文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、地上波放送事業を中核とし、各種媒体を持つグループ各社を統括し、戦略機能を持つ認定放送持株会社であり、当社グループにおいては、地上波放送、BS放送、CS放送、そしてネット・モバイルと相関性が高く、親和性の高いメディアを総合的に展開するメディアグループを目指しております。更に、2018年12月には、BS4K放送も新たに始まります。
映像を含めてすべてのデータがデジタル化され、番組の楽しみ方はお茶の間にあるテレビだけでなく、パソコン、スマートフォンなどのモバイルへと急速に広がっております。こうした視聴者のライフスタイルの変化により、広告主のニーズもさらに多様化しつつあります。媒体を超えたクロスメディア展開が必要になるなかで、認定放送持株会社として経営基盤とコンテンツ制作基盤の強化をさらに進めてまいります。
当社グループの目標は、常に新しい技術を積極的に取り入れ地上波放送・BS放送・動画配信の3つのツールを駆使して『いつでもどこでもつながる』発信力を磨き続け、一歩先を行く発想力により暮らしからビジネスまで個性溢れるコンテンツをつくり、『身近なメディア』として視聴者に豊かな時間を提供することであります。
この目標に向け、グループ各社の独自性を尊重しながら連携を密にし、地上波放送・BS放送・動画配信を一体的に運用し、コンテンツ価値の最大化を図ってまいります。一体化戦略の中で収支管理、コストの効率化を推進し、グループ内でのシナジー効果がより大きくなるよう全力を挙げる所存です。
当社グループは、収益性を重視し、売上高営業利益率5%を中期的な経営指標とし、さまざまな経営環境の変化に柔軟かつ積極的に対応し、永続的な収益性向上を実現して、企業価値の向上を図ります。
当社グループでは、(株)テレビ東京が放送する地上波、(株)BSジャパンが放送するBS波、そしてインターネットによる配信事業を一体的に運用することにより、コンテンツの価値の最大化を目指しています。2018年4月には、日本経済新聞社、TBS、WOWOWなどと共同出資する(株)プレミアム・プラットフォーム・ジャパンの配信サービス「Paravi(パラビ)」がスタートし、当社グループは動画コンテンツの提供を始めました。更に、2018年12月には(株)BSジャパンによる4K放送が始まります。いずれも投資が先行する新たな事業ですが、これらに積極的に取り組むことにより、いつでもどこでも見られる新世代の映像メディアとして視聴者の期待に応えていきます。
① コンテンツの価値を高め放送事業を再強化
BS4K放送や配信事業など新たな事業を支えるため、テレビ東京らしいドラマやバラエティ、日本経済新聞社の協力を活かした経済番組、海外でも通用するアニメ番組という独自性の高いコンテンツに更に磨きをかけ、放送事業の再強化を図ります。また、人工知能(AI)やデータを一元管理するDMP(データマネジメントプラットフォーム)など、最新技術を駆使して効率性と収益力を向上させます。
②海外への積極的な展開
テレビ東京グループでは、既にアニメ番組を始めとするコンテンツを海外展開していますが、リスクを勘案した上で海外の拠点作りや新たなパートナーとの関係構築を模索し、積極的な展開を推し進めます。
③社会構造変化への迅速な対応
働き方改革、様々な制度改革に合わせて、機動的な人員・組織を構築した上で、コンプライアンスやコーポレートガバナンスの強化など、構造変化への迅速な対応をより徹底していきます。
当社グループの事業その他に関するリスクとして投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 広告収入への依存について
当社グループの売上高の大半は、地上波放送事業(㈱テレビ東京)およびBS放送事業(㈱BSジャパン)における広告収入であります。広告収入は、広告主である企業の業績やその背景となる国内景気と連動する傾向にあります。当社グループは、それらの動向を慎重に睨み対応してまいりますが、今後の広告市況が想定外の変化を示した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
② 放送事業における競合激化について
