第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、経営基本方針として「不動産価値創造企業として、変化する時代のスピードに対応し、一歩先のニーズを見据えます。既成概念に囚われず、新しい発想による価値を創造し、お客様の夢を叶えます。」を掲げ、他にはない価値、他にはないサービスを創造するオンリーワン企業を目指しております。

当社グループは、顧客満足なくして企業成長はあり得ないという信念のもとに、顧客満足度(購入時だけでなく購入後も含む)においてナンバーワン企業となることを目標として掲げており、お客さまに感動を与える付加価値の高い商品とサービスを提供することで社会に貢献し、利益を継続的に獲得することで、企業価値の最大化を目指してまいります。

 

(2)経営戦略等

当期の当社グループを取り巻く外部環境は、新型コロナウイルス感染症感染拡大により、未だ経済・社会活動の抑制を余儀なくされ、度重なる緊急事態宣言発令を背景に個人消費も低水準で一進一退を繰り返す等、厳しい状況が継続しております。一方で、世界的にワクチン接種が始まり、経済活動は徐々に正常化に向け動き出すことが期待されるものの、国内においては感染者数が上昇し予断を許さない状況であります。

これらの状況を踏まえ、当社グループといたしましては、「事業の選択と集中」を掲げ、当社グループの主たる事業でありますマンション開発事業へ資源を集中させ、今後の成長に向けて事業基盤の強化に努めてまいります。多様化するニーズを的確に捉え、これに迅速に対応した商品企画とデザイン性の高い商品提供を目指し、新築分譲マンション、収益マンションの仕入、開発、販売を強化してまいります。

(3)目標とする経営指標

顧客支持を前提とした、THEグローバル社グループ及びウィルローズブランドの知名度向上やブランド確立によって、売上高経常利益率8%以上、経常利益及び純利益の年成長率10%以上を、目標とする経営指標として掲げております。

 

(4)経営環境

 当社が手掛けるホテル業界におきましては、2020年4月以降訪日外客数は依然として2019年の同月比99%以上減少と低迷が続いております(日本政府観光局(JNTO)資料参照)。国内市場におきましても、一時的に政府の観光支援施策等により回復傾向が期待された時期もありましたが、全国的な行動規制は現在も継続しております。観光地として、国内人気に加え訪日外国人からの人気も高い当社主力の京都エリアにおいて、その影響は大きく厳しい状況であります。

 このような状況下当社グループでは、京都においてホテル3棟の引渡しを行いました。また、開発中ホテルの売却活動、経費削減施策の実施、コロナウイルス感染症収束後の運営及びブランド戦略活動に努めました。運営においては、政府の観光支援施策等で回復が期待された時期もありましたが、繰り返される新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言等の影響により、継続的に一部のホテルを除いた休業を余儀なくされております。

 不動産業界におきましては、首都圏の分譲マンション市場は、2020年最初の緊急事態宣言で供給が大きく落ち込みましたが、下期より徐々に回復傾向となり、2021年上期の供給戸数はコロナ禍前と同水準まで回復しました。また、価格は多少の下振れはあったものの高水準を推移、初月契約率は72.5%と好調に推移しております(不動産経済研究所資料参照)。投資用マンション市場は、賃貸需要を支える若い層の安定的な首都圏への転入超過に加え、ファンド及びリート、個人投資家などの需要は旺盛、価格帯のバリエーション等により年金対策や相続など様々なニーズに応えられる市場となっており継続的に堅調に推移しております。

 当社グループでは、分譲マンションの新規開発及び販売、引渡しを進めるとともに、都内主要エリア及び都心近郊の実需分譲マンション、投資用マンション用地の仕入れ活動を強化しております。

 以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は18,355百万円(前期比28.6%減)、営業損失2,030百万円(前年同期は営業損失2,025百万円)、経常損失3,087百万円(前年同期は経常損失4,268百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失4,089百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失4,836百万円)となりました。

 

(5)事業上及び財務上対処すべき課題

当社グループを取り巻く外部環境は、これまで新型コロナワクチン接種の進展が感染収束の切り札になると期待されてきたものの、本年7月以降のデルタ株の爆発的な感染拡大を受け、個人消費を中心に感染拡大防止と経済活性化を慎重にバランスさせていく状況が続くと見込まれます。

