基準値の200%より低下し、行政当局から早期是正措置が発動された場合には、経営の健全性を確保するための改善計画の提出、または期限を付した業務の全部または一部の停止を命じられる可能性があります。更に、将来、何らかの理由により同社に免許の取消しまたは業務停止命令等があった場合には、当社グループの中核となる事業活動に支障を来たすとこととなり、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社はアニコム損保の経営管理を行うために、保険業法に基づき、保険持株会社の認可を取得していますが、法令、定款もしくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき、または公益を害する行為をしたときは、同法に基づき、その認可が取り消される、またはアニコム損保に対してその業務の全部もしくは一部の停止を命ぜられる可能性があります。
現時点において当社では、これらの事由に該当する事実はありませんが、将来、何らかの理由により保険持株会社に係る認可の取消し、または保険会社に対して業務停止命令等があった場合には、当社グループの事業活動全般に支障を来たすとともに、業績に重大な影響を与える可能性があります。
② 規制変更のリスク
アニコム損保が行う損害保険事業は、保険業法、金融商品取引法その他の法令等による規制を受けています。こうした法令等の改正により規制の新設や変更があった場合など、その内容によっては、収入の減少や、準備金の積み増し等の費用が増加し、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
また、同社が提供するペット保険商品の補償の対象となるどうぶつは、動物の愛護及び管理に関する法律により動物の飼養及び保管等に関する基準などが設けられています。こうした規制の変更等があった場合に、結果としてどうぶつの飼育頭数が減少した場合などは、ペット保険契約件数の減少に繋がり、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、首都直下型地震等の大規模な自然災害や新型インフルエンザの大流行等の不測の事態に備え、事業継続計画の策定をはじめとする危機管理体制を整備しています。こうした危機管理体制を整備することにより、事業中断期間における事業への影響を一定程度に抑え、継続的に事業を継続する体制を整備しています。しかしながら、事業継続が阻害されたり、想定を超える影響が生じた場合には、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、現時点において、アニコム損保のペット保険契約件数は順調に推移しており、連結経常収益に大きく影響を与える状況は生じていませんが、今後、新型コロナウイルス感染症の感染範囲の拡大や長期化により、新規契約の獲得件数が減少するリスクや解約失効率が上昇する可能性があります。なお、テレワークの推進等により、万が一に備えた事業継続体制を構築しています。
当社グループは、保険事業における契約者情報をはじめ代理店や動物病院情報等、多数のお客様情報を取り扱っており、これらの情報を、グループ各社において情報管理体制を整備し厳重に管理しています。しかしながら、グループ各社または外部の業務委託先のシステムへの不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等により情報漏えい事故が発生した場合には、社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、自然災害、事故、サイバー攻撃等による不正アクセス及び情報システムの開発・運用に関する不備等により、情報システムの停止・誤作動・不正使用が発生するシステムリスクを一定程度に抑え、業務を継続的に運用できる体制を整備しています。しかしながら、重大なシステム障害が発生した場合には、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの重要な経営陣や幹部社員、特に当社代表取締役である小森伸昭に不測の事態が発生した場合に、当社グループの事業の展開及び拡大に支障が生じる可能性があります。
マスコミ報道やインターネット上の書き込み等において、当社グループに対する否定的な風評が発生し流布した場合、それが事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用に影響を与える場合があります。当社グループでは日頃から、これら風評の早期発見及び影響の極小化に努めていますが、悪質な風評が流布した場合には、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
上記のリスクに対して、当社では、リスク管理を経営の最重要課題と位置づけ、取締役会は「グループリスク管理基本方針」等を定め、グループ内におけるリスク管理の基本方針としています。
「グループリスク管理基本方針」では当社グループとしてリスクを予見しコントロールに努めるとともに、不測の事態にあってもサービスの品質維持、事業継続ができるよう日常業務における個別リスク管理体制の構築に努める旨を定めています。
また、当社子会社であるアニコム損保では、この基本方針に沿った「リスク管理基本方針」を制定し、主体的にリスク管理を行っています。
当社では、リスク管理に関する会議体としてグループリスク管理委員会を設置しており、本委員会にてグループの個別リスク管理の状況及び統合的に評価したリスクの状況等に関して議論を行い、取締役会へ報告等を行うことで経営におけるリスク管理等の推進を図っています。
[グループリスク管理体制]

当社は、安定的な事業成長や収益性を確保するために、2019年5月に「グループリスク選好基本方針」を定め、予防型保険会社グループの確立に向けた中期経営計画を策定・開示しています。この中期経営計画において、将来のペット産業の変化・動向等を前提にペット保険のトップライン・損害率・事業費及び事業投資等の管理を継続的に実施し、また健全性及び収益性の分析・検討をさらに進めることでリスク特性を踏まえた当社グループ全体及び各子会社の資本・リスク・リターンのバランスを管理して財務健全性と資本効率を両立させ、中長期的な視野から継続的・安定的な経営を目指すためにERM(Enterprise Risk Management)を推進しています。
上記の「グループリスク管理基本方針」及び「グループリスク選好基本方針」に基づき、当社ではグループ間での適切な資本配賦運営を行うことにより自己資本を管理する体制を整えています。また、これらを適宜モニタリングすることで当社グループにおける自己管理型の統合的リスク管理を適切に行い、当社グループ各社が直面するリスクや当社グループ体制特有のリスクに見合った十分な自己資本等を確保して効率性・健全性・持続性を確保した企業成長を目指しています。
