第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、インターネットの進展による世界的なコンテンツ流通革命の中で、「顧客第一主義」のもと、「世界規模のデジタルコンテンツのアグリゲーション&ディストリビューションビジネス」を目指すことを経営の基本方針としています。

 

(2)経営戦略等

 当社グループの基本的な経営戦略は、次のとおりです。

 デジタルコンテンツのアグリゲーションに関する戦略等

・ボーンデジタルを含め、全世界の顧客を対象にコンテンツを集め、全世界の顧客のニーズにマッチした形で提供できるように最適化する

・オリジナルコンテンツを大量に制作できる体制を構築し、構造分析に基づく分業化とAIによる効率化を図る

・デジタルの特長(動画、音声、双方向性等)を活かした次世代コンテンツを開発し、紙書籍にはない付加価値を創出する

 デジタルコンテンツのディストリビューションに関する戦略等

・顧客ごとに最適なデジタルコンテンツを提供できる販売プラットフォームを構築し、デジタルコンテンツ販売高国内第1位を維持することにより、その成功モデルとなり、社会的・経済的にグループの価値を最大化する

・インターネットを通して、日本語だけでなく、英語圏、中国語圏等の全世界の顧客を対象としたグローバルなデジタルコンテンツ販売プラットフォームへと発展させ、日本文化の拡大に寄与する

 

(3)経営環境

 当社グループが行っている電子書籍事業は、通信環境の整備やデバイス性能の向上に伴い、電子書籍の普及が進み、市場規模が拡大しています。また、当連結会計年度においては、コロナウイルス感染症の影響により、巣篭り需要が発生したことにより、さらに市場規模の拡大がみられますが、同時に、比較的、参入障壁が低いため、市場参入企業も多く、厳しい競争が続いています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① ユーザーが使い易い総合電子書店サービス

 従来から採用しているクラウド型配信方式を拡大し、複数の端末で利用可能なマルチデバイス展開を継続しつつ、スマートフォンやタブレットユーザーをターゲットとした販売の強化を目指します。

 また、ユーザーの声に基づいた、サイト機能、アプリ、ビューア等の利便性の向上や顧客サポートの強化等の改良を行い、サービスを一層充実させる方針です。

 さらに、AIの実用化を行い、検索機能等のユーザビリティの向上を図ります。

 

② コンテンツの拡充

 出版社等との契約をさらに増やし、掲載コンテンツの品揃えを充実させ、ユーザー層の拡大を図ります。

 また、スマートフォン向けに最適化した、タテ読みフルカラーコミック「タテコミ」のコンテンツ数を増加させ、普及促進を強化します。

 合わせて、デジタルならではの演出を加えた次世代コンテンツの開発強化を図ります。ⅰ)コミックを動的演出で見せる「コミックシアター」、ⅱ)小説の文章を短く区切り、画像を追加した「絵ノベル」、ⅲ)「タテコミ」にアニメーション効果を付加した「タテコミMove!」、ⅳ)「タテコミMove!」に人気声優によるボイスを付加した、スマホで見るタテ型マンガアニメーション「アニコミ」等の開発・改良を進め、制作体制を強化します。

 さらに、オリジナルコンテンツの制作体制を強化し、自社レーベルを通じて、掲載数の増加を目指します。

 

③ 認知度の向上

 TVCM等のマス広告を実施し、ユーザー層の拡大を図ります。集客のためのプロモーション強化を積極的に行うとともに、広告効果を継続的に検証し、AIを活用しながら広告効率の向上を図り、会員数の増加と当社グループが運営する電子書籍販売サイトの認知度向上に努めます。

 また、各種キャンペーンやニュースリリースを積極的に行うとともに、SNSを活用してユーザーと対話する機会を増やしていきます。

 

④ 販売システム及び電子書籍制作掲載体制の合理化及び構築

 販売システムについては、次々と発表される新端末に迅速に対応するため、システムの統一化、応用性の向上を図ります。

 また、データ量の増加による回線負荷への対応や、有事の際のサービス継続性強化のため、サーバー及び回線の増強や、バックアップ体制の強化等、運用保守の改善に努めていきます。

 電子書籍制作掲載体制については、電子書籍素材の一元管理による効率的な制作体制の強化、制作関連システムの自動化や合理化を進めていきます。

 

