第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、顧客及びステークホルダーから選ばれ続ける企業を目指し、「誠実、信頼、貢献、調和、挑戦、飛躍」という6つの基本理念のもと、法令を遵守し、地球環境への配慮も行いながら、高品質な医薬品の安定供給に努め、人々の健やかな生活に貢献することを願って事業活動を展開しております。今後においては、更なる品質の向上を図るとともに、医薬品の新たな分野、新たな技術への挑戦を行い、世界を舞台として優れた医薬品を提供する企業に成長することを目指しております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、原薬及び製剤の製造販売と仕入販売という事業を推進するに当たり、国内外の医薬品事業を取り巻く環境の変化に対して適切な対応を行うことが、継続的な事業の発展において重要であると認識しております。こうした認識のもと、中長期的な経営戦略の基本方針としては、①ジェネリック医薬品市場の拡大への対応、②高薬理活性領域への進出、③新規製造受託の推進、④海外市場への事業展開の4つを掲げております。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、持続的な成長を支えるための収益力の確保と経営体質の強化を図るという観点より、売上高、営業利益(率)、自己資本比率、有利子負債比率、自己資本当期純利益率(ROE)等を重要な経営指標としております。

 

(4)経営環境

 当社グループは、医薬品の原料である原薬から最終的な製剤までの製造・販売を幅広く行うことにより、医薬品業界における様々なニーズに応え、信頼をかちえてきました。

 当社グループを取り巻く環境につきましては、政府による医療費抑制の一環としてのジェネリック医薬品の使用促進策が引き続き実施されており、ジェネリック医薬品向けの原薬やジェネリック製剤の需要が拡大しております。他方、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律(以下、「薬機法」という。)の施行を背景に近年拡大傾向にあった医薬品の製造受託市場においては、参入企業の増加による競争の激化や委託サイドの方針転換等がみられ、製造受託に係る経営環境は今後ますます厳しくなることが予測されます。また、医薬品業界において、グローバルなレベルでの各社の経営統合が進行していることや、外資系企業の国内参入が本格的に進行していることもあり、予断の許されない状況であります。

 こうした環境のなか、今後当社グループが更なる成長を遂げるため、原薬事業の生産体制につきましては、当社及び子会社の大和薬品工業株式会社並びに出資先である千輝薬業(安徽)有限責任公司との生産体制の最適化を図り、また、製剤事業の生産体制につきましては、当社及び子会社の大桐製薬(中国)有限責任公司との連携強化を図ることを含めて以下の事項が重要な課題であると認識しております。

 

(5)会社の対処すべき課題

①ジェネリック医薬品市場の拡大への対応

 当社グループでは、ジェネリック医薬品市場が拡大傾向にあるものと考えております。

 近年、わが国においては、高齢化社会の進展に伴い、国民医療費は長期にわたり増加傾向にあり、医療費を抑制するための政府の重点施策としてジェネリック医薬品の使用促進が行われております。政府は、「2020年9月まで、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、さらなる使用促進策を検討する。」と標榜しており、今後も必要な推進策を適宜行っていくものと思われます。

 一方で、薬価制度の抜本改革についても活発に議論されており、ジェネリック医薬品業界にも影響を与える種々の方策が検討されています。

 そうした中で、当社グループは、原薬及び製剤の新たなジェネリック品目のタイムリーな研究開発を促進するとともに、生産設備の拡充及び生産効率の向上に努め、収益の拡大を図っていく方針であります。

 

②高薬理活性領域への対応

 当社グループでは、内服用の固形製剤を中心とした製造を行っておりますが、今後の事業拡大を図るとき、新しい薬効領域への取組みが必要であると考えております。

 その中でも、市場の急速な拡大が見込まれる抗癌剤等の高薬理活性領域への取組みを重要視しております。当社はその取組みの一環として、本社構内において高薬理活性製剤を製造する「第七製剤棟」が平成26年12月に竣工したことに続き、高薬理活性製剤の開発と分析及び治験薬等少量製品の生産を行う「高薬理R&Dセンター」を建設し平成29年6月に竣工しました。また平成29年10月に高薬理活性製剤を製造する「第八製剤棟」を着工し、平成30年11月に竣工する予定です。