当連結会計年度におけるアニコムグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、底堅い企業収益や雇用・所得環境の改善に支えられ緩やかな回復基調で推移していたものの、米中貿易問題の長期化や国内で相次いだ自然災害・消費税率の引き上げにより減速傾向に転じたことに加え、2020年の年初から、新型コロナウイルス感染症拡大による世界的規模の経済活動の停滞が顕在化するなど、先行きが不透明な状況となっております。このような状況の中、当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社(以下「アニコム損保」といいます。)の重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、商品開発の強化や販売チャネルの営業活動の強化などに注力したことに加え、堅調なペット飼育需要により、業績については堅調に推移しており、新型コロナウイルス感染症が当社の業績に対し、大きく影響を与えるような状況は生じていません。なお、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は次のとおりです。
保険引受収益39,105百万円(前期比13.2%増)、資産運用収益496百万円(同29.5%増)、新規事業等を含むその他経常収益1,863百万円(同104.6%増)を合計した経常収益は41,465百万円(同15.7%増)となりました。一方、保険引受費用27,212百万円(同13.0%増)、営業費及び一般管理費11,153百万円(同22.4%増)などを合計した経常費用は39,275百万円(同17.1%増)となりました。この結果、経常利益は2,189百万円(同3.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,525百万円(同5.3%減)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表(セグメント情報等)に記載のとおり、“損害保険事業(ペット保険)”と“その他の事業”です。
最近2連結会計年度の経常収益をセグメント別に示すと、次のとおりです。
<損害保険事業>
損害保険事業の経常収益は、前年同期比4,659百万円増(同13.3%増)の39,622百万円となりました。
アニコム損保では、重点施策と位置付けているペット保険の販売チャネルの営業活動を強化したこと、当社グループ独自のサービスである「どうぶつ健活」を付帯した保険商品の提供等によるお客様への訴求力が高まったこと、コロナ禍においても堅調なペット飼育需要があったことなどにより、新規契約件数は167,318件(前期末から11.1%増)、保有契約件数は816,254件(前期末から62,922件の増加・同8.4%増)と順調に増加しています。
〔新規契約件数・保有契約件数の推移〕

E/I損害率 注1)については、新規契約件数の増加による年齢ポートフォリオの改善や、2018年12月に実施した商品料率改定に伴う収入保険料の増加により57.8%と前年同期比で1.2pt改善しました。また、既経過保険料ベース事業費率 注2)は、引き続き規模拡大に向けた積極投資により37.1%と前年同期比で2.6pt上昇しました。この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で1.4pt上昇し94.9%となりました。
注1) E/I損害率:発生ベースでの損害率。
(正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料にて算出。
注2) 既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの保険料(既経過保険料)に対する発生ベースの事業費率
損保事業費÷既経過保険料にて算出
(ⅰ)保険引受業務
アニコム損保における保険引受の実績は以下のとおりです。
(イ) 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注) 元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものです。(積立型保険の積立保険料を含む)
(ロ) 正味収入保険料
(ハ) 正味支払保険金
アニコム損保の資産運用実績は以下のとおりです。
(イ) 運用資産
(ロ) 有価証券
(注) 「その他の証券」は、証券投資信託の受益証券です。
(ハ) 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
(注) 平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ニ) 資産運用利回り(実現利回り)
(注) 平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ホ) 資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりです。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増加額を加算した金額です。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券に係る期首評価差額(税効果控除前の金額による)を加算した金額です。
単体ソルベンンシー・マージン比率
国内保険会社は、保険業法施行規則第86条及び第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、ソルベンシー・マージン比率を算出しています。アニコム損保における2020年3月期末のソルベンシー・マージン比率は、357.0%であり、健全性の基準値となる200%を上回っている状況であることから、十分な保険金等の支払能力を有しているものと認識しています。
アニコム損保の「ソルベンシー・マージン比率」については、以下のとおりです。
(注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条(単体ソルベンシー・マージン)及び第87条(単体リスク)並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しています。
<単体ソルベンシー・マージン比率>
・損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。