⑤ 海外での電子書籍販売

 海外での電子書籍販売については、翻訳をはじめとし、様々な課題を抱えていますが、国内に比べてコンテンツ市場が大きく、また、拡大が見込まれています。英語圏、中国語繁体字圏、中国語簡体字圏に向けて電子書籍事業を展開し、国外での事業拡大を目指します。

 

⑥ ブランドの確立

 社会的な認知が広がるとともに、市場参入業者も多く、厳しい競争が続く電子書籍業界の中で、ユーザーから選ばれる電子書籍サイトを目指し、ブランド構築を進めていきます。

 運営サイトの統合、代替がきかないオリジナリティの高いサイト構築等を行い、競合他社との差別化を図り、競争優位性があるブランドの確立を目指します。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、日本国内における電子書籍販売売上高シェア第1位を目標として経営を行っており、電子書籍販売売上高を、目標の達成状況を判断するための指標としています。

 また、同時に、全世界での電子書籍販売売上高の向上も目標としており、海外での電子書籍販売売上高を、目標の達成状況を判断するための指標としています。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)競合他社の影響について

 電子書籍販売事業には、特許等による特別な参入障壁が存在していないため、多数の企業が参入しています。

 競合他社が、当社グループに比べて、ユーザーに支持されるサービス提供や効果的な集客施策を実施した場合は、当社グループの収入及び収益が減少するリスクがあります。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 当連結会計年度以前から、競合他社との競争は激化しており、リスクは既に顕在化しています。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 競合他社に比べて、当社グループが運営する電子書籍販売サイトがユーザーに支持されない、または、有効な集客施策を実施することができない場合は、当社グループの収入が減少し、収益も減少します。

③ リスクへの対策

 当社グループは、以下のリスクへの対策を実施しています。

ⅰ.広告宣伝、販売促進の集客施策の積極的な実施

ⅱ.広告宣伝施策において、継続的な効果測定を行うとともに、AIの導入を進め、効果の向上に努める

ⅲ.ユーザーニーズを調査し、ユーザビリティの向上を目的とした、恒常的なサイト改良の実施

ⅳ.コンテンツ検索機能の向上を目的としたAIの導入の促進

ⅴ.既存の電子書籍の販売強化を行うと同時に、デバイス、通信インフラ環境の発展・普及に合わせて、ユーザーにとって魅力的な次世代コンテンツの開発

ⅵ.国内市場だけでなく、海外市場への積極的な進出

④ リスクの重要性・水準の変化

 参入障壁が存在しない電子書籍市場では、2010年の電子書籍元年以前から、競合他社との激しい競争が続いています。そのため、リスクの重要性・水準は、当連結会計年度末現在においても大きな変化はありません。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 当社グループの経営方針・経営戦略は、当該リスクを踏まえて決定されています。また、経営戦略と整合したリスク対策が実施されています。

 

(2)海賊版サイトについて

 電子書籍は、電子データであるため、違法配信リスクが存在しています。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 リスクが顕在化する可能性や時期については、予測することが困難です。国内外を含めて海賊版対策の強化を図ることで、将来的にはリスクが低下する可能性があります。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 リスクが顕在化した場合の影響を想定することは困難です。過去に影響があった「漫画村」による電子書籍業界に与えた被害額は3,200億円(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構による試算)と推定されています。

③ リスクへの対策

 海賊版サイトをはじめとしたさまざまな電子書籍事業に関する問題に対応するため、読者への正規版購入と著者への収益還流を推進することを目的とし、電子書店5社(株式会社アムタス、株式会社イーブックイニシアティブジャパン、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社、株式会社パピレス、株式会社ビーグリー)が発起人となり、「日本電子書店連合」を発足し、運営しています。

 「日本電子書店連合」は、正規の電子書店の公認マーク(「ABJマーク」)の策定や海賊版対策及びSTOP!海賊版の啓発活動等を行っている、一般社団法人ABJに協力しています。

④ リスクの重要性・水準の変化

 リスクの重要性・水準は、電子書籍の市場規模に比例して大きくなっていると判断しています。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 経営方針・経営戦略と直接的な関連性はありませんが、その前提である電子書籍市場の健全な発展に悪影響を与えるリスクとして認識しています。