 当該領域においては高薬理活性製剤事業の研究開発体制の整備・強化を図るとともに、治験薬製造及び製剤から包装までの一貫製造が可能な体制を完備し、一層事業展開を充実させていく方針であります。

 

③新規製造受託の推進

 医薬品の製造受託市場は、企業間競争の激化や各社の方針転換等がみられるものの、全体としては拡大傾向にあります。そうした中で、当社グループは、高薬理製剤を含む医療用医薬品を中心として、原薬・製剤共に外資系メーカーや国内大手メーカーからの新規製造受託の獲得に努め、生産設備を最大限に活用することにより、収益の拡大を図っていく方針であります。

 

④海外展開の強化

 当社グループでは、国内市場における継続的な事業の拡大を図っておりますが、中長期的な視野から当社グループの更なる成長を図るとき、海外市場への進出が重要であると考えております。

 現在のところ、米国、中国の2大市場を主なターゲットとし、製剤の販売承認の早期取得に向け、鋭意準備を進めております。今後は、販売体制の整備や、更なる候補品目の選定及び開発を推進させていく方針であります。

 なお、中国においては、当社子会社の大桐製薬(中国)有限責任公司にて日本からの製造受託を開始しております。今後は中国市場での販売も視野に入れ、工場の安定稼働を図る方針であります。

 

⑤人材の確保・育成

 当社グループでは、医療用医薬品から一般用医薬品に至る原薬及び製剤の製造販売、仕入販売、製造受託といった多岐にわたる事業展開を行っており、こうした中で事業の拡大を図るためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠であります。今後においては特に、海外展開や高薬理活性領域に係る研究開発業務及び各種申請業務等に精通した人材の確保と育成が必須であり、これらを含め、グループ全体としての組織体制の強化を図っていく方針であります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性についての主な事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスク発生可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが本株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、文中における将来に係る事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 

(1)当社グループの事業内容について

 当社グループは、①原薬の製造販売及び仕入販売、②他社開発の製剤の製造受託並びに③自社開発または共同開発による製剤の製造販売を主幹事業としております。

 

① 原薬の製造販売及び仕入販売

 原薬の各品目は、基本的にはそれぞれ顧客が製造する特定の製剤の品目と紐付いて継続的に販売されますが、その販売量は当該製剤の市場での販売動向及び顧客の生産量調整による影響を受けます。また、当社グループの顧客であるジェネリックメーカー等の医薬品開発戦略の変更や原薬製造の内製化等の製造委託に係る方針転換等があった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、後述のとおり、当社グループは新薬メーカー等からの製造受託を行っているため、当該受託品目に関連するジェネリック医薬品向けの原薬に係る受注が制約される場合があります。

 

② 他社開発の製剤の製造受託

 他社開発の製剤の製造受託に係る当社グループの収益は、当該製剤の市場での販売動向及び当該製剤に係る顧客の販売方針による影響を受けます。また、当社グループの顧客である製薬会社の医薬品開発戦略の変更や医薬品製造の内製化等の製造委託に係る方針転換等があった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 自社開発または共同開発による製剤の製造販売

 当社グループは大手医薬品販売業者や医療機関向けの営業を行っていないことから、製剤の自社開発を行う場合、その販売を担う、競合品を取り扱っていない他の医薬品メーカー等を確保する必要があります。したがって、そうした医薬品メーカー等を確保できない場合等においては、自社開発の医薬品製造販売を行うことができない可能性があります。また、自社開発または共同開発による製剤の製造販売に係る当社グループの収益は、当該製剤の市場での販売動向及び当該製剤の販売を担う医薬品メーカー等の販売方針に影響を受けます。

 

