第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、顧客及びステークホルダーから選ばれ続ける企業を目指し、社是、経営理念、行動指針のもと、法令を遵守し、地球環境への配慮も行いながら、高品質な医薬品の安定供給に努め、人々の健やかな生活に貢献することを願って事業活動を展開しております。今後においては、更なる品質の向上を図るとともに、医薬品の新たな分野、新たな技術への挑戦を行い、世界を舞台として優れた医薬品を提供する企業に成長することを目指しております。

(社是)

 創造 闘志 誠実

 一、アイデアをもち考える人間

 一、実行力と根性のある人間

 一、自分は企業を守る人間

(経営理念)

 社員が「楽しい会社、楽しい仕事」を実感できる働きやすい職場を作り、健康な社会作りに貢献し、選ばれ続ける企業を目指します。

 ・「楽しい会社」とは

 社員自らの成長と会社の成長が連動し、いきいきと楽しく仕事ができる会社

 ・「楽しい仕事」とは

 病を治したい患者さんや健康を求めるお客様に役立つように、社会に対して製品を供給する喜びを味わえる仕事

(行動指針)

 経営理念のもと、選ばれ続ける企業を目指します。

 ・誠実な姿勢     法令を遵守し、公正、公平に活動します

 ・みなさまからの信頼 更なる品質の向上とお客さまへの確実な供給を行います

 ・社会への貢献    日々の活動を通し、みなさまを支えます

 ・環境との調和    環境に配慮し、地球とともに歩みます

 ・更なる挑戦     新たな分野、新たな技術へ挑戦します

 ・世界への飛躍    世界を舞台として優れた医薬品を提供します

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、原薬及び製剤の製造販売と仕入販売という事業を推進するに当たり、国内外の医薬品事業を取り巻く環境の変化に対して適切な対応を行うことが、継続的な事業の発展において重要であると認識しております。今後、医薬品業界・ジェネリック医薬品業界を取り巻く環境が厳しさを増すものと予想されるなか、当社グループは令和5年5月期までの3カ年中期経営計画を策定し、以下の経営戦略を柱とし、さらなる成長を目指しております。

 ・高薬理活性製剤の受託拡大及び自社製販品目の開発

 ・日本・中国を通じた原薬生産体制の最適化

 ・米国・中国を中心とした海外展開強化

 ・新技術・新領域への挑戦

 ・100年企業を見据えた人材の育成

経営数値目標は、以下の通りであります。

  令和5年5月期目標

 ・連結売上高    44,500百万円*

 ・連結営業利益    5,500百万円

 ・連結営業利益率   12.4%

 ・連結ROE      8.0%以上

*令和4年5月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、上記の3カ年中期経営計画は当該会計基準等を適用した後の金額とし、連結売上高は従前の53,000百万円から44,500百万円に変更しております。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、持続的な成長を支えるための収益力の確保と経営体質の強化を図るという観点より、営業利益(率)、自己資本比率、自己資本当期純利益率(ROE)等を重要な経営指標としております。

 

 

(4)経営環境

 当社グループは、医薬品の原料である原薬から最終的な製剤までの製造・販売を幅広く行うことにより、医薬品業界における様々なニーズに応え、信頼をかちえてきました。

 ジェネリック医薬品については、平成29年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。令和3年1月~3月期には数量シェアが80.1%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。

 しかしながら、令和3年度より毎年薬価改定が実施されることが決まっており、薬価の切り下げを中心とした社会保障費抑制策を受け、日本の医薬品市場は今後厳しい状況で推移するものと予想されます。

 当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の当社の経営環境に対する影響は軽微でありました。今後の新型コロナウイルス感染症の当社への影響は不透明ですが、当連結会計年度において影響が軽微であったことから、新型コロナウイルスの影響で当社の経営方針・経営戦略等を見直す必要はないと判断しております。

 今後、医薬品業界・ジェネリック医薬品業界を取り巻く環境が厳しさを増すものと予想されるなか、今後当社グループが更なる成長を遂げるため、以下の事項が重要な課題であると認識しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①原薬事業の生産体制の最適化及び安定供給

 近年中国における環境規制の強化や、輸入医薬品原薬から発がん性物質が検出されたことによる医薬品原薬の品質及び安定供給問題が発生し、国内製医薬品原薬に対する需要が増加しております。

