第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当第1四半期連結累計期間(2021年4月~6月)の日本経済は、緊急事態宣言が出されるなど引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けて個人消費が落ち込んだものの、ワクチン接種が始まるなどやや明るい材料も見られました。

こうした状況のなかで、広告出稿に積極的な姿勢を見せる企業もあり、当社グループの収益にも追い風が吹きました。広告収入はコロナ禍前の2019年度(2019年4月~6月)には及ばないものの、2020年度を上回っており、売上高は前年同期比19.5%増の34,588百万円となりました。一方で、感染防止等に最大限配慮しながら番組等のコンテンツ制作活動を一部再開したほか、海外展開を中心とするアニメ、ドラマやニュース番組の配信、オンラインイベント事業などいわゆる放送外のライツ事業を成長分野と位置付け、先行投資なども増やしました。この結果、営業費用は13.8%増の32,025百万円となりましたが、売上高の伸びがより大きかったことが寄与し、営業利益は217.7%増の2,562百万円、経常利益も193.5%増の2,726百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は282.0%増(約3.8倍)の1,733百万円となりました。

今後につきましては、ワクチン接種の加速を踏まえた国内経済活動の回復や輸出の伸びへの期待はあるものの、7月以降のコロナ感染の拡大、再度の緊急事態宣言の発出など不透明要因が残るほか、東京オリンピック後の広告市況も予断を許さないとみております。内外経済情勢の変化を慎重に見極めながら、放送事業の収益をできる限り安定させ、アニメ、配信、イベント事業などの成長分野を一段と強化して、利益予想の達成へ向けて当社グループの各事業の総力を結集していく所存です。

なお、2022年3月期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。この結果、前第1四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明における2022年3月期第1四半期の対前年同四半期増減率は、2021年3月期第1四半期に同基準を適用したと仮定して算出した参考値との比較となります。参考値の算出においては、(会計方針の変更)記載の内容のうち、主要な変更を考慮しています。セグメントごとの業績においても同様です。2021年3月期第1四半期に収益認識会計基準を適用したと仮定した場合の売上高は28,955百万円となります。

セグメントごとの業績は以下のとおりです。

 

[地上波放送事業]

地上波放送事業は㈱テレビ東京単体の事業となっております。

①放送事業(地上波放送、番組販売)

放送事業収入(売上高)の合計は18.6%増の19,440百万円となりました。

このうち番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は、系列局を通じた全国放送(ネット部門)において、番組編成を一部改めた4月クール(4月~6月)の通常放送(レギュラー番組)の提供金額に引き下げ圧力があったものの、単発型の広告出稿が好調に推移し、前年同期に比べて増収となりました。通常放送ではない特別番組(特番)部門でも、土日の夕方時間帯や、ゴールデンタイムを中心に編成した「テレ東音楽祭」といった大型特番の営業が好調に推移し、前年同期比大幅増となりました。この結果、タイム収入全体では3.9%増の10,753百万円となりました。

番組への提供ではないスポット広告は、コロナ禍でのテレワークなど情報・通信の需要増が見られました。この結果、当社のスポット収入は東京地区の業界平均を上回る54.6%増の7,104百万円となりました。

一方、地方放送局向けの番組販売では、地方局が昨年軒並み中止となった独自のスポーツ特番編成を復活させ、当社から番組を購入する需要が減少しました。この結果、当期の番組販売収入は3.6%減の1,081百万円となりました。番組別では「家、ついて行ってイイですか?」や「YOUは何しに日本へ?」などレギュラー番組が好調となったものの、単発番組の「土曜スペシャル」は振るいませんでした。

コストの面はコロナが長期化するなか、安全面に配慮した番組制作活動を再開したことによる番組制作費の増加、売上が回復に転じたことに伴う代理店手数料の増加等により、放送事業原価は15.4%増の13,206百万円となりました。

前年同期比では売上、経費の双方とも増加しましたが、売上高増加の影響の方がより大きかったことから、放送事業の粗利益は26.0%増の6,233百万円となりました。

②ライツ事業(アニメ、配信ビジネス、イベントなど)

㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し、放送による広告以外に収入を上げている事業を「ライツ事業」と呼んでいます。海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、㈱日本経済新聞社や㈱TBSホールディングスなどと合弁で設立したプレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)が運営する「Paravi」などインターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入を指しています。

当第1四半期のライツ事業収入(売上高)の合計は43.0%増の6,080百万円となりました。

この主軸であるアニメ部門は、国内の販売が堅調に推移、海外においては中国企業に対する配信許諾や北米におけるNARUTOの商品化権の展開が好調となりました。この結果、アニメ部門全体の収入は32.1%増の4,269百万円になりました。

ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを課金プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、国内販売が前年同期を大きく上回りました。一方海外では「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」等の韓国、台湾などへの販売が堅調でしたが、中国向け販売の縮小が影響して減収となりました。映画は大きなヒットがなったものの、複数のタイトルを収益化したことにより増収となりました。この結果、配信ビジネス収入は57.5%増の1,211百万円となりました。

イベント部門においてはコロナの影響によりいくつかの計画に変更が生じましたが、「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」や新規のオンラインイベントを実施しました。この結果、イベント収入は231.4%増の194百万円となりました。

ライツ事業の全体の原価は増加しております。これは新型コロナウイルス感染症の影響で制作の延期や中止が相次いだ前年同期に比べて、ドラマやアニメの新規の制作が増加したことによるものです。この結果、ライツ事業の粗利益は16.7%増の2,564百万円となりました。