(2)ジェネリック医薬品市場の動向について

 高齢化社会の進展に伴い、日本の国民医療費は長期にわたり増加傾向にあり、平成26年度においてその総額は40兆円を超えております。こうした医療費の増加傾向を抑制するための政府の重点施策としてジェネリック医薬品の使用促進があげられます。ジェネリック医薬品は、新薬(先発品)の特許が切れた後に発売される、新薬と同じ有効成分や同等の効能・効果を持つ医薬品で、研究開発費が少額ですむため、薬価が新薬より低く設定されております。また、政府は、「2020年9月まで、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、さらなる使用促進策を検討する。」と標榜しており、今後も必要な推進策を適宜行っていくものと思われます。

 当社グループは、今後のジェネリック医薬品市場の拡大を見込み、ジェネリックメーカー向けの医薬品原薬の販売及び自社開発または共同開発による製剤の製造販売の拡大を図っておりますが、政策転換その他の理由によってジェネリック医薬品市場の成長が停滞した場合、当社グループの経営成績等に影響を受ける可能性があります。なお、平成30年5月期において、当社グループのジェネリック医薬品に関連する売上高(連結)は、当社グループの売上高(連結)総額の8割程度を占めております。

 

(3)薬価改定、政府による医療保険制度の見直し等について

 医療用医薬品は政府の定める薬価基準により保険償還価格が決められております。薬価基準は、市場における売買価格の実勢価格調査の結果に基づき、これまで原則として2年に一度改定されていましたが、今後毎年改定されることも議論されており、平成28年4月には業界平均5.57%、平成30年4月には業界平均5.86%の引き下げ改定が行われております。

 薬価改定後には、販売価格低下等の影響を受ける可能性があります。また、医療保険財政の悪化に伴い、政府は医療保険制度を抜本的に見直す方針であるため、その内容によっては当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 

(4)法改正及び法規制等に関するリスク

 当社グループは医薬品の製造、販売に関して薬機法、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則及びそれらに関するGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)関連法令の規制を受けており、主に下表のような承認・許認可等を受けております。当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりこれらの許認可等が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、今後これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約され、各業務の遅滞が発生した場合等には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(当社)

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

医薬品卸売販売業許可

富山県

富山県知事許可

(第 富卸0163号)

平成33年5月27日

(6年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

東京都

東京都知事許可

(第5301120444号)

平成36年7月29日

(6年ごとの更新)

大阪府

大阪府知事許可

(B10145号)

平成35年12月31日

(6年ごとの更新)

第一種医薬品製造販売業許可

富山県

富山県知事許可

(16A1X00010)

平成31年9月30日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

 

第二種医薬品製造販売業許可

富山県

富山県知事許可

(16A2X00047)

平成31年9月30日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

医薬品製造業許可

富山県

富山県知事許可

(16AZ000317)

平成31年9月30日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

 

 

(大和薬品工業株式会社)

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

医薬品製造業許可

富山県

富山県知事許可

(16AZ000183)

平成33年12月31日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

 

(5)販売中止、製品回収、製造物責任等に関するリスク

 医薬品の発売後には、発売前に予期していなかった副作用が確認されたり、製造過程での製品への異物混入等が発見されたりすることがあります。また、薬機法に基づく再審査や再評価において、品質、有効性もしくは安全性に関して不適当と評価される場合があります。当社グループが原薬の供給もしくは製造の受託を行う医薬品、または当社グループの自社開発製品に関してこれらの事態による販売中止、製品回収もしくは損害賠償等が発生した場合、当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 また、当社グループは、健康食品の販売も行っており、品質不良等によって消費者に健康被害を与えるような事態が発生した場合、当該製品の販売減少、損害賠償の発生または当社グループのブランドイメージの毀損等によって当社グループの経営成績等に影響を受ける可能性があります。

 

(6)知的財産権について

 当社グループが製造販売するジェネリック医薬品に関しては、結晶形、製法、製剤等に関する特許権あるいは剤形に関する意匠権等、他社の権利が残存している場合が多いため、当社グループは、物質・用途特許をはじめ、各種特許を中心とした知的財産権に関し徹底した調査を実施しております。しかしながら、特許抵触の疑義があることを理由に訴訟提起される場合があり、このような事態が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)設備投資に関するリスク