 また当社グループとして安定供給体制の確立とともに、既存の原薬製造設備を含めた安全対策の強化及び生産の合理化、効率化の必要性も高まっております。

 当社及び子会社の大和薬品工業株式会社並びに出資先である千輝薬業(安徽)有限責任公司、安徽鼎旺医薬有限責任公司との生産体制の最適化を図るとともに設備能力増強の一環として、当社本社工場敷地内に自動化設備を導入した新原薬棟(第七原薬棟)を新設し、医薬品原薬の安定供給体制及び安全対策の一層の強化を図る予定としております。(令和3年5月着工、令和4年5月竣工予定)

 新原薬棟のいち早い稼働開始と当社グループの生産体制の最適化を図る方針であります。

 

②高薬理活性領域への対応

 当社グループでは、内服用の固形製剤を中心とした製造を行っておりますが、今後の事業拡大を図るとき、新しい薬効領域への取組みが必要であると考えております。

 その中でも、市場の急速な拡大が見込まれる抗癌剤等の高薬理活性領域への取組みを重要視しております。当社はその取組みの一環として、本社構内において高薬理活性製剤を製造する「第七製剤棟」が平成26年12月に竣工したことに続き、高薬理活性製剤の開発と分析及び治験薬等少量製品の生産を行う「高薬理R&Dセンター」を建設し平成29年6月に竣工しました。また高薬理活性製剤を製造する「第八製剤棟」を建設し、平成30年11月に竣工しました。「第八製剤棟」においては新たなラインを増設し、令和2年12月に竣工し、現在商用生産の準備を行っております。

 当該領域においては高薬理活性製剤事業の研究開発体制の整備・強化を図るとともに、治験薬製造及び製剤から包装までの一貫製造が可能な体制を完備し、一層事業展開を充実させていく方針であります。

 

③ジェネリック医薬品市場の今後への対応

 近年、わが国においては、医療費を抑制するための政府の重点施策としてジェネリック医薬品の使用促進が行われております。平成29年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。令和3年1月~3月期には数量シェアが80.1%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。

 一方で、令和3年度より毎年薬価改定が実施されることが決まっており、ジェネリック医薬品業界にとって厳しい状況が続くことが予想されます。

 そうした中で、当社グループは、原薬及び製剤の新たなジェネリック品目のタイムリーな研究開発を促進するとともに、生産設備の拡充及び生産効率の向上に努め、収益の確保を図っていく方針であります。

 

④新規製造受託の推進

 医薬品の製造受託市場は、企業間競争の激化や各社の方針転換等がみられるものの、全体としては拡大傾向にあります。そうした中で、当社グループは、高薬理製剤を含む医療用医薬品を中心として、原薬・製剤共に外資系メーカーや国内大手メーカーからの新規製造受託の獲得に努め、生産設備を最大限に活用することにより、収益の拡大を図っていく方針であります。

 

⑤海外展開の強化

 当社グループでは、国内市場における継続的な事業の拡大を図っておりますが、中長期的な視野から当社グループの更なる成長を図るとき、海外市場への進出が重要であると考えております。

 現在のところ、米国、中国の2大市場を主なターゲットとし、製剤の販売承認の早期取得に向け、鋭意準備を進めております。今後は、販売体制の整備や、更なる候補品目の選定及び開発を推進させていく方針であります。

 なお、中国においては、当社子会社の大桐製薬(中国)有限責任公司にて日本からの製造受託も行っており、今後は製造受託品目の増加及び中国市場での販売も視野に入れ、工場の安定稼働及び販売強化を図る方針であります。

 

⑥人材の確保・育成

 当社グループでは、医療用医薬品から一般用医薬品に至る原薬及び製剤の製造販売、仕入販売、製造受託といった多岐にわたる事業展開を行っており、こうした中で事業の拡大を図るためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠であります。今後においては特に、海外展開や高薬理活性領域に係る研究開発業務及び各種申請業務等に精通した人材の確保と育成が必須であり、これらを含め、グループ全体としての組織体制の強化を図っていく方針であります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性についての主な事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスク発生可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが本株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、文中における将来に係る事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 

(1)当社グループの事業内容について

 当社グループは、①原薬の製造販売及び仕入販売、②他社開発の製剤の製造受託並びに③自社開発または共同開発による製剤の製造販売を主幹事業としております。

 

① 原薬の製造販売及び仕入販売

 原薬の各品目は、基本的にはそれぞれ顧客が製造する特定の製剤の品目と紐付いて継続的に販売されますが、その販売量は当該製剤の市場での販売動向及び顧客の生産量調整による影響を受けます。また、当社グループの顧客であるジェネリックメーカー等の医薬品開発戦略の変更や原薬製造の内製化等の製造委託に係る方針転換等があった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、後述のとおり、当社グループは新薬メーカー等からの製造受託を行っているため、当該受託品目に関連するジェネリック医薬品向け原薬に係る受注が制約される場合があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは常に市場の動向を把握し、顧客との連絡を密に取り顧客の生産調整、開発戦略及び製造委託に係る方針転換について情報収集に努め、販売減少のリスクを低減すると共に、市場及び顧客のニーズに対応する製品の提案を行い、販売の拡大に努めております。