現在、普及している標準的なデジタルテレビ受像機は3波共用の受像機であり、BSデジタル放送、CSデジタル放送の視聴も可能になっております。加えて最近ではインターネットの配信サービスもテレビでの視聴が可能になりました。その結果、地上波放送からBSデジタル放送、その他への視聴シフトも起きています。2018年12月にはBS4K放送も始まります。一方、地上テレビ放送事業においては、視聴率がCM放送時間枠の販売価格を決定する大きな要素であることから、視聴率の獲得は、引き続き重要な課題となっております。地上テレビ放送、BSテレビ放送の両方で事業を展開する当社グループは、激しさを増す競争環境の変化を見極めながら、経営資源の機動的な配分に努めてまいりますが、今後の視聴動向に想定外の変化が生じた場合や視聴者の期待に応える番組編成が実現せず視聴率が獲得できない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
③ 映像メディアとの競合について
多くの家庭で高速通信回線の普及が進み、ケーブルテレビ、インターネットを通じた映像視聴環境が整ってきたほか、スマートフォン、タブレットといった新たな携帯型高機能端末の普及も始まり、通信を利用した映像コンテンツへの接触機会は、ますます拡大しております。当社グループは、こうした映像メディアの多様化に対応したコンテンツの開発やビジネスモデルの構築に取り組んでまいりますが、映像メディアの多様化は同時に、地上、BSテレビ放送の視聴時間を減少させるなど従来型放送事業との競合があります。当社グループが適切に対応できなければ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
④ 映画製作事業、イベント興行について
㈱テレビ東京および㈱BSジャパンは、映画の製作事業または出資事業を行っております。映画の製作および宣伝活動に多額の資金を要しますが、一方の収入は、劇場の観客動員数、DVD・BD(ブルーレイディスク)販売、放送権販売などに依存しております。㈱テレビ東京および㈱BSジャパンは事業計画の精度を高めるよう努めておりますが、計画通りの観客動員等が実現するとは限りません。また、㈱テレビ東京および㈱BSジャパンが主催または出資するイベントにつきましても、収入は観客動員数、関連グッズ販売などに依存しており、いずれも当初計画した収益が得られない場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤ 通信販売事業について
当社グループは、放送およびインターネットを通じて様々な通信販売事業に取り組んでおります。事業ごとに商品の選定および品質管理につきましては細心の注意を払っており、商品に関する表示につきましても適正な表示に努めております。また、お客様からご提供いただく個人情報につきましても、社内規程に則り、厳格に管理しております。しかしながら、何らかの理由で商品に瑕疵または欠陥があった場合や不適切な表示があった場合、また個人情報が漏洩した場合は、事業の停止や損害賠償等の事態が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑥ 著作権等の知的財産権について
当社グループが制作するテレビ番組等の映像コンテンツは、原作者、脚本家、作曲家、作詞家、編曲家、実演家、レコード製作者など多くの人々の知的創造の結果としてそれらの人々に生じた著作権や著作隣接権などが組み合わされた創造物であります。当社グループは、映像コンテンツを放送だけではなく、海外を含むメディアの多様化に対応し、マルチユース展開していく計画です。しかしながら、これには多くの著作権者等の許諾を得る必要があり、権利処理のために多くの時間と費用が必要となる可能性があります。また、結果として権利者等の理解を得られず、映像の利用が円滑にできない場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦ 設備投資および投融資について
当社グループは、放送技術やコンテンツ制作力向上のための放送設備の更新や、メディアの多様化に対応するための設備投資や投融資を計画的に実施してまいります。しかしながら、今後、投資計画に見合うだけの十分な利益が確保できない場合には、当社グループの財政状況および経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
⑧ 投資有価証券の時価評価について
当社グループは、取引先との関係促進を主な目的として、投資有価証券を保有しております。投資有価証券の時価評価額の増減に大きな変動があった場合には、当社グループの財政状態を示す指標に影響を与える可能性があります。
⑨ コンプライアンスについて
