第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営方針

 当社グループは、インターネットの進展による世界的なコンテンツ流通革命の中で、顧客が満足する新しい価値を創造し、世界規模のデジタルコンテンツ提案型のビジネスを目指すことを経営の基本方針としています。

 

(2)経営戦略等

 当社グループの基本的な経営戦略は、次のとおりです。

 デジタルコンテンツのアグリゲーションに関する戦略等

・高品質なデジタルコンテンツを安定的に収集し、全世界の顧客のニーズにマッチした形で提供できるように最適化する

・販売力が高いオリジナルコンテンツを恒常的に供給できる体制を構築し、構造分析に基づく分業化とAIによる効率化を図る

・デジタルの特長(動画、音声、双方向性等)を活かした次世代コンテンツとサービスを開発し、新たな付加価値を創出する

 デジタルコンテンツのディストリビューションに関する戦略等

・顧客ごとに最適なデジタルコンテンツを提供できる販売プラットフォームを、AI等の技術も活かして構築し、デジタルコンテンツ販売高第1位を目指し、社会的・経済的にグループの価値を最大化する

・インターネットを通して、国内だけでなく、英語圏、中国語圏等の全世界の顧客を対象としたグローバルなデジタルコンテンツ販売プラットフォームへと発展させ、コンテンツの販路拡大を目指す

 

(3)経営環境

 当社グループが行っている電子書籍事業は、通信環境の整備やデバイス性能の向上に伴い、電子書籍の普及が進み、市場規模が拡大していますが、比較的、参入障壁が低いため、市場参入企業も多く、市場シェアの獲得競争が一層激化しています。

 当連結会計年度においては、不安定な世界情勢や急激な為替変動を背景とした物価上昇等による、ユーザーの消費行動の低下、個人情報保護法の改正に伴うターゲティング広告の規制強化等の影響により、経営環境は、厳しい状況にあります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 

(電子書籍事業)

① ユーザーが使い易い総合電子書店サービス

 従来から採用しているクラウド型配信方式を拡大し、複数の端末で利用可能なマルチデバイス展開を継続しつつ、スマートフォンやタブレットユーザーをターゲットとした販売の強化を目指します。

 また、ユーザーの声に基づいた、サイト機能、アプリ、ビューア等の利便性の向上や顧客サポートの強化等の改良を行い、サービスを一層充実させる方針です。

 さらに、AIの実用化を行い、検索機能等のユーザビリティの向上を図ります。

 

② コンテンツの拡充

 出版社等との契約をさらに増やし、掲載コンテンツの品揃えを充実させ、ユーザー層の拡大を図ります。

 また、スマートフォン向けに最適化した、タテ読みフルカラーコミック「タテコミ」のコンテンツ数を増加させ、普及促進を強化します。

 合わせて、デジタルならではの演出を加えた次世代コンテンツの開発強化を図ります。ⅰ)小説の文章を短く区切り、画像を追加した「絵ノベル」、ⅱ)「タテコミ」にアニメーション効果及び人気声優によるボイスを付加した、スマホで見るタテ型マンガアニメーション「アニコミ」等の開発・改良を進め、制作体制を強化します。

 さらに、オリジナルコンテンツの制作体制を強化し、自社レーベルを通じて、掲載数の増加を目指します。

 

③ 認知度の向上

 TVCM等のマス広告を実施し、ユーザー層の拡大を図ります。集客のためのプロモーション強化を積極的に行うとともに、広告効果を継続的に検証し、AIを活用しながら広告効率の向上を図り、会員数の増加と当社グループが運営する電子書籍販売サイトの認知度向上に努めます。

 また、各種キャンペーンやニュースリリースを積極的に行うとともに、SNSを活用してユーザーと対話する機会を増やしていきます。

 

④ 販売システム及び電子書籍制作掲載体制の合理化及び構築

 販売システムについては、次々と発表される新端末に迅速に対応するため、システムの統一化、応用性の向上を図ります。

 また、データ量の増加による回線負荷への対応や、有事の際のサービス継続性強化のため、サーバー及び回線の増強や、バックアップ体制の強化等、運用保守の改善に努めていきます。

 電子書籍制作掲載体制については、電子書籍素材の一元管理による効率的な制作体制の強化、制作関連システムの自動化や合理化を進めていきます。

 

