第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、地上波放送事業を中核とし、各種媒体を持つグループ各社を統括し、戦略機能を持つ認定放送持株会社であり、当社グループにおいては、地上波放送、BS放送、CS放送、そしてネット・モバイルと相関性が高く、親和性の高いメディアを総合的に展開するメディアグループを目指しております。

映像を含めてすべてのデータがデジタル化され、番組の楽しみ方はお茶の間にあるテレビだけでなく、パソコン、スマートフォンなどのモバイルへと急速に広がっております。こうした視聴者のライフスタイルの変化により、広告主のニーズもさらに多様化しつつあります。媒体を超えたクロスメディア展開が必要になるなかで、認定放送持株会社として経営基盤とコンテンツ制作基盤の強化をさらに進めてまいります。

当社グループの目標は、常に新しい技術を積極的に取り入れ地上波放送・BS放送・動画配信の3つのツールを駆使して『いつでもどこでもつながる』発信力を磨き続け、一歩先を行く発想力により暮らしからビジネスまで個性溢れるコンテンツをつくり、『身近なメディア』として視聴者に豊かな時間を提供することであります。

この目標に向け、グループ各社の独自性を尊重しながら連携を密にし、地上波放送・BS放送・動画配信を一体的に運用し、コンテンツ価値の最大化を図ってまいります。一体化戦略の中で収支管理、コストの効率化を推進し、グループ内でのシナジー効果がより大きくなるよう全力を挙げる所存です。

 

(2) 経営環境

放送局の主要な売上でありますテレビ広告費は、2019年10月の消費税率引き上げによる先行きの消費低迷を見越したクライアントが広告出稿に慎重になったことも影響し、前年同期比マイナスとなりました。

また電通の推計によりますと2019年は初めてインターネット広告費がテレビ広告費を逆転し、放送局を取り巻く収益環境は大きく変化しております。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、収益性を重視し、売上高営業利益率5%を中長期的な経営指標とし、さまざまな経営環境の変化に柔軟かつ積極的に対応し、永続的な収益性向上を実現して、企業価値の向上を図ります。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、(株)テレビ東京が放送する地上波、(株)BSテレビ東京が放送するBS波、そしてインターネットによる配信事業を一体的に運用することにより、コンテンツの価値の最大化を目指しています。配信事業については、日本経済新聞社、TBS、などとの共同出資会社である(株)プレミアム・プラットフォーム・ジャパンの配信サービスが本格稼働、BS波については2018年12月から4K放送を開始、当年度は地上波同時再送信の実証実験を開始しており、今後も視聴者の期待に応える映像を多様なデバイスで提供するとともに、コンテンツ価値を高めていくことで、企業としての成長を軌道に乗せていきます。

事業ごとの戦略については以下の通りとなります。

 

地上波・BS広告収入について

新型コロナウイルス感染症の経済活動への影響が広告収入にどれだけ影響があるかが不透明な中、適宜・適切にコスト削減を実施するなど、放送粗利益を維持する施策を実行してまいります。

番組編成については、収益最大化を意識しながら、時々の状況変化に対応できる複数の編成パターン、制作費を予め想定し、柔軟な対応をしていきます。

また、「TVer」を中心に広告付き動画配信事業を強化することで、配信を含めた広告収入の成長を目指します。

 

アニメビジネスの拡大

中国においては現地資本と協力して作品を制作する現地法人を設立。今後は従来の作品供給体制に加えて、現地からオリジナルの共同制作作品を加えることで、中国の配信市場への作品供給を手厚く強化していきます。

同時に、商品化ビジネスや新たなビジネス開発を行い、市場のさらなる拡大を目指してまいります。

また、中国以外の海外マーケットも市場調査を踏まえ、慎重かつ大胆に展開してまいります。

 

コンテンツ密着のイベント事業の拡大

新たに立ち上げました池袋の「Mixalive TOKYO」を通年活用していきます。

昨年から立ち上げましたeスポーツイベントや従前から実施していました放送番組やアニメコンテンツを最大限活用したイベント事業の開発・拡大を推進してまいります。

 

コンテンツ事業の強化

放送と連動したコンテンツを配信、商品化などの放送外収入をより拡大することを目指します。

また配信オリジナルコンテンツの開発も積極的に行うため、専門の制作部隊を立ち上げ、新たな発想でドラマやバラエティなどのコンテンツ制作に乗り出します。

当面は費用先行となるコンテンツが出てきた場合でも、適切にコスト管理を行い、将来の収益機会を確保する投資を継続して行っていきます。

 

成長のための投資戦略

限られた投資枠の中で、業務効率向上に寄与するシステムの前倒し開発、5G関連の研究開発、データビジネスの強化などの優先順位を決め、実行していきます。

また、アニメや通販、デジタル新技術といった今後テレビ東京グループの成長力強化に資するような企業との資本提携やM&Aを積極的に仕掛けていきます。

 

社会構造変化への迅速な対応

働き方改革、様々な制度改革に合わせて、機動的な人員・組織を構築した上で、コンプライアンスやコーポレート・ガバナンスの強化など、構造変化への迅速な対応をより徹底してまいります。

2020年度から実施いたします新人事制度は、成果を上げた社員に積極的に報いること、また社員各々の生活パターンや家族構成に応じた働き方改革に積極的に取り組むこととしております。