 当社グループは多種多様な製造品目及び製造工程を取扱うことから、少数の製造品目や製造工程のみを取扱う同業者と比較すると、収益に対応した設備投資負担が相対的に大きくなっていると考えられます。また、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、新たな製造品目や製造工程の取扱いに対応した設備投資が必要となります。

 こうした設備投資が遅延した場合には、受注機会の喪失等により、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。一方、大規模な設備投資を行った場合、原薬及び製剤を製造する際の特徴上、本格的な生産に至るまでに一定の期間を要するため、減価償却費が先行的に発生することによって売上原価率が大きく上昇する可能性があります。また、大規模な設備投資を行った際に想定していた受注を期待通りに獲得できなかった場合には、当社グループの経営成績等は重大な影響を受ける可能性があります。

 

(8)自然災害、事故等について

 当社グループの生産拠点が集中している富山県における大規模な自然災害や、当社グループの製造施設における事故等が発生した場合、製造設備等への損害、生産活動の停止、取引先や製造施設近隣住民への補償等により、当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 

(9)原材料または商品の仕入れ等が困難になるリスク

 当社グループは、一部の原材料及び商品の仕入れや外注加工に関して、海外企業を含む特定の取引先に依存しているものがあり、災害等の要因によってそうした原材料や商品の仕入れまたは外注加工が困難になり、重要な製品の製造停止や重要な仕入販売取引の停止等を余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)原材料または商品の仕入価格の変動に関するリスク

 当社グループの原薬及び製剤の製造販売に係る原材料や仕入販売に係る原薬等の価格が為替相場等の事情によって急激に変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。

 

(11)有利子負債依存度が高いことについて

 当社グループでは、事業拡大に必要な資金の多くを金融機関からの借入によって調達しております。今後当社グループは、資金調達手段の多様化に積極的に取り組み、有利子負債比率の低減による財務体質の改善、自己資本の充実を図る方針であります。今後、市場金利が上昇した場合には、当社グループの借入金利も上昇することが予想され、その場合には当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、金融機関からの借入の一部には、純資産や経常損益の金額等を基準とした財務制限条項が付されているものがあり、将来においてこうした財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失した場合等には、当社グループの資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)取引先の企業再編によるリスク

 当社グループの取引先において企業統合や合併が発生した場合、あるいは外資企業の進出に伴い取引先がその傘下に入ること等が発生した場合には、取引高が減少する可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)環境保全に関するリスク

 医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。当社グループは、環境保全に係る法規制を遵守し、土壌汚染、水質汚染及び悪臭等の発生防止に取り組んでおりますが、万一当社グループの事業活動に起因する環境問題が発生した場合、損害賠償の発生やブランドイメージの毀損等により、経営成績等に影響を受ける可能性があります。また、環境保全に係る法規制の改定に伴って多額の対策費用が発生する場合等においても、当社グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。

 

(14)競合に関するリスク

 現状、日本国内の品質基準への対応の面で当社グループは優位にあるものと考えておりますが、今後、大手外資系原薬バルクメーカーが国内企業の買収等によって日本市場への参入を図る可能性があり、そうした海外企業が増加した場合、当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 

(15)製商品の品質の維持に関するリスク

 当社グループは、製造販売、仕入販売もしくは受託製造する原薬及び製剤の品質に関して、生産管理の徹底、継続的な研究開発に基づく創意工夫及び適格な人材の確保等によってその維持・向上に取り組んでおり、製品の品質に関しては日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)だけでなく、FDA(米国食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)の基準にも適合する生産体制を備えております。しかしながら、何らかの事情によってこうした生産体制の維持が困難となり、製商品の品質低下が生じた場合、新規取引獲得に係る競争力の低下や既存の継続的取引の喪失等により、当社グループの経営成績及び財政状態は重大な影響を受ける可能性があります。

 

(16)海外での事業展開に関するリスク

 当社グループは、中国及び米国等海外での事業展開を進めております。海外では法規制や行政指導のあり方等を含めて事業環境が異なることから、予期せぬ費用の発生等により、当社グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。

 

(17)機密情報の管理について

 当社グループは、原薬の製造販売や製剤の業務受託等において、取引先の生産計画や新製品の開発に関する機密性の高い情報を取得する場合があります。当社グループでは、こうした機密情報の管理の徹底を図っておりますが、何らかの要因で情報漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用の失墜等により、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)研究開発について