当社グループの社員および派遣・請負スタッフによる不祥事、放送事故、不適切な内容の放送、番組制作過程でのトラブルや事故、個人情報にまつわる事故など当社グループが責任を持って防止すべき分野は多岐にわたっております。当社では、「テレビ東京グループ行動規範」を定め、グループ内定期研修等でその徹底を図っているほか、当社リスク管理・コンプライアンス委員会が、グループ内のさまざまなコンプライアンス・リスク低減のための検討をしております。しかしながら、こうしたリスク事態が生じた場合には、当社グループの社会的信用や経営成績に影響を与える可能性があります。
⑩ テレビ放送事業に関する法的規制
当社グループの主たる事業であるテレビ放送事業は、放送法、電波法等の法令に規制されております。このうち放送法は、放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議機関の設置、放送事業者や放送持株会社の認定ルールなどが定められております。また電波法は、無線局に対する免許制度をはじめ、電波を利用するための基本が定められております。なお、㈱テレビ東京が現在取得している電波法によるアナログ放送免許、地上デジタル放送免許は、ともに2013年11月に更新されたものであり、免許の有効期限である5年毎に再免許の申請が必要であります。また、㈱BSジャパンが現在取得している放送法による委託放送事業者としての認定および電波法による衛星放送の地球局免許は、2013年11月に更新されたものであり、5年毎の更新手続きおよび再免許申請が必要であります。2018年12月には新たなに免許交付を受けたBS4K放送も始まります。なお、有価証券報告書提出日現在、免許の取り消し等の処分を受けることを予測すべき事実はありません。しかし、今後、法令で定める免許要件や認定要件に適合しなくなった場合には、再免許や認定が取り消される、または受けられなくなる可能性があります。
加えて、放送法の改正があった場合、改正内容によっては当社グループの財政状況および経営成績に影響与える可能性があります。
⑪ 認定放送持株会社に対する法的規制について
認定放送持株会社は、放送法による認定を受けることで、複数の地上放送局とひとつのBS局を子会社として保有することができる制度であり、当社は、㈱テレビ東京、㈱BSジャパンを子会社とする認定放送持株会社として認定を受けております。これにより、当社は、グループとしての経営の効率化や財務基盤の強化を進めてまいりますが、今後、放送法で定める認定放送持株会社としての基準を満たさなくなった場合には、認定を取り消される可能性があります。
⑫ 外国人等の取得した株式の取り扱いについて
外国人等が直接間接に占める議決権の合計が、当社の議決権の5分の1以上を占めることとなる場合は、放送法の規定により認定放送持株会社としての認定が取り消されることになります。この場合、当社は、放送法に基づき外国人等が取得した当社株式について、株主名簿に記載・記録することを拒むことができるとされています。なお、外国人等の有する議決権の割合が100分の15に達した場合は、同法に基づきその割合を公告いたします。
⑬ 議決権の保有制限について
放送法および放送法施行規則の規定により、認定放送持株会社である当社の株主名簿に記載・記録されている一の者が有し、または有するものとみなされる当社株式の保有割合の合計が、当社の議決権の100分の33を超えることとなるときは、当該超過部分の議決権を有しないとされております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2017年4月~2018年3月)の日本経済は、雇用所得環境改善を背景にした個人消費の持ち直しは一進一退が続いていますが、製造業を中心とした海外経済の回復による輸出の増加や国内需要の持ち直し等により企業収益は高水準を維持、設備投資も堅調に推移するなど、着実に回復している状況が続いております。
このような状況の中、当連結会計年度の売上高は1,471億3百万円、前年同期比3.1%増収、営業利益は74億3千万円、前年同期比16.2%増益となりました。また、経常利益は80億1百万円、前年同期比17.8%増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は60億5千8百万円、前年同期比41.3%増益となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。
(地上波放送事業)
