当連結会計年度(平成28年4月~平成29年3月)の日本経済は、海外経済の成長と日銀による金融緩和や政府による景気対策での内需下支え等により、企業収益や雇用情勢、設備投資の改善がみられ、景気回復基調が確かなものになってきました。しかし、海外経済での保護主義の台頭や中国経済リスク、雇用情勢改善に比べて依然として弱い個人消費の先行き等、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当連結会計年度の売上高は1,426億7千9百万円、前年同期比4.7%増収、営業利益は63億9千4百万円、前年同期比12.1%減益となりました。また、経常利益は67億9千3百万円、前年同期比11.1%減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は42億8千6百万円、前年同期比8.9%減益となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。
(地上波放送事業)
放送収入のうちタイム収入は、「リオ・オリンピック2016」開催による売上増や営業企画枠の再構築を行い、494億6千2百万円、前年同期比0.8%増収となりました。スポット収入は、枠運用を高め販促企画によるシェアアップや需要増に対応し、315億3千9百万円、前年同期比1.2%増収となりました。タイム・スポット合計では、810億1百万円、前年同期比1.0%増収となりました。BS等収入は、30億7千7百万円、前年同期比1.4%増収となりました。
番組販売収入は、「家、ついて行ってイイですか?」「30秒後に絶対に見られるTV」などは好調に推移しましたが、「土曜スペシャル」「水曜ミステリー9」の本数減、「L4YOU!」番組販売の終了、熊本地震の影響などを受け、44億9千4百万円、前年同期比1.5%減収となりました。
ソフトライツ収入では、配信会社と連動した深夜ドラマが収益に貢献したほか、人気シリーズ「孤独のグルメ」や「勇者ヨシヒコ」などの過去作品の国内および海外への配信セールスが大きく伸びました。映画事業では、「超高速!参勤交代」や「ローカル路線バス4K」「ゴッドタン・ザ・ムービー」などの配信権と放映権の販売が好調でした。アニメ事業では、前年度において好調だった国内における「妖怪ウォッチ」の商品化の取扱が減少したものの、海外において「NARUTO」(ゲーム、配信)「BLEACH」(ゲーム、配信)などが好調に推移し、ソフトライツ収入全体では、227億3千5百万円、前年同期比25.6%増収となりました。
イベント収入は、フィギュアスケート「Japan Open 2016」「西本智実バレエ・くるみ割り人形」「東急ジルベスターコンサート」などが堅調。新規出資イベントの「トミカ博 in YOKOHAMA」で売上・利益を上積みできたものの、前年に浅田真央復帰戦となった「Japan Open 2015」が盛況で、大きな収益をあげていたこともあり、売上は8億2千5百万円、前年同期比39.1%減収となりました。
一方、営業費用全体では、1,061億4千8百万円、前年同期比3.4%増加となりました。
以上の結果、地上波放送事業の売上高は1,124億3千3百万円、前年同期比4.7%増収、営業利益は62億8千5百万円、前年同期比33.8%増益となりました。
(放送周辺事業)
通信販売関連は、調理用品や清掃用品が年末まで堅調に売上を積み上げたものの、1月以降、売上の伸びが鈍化しました。また、日曜早朝「ものスタサンデー」放送時間短縮の影響も受けたことから、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は80億5千6百万円、前年同期比2.8%減収となりました。
一方、音楽出版関連は、「おそ松さん」「銀魂」ほかアニメ関連楽曲を中心とした印税収入が年間を通して順調に推移しました。また、原盤出資アーティスト「井上苑子」も「ナツコイ」などの楽曲がヒットし、印税収入の底上げにつながりました。これにより、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は32億7百万円、前年同期比1.1%増収となりました。
CS放送関連では、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者数は減少傾向でしたが、投資作品の好調が続き、広告関連売上やライツ売上が想定を大きく上回りました。これにより、㈱エー・ティー・エックスの売上高は59億7千3百万円、前年同期比11.0%増収となりました。
以上の結果、上述3社を含む放送周辺事業の売上高は348億8千8百万円、前年同期比1.8%増収、営業利益は21億5千6百万円、前年同期比6.0%増益となりました。
(BS放送事業)
放送収入は、4月からスタートさせた1社提供等の新規営業企画レギュラー番組の導入が売上の底上げに大きく貢献するなど、タイムセールスは堅調に推移しました。また、スポットセールスも新規クライアントを順次取り込み、好調でした。社屋移転を機に放送した「謎解き!日本ものづくり物語」「トヨタの人づくり 豊田章男の闘い~小谷真生子経済ルポスペシャル~」「アメリカ大統領選緊急特番」のオープン特番セールスも順調だったほか、SNSと連携した「流星放送局~ふたご座流星群LIVE~」など企業と連携した新しいジャンルの特番開発も進み、放送収入全体で良好に推移しました。
以上の結果、BS放送事業の売上高は157億8千4百万円、前年同期比3.2%増収、営業利益は12億6千万円、前年同期比13.2%減益となりました。
