文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、持続的に成長し企業価値の向上を図るため、「住生活に関するビジネスを基軸として、生活文化の向上と地球環境の保全に貢献します。」との経営理念のもと、住生活に関するビジネスを充実させるとともに、事業ポートフォリオを拡大することで、「安全安心でサステナブルな(持続可能な)社会を創造する」というパーパスの実現を目指しております。
わが国経済は、雇用・所得環境の改善、個人消費の持ち直しが期待されますが、エネルギーや原材料価格の高止まり、ウクライナや中東の地政学的リスクに加え、米国の通商政策の影響による景気下振れリスク等、先行きは依然として不透明な状況となっております。
住宅関連業界におきましては、住宅建築価格の高止まり、住宅ローン金利の上昇等により、当社グループの主なターゲットである持家・分譲戸建住宅の着工戸数につきましては、横ばいで推移すると見込んでおります。
当社グループといたしましては、次の3項目を基本方針とし、同方針に基づく各種施策を推進することにより、持続的な成長及び企業価値の向上を図ってまいります。
・持続的成長に向けた事業ポートフォリオの変革
・成長分野に注力した営業展開
・安定成長を支える経営基盤の確立
<持続的成長に向けた事業ポートフォリオの変革>
社会環境の変化に適応し、住宅需要の変化に影響を受けにくい企業体質を確立するため、非住建分野の売上構成比率を高めるとともに、収益性の高い新たな成長事業分野へのM&Aを推進し、事業規模の拡大に努めてまいります。
<成長分野に注力した営業展開>
脱炭素社会の実現等、今後の事業環境の変化を見据え、以下の取り組みを強化してまいります。
① 建材事業
・脱炭素関連商材の拡販
・リフォーム・リノベーション需要の取り込み
・非住宅市場の開拓
② 加工事業
・非住宅市場の開拓
・工事機能の強化
③ 環境アメニティ事業
・施工体制の強化
・EC市場の開拓
④ エンジニアリング事業
・更なるM&Aの推進による工事ネットワークの構築
・建材事業と連携した土木関連商材の取扱い
⑤ その他事業
・自動車のEV化を見据えた売上構成の転換
・国内製産業資材の拡販
<安定成長を支える経営基盤の確立>
DX推進、サステナビリティについての取り組み強化、人材の育成・確保、コーポレートガバナンスの強化等により、安定成長を支える経営基盤の確立を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、地球を取り巻く環境に対する深刻な変化、気候変動問題が及ぼす影響を重要課題と捉え、持続可能な社会の実現に向けて、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティに関連する課題に適切に対応し、中長期的な企業価値の向上に取り組むため、サステナビリティへの取り組みを強化しております。
また、2022年5月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しており、今後、地球温暖化防止に向けた更なる取り組みを通して、脱炭素社会への移行を進めてまいります。
2023年4月に代表取締役 社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しております。サステナビリティ委員会は、サステナビリティ課題への対応方針や諸計画等の策定及び改定、取り組みの進捗状況の管理を行ない、原則として半年に1回開催し、適宜、取締役会へ報告いたします。取締役会は、サステナビリティ委員会からの報告を受け、必要に応じて対策を決議し、監督・指示を行ないます。
2024年度はサステナビリティ委員会を2回開催しており、「環境」につきましては温室効果ガス(GHG)排出量削減目標に対する進捗状況の確認及び今後の取り組み等について協議を行なっております。「人的資本」につきましては、エンゲージメントサーベイの実施、自己啓発への支援等について協議を行なっております。
現時点で識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は「環境」及び「人的資本」であり、それぞれの戦略は、以下のとおりであります。
① 環境
中長期的なリスクの一つとして「気候変動」を捉え、関連リスク及び機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃未満シナリオ及び4℃シナリオ)を参照し、当社グループの建材事業・加工事業を中心に、2050年までの長期的な影響を考慮したシナリオ分析を実施しました。
(気候変動に関する主なリスクと機会)
② 人的資本
当社グループの事業には、専門的な知識、様々な実務経験、建設に関する資格等を有する人材が不可欠であります。優秀な新卒者の採用及び育成や即戦力の中途採用に注力しており、併せて、女性活躍推進を含む多様な人材の登用、次世代経営人材の育成等を推進しております。人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。
・多様な働き方の推進
従来からの働き方に加え、テレワーク、時差出勤、有給休暇取得の推進等、個人のライフスタイルに合わせた勤務体系を推進すべく、その環境づくりを行なっています。
・女性活躍推進
女性の活躍推進を行なうため、育児休業や短時間勤務制度の利用推進等、育児中の社員が働きやすい環境づくりや、有期雇用社員の正社員転換の推進を行なっています。
・エンゲージメントの向上
2024年3月に当社及び中核事業会社である越智産業㈱の社員を対象にエンゲージメントサーベイを実施いたしました。他のグループ会社においても必要に応じてエンゲージメントサーベイを実施してまいります。また、サーベイの結果を参考にして、様々な施策を実施しエンゲージメントの向上に努めてまいります。