放送収入のうちタイム収入は、「ピョンチャン・オリンピック2018」開催による売上増に加え、営業企画枠の再構築やレギュラーセールスの計画以上の推移がありましたが、「リオデジャネイロ・オリンピック2016」の売上を補いきれず、493億7千3百万円、前年同期比0.2%減収となりました。スポット収入は販促企画により在京キー局間のシェアを高めましたが、全日視聴率が伸びずに商品量が不足したこともあり、313億3千8百万円、前年同期比0.6%減収となりました。タイム・スポット合計では、807億1千2百万円、前年同期比0.4%減収となりました。
番組販売収入は、番組販売先の放送局の編成事情による平日午後帯の売上減の影響がありましたが、「金曜8時のドラマ」「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」などが順調に推移し、45億5百万円、前年同期比0.3%増収となりました。
ソフトライツ収入では、「100万円の女たち」「さぼリーマン甘太朗」「モブサイコ100」など配信会社と連動したドラマの配信権料が引き続き貢献したほか、「勇者ヨシヒコ」「孤独のグルメ」など人気ドラマシリーズの追加印税も好調に推移したため、全体では前年度を上回りました。一方で、海外番販部門は中国の検閲に伴う契約遅延で前年度に比べ伸び悩みました。映画事業では、2017年7月に公開した映画「銀魂」の国内および海外の興業収入が伸び、前年度を大きく上回りました。アニメ事業では、国内では「NARUTO」「遊戯王」のゲームの売上が伸び、海外では中国をはじめとした「NARUTO」の配信、ゲームが好調を維持、新たに「BORUTO」も順調に売上を伸ばすなど、ソフトライツ収入全体では、255億5千7百万円、前年同期比12.4%増収となりました。
イベント収入は、フィギュアスケート「Japan Open 2017」「ゴッドタン マジ歌LIVE」「トミカ博 in YOKOHAMA」が好調で、イベント収入全体では9億9千8百万円、前年同期比20.9%増収となりました。
一方、営業費用全体では、1,070億6千5百万円、前年同期比0.9%増加となりました。
以上の結果、地上波放送事業の売上高は1,145億9千3百万円、前年同期比1.9%増収、営業利益は75億2千8百万円、前年同期比19.8%増益となりました。
(放送周辺事業)
音楽出版関連は、アニメ楽曲を中心にほぼ想定通りの印税収入を確保しました。「井上苑子」や「SUPER BEAVER」「純烈」といった原盤出資アーティスト関連売上も伸び、利益は前年を上回りましたが、アイドルイベント事業を縮小したことなどから、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は30億9千6百万円、前年同期比3.5%減収となりました。
一方、CS放送関連では、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者数は減少したものの、広告関連売上の大幅増や投資作品の好調を受けて、放送外売上が想定を上回りました。これにより、㈱エー・ティー・エックスの売上高は60億6千4百万円、前年同期比1.3%増収、過去最高売上となりました。
通信販売関連は、オリジナルゴルフクラブや生活用品などが健闘し、「なないろ日和!」を中心に通販事業が順調に推移しました。新規のカタログ事業、中国関連事業に伴う費用は増加しましたが、広告関連売上も大きく伸びたことから、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は94億5千4百万円、前年同期比17.3%増収、過去最高売上となりました。
以上の結果、上述3社を含む放送周辺事業の売上高は371億3千7百万円、前年同期比6.4%増収、営業利益は21億7千8百万円、前年同期比1.0%増益となりました。
(BS放送事業)
放送収入のうちタイム収入では、番組と番組の間の枠を運用した一社提供のミニ番組や番組型のインフォマーシャルCMといった企画営業によってレギュラーセールスを底上げしました。特別番組もドキュメンタリー「小谷真生子経済ルポスペシャル 実録 日銀」「オーストラリア縦断ソーラーカーレース」や、年末年始に編成したゴルフ関連特番のセールスが堅調に推移しました。一方、スポット収入は上期における前年の大型発注案件の反動が大きく響き、昨年度の実績に届きませんでした。その他収入部門では、BSオリジナル4Kコンテンツへの製作出資を開始。配信販売などのソフトライツ事業を核としながら、通信販売事業やイベント事業にて売上を伸ばしました。
以上の結果、BS放送事業の売上高は160億8千9百万円、前年同期比1.9%増収、営業利益は9億7千8百万円、前年同期比22.4%減益となりました。
(インターネット・モバイル事業)