また新型コロナウイルス感染症の拡大によって対応したBCP(事業継続計画)体制をベースに、業務の無駄を洗い出し、より効率化した組織を目指してまいります。

 

(5) 会社が対処すべき課題

放送局を取り巻く収益環境は大きく変化しております。

電通の推計によりますと、2019年に初めてテレビ広告費をインターネット広告費が逆転、放送だけに依存していると大きな成長が見込みづらい時代となっております。

また、コンテンツを視聴できるデバイスは年々多様化、高度化しており、放送だけではなくコンテンツの価値を最大限生かせるビジネス展開を図ることが、当社グループの最大の課題と考えております。

 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針です。なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) テレビ放送事業に関するリスクについて

① テレビ広告収入について

当社グループの地上波放送事業およびBS放送事業における広告収入は、総売上高の約6割を占めています。

広告市況は企業の広告費に依存し、マクロの経済動向と連動する傾向があります。国内においては少子高齢化に伴う低成長という要因に加えて、コンテンツへの接触環境や広告宣伝形態の多様化により、テレビ広告の市場は漸減傾向となっています。さらには、新型コロナウイルス感染症に伴う経済の停滞の影響もあり、テレビ広告市場の見通しは厳しい状況にあります。

当社グループは、こうした広告市場の動向を注視しながら、広告主ニーズへの対応や新たな営業手法の開発等により、テレビ放送による広告収入の向上を目指してまいります。しかしながら、今後の日本経済のマクロ動向、広告市況の動向が想定外の変化を示した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 視聴環境の変化について

定額制の動画配信サービスの普及により放送と通信は業界の垣根がなくなり、2020年には次世代通信規格「5G」サービスも本格化します。視聴環境の多様化が加速するなかで、放送番組のタイムシフト視聴やインターネット視聴へのシフトも起きています。

一方、放送事業においては、視聴率がCM放送枠の販売価格を決定する重要な要素であることに変わりはなく、視聴率の獲得は引き続き重要な課題です。

当社グループは、テレビ放送を軸とし、視聴者に受け入れられ、当社グループのブランドイメージ向上につながるコンテンツの創出に努めてまいります。しかしながら、今後の視聴動向に想定外の変化が生じた場合や、視聴者の期待に応える番組編成が実現せず視聴率が獲得できない場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) テレビ放送事業以外に関するリスクについて

① アニメビジネスにおける海外展開について

当社グループはアニメビジネスに積極的に取り組んでおり、2019年度では地上波放送事業において43本の新作アニメ番組を放送するとともに、海外への配信・商品化等でのライセンス展開も積極的に行っています。中国では2017年にアニメグッズの企画およびライセンス事業を行う現地法人「杭州都愛漫貿易有限広司」を設立したことに加え、当会計年度には現地資本とコンテンツを共同制作する現地法人「杭州都之漫文化創意有限広司」を設立しています。

現地法人による事業展開に当たっては、現地取引先との連絡を密にし、コンテンツ産業政策に関する現地の最新情報を収集するとともに、可能な限り万全な契約締結等によるリスクの最小化に努めてまいります。

しかしながら、海外展開においては、進出先の法制度やコンテンツ産業政策の変更等によるリスクがあり、計画通りにコンテンツの制作や販売等ができない場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② イベント事業について

当社グループは、展覧会、スポーツ・演劇・音楽のライブ等、イベント事業に積極的に取り組んでいます。これらイベント事業については、過去の実績や他社事例を踏まえた慎重な収支計画のもと出資判断を行っています。しかしながら、不測の事態によりイベント自体が開催できなくなる場合や大幅な計画変更を余儀なくされる場合、イベントのチケット収入や関連グッズの販売収入等が、当初計画した収益を確保できないような場合には、当社グループの経営成績および財政状況に影響を与える可能性があります。

また、イベントの実施にあたっては、準備段階から事故等のないよう細心の注意を払うとともにイベント保険を付保するなどの危機管理を行っています。しかしながら、万が一、事故等が発生した場合には損害賠償責任を負う場合があり、また、社会的な信用の低下を招く可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ インターネット動画配信事業について

多くの家庭で高速通信回線の普及が進み、ケーブルテレビ、インターネットを通じた映像視聴環境が整ってきたほか、スマートフォン、タブレットといった新たな携帯型高機能端末の普及に伴い、通信を利用した映像コンテンツへの接触頻度はますます拡大しています。

当社グループは有料配信サービスとして、アニメコンテンツを中心とした「あにてれ」を2006年に、また報道番組を中心とした「テレビ東京ビジネスオンデマンド」を2013年にそれぞれ開始しました。また、広告付き動画配信として、2015年から「ネットもテレ東」を開始し、同年10月には民放公式のテレビポータルサービス「TVer」によるサービスにも着手しました。さらに他の放送事業者等との共同事業として、2018年4月にサービスを開始した「Paravi(パラビ)」の運営にも参画し、幅広いコンテンツを提供しています。

当社グループは、映像メディアの多様化に対応したコンテンツの開発やビジネスモデルの構築に取り組んでまいりますが、これら事業は成長分野であると同時に競争環境も厳しく、事業が想定通りに進捗しない場合や動画配信事業の市場環境が大きく変動する場合には投下資本の回収が困難になり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 資本提携・M&Aについて