・次世代リーダーの育成
次世代リーダーの育成を行なっています。
当社グループは、「リスクマネジメント基本規則」に基づき、全社的なリスクマネジメント体制を構築しており、リスクマネジメント委員会が組織横断的かつ包括的なリスク管理を行ないます。サステナビリティ委員会はサステナビリティ関連リスクを管理し、リスクマネジメント委員会と連携してリスク管理を実行し、適宜、取締役会に報告を行ないます。
当社グループでは、上記「(3) 戦略」において記載した、「環境」及び「人的資本」に関する指標について、主要な事業を営む会社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行なわれているものの、連結グループに属する全ての会社では行なわれてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む会社のものを記載しております。
① 環境
a 環境に関する指標及び目標・実績
当社グループの主要6社における環境に関する指標と、その目標及び実績は次のとおりであります。
(注) 1 目標及び実績の対象会社は、OCHIホールディングス㈱、越智産業㈱、㈱ホームコア、㈱松井、太陽産業㈱、ヨドプレ㈱の6社であります。
2 ㈱ホームコアは、2024年4月1日付で丸共建材㈱(連結子会社)と合併(存続会社:㈱ホームコア)しており、基準年度(2020年度)実績、当連結会計年度実績及び2030年度削減目標は、丸共建材㈱の実績を加算して算出しております。
3 ㈱松井は、2024年12月1日付で寺田㈱(連結子会社)と合併(存続会社:㈱松井)しており、基準年度(2020年度)実績、当連結会計年度実績及び2030年度削減目標は、寺田㈱の実績を加算して算出しております。
4 ヨドプレ㈱では、2024年2月より自家消費の太陽光発電設備の運用によってCO2削減に寄与しております。
5 「OCHIグループの森(山口市)」の森林整備活動では、2023年10月に山口県より126t-CO2のCO2吸収量の認証(5年間)を受けており、2024年度のCO2吸収量は25t-CO2となります。
b 「CDP気候変動質問書」への取り組み
当社グループでは、英国の国際環境NGOであるCDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)の「CDP気候変動質問書」に対して、2022年度から回答を行なっております。
当社グループの主要6社を対象とする2024年度のスコアリングは「C:(自社の現状について認識し、影響について理解している)」となっております。
② 人的資本
当社グループの中核事業会社である越智産業㈱における人的資本に関する指標と、その目標及び実績は次のとおりであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 住宅市場の動向に関するリスク
当社グループは、建材事業及び加工事業において住宅関連資材の販売を行なっており、その販売は新設住宅着工戸数の変動等の住宅市場の動向に左右されます。景気低迷、税制及び住宅関連政策の変更、木材等の資材の供給不足・価格高騰等で住宅関連資材の需要が減少した場合には、当社グループの経営成績等の状況に特に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおきましては、住宅関連資材の需要減少の影響を軽減するために、脱炭素関連商材の拡販、リフォーム・リノベーション需要の取り込み、非住宅市場の開拓等、成長分野に注力した営業展開を行なっております。また、社会環境の変化に適応し、住宅需要の変化に影響を受けにくい企業体質とするために、非住建分野の規模拡大に努めております。
② 取引先に対する信用リスク
当社グループは、取引先に対して売上債権等について信用供与を行なっておりますが、取引先には建材・材木販売店や工務店等の中小企業が多く含まれております。特に景気後退期には、当社グループの取引先が売上不振、不良債権の発生、取引金融機関の対応変化等により支払不能に陥り、当社グループの債権が貸倒れとなる懸念が高まります。債権の貸倒れによる損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を計上しておりますが、実際の債権の貸倒れがこれを超過した場合には、当社グループの経営成績等の状況に特に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおきましては、持株会社である当社がグループ各社の与信管理を一元的に行なうなど、管理を徹底しております。
③ 企業買収等に関するリスク
当社グループは、M&Aによる事業ポートフォリオの拡大を経営戦略の一つとしております。M&Aを実施する際には、対象企業の財務内容、法的な問題点等についてデューデリジェンスを行なうことや、投資額、投資効果等を慎重に検討すること等により、事前にリスクを回避するように努めております。
しかしながら、その後の市況の変化や不測の事態により、当初予定していた効果を得ることができず、買収した企業の価値が大幅に低下する状況が生じた場合には、当社グループの経営成績等の状況に特に重要な影響を及ぼす可能性があります。
