当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって景気は緩やかな回復基調が続いております。また、世界経済においては、欧米における高い金利水準の継続等に伴う下振れリスクなど不確実要素はあるものの、一部の地域において足踏みがみられながらも持ち直しをみせております。これらの情勢の下、我が国経済の先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待されています。
当社グループでは、グローバル・インバウンド(日本国内における国際化)に向けて、WEBマーケティング事業を中心とした「マーケティング」セグメント、海外のIT人材・介護人材を日本企業へ紹介等を行う人材事業と教育事業(語学研修・教育、留学斡旋等)を営む「海外人材」セグメント、保有不動産の賃貸事業を行う「不動産」セグメントの3つのセグメントにおいて事業展開を進めて参りました。
WEBマーケティング業界については、インターネット広告費の成長率(前年比107.8%)が広告費全体の成長率(前年比103.0%)を上回り広告全体を牽引していることが示されたように(出所:株式会社電通「2023年 日本の広告費」)、成長性の高い業界であると考えられます。ただし、例えば単純なSEO対策といった差別化しにくい均質的なサービスによる競争に陥ることなく、差別化されたサービスを提供できることが事業成長のための重要な要件になっており、その差別化されたサービスに関する高度なノウハウの蓄積とそれを実現する専門的な制作者をいかに多く確保するか、制作体制の充実が競争力の鍵になっていると考えられます。
そのような環境下で、当社グループにおいては、ニッチな商品・サービスの集客に特化したメディアの制作・運用をWEBマーケティング事業の柱としてきました。これまでに累計8,000件を超える専門メディアを制作し、クライアント企業の商品・サービスの特徴と合致するニーズを持つユーザーをマッチングさせる制作技術とノウハウの蓄積を進めてきました。また、優れたノウハウ・知見を持った社内の制作人員・運用人員の充実と、専門性の高い外部ライターを備えるよう努めてまいりました。その結果、この分野においては、他に強い競合がいると意識することなく事業拡大に注力することができる状態になっていると考えております。また、足元においては営業において生成AIの活用に積極的に取り組むことにより、提案営業の生産性を高める成果を得ております。こうした生成AIの活用を全社的な取組みとし、制作や運用を含めた社内の各部署における生産性を高める試みも推進しております。
海外人材については、日本国内における労働力は毎年逼迫してきており、需要は増えていくものと考えられます。例えば、国内のIT人材は2030年には最大で79万人、中位シナリオで約45万人(出所:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年3月))も人手が不足すると見込まれるほど人手不足が慢性化しています。また、海外人材採用を促進する政策は、特定技能外国人の2024年から5年間の受け入れ枠が82万人とそれまでの約2.4倍になるなど強化されてきています。そして、需要が増えていく中で、今後、海外人材を紹介する企業は増加していくものと予想されます。海外人材の紹介においては、海外において日本で働く意向を持つ優秀な人材をいかに確保し、日本で就業した後には定着に向けて支援することができるかが、競争力と事業成長の鍵になると思われます。
そのような環境下で、当社グループは、海外のIT人材輩出地のなかでも教育水準・将来的な人材供給力等の観点からインド南部の都市ベンガルールに着目し、拠点を設けて事業化に取り組んできました。そこでは、現地の大学と提携してジャパンキャリアセンターを設けるなど、日本での就職を希望する卒業予定者等を累計で2万人以上集めております。今後は、日本国内の就業先の開拓に本格的に取り掛かり、定着に向けた支援を行ってまいります。また、介護人材不足に対応するために、主にインド、インドネシアの介護分野における特定技能外国人を現地の政府系機関や人材送出機関と提携し、日本国内の介護施設への紹介を進めています。そして、介護福祉士の資格取得を目指した5年間にわたる独自の日本語教育プログラムも提供し、長く日本で活躍することができる人材の育成の支援も行っております。2024年8月からは、インドの政府系機関とのネットワークを活用し、宿泊施設向けの特定技能外国人の紹介に向けた協働や、株式会社日本旅行と宿泊業界向けの日本語教育のプログラム開発についての協働も開始いたしました。
また、2024年12月1日付で本社移転を実行しており、当中間連結会計期間において、本社移転に伴う一時費用153,956千円を販売費及び一般管理費として計上するとともに、資産除去債務戻入益58,710千円を特別利益として計上しております。
以上のような状況の下、当中間連結会計期間の連結売上高は、2,739,632千円と前中間連結会計期間(以下、「前年同会計期間」という。)と比べ57,322千円(2.0%)の減収、連結営業利益は、149,949千円と前年同会計期間と比べ19,751千円(11.6%)の減益、連結経常利益は172,071千円と前年同会計期間と比べ39,716千円(18.8%)の減益、親会社株主に帰属する中間純利益は164,517千円と前年同会計期間と比べ8,297千円(5.3%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
当セグメントでは、主に「WEBマーケティング事業」として、顧客のWEB検索市場におけるマーケティング戦略に向けて、ニッチな商品・サービスに特化した専門メディアの制作・運用を通じた集客支援を中心に行っております。