当社グループは、将来の成長力強化に資するような企業との資本・業務提携やM&Aを積極的に進めてまいります。新規の資本出資やM&Aに関しては、当社グループの事業との親和性、シナジー効果等を十分に考慮し、投資リスクと効果を慎重に見極めたうえで「出資委員会」による審議を踏まえて最終的に取締役会の決議により投資判断を行います。

M&Aを行うに当たっては、対象企業の財務状況や事業の成長性についてデューデリジェンスを行い、十分なリスク対策を行うよう努めていますが、対象企業における偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査では把握できない問題が生じる可能性もあります。また、事業環境の変化その他の理由により、対象者の事業展開が計画通りに進捗しない場合には、減損リスクが発生するなど、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 災害時等の対応について

当社グループは、災害発生時において報道メディアに求められる役割を踏まえ、放送の継続が何よりも重要であると考えています。また、放送事業者は放送法により、災害が発生した場合またはそのおそれがある場合に、その予防または被害軽減のための放送を義務付けられており、大規模な災害が発生した場合は、予定されていた番組の放送を取り止め、緊急に報道特別番組を放送することがあります。

このような場合、CM放送やテレビ通販番組の休止に伴い、放送事業や通信販売事業の収入が減少する場合があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、テレビ放送等の事業継続を担保するため災害時におけるBCP(事業継続計画)を策定しており、今回の新型コロナウイルス感染症対応においては、2020年2月に「テレビ東京グループ大規模感染症対策ガイドライン」を整備し、緊急事態宣言の発令に先立つ4月3日にBCP体制を本格化し、出社率を20%に抑えて事業運営いたしました。また、同宣言解除後においても新型コロナウイルスの感染が再び急拡大する「第2波」にいつでも対応できる体制を維持すること、新しい働き方を実践することにより効率よくクリエイティブな仕事を実現することなどを目指した「リモート50(出社率50%の新しい働き方)」に移行し、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の防止に全力をあげる社会の要請に応えてまいります。しかしながら、新たな災害やパンデミック等が発生する事態となった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 通信販売事業について

当社グループは、放送およびインターネットを通じ様々な通信販売事業に積極的に取り組んでおります。販売する商品の選定および品質管理については細心の注意を払っており、商品に関する表示についても適正な表示に努めております。

しかしながら、当社グループが販売した商品に何らかの不具合や欠陥があった場合、返品や商品の交換、損害賠償等の責任を負う可能性があります。また、販売において不適切な表示があった場合には法令上の処分を受ける可能性があります。このような場合には、当社グループの社会的信用が低下するとともに、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 著作権等の知的財産権について

当社グループが制作するテレビ番組等の映像コンテンツは、原作者、脚本家、音楽の作詞家・作曲家、実演家、レコード製作者など(以下「著作権者等」といいます)多くの人々の知的創造の結果としてそれらの人々に生じた著作権や著作隣接権などが組み合わされた創造物になります。

当社グループは、こうした映像コンテンツを、地上波やBS、CSでの放送だけでなく、インターネットによる配信、DVDやBlu-ray Discでのパッケージ化、コンテンツから派生するキャラクターの商品化、出版化、またはイベント事業の実施などにより、国内および海外において多岐に展開しています。

しかしながら、これにはテレビ番組の制作とは別途に多くの著作権者等の許諾を得ることが必要な場合があり、その権利処理のために多くの時間と費用が必要となる可能性があります。また、結果として権利者等の理解を得られず、円滑に映像コンテンツの利用ができない場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 保有財産に関するリスクについて

① 設備投資について

当社グループは、放送事業の基幹システムの更新、コンテンツ制作力向上のための放送設備の更新に加え、動画配信事業に伴う新たなシステム開発を行うなど、メディアの多様化に対応するための設備投資や投融資を計画的に実施してまいります。

これらのシステムの導入にあたっては初期費用、運用費用、改修費用等を慎重に精査し、事業における優先順位を勘案して「設備投資委員会」による審議を踏まえて最終的に取締役会の決議により設備投資判断を行います。しかしながら、技術革新などにより投資したシステムが陳腐化することにより追加的な投資が必要となる場合や、投資計画に見合うだけの十分な利益が確保できない場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 投資有価証券の時価評価について

当社グループは、取引先との関係促進を主な目的として、投資有価証券を保有しております。

新規の投資案件はリスクとリターンを勘案し投資判断を行うとともに、既に保有している投資有価証券についても、投資先との取引や協業の状況および企業業績を精査し、継続保有の是非を定期的に判断することとし、「出資委員会」においてこれらを審議のうえ、最終的に取締役会で決議しています。

しかしながら、これらの投資先の業績や市場評価を正確に予測することは困難であり、投資有価証券の時価評価額の増減に大きな変動があった場合には減損処理等の措置が必要となる可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法的規制等に関するリスクについて

① コンプライアンスについて

コンプライアンスの観点から当社グループが対処すべき分野は、当社グループの役職員および派遣社員・スタッフによる放送事故や不祥事、不適切な内容の放送、コンテンツの制作過程における他者の権利侵害を含むトラブルや事故、また、個人情報に関する事故や下請代金支払遅延防止法への抵触、さらにインサイダー取引の禁止など、多岐に及んでいます。

当社グループでは、「テレビ東京グループ行動規範」をはじめとし「個人情報取扱基本規程」「下請法対応マニュアル」「インサイダー取引防止に関する規程」等のルールを定め、定期的な研修等でその周知・徹底を行っています。また、当社の「リスク管理・コンプライアンス委員会」において当社グループ内のさまざまなコンプライアンス・リスク低減のための検討をしています。