このような環境の中、昨年12月から親会社となった株式会社アスコット、および同社の大株主であるSBIグループの支援のもと財務体質改善や事業シナジー実現に向け推進しております。本年6月、ホテル物件に係る借入約121億円を長期化するリファイナンス(株式会社みずほ銀行をアレンジャーとして約67億円のシンジケートローンと株式会社アスコットから54億円の追加融資)を実行しております。また、本年6月からSBIグループに参加した不動産ファンドを組成予定である東西アセット・マネジメント株式会社と業務提携等も開始しております。

当社グループは、得意領域であるマンション開発事業へ資源を集中させ、今後の成長に向けて事業基盤の強化に努めてまいります。多様化するニーズを的確に捉え、これに迅速に対応した商品企画とデザイン性の高い商品提供を目指し、新築分譲マンション、収益マンションの仕入、開発、販売を強化してまいります。

ホテル事業におきましては、新型コロナ感染症収束に向けて継続的に投資家との交渉を重ねつつ、運営稼働再開についてはブランド戦略の構築を重視した慎重な対応を行って参ります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業内容その他に関するリスクについて、投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)有利子負債への依存と金利変動の影響について

当社グループは、用地の取得資金及び建築資金を主に金融機関からの借入金により調達しており、有利子負債依存度が高い水準にあります。今後においても、事業拡大に伴い有利子負債は高い水準で推移するものと想定され、資金借入が十分に行えなくなった場合や金利が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

項目

前連結会計年度末

(2020年6月30日)

当連結会計年度末

(2021年6月30日)

 

 

 

千円

千円

 

有利子負債残高

(A)

37,419,640

27,925,578

 

短期借入金

7,920,813

2,492,248

 

1年内返済予定の長期借入金

13,273,704

4,366,885

 

長期借入金

13,985,259

19,125,160

 

1年内償還予定の社債

255,000

100,000

 

社債

1,840,000

1,740,000

 

その他有利子負債

144,863

101,284

 

総資産額

(B)

46,303,891

33,002,784

 

有利子負債依存度

(A/B)

80.81

84.62

 

(2)金融機関からの資金調達にかかるリスクについて

当社グループの不動産開発において、多くは土地仕入時に金融機関から事業資金の借入を行っております。それゆえ、計画通りに物件の引渡ができない場合、借入先である金融機関との良好な関係が維持できなくなった場合には、返済期限の延長ができなかったり、資金回収前に金融機関から返済を求められ、代替の資金調達ができなかった場合には、資金繰りに窮する可能性があります。

 

(3)不動産市況の悪化によるリスクについて

当社グループの事業は、景気動向、金利動向、地価動向及び税制改正等の影響を受けやすいため、経済・雇用情勢等の悪化により、不動産に対する消費者の購入意欲や投資家による投資意欲が減退した場合、または仕入済の開発用不動産及び商品である販売用不動産の価値の下落が起こった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)用地取得にかかるリスクについて

当社グループでは、仕入物件の選定基準として、事業採算性の見地から所定の基準を設けておりますが、不動産市況の変化や用地取得競争の激化等により、当社グループの基準や事業戦略に合う優良な土地を仕入れることが困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)競合について

不動産業においては、事業を営むために宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者の免許を受ける必要がありますが、一般的に参入障壁が高いとは言えず、多くの不動産業者が激しく競争している状況にあります。

今後、競争による分譲価格の下落が生じた場合、または販売代理事業における販売委託元のデベロッパーが、他社に販売を委託するまたは自社で販売するようになり、当社グループの販売受託が減ることとなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)建築工事等について

当社グループは、マンション事業、戸建事業における建築工事は外注により行っております。外注先の選定にあたっては品質、建築工期及びコスト等を総合的に勘案して決定しており、特定の外注先に依存しないように努めております。