⑤ 海外での電子書籍販売

 海外での電子書籍販売については、翻訳をはじめとし、様々な課題を抱えていますが、国内に比べてコンテンツ市場が大きく、また、拡大が見込まれています。英語圏、中国語繁体字圏、中国語簡体字圏、韓国語圏に向けて電子書籍事業を展開し、海外での事業拡大を目指します。

 

⑥ ブランドの確立

 社会的な認知が広がるとともに、市場参入業者も多く、厳しい競争が続く電子書籍業界の中で、ユーザーから選ばれる電子書籍販売サイトを目指し、ブランド構築を進めていきます。

 運営サイトの統合、代替がきかないオリジナリティの高いサイト構築等を行い、競合他社との差別化を図り、競争優位性があるブランドの確立を目指します。

 

(IP制作事業)

① 新規IPの創出に向けた体制確立

 オリジナル作品の制作推進による新規IPの創出及び既存IPの活用のための指針を策定するとともに、持続的に運用していくための体制整備を行います。

 当社グループが運営する電子書籍サイトにおける国内外のヒットコンテンツを対象として、地域特性等の分析を行ったうえで、オリジナルの縦スクロールコミックレーベルのグローバル制作指針を策定し、指針に基づき継続的にコンテンツのリリースが可能な制作体制の整備を実施します。

 

② オリジナルレーベルの認知度向上

 当社グループの翻訳機能、流通機能を最大限に活用し、国内及び海外ユーザーに向けて積極的なプロモーションを展開します。

 日本語版と英語版のオリジナルレーベルサイトを新規に創設し、作品のティザーや無料サンプル、詳細情報等を公開することで、グローバル規模で、ユーザーとのダイレクトなタッチポイントの創出を目指します。

 また、SNS等を活用した情報発信や定期的なキャンペーンにより、オリジナルレーベルの認知度向上を図ります。

 

③ グローバルIPの創出

 世界をターゲットとし、世界中で愛されるグローバルIPの創出を目指します。

 オリジナルレーベルのコンテンツ制作のほか、メディアミックスによるコラボコンテンツやリメイクコンテンツ制作等により、グローバル規模でのラインナップの拡充を図ります。

 また、オリジナルレーベルのコンテンツを、IPコンテンツとして、グローバル規模で、出版、映像、ゲームなどの多様な分野に展開し、IPの収益最大化を図ります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、日本国内における電子書籍販売売上高シェア第1位を目標として経営を行っており、電子書籍販売売上高を、目標の達成状況を判断するための指標としています。

 また、同時に、全世界での電子書籍販売売上高の向上も目標としており、海外での電子書籍販売売上高を、目標の達成状況を判断するための指標としています。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、顧客第一主義のもと、イノベーションの創出を実現し、世界規模のデジタルコンテンツの普及と発展を推進することを経営の基本と考え、サステナビリティ経営に取り組んでいます。

 サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・管理するため、IR関連業務の担当者をサステナビリティ推進担当者として任命しています。サステナビリティ推進担当者から、国際サステナビリティ基準審議会の公表情報及び対応事例情報等について、当社の社長を議長とするIR対応会議にて定期的に報告を受けています。

 

(2)リスク管理

 IR対応会議において報告された情報を参考に、当社グループのリスク・機会を評価・識別しています。対応が必要と判断された場合、適切な対応策が講じられる体制となっています。

 

(3)戦略

(気候変動に関する戦略)

 当社グループが営む電子書籍事業は、印刷物の発行・配送が不要になることにより、紙資源(森林資源)の消費減少、印刷機械の稼働による電力の節減、環境悪化の抑制につながるため、サステナビリティの取組みは、当社グループの事業の発展・拡大に努めることを基本方針としています。

 

(人的資本に関する戦略並びに指標及び目標)

 当社グループは、人的資本が重要な経営資本であると認識しており、人材の多様性の確保と人材育成の強化を進めるために、企業価値の持続的な成長が実現できるような人材育成及び社内環境整備の方針を定め、人員計画と経営計画を策定します。また、戦略会議を定期的に開催し、多様な人材が活躍できる職場環境の構築に取り組んでいます。

 なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難です。このため、下記の女性・外国人・中途採用者の管理的地位にある労働者への登用についての目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しています。

 

<管理的地位にある労働者の構成比>

対象

目標

実績(2026年3月31日現在)

女性

30%超

23.1%

外国人

20%超

15.4%

中途採用

50%超

100.0%

 

