第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当第1四半期連結累計期間(2020年4月~6月)の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う世界経済の下振れの影響を大きく受けました。輸出が大幅に減少したのみならず、国内での感染拡大で企業活動や個人消費も停滞したほか、企業の設備投資先送りの動きも目立っております。

こうした状況のなかで、クライアントが広告出稿に慎重になっており、当社グループの収益にも影響が出ております。連結売上高は前年同期比12.4%減の31,208百万円となった一方、コロナ感染の拡大に伴って番組制作活動などの業務全般も停滞を余儀なくされ、営業費用も13.4%減の30,401百万円となりました。売上、費用の双方が減少するいわば縮小均衡型になったことに加え、通販部門やBSが増益となった影響もあり、結果として連結営業利益は、57.7%増の806百万円、連結経常利益も73.0%増の929百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は336.6%増(約4.4倍)の453百万円となりました。

今後につきましては、コロナ感染の状況次第で不透明感が強いものの、徐々に制作活動も正常化していくと見ております。また、イベント事業での配信活用など新たな取り組みも進めてまいります。独自のコンテンツ作りを通じて放送事業の収益をできる限り確保しつつ、アニメの海外輸出、ドラマやバラエティー、ニュース番組などのコンテンツ配信、イベントなどライツ事業を強化していき、期初に公表した利益予想の達成へ向けてテレビ東京グループ各事業の総力を結集していく所存です。

セグメントごとの業績は以下のとおりです。

 

[地上波放送事業]

地上波放送事業はテレビ東京単体の事業となっております。

①放送事業(地上波放送、番組販売)

放送事業収入(売上高)の合計は18.5%の減の16,451百万円となりました。

このうち番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は、系列局を通じた全国放送(ネット部門)、テレビ東京単独の首都圏放送(ローカル部門)の両方で、クライアントの広告出稿姿勢が慎重になった影響を受けました。番組編成を一部改めた4月クール(4月~6月)の通常放送(レギュラー番組)でクライアントからの値下げ圧力が大きかったことに加え、通常放送ではない特別番組(特番)部門でも「世界卓球」「全仏オープンテニス」など大型スポーツ案件が相次いで延期となり、こうしたイベントがあった前年に比べて減収の要因となりました。この結果、タイム収入全体では13.1%の減の10,362百万円となりました。

番組への提供ではないスポット広告はコロナ感染の広がりの影響がさらに大きく現れました。当社の視聴率がやや上向いたこともあって、指標となる東京地区全体での広告投下総量よりは落ち込みが小さかったものの、スポット収入は29.1%減の4,594百万円にとどまりました。

一方、地方放送局などへの番組販売収入は、1.8%増の1,170百万円となりました。「家、ついて行ってイイですか?」や「どうぶつピース!!」などレギュラー番組のほか、「土曜スペシャル」「火曜エンタ」などの単発番組の売上が好調でした。

コストの面でもコロナの影響が出ました。番組制作活動の停滞による番組制作費の減少、売上の減少に伴う代理店手数料の減少、広告宣伝活動の縮小等により、放送事業原価は23.9%減の11,503百万円にとどまりました。

売上、経費の双方とも前年同期比でみて減少した結果、放送事業の粗利益は2.0%減の4,948百万円となり、減少率を小幅にとどめることができました。

②ライツ事業(アニメ、コンテンツ、イベントなど)

テレビ東京が持つコンテンツを活用し、放送による広告以外に収入を上げている事業を「ライツ事業」と呼んでおり、ゲーム化権や配信、イベントなどから得られる収入を指しています。

当第1四半期のライツ事業収入(売上高)の合計は18.6%減の6,103百万円となりました。

アニメ部門は、中国をはじめとした海外で「BORUTO」のSNSゲームが大きく売上を伸ばしたものの、その他のゲームや配信が振るいませんでした。この結果、アニメ部門全体の収入は12.0%減の4,930百万円になりました。

放送番組をインターネット配信の課金プラットフォームなどに販売することが柱であるコンテンツ部門では、「孤独のグルメ season 8」「ミリオンジョー」「電影少女-VIDEO GIRL MAI 2019-」等のビデオグラムが好調だったほか、中国向け配信も底堅く推移しました。ただ、新型コロナ拡大に伴い、ドラマの制作中断や延期、中止が相次ぎ、国内プラットフォーム向けの販売が低迷しました。映画も大型案件が少なく、前年比で減収となりました。この結果、コンテンツ収入は40.0%減の923百万円となりました。

イベント部門も計画を相次いで中止せざるを得なくなりました。「MelodiX! Fes 2020」「ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン全国立海後編」「テレビ演劇・サクセス荘」など一部収益化したほか、リアルとオンラインの融合など新たな試みも始まりつつありますが、第1四半期は61.3%減の59百万円にとどまりました。

ライツ事業の全体の原価を見ると、放送事業と同様に作品制作の停滞に伴ってコストが減少しております。この結果、ライツ事業の粗利益は17.9%減の2,198百万円となっています。