 

② 他社開発の製剤の製造受託

 他社開発の製剤の製造受託に係る当社グループの収益は、当該製剤の市場での販売動向及び当該製剤に係る顧客の販売方針による影響を受けます。また、当社グループの顧客である製薬会社の医薬品開発戦略の変更や医薬品製造の内製化等の製造委託に係る方針転換等があった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは常に製剤市場の動向の把握及び顧客の販売方針の情報収集を行い、市場及び顧客のニーズに対応する製造、品質管理体制の整備に努め、製造受託を獲得するための活動を行っております。

 

③ 自社開発または共同開発による製剤の製造販売

 当社グループは大手医薬品販売業者や医療機関向けの営業を行っていないことから、製剤の自社開発を行う場合、その販売を担う、競合品を取り扱っていない他の医薬品メーカー等を確保する必要があります。したがって、そうした医薬品メーカー等を確保できない場合等においては、自社開発の医薬品製造販売を行うことができない可能性があります。また、自社開発または共同開発による製剤の製造販売に係る当社グループの収益は、当該製剤の市場での販売動向及び当該製剤の販売を担う医薬品メーカー等の販売方針に影響を受けます。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは販売を委託する医薬品メーカーとの関係維持及び新規開拓に努め、自社開発の医薬品を販売するための医薬品メーカー等への積極的な営業活動を行っております。

 

(2)ジェネリック医薬品市場の動向について

 高齢化社会の進展に伴い、日本の国民医療費は長期にわたり増加傾向にあり、こうした医療費の増加傾向を抑制するため政府はジェネリック医薬品の使用促進を進めております。平成29年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。令和3年1月~3月期には数量シェアが80.1%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。

 当社グループは、ジェネリックメーカー向けの医薬品原薬の販売及び自社開発または共同開発による製剤の製造販売の強化を図っておりますが、政策転換その他の理由によってジェネリック医薬品市場の成長が停滞した場合、当社グループの経営成績等に影響を受ける可能性があります。なお、令和3年5月期において、当社グループのジェネリック医薬品に関連する売上高(連結)は、当社グループの売上高(連結)総額の8割程度を占めております。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは常にジェネリック医薬品市場の動向及び政府のジェネリック医薬品に対する方針の動向を注視し、事業展開の検討を行っております。またジェネリック市場の中でも今後成長が見込める高薬理活性製剤領域に注力するなどの対応を行っております。

 

(3)薬価改定、政府による医療保険制度の見直し等について

 医療用医薬品は政府の定める薬価基準により保険償還価格が決められております。薬価基準は、市場における売買価格の実勢価格調査の結果に基づき、これまで原則として2年に一度改定されていましたが、令和3年度から毎年改定されることが決まっております。

 薬価改定後には、販売価格低下等の影響を受ける可能性があります。また、医療保険財政の悪化に伴い、政府は医療保険制度を抜本的に見直す方針であるため、その内容によっては当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは医療保険制度の方針の見直しに関する情報収集を行い、事業展開を検討すると共に、製品の価値に見合った適正価格での販売に努め、また生産効率化による原価低減活動を行っております。

 

(4)法改正及び法規制等に関するリスク

 当社グループは医薬品の製造、販売に関して薬機法、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則及びそれらに関するGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)関連法令の規制を受けており、主に下表のような承認・許認可等を受けております。当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりこれらの許認可等が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、今後これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約され、各業務の遅滞が発生した場合等には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは関連法規等の情報収集を行い、法令に従った対応を実施し、リスク低減に努めております。

 

(当社)

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

医薬品卸売販売業許可

富山県

富山県知事許可

(第 富卸0163号)

令和9年5月27日

(6年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

東京都

東京都知事許可

(第5301120444号)

令和6年7月29日

(6年ごとの更新)

大阪府

大阪府知事許可

(B10145号)

令和9年7月25日

(6年ごとの更新)

第一種医薬品製造販売業許可

富山県

富山県知事許可

(16A1X00010)

令和6年9月30日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

第二種医薬品製造販売業許可

富山県

富山県知事許可

(16A2X00047)

令和6年9月30日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

 

 

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

医薬品製造業許可

富山県

富山県知事許可

(16AZ000317)