当社グループは、品質管理及び工期遅延防止のため、毎週工程進捗会議を行い、物件の進捗や問題点の報告検討及び対応の方向性の確認を行うとともに、設計監理者及び外注先との定例会議を行うことにより、工期スケジュール等の確認を行っております。しかしながら、工事中の事故、外注先の倒産や請負契約の不履行、その他予期せぬ事象が発生した場合、工事の中止及び遅延、建築コストの上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)瑕疵担保リスクについて

当社グループは、マンション事業、戸建事業における建築工事は外注により行っており、当社グループが販売する建物の瑕疵については、外注先の施工会社の工事保証にて担保しております。しかしながら、施工会社の財政状態が悪化または破綻する等により施工会社が負うべき瑕疵担保責任が履行されない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは、財団法人住宅保証機構の登録業者となり、当社グループが分譲する住宅は、住宅性能保証制度に登録しておりますので、当該制度の保険に裏付けされた10年保証により、購入者の保護がなされております。

また、土地については土地の仕入時及び開発中において、後述の通り調査を行っておりますが、物件の引渡後瑕疵が発見され、当社グループが是正又は賠償する必要が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)土地仕入時において予測できないリスクについて

当社グループでは、土地の仕入に際して、さまざまな調査を行い、土地仕入の意思決定をしておりますが、土地仕入時には予想がつかない土壌汚染や地中埋設物等の瑕疵が発見された場合や近隣への建築工事中の騒音や竣工後の日影の影響等に対する近隣住民の反対運動が発生した場合には、プロジェクトの工程に遅れをきたすと同時に、追加費用が発生する場合があります。

当社グループの開発物件におきまして、予想を超えた地中障害や近隣反対運動等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)有害物質対策について

当社グループは、マンション事業並びに戸建事業におきまして土地建物の取得を行っており、当該土地上に解体を目的とした既存建物が存在している場合、アスベストやPCB等の有害物質の使用状況に関して確認を行っております。有害物質の使用が確認された場合、飛散または流出防止対策を実施するとともに解体により発生した廃棄物は法令に基づいた処理を行っております。

しかしながら、有害物質が経年劣化等により飛散又は流出する恐れが生じた場合や、当社グループが想定する範囲を越えて使用が判明した場合には、有害物質の除去又は封じ込め等の費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)事業に係る法的規制について

当社グループ各社は、事業に必要な宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者の免許やマンション管理適正化推進法に基づくマンション管理業者の登録を受けており、各法令上の規制と当局の監督を受けます。また、各事業の継続には、かかる許認可が必要なため、仮にこれらの取消事由等に該当する何らかの問題が発生し、業務停止命令や許認可の取消処分を受けた場合には、当社グループの事業遂行に支障をきたす場合があります。

その他当社グループの事業にかかる法的規制としては、都市計画法、建築基準法、宅地造成等規制法、消防法、各自治体等が定めた条例等があります。当社グループはこれらの法令を遵守しておりますが、今後法令等の改正又は新たな規制の制定によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)個人情報の保護について

当社グループでは、主にマンション事業、戸建事業、販売代理事業、建物管理事業を通じて多数のお客様の個人情報を取り扱っており、その取扱いには十分な注意を払っております。当社グループのホームページにおきましても個人情報保護方針を掲載し、個人情報の取り扱いについて説明を行っております。個人情報の機密保持につきましては、施錠されたロッカーに保管し、電子ファイルはパスワードによる管理を行っております。また、当社グループでは各部署の責任者で組織したコンプライアンス委員会において、ビデオ等による説明会、研修等を定期的に開催し、情報管理の重要性の周知徹底、個人情報に対する意識の徹底を図っております。

当社グループでは、個人情報の保護に注力しておりますが、不正侵入や不正アクセス等の不測の事態によって、万が一、個人情報の漏洩が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)訴訟等について

当社グループが開発、販売、管理する不動産物件において、瑕疵、土壌汚染、販売活動等を起因として、訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)自然災害等について

当社グループが取り扱う物件のエリアにおいて、地震、火災、津波、大型台風等の自然災害が発生し、当社グループが取り扱う物件が毀損、滅失等を被った場合は、追加費用やプロジェクトの進捗遅延等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)物件の引渡時期にかかるリスクについて