(インターネット・モバイル事業)
インターネット・モバイル事業では、動画配信関連売上、クロスメディア広告売上が好調だったことに加えて、Eコマース事業やキャラクター事業、キャリアからのアプリサービス配分収入も順調に推移しました。中でも「虎ノ門市場」は商品開発や販路拡大により過去最高売上を達成しました。
以上の結果、インターネット・モバイル事業の売上高は56億2千4百万円、前年同期比22.7%増収、営業利益は4億円、前年同期比35.1%増益となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、9億1千5百万円増加、前年同期比80.1%減少となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は186億9千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は72億4千6百万円、前年同期比13.8%減少となりました。
これは主に、未払費用の増減額が29億7千万円の支出減少となったものの、その他が23億8千8百万円の支出増、法人税等の支払額が17億1千6百万円の増となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は98億9千6百万円、前年同期比566.7%増加となりました。
これは主に、定期預金等の預入による支出が203億7千9百万円の減少、定期預金の払戻による収入が190億9百万円の減少、有形固定資産の取得による支出が99億5千2百万円の増加となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は35億7千3百万円(前年同期は23億3千3百万円の使用)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額が60億円の収入増加となったこと等によるものです。
当社グループの取引形態は一般的な製造業等における「生産」や「受注」といった概念が存在しないため記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
地上波放送事業 |
|
|
|
地上波放送 |
81,001 |
1.0 |
|
(タイム) |
(49,462) |
0.8 |
|
(スポット) |
(31,539) |
1.2 |
|
国内番組販売 |
4,494 |
△1.5 |
|
BS放送関連等 |
3,077 |
1.4 |
|
ソフトライツ |
22,735 |
25.6 |
|
イベント |
825 |
△39.0 |
|
その他 |
297 |
146.9 |
|
小計 |
112,433 |
4.7 |
|
放送周辺事業 |
34,888 |
1.8 |
|
BS放送事業 |
15,784 |
3.2 |
|
インターネット・モバイル事業 |
5,624 |
22.7 |
|
売上高合計 |
168,730 |
4.4 |
|
調整額 |
△26,051 |
2.8 |
|
合計 |
142,679 |
4.7 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱電通 |
48,910 |
35.9 |
48,356 |
33.9 |
|
㈱博報堂DYメディアパートナーズ |
18,469 |
13.6 |
17,983 |
12.6 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、地上波放送事業を中核とし、各種媒体を持つグループ各社を統括し、戦略機能を持つ認定放送持株会社であり、当社グループにおいては、地上波放送、BS放送、CS放送、そしてネット・モバイルと相関性が高く、親和性の高いメディアを総合的に展開するメディアグループを目指しております。
映像を含めてすべてのデータがデジタル化され、番組の楽しみ方はお茶の間にあるテレビだけでなく、パソコン、スマートフォンなどのモバイルへと急速に広がっております。こうした視聴者のライフスタイルの変化により、広告主のニーズもさらに多様化しつつあります。媒体を超えたクロスメディア展開が必要になるなかで、認定放送持株会社として経営基盤とコンテンツ制作基盤の強化をさらに進めてまいります。
当社グループの目標は、常に新しい技術を積極的に取り入れ地上波放送・BS放送・動画配信の3つのツールを駆使して『いつでもどこでもつながる』発信力を磨き続け、一歩先を行く発想力により暮らしからビジネスまで個性溢れるコンテンツをつくり、『身近なメディア』として視聴者に豊かな時間を提供することであります。
この目標に向け、グループ各社の独自性を尊重しながら連携を密にし、地上波放送・BS放送・動画配信を一体的に運用し、コンテンツ価値の最大化を図ってまいります。一体化戦略の中で収支管理、コストの効率化を推進し、グループ内でのシナジー効果がより大きくなるよう全力を挙げる所存です。
当社グループは、収益性を重視し、売上高営業利益率5%を中期的な経営指標とし、さまざまな経営環境の変化に柔軟かつ積極的に対応し、永続的な収益性向上を実現して、企業価値の向上を図ります。