令和6年9月30日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

医薬部外品製造業許可

富山県

富山県知事許可

(16DZ200029)

令和4年5月14日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

医薬部外品製造販売業許可

富山県

富山県知事許可

(16DOX10018)

令和6年11月11日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

 

(大和薬品工業株式会社)

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

医薬品製造業許可

富山県

富山県知事許可

(16AZ000183)

令和3年12月31日

(5年ごとの更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項)

 

 

(5)販売中止、製品回収、製造物責任等に関するリスク

 医薬品の発売後には、発売前に予期していなかった副作用が確認されたり、製造過程での製品への異物混入等が発見されたりすることがあります。また、薬機法に基づく再審査や再評価において、品質、有効性もしくは安全性に関して不適当と評価される場合があります。当社グループが原薬の供給もしくは製造の受託を行う医薬品、または当社グループの自社開発製品に関してこれらの事態による販売中止、製品回収もしくは損害賠償等が発生した場合、当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 また、当社グループは、健康食品の販売も行っており、品質不良等によって消費者に健康被害を与えるような事態が発生した場合、当該製品の販売減少、損害賠償の発生または当社グループのブランドイメージの毀損等によって当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは品質管理及び品質保証体制を整えリスク低減に努めるとともに、生産物賠償責任保険を付保するなどの対応を行っております。

 

(6)知的財産権について

 当社グループが製造販売するジェネリック医薬品に関しては、結晶形、製法、製剤等に関する特許権あるいは剤形に関する意匠権等、他社の権利が残存している場合が多いため、当社グループは、物質・用途特許をはじめ、各種特許を中心とした知的財産権に関し徹底した調査を実施しております。しかしながら、特許抵触の疑義があることを理由に訴訟提起される場合があり、このような事態が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは事業に関連する各種法令を遵守するのはもちろんのこと、弁護士その他の専門家の協力も得ながら、適切な契約の締結による権利義務の明確化、他者の権利の調査等、紛争の未然防止に努めております。

 

(7)設備投資に関するリスク

 当社グループは多種多様な製造品目及び製造工程を取扱うことから、少数の製造品目や製造工程のみを取扱う同業者と比較すると、収益に対応した設備投資負担が相対的に大きくなっていると考えられます。また、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、新たな製造品目や製造工程の取扱いに対応した設備投資が必要となります。

 こうした設備投資が遅延した場合には、受注機会の喪失等により、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。一方、大規模な設備投資を行った場合、原薬及び製剤を製造する際の特徴上、本格的な生産に至るまでに一定の期間を要するため、減価償却費が先行的に発生することによって売上原価率が大きく上昇する可能性があります。また、大規模な設備投資を行った際に想定していた受注を期待通りに獲得できなかった場合には、当社グループの経営成績等は重大な影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは経営戦略及び収益性等の観点から十分に検討した上で設備投資の判断を行い、リスク低減に努めております。

 

(8)自然災害、感染症、事故等について

 当社グループの生産拠点が集中している富山県における大規模な自然災害や、感染症の流行、当社グループの製造施設における事故等が発生した場合、製造設備等への損害、生産活動の停止、取引先や製造施設近隣住民への補償等により、当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは危機の事前回避および危機発生時に迅速な対応を行うため危機管理委員会を組織し、また大規模な災害が発生した場合も事業を継続できるよう事業継続活動計画を策定し、災害発生時の対応能力の継続的向上に取り組んでおります。加えて、火災保険、水害保険、賠償責任保険といった各種の保険を付保するなどの対応を行っています。また令和2年初頭から感染が拡大している新型コロナウイルス感染症への対応として、出張の自粛や停止、一部従業員の在宅勤務、従業員同士が一定の距離を保つための執務室の分散等の感染防止対策を実施しております。

 

(9)原材料または商品の仕入等が困難になるリスク

 当社グループは、一部の原材料及び商品の仕入や外注加工に関して、海外企業を含む特定の取引先に依存しているものがあり、災害等の要因によってそうした原材料や商品の仕入または外注加工が困難になり、重要な製品の製造停止や重要な仕入販売取引の停止等を余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは複数購買による購買ルートの検討、確保等を進めることにより、安定した原材料及び商品の調達に努めております。

 

(10)原材料または商品の仕入価格の変動に関するリスク

 当社グループは海外からの仕入が多く、原薬及び製剤の製造販売に係る原材料や仕入販売に係る原薬等の価格が為替相場等の事情によって急激に変動した場合コストアップ要因となり、当社グループの経営成績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは外貨建て取引に係る為替変動リスクに対し、先物為替予約取引等によって一定程度のリスクヘッジを行っております。