 また、人材育成及び社内環境整備の方針は下記のとおりです。

 ① 採用

前述の構成比目標を踏まえた採用を実施する

 ② 教育

ⅰ、前述の構成比率を踏まえ、候補者を認識し、対象者に対して、OJTと外部セミナー等によりリーダー

  的な業務教育を実施する
ⅱ、前述の構成比率を踏まえ、リーダー任命の対象者を選抜する。リーダー任命者には、OJTと外部セミ

  ナーを通じて、管理業務教育を実施する

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)競合他社の影響について

 電子書籍販売事業には、特許等による特別な参入障壁が存在していないため、多数の企業が参入しています。

 競合他社が、当社グループに比べて、ユーザーに支持されるサービス提供や効果的な集客施策を実施した場合は、当社グループの収入及び収益が減少するリスクがあります。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 当連結会計年度以前から、競合他社との競争は激化しており、リスクは既に顕在化しています。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 競合他社に比べて、当社グループが運営する電子書籍販売サイトがユーザーに支持されない、または、有効な集客施策を実施することができない場合は、当社グループの収入が減少し、収益も減少します。

③ リスクへの対策

 当社グループは、以下のリスクへの対策を実施しています。

ⅰ.広告宣伝、販売促進の集客施策の積極的な実施

ⅱ.広告宣伝施策において、継続的な効果測定を行うとともに、AIの導入を進め、効果の向上に努める

ⅲ.ユーザーニーズを調査し、ユーザビリティの向上を目的とした、恒常的なサイト改良の実施

ⅳ.コンテンツ検索機能の向上を目的としたAIの導入の促進

ⅴ.既存の電子書籍の販売強化を行うと同時に、デバイス、通信インフラ環境の発展・普及に合わせて、ユーザーにとって魅力的な次世代コンテンツの開発

ⅵ.国内市場だけでなく、海外市場への積極的な進出

④ リスクの重要性・水準の変化

 参入障壁が存在しない電子書籍市場では、2010年の電子書籍元年以前から、競合他社との激しい競争が続いています。そのため、リスクの重要性・水準は、当連結会計年度末現在においても大きな変化はありません。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 当社グループの経営方針・経営戦略は、当該リスクを踏まえて決定されています。また、経営戦略と整合したリスク対策が実施されています。

 

(2)海賊版サイトについて

 電子書籍は、電子データであるため、違法配信リスクが存在しています。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 リスクが顕在化する可能性や時期については、予測することが困難です。国内外を含めて海賊版対策の強化を図ることで、将来的にはリスクが低下する可能性があります。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 リスクが顕在化した場合の影響を想定することは困難です。過去に影響があった「漫画村」による電子書籍業界に与えた被害額は3,200億円(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構による試算)と推定されています。

③ リスクへの対策

 海賊版サイトをはじめとしたさまざまな電子書籍事業に関する問題に対応するため、読者への正規版購入と著者への収益還流を推進することを目的とし、電子書店5社(株式会社アムタス、株式会社イーブックイニシアティブジャパン、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社、株式会社パピレス、株式会社ビーグリー)が発起人となり、「日本電子書店連合」を発足し、運営しています。

 「日本電子書店連合」は、正規の電子書店の公認マーク(「ABJマーク」)の策定や海賊版対策及びSTOP!海賊版の啓発活動等を行っている、一般社団法人ABJに協力しています。

④ リスクの重要性・水準の変化

 リスクの重要性・水準は、電子書籍の市場規模に比例して大きくなっていると判断しています。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 経営方針・経営戦略と直接的な関連性はありませんが、その前提である電子書籍市場の健全な発展に悪影響を与えるリスクとして認識しています。

 

(3)システム障害について

 当社グループが行っている電子書籍事業を営むためには、コンピューターネットワークシステムの構築及び運用が不可欠なものとなっています。

 当社グループが構築・運用しているコンピューターネットワークシステムに障害が発生した場合は、障害の規模に応じて当社グループの収入及び収益が減少するリスクがあります。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 リスクの顕在化を防止するため、当社グループで予測可能なリスクについて、対応策を実施しています。

 ただし、予測不可能な、ハードウェアの不具合、通信回線の障害、新たなコンピューターウィルスのほか、自然災害、火災、停電等によるリスクが顕在化する可能性の程度や時期を推定することは非常に困難です。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 リスクが顕在化した場合の影響を推定することは困難です。システム障害の規模に応じて、当社グループの事業運営が阻害されるため、収入及び収益が減少します。