当社グループは、認定放送持株会社体制のもと、中核事業としての地上波放送事業の収益力の維持・拡大を礎としております。絶えずコスト構造を見直し、番組制作費の有効活用により、品質の高いコンテンツを放送し、結果として視聴率が向上することが、番組販売、通信販売、DVD・BD(ブルーレイディスク)、イベント、映画、インターネット・モバイルなどの放送から派生した事業の収益に資するものと考えております。同時に、今後受信世帯の増加が期待されるBS放送事業にも経営資源を重点投下し、地上波放送とは色彩の違うコンテンツを放送し、従来の地上波エリアの補完という考え方から脱し、積極的に新たな視聴者層、広告主、そしてコンテンツジャンルの開拓により、グループ収益力向上への寄与を目指します。
インターネット・モバイル事業では、放送をきっかけとした商品開発への取組みを強化します。経済、旅グルメ、キッズ向けアプリなど得意分野を生かした、新たなビジネスモデルを展開し、急速に普及しているスマートフォンやタブレット端末などにも、対応してまいります。加えて、国境を容易に越えられるという通信分野のアドバンテージを生かし、相互文化に親和性のあるアジア地域を軸にグローバル展開を目指します。
①コンテンツを効果的に提供する体制を構築
㈱テレビ東京及びその関係会社が有する地上波・CS波という媒体に加え、㈱BSジャパンのBS波、㈱テレビ東京コミュニケーションズのインターネットやモバイルにおいても、様々なコンテンツを効果的に視聴者・利用者に提供する体制を構築してまいります。
②グループの更なる競争力強化を実現
放送と通信の連携を具現化するとともにグループの持つあらゆる経営資源を効率よく戦略的に活用し、責任あるメディアとしての役割を果たしながら、グループのさらなる競争力強化の実現を図ります。
③社会構造変化への迅速な対応
国際化の進展にあわせ、権利保護や国際会計基準への適合、コンプライアンスやコーポレートガバナンスの強化等、社会的構造変化への迅速な対応をより徹底してまいります。
④新規事業展開の加速
戦略機能を認定放送持株会社に集約し、グループ外の企業との事業提携や資本提携についてより適切なタイミングで実行してまいります。また、既存事業の強化に加えて、コンテンツの特性に応じて最適なパートナーを選択し事業展開する等、新規事業への展開を図ります。
当社グループの事業その他に関するリスクとして投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 広告収入への依存について
当社グループの売上高の大半は、地上波放送事業(㈱テレビ東京)およびBS放送事業(㈱BSジャパン)における広告収入であります。広告収入は、広告主である企業の業績やその背景となる国内景気と連動する傾向にあります。当社グループは、それらの動向を慎重に睨み対応してまいりますが、今後の広告市況が想定外の変化を示した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
② 放送事業における競合激化について
現在、普及している標準的なデジタルテレビ受像機は3波共用の受像機であり、BSデジタル放送、CSデジタル放送の視聴も可能になっております。その結果、地上波放送からBSデジタル放送等への視聴シフトが進みつつあります。一方、地上テレビ放送事業においては、視聴率がCM放送時間枠の販売価格を決定する大きな要素であることから、視聴率の獲得は、引き続き重要な課題となっております。地上テレビ放送、BSテレビ放送の両方で事業を展開する当社グループは、激しさを増す競争環境の変化を見極めながら、経営資源の機動的な配分に努めてまいりますが、今後の視聴動向に想定外の変化が生じた場合や視聴者の期待に応える番組編成が実現せず視聴率が獲得できない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
③ 映像メディアとの競合について
多くの家庭で高速通信回線の普及が進み、ケーブルテレビ、インターネットを通じた映像視聴環境が整ってきたほか、スマートフォン、タブレットといった新たな携帯型高機能端末の普及も始まり、通信を利用した映像コンテンツへの接触機会は、ますます拡大しております。当社グループは、こうした映像メディアの多様化に対応したコンテンツの開発やビジネスモデルの構築に取り組んでまいりますが、映像メディアの多様化は同時に、地上、BSテレビ放送の視聴時間を減少させるなど従来型放送事業との競合があります。当社グループが適切に対応できなければ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
④ 映画製作事業、イベント興行について
㈱テレビ東京および㈱BSジャパンは、映画の製作事業または出資事業を行っております。映画の製作および宣伝活動に多額の資金を要しますが、一方の収入は、劇場の観客動員数、DVD・BD(ブルーレイディスク)販売、放送権販売などに依存しております。㈱テレビ東京および㈱BSジャパンは事業計画の精度を高めるよう努めておりますが、計画通りの観客動員等が実現するとは限りません。また、㈱テレビ東京および㈱BSジャパンが主催または出資するイベントにつきましても、収入は観客動員数、関連グッズ販売などに依存しており、いずれも当初計画した収益が得られない場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤ 通信販売事業について