 

(11)有利子負債について

 当社グループでは、事業拡大に必要な資金の一部を金融機関からの借入によって調達しております。今後当社グループは、資金調達手段の多様化に積極的に取り組み、有利子負債比率の低減による財務体質の改善、自己資本の充実を図る方針であります。今後、市場金利が上昇した場合には、当社グループの借入金利も上昇することが予想され、その場合には当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、金融機関からの借入の一部には、純資産や経常損益の金額等を基準とした財務制限条項が付されているものがあり、将来においてこうした財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失した場合等には、当社グループの資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは自己資本比率などを指標に一定の財務健全性を維持するよう努めるとともに、金融機関などとの健全かつ良好な関係の維持に努めております。

 

 

(12)取引先の企業再編によるリスク

 当社グループの取引先において企業統合や合併が発生した場合、あるいは外資企業の進出に伴い取引先がその傘下に入ること等が発生した場合には、取引高が減少する可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは取引先との良好な関係維持及び企業再編に係る情報収集に努め、企業再編が発生した場合には迅速に対応を行い取引高の減少等の影響を最小限とするよう努めております。

 

(13)環境保全に関するリスク

 医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。万一当社グループの事業活動に起因する環境問題が発生した場合、損害賠償の発生やブランドイメージの毀損等により、経営成績等が影響を受ける可能性があります。また、環境保全に係る法規制の改定に伴って多額の対策費用が発生する場合等においても、当社グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは土壌汚染、水質汚染及び悪臭等の発生を防ぐため、環境保全に係る法規制を遵守し、化学物質の保管や取扱方法を厳格に定め、モニタリングによる適正管理を実施するなどの対応を行っております。

 

(14)競合に関するリスク

 現状、日本国内の品質基準への対応の面で当社グループは優位にあるものと考えておりますが、今後、大手外資系原薬バルクメーカーが国内企業の買収等によって日本市場への参入を図る可能性があり、そうした海外企業が増加した場合、当社グループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは変化し続ける医薬品業界や顧客のニーズに対応した製品及び競争力のある製品の開発、製造、販売を行うなどの対応を行っております。

 

(15)製商品の品質の維持に関するリスク

 当社グループは、製造販売、仕入販売もしくは受託製造する原薬及び製剤の品質に関して、生産管理の徹底、継続的な研究開発に基づく創意工夫及び適格な人材の確保等によってその維持・向上に取り組んでおり、製品の品質に関しては日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)だけでなく、FDA(米国食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)の基準にも適合する生産体制を備えております。しかしながら、何らかの事情によってこうした生産体制の維持が困難となり、製商品の品質低下が生じた場合、新規取引獲得に係る競争力の低下や既存の継続的取引の喪失等により、当社グループの経営成績及び財政状態は重大な影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは生産物賠償責任保険をはじめとした賠償責任保険を付保するほか、必要に応じ、顧客との契約によって責任範囲を明確化するなどの対応を行っております。

 

(16)海外での事業展開に関するリスク

 当社グループは、中国及び米国等海外での事業展開を進めております。海外では法規制や行政指導のあり方等を含めて事業環境が異なることから、予期せぬ費用の発生等により、当社グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは可能な限り効果的かつ速やかな対応をするべく、現地に派遣している従業員、合弁相手、関係当局その他からの情報収集を行い、リスクの低減に努めております。

 

(17)機密情報の管理について

 当社グループは、原薬の製造販売や製剤の業務受託等において、取引先の生産計画や新製品の開発に関する機密性の高い情報を取得する場合があります。何らかの要因で情報漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用の失墜等により、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは情報管理に関する規定等を整備し、従業員へ情報管理の重要性を周知徹底し、情報漏洩の防止を図っております。

 

(18)研究開発について

 当社グループは、原薬及び製剤の製造販売や業務受託等に関して研究開発活動を行っております。こうした研究開発活動は、製造販売や業務受託の開始に数年間先行して開始する場合がほとんどですが、これらの活動に関する投資については、必ずしも期待通りに収益獲得に結び付かない可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループではこれらのリスクを考慮し十分に検討した上で開発品目の選定を行い、また綿密な開発計画の策定と進捗管理を行っております。

 

(19)固定資産に関するリスク

 当社グループは、多額の固定資産(建物、機械装置、土地、投資有価証券等)を所有しているため、経営環境の変化等に伴ってそれらの価値が著しく変動し、減損損失、除却・売却による損失、評価差額の変動等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは経営戦略及び収益性等の観点から十分に検討した上で固定資産取得の判断を行い、また取得後もモニタリングを行い、事業を執行、管理する体制を整備しております。