当社グループは、このように不祥事やトラブル、法令違反等への対策を講じていますが、万が一、コンプライアンスに抵触する事態が生じた場合には、当社グループの社会的信用が低下し、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② テレビ放送事業に関する法的規制

当社グループの主たる事業であるテレビ放送事業は、放送法、電波法等の法令に規制されています。

このうち放送法は、放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議機関の設置などを定めています。また電波法は、無線局に対する免許制度をはじめ、電波を利用するための基本が定められています。

事業会社である㈱テレビ東京が現在取得している電波法による地上デジタル放送免許は、2018年11月に更新されたものであり、免許の有効期限である5年毎に再免許の申請が必要になります。また、同じく㈱BSテレビ東京が現在取得している放送法による委託放送事業者としての認定および電波法による衛星放送の地球局免許は、2018年11月に更新されたものであり、5年毎の更新手続きおよび再免許申請が必要になります。さらに2018年12月には、新たにBS4K放送の免許交付を受けています。

当連結会計年度末において、免許の取消し等の処分を受けることを予測すべき事実はありません。しかしながら、仮に法令で定める免件要件に適合しなくなった場合には、再免許が取り消される可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 認定放送持株会社に対する法的規制について

認定放送持株会社は、放送法による認定を受けることにより、複数の地上放送局とBS・CS放送局を子会社として保有することが認められており、当社は、㈱テレビ東京、㈱BSテレビ東京を子会社とする認定放送持株会社として認定を受けています。

これにより、当社は、グループとしての経営の効率化や財務基盤の強化を進めてまいりますが、今後、当社が放送法で定める認定放送持株会社の基準を満たさなくなった場合には、認定を取り消される可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 外国人が取得した株式の取扱いについて

放送法により、外国人等が直接間接に占める議決権の合計が、当社の議決権の5分の1以上を占めることとなる場合は、認定放送持株会社としての認定が取り消されることになります。このため放送法では、このような状態に至る場合、当社は、外国人等が取得した当社株式について、株主名簿に記載・記録することを拒むことができ、その議決権は制限されることとされています。

なお、外国人等の有する議決権の割合が100分の15に達した場合は、放送法に基づきその割合を公告しますが、当連結会計年度末において、当社は公告をすべき状況にはありません。

 

⑤ 個人情報の取り扱いについて

当社グループは、番組出演者、番組観覧者、視聴者の他、インターネット事業の会員や通信販売事業の顧客などに関する個人情報を保有しています。これらの個人情報の取扱いについては、社内ルールに基づいた安全管理を徹底し、十分な注意を払っています。

しかしながら、不正アクセスや不正利用などにより情報の外部流出が発生した場合には、社会的な信用性の低下により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)における日本経済は、雇用と所得環境は底堅さを維持しつつも10月の消費税率引き上げに伴う企業マインドの悪化が見られる事態になりました。当社もクライアントが広告出稿に慎重になっていることや、インターネットとの競争激化の影響を受けているほか、年明け以降は新型コロナウイルス感染症の広がりにより、収益環境が一段と厳しくなってきております。

このような状況の中、当社グループの連結売上高は前年同期比2.7%減の145,173百万円となりました。これはテレビ東京の放送収入が前年に比べて減少したことが主な要因です。また、連結営業利益は前年同期比13.8%減の5,128百万円となりました。アニメを中心とするテレビ東京のライツ事業は好調に推移したものの、放送収入の減少を補うことができず、減益となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。

 

 (地上波放送事業)

放送収入のうちタイム収入は、前年の「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会等の反動減や新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う各種イベントの中止が響き、前年同期比5.1%減の47,749百万円となりました。スポット収入は、市況の悪化や商品量不足もあり、前年同期比12.1%減の26,613万円となりました。この結果、タイム・スポット合計では、前年同期比7.7%減の74,363百万円となりました。また、番組販売収入は災害などで各局での番販番組の休止が多発したことなどにより、前年同期比0.8%減の4,675百万円となりました。

ソフトライツ収入は、配信収入の伸び悩みがあったものの、アニメの海外売上が順調に推移し、前年同期比2.7%増の27,720百万円となりました。

イベント収入は、フィギュアスケートのイベントやバラエティ番組関連のイベントが好調で、前年同期比15.2%増の1,459百万円となりました。

一方、営業費用は、番組制作費や代理店手数料の減少、経費節減の徹底などにより、前年同期比3.3%減の106,398百万円となりました。

以上より、地上波放送事業の売上高は前年同期比4.3%減の111,394百万円、営業利益は前年同期比21.3%減の4,995百万円となりました。

 

(放送周辺事業)

通信販売関連は、テレビ・EC通販やお取り寄せグルメサイトが順調に推移し、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は前年同期比7.2%増の14,837百万円となりました。

CS放送関連は、加入者減少幅を想定の範囲内にとどめたほか、広告関連売上やライツ売上が堅調で、㈱エー・ティー・エックスの売上高は前年同期比15.0%増の5,970百万円となりました。

音楽出版関連は、印税収入が順調に推移し、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は前年同期比10.0%増の3,225百万円となりました。