当社グループでは、マンション事業、戸建事業、販売代理事業におきましては、物件の引渡時を売上計上時期としております。大規模プロジェクトや利益水準の高いプロジェクト等の収益計上が、ある特定の時期に偏重する場合があります。将来、不測の事態による工事遅延等が発生し、物件の引渡時期が期末を越えた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)主要な事業の免許について

当社グループは、不動産業者として宅地建物取引業法第3条第1項及び第6条に基づき、宅地建物取引業者免許証の交付を受けており、同法第3条第2項の規定により、免許の有効期限は5年間と定められております。同法第5条が免許基準、同法第66条及び第67条が免許取消について定められており、これに該当した場合は免許の取消が命じられます。

現在、当該免許取消となる事由は発生しておりませんが、将来何らかの理由により免許取消事由が発生した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、主なグループ各社の免許及びその有効期限は以下のとおりとなっております。

 

会社名

法令等名

免許・許可の内容

有効期間

株式会社グローバル・エルシード

宅地建物取引業法

国土交通大臣(2)第8323号

2017年8月25日から

2022年8月24日まで

株式会社グローバル住販

宅地建物取引業法

東京都知事 (5)第77167号

2019年3月13日から

2024年3月12日まで

株式会社グローバル・キャスト

宅地建物取引業法

国土交通大臣(3)第8128号

2021年4月28日から

2026年4月27日まで

 

(16)宿泊業・外食業のリスクについて

当社グループは、宿泊業・外食業に進出しております。宿泊施設運営上のリスクとしては、景気動向、競合進出、自然災害(大規模地震、台風、洪水等)、外交関係悪化、国際紛争(戦争、テロ等)、ウィルス被害(感染症、食中毒等)、施設内事故(火災、建物損傷、死亡事件等)、情報漏洩・盗難、風評被害・ブランド力低下、労使関係悪化、法規制等が考えられます。これらリスクが実現した場合、期待した運営収益を計上できず、宿泊施設や店舗の資産そのものの価値を棄損し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)海外展開のリスクについて

当社グループは、海外において不動産事業を展開しているため、進出国において、国内と同様のリスクに加え、進出国固有の「カントリーリスク(進出国の政治・外交・経済・インフラ・金融・為替・税制・法規制・治安等のリスク)」、「海外事業リスク(進出国における許認可取得、不動産・建材・建設機械・労働者・外注先の確保、技術水準・品質の確保、不動産融資制度、商習慣等の特殊性によるリスク)」、「海外合弁リスク(遠隔の現地合弁相手先の信用状態悪化や利害関係不一致等のリスク)」、「海外投融資リスク(遠隔の海外現地法人等に対する投資・貸付・債務保証等のリスク)」等があります。これらリスクが実現した場合、減収・費用増加・持分法投資損失・為替差損、事業の変更・中止・撤退に伴う損失、投資額や債権額の追加・回収不能・減損、キャッシュ・フロー悪化、評判・信用の低下等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症の拡大により、マンション事業、ホテル事業及び戸建事業では、購買意欲の低下による販売の停滞、不動産価値の下落、建設資材や住宅設備の納期遅延等が発生する可能性があります。また、ホテル事業におきましては、外出自粛要請等により営業活動の抑制・休止を余儀なくされる可能性があります。

 

 

(19)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、ホテル事業において物件の販売が予定通り進捗せず、また自社運営するホテルも低稼働を余儀なくされるなど苦戦を強いられ、2020年6月期から引き続き、2021年6月期においても営業損失2,030百万円、親会社株主に帰属する当期純損失4,089百万円を計上することとなりました。

ホテル運営については、ホテル市場の回復時期が不透明なため、一部を除き休業を余儀なくされているなか賃料等の資金流出が続いており、経費削減に取り組んでいる状況です。また、当社は当面の売却が見込まれないホテル物件に係る借入金121億円をリファイナンス(借入期間の長期化)するため、2021年6月に株式会社みずほ銀行をアレンジャーとした67億円のシンジケートローン契約を締結し、差額54億円については株式会社アスコット(以下、アスコット)からの追加融資で返済した上で、実行しております。これにより、一部の金融機関からは新規融資の実績が得られ、融資姿勢に改善が見られますが、現時点ではすべての金融機関から円滑に資金調達が行える状況には至っておりません。また、当連結会計年度末の現預金残高は1,028百万円となり、高い手元流動性が確保されている状況にはありません。