③その他費用(共通・間接費)

放送事業、ライツ事業に共通する人件費や販管費などの共通・間接費は、全社を挙げて「全コンテンツ・全配信」を推し進めたことや、新型コロナ拡大に伴って積極的な在宅勤務など「新たな働き方」へのシフトを進めたこともあり、7.5%増の7,008百万円となりました。

 

以上を総合すると、放送事業とライツ事業を併せた地上波放送事業(㈱テレビ東京単体)の決算は、売上高で23.6%増の25,520百万円となりました。また、両事業の粗利益合計から共通・間接費を差し引いた営業利益は184.7%増の1,790百万円、経常利益は89.0%増の3,293百万円、税引等調整前四半期純利益は93.7%増の3,263百万円となっております。


※2021年3月期第1四半期及び前年同期比(増減額、増減率(%))は、2021年3月期第1四半期に収益認識会計基準を適用したと仮定した場合の参考値です。

 

[放送周辺事業]

放送周辺事業は㈱テレビ東京ホールディングス及び㈱テレビ東京の子会社のうち、テレビ通販やEC事業、音楽出版、CS有料放送チャンネル、番組制作・販売や放送運営などを手掛ける会社で構成されております。

通信販売関連は、「なないろ日和!」で売れ筋だった美容/生活用品など定番商品の不振に加え、ゴルフ商材の品不足により供給が追い付かず、前年好調だったテレビ通販の売上が大幅に減少しました。これにより、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は6.8%減の2,754百万円となりました。

音楽出版関連は、「ブラッククローバー」「新世紀エヴァンゲリオン」等アニメ楽曲や、ドラマ「らせんの迷宮」の主題歌であるBTSの「Stay Gold」などによる国内印税収入が売上に貢献するとともに、ヨーロッパ地域でもアニメ関連の海外印税が好調に推移しました。しかしながら、サブスクリプションサービスによる印税収入が好調だった前年同期の水準までは届かず、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は13.6%減の730百万円となりました。

CS放送関連は、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者数の減少傾向が続きましたが、「Re:ゼロから始める異世界生活」シリーズをはじめとするライツ売上が好調で放送売上をカバーしました。これにより、㈱エー・ティー・エックスの売上は4.4%増の935百万円となりました。

番組制作関連は新型コロナウイルスの影響で前年中止になっていたゴルフ中継の復活や、配信の拡大により売上高が増加しました。

以上の結果、放送周辺事業全体の売上高は3.4%増の8,667百万円、営業利益は1.6%減の826百万円となりました。

 

[BS放送事業]

BS放送事業は㈱BSテレビ東京が手掛ける事業を指しております。

①放送事業(BS放送)

放送収入のうちタイム収入は、「マネーのまなび」や「グロースの翼~350万社の奮闘記~」などの新番組が寄与して増加しました。また、特番に関しては、コロナ禍で昨年中止となった「ヨネックスレディス」や「スターツシニアゴルフトーナメント」、「プロ野球交流戦」が今年は開催されたことや、「松田学の未来経済タイムズ」等の新規1社特番が決まったことなどにより、前年同期を上回ることが出来ました。

スポット収入に関しては、コロナ禍の影響を大きくは受けず、通販スポンサー以外の新規スポンサーの獲得や効率的なCM枠の運用で、前年同期を上回りました。

この結果、放送収入全体では前年・前々年同期を大きく上回る結果となりました。

②ライツ事業(配信ビジネス、イベント他)

ライツ部門では、ドラマ等オリジナル番組の配信プラットフォームなどへの番組販売やゴルフ通販事業が堅調でした。

③営業費用

営業費用は、前期はコロナ禍で番組制作が一部止まったことなどで減少しましたが、当四半期は番組制作を継続しているほか、放送収入も伸びたため、10.6%増の3,456百万円でした。

以上の結果、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の売上高は22.9%増の4,344百万円、営業利益は117.1%増の887百万円となりました。

 

[コミュニケーション事業]

コミュニケーション事業とは、㈱テレビ東京コミュニケーションズが手掛ける事業を指しております。

㈱テレビ東京と共同で行っている動画広告等の売上が前年同期を上回ったほか、キャラクターEC事業が昨年に続き好調に推移しました。

以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は18.3%増の1,020百万円、営業利益は26.2%増の75百万円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

流動資産は72,924百万円、前連結会計年度末に比べて1,831百万円増加しております。現金及び預金、制作勘定、未収還付法人税等がそれぞれ、1,122百万円、521百万円、1,311百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が1,426百万円減少したことによるものです。

固定資産は55,492百万円、前連結会計年度末に比べて1,490百万円減少しております。有形固定資産、投資その他の資産の投資有価証券がそれぞれ、789百万円、472百万円減少したことが主な要因です。

 

(負債)

流動負債は32,905百万円、前連結会計年度末に比べて761百万円減少しております。未払法人税等、未払費用、賞与引当金がそれぞれ、583百万円、490百万円、1,527百万円減少した一方で、その他が1,994百万円増加したことによるものです。

固定負債は5,586百万円、前連結会計年度末に比べて252百万円増加しております。その他が255百万円増加したことが主な要因です。

 

(純資産)

純資産は89,925百万円、前連結会計年度末に比べて850百万円増加しております。利益剰余金が1,212百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が384百万円減少したことが主な要因です。

  

(3) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は14百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。