インターネット・モバイル事業では、クロスメディア広告売上、動画配信関連売上が好調だったことに加えて、お取り寄せグルメ「虎ノ門市場」のカタログ販売、毎月商品をお届けする頒布会販売が大きく売上を伸ばしました。また、キャラクター事業の海外ライセンス売上も順調に推移しました。一方費用では、新規事業構築のための採用費、広告宣伝費、事業投資の観点での制作費の増加を行いました。
以上の結果、インターネット・モバイル事業の売上高は67億6千8百万円、前年同期比20.3%増収、営業利益は3億8千8百万円、前年同期比2.8%減益となりました。
(資産)
流動資産は679億7千2百万円、前連結会計年度に比して57億3千2百万円の増となっております。これは主に、現金及び預金が40億8千7百万円の増となったことによるものです。
固定資産は555億6千2百万円、前連結会計年度に比して15億2千7百万円の増となっております。これは主に、投資有価証券が22億3千1百万円の増となったことによるものです。
(負債)
流動負債は328億7千5百万円、前連結会計年度に比して12億3千万円の増となっております。これは主に、未払費用が15億5千7百万円の増となったことによるものです。
固定負債は67億3千万円、前連結会計年度に比して5億4千4百万円の増となっております。これは主に、繰延税金負債が3億3百万円の増となったことによるものです。
(純資産)
純資産は839億2千8百万円、前連結会計年度に比して54億8千4百万円の増となっております。これは主に、利益剰余金が49億2千7百万円の増、その他有価証券評価差額金が3億6千4百万円の増となったことによるものです。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」をご参照ください。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、44億3千万円増加、前年同期比23.7%増加となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は231億2千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は96億6千5百万円、前年同期比33.4%増加となりました。
これは主に、売上債権の増減額、たな卸資産の増減額及び未払費用の増減額がそれぞれ13億8千1百万円、21億4千3百万円、12億2千7百万円の支出増加となったものの、税金等調整前当期純利益が23億5千9百万円増加、その他が39億2千9百万円の収入増加となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は37億9千9百万円、前年同期比61.6%減少となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入が51億6千9百万円の減少、投資有価証券の取得による支出が19億2千万円の増加となったものの、有形固定資産の取得による支出が107億3千8百万円の減少となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は14億2千7百万円(前年同期は35億7千3百万円の獲得)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額が50億円の支出増加となったこと等によるものです。
当社グループの取引形態は一般的な製造業等における「生産」や「受注」といった概念が存在しないため記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
地上波放送事業 |
|
|
|
地上波放送 |
80,712 |
△0.4 |
|
(タイム) |
(49,373) |
△0.2 |
|
(スポット) |
(31,338) |
△0.6 |
|
国内番組販売 |
4,505 |
0.3 |
|
BS放送関連等 |
2,199 |
△28.5 |
|
ソフトライツ |
25,557 |
12.4 |
|
イベント |
998 |
20.9 |
|
その他 |
620 |
108.6 |
|
小計 |
114,593 |
1.9 |
|
放送周辺事業 |
37,137 |
6.4 |
|
BS放送事業 |
16,089 |
1.9 |
|
インターネット・モバイル事業 |
6,768 |
20.3 |
|
売上高合計 |
174,590 |
3.5 |
|
調整額 |
△27,486 |
5.5 |
|
合計 |