以上により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社グループは、これらの状況を解消するため、当社グループの直接親会社であるアスコット、アスコットの間接的な親会社であり当社の最終親会社となる中国平安保険(集団)股份有限公司(Ping An Insurance (Group) Company of China, Ltd.)及びアスコットの大株主であり当社の間接的な大株主であるSBIホールディングス株式会社(以下、SBIホールディングス)らと連携し、当社の得意領域であるマンション開発事業への資源集中により収益の改善に努めるとともに、今後の成長に向けて事業基盤の強化に努めております。具体的には、2022年6月期での黒字化達成に向け、SBIホールディングス及びそのグループ会社が組成する不動産ファンド等を相手先とする早期・確実な物件販売の実現や、それを前提とした安定的なプロジェクト資金の調達を進めて参ります。また、手元流動性確保については、スポンサーからの追加融資等により対応して参ります。

以上の状況により、当社グループは継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は18,355百万円(前期比28.6%減)、営業損失2,030百万円(前年同期は営業損失2,025百万円)、経常損失3,087百万円(前年同期は経常損失4,268百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失4,089百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失4,836百万円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

[マンション事業]

マンション事業におきましては、「ウィルローズ日本橋浜町公園」、「ウィルローズ鳩ヶ谷エディオ」、「ウィルレーナ目白」等合計81戸及び収益物件7物件の引渡を行いました。

以上の結果、当セグメントにおける業績は、売上高7,830百万円(前期比16.9%減)、営業利益1,152百万円(同41.1%増)となりました。

[ホテル事業]

ホテル事業におきましては、「六角高倉プロジェクト」、「高辻東洞院プロジェクト」等、合計3物件の引渡を行いました。

以上の結果、当セグメントにおける業績は、売上高5,577百万円(前期比14.7%減)、営業損失2,494百万円(前年同期は営業損失1,960百万円)となりました。

[戸建事業]

戸建事業におきましては、「新宿区中井プロジェクト」、「東小岩アパートプロジェクト」等、分譲53戸及び収益物件9物件の引渡しを行いました。

以上の結果、当セグメントにおける業績は、売上高3,630百万円(前期比58.3%減)、営業損失102百万円(前年同期は営業利益119百万円)となりました。

[販売代理事業]

販売代理事業におきましては、グループ会社開発及び他社開発物件の販売代理を行い、地域別の引渡実績は、東京都区部51物件132戸、東京都下5物件80戸、神奈川県8物件70戸、埼玉県2物件20戸、千葉県3物件4戸、長野県1物件45戸、合計70物件351戸となりました。

以上の結果、当セグメントにおける業績は、売上高636百万円(前期比11.4%減)、営業利益185百万円(同24.7%減)となりました。

[建物管理事業]

建物管理事業におきましては、2021年6月30日現在のマンション管理戸数が3,698戸となりました。

以上の結果、当セグメントにおける業績は、売上高452百万円(前期比3.7%増)、営業利益44百万円(同11.4%増)となりました。

[その他]

その他としましては、不動産賃貸事業等による収入であります。

以上の結果、当セグメントの売上高は390百万円(前期比70.1%増)、営業利益は52百万円(前年同期は営業損失69百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

総資産は33,002百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,301百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金の減少3,462百万円、仕掛販売用不動産の減少11,952百万円、販売用不動産の増加5,522百万円、貸倒引当金の増加3,017百万円によるものであります。

負債は29,724百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,175百万円減少いたしました。これは主に有利子負債の減少9,494百万円によるものであります。

純資産は3,278百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,125百万円減少いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,499百万円増加、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が4,089百万円減少したことによるものであります。