③その他費用(共通・間接費)

放送事業、ライツ事業に共通する人件費や販管費などの共通・間接費は、新型コロナ拡大に伴って業務全般が停滞したことに加え、積極的に在宅勤務など「新たな働き方」へのシフトを進めたこともあって、5.9%減の6,517百万円に抑制することができました。

 

以上を総合すると、放送事業とライツ事業を併せた地上波放送事業(テレビ東京単体)の決算は、売上高で18.5%減の22,554百万円となりました。両事業の粗利益合計から共通・間接費を差し引いた営業利益は21.6%減の628百万円、経常利益は8.9%減の1,742百万円、税引前当期純利益は7.1%減の1,685百万円となっております。

 


 

[放送周辺事業]

放送周辺事業はテレビ東京ホールディングス及びテレビ東京の子会社のうち、テレビ通販やEC事業、CS有料放送チャンネル、音楽出版、番組制作・販売や放送運営などを手掛ける会社で構成されております。

好調だったのはテレビ通販事業を手掛けるテレビ東京ダイレクトで、除湿剤「調湿木炭 出雲屋炭八」などいわゆる巣ごもり需要に応えた「家中商品」が人気を集めました。また、4月から平日夕方枠でも放送がスタートした食品を中心とする通販の「虎ノ門市場」も売上を伸ばしました。この結果、同社の売上高は16.9%増の4,211百万円となりました。

音楽出版を手掛けるテレビ東京ミュージックは、「新世紀エヴァンゲリオン」「銀魂」のほか、アニメ楽曲の二次使用による国内印税収入が想定を大きく上回りました。加えて、「NARUTO」BGMを中心とした海外印税も売上に貢献しました。これらにより、同社の売上高は22.4%増の881百万円となりました。

アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛けるエー・ティー・エックスでは加入者数の減少傾向が続いており、売上高が15.1%減の1,181百万円となりました。

また、番組制作関連の会社の多くは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う業務停滞により、売上高、費用ともに大幅に減少しました。

以上の結果、上記の3社を含む放送周辺事業全体の売上高は4.1%減の10,000百万円、営業利益は30.9%増の840百万円となりました。

 

[BS放送事業]

BS放送事業はBSテレビ東京が手掛ける事業を指しております。

①放送事業(BS放送)

放送収入(売上高)のうちタイム収入は、4月からスポンサー一社が単独で提供する新規番組が始まるなどの成果があった一方、特番を中心に地上波事業と同様にコロナ感染拡大の影響を大きく受けました。「ヨネックスレディス」や「スターツシニア」などのゴルフ中継をはじめ、「プロ野球交流戦」、「世界卓球2020韓国」などのスポーツ中継番組が放送できず、想定を下回る結果となりました。

スポット収入に関しては、全体としてコロナ感染拡大の逆風はあったものの、通販スポンサーの脱落を最小限に食い止めたことなどにより、前年を上回ることができました。ただ、タイム収入の落ち込みをスポット収入でカバーするまでは至らず、放送収入全体では前年同期を下回りました。

②ライツ事業(コンテンツ、イベント他)

ライツ部門では、ドラマなどの番組撮影及び放送が中断しました。配信プラットフォームなどへの番組販売などの事業は堅調でしたが、全体として売上高は前年同期を下回りました。

③営業費用

営業費用は、制作費及びその他経費の効率的使用などにより、17.7%減の3,248百万円となりました。

 

以上の結果、BS放送事業(BSテレビ東京)の売上高は9.7%減の3,657百万円、営業利益は306.1%増(約4.1倍)の408百万円となりました。

 

[コミュニケーション事業]

コミュニケーション事業とは、テレビ東京コミュニケーションズが手掛ける事業を指しております。

放送とインターネットを融合したクロスメディア広告事業などは停滞感が強かったものの、キャラクターのEC事業ではいわゆる巣ごもり需要を取り込み売上増加となりました。また、動画広告についても前年同期を上回って推移しました。

以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は3.2%増の1,042百万円、営業利益は19.1%増の60百万円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

流動資産は68,527百万円、前連結会計年度末に比べて4,109百万円減少しております。未収還付法人税等が1,385百万円増加した一方で、現金及び預金、受取手形及び売掛金がそれぞれ、2,939百万円、2,631百万円減少したことによるものです。

固定資産は54,384百万円、前連結会計年度末に比べて2,190百万円増加しております。投資その他の資産のその他が2,048百万円増加したことが主な要因です。

 

(負債)

流動負債は31,513百万円、前連結会計年度末に比べて2,865百万円減少しております。未払費用、賞与引当金がそれぞれ、1,194百万円、1,473百万円減少したことによるものです。

固定負債は5,720百万円、前連結会計年度末に比べて464百万円の増となっております。その他が508百万円増加したことが主な要因です。

 

(純資産)

純資産は85,678百万円、前連結会計年度末に比べて480百万円の増加しております。利益剰余金が253百万円減少した一方、その他有価証券評価差額金が738百万円増加したことが主な要因です。

  

(3) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。