147,103 |
3.1 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱電通 |
48,356 |
33.9 |
49,204 |
33.4 |
|
㈱博報堂DYメディアパートナーズ |
17,983 |
12.6 |
18,816 |
12.8 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(a)制作勘定
制作勘定のうち番組制作勘定について、放映権が2回以上ある場合の会計処理は、1回目の放映時及び2回目の放映時に分けて原価を全額費用化します。ただし、権利期間が2年以内のものについては、2回目の放映前に権利期間が完了した場合、その時点で全額費用化します。また、権利期間が2年超のものについては、2回目の放映前に契約時から2年を経過した場合、その時点で次回放映の計画を明確に示すなどその資産性を明確にできる場合を除き、原則として全額費用化することとしています。
(b)投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式投資を行っております。これらの株式には株価の存在する公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。
将来の市況悪化や投資先の業績悪化により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、減損の計上が必要となる可能性があります。
(c)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産純額の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用として計上することになります。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に税金費用を減少し、利益を増加させることになります。
(d)退職給付費用
退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び年金資産の期待運用収益率などが含まれます。これらの基礎率が変化した場合、退職給付費用の追加が必要となる可能性があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、前年同期比増収増益、売上、各利益とも過去最高、経営指標としている売上高営業利益率5.0%を0.1ポイント上回る5.1%となっております。要因としては、前年度期中に実施した本社移転による新たな諸費用や放送設備の更新などによる減価償却費の通年化を見込んでおりましたが、地上波放送事業の収支が大幅に改善したためであります。放送部門では、タイム・スポットの放送収入は微減でありましたが、前年放送しました「リオ・オリンピック2016」の番組制作費の反動減により、粗利益が向上しております。またソフトライツ部門では、国内外の動画配信プラットフォームへのドラマやアニメのコンテンツ販売が引き続き好調、人気ドラマシリーズの追加印税などがありました。映画事業やイベント事業も観客動員数の当初見積もりを上回り、ソフトライツ部門とイベント部門の粗利益もそれぞれ増加しております。さらに保有する投資有価証券を売却したことで最終利益も大幅に増加しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、本年12月にBS波で実用放送を開始するBS4Kと注力分野の配信事業があります。4K放送を実施するに当たり4K放送設備を設置するための設備投資費用、さらに4K番組を制作することによるコストの増加を見込んでおります。これらは4Kチューナー付き受像機の普及速度にも依存するものと考えております。配信事業につきましても同様に設備投資とコンテンツ制作費が増加します。
このために当社グループでは中期経営計画として「地上波・BS・配信の一体運用」を進めてまいります。番組コンテンツの各流通経路の視聴者、利用者のために最適な訴求形態を選んでコンテンツを送り届けるものであります。この一体運用の本格的実行にあたっては、放送事業の再強化、アニメの海外展開、配信の拡大の3点を進めてまいります。地上波は、視聴率GH7%・全日3%以上を定着させます。アニメは海外へ拡大し収益向上のエンジンとします。配信は中国が大きく伸びており、ビジネスチャンスもありますが、政治的リスクの補完も考慮しつつ、国内外ともに最適なパートナーシップを推進します。経営体制としては、機動的・効率的なものにするために、グループ経営会議の下にコンテンツ戦略会議と業務改革会議を立ち上げます。前者はコンテンツ戦略局を中心に社内横断的な局長クラスのメンバーにより各種戦略を共有します。後者は経営企画局が中心になって生産性を高めるための業務改善を提案します。これら2つの会議が両輪となり、全社的なバックアップ体制として機能します。