これにより、自己資本比率は9.9%(前期は9.4%)、1株当たり純資産額は115.83円(前期は319.92円)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2,950百万円減少し、958百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失4,019百万円、たな卸資産の減少額7,830百万円、仕入債務の減少額2,093百万円を主要因として、2,870百万円の収入(前期は2,138百万円の支出)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入609百万円、定期預金の預入による支出233百万円、投資有価証券の売却による収入203百万円を主要因として、820百万円の収入(前期は844百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入15,973百万円、長期借入金の返済による支出19,940百万円、短期借入金の純減少額5,429百万円、株式の発行による収入2,999百万円を主要因として、6,682百万円の支出(前期は3,090百万円の支出)となりました。

 

(参考)キャッシュ・フロー関係指標の推移

 

2020年6月期

2021年6月期

自己資本比率(%)

9.4

9.9

時価ベースの自己資本比率(%)

6.5

20.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

9.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

6.2

 

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 

 (注1)いずれも連結ベースの財務数値により記載しております。

 (注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。

 (注3)キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

 (注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 (注5)2020年6月期及び2021年6月期の時価ベースの自己資本比率につきましては、最終株式取引日である2020年6月30日及び2021年6月30日の終値より算出しております。

 (注6)2020年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)、インタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、記載しておりません。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

a.売上高

セグメントの名称

項目

前連結会計年度

(自 2019年7月1日

至 2020年6月30日)

当連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

前期比

(%)

数量

(戸数)

売上高

(千円)

構成比

(%)

数量

(戸数)

売上高

(千円)

構成比

(%)

マンション事業

154

9,425,855

36.7

88

7,830,183

42.7

83.1

ホテル事業

138

6,539,948

25.4

97

5,577,085

30.4

85.3

戸建事業

184

8,707,452

33.9

62

3,630,221

19.8

41.7

販売代理事業

自社開発物件(新築分譲)

153

16,580

0.1

74

5,860

0.0

35.3

他社開発物件(新築分譲)

169

219,908

0.9

179

322,285

1.8

146.6

仲介その他

100

126,857

0.5

98

147,562

0.8

116.3

小計

422

363,344

1.4

351

475,706

2.6

130.9

建物管理事業

436,161

1.7

452,315

2.5

103.7

その他

229,323

0.9

390,025

2.1

170.1

合計

898

25,702,085

100.0

598

18,355,537

100.0

71.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.ホテル事業の数量(戸数)は、客室数を記載しております。

3.最近2連結年度の主要な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年7月1日)

(至 2020年6月30日)

当連結会計年度

(自 2020年7月1日)

(至 2021年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

A社

2,774,000

10.8

C社

2,900,000

11.3

D社

5,321,860

29.0

※A社、C社及びD社との間で守秘義務を負っているため、社名の公表は控えさせていただきます。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.期中契約実績の状況

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2019年7月1日

至 2020年6月30日)

当連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

前期比

(%)

数量

(戸数)

金額

(千円)

数量

(戸数)

金額

(千円)

マンション事業

159

10,508,473

114

8,381,778

79.8

ホテル事業

235

11,861,808

255,226

2.2

戸建事業

146

7,748,530

57

3,749,745

48.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.販売代理事業における期中契約実績の金額は、売主の顧客に対する販売価格によります。

 

c.期末契約残高の状況

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自 2019年7月1日

至 2020年6月30日)

当連結会計年度

 (自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

前期比

(%)

数量

(戸数)

金額

(千円)

数量

(戸数)

金額

(千円)

マンション事業

36

2,299,506

62

2,851,100

124.0

ホテル事業

97

5,321,860

戸建事業

19

989,046

14

1,108,570

112.1

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.販売代理事業における期末契約残高の金額は、売主の顧客に対する販売価格によります。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