③ リスクへの対策

 当社グループ内に、コンピュータネットワークシステムの構築及び運用の専門部署を設けて、障害発生の抑止に努めています。

 社外データセンターへのサーバ分割設置、無停電電源装置の導入、回線の二重化等の冗長化を継続的に実施し、不慮の事故を想定したシステム対策を行っています。

④ リスクの重要性・水準の変化

 コンピュータネットワークシステムに障害が発生した場合は、その程度によっては当社グループの営業活動が停止する可能性があり、リスクの重要性は高いものとなっています。

 当該リスクの水準については、コンピュータネットワークシステムの冗長化を強化し、低減に努めています。

 

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 コンピュータネットワークシステムの構築及び運用は、当社グループの経営方針の達成及び経営戦略の実行のための前提要件となっています。

 

(4)著作権利用料について

 当社グループは、掲載コンテンツに関して、出版社等と著作権利用契約を締結し、著作権利用料を支払っています。

 著作権利用料は、契約によって支払料率が決定されていますが、契約支払料率が変動した場合や契約の更新に支障をきたす何らかの事情が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 当社グループは、電子書籍販売事業を長年営んでおり、出版社等のコンテンツホルダーと長年直接取引を行ってきました。

 電子書籍業界の発展を第一に考え、電子書籍書店と出版社等のコンテンツホルダーの双方にメリットがある著作権利用契約を締結して、協力して事業を行っています。

 ただし、一部の大手出版社とは、紙書籍事業との兼ね合い等の外的要因もあり、厳しい契約交渉を続けています。

 一部の大手出版社との間の著作権利用契約については、支払料率の上昇や契約が継続できない事態が発生する可能性があります。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を予測することは困難です。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 著作権利用に対する支払料率が上昇した場合は、売上原価の売上高比率が上昇し、収益が減少します。

 著作権利用契約が継続できない場合は、収入は減少しますが、収益は増加する可能性があります。

③ リスクへの対策

 出版社等コンテンツホルダーと、電子書籍業界の発展のために、協力して事業を行うことで、良好な関係の構築に努めています。

 同時に、既存の紙書籍を電子化するのではなく、当社グループで、デジタルボーンコンテンツを制作する体制を強化しています。

④ リスクの重要性・水準の変化

 出版社等のコンテンツホルダーとの著作権利用契約は、当社グループの事業にとって重要です。

 ただし、当社グループは、多くの出版社等のコンテンツホルダーと直接取引を行っており、一部取引先との間でリスクが顕在化した場合でも、経営に与える影響は限定的なものであると判断しています。

 当該リスクの水準については、出版社等のコンテンツホルダーの電子書籍事業に対する依存度の上昇に伴い低下する可能性があります。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 経営方針及び経営戦略のデジタルコンテンツのアグリゲーションと、特に密接な関連性があります。

 また、リスクへの対策は、オリジナルコンテンツの制作体制の構築及び、次世代コンテンツの開発と関連しています。

 

(5)広告宣伝費について

 当社グループが営むイーコマース事業にとって、広告宣伝費は、集客を図り、売上高を増加させるための重要な費用です。

 広告宣伝費の費用対効果は、当社グループの収入及び収益に大きな影響を与えます。

① リスクが顕在化する可能性の程度や時期

 広告宣伝費の支出に関しては、広告効果を継続的に検証し、最適な広告宣伝を実施するように努めていますが、広告戦略が想定した効果をあげることが出来ないリスクがあります。

 当社グループの広告戦略の費用対効果が低下するリスクが顕在化する可能性の程度や時期については、広告施策を、当社グループの最重要施策として位置づけ、十分な効果検証を行い、その顕在化を防ぐことに努めています。

② リスクが顕在化した場合に経営に与える影響

 費用対効果が低下した場合は、当社グループの収入及び収益が減少します。その影響は、費用対効果の低下に比例します。

③ リスクへの対策

 広告効果について、その分析を広告代理店に任せるのではなく、当社グループにおいてデータを収集し、継続的に効果分析を実施しています。

 広告施策は、社会情勢の変化等及び広告技術の進化により、常に最適な施策が変化するため、広告戦略に則して、様々な広告施策をトライアンドエラーで試験的に実施し、その効果検証を行ってきました。

 過去からの効果検証データの積み上げによって獲得した、広告施策に関するノウハウに基づき、広告戦略を立案し、実施することで、最適な広告施策が行える体制を構築しています。