以上の結果、上述3社を含む放送周辺事業の売上高は前年同期比2.6%増の41,995百万円、営業利益は前年同期比2.4%増の2,517百万円となりました。

 

(BS放送事業)

放送収入のうち、タイム収入は、ミニ枠セールスや特別番組セールスが好調で前年実績を上回りました。一方、スポット収入は、通販スポンサーの出稿が大きく減ったことなどにより前年実績を下回りました。タイム・スポット合計では前年実績を下回る結果となりました。

その他収入は、ソフトライツ事業の積極展開などで、売上高は前年を大きく上回りました。

一方、営業費用は、前年同期比0.4%減の15,098百万円となりました。

以上の結果、BS放送事業の売上高は前年同期比0.4%増の16,388百万円、営業利益は前年同期比10.6%増の1,289百万円となりました。

 

(コミュニケーション事業)

コミュニケーション事業は、動画広告が売上を伸ばしました。費用面では採用を行い人件費が増加しました。

以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は前年同期比6.3%増の4,809百万円、営業利益は前年同期比5.3%減の304百万円となりました。

 

財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 

2019年3月31日

2020年3月31日

資産合計

128,470

124,831

△3,638

負債合計

42,745

39,633

△3,111

純資産

85,725

85,197

△527

 

 

(資産)

流動資産は72,637百万円、前連結会計年度に比して1,155百万円の増となっております。これは主に、現金及び預金が2,931百万円の増となったことによるものです。

固定資産は52,194百万円、前連結会計年度に比して4,794百万円の減となっております。これは主に、投資有価証券が3,241百万円の減となったことによるものです。

 
(負債)

流動負債は34,378百万円、前連結会計年度に比して2,127百万円の減となっております。これは主に、その他が2,699百万円の減となったことによるものです。

固定負債は5,255百万円、前連結会計年度に比して984百万円の減となっております。これは主に、繰延税金負債が830百万円の減となったことによるものです。

 
(純資産)

純資産は85,197百万円、前連結会計年度に比して527百万円の減となっております。これは主に、利益剰余金が1,459百万円の増となったものの、その他有価証券評価差額金が2,215百万円の減となったことによるものです。

詳細につきましては「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」をご参照ください。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,430百万円増加、前年同期比12.6%増加となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は30,660百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(自2018年4月1日

至2019年3月31日)

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

8,946

8,801

投資活動によるキャッシュ・フロー

△3,195

△4,027

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,638

△1,339

現金及び現金同等物の増減額

4,108

3,430

現金及び現金同等物の期末残高

27,229

30,660

 

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は8,801百万円、前年同期比1.6%減少となりました。
 これは主に、売上債権の増減額が2,840百万円の収入増加となったものの、たな卸資産の増減額及び前受金の増減額がそれぞれ1,145百万円、2,824百万円の支出増加となるとともに、法人税等の支払額が612百万円の支出減少となったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4,027百万円、前年同期比26.0%増加となりました。
 これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,455百万円の増加となったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,339百万円、前年同期比18.2%減少となりました。
 これは主に、配当金の支払額が282百万円の減少となったこと等によるものです。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(自2018年4月1日

至2019年3月31日)

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

自己資本比率(%)

64.6

66.0

時価ベースの自己資本比率(%)

51.2

54.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

61.2

61.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

299.6

317.5

 

(注1)自己資本比率 : 自己資本 ÷ 総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額 ÷ 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債 ÷ キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー ÷ 利払い

(注2)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

(注3)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出して
おります。

(注4)キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フ
ローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち
利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結
キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績及び受注実績

当社グループの取引形態は一般的な製造業等における「生産」や「受注」といった概念が存在しないため記載しておりません。

(b) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

 地上波放送事業

 

 

 地上波放送

74,363

△7.7

 (タイム)

(47,749)

△5.1

 (スポット)

(26,613)

△12.1

 国内番組販売

4,675

△0.8

 BS放送関連等

2,197

3.3

 ソフトライツ

27,720

2.7

 イベント

1,459

15.2

 その他

976

30.6

 小計

111,394

△4.3

 放送周辺事業

41,995

2.6

 BS放送事業

16,388

0.4

 コミュニケーション事業

4,809

6.3

 売上高合計

174,587

△2.0

 調整額

△29,414

1.5

 合計

145,173

△2.7

 

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱電通

46,870

31.4

44,466

30.6

㈱博報堂DYメディアパートナーズ

18,396

12.3

16,157

11.1

 

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

①当連結会計年度の経営成績等

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

 

(自2018年4月1日

至2019年3月31日)

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

売上高

149,229

145,173

△4,055

△2.7

営業利益

5,947

5,128

△818

△13.8

経常利益

5,619

5,161

△458

△8.2

親会社株主に帰属する当期純利益

3,234

2,590

△643

△19.9

売上高営業利益率

4.0%

3.5%

△0.5%

 

 

当社グループの連結売上高は145,173百万円、前年同期比2.7%の減収となりました。アニメが海外を中心に好調を維持して過去最高を記録、前年同期比6.1%増の増収となったものの、タイム・スポット収入は市況低迷の影響を受けるなど前年同期比マイナス7.7%となりました。営業費用は140,045百万円、前年同期比でマイナス2.3%となりました。番組制作費などで経費コントロールを推し進めましたが、減価償却費など4K放送に関わる費用や、配信向けコンテンツを強化するための制作費が増加しました。この結果、連結の営業利益は、地上波の放送収入のマイナス分を、最高益を記録したアニメ事業の利益と制作費など費用のコントロールでカバーしましたが、5,128百万円、前年同期比13.8%減益となりました。また、経常利益は5,161百万円、前年同期比8.2%減益、親会社株主に帰属する当期純利益は2,590百万円、前年同期比19.9%減益となりました。