当社グループは、放送およびインターネットを通じて様々な通信販売事業に取り組んでおります。事業ごとに商品の選定および品質管理につきましては細心の注意を払っており、商品に関する表示につきましても適正な表示に努めております。また、お客様からご提供いただく個人情報につきましても、社内規程に則り、厳格に管理しております。しかしながら、何らかの理由で商品に瑕疵または欠陥があった場合や不適切な表示があった場合、また個人情報が漏洩した場合は、事業の停止や損害賠償等の事態が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑥ 著作権等の知的財産権について
当社グループが制作するテレビ番組等の映像コンテンツは、原作者、脚本家、作曲家、作詞家、編曲家、実演家、レコード製作者など多くの人々の知的創造の結果としてそれらの人々に生じた著作権や著作隣接権などが組み合わされた創造物であります。当社グループは、映像コンテンツを放送だけではなく、海外を含むメディアの多様化に対応し、マルチユース展開していく計画です。しかしながら、これには多くの著作権者等の許諾を得る必要があり、権利処理のために多くの時間と費用が必要となる可能性があります。また、結果として権利者等の理解を得られず、映像の利用が円滑にできない場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦ 設備投資および投融資について
当社グループは、放送技術やコンテンツ制作力向上のための放送設備の更新や、メディアの多様化に対応するための設備投資や投融資を計画的に実施してまいります。しかしながら、今後、投資計画に見合うだけの十分な利益が確保できない場合には、当社グループの財政状況および経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
⑧ 投資有価証券の時価評価について
当社グループは、取引先との関係促進を主な目的として、投資有価証券を保有しております。投資有価証券の時価評価額の増減に大きな変動があった場合には、当社グループの財政状態を示す指標に影響を与える可能性があります。
⑨ コンプライアンスについて
当社グループの社員および派遣・請負スタッフによる不祥事、放送事故、不適切な内容の放送、番組制作過程でのトラブルや事故、個人情報にまつわる事故など当社グループが責任を持って防止すべき分野は多岐にわたっております。当社では、「テレビ東京グループ行動規範」を定め、グループ内定期研修等でその徹底を図っているほか、当社リスク管理委員会が、グループ内のさまざまなコンプライアンス・リスク低減のための検討をしております。しかしながら、こうしたリスク事態が生じた場合には、当社グループの社会的信用や経営成績に影響を与える可能性があります。
⑩ テレビ放送事業に関する法的規制
当社グループの主たる事業であるテレビ放送事業は、放送法、電波法等の法令に規制されております。このうち放送法は、放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議機関の設置、放送事業者や放送持株会社の認定ルールなどが定められております。また電波法は、無線局に対する免許制度をはじめ、電波を利用するための基本が定められております。なお、㈱テレビ東京が現在取得している電波法によるアナログ放送免許、地上デジタル放送免許は、ともに平成25年11月に更新されたものであり、免許の有効期限である5年毎に再免許の申請が必要であります。また、㈱BSジャパンが現在取得している放送法による委託放送事業者としての認定および電波法による衛星放送の地球局免許は、平成25年11月に更新されたものであり、5年毎の更新手続きおよび再免許申請が必要であります。なお、有価証券報告書提出日現在、免許の取り消し等の処分を受けることを予測すべき事実はありません。しかし、今後、法令で定める免許要件や認定要件に適合しなくなった場合には、再免許や認定が取り消される、または受けられなくなる可能性があります。
⑪ 認定放送持株会社に対する法的規制について
認定放送持株会社は、放送法による認定を受けることで、複数の地上放送局とひとつのBS局を子会社として保有することができる制度であり、当社は、㈱テレビ東京、㈱BSジャパンを子会社とする認定放送持株会社として認定を受けております。これにより、当社は、グループとしての経営の効率化や財務基盤の強化を進めてまいりますが、今後、放送法で定める認定放送持株会社としての基準を満たさなくなった場合には、認定を取り消される可能性があります。
⑫ 外国人等の取得した株式の取り扱いについて
外国人等が直接間接に占める議決権の合計が、当社の議決権の5分の1以上を占めることとなる場合は、放送法の規定により認定放送持株会社としての認定が取り消されることになります。この場合、当社は、放送法に基づき外国人等が取得した当社株式について、株主名簿に記載・記録することを拒むことができるとされています。なお、外国人等の有する議決権の割合が100分の15に達した場合は、同法に基づきその割合を公告いたします。
⑬ 議決権の保有制限について
放送法および放送法施行規則の規定により、認定放送持株会社である当社の株主名簿に記載・記録されている一の者が有し、または有するものとみなされる当社株式の保有割合の合計が、当社の議決権の100分の33を超えることとなるときは、当該超過部分の議決権を有しないとされております。
当社は、平成22年10月1日付で、㈱テレビ東京、㈱BSジャパン及びテレビ東京ブロードバンド㈱(現㈱テレビ東京コミュニケーションズ)との間において、それぞれの経営状況を管理・指導するための経営管理契約を締結しております。