④ リスクの重要性・水準の変化

 当社グループが営むイーコマース事業にとって、広告宣伝費は、事業の発展と継続に欠くことが出来ない費用です。

 その費用対効果は、収入及び収益に直接的な影響を与えるため、リスクの重要性は非常に高いものとなっています。

 リスクの水準は、基本的には変化はありませんが、事業規模の拡大に伴い、広告宣伝に依拠しないユーザーからの収入が積み上がるため、収入及び収益に与える影響は低減します。

⑤ 経営方針・経営戦略等との関連性

 経営方針及び経営戦略のデジタルコンテンツのディストリビューションと、特に密接な関連性があります。

 国内におけるデジタルコンテンツの販売高についての戦略及び国外でのグローバルなデジタルコンテンツ販売プラットフォームの発展についての戦略の達成に、重要な関連性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復がみられます。ただし、米国の通商政策がもたらす影響等が、我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、国際情勢の不安定化を背景とした資源価格の高騰や円安基調の継続等による物価上昇が個人消費に及ぼす影響も受けています。

 電子書籍の市場規模は、「インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2025』」によると、2024年度は6,703億円(うち電子コミック市場規模が5,878億円)と推計されていますが、参入企業も多く、厳しい競争が続いています。コンテンツ需要の増加により、出版社等のコンテンツホルダーからの仕入コストが上昇し、集客を強化するための、広告宣伝や販促コストも拡大傾向となっています。

 また、個人情報保護法の改正に伴うターゲティング広告の規制強化によって広告効率が低下し、ユーザーの消費行動への下押し圧力が依然として高まっていることによって、販促効果も弱まり、市場規模の成長が減速しています。

 このような環境の中で、当社グループは、顧客第一主義の基本理念に基づく、サービスの向上施策及び他社との差別化を図るためのブランド戦略施策を実施しています。

 サービス向上施策は、レンタル販売方式の拡充を進めています。

 ブランド戦略施策は、中長期的な事業拡大を目的とした広告宣伝を、先行投資として積極的に行っています。

 また、ユーザーへの還元を目的とした販売促進施策も積極的に実施しています。

 さらに、将来市場が拡大すると予測される英語圏や中国語圏を中心とした海外事業への投資強化及び、今後市場に普及していく5G端末向けの次世代コンテンツの開発並びに、高品質なオリジナルコンテンツの増産にも取り組んでいます。

 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は14,740百万円(前年同期比6.5%減)、営業利益は127百万円(前年同期は営業損失309百万円)、経常利益は481百万円(前年同期は経常損失283百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は4百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失164百万円)となりました。

 

 以下、セグメント別の経営成績及び、展開する事業における主な活動状況を報告します。

 

(電子書籍事業)

(集客施策)

 「Renta!」の認知度向上のため、TVCM、動画、SNS等の多様な広告媒体を組み合わせた広告施策を積極的に実施しています。

 また、割引やポイント還元などが適用されるクーポンの配布や、当社独自の販促企画及び大手出版社と協力しての特別キャンペーン等を実施した結果、「Renta!」の会員数は1,000万人を突破しました。それを記念に「Renta!マンガ大賞 2024」を受賞した著者等が厳選した神マンガ計1000冊以上を集めた「神マンガ 1000」という特設ページを開設しました。

 さらに、パピレスサービス開始30周年を迎えるにあたり、各出版社との連携による限定企画や記念キャンペーンを順次展開しています。

 

(サイト改良施策)

 ユーザビリティの向上を目指したサイト改良を継続的に実施しています。

 また、各種デバイスに最適化されたアプリの提供を図るため、ユーザー視点によるブラッシュアップの取り組みを恒常的に推進しています。

 

(コンテンツ施策)

 コミックを中心に、ノベル、実用書等、幅広いジャンルでコンテンツを拡充しているとともに、人気作品が続々と出ているオリジナルコンテンツの増産投資も実施しています。

 また、多彩なジャンルをラインアップした「Renta!」のオリジナル新レーベル「spRash!」のコンテンツ配信も開始しました。「読むとちょっと前向きになれる」をコンセプトに、忙しい毎日のスキマ時間に手軽に楽しめる作品をお届けします。

 

 さらに、若年層を中心に人気の縦型のショート動画コンテンツの配信を開始するとともに、ショートドラマ作品に限定して利用可能な割引クーポンの配布も実施しています。また、「Renta!」初のオリジナルショートドラマの独占先行配信も開始しました。

 

(次世代コンテンツ開発施策)

 5G端末向けの縦スクロール型の高品質なコミック「タテコミ」の拡充及びマンガにモーションと音声を付加し、スマートフォンでの視聴に最適のタテ型アニメーション形式の動画コンテンツ「アニコミ」の制作体制の強化を進めています。