 

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、厳しい状況で推移しました。段階的に経済活動を再開し、緩やかな回復の傾向があるものの、全国各地に感染拡散がみられ、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 医薬品業界におきましては、平成29年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。令和3年1月~3月期には数量シェアが80.1%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。しかしながら、令和元年10月には消費税率引き上げに伴う薬価改定が実施され、令和2年4月には2年に1回の通常の薬価改定が実施されました。さらに令和3年4月に薬価改定が行われ、今後毎年薬価改定が実施されることが決まっており、医薬品業界の事業環境は厳しいものとなることが予想され、当社としても一層の経営効率化への努力が求められております。

 昨今の医薬品における品質に係る問題により、医薬品業界の置かれる環境は厳しさを増しておりますが、当社では日々の生産における製造管理・品質管理を徹底するとともに、見直すべき点があれば積極的に改善を進め、より一層の製造管理及び品質管理の強化に取り組んでおります。

 このような状況のもと、当社グループは生産基盤の充実を図りながら積極的な営業活動を展開いたしました。

 売上高の販売品目ごとの業績は次のとおりであります。

 原薬では、血圧降下剤原薬、消炎鎮痛剤原薬及び抗アレルギー剤原薬等のジェネリック医薬品向け原薬の販売増加、新薬中間体や長期収載品の原薬受託製造の販売増加、並びに海外向け原薬の販売増加があり堅調に推移し、売上高は25,459百万円(前期比5.2%増)となりました。

 製剤では、自社開発ジェネリック医薬品及び高薬理活性製剤の販売増加、医療用医薬品における新規の新薬や長期収載品の製造受託の販売増加があり順調に推移し、売上高は22,948百万円(前期比11.8%増)となりました。

 健康食品他につきましては、順調に推移し、売上高は307百万円(前期比23.2%増)となりました。

 新型コロナウイルス感染症の流行による当連結会計年度への影響は軽微でありました。

 これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高48,714百万円(前期比8.3%増)となりました。

 営業利益につきましては、設備投資による減価償却費の増加や研究開発費の増加等があった一方、売上の増加による利益の増加や円高に伴う原材料費の低減等があった結果5,908百万円(前期比10.3%増)となりました。

 経常利益につきましては為替差益の増加等により6,067百万円(前期比11.1%増)となりました。また特別損益において減損損失の計上等があり、親会社株主に帰属する当期純利益4,246百万円(前期比7.6%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ288百万円の増加となり、3,372百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は5,182百万円(前期比876百万円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額3,609百万円、法人税等の支払額2,088百万円等があった一方で、税金等調整前当期純利益5,873百万円、減価償却費3,154百万円、売上債権の減少額2,723百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は6,324百万円(前期比3,642百万円の増加)となりました。これは主に、生産設備の拡充に伴う有形固定資産の取得による支出6,318百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は1,424百万円(前年同期は350百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,712百万円、配当金の支払額658百万円等があった一方で、長期借入による収入2,000百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,798百万円等があったことによるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 令和2年6月1日

至 令和3年5月31日)

前年同期比(%)

原   薬(千円)

17,208,734

115.1

製   剤(千円)

20,104,287

113.1

健康食品他(千円)

合計(千円)

37,313,021

114.0

(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの生産実績を記載しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 令和2年6月1日

至 令和3年5月31日)

前年同期比(%)

原   薬(千円)

7,785,773

89.0

製   剤(千円)

2,904,280

93.7

健康食品他(千円)

234,170

116.8

合計(千円)

10,924,224

90.7

(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの商品仕入実績を記載しております。

2.金額は実際仕入額によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 令和2年6月1日

至 令和3年5月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

製   剤

22,079,684

111.1

6,664,201

142.1

(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの受注実績を記載しております。

また、当社は製剤の一部について受注生産を行っているため、その分の金額を記載しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 令和2年6月1日

至 令和3年5月31日)

前年同期比(%)

原   薬(千円)

25,459,038

105.2

製   剤(千円)

22,948,004

111.8

健康食品他(千円)

307,950

123.2

合計(千円)

48,714,993

108.3

(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの販売実績を記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 令和元年6月1日

至 令和2年5月31日)

当連結会計年度

(自 令和2年6月1日

至 令和3年5月31日)

 金額(千円)

 割合(%)

 金額(千円)

 割合(%)