・この「通常の予測を超える危険」に対して「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたのが「単体ソルベンシー・マージン比率」です。
・「通常の予測を超える危険」
保険引受上の危険①、予定利率上の危険②、資産運用上の危険③、経営管理上の危険④、巨大災害に係る危険⑤の総額をいいます。
・「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(ソルベンシー・マージン総額)とは、損害保険会社の純資産(社外流出予定額等を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、土地の含み益の一部等の総額です。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。
連結ソルベンシー・マージン比率
アニコム ホールディングス株式会社の「連結ソルベンシー・マージン比率」については、以下のとおりです。
(注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条の2(連結ソルベンシー・マージン)及び第88条(連結リスク)並びに平成23年金融庁告示第23号の規程に基づいて算出しています。
<連結ソルベンシー・マージン比率>
・連結ソルベンシー・マージン比率の計算対象となる範囲は、連結財務諸表の取扱いと同一です。
・「通常の予測を超える危険」
保険引受上の危険①、予定利率上の危険②、最低保証上の危険③、資産運用上の危険④、経営管理上の危険⑤、巨大災害に係る危険⑥の総額をいいます。
・「当社及びその子会社等が保有している資本金・準備金等の支払余力」とは、当社及びその子会社等の純資産(剰余金処分額を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、国内の土地の含み益の一部等の総額です。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。
<その他の事業>
その他の事業の経常収益は、前年同期比977百万円増(同112.7%増)の1,843百万円となりました。
・動物病院支援事業
アニコム パフェ株式会社において、動物病院経営に必要となる顧客管理、レセプト精算、診療明細書の発行等の機能を有しているカルテ管理システム「アニコムレセプター」の開発、販売、保守等を行っており、当連結会計年度における経常収益は223百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。
・保険代理店事業
アニコム フロンティア株式会社において、ペット関連の取引先企業等に対して損害保険及び生命保険の募集・販売を行っており、当連結会計年度における経常収益は15百万円(前連結会計年度比10.5%増)となりました。
・動物医療分野における研究・臨床事業
アニコム先進医療研究所株式会社において、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立及び、予防・先進医療の開発に向けた研究・臨床・開発等を行うとともに、地域獣医療のサポートとしての病院承継を行った結果、当連結会計年度における経常収益は882百万円(前連結会計年度比100.6%増)となりました。アニコム先進医療研究所株式会社では、自ら動物病院を運営し、予防から1次・2次診療を展開しているところ、その過程で得られた医療データ等を活用し、次世代の予防法の確立を目指しています。
・その他事業
当社グループ会社では、上記のほかに、オンラインショップ「パフェオンライン」、子犬子猫の検索サイト「ハローべいびぃ」の運営、ペットの健康に関する24時間365日の電話相談サービス、ペットを失った悲しみ(ペットロス)を支えるWEBサイト「アニコム メモリアル」の運営、ペットショップ及びブリーダー向け遺伝子検査の販売、動物関係者に特化した人材紹介サイト「アニジョブ」の運営等の新たな収益源確保を図ってきました。その結果、これらの事業の経常収益は721百万円(前連結会計年度比245.3%増)となっています。
なお、アニコム キャピタル株式会社において、当社グループにシナジーのある企業及び研究等に対して投資及び育成を行っていますが、投資先の上場等により資金回収を行う事業モデルであることから、当事業による経常収益は計上されていません。
②資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、3,208百万円増加して45,598百万円となりました。その主な要因は、有価証券の増加5,339百万円です。
負債の部は、前連結会計年度末に比べ2,117百万円増加して22,273百万円となりました。その主な要因は、保有契約の増加に伴う保険契約準備金の増加1,936百万円です。なお、金融機関等からの借入金はありません。
純資産の部は、前連結会計年度末に比べ、1,090百万円増加して23,325百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,525百万円の計上によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より6,115百万円減少し、21,577百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
保有契約の順調な増加により、税金等調整前当期純利益を2,162百万円計上したほか、責任準備金が1,756百万円増加したこと等により4,246百万円の収入となり、前連結会計年度に比べると112百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
10,263百万円の支出となりました。主に有価証券の取得による支出であり、前連結会計年度に比べると9,775百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払等により99百万円の支出となり、前連結会計年度に比べると6,792百万円の収入の減少となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの業務の性質上、生産、受注及び販売の実績として把握することが困難であるため、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しているとおり、経常収益の実績を記載しています。
①経営数値目標に対する進捗