 当社グループは、原薬及び製剤の製造販売や業務受託等に関して研究開発活動を行っております。こうした研究開発活動は、製造販売や業務受託の開始に数年間先行して開始する場合がほとんどですが、これらの活動に関する投資については、必ずしも期待通りに収益獲得に結び付かない可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(19)固定資産に関するリスク

 当社グループは、多額の固定資産(建物、機械装置、土地、投資有価証券等)を所有しているため、経営環境の変化等に伴ってそれらの価値が著しく変動し、減損損失、除却・売却による損失、評価差額の変動等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、日銀の金融緩和に伴い円安基調が定着し、輸出関連企業を中心に業績が回復基調でありましたが、光熱費の上昇や人手不足を起因とする人件費の上昇等企業の負担増加が重なり、日本経済の足かせとなっております。

 平成29年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」では「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、ジェネリック医薬品の使用に対する国の政策面での後押しが期待されておりますが、医薬品の適正利用や、AG(オーソライズドジェネリック)が大型品目を中心に販売されたことから競争が激化し、ジェネリック医薬品市場の成長の伸びに陰りが出てきております。また、平成29年12月には「薬価制度の抜本改革について骨子(案)」が中央社会保険医療協議会で了承され、今後更なる薬価の引き下げが見込まれており、当社としても一層の経営効率化への努力が求められております。

 このような状況のもと、当社グループは生産基盤の充実と積極的な営業活動を図っており、当社は新たに高薬理固形製剤の製造棟である第八製剤棟を平成29年10月に着工し、平成30年11月に竣工を予定しております。

 なお、売上高の販売品目ごとの業績は、次のとおりであります。

 原薬では、消化性潰瘍剤原薬及び血圧降下剤原薬等の一部のジェネリック医薬品向け原薬の販売は堅調に推移しておりますが、全体的に医療現場での薬剤使用の適正化の影響及び大型品目を中心としたAG(オーソライズドジェネリック)の登場、並びに市場における競争激化等により厳しい状況で推移し、売上高は20,848百万円(前期比6.4%減)となりました。

 製剤では、医療用医薬品において自社開発ジェネリック医薬品の販売増加、新薬や新規長期収載品目の製造受託及び一般用医薬品の販売増加があり好調に推移した結果、売上高は18,706百万円(前期比21.7%増)となりました。

 健康食品他につきましては、市場における競争激化等により、厳しい状況で推移し、売上高は320百万円(前期比8.1%減)となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は39,875百万円(前期比5.0%増)となりました。

 営業利益につきましては、売上高の増加に伴う利益の増加や人件費及び減価償却費の減少等があり、研究開発費の増加等があったものの4,161百万円(前期比8.6%増)となりました。

 経常利益につきましては為替差益の計上等により4,244百万円(前期比9.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は地方拠点強化税制に基づく法人税額の税額控除等があり3,041百万円(前期比14.5%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ94百万円の増加となり、1,711百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は5,465百万円(前期比395百万円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額815百万円、法人税等支払額1,678百万円の計上等があった一方で、税金等調整前当期純利益4,263百万円、減価償却費2,853百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は3,833百万円(前期比821百万円の増加)となりました。これは主に、生産設備の拡充に伴う有形固定資産の取得による支出3,822百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,543百万円(前期比234百万円の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入2,500百万円等があった一方で、短期借入金の減少額1,350百万円、長期借入金の返済による支出2,265百万円等があったことによるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

前年同期比(%)

原   薬(千円)

12,956,370

89.7

製   剤(千円)

15,978,960

123.5

健康食品他(千円)

合計(千円)

28,935,331

105.7

(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの生産実績を記載しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

前年同期比(%)

原   薬(千円)

6,849,773

93.9

製   剤(千円)

2,606,323

111.8

健康食品他(千円)

271,175

112.1

合計(千円)