BS4Kの成長スピードは東京五輪に向けて加速するものと考えております。さらにはその後の次世代通信規格5Gという高速・大容量の通信技術は、あらゆるヒトとモノがネットに繋がり、映像の世界でも革新的な展開が予想されます。その動向に対応した多様で柔軟なビジョンを持つことが必要であることは認識しております。また、政府が推し進める「規制改革推進会議」における論点の放送と通信の融合、ハードとソフトの分離、放送電波利用料など放送行政と絡んだ動きにも絶え間なく注視していかなければなりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの設備投資の主なものは、地上波放送設備更新、4K放送マスター設備、4Kスタジオ、4K中継車、配信プラットフォーム設備更新、DMPなどであります。そのほか放送、配信前のコンテンツ制作費や大型スポーツ番組の中継権利金など先行投資的支出があります。
現状それらの支払いには営業活動によるキャッシュフローの増加分で対応しており、当該キャッシュフローで不足する場合は、金融機関による当座借越設定枠で柔軟に対応しております。
当連結会計年度末のグループ資金残高は260億円ですが、月額総支払額100億円の2.6か月分になりますので、手元流動性は十分確保されているという認識であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
地上波放送事業である㈱テレビ東京の経営成績は、前年同期比増収、各利益とも増益となりました。
放送部門は、「ピョンチャン・オリンピック2018」と営業企画枠再構築やレギュラーセールスで計画を上回りましたが、前年度「リオ五輪」の反動減を補いきれず、タイム収入は減収でした。スポット収入も販促企画によりシェアを高めましたが、全日視聴率が伸びず減収となりました。一方番組制作費やネットワーク費が大きく減少したことで、粗利益は改善し増益となりました。
番組販売部門は、番組販売先のテレビ局の編成事情により、平日午後帯への番組販売減少の影響を受けましたが、「金曜8時のドラマ」「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」などの販売が順調で増収増益となりました。
イベント部門は、フィギュアスケート「Japan Open 2017」「ゴッドタン マジ歌LIVE」「トミカ博 in YOKOHAMA」などの観客動員数を想定を上回り増収増益となりました。
ライツ部門は、海外番販部門の中国の検閲に伴う契約遅延がありましたが、「100万円の女たち」「さぼリーマン甘太朗」「モブサイコ100」など配信会社と連動したドラマの配信権料が引き続き貢献しました。また「勇者ヨシヒコ」「孤独のグルメ」など人気ドラマシリーズの追加印税も好調でした。さらに7月に公開した映画「銀魂」の国内、海外の興行収入が伸び、増収増益となりました。
アニメ部門は、国内では「NARUTO」「遊戯王」のゲーム売上が伸び、海外では中国をはじめとした「NARUTO」の配信、ゲームが好調に推移し、新たに「BORUTO」が貢献し増収となりましたが、「妖怪ウォッチ」の国内商品化の減少や配信サイト「あにてれ」の初期投資費用などにより、減益となりました。
放送周辺事業は、音楽著著作権管理、番組販売、地上・BS放送業務、通信販売、CSアニメなど各事業を担当する連結子会社12社によって構成される放送周辺事業の経営成績は、前年同期比増収増益となりました。主な子会社の業績は以下の通りであります。
㈱テレビ東京ミュージックのアニメ楽曲印税収入は堅調、原盤出資アーティスト関連売上が伸びました。㈱テレビ東京メディアネットは、番組販売収入、アニメ製作収入、ライツ収入とも増収、特に当社の保有素材の販売が伸び、ビデオ販売収入の反動減をカバーしております。㈱テレビ東京制作は、㈱テレビ東京からのレギュラー番組の受注増に加え外部のテレビ局からの受注が大幅に伸びました。㈱テクノマックスは、地上波・BS統合マスター運行業務やスタジオ受託業務など六本木本社関連業務が増加し、また新規外販受注などがありました。㈱テレビ東京ダイレクトは、通販関連でオリジナルゴルフクラブや生活用品などが健闘、放送番組「なないろ日和!」を中心に通販事業が順調に推移しました。さらに広告関連売上も増収に寄与しましたが、新規のカタログ事業、中国関連事業に伴うコスト増もありました。㈱エー・ティー・エックスは、広告関連売上の大幅増やアニメ投資作品の好調により放送外売上は想定を上回ったものの、CSアニメチャンネル加入者数の減少により放送利益が減少しました。