当中間連結会計期間においては、主に専門メディアの少ないニッチな市場(例えば、電機・機械等のBtoBの業種)向けを中心に68件(前年同会計期間比7件増)のメディアを新規公開するとともに、970件(前年同会計期間比61件減)のメディアを運用しています(平均継続期間43.7カ月)。売上高においては、新規顧客獲得を継続的に進めておりましたが、前連結会計年度において運用メディア数が減少した影響が残っており、減収となりました。なお、外注費等を中心に費用の見直しを進め、利益の改善を進めております。その結果、売上高は1,841,360千円と前年同会計期間と比べ70,541千円(3.7%)の減収、セグメント利益は474,257千円と前年同会計期間と比べ68,751千円(17.0%)の増益となりました。
当セグメントは、人材事業と教育事業から成り立っております。人材事業では、IT・介護業界向けの海外人材の紹介と、美容業界に特化した求人を紹介する「美プロ」などのメディアの運営等を行っております。また、教育事業では、法人向け語学研修、留学斡旋や日本語教育等を行っております。
人材事業における当中間連結会計期間の売上高は、329,424千円と前年同会計期間と比べ50,762千円(18.2%)の増収となりました。これは、海外のIT人材、介護人材の紹介等が増えたことによるものです。IT人材に関しては、当中間連結会計期間において57名(前年同会計期間比5名減)の日本企業への入社が実現しております。また、採用イベントが35回と前年同会計期間と比べて10回増加しているほか、内定を受けて今後の入社に向けた日本語教育プログラムの受講人数が191名と前年同会計期間と比べて58名増加しております。介護人材の紹介等については、入職後の登録支援機関としての登録人数や日本語教育プログラムの受講人数が増加したこと等によるものです。
教育事業における当中間連結会計期間の売上高は、334,802千円と前年同会計期間と比べ38,005千円(10.2%)の減収となりました。これは、法人向け語学研修事業等において受注の伸び悩み等があったことによるものです。なお、販売費等を中心に費用の見直しを進め、利益の改善を進めております。
これらの結果、海外人材セグメントの売上高は664,227千円と前年同会計期間と比べ12,756千円(2.0%)の増収、セグメント利益は49,825千円と前年同会計期間と比べ106,381千円の増益となりました。
c.不動産セグメント
当セグメントにおきましては、「全研プラザ」、「Zenken Plaza Ⅱ」の賃貸を中心に行っており、高稼働を維持しております。
その結果、当中間連結会計期間の売上高は233,402千円と前年同会計期間と比べ419千円(0.2%)の増収、セグメント利益は163,438千円と前年同会計期間と比べ2,000千円(1.2%)の増益となりました。
また、財政状態については次のとおりであります。
(資産)
流動資産の残高は5,078,372千円(前連結会計年度末比271,971千円の増加)となりました。これは主に、現金及び預金において225,306千円増加したこと等によるものです。固定資産の残高は9,436,011千円(前連結会計年度末比45,570千円の減少)となりました。これは主に、本社移転に伴う建物及び構築物(純額)が60,580千円減少したことによるものです。
以上の結果、当中間連結会計期間末の資産合計は、14,514,383千円(前連結会計年度末比226,400千円の増加)となりました。
(負債)
流動負債の残高は1,450,207千円(前連結会計年度末比167,940千円の増加)となりました。これは主に、前受金が154,393千円増加したこと等によるものです。固定負債の残高は872,038千円(前連結会計年度末比99,576千円の増加)となりました。これは主に、本社移転に伴う資金の借入により長期借入金が106,122千円増加したことによるものです。
以上の結果、当中間連結会計期間末の負債合計は、2,322,246千円(前連結会計年度末比267,517千円の増加)となりました。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は、12,192,137千円(前連結会計年度末比41,116千円の減少)となりました。これは主として、配当金の支払いにより利益剰余金が206,087千円減少したものの、親会社株主に帰属する中間純利益を164,517千円計上したことによるものです。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ225,306千円増加し、3,830,422千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、311,915千円の資金の獲得となりました(前年同会計期間は387,677千円の資金の獲得)。これは主として、当中間連結会計期間においては、営業活動による資金の獲得や本社移転に伴う減価償却費の計上、法人税等の支払額119,258千円等によるものであります。
投資活動による資金の獲得は130千円となりました(前年同会計期間は25,650千円の資金の支出)。これは主に、本社移転に伴う有形固定資産の取得による支出31,852千円、貸付による支出500,000千円、貸付金の回収による収入533,973千円等によるものであります。
財務活動による資金の支出は86,738千円となりました(前年同会計期間は414,756千円の資金の支出)。これは主に長期借入れによる収入200,000千円、配当金の支払額205,905千円、長期借入金の返済による支出78,062千円等があったことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上の課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。