9,727,273

98.5

(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの商品仕入実績を記載しております。

2.金額は実際仕入額によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

製   剤

14,705,545

114.2

1,991,320

61.0

(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの受注実績を記載しております。

また、当社は製剤の一部について受注生産を行っているため、その分の金額を記載しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

前年同期比(%)

原   薬(千円)

20,848,207

93.6

製   剤(千円)

18,706,999

121.7

健康食品他(千円)

320,776

91.9

合計(千円)

39,875,983

105.0

(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの販売実績を記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年6月1日

至 平成29年5月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

 金額(千円)

 割合(%)

 金額(千円)

 割合(%)

 日医工株式会社

    3,908,204

      10.3

    4,742,926

      11.8

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

a.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は39,875百万円となり、前連結会計年度に比べ1,891百万円増加しました。これは主に、自社開発のジェネリック医薬品、長期収載品目の製造受託、一般用医薬品の販売増加があり好調に推移したことによるものであります。

 

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は31,765百万円となり、前連結会計年度に比べ1,533百万円増加しました。これは主に、売上高の増加に伴う原材料費の増加などがあったためであります。

 この結果、差引売上総利益は8,118百万円となり、前連結会計年度に比べ377百万円増加しました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,957百万円となり、前連結会計年度に比べ48百万円増加しました。これは主に、研究開発費の増加などによるものであります。

 この結果、当連結会計年度の営業利益は4,161百万円となり、前連結会計年度に比べ328百万円増加しました。

 

(営業外損益)

 当連結会計年度の営業外収益は、貸倒引当金戻入額の減少などにより、前連結会計年度に比べ43百万円減少し、125百万円となりました。営業外費用は為替差損の計上がなかったことなどにより42百万円となり、前連結会計年度に比べ80百万円減少しました。

 この結果、当連結会計年度の経常利益は4,244百万円となり、前連結会計年度に比べ365百万円増加しました。

 

(特別損益)

 当連結会計年度の特別利益は29百万円となり、前連結会計年度に比べ262百万円減少しました。これは主に、補助金収入の減少によるものであります。特別損失は10百万円となり、前連結会計年度に比べ275百万円減少しました。これは主に、前連結会計年度に計上のあった固定資産圧縮損の計上がなかったことによるものであります。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,041百万円となり、前連結会計年度に比べ385百万円の増加となりました。

 

b.財政状態の分析

<資産、負債及び純資産の状況>

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,488百万円増加し、47,196百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少558百万円、原材料及び貯蔵品の減少468百万円等があった一方で、商品及び製品の増加1,213百万円並びに建物及び構築物の増加625百万円、建設仮勘定の増加389百万円等があったことによるものであります。

 負債は、前連結会計年度末より1,193百万円減少し、18,700百万円となりました。これは主に、電子記録債務の増加505百万円、未払金の増加438百万円等があった一方で、短期借入金の減少1,350百万円、設備関係支払手形の減少578百万円、その他の流動負債の減少331百万円等があったことによるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末より2,681百万円増加し、28,495百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加2,628百万円等があったことによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度より4.0ポイント増加し、59.5%となっております。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

 ジェネリック医薬品業界の見通しにつきましては、「骨太方針2015」に引き続き、平成29年6月に「骨太方針2017」が閣議決定され、そこには「2020年9月までに後発品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるようさらなる使用促進策を検討する」と明記され、ジェネリック医薬品の数量シェアは80%にむけて拡大が続くものと予想されます。

 しかし一方で、平成30年6月に閣議決定された「骨太方針2018」において、薬価引き下げなどによる薬剤費抑制の方針が示され、今後、医薬品市場は単価の下落により厳しい状況となると予想されます。

 当社グループにおいて、医薬品の製造設備に関する設備投資を実施した際には、原薬及び製剤の本格的な製造に至るまでに試作期間等を含めたバリデーションのための期間が必要となります。バリデーションとは、医薬品の製造、設備及び工程において、品質特性に適合する製品が生産されることを保証し、文章化することを言います。当社グループの場合は本格的な製造を開始するまでには設備の竣工後、半年から1年程度のバリデーション期間を要することが一般的になっております。