 

(3)システム障害について

 当社グループが行っている電子書籍事業を営むためには、コンピューターネットワークシステムの構築及び運用が不可欠なものとなっています。

 当社グループが構築・運用しているコンピューターネットワークシステムに障害が発生した場合は、障害の規模に応じて当社グループの収入及び収益が減少するリスクがあります。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 リスクの顕在化を防止するため、当社グループで予測可能なリスクについて、対応策を実施しています。

 ただし、予測不可能な、ハードウェアの不具合、通信回線の障害、新たなコンピューターウィルスのほか、自然災害、火災、停電等によるリスクが顕在化する可能性の程度や時期を推定することは非常に困難です。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 リスクが顕在化した場合の影響を推定することは困難です。システム障害の規模に応じて、当社グループの事業運営が阻害されるため、収入及び収益が減少します。

③ リスクへの対策

 当社グループ内に、コンピュータネットワークシステムの構築及び運用の専門部署を設けて、障害発生の抑止に努めています。

 社外データセンターへのサーバ分割設置、無停電電源装置の導入、回線の二重化等の冗長化を継続的に実施し、不慮の事故を想定したシステム対策を行っています。

④ リスクの重要性・水準の変化

 コンピュータネットワークシステムに障害が発生した場合は、その程度によっては当社グループの営業活動が停止する可能性があり、リスクの重要性は高いものとなっています。

 当該リスクの水準については、コンピュータネットワークシステムの冗長化を強化し、低減に努めています。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 コンピュータネットワークシステムの構築及び運用は、当社グループの経営方針の達成及び経営戦略の実行のための前提要件となっています。

 

(4)著作権利用料について

 当社グループは、掲載コンテンツに関して、出版社等と著作権利用契約を締結し、著作権利用料を支払っています。

 著作権利用料は、契約によって支払料率が決定されていますが、契約支払料率が変動した場合や契約の更新に支障をきたす何らかの事情が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 当社グループは、電子書籍販売事業を長年営んでおり、出版社等のコンテンツホルダーと長年直接取引を行ってきました。

 電子書籍業界の発展を第一に考え、電子書籍書店と出版社等のコンテンツホルダーの双方にメリットがある著作権利用契約を締結して、協力して事業を行っています。

 ただし、一部の大手出版社とは、紙書籍事業との兼ね合い等の外的要因もあり、厳しい契約交渉を続けています。

 一部の大手出版社との間の著作権利用契約については、支払料率の上昇や契約が継続できない事態が発生する可能性があります。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を予測することは困難です。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 著作権利用に対する支払料率が上昇した場合は、売上原価の売上高比率が上昇し、収益が減少します。

 著作権利用契約が継続できない場合は、収入は減少しますが、収益は増加する可能性があります。

③ リスクへの対策

 出版社等コンテンツホルダーと、電子書籍業界の発展のために、協力して事業を行うことで、良好な関係の構築に努めています。

 同時に、既存の紙書籍を電子化するのではなく、当社グループで、デジタルボーンコンテンツを製作する体制を強化しています。

④ リスクの重要性・水準の変化

 出版社等のコンテンツホルダーとの著作権利用契約は、当社グループの事業にとって重要です。

 ただし、当社グループは、多くの出版社等のコンテンツホルダーと直接取引を行っており、一部取引先との間でリスクが顕在化した場合でも、経営に与える影響は限定的なものであると判断しています。

 当該リスクの水準については、出版社等のコンテンツホルダーの電子書籍事業に対する依存度の上昇に伴い低下する可能性があります。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 経営方針及び経営戦略のデジタルコンテンツのアグリゲーションと、特に密接な関連性があります。

 また、リスクへの対策は、オリジナルコンテンツの制作体制の構築と、次世代コンテンツの開発と関連しています。

 

(5)広告宣伝費について

 当社グループが営むイーコマース事業にとって、広告宣伝費は、集客を図り、売上高を増加させるための重要な費用です。

 広告宣伝費の費用対効果は、当社グループの収入及び収益に大きな影響を与えます。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 広告宣伝費の支出に関しては、広告効果を継続的に検証し、最適な広告宣伝を実施するように努めていますが、広告戦略が想定した効果をあげることが出来ないリスクがあります。