厳しい広告市況の下で、コストコントロールを強化し、放送収益の落ち込みを最小限に抑えながら、アニメ・コンテンツ事業やイベント・通販事業の拡充による放送外、放送周辺の事業への展開を強化、グループ全体の力を結集した成長を目指します。特にアニメ事業は中国現地での制作開始などでもう一段の飛躍を見込みます。また、すでに参画を決めている池袋のライブエンターテインメント事業の「 Mixalive TOKYO」でも、ライブとネット配信を融合したビジネス展開などを進めて行きます。

当社は春先より感染拡大防止の観点から BCP(事業継続計画)体制を取ってきましたが 、この間に明らかになった番組作りや働き方の問題点を克服し、「With Corona」の新しい日常に対応していきます。 番組制作や営業のあり方、在宅勤務を活用した働き方改革などを進め、企業体質を強化し、生産性向上につながる収益構造改革を進めていくことにより、将来的には売上高営業利益率5%の達成につなげていきたいと考えております。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。

 

(地上波放送事業)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

 

(自2018年4月1日

至2019年3月31日)

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

連結売上高

116,433

111,394

△5,039

△4.3

連結営業利益

6,348

4,995

△1,352

△21.3

 

 

 放送収入のうちタイム収入は、ネット・ローカル部門ともにPTセールスが順調に推移したものの、10月改編セールスでのベースダウンの影響を受けました。特番部門においては、前年の「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会等の反動に加え、「世界卓球2020韓国」の延期をはじめとした、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う各種イベントの中止が響き、タイムトータルで47,749百万円、前年同期比5.1%の減収となりました。スポット収入は、広告費のデジタルシフトやインバウンドの終了、消費税増税などにより市況が悪化。さらに商品量不足もあり26,613百万円、前年同期比12.1%の減収となりました。タイム・スポット合計では、74,363百万円、前年同期比7.7%の減収となりました。

番組販売収入は、「ラグビーワールドカップ」や「台風19号」などで各局での番販番組の休止が多発したほか、各局の編成事情によるレギュラー番販枠減が響き、4,675百万円、前年同期比0.8%減となりました。番組別では、「昼めし旅~あなたのご飯見せてください~」「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」が引き続き好調だったものの、「二代目 和風総本家」「モヤモヤさまぁ~ず2」「たけしのニッポンのミカタ!」などの売上が振るいませんでした。

ソフトライツ収入では、番組は、ドラマ「きのう何食べた?」や「孤独のグルメ」シリーズ、その他配信会社との連動ドラマが堅調に推移した一方、中国向け番販の減少やビデオグラム市場の縮小、新規案件が伸び悩みました。映画では、前年度公開の「日日是好日」が堅調でしたが、「泣くな赤鬼」などが目標を下回りました。アニメ事業は、国内の商品化やビデオグラムの取り扱いが減少したものの、中国をはじめとした海外で「NARUTO」の配信、ゲームが引き続き堅調に推移したうえ、新たに「BORUTO」「ブラッククローバー」も順調に売上を伸ばしました。この結果、ソフトライツ収入全体では、27,720百万円、前年同期比2.7%増収となりました。

イベント収入は、フィギュアスケート「ジャパンオープン2019」「カーニバル・オン・アイス2019」「ICE EXPLOSION2020」、舞台「美しく青く」「ゴッドタンマジ歌ライブ2020」が好調で、イベント収入全体では1,459百万円、前年同期比15.2%増収となりました。

一方、営業費用全体では、106,398百万円、前年同期比3.3%減少となりました。前年の「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会の反動減などによる番組制作費の減少や、売上減少に伴う代理店手数料の減少、経費節減の徹底などにより営業費用が前年を下回りました。

以上の結果、地上波放送事業の売上高は111,394百万円、前年同期比4.3%減収、営業利益は4,995百万円、前年同期比21.3%減益となりました。

 

(放送周辺事業)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

 

(自2018年4月1日

至2019年3月31日)

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

連結売上高

40,918

41,995

1,077

2.6

連結営業利益

2,457

2,517

59

2.4

 

 

通信販売関連は、オリジナルゴルフクラブ「DANGAN7シリーズ」が大ヒット商品に成長するなど、テレビ・EC通販の好調が続きました。また、お取り寄せグルメ「虎ノ門市場」についても、頒布会が人気を集め、順調に売上を伸ばしたことから、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は14,837百万円、前年同期比7.2%増収、3期連続で過去最高売上を更新しました。

CS放送関連は、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者減少幅を想定の範囲内にとどめたほか、広告関連売上やライツ売上が健闘し、放送外売上を前年よりも大きく伸ばしました。これにより、㈱エー・ティー・エックスの売上高は5,970百万円、前年同期比15.0%増収となりました。

音楽出版関連は、年間を通して、アニメ楽曲の二次利用を中心とした印税収入が順調に推移しました。「Re:ゼロから始める異世界生活」「新世紀エヴァンゲリオン」に加え、「FAIRY TAIL」など海外からの印税収入も貢献したことから、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は3,225百万円、前年同期比10.0%増収となりました。