当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)アニコムグループの経営ビジョン」に記載のとおり、「成長性」「安全性」「効率性」を重要な経営上の指標としています。“中期経営計画2019-2021”に掲げている各指標に対する進捗は、次のとおりです。
<成長性>
当社グループでは、連結経常収益3年平均成長率(CAGR)については10%以上、連結経常利益3年平均成長率(CAGR)については20%以上を目標として掲げています。
そうした中で、当連結会計年度の連結経常収益は、前期比15.7%増となる41,465百万円と順調に推移しているものの、連結経常利益は、前期比3.9%減となる2,189百万円となりました。連結経常収益は、ペット保険の販売チャネルの営業活動の強化や、当社グループ独自のサービスである「どうぶつ健活」を付帯した保険商品の提供等によるお客様への訴求力が高まった結果、保有契約件数が前期比8.4%増となり、保険引受収益も前期比13.2%増と順調に増加しています。これらの他にも、新規事業であるブリーディングサポート事業の一つである遺伝子検査事業や、病院運営等のその他の経常収益についても、前期比104.6%増と堅調に推移しており、引き続き、これらの取組みを推進していきます。
一方で、当連結会計年度における連結経常利益は2,300百万円を見込んでいたものの、新型コロナウイルス感染症の影響による市場の急落で資産運用費用109百万円が発生しことに伴い、前期比3.9%減となる2,189百万円となりました。資産運用以外の損害保険事業等については順調に推移しているものの、今後も新型コロナウイルス感染症の影響に伴う運用環境の悪化等も見込まれることから、市場の動向等を注視しながら、安定的な資産運用を行い、目標の達成に向けて取り組んでいきたいと考えています。
<安全性>
当社グループでは、アニコム損保のソルベンシー・マージン比率について、380%程度を目標として掲げています。
当社は、2018年8月に、第三者割当による第6回新株予約権を発行、2019年1月までに全ての新株予約権の行使を完了し、6,657百万円を調達しました。そのうち、3,000百万円を「財務基盤を柔軟かつ強固に構築しながら、ペット保険事業におけるシェアを持続的に拡大するための投資資金」としており、2018年10月にアニコム損保が、当社を割当先とする新株発行し、増資した結果、前連結会計年度末のアニコム損保のソルベンシー・マージン比率は379.8%と大きく増加しました。当連結会計年度末のアニコム損保のソルベンシー・マージン比率は、主に2018年12月に実施した保険料率改定に伴い保険料が増加したことによる「一般保険リスク」の増加、新型コロナウイルス感染症の影響による市場急落に伴う保有有価証券に係る「その他有価証券評価差額」の減少(ソルベンシー・マージン総額にマイナスの影響)により、同比率357%となっており、前連結会計年度末から若干減少していますが、引き続き、ペット保険事業等を強化していくことにより、目標の達成に向けて取り組んでいきたいと考えています。
〔アニコム損保のソルベンシー・マージン比率の推移〕

<効率性>
ROEについては、資本コストを上回る水準を達成することが重要であるという考え方のもと、10~12%程度を目標として掲げています。なお、2019年度については、2018年度に実施した資金調達の影響等によりROEが6.7%へと低下し、当社の資本コストである6.7%(※)と同水準となっています。しかしながら、今後、ペット保険事業等を強化していくことにより、利益効率を改善することでROEの向上を図り、エクイティ・スプレッドがプラスの状況(「ROE>資本コスト」)となることを目指していきたいと考えています。
(※)当社(株主)資本コスト前提:
(株主)資本コスト = Rf(リスクフリーレート) + β(ベータ値) × マーケット・リスクプレミアム
6.7% = 0% + 1.1 × 6.1
②財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは4,246百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、21,577百万円保有しています。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、強固な財務基盤を維持しつつ営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、基幹システムの増強やペット関連企業のM&Aといった投資や配当等の株主還元へと配分しています。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の項目については、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
売買目的有価証券以外の有価証券について、時価若しくは実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。このうち既発生未報告損害に対する支払備金については、主に統計的見積法により算出しております。各事象の将来における状況変化などにより、支払備金の計上額が、将来の保険金支払額と異なる可能性があります。
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。
固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債については、「税効果会計に係る会計基準(平成10年10月30日企業会計審議会)」に基づき回収可能と認められる額を計上しています。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う会計上の見積りについて、本感染症は経済、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難なことから、当社は外部の情報源に基づく情報等を踏まえて、今後、2021年3月期の一定期間にわたり当該影響が継続するとの仮定のもと、固定資産の減損会計における将来キャッシュ・フローや繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っています。しかしながら、本感染症の感染拡大による影響は不確定要素が多く、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2020年3月末現在5,886社(病院数にして6,466件)と契約を締結しています。
2020年3月末現在、ペットショップ代理店752社(店舗数にして2,224店)、一般代理店425社(店舗数にして8,067店)と上記契約を締結しています。
該当事項はありません。