 当社グループの広告戦略の費用対効果が低下するリスクが顕在化する可能性の程度や時期については、広告施策を、当社グループの最重要施策として位置づけ、十分な効果検証を行い、その顕在化を防ぐことに努めています。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 費用対効果が低下した場合は、当社グループの収入及び収益が減少します。その影響は、費用対効果の低下に比例します。

③ リスクへの対策

 広告効果について、その分析を広告代理店に任せるのではなく、当社グループにおいてデータを収集し、継続的に効果分析を実施しています。

 広告施策は、社会情勢の変化等及び広告技術の進化により、常に最適な施策が変化するため、広告戦略に則して、様々な広告施策をトライアンドエラーで試験的に実施し、その効果検証を行ってきました。

 過去からの効果検証データの積み上げによって獲得した、広告施策に関するノウハウに基づき、広告戦略を立案し、実施することで、最適な広告施策が行える体制を構築しています。

 

④ リスクの重要性・水準の変化

 当社グループが営むイーコマース事業にとって、広告宣伝費は、事業の発展と継続に欠くことが出来ない費用です。

 その費用対効果は、収入及び収益に直接的な影響を与えるため、リスクの重要性は非常に高いものとなっています。

 リスクの水準は、基本的には変化はありませんが、事業規模の拡大に伴い、広告宣伝に依拠しないユーザーからの収入が積み上がるため、収入及び収益に与える影響は低減します。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 経営方針及び経営戦略のデジタルコンテンツのディストリビューションと、特に密接な関連性があります。

 国内におけるデジタルコンテンツの販売高についての戦略及び国外でのグローバルなデジタルコンテンツ販売プラットフォームの発展についての戦略の達成に、重要な関連性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況にあります。

 「インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2020』」によると、電子書籍の市場規模は、2019年度は3,473億円(対前年22.9%増)と推計され、電子書籍の認知度向上と正規サイトの利用が進んでいます。

 当連結会計年度においても、巣篭り需要が寄与し、その市場規模は拡大傾向にありますが、後半にかけて再び海賊版サイトのアクセスが急増し、市場全体に影響を与えています。

 さらに、電子書籍の市場環境は、市場参入企業も多く、厳しい競争が続いています。この結果、コンテンツ需要の増加による、出版社等のコンテンツホルダーからの仕入コストが上昇しています。また、集客を強化するための、広告宣伝や販促コストも拡大傾向となっています。

 このような環境の中で、当社グループは、顧客第一主義の基本理念に基づく継続的なサービスの向上施策及び他社との差別化を図るためのブランド戦略施策並びに中長期的な事業拡大を目的とした広告宣伝と販売促進施策を積極的に行っています。また、海外市場の開拓及び次世代コンテンツの開発にも積極的に取り組んでいます。

 サービス向上施策は、サイトの改良によるユーザビリティの向上及びAIによるレコメンド機能の向上を進めています。

 ブランド戦略施策は、「Renta!」ブランドの普及施策として、運営サイト「電子書店パピレス」及び「犬耳書店」の「Renta!」へのサービス統合を行いました。

 広告宣伝施策は、インターネット広告及びTVCMを積極的に実施しています。また、AIによる広告効果の向上を図っています。

 販売促進施策は、ポイント購入時及び使用時のサービスポイント付与施策を継続的に実施しています。

 海外市場の開拓は、広告施策、サイト改良、翻訳体制の強化を進め、売上規模の拡大に努めています。

 次世代コンテンツの開発は、デジタルに最適化した、新しい電子書籍コンテンツの開発を進めています。

 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は25,392百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は2,227百万円(前年同期比45.3%増)、経常利益は2,288百万円(前年同期比53.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,542百万円(前年同期比59.5%増)となりました。

 当社グループの事業は、電子書籍事業のみであり、重要な事業拠点も当社のみとなっているため、報告セグメントはありません。

 以下、当連結会計年度における主な事業活動を報告します。

 

(集客施策)

 TVCM、インターネット広告等の広告施策を積極的に実施しています。

 また、「GWタテコミ大キャンペーン」、「Renta!限定 今だけ100円レンタルキャンペーン」、「Renta!初回レンタルポイント50%還元キャンペーン」等の当社独自のキャンペーン施策を行っています。