地震や風水害等の自然災害により当社グループの事務所、工場等が被災した場合や、感染症の大規模な流行が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障を来たす可能性があります。また、建材メーカー等の工場に自然災害による被災や感染症による操業停止が発生した場合には、仕入商品の品不足または仕入価格の高騰等により、当社グループの事業活動に支障を来たす可能性があります。さらに、サプライチェーンが寸断した場合には、復旧まで商品を供給できない可能性があります。事業継続計画(BCP)の策定等の対策は講じておりますが、これによって自然災害や感染症流行による被害を完全には回避できず、当社グループの経営成績等の状況に特に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、販売管理システム、会計システム、人事管理システム等の情報システムや通信ネットワークを使用しております。当社グループといたしましては、システムトラブルの発生を防ぐため、セキュリティの強化、データセンターへのサーバーの設置、クラウドサービスの利用等の対策を行なっております。
しかしながら、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピューターウイルスの感染、不正アクセス、自然災害等によって、情報システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざん等の事態が発生した場合には、商品・サービス提供の中断、業務処理の遅延や混乱を来たし、当社グループの経営成績等の状況に特に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおきましては、業務の効率化に向けて、建材事業に共通した新しい販売管理システムの導入を2020年4月から開始しております。同システムは販売管理に加え、仕入及び原価管理、在庫管理、債権債務管理までの幅広い業務を対象とする基幹システムであります。旧システムから新システムへの移行を一斉ではなく段階的に行なうことで、新システムに不具合等が発生した場合の事業活動への影響を軽減することとしております。当連結会計年度までに越智産業㈱、㈱ソーケン、坂口建材㈱、㈱トーソー、㈱丸滝に加え、㈱ホームコアの一部の拠点に導入しております。
当社グループの事業には、専門的な知識、様々な実務経験、建設に関する資格等を有する人材が不可欠であります。当社グループといたしましては、優秀な新卒者の採用及び育成や即戦力の中途採用に注力しており、併せて、女性活躍推進を含む多様な人材の登用、次世代経営人材の育成等を推進しております。また、エンゲージメントサーベイ、自己啓発への支援等の施策を実施しております。
しかしながら、採用環境の変化等により必要な人材の採用及び育成が十分にできない場合や、重要な役割を果たしている人材が多数流出した場合には、事業活動に支障を来たし、当社グループの経営成績等の状況に特に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、建材、環境アメニティ、加工、エンジニアリング、その他の5つの事業を行なっておりますが、それぞれの事業において競合会社が存在しております。当社グループといたしましては、顧客のニーズに合った、また、環境の変化に対応した商品・サービスを提供することにより、他社との競合に耐えうる事業基盤の構築に努めております。
しかしながら、異業種からの新規参入による競合激化や、競合会社によるМ&A、資本提携等を通じた寡占化が発生した場合には、当社グループが顧客を失う、もしくは顧客の維持・確保のため販売価格の引下げを余儀なくされ、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業活動を行なう上では、建設業等の許認可、廃棄物の処理規制、租税、介護保険等に関する法令等の様々な規制が存在します。当社グループにおきましては、コンプライアンス経営を重視し、法令遵守の徹底に努めておりますが、これらの規制を遵守できなかった場合には、事業認可の取消や事業活動への制約を受けることになり、当社グループの経営成績等の状況や社会的信用に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの規制の改廃や新たな公的規制の制定等が行なわれた場合には、事業活動への制約を受け、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、不動産、機械設備等の有形固定資産、のれん等の無形固定資産、投資不動産等の投資その他の資産を保有しておりますが、これらの資産については減損会計を適用し、当連結会計年度末時点において、必要な減損処理を行なっております。
しかしながら、今後、市況の悪化や需要の減退等により保有する固定資産の経済価値が著しく低下した場合には、追加の減損処理が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績の状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の賃上げによる所得環境の改善やインバウンド需要に支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、長引く物価高による個人消費の伸び悩み、ウクライナや中東における地政学的リスクに加えて、米国の通商政策の影響による景気下振れリスク等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
住宅関連業界におきましては、住宅建築価格の高止まり、住宅ローン金利の上昇懸念等はあったものの、2025年4月の建築基準法改正前の駆け込み需要の影響等により、当連結会計年度における新設住宅着工戸数は、前期比2.0%増の81万6千戸となりました。しかしながら、当社グループの主なターゲットである持家・分譲戸建住宅の着工戸数につきましては、前期比2.2%減となりました。