 また、累計販売冊数が200万冊を突破した大人気フルカラー縦スクロールコミック『聖女なのに国を追い出されたので、崩壊寸前の隣国へ来ました 〜力を解放したので国が平和になってきましたが元の国まで加護は届きませんよ〜』(以下『聖女なのに』という。)のアニコミ化を実現し、「Renta!」にて配信を開始するとともに、モーションコミック形式でのTⅤ放送及びサブスク配信も開始しています。

 さらに、各動画配信サービスにて、自社オリジナルモーションコミック『魔寄せ宮女、孤高の祓魔師に拾われました』をはじめとする人気作品のアニコミ版の配信も実施しています。

 

(海外展開施策)

 海外向けの直営販売サイトの「英語版Renta!」、「中国語繁体字版Renta!」の売上拡大を目指して、集客、サイト改良、コンテンツの拡充を進めると同時に、自社オリジナルコンテンツの海外展開にも積極的に取り組んでいます。Renta!の2023年度と2024年度の少女漫画ランキング・タテコミランキングで共に第1位を獲得した、Renta!オリジナルコミック『聖女なのに』の海外での販売も開始しました。

 また、海外取次会社AAG(アルド・エージェンシー・グローバル株式会社)を通して、英語、中国語及び韓国語のコンテンツ取次販売を行っています。直営以外の海外販売サイトにも展開し、販路拡大が進んでいます。

 さらに、海外市場における認知度の向上策として、ニューヨークにて開催される北米東海岸最大級のアニメコンベンション「Anime NYC 2025」に出展しました。同イベントは14万人を超える動員者数を記録し、当社のブースには多くの漫画読者が来場しました。今後もこのような直接的な交流の機会を活用し、現地市場におけるユーザーベースの拡大とブランディングの強化を図っていきます。

 

 以上の結果、電子書籍事業において、売上高は14,745百万円(前年同期比6.5%減)、セグメント利益は762百万円(前年同期はセグメント損失141百万円)となりました。

 

(IP制作事業)

 IP制作事業については、セガサミーホールディングス株式会社との合弁会社であるJadeComiX株式会社が、中心的な役割を担い、フルカラー縦スクロールコミックレーベル「ZETooN」を立ち上げ、オリジナルコンテンツIPの開発に取り組んでいます。

 グローバルな事業展開に向け、2025年12月にWebtoonを主軸にした「ZETooN」第一弾ラインアップとして、「Renta!」でオリジナル新作4タイトルの独占先行配信を行うことができました。

 

 以上の結果、IP制作事業において、売上高は0百万円(前年同期は発生せず)、セグメント損失は281百万円(前年同期はセグメント損失142百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は12,519百万円となり、前連結会計年度末に比べ650百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が697百万円増加したことによるものです。

 固定資産は814百万円となり、前連結会計年度末に比べ49百万円減少しました。これは主に、繰延税金資産が36百万円減少したことによるものです。

 この結果、資産合計は13,333百万円となり、前連結会計年度末に比べ600百万円増加しました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は4,358百万円となり、前連結会計年度末に比べ654百万円増加しました。これは主に、未払金が34百万円、未払消費税が89百万円、未払法人税等が348百万円、前受金が175百万円増加したことによるものです。

 

 固定負債は1百万円となり、前連結会計年度末に比べ1百万円増加しました。

 この結果、負債合計は4,359百万円となり、前連結会計年度末に比べ655百万円増加しました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は8,974百万円となり、前連結会計年度末に比べ54百万円減少しました。これは主に、自己株式の減少により103百万円、為替換算調整勘定が51百万円増加したものの、利益剰余金が配当金の支払等により90百万円、非支配株主持分が112百万円減少したことによるものです。

 この結果、自己資本比率は67.1%(前連結会計年度末は69.8%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、過年度法人税等の支払等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益481百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失283百万円)を獲得したこと等により、前連結会計年度末に比べ519百万円増加し、当連結会計年度末には8,927百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は421百万円(前年同期は573百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益481百万円、前受金の増加額151百万円、過年度法人税等の支払額235百万円、法人税等の還付額133百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は3百万円(前年同期比21.7%増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,124百万円、定期預金の払戻による収入1,108百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は87百万円(前年同期比92.8%減)となりました。これは主に、配当金の支払額86百万円等によるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.仕入実績