 さらに、人気声優が出演する「Renta!presents『アクダマドライブ』特別番組のTwitter配信」、TVドラマ「片恋グルメ日記」のスポンサー記念「原作コミックの48時間100円キャンペーン」、「孤独のグルメ」原作者の新感覚グルメ漫画「Renta!オリジナルコミック『こどものグルメ』のTVドラマ化」、「コミックBAR Renta!SP~ありがとう200回!人気声優大集合SP~の放送」等のメディアミックス施策を実施しています。

 「Renta!」の会員数は、700万人を突破しました。

 

(サイト改良施策)

 AIによる検索表示改良、ユーザー毎に最適化したページ改良を進めています。

 また、「PayPay」決済サービスを追加しています。

 

(コンテンツ施策)

 「Renta!」を中心に、タテ読みフルカラーコミック「タテコミ」の拡充を進めています。「タテコミ」の普及を目的としたキャンペーン施策を実施しています。

 また、原稿料と印税に加えて、年額最大100万円を支給する、パートナー漫画家募集企画を実施して、自社コンテンツの制作強化を進めています。

 さらに、TV放送されたコンテンツのコミカライズを、オリジナル電子コミックレーベル「Renta!コミックス」で積極的に行っています。2020年10月から放送されたオリジナルアニメ「アクダマドライブ」の国内独占配信と、3ヶ国語での海外配信、2021年1月から放送されたTVドラマ「にじいろカルテ」の独占配信を行っています。

 

(次世代コンテンツ開発施策)

 小説の文章を短く区切り、画像を追加した「絵ノベル」(特許取得済)及びコミックを動的演出で見せる「コミックシアター」のフルカラー化、フルボイス化などの改良を進めています。

 また、「タテコミ」にアニメーション効果を付加した「タテコミMove!」及び「タテコミMove!」に人気声優によるボイスを付加した、スマホで見るタテ型マンガアニメーション「アニコミ」の制作体制の強化も進めています。

 

(海外展開施策)

 「英語版Renta!」、「中国語繁体字版Renta!」の翻訳体制の強化を進め、掲載コンテンツを拡充させ、海外販売サイトへの販路拡大を図っています。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は14,284百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,015百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が2,288百万円増加したことによるものです。

 固定資産は906百万円となり、前連結会計年度末に比べ107百万円増加しました。これは主に、繰延税金資産が73百万円増加したことによるものです。

 この結果、資産合計は15,191百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,123百万円増加しました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は6,135百万円となり、前連結会計年度末に比べ656百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が391百万円増加、前受金が225百万円増加したことによるものです。

 固定負債は0百万円となり、前連結会計年度末に比べ1百万円減少しました。

 この結果、負債合計は6,135百万円となり、前連結会計年度末に比べ655百万円増加しました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は9,055百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,468百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,542百万円の獲得によるものです。

 この結果、自己資本比率は59.2%(前連結会計年度末は57.6%)となりました。

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益2,288百万円(前年同期比53.5%増)を獲得したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,235百万円増加し、当連結会計年度末には11,041百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は2,431百万円(前年同期比97.8%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,288百万円、売上債権の減少額201百万円、法人税等の支払額439百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は55百万円(前年同期比419.5%増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出320百万円、定期預金の払戻による収入315百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は182百万円(前年同期比3.2%増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出85百万円、配当金の支払額101百万円等によるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.仕入実績

 当社グループでは、実際に利用された電子書籍の利用価格及び販売数に応じて、出版社又は著者等に対し、一定割合の著作権料の支払いが発生します。当該著作権料が仕入に当たります。

 当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりです。

 

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

著作権料(百万円)

10,669

113.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の電子書籍事業の形態別販売実績は、次のとおりです。

 

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

① 電子書籍販売(百万円)

25,217

108.8

② その他(百万円)

174

104.0

合計(百万円)

25,392

108.8

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は25,392百万円(前年同期比8.8%増)、売上原価は11,553百万円(前年同期比9.6%増)、売上総利益は13,838百万円(前年同期比8.1%増)、販売費及び一般管理費は11,611百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は2,227百万円(前年同期比45.3%増)、営業外収益は69百万円(前年同期比161.0%増)、営業外費用は8百万円(前年同期比87.4%減)、経常利益は2,288百万円(前年同期比53.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,542百万円(前年同期比59.5%増)となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、売上高と売上原価及び広告費があります。