 なお、減価償却費の計上はバリデーションの開始時期から行うため、売上高の計上よりも減価償却費の計上が先行することとなります。そのため、バリデーションは連結損益計算書において損益の悪化要因として影響することが見込まれます。

 

d.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。

 

 

第72期

平成26年5月期

第73期

平成27年5月期

第74期

平成28年5月期

第75期

平成29年5月期

第76期

平成30年5月期

自己資本比率(%)

44.4

50.7

53.4

55.5

59.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

3.9

2.5

3.4

1.7

1.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

31.4

65.5

72.7

178.0

228.2

自己資本比率:自己資本/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社の研究開発活動は、高品質で安価なジェネリック医薬品(原薬及び製剤)及び有用性が高く安心して服用できる一般用医薬品をタイムリーに提供し、医療関係者、患者、一般消費者等から信頼、期待される研究開発を続けております。

研究開発本部の体制は、開発推進室、原薬研究室、製剤研究室及び物性研究室の計4つの研究室に機能を分化し、密接な連携の下、迅速で効率的な研究開発活動を推進しております。なお、高薬理活性製剤の開発費用等の増加があったことにより、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,522,562千円となっております。各研究室の研究開発活動の状況は次のとおりです。

 

① 開発推進室

 開発推進室では、研究開発計画を早期に立案し、複数の計画を総合的に管理する業務を担っております。その主な業務内容としては、研究開発のマスタープランの立案と進捗管理、研究開発を推進するための体制作り、研究開発レポートの照査、承認申請等の薬事業務(原薬等登録原簿・承認申請書の作成・申請並びに照会対応)、開発費用のとりまとめ、生産部門への技術移転業務、知的財産権の調査状況の確認、新規研究開発計画の立案、共同開発企業や開発委託企業との連携・調整・進捗管理等を行っております。また、海外への製剤申請を目指し資料の作成を実施しております。

 

② 原薬研究室

 原薬研究室では、ジェネリック原薬の開発形態(合成ルート及び反応等の諸条件、実生産スケール、製造ライン等)を決定し、高品質で低コストの原薬生産体制を確立することを目的として研究開発に取り組んでいます。各々の開発原薬に対する顧客獲得に向けて、顧客の要求に合わせ、できる限り早い段階で、ラボスケールから実生産規模の高品質の原薬を提供することを目指しています。これに加え、顧客が要望する、製剤化検討に必要とされる原薬情報の充実化を念頭に研究開発を進めております。

 

③ 製剤研究室

 製剤研究室では、医薬品の有効性を最大限に発揮できる製剤設計を重視し、ジェネリック医薬品及び一般用医薬品の自社開発及び共同開発を行っております。当連結会計年度においては、ジェネリック医薬品の新規追補品目として3品目(計4規格)の承認申請を行っておりますが、その製剤設計と実生産プロセスを確立しました。なお、現在6品目(計13規格)の上市を目指し、製剤設計を進めております。さらに、先発製剤との治療学的同等性を証明するためのヒトを用いた生物学的同等性試験の評価を行っており、これらの試験結果をもとに製剤申請に必要となる製剤設計に関する資料及び生物学的同等性試験資料の作成を行っております。また、一般用医薬品の開発も実施中です。

 当研究室では、製剤設計のほか、開発した製品の工業化検討において、生産規模及び製造法に基づく最適な生産系列が決定され市場向け生産が順調に移行されるよう、生産部門への技術移管協力を行っております。

 

④ 物性研究室

 物性研究室では、原薬や製剤の新規開発に伴い、試製品の品質評価や規格及び試験方法の設定などの分析法の開発業務を行っております。製品の上市のための承認申請において、当局から要求される申請用技術資料の作成を迅速、かつ効率的に行っております。含量測定、不純物評価、溶出性及び安定性試験などの理化学試験のデータ取得を行い、これらの試験結果をもとに原薬等登録原簿登録(MF登録)や製剤承認申請に必要となる実測資料の作成を行っております。

 また、製品の上市を目指し、生産部門や品質管理部門へ試験方法の技術移管をタイムリーに行い、当社の品質保証体制の支援部門として業務を担っております。