このような状況の中で、当社グループにおきましては、非住宅分野に係る営業強化、リフォーム・リノベーション需要の取り込み等、成長分野に注力した営業展開を図ってまいりました。
また、2024年10月には、福島県会津若松市に本社を置き、東北地方で土木、舗装、不動産開発、住宅建設等を行なう㈱弓田建設及び同社の子会社2社を新たに子会社化し、エンジニアリング事業の強化にも注力してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、M&Aの効果により117,084百万円(前期比3.3%増)となりました。しかしながら、利益面につきましては、持家・分譲戸建住宅の着工戸数減少の影響は大きく、M&A関連費用の計上等もあり、営業利益は1,471百万円(前期比31.8%減)、経常利益は1,929百万円(前期比29.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,040百万円(前期比50.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<建材事業>
非住宅分野での売上伸長、リフォーム・リノベーション需要の取り込み、脱炭素関連商材の拡販、工事機能の強化等に注力してまいりました。
この結果、当事業の売上高につきましては、持家・分譲戸建住宅の着工戸数減少や販売運賃の増加等の影響はあったものの、前期に子会社化したTRESSA㈱及び㈱アイ・ビルドの業績が寄与したことにより、72,934百万円(前期比4.3%増)となりました。営業利益につきましても、835百万円(前期比3.5%増)となりました。
<環境アメニティ事業>
量販店向けの繊維製品、家庭用品、暖房機器の販売が減少したことから、当事業の売上高は17,551百万円(前期比1.2%減)となりました。しかしながら、営業利益につきましては、冷凍冷蔵機器及び空調機器の販売・設置工事が下支えし、309百万円(前期比14.0%増)となりました。
なお、経営効率化を図るため、2024年12月に㈱松井と寺田㈱を統合いたしました。
<加工事業>
主力の戸建住宅に加えて、介護施設や事務所等の非住宅物件の受注に向けて営業を強化してまいりました。しかしながら、持家・分譲戸建住宅の着工戸数減少の影響により、当事業の売上高は14,152百万円(前期比3.9%減)、営業利益は637百万円(前期比25.1%減)となりました。
<エンジニアリング事業>
当事業の売上高は、2024年10月に子会社化した㈱弓田建設の業績が寄与し、9,541百万円(前期比15.5%増)となりました。しかしながら、営業利益につきましては、利益率が低下したことに加えて、㈱弓田建設の子会社化に伴うM&A関連費用が発生したことにより、444百万円(前期比46.7%減)となりました。
<その他>
産業資材の販売を行なう太平商工㈱、及び、2024年5月に子会社化した、福岡市に本社を置き労働者派遣業を行なう㈱ヒット・イールの事業を報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」に区分しております。
自動車関連の販売が好調に推移したことに加え、㈱ヒット・イールの業績が寄与したことで、売上高は3,605百万円(前期比14.7%増)となりました。営業利益につきましても、同社の子会社化に伴うM&A関連費用は発生しましたが、122百万円(前期比2.0%増)となりました。
流動資産は前連結会計年度と比べ2,194百万円(5.0%)増加し、46,142百万円となりました。「受取手形、売掛金及び契約資産」が1,131百万円、「現金及び預金」が966百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
固定資産は前連結会計年度と比べ1,511百万円(6.7%)増加し、23,900百万円となりました。「投資有価証券」が237百万円、「投資不動産(純額)」が171百万円それぞれ減少しましたが、「建設仮勘定」が732百万円、「のれん」が538百万円、「建物及び構築物(純額)」が441百万円、「土地」が203百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
流動負債は前連結会計年度と比べ1,435百万円(3.8%)増加し、39,356百万円となりました。「短期借入金」が
252百万円減少しましたが、「支払手形及び買掛金」が1,216百万円、流動負債の「その他」が305百万円、「未払消費税等」が152百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
固定負債は前連結会計年度と比べ2,084百万円(41.1%)増加し、7,155百万円となりました。「繰延税金負債」が195百万円減少しましたが、「長期借入金」が1,945百万円、「役員退職慰労引当金」が252百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