BS放送事業は、前年同期比増収減益となりました。
放送収入のスポットは減収でしたが、「タイ展」「アートフェア東京」などイベントを共催し動員が好調で、その他収入が前年を大きく上回り全体で増収、一方費用面で新本社移転に伴う設備費用負担の増加など売上原価が増加し減益となりました。
インターネットモバイル事業は、前年同期比増収減益となりました。
動画配信関連の売上、キャラクターの海外ライセンス売上、クロスメディア広告売上とも増加し、お取り寄せグルメ「虎ノ門市場」のカタログ販売、頒布会販売も順調で売上全体が増収でしたが、費用面で今後の新規事業に向けた採用費、広告宣伝費、事業投資制作費が増加し減益となりました。
当社は、2010年10月1日付で、㈱テレビ東京、㈱BSジャパン及びテレビ東京ブロードバンド㈱(現㈱テレビ東京コミュニケーションズ)との間において、それぞれの経営状況を管理・指導するための経営管理契約を締結しております。
当社グループでは、デジタル化により多様化する放送サービスへの対応と、今後の更なる高度化を目指した次世代放送サービスの実現に向けて、幅広い分野における利用技術の研究開発に取り組んでおります。
特に㈱テレビ東京技術局技術開発部を中心に、各放送サービスに関わる番組制作、伝送、送出技術等に於いて、研究開発やITの活用を推進すると共に、超高精細度テレビジョン放送(4K放送)と地上デジタル放送(2K放送)の両方式に対応した番組の同時制作の検討や、将来的に番組配信を行うことも念頭に置いた設備設計をするなど、地上、BS、配信の三位一体を目指した体制作りに力を入れております。
また、2018年からBS放送で新たに開始する予定である4K実用放送の実現を目指して、設備導入の検討を進めています。さらに、ハイブリッドキャストなどの放送と通信の連携サービスを利用した4K番組の配信や、字幕放送のサービスをはじめ、放送の枠を越えた通信による動画配信サービスに関する技術検討など、新たな放送技術にも積極的に取り組んでおります。
今後も引き続き放送機関として、地上・BSデジタル放送の普及と更なる高度化、また視聴者のニーズに柔軟かつ速やかに対応することを目標とし、研究開発活動の成果を反映することで放送事業に役立てて行きます。
当連結会計年度の研究開発費の総額は59百万円であり、セグメントごとの活動は次のとおりであります。
(地上波放送事業)
① デジタル放送の普及、促進関連
・東京スカイツリーと中継局、ネットワーク設備の安定的な運用を目指した在京局による共同検討
・大規模災害時における放送の安定送出を目指した、十分な冗長系を考慮した設備検討
②番組制作関連
・超高精細度テレビジョン放送におけるHDR番組とSDR番組の同時制作に関する技術的な課題の検討
・IP網や携帯キャリア網を利用した番組中継や素材伝送の実証実験
・次世代FPU装置による伝送方式の検討
・テープレス(ファイル化)システムの導入における設備構築とワークフローの検証
・クラウドを利用した番組素材チェック、番組編集システムの検討
③新技術調査、研究関連
・超高精細度テレビジョン放送システムの標準規格、運用規定の策定・改定
・放送と通信の連携サービスの為の規格検討、実証実験
・国内外の標準化機関への参画を通じてのIPTV技術仕様の検討
・地上波4K放送の実現に向けた方式検討
・音声を利用した字幕放送の補助システムの実証実験
・データ放送を利用した視聴ログ取得に関するシステムの構築
・動画配信サービスに向けたシステムの開発と技術検証
・周波数有効利用におけるテレビジョン放送、放送業務用設備への影響調査
・CMを含む番組交換用メタデータの体系化検討、関連アプリケーションの開発
・CM字幕の規格化と対応する設備の導入および運用体制の検討
・CMや番組など放送素材ファイルのオンライン伝送に関する技術検討とシステム構築
(放送周辺事業)
該当事項はありません
(BS放送事業)
① BS4K放送関連
・2018年からのBS4K実用放送開始に向けた設備検討と構築
②BSデジタル放送関連
・BS右旋円偏波の周波数再編(トラポンの移動、スロット数変更)の検討
・フィールドフレームエンコード方式による画質改善の検討
(インターネット・モバイル事業)
該当事項はありません