 当社グループでは、実際に利用された電子書籍の利用価格及び販売数に応じて、出版社又は著者等に対し、一定割合の著作権料の支払いが発生します。当該著作権料が仕入に当たります。

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

 至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

電子書籍事業(百万円)

7,033

94.4

IP制作事業(百万円)

0

合計(百万円)

7,033

94.4

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

 至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

電子書籍事業(百万円)

14,740

93.5

IP制作事業(百万円)

合計(百万円)

14,740

93.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は14,740百万円(前年同期比6.5%減)、売上原価は7,902百万円(前年同期比3.7%減)、売上総利益は6,837百万円(前年同期比9.5%減)、販売費及び一般管理費は6,709百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は127百万円(前年同期は営業損失309百万円)、営業外収益は354百万円(前年同期比358.4%増)、営業外費用は0百万円(前年同期比98.6%減)、経常利益は481百万円(前年同期は経常損失283百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は4百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失164百万円)となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、売上高と売上原価及び広告宣伝費があります。

 売上高は、前連結会計年度に比べて減収となっています。これは、広告施策の効果が低下していることによります。原材料価格の高騰や為替の変動等による物価上昇により、ユーザーの消費行動への下押し圧力が強まること及び、個人情報保護法の改正によるターゲティング広告の規制強化等が広告効果に影響を与えています。

 売上原価は、前連結会計年度に比べて発生金額が減少しています。これは、売上高の減少に伴う著作権利用料の減少によるものです。

 広告宣伝費は、前連結会計年度に比べて発生金額が減少しています。これは、「Renta!」ブランドの認知度の向上とユーザー層の拡大を図るため、一般層に向けて広告を継続的に実施していますが、ターゲティング広告の規制強化等に関する影響を勘案し、広告施策を抑制していることによるものです。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、国内及び海外での電子書籍販売売上高を、達成状況を判断するための指標としています。

 売上高は、当連結会計年度の事業計画に比べて4.1%の不利差異となっています。

 

②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度末における財政状態は、流動資産は12,519百万円(前連結会計年度末比5.5%増)、固定資産は814百万円(前連結会計年度末比5.8%減)、資産合計は13,333百万円(前連結会計年度末比4.7%増)、流動負債は4,358百万円(前連結会計年度末比17.7%増)、固定負債は1百万円(前連結会計年度末は残高なし)、負債合計は4,359百万円(前連結会計年度末比17.7%増)、純資産合計は8,974百万円(前連結会計年度末比0.6%減)、自己資本比率は67.1%(前連結会計年度末は69.8%)となりました。

 

 当社グループは、運転資金及び設備資金について、内部資金を充当しています。現在の事業規模に比して十分な事業運営資金を有しています。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益の計上、前受金の増加、過年度法人税等の支払、法人税等の還付等により421百万円の獲得(前年同期は573百万円の使用)となっています。

 投資活動によるキャッシュ・フローについては、定期預金の預入による支出、定期預金の払戻による収入等により3百万円の使用(前年同期比21.7%増)となっています。

 財務活動によるキャッシュ・フローについては、配当金の支払等により87百万円の使用(前年同期比92.8%減)となっています。

 

④資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、著作権料、コンテンツ制作費用及び広告宣伝費用です。投資を目的とした資金需要は、重要なものはありません。

 当社グループの資本の財源は、ほぼ利益剰余金となっています。

 資金の流動性については、当社グループは、重要な設備等を必要としていないため、総資産の構成は、大部分が流動資産であり、また、流動資産の大部分が現金及び預金となっています。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。

 会計方針は、当社グループの財政状態及び経営成績を正しく示すことができると判断したものを選択及び適用しています。

 会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、時価による測定を含め、合理的であると判断しています。

 なお、当社グループが選択及び適用した会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しています。

 

5【重要な契約等】

(1)資本業務提携契約及び株主間契約による子会社の設立

契約締結先

内容

出資額

合弁会社名

設立年月

セガサミーホール

ディングス株式会社

Webtoonコンテンツ及びサービスの開発とオリジナルコンテンツの制作事業

当社

90,000千円

JadeComiX株式会社

(資本金75百万円)

2023年5月

セガサミーホール

ディングス株式会社

60,000千円

(注)合弁会社「JadeComiX株式会社」の出資額及び資本金は、設立時の出資額及び資本金を記載しています。

当連結会計年度末の出資額及び資本金は、以下のとおりとなっています。

「出資額」

当社

330,000千円

 