当社グループでは、デジタル化により多様化する放送サービスへの対応と、今後の更なる高度化を目指した次世代放送サービスの実現に向けて、幅広い分野における利用技術の研究開発に取り組んでおります。特に㈱テレビ東京技術局技術開発部を中心に、各放送サービスに関わる番組制作、伝送、送出技術等に於いて、研究開発やITの活用を推進すると共に、超高精細度テレビジョン放送(UHDTV)の技術を用いた番組制作や放送方式の検討にも力を入れております。また、2018年からBS放送で新たに開始する予定である4K実用放送の実現を目指して、設備導入の検討を進めています。さらに、ハイブリッドキャストなどの放送と通信の連携サービスをはじめ、放送の枠を越えた通信による動画配信サービスに関する技術検討など、新たな放送技術にも積極的に取り組んでおります。今後も引き続き放送機関として、デジタル放送の普及と更なる高度化、また視聴者のニーズに柔軟かつ速やかに対応することを目標とし、研究開発活動の成果を反映することで放送事業に役立てて行きます。
当連結会計年度の研究開発費の総額は58百万円であり、セグメントごとの活動は次のとおりであります。
(地上波放送事業)
① デジタル放送の普及、促進関連
・東京スカイツリーと中継局、ネットワーク設備の安定的な運用を目指した在京局による共同検討
・大規模災害時における放送の安定送出を目指した、十分な冗長系を考慮した設備検討
②番組制作関連
・超高精細度テレビジョン放送の番組制作・伝送トライアルと、制作における技術的な課題の検討
・IP網や携帯キャリア網を利用した番組中継や素材伝送の実証実験
・テープレスシステム化(ファイル化)の導入に向けたシステムとワークフローの検証、運用アプリケーション
の開発
・省電力で長寿命なLED照明による番組制作における省エネ化の検討
・クラウドを利用した番組素材チェック、番組編集システムの検討
③新技術調査、研究関連
・超高精細度テレビジョン放送システムの標準規格、運用規定の策定・改定
・放送と通信の連携サービスの為の規格検討、実証実験
・国内外の標準化機関への参画を通じてのIPTV技術仕様の検討
・動画配信サービスに向けたシステムの開発と技術検証
・周波数再編による周波数共用の為の運用調整システムの検討と、移行先設備の機能検証
・周波数有効利用におけるテレビジョン放送、放送業務用設備への影響調査
・CMを含む番組交換用メタデータの体系化検討、関連アプリケーションの開発
・CM字幕の規格化と対応する設備の導入および運用体制の検討
・CMや番組など放送素材ファイルのオンライン伝送に関する技術検討とシステム検証
(放送周辺事業)
該当事項はありません
(BS放送事業)
① BS4K放送関連
・2018年からのBS4K実用放送開始に向けた設備検討
②BSデジタル放送関連
・BS右旋円偏波の周波数再編に関する影響検討(トラポンの移動、スロット数変更)
・フィールドフレームエンコード方式による画質改善の検討
(インターネット・モバイル事業)
該当事項はありません
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①制作勘定
制作勘定のうち番組制作勘定について、放映権が2回以上ある場合の会計処理は、1回目の放映時及び2回目の放映時に分けて原価を全額費用化します。ただし、権利期間が2年以内のものについては、2回目の放映前に権利期間が完了した場合、その時点で全額費用化します。また、権利期間が2年超のものについては、2回目の放映前に契約時から2年を経過した場合、その時点で次回放映の計画を明確に示すなどその資産性を明確にできる場合を除き、原則として全額費用化することとしています。
②投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式投資を行っております。これらの株式には株価の存在する公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。
将来の市況悪化や投資先の業績悪化により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、減損の計上が必要となる可能性があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産純額の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用として計上することになります。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に税金費用を減少し、利益を増加させることになります。
④退職給付費用
退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び年金資産の期待運用収益率などが含まれます。これらの基礎率が変化した場合、退職給付費用の追加が必要となる可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①概況
当連結会計年度(平成28年4月~平成29年3月)の日本経済は、海外経済の成長と日銀による金融緩和や政府による景気対策での内需下支え等により、企業収益や雇用情勢、設備投資の改善がみられ、景気回復基調が確かなものになってきました。しかし、海外経済での保護主義の台頭や中国経済リスク、雇用情勢改善に比べて依然として弱い個人消費の先行き等、依然として不透明な状況が続いております。
②セグメント別の状況(売上高、営業利益の分析)