当連結会計年度末における総資産は33,002百万円(前期より13,301百万円減少)、負債は29,724百万円(前期より12,175百万円減少)、純資産は3,278百万円(前期より1,125百万円減少)となりました。これにより、自己資本比率は9.9%(前期は9.4%)、1株当たり純資産額は115.83円(前期は319.92円)となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、物件引渡し及び物件完成による販売用不動産への振替を主要因として、現金及び預金の減少3,462百万円、仕掛販売用不動産の減少11,952百万円及び販売用不動産の増加5,522百万円となり、前連結会計年度末と比較して10,310百万円減少の31,852百万円となりました。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、貸倒引当金の計上及び販売用不動産への振替を主要因として、建物及び構築物の減少726百万円、土地の減少744百万円、貸付金に対する引当金の計上により貸倒引当金の増加3,017百万円などにより、前連結会計年度末と比較して2,990百万円の減少の1,150百万円となりました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、物件引渡しに伴う借入金の返済及び長期借入金への借換を主要因として、短期借入金の減少5,428百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少8,906百万円となり、前連結会計年度末と比較して17,040百万円減少の8,268百万円となりました。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、短期借入金からの借換を主要因として、長期借入金の増加5,139百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,865百万円増加の21,455百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、第三者割当増資による払込及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上を主要因として、資本金の増加1,499百万円、資本剰余金の増加1,499百万円、利益剰余金の減少4,089百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,125百万円減少の3,278百万円となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は18,355百万円(前期比28.6%減)となりました。セグメント別の業績の状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

(売上原価・売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は16,286百万円(前期比24.6%減)となりました。

この結果、当連結会計年度における売上総利益は2,068百万円(前期比49.5%減)となりました。

(販売費及び一般管理費・営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、ホテル、マンション及び戸建のプロジェクト販売費及びホテル運営費を中心に4,098百万円(前期比33.0%減)となりました。その結果、営業損失は2,030百万円(前期は営業損失2,025百万円)となりました。

営業損益の事業別内訳は、マンション事業の営業利益1,152百万円(前期比41.1%増)、ホテル事業の営業損失2,494百万円(前期は営業損失1,960百万円)、戸建事業の営業損失102百万円(前期は営業利益119百万円)、販売代理事業の営業利益185百万円(前期比24.7%減)、建物管理事業の営業利益44百万円(前期比11.4%増)、その他事業の営業利益52百万円(前期は営業損失69百万円)となりました。

(営業外損益・経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、雇用調整助成金96百万円、為替差益70百万円、貸倒引当金戻入額59百万円を主要因として、324百万円(前期比286.4%増)となりました。また、営業外費用は、借入金及び社債に対する支払利息436百万円、貸倒引当金繰入額402百万円、事業損失引当金繰入額246百万円、支払手数料214百万円等を主要因として、1,381百万円(前期比40.6%減)となりました。

この結果、当連結会計年度における経常損失は3,087百万円(前期は経常損失4,268百万円)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は4,089百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4,836百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、税金等調整前当期純損失の計上により現金及び現金同等物の期末残高が2,950百万円減少し、958百万円と大幅に減少いたしました。

当社グループは、主に物件の売却による営業活動によるキャッシュ・フローを財源とし、また物件取得時には金融機関からの借入金により資金を調達し、企業活動を行っております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は27,925百万円、自己資本比率は9.9%となっております。

 

③重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

(イ)ホテル事業における販売用不動産等の評価

ホテル事業セグメントに属する販売用不動産及び仕掛販売用不動産は個別法による原価法により評価しております。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、第5[経理の状況]の連結財務諸表の(追加情報)に記載しております。

(ロ)投融資の評価

非上場の投資等時価を把握することが極めて困難と認められる投資は個別に回収可能性を検証し評価しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

シンジケートローン契約の締結

①シンジケートローンの目的

当社連結子会社である株式会社グローバル・エルシードのホテル開発借入金のうち、返済期限が3年以下の借入金を、シンジケートローン 67 億円と当社連結親会社である株式会社アスコットからの借入金約 54 億円によって、期間3年超の長期借入に借り換えし、今後のマンション開発事業に必要な資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達を確保することを目的としています。

 

②シンジケートローン契約の概要

組成金額

金67億円

契約締結日

2021年6月18日(金)

実行日

2021年6月22日(火)

最終弁済期日

2024年6月28日(金)最終弁済期日一括

アレンジャー

株式会社みずほ銀行

コ・アレンジャー

株式会社三井住友銀行

参加金融機関

株式会社きらぼし銀行

エージェント

株式会社みずほ銀行

 

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。