以上の結果、上述3社を含む放送周辺事業の売上高は41,995百万円、前年同期比2.6%増収、営業利益は2,517百万円、前年同期比2.4%増益となりました。

 

 

(BS放送事業)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

 

(自2018年4月1日

至2019年3月31日)

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

連結売上高

16,326

16,388

61

0.4

連結営業利益

1,166

1,289

123

10.6

 

 

放送収入のうち、タイム収入では、「人生100年時代!利回りのみかた」や「レモンサワーでごちそうさま!」などのミニ枠セールスが好調でレギュラーセールスは前年実績を上回りました。また、特別番組セールスに関しても、「世界卓球2019ハンガリー」「バスケットボール日本代表国際試合 日本VSアルゼンチン」「BSテレ東 プロ野球中継2019」などのスポーツコンテンツや「経済スペシャル 令和×渋沢栄一~日本型経営の源流」「日経スペシャル SDGsが変えるミライ~小谷真生子の地球大調査~」などの経済コンテンツも好調で前年実績を上回り、タイム全体で前年実績を上回りました。一方、スポット収入に関しては前年度に引き続き通販スポンサーの出稿が大きく減ってきたことに伴い、前年実績を下回りました。全体としては、スポット収入減をタイム収入でカバーしきれず、前年実績を下回る結果となりました。

その他収入部門では、BSオリジナルドラマへの製作出資を中心に4K放送・配信・海外販売などのソフトライツ事業を積極展開し、前年を大きく上回る収益を確保しました。また、他社事業への出資参画や通販事業、イベント事業も好調に推移したため、部門全体の利益は前年同期比59.4%増と大幅な伸びとなりました。

一方、営業費用全体では、15,098百万円、前年同期比0.4%減少となりました。

以上の結果、BS放送事業の売上高は16,388百万円、前年同期比0.4%増収、営業利益は1,289百万円、前年同期比10.6%増益となりました。

 

(コミュニケーション事業)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

 

(自2018年4月1日

至2019年3月31日)

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

連結売上高

4,525

4,809

283

6.3

連結営業利益

320

304

△16

△5.3

 

 

コミュニケーション事業では、動画関連事業が好調に推移し、特に動画広告が売上を伸ばしました。また、キャラクターのEC事業も堅調に推移しました。費用面では既存事業の増強と新規事業開発を継続して行うための人材の採用を継続的に行い、人件費が増加しております。

以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は4,809百万円、前年同期比6.3%増収、営業利益は304百万円、前年同期比5.3%減益となりました。

 

②資本の財源及び資金の流動性

資本の財源

当社グループの自己資本比率は66.0%であり、安定した財務体質となっております。借入金など有利子負債は総資産に対し4.4%と低い比率になっております。今後も企業価値向上のための成長投資を継続的に行うために財務体質の健全化に努めてまいります。

 

資金の源泉と配分

当社グループの短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によるキャッシュ・フローです。設備投資など事業への資源配分や株主還元は、営業活動によるキャッシュ・フローや営業利益との適正なバランスを考慮しつつ判断しております。多額の設備投資・出資については、効果の及ぶ期間を見積もり、当該期間の利益計画などとの検討の上、設備投資委員会・出資委員会で決定しております。

設備投資に関しては、過去3年で本社屋移転・放送マスター設備更新・4K放送設備・ビデオセンター新設など将来の成長につながる投資を着実に行ってまいりました。また戦略的な出資についても、動画配信のパラビ・中国のアニメグッズ開発の現地法人など当社の最大の経営資源である番組・コンテンツの有効活用を図るべく行ってきました。今後も採算性を吟味し、財務規律を守ったうえで成長のための投資を積極的に推進してまいります。

株主還元につきましては、重要な経営課題のひとつとして位置付けております。認定放送持株会社体制の下、高い公共性を認識しながら、グループの成長と企業価値の増大、長期的な経営基盤の充実に向けた内部留保とのバランスを考慮し、安定的な配当の継続を重視しつつ、業績に応じた利益還元にも努めることを基本方針としております。具体的には、1株当たり20円を下限とした安定配当に加えて、業績に連動した配当として、連結ベースで配当性向30%を目標にしております。今期の年間配当は5年連続40円といたしました。配当性向は43.7%となりますが、株主還元の継続性、安定性を重視いたしました。

 

資金需要の主な内容と資金の流動性

当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、番組・コンテンツ制作費、コンテンツ購入費用、放送のための費用、広告代理店手数料、人件費などがあります。売上債権と棚卸資産から前受金と仕入債務を引いた運転資金は、今年度末で131億円です。

また、投資活動に係る資金支出は、番組・コンテンツ制作のための設備、放送のための設備、放送やマーケティングのためのIT投資などがあります。

当社グループの現金及び現金同等物の残高は、前年度末に比べ34億円増加の306億円となりました。売上高の2.5か月分の手元流動性となっており、短期的な資金の安全性は十分であると認識しております。

 

③重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(a)制作勘定

制作勘定のうち番組制作勘定について、放映権が2回以上ある場合の会計処理は、1回目の放映時及び2回目の放映時に分けて原価を全額費用化します。ただし、権利期間が2年以内のものについては、2回目の放映前に権利期間が完了した場合、その時点で全額費用化します。また、権利期間が2年超のものについては、2回目の放映前に契約時から2年を経過した場合、その時点で次回放映の計画を明確に示すなどその資産性を明確にできる場合を除き、原則として全額費用化することとしています。