セガサミーホールディングス株式会社

220,000千円

「資本金」

 

 275百万円

 

(2)企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意

 当社は、セガサミーホールディングス株式会社との間で、Webtoon分野における新たな事業機会の創出及び事業規模の拡大を目的として、資本業務提携に関する契約を締結しました。

 当該契約における株券等の保有方針の内容等は次のとおりです。

 

①契約における株券等の保有方針の概要

契約締結日

相手先の名称

相手先の住所

合意の内容

2023年4月27日

セガサミーホール

ディングス株式会社

東京都品川区西品川1-1-1

①セガサミーホールディングス株式会社は、保有する当社の普通株式90万株について、2023年5月15日以降の5年間、第三者への譲渡、担保設定その他の処分を行わないこと。

 

②セガサミーホールディングス株式会社は、当社の事前の承諾なしに、当社の株式の保有割合の9.6%を超えることになる当社の株式の追加取得を実施しないこと。

 

③契約が終了した場合に、当社がセガサミーホールディングス株式会社に対し、保有する当社の普通株式90万株を当社に売り渡すことを請求できること。

 

②合意の目的

・セガサミーホールディングス株式会社の保有する知的財産権や知的財産権を展開するノウハウ、ゲーム開発

や映像制作、商品開発等のケイパビリティと当社の保有する国内及び海外での自社電子書籍プラットフォーム運営、電子書籍の取次に関するケイパビリティ及び電子書籍販売に関するマーケティングノウハウ並びにWebtoonの制作ノウハウを組み合わせ、共同で合弁会社を設立し、Webtoonの制作を通じてグローバル市場で展開できるオリジナル知的財産権を創出すること。

 

・セガサミーホールディングス株式会社と当社が共同で設立する合弁会社は、ⅰ)Webtoonコンテンツ及びサー

ビスの開発に関する業務、ⅱ)オリジナルコンテンツの制作及び増産に関する業務を実施すること。

・当社は、自己株式の処分の方式により、当社の普通株式900,000株(以下「本株式」という。)を処分する

とともに、セガサミーホールディングス株式会社は、その処分される本株式全部を引き受けるものとすること。

 

③取締役会における検討状況その他の当社における合意に係わる意思決定に至る過程

 当社は、当社が営む電子書籍事業において、次世代コンテンツの開発及びオリジナルコンテンツの増産を経営戦略上の重要施策として推進している中、セガサミーホールディングス株式会社より、当社が保有する電子書籍コンテンツビジネスの人材、知財、ノウハウと、セガサミーホールディングス株式会社のアニメ、ゲームコンテンツビジネスの人材、知財、ノウハウを合わせて、次世代コンテンツの開発及びオリジナルコンテンツの増産を行っていきたい旨の提案があり、両社で協議を続けた結果、両社が協力すれば、国内のみでなく国外も視野に入れて、魅力的な電子書籍コンテンツを生み出していくことができるとの結論に至りました。

 その後、2023年4月27日に開催された取締役会において、両社の経営戦略の整合性及び株主構成の変動が当社のガバナンス体制に与える影響並びに、本合意が当社の企業価値の向上や事業規模の拡大に資するか否か等の観点を中心に審議が行われ、本資本業務提携が当社の事業の発展に必要と判断し、契約締結の実行を決議しました。

 

④合意が当社の企業統治に及ぼす影響

 本合意に基づく資本業務提携は、当社の経営の独立性に影響を与えるものではなく、現行の企業統治体制に重大な変更を加えるものではありません。また、本資本業務提携を通じて得られた協業関係及び事業上の相乗効果は、当社グループの企業価値の向上に寄与すると期待しています。

 

(3)完全子会社の吸収合併

 当社は、2025年12月15日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社ネオアルドを吸収合併することを決議し、2026年1月5日付で2026年4月1日を効力発生日とする吸収合併契約を締結しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(完全子会社の吸収合併)」に記載のとおりです。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの属する電子書籍業界は、今後さらに成長していくことが予想されますが、技術革新が急速に進むインターネットインフラ環境や表示端末の新機種対応等に、継続的に対応していく必要があります。

また、新技術に対応するため、当社グループで利用している各種情報システムについても、継続的に整備を行っていく必要があります。

このため、当社グループでは、専門的知識を有し、専属的に研究開発業務を行う開発部員が、電子書籍の配信及び閲覧に関する新技術の開発及び既存システムの改良・改善等を積極的に行っています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は73百万円となっており、全て電子書籍事業に係わるものです。