 日医工株式会社

6,849,214

15.2

7,471,103

15.3

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 なお、2020年初頭から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしており、さらに、その影響が長期化されることが懸念されております。当社グループにおいては、その影響を最小限にすべく取り組んでおり、また生産活動、事業活動については計画どおり活動を継続しており、現時点において新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループの事業活動に及ぼす影響については限定的であることから、重要な会計上の見積りに織り込んでおりません。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 医薬品業界におきましては、平成29年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。令和3年1月~3月期には数量シェアが80.1%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。しかしながら、令和元年10月には消費税率引き上げに伴う薬価改定が実施され、令和2年4月には2年に1回の通常の薬価改定が実施されました。さらに令和3年度からは、毎年薬価改定が実施されることが決まっており、医薬品業界の事業環境は厳しいものとなることが予想され、当社としても一層の経営効率化への努力が求められております。

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

a.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は48,714百万円となり、前連結会計年度に比べ3,723百万円増加しました。これは主に、ジェネリック医薬品向け原薬、自社開発のジェネリック医薬品、長期収載品目の製造受託の販売増加があり順調に推移したことによるものであります。

 

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は37,917百万円となり、前連結会計年度に比べ2,404百万円増加しました。これは主に、売上高の増加に伴う原材料費の増加などがあったためであります。

 この結果、差引売上総利益は10,791百万円となり、前連結会計年度に比べ1,307百万円増加しました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,883百万円となり、前連結会計年度に比べ755百万円増加しました。これは主に、研究開発費及び人件費の増加などがあったことによるものであります。

 この結果、当連結会計年度の営業利益は5,908百万円となり、前連結会計年度に比べ551百万円増加しました。

 

(営業外損益)

 当連結会計年度の営業外収益は、為替差益の増加などにより197百万円となり、前連結会計年度に比べ66百万円増加しました。営業外費用は支払手数料の増加などにより39百万円となり、前連結会計年度に比べ13百万円増加しました。

 この結果、当連結会計年度の経常利益は6,067百万円となり、前連結会計年度に比べ604百万円増加しました。

 

(特別損益)

 当連結会計年度の特別利益は125百万円となり、前連結会計年度に比べ179百万円減少しました。これは主に、投資有価証券売却益の減少によるものであります。特別損失は318百万円となり、前連結会計年度に比べ146百万円増加しました。これは主に子会社が保有する固定資産に関する減損損失の計上があったことによるものであります。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,246百万円となり、前連結会計年度に比べ301百万円の増加となりました。

 

 

b.財政状態の分析

<資産、負債及び純資産の状況>

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,489百万円増加し、57,739百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少683百万円、電子記録債権の減少2,076百万円等があった一方で、現金及び預金の増加288百万円、商品及び製品の増加766百万円、仕掛品の増加819百万円、原材料及び貯蔵品の増加2,034百万円、その他の流動資産の増加394百万円、建物及び構築物の増加807百万円、機械装置及び運搬具の増加756百万円並びに建設仮勘定の増加269百万円等があったことによるものであります。

 負債は、前連結会計年度末より1,559百万円減少し、15,822百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加437百万円等があった一方で、電子記録債務の減少488百万円、未払金の減少754百万円、ファクタリング債務の減少202百万円、その他の流動負債の減少521百万円等があったことによるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末より5,049百万円増加し、41,917百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の減少258百万円があった一方で、資本金の増加901百万円、資本剰余金の増加901百万円、利益剰余金の増加3,588百万円等があったことによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度より4.8ポイント増加し、72.1%となったほか、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度より0.8ポイント減少し、10.9%となっております。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

 医薬品業界におきましては、平成29年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。令和3年1月~3月期には数量シェアが80.1%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。

 しかし一方で、令和3年度より毎年薬価改定が実施されることが決まっており、ジェネリック医薬品業界にとって厳しい状況が続くことが予想されます。

 当社グループにおいて、医薬品の製造設備に関する設備投資を実施した際には、原薬及び製剤の本格的な製造に至るまでに試作期間等を含めたバリデーションのための期間が必要となります。バリデーションとは、医薬品の製造、設備及び工程において、品質特性に適合する製品が生産されることを保証し、文章化することを言います。当社グループの場合は本格的な製造を開始するまでには設備の竣工後、半年から1年程度のバリデーション期間を要することが一般的になっております。

 なお、減価償却費の計上はバリデーションの開始時期から行うため、売上高の計上よりも減価償却費の計上が先行することとなります。そのため、バリデーションは連結損益計算書において損益の悪化要因として影響することが見込まれます。

 

d.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料購入費用及び製造費用、商品仕入費用、研究開発費、生産能力強化のための設備投資費用等であります。