概況に記載した環境下において、このような状況の中、当連結会計年度の売上高は1,426億7千9百万円、前年同期比4.7%増収、営業利益は63億9千4百万円、前年同期比12.1%減益となりました。また、経常利益は67億9千3百万円、前年同期比11.1%減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は42億8千6百万円、前年同期比8.9%減益となりました。詳細につきましては「1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。
③営業外収益(費用)
営業外収益は4億5千9百万円、前年同期比8.1%増加となりました。主なものは受取配当金2億1千5百万円です。
営業外費用は6千万円、前年同期比2.0%増加となりました。主なものは支払利息2千万円です。
④特別利益(損失)
特別利益は4億7千1百万円、前年同期比336.3%増加となりました。主なものは、受取補償金3億2百万円です。
特別損失は1億7千万円、前年同期比446.6%増加となりました。主なものは、固定資産除却損1千4千3百万円です。
⑤税金等調整前当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は70億9千3百万円、前年同期比8.1%減益となりました。
⑥親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は42億8千6百万円、前年同期比8.9%減益となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)
流動資産は622億3千9百万円、前連結会計年度に比して26億7千4百万円の減となっております。これは主に、受取手形及び売掛金が10億1千4百万円の増、その他が17億2千3百万円の増となったものの、現金及び預金が43億5千3百万円の減となったことによるものです。
固定資産は540億3千5百万円、前連結会計年度に比して146億5千万円の増となっております。これは主に、有形固定資産が127億3千3百万円の増となったことによるものです。
(負債)
流動負債は316億4千5百万円、前連結会計年度に比して77億1千万円の増となっております。これは主に、短期借入金が50億円の増となったこと及び未払費用が27億8千4百万円の増となったことによるものです。
固定負債は61億8千6百万円、前連結会計年度に比して2億4千7百万円の増となっております。これは主に、リース債務が1億9千4百万円の減となったものの、繰延税金負債が4億5百万円の増となったことによるものです。
(純資産)
純資産は784億4千3百万円、前連結会計年度に比して40億1千7百万円の増となっております。これは主に、利益剰余金が31億5千5百万円の増、その他有価証券評価差額金が5億9千2百万円の増となったことによるものです。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」をご参照ください。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、186億9千4百万円、前年同期比5.2%増加となりました。
詳細につきましては「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
②資金需要
当社グループの主な資金需要は、地上波・BSなどの放送事業とそれに係るインターネット・モバイル事業によるものです。
また、設備につきましては、放送技術やコンテンツ制作力向上のための放送設備の更新に加え、デジタルマスター更新及び新社屋移転に係る投資も控えております。
③契約債務
平成29年3月31日現在の契約債務の概要は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
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年度別要支払額 |
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契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1-3年 |
3-5年 |
5年以降 |
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短期借入金 |
5,100 |
5,100 |
― |
― |
― |
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リース債務 |
313 |
209 |
93 |
9 |
― |
④財務政策
当社グループではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用し、当社グループ会社14社の資金の調達及び運用を当社で一括して管理しております。
運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としておりますが、自己資金で賄えない急な資金ニーズが発生する場合は、必要に応じて短期借入金で調達しております。
設備資金及び投融資資金につきましては、自己資金に加え、社債の発行、長期借入金等により最適な方法で調達を行っていく方針であり、調達時期、条件について最も有利な手段を選択するべく検討することとしております。