純資産は前連結会計年度と比べ186百万円(0.8%)増加し、23,531百万円となりました。「その他有価証券評価差額金」が193百万円減少しましたが、「利益剰余金」が331百万円増加したことが主な要因であります。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比べ376百万円(2.6%)増加し、14,936百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,878百万円(前連結会計年度は3,385百万円)となりました。これは主として、「法人税等の支払額」が992百万円、「仕入債務の減少額」が416百万円であった一方で、「税金等調整前当期純利益」が2,005百万円、「減価償却費」が862百万円、「売上債権の減少額」が372百万円であったことによるものであります。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△1,224百万円(前連結会計年度は△1,539百万円)となりました。これは主として、「保険積立金の解約による収入」が553百万円、「有形固定資産の売却による収入」が421百万円、「投資不動産の売却による収入」が192百万円であった一方で、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」が1,447百万円、「有形固定資産の取得による支出」が881百万円であったことによるものであります。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、△278百万円(前連結会計年度は△1,289百万円)となりました。これは主として、「長期借入れによる収入」が3,500百万円であった一方で、「長期借入金の返済による支出」が1,754百万円、「短期借入金の減少額」が1,050百万円、「配当金の支払額」が709百万円、「社債の償還による支出」が177百万円、「リース債務の返済による支出」が143百万円であったことによるものであります。
④ 受注及び販売の実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、持家・分譲戸建住宅の着工戸数が減少する中、非住宅分野に係る営業強化、リフォーム・リノベーション需要の取り込み等、成長分野に注力した営業展開を図り、売上高は117,084百万円(前期比3.3%増)となりました。当連結会計年度及び前連結会計年度に実施したM&Aによる寄与分を除けば1.9%の減収となります。
営業利益は、持家・分譲戸建住宅の着工戸数減少の影響は大きく、M&A関連費用の計上等もあり、1,471百万円(前期比31.8%減)となりました。M&Aによる寄与分及び関連費用を除けば26.5%の減益となります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりでありますが、その結果として、自己資本比率は33.6%(前期比1.5%pt低下)となりました。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
<建材事業>
非住宅分野での売上伸長、リフォーム・リノベーション需要の取り込み、脱炭素関連商材の拡販、工事機能の強化等に注力するとともに、前期に子会社化したTRESSA㈱及び㈱アイ・ビルドの業績が寄与したことにより、売上高につきましては72,934百万円(前期比4.3%増)となりました。M&Aによる寄与分を除けば1.4%の減収となります。
営業利益につきましては、販売運賃の増加等の影響がある中、835百万円(前期比3.5%増)となりましたが、M&Aによる影響を除けば3.8%の減益となります。
<環境アメニティ事業>
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
<加工事業>
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
<エンジニアリング事業>
売上高につきましては、2024年10月に子会社化した㈱弓田建設及び同社の子会社2社の業績が寄与し、9,541百万円(前期比15.5%増)となりました。M&Aによる寄与分を除けば2.2%の減収となります。
営業利益につきましては、利益率が低下したことに加えて、㈱弓田建設の子会社化に伴うM&A関連費用208百万円が発生したことにより、444百万円(前期比46.7%減)となりました。M&Aによる影響を除けば32.9%の減益となります。
<その他>
太平商工㈱において自動車関連の販売が好調に推移したことに加え、2024年5月に子会社化した㈱ヒット・イールの業績が寄与したことで、売上高は3,605百万円(前期比14.7%増)となりました。M&Aによる寄与分を除けば1.0%の増収となります。
営業利益につきましては、122百万円(前期比2.0%増)となりましたが、M&Aによる影響を除けば27.4%の増益となります。
a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、その結果として、手元流動性比率は前連結会計年度と比べ0.01ヶ月低下し、1.53ヶ月となりました。
b 資本の財源及び資金の流動性
資本政策につきましては、中長期的な株主価値の向上を図る観点から、M&A等の成長戦略及び財務の健全性強化のための内部留保の積上げと、株主の皆様への利益還元の拡充とのバランスを考慮することを基本としております。
成長戦略に伴うM&Aや設備投資のための所要資金につきましては、グループ内での営業活動による自己資金及び金融機関からの借入等で調達しております。なお、当連結会計年度末においては、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,096百万円となっており、一方、現金及び現金同等物の残高は14,936百万円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結財務諸表作成時点において過去の実績等を勘案し合理的に見積りを行なっておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 4 会計方針に関する事項」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。