 これら資金需要への対応は、主に自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本としております。なお当連結会計年度においては新株予約権の行使による株式の発行による資金調達も行っております。

 新型コロナウイルスの感染拡大による財政状態への影響は、現在のところ軽微でありますが、今後の動きについては引き続き注視しつつ、財政状態へ重大な影響を与える可能性のある事象が生じた場合などにおいては、適時に対応の検討を行ってまいります。

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。

 

 

第75期

平成29年5月期

第76期

平成30年5月期

第77期

令和元年5月期

第78期

令和2年5月期

第79期

令和3年5月期

自己資本比率(%)

55.5

59.8

66.2

67.3

72.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.7

1.4

0.7

0.7

0.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

178.0

228.2

336.5

374.8

684.0

自己資本比率:自己資本/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社の研究開発は、高品質で安価なジェネリック医薬品(原薬及び製剤)及び有用性が高く安心して服用できる一般用医薬品をタイムリーに提供し、医療関係者、患者、一般消費者等から信頼、期待される活動を続けております。

研究開発本部の体制は、開発推進室、原薬研究室、製剤研究室及び物性研究室の計4つの研究室に機能を分化し、密接な連携の下、迅速で効率的な研究開発活動を推進しております。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2,032,657千円となっております。各研究室の研究開発活動の状況は次のとおりです。

 

① 開発推進室

 開発推進室では、研究開発マスタープランに基づき開発品ごとの研究開発計画を立案し、それらの進捗管理、生産部門への技術移転を含む社内調整役を担い、確実な原薬等登録原簿及び承認申請書の作成と当局対応を行っております。主な業務内容としては、新規開発の計画立案、研究開発を推進するための戦略策定、開発業務の進捗管理、研究開発レポートの照査、承認申請等の薬事業務(原薬等登録原簿・承認申請書の作成・申請並びに当局対応)、開発費のとりまとめ、知的財産権の調査状況の確認、共同開発企業や開発委託企業との連携・調整・進捗管理、生産部門への技術移転業務等を行っております。

 また、米国、中国をはじめとする海外への製剤導出を推進しております。Daito Pharmaceuticals America, Inc.、大桐製薬(中国)有限責任公司及び現地の薬事コンサルタント等と協力し、現地の薬事規制、当局対応の方法などを学びながら海外進出を進めております。

 

② 原薬研究室

 原薬研究室では、ジェネリック原薬の市場性、開発年度を精査して、開発原薬の選定を行い、その開発スケジュールを立案しています。開発が決定した原薬については、開発形態(合成ルート及び原料調査、実生産スケール、製造所および製造ライン等)を決定し、高品質で低コストの原薬生産体制を確立することを目的として、千輝薬業(安徽)有限責任公司の開発部門と協力して研究開発に取り組んでいます。各々の開発原薬に対する顧客獲得に向けて、できる限り早い段階で、ラボスケールから実生産規模の高品質の原薬を提供することを目指しています。これに加え、製造における安全性データの取得、申請において要求されるサポートデータや情報の取得、製剤化検討に求められる粉体特性を有する原薬、顧客の求める原薬情報の充実化を念頭に研究開発を進めております。

 

③ 製剤研究室

 製剤研究室では、医薬品の安全性を十分に担保できる製剤設計を重視し、ジェネリック医薬品及び一般用医薬品の自社開発及び共同開発を行っております。ジェネリック医薬品については、先発製剤との治療学的に同等となるよう製剤設計を行い、その証明としてヒトを用いた生物学的同等性試験を行っております。これらの試験結果をもとに実生産プロセスの確立を行い、さらに製剤申請に必要となる製剤設計に関する資料及び生物学的同等性試験資料の作成を行っております。また、一般用医薬品については有効成分の効能を最大限に発揮できるような処方及び製造方法を設定することにより患者様に安心して服用していただけるような開発を進めております。

 また、当研究室では、製剤設計のほか、開発した製品の工業化検討において生産規模及び製造法に応じて最適な生産系列で順調に生産されるよう、生産部門への技術移管を行っております。

 

④ 物性研究室

 物性研究室では、原薬及び製剤の新規開発に伴い、原料、中間体、原薬並びに製剤に関する規格及び試験方法の設定や品質評価など、分析関係の開発業務を行っております。理化学試験(含量、不純物、溶出性及び安定性試験など)に関するデータを取得し、これらを基に原薬等登録原簿(MF)や承認申請に必要となる実測資料を作成しております。加えて、製品の上市に向けて、生産部門や品質管理部門へ試験方法の技術移管をタイムリーに行っており、品質保証の支援部門としての役割を担っております。