 

(b)投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式投資を行っております。これらの株式には株価の存在する公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。

将来の市況悪化や投資先の業績悪化により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、減損の計上が必要となる可能性があります。

 

(c)繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産純額の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用として計上することになります。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に税金費用を減少し、利益を増加させることになります。

 

(d)退職給付費用

退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び年金資産の期待運用収益率などが含まれます。これらの基礎率が変化した場合、退職給付費用の追加が必要となる可能性があります。

 

(e)新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大は世界中の経済や社会活動に大きな影響を及ぼしており、日本においても先行きは極めて厳しい状況が続くことが予想されます。

当社グループでは、在宅勤務の活用などで社員の感染防止対策を徹底し、社会の要請に応える措置を取って参りました。ただ、国内での感染拡大などのリスクはなお残っており、クライアントの広告への慎重姿勢が長引いたり、番組制作が遅れたりする可能性も排除できないと見ております。

このような中、当連結会計年度の決算においては、既に中止が決定しているイベントに関する損失分を売上原価にて計上しておりますが、その影響は軽微です。

また、翌連結会計年度の広告収入は少なくとも上半期はリーマンショック時並みに減少することを想定しております。中国事業を拡大しているアニメ部門などの一段の成長は見込んでいるものの、広告収入の落ち込みをカバーできないものと予測しております。番組制作費やその他費用は抑制しますが、各段階利益とも減益となるものと予測しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2010年10月1日付で、㈱テレビ東京、㈱BSジャパン(現㈱BSテレビ東京)及びテレビ東京ブロードバンド㈱(現㈱テレビ東京コミュニケーションズ)との間において、それぞれの経営状況を管理・指導するための経営管理契約を締結しております。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、デジタル化により多様化する放送サービスへの対応と、今後の更なる高度化を目指した次世代放送サービスの実現、配信による新たなサービスの提供に向けて、より幅広い分野における利用技術の研究開発に取り組んでおります。

特に㈱テレビ東京技術局技術推進部を中心として、各放送サービスに関わる番組制作、伝送、送出、送信技術等に於いて研究開発を推進すると共に、4K番組と2K番組の同時制作の検討や、動画配信にも利用可能な効率的なシステムの開発を進めるなど、地上、BS、配信の3つのメディアを効果的に運用して、視聴者に良質で魅力的なコンテンツをお届けする体制作りに力を入れております。

また、BS4K放送のサービス充実や、放送と通信の連携を利用した字幕サービス、視聴データ取得によるサービスの向上をはじめ、㈱テレビ東京IT推進局配信技術部を中心として、動画配信サービスに関する技術検証を進めるなど、新たな放送・配信技術にも積極的に取り組んでおります。

引き続き基幹放送事業者として、地上・BSデジタル放送の安全信頼性の確保と価値向上、さらには動画配信を含めて視聴者のニーズに柔軟かつ速やかに対応することを目標とし、研究開発活動の成果を反映することで放送事業に役立てて参ります。

当連結会計年度の研究開発費の総額は49百万円であり、セグメントごとの活動は次のとおりであります。

 

(地上波放送事業)

デジタル放送関連

・東京スカイツリーと中継局、ネットワーク設備の安定的で、効率的な運用を目指した在京局による共同検討
・大規模災害時における放送の安定送出を目指した、十分な冗長系を考慮した設備検討

②番組制作関連

・超高精細度テレビジョン放送におけるHDR番組とSDR番組の同時制作の実証

・放送設備のIP化として、IPリモートプロダクションによる番組中継システムの効率化の実証

・超高精細度カメラ映像からのAIによる自動での複数映像切り出し技術の検証

・動画素材をAI画像・音声解析して自動でタグ付けを行い放送活用するシステムの開発

・スポーツ中継でのAI画像解析を使った自動得点CGを付与するシステムの開発と実証

・番組素材伝送用の次世代FPU装置による伝送方式の検討

・IP網や携帯キャリア網を利用した番組中継や素材伝送等の検証
・5Gシステムを利用したVRコンテンツ制作の検証

・テープレス(ファイル化)システムの導入における設備構築とワークフローの検討

・クラウドを利用した番組編集システムの検討

新技術調査、研究関連

・超高精細度テレビジョン放送システムの標準規格、運用規定の策定・改定
・放送と通信の連携サービスの為の規格検討、実証実験
・地上波テレビ放送の高度化に向けた方式検討、実証実験

・クラウドを利用したプレイアウトシステムの検証
・ハイブリッドキャストを利用した字幕放送の補助システムの実証実験
・同時配信サービスの実証実験

・データ放送を利用した視聴データ取得に関する実証実験
・周波数有効利用におけるテレビジョン放送、放送業務用設備への影響調査
・CM字幕への対応に関して技術及び運用における課題の検討
・CMや番組など放送素材ファイルのオンライン伝送に関する運用体制の検討

 

 

(放送周辺事業)

該当事項はありません

 

(BS放送事業)

BSデジタル放送関連

・ハイブリットキャストのサービス開始によるサービス内容の拡充

・周波数有効利用の為の周波数再編に関する検討

 

(コミュニケーション事業)

該当事項はありません