 売上高は、前連結会計年度に比べて増収となっています。これは、継続的に実施している広告施策、販売促進施策、サービス改良施策等により、会員数が増加したことによります。また、コロナウイルス感染症による巣篭り需要の発生も寄与しています。

 売上原価は、売上高の増加に伴い著作権料が増加しています。また、コンテンツ制作についても、継続して行っています。

 広告費は、認知度の向上とユーザー層の拡大を図るため、継続して積極的に実施しており、前連結会計年度と同規模の費用が発生しています。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、国内及び海外での電子書籍販売売上高を達成状況を判断するための指標としています。

 売上高は、当連結会計年度の事業計画に比べて3.0%の不利差異となっています。

 

②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度末における財政状態は、流動資産は14,284百万円(前連結会計年度末比16.4%増)、固定資産は906百万円(前連結会計年度末比13.5%増)、資産合計は15,191百万円(前連結会計年度末比16.3%増)、流動負債は6,135百万円(前連結会計年度末比12.0%増)、固定負債は0百万円(前連結会計年度末比80.0%減)、負債合計は6,135百万円(前連結会計年度末比12.0%増)、純資産合計は9,055百万円(前連結会計年度末比19.4%増)、自己資本比率は59.2%(前連結会計年度末は57.6%)となりました。

 

 当社グループは、運転資金及び設備資金について、内部資金を充当しています。現在の事業規模に比して十分な事業運営資金を有しています。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益の獲得、法人税等の支払等により2,431百万円の獲得(前年同期比97.8%増)となっています。

 投資活動によるキャッシュ・フローについては、定期預金の預入による支出、定期預金の払戻による収入等により55百万円の使用(前年同期比419.5%増)となっています。

 財務活動によるキャッシュ・フローについては、自己株式の取得による支出、配当金の支払等により182百万円の使用(前年同期比3.2%増)となっています。

 

④資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、著作権料、コンテンツ制作費用及び広告宣伝費用です。投資を目的とした資金需要は、重要なものはありません。

 当社グループの資本の財源は、ほぼ利益剰余金となっています。

 資金の流動性については、当社グループは、重要な設備等を必要としていないため、総資産の構成は、大部分が流動資産であり、また、流動資産の大部分が現金及び預金となっています。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。

 会計方針は、当社グループの財政状態及び経営成績を正しく示すことができると判断したものを選択及び適用しています。

 会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、時価による測定を含め、合理的であると判断しています。

 なお、当社グループが選択及び適用した会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しています。

 

4【経営上の重要な契約等】

合弁契約による子会社の設立

契約締結先

内容

出資額

合弁会社名

設立年月

劉 惠貞

中華民国における電子書籍販売事業

当社

7,000千TWD

巴比楽視網路科技股份有限公司

(資本金10百万TWD)

2014年9月

劉 惠貞

3,000千TWD

株式会社アムタス

海外向け電子書籍取次販売事業

当社

66,600千円

アルド・エージェンシー・グローバル株式会社

(資本金50百万円)

2019年7月

株式会社アムタス

33,400千円

(注) 合弁会社「巴比楽視網路科技股份有限公司」の出資額及び資本金は、設立時の出資額及び資本金を記載しています。当連結会計年度末の出資額及び資本金は、以下のとおりとなっています。

「出資額」    当社       174,000千TWD

         劉 惠貞      6,000千TWD

「資本金」             120,000千TWD

 

5【研究開発活動】

 当社グループの属する電子書籍業界は、今後さらに成長していくことが予想されますが、技術革新が急速に進むインターネットインフラ環境や表示端末の新機種対応等に、継続的に対応していく必要があります。

また、新技術に対応するため、当社で利用している各種情報システムについても、継続的に整備を行っていく必要があります。

このため、当社グループでは、専門的知識を有し、専属的に研究開発業務を行う開発部員が、電子書籍の配信及び閲覧に関する新技術の開発及び既存システムの改良・改善等を積極的に行っています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は84百万円となっています。