第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
  なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当第2四半期連結累計期間(2021年4月~9月:以下「当第2四半期」)の日本経済は、新型コロナウイルス感染症対策のワクチン接種が国内で進んだことに伴い、一部に経済活性化の明るい動きも見られました。しかし、世界規模での新型コロナからの経済回復とともに起きた供給不足からくる物価上昇や、原油をはじめとした資源価格の高騰によるインフレ懸念など経済への不安要因も出てきました。

こうした状況のなかで、広告出稿に積極的な姿勢を見せる企業もあり、当社グループの収益には追い風となりました。広告収入はコロナ禍の2020年度(2020年4月~9月)を上回るだけでなく、コロナ前の2019年度をも上回りました。その結果、売上高は前年同期比17.7%増の70,863百万円となりました。一方で、感染防止等に最大限配慮しながら番組等のコンテンツ制作活動を実施したほか、海外展開を中心とするアニメ、ドラマやニュース番組の配信、オンラインイベント事業などいわゆる放送外のライツ事業を成長分野と位置付け、先行投資なども増やしました。この結果、営業費用は14.0%増の66,355百万円となりました。売上高の伸びがより大きかったことが寄与し、営業利益は124.3%増の4,508百万円、経常利益も122.8%増の4,794百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は187.5%増(約2.8倍)の3,037百万円となりました。

今後につきましては、国内での新型コロナウイルス感染の弱まりを受け、経済活動の制限緩和に伴う景気の力強い回復が期待されますが、10月にIMF(国際通貨基金)が出した世界経済見通しによると、2021年の日本の実質成長率の予想は7月時点より0.4ポイント下がって2.4%となるなど、先行きに不透明感も漂います。

原油高騰によるインフレ懸念や不動産大手・恒大集団の経営問題に端を発した中国景気の減速、また新型コロナウイルス感染の「第6波」など、今後も日本経済のリスク要因を慎重に見極めながら、回復した放送事業を安定させる一方、アニメ、配信、イベントなどの成長分野での収益拡大に向け、もう一段の飛躍を目指してビジネスの新規開拓を続けてまいる所存です。

なお、2022年3月期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。この結果、前第2四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明における2022年3月期第2四半期の対前年同四半期増減率は、2021年3月期第2四半期に同基準を適用したと仮定して算出した参考値との比較となります。参考値の算出においては、(会計方針の変更)記載の内容のうち、主要な変更を考慮しています。セグメントごとの業績においても同様です。2021年3月期第2四半期に収益認識会計基準を適用したと仮定した場合の売上高は60,217百万円となります。

セグメントごとの業績は以下のとおりです。

 

[地上波放送事業]

地上波放送事業は㈱テレビ東京単体の事業となっております。

①放送事業(地上波放送、番組販売)

放送事業収入(売上高)の合計は21.1%増の40,450百万円となりました。

このうち番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は、系列局を通じた全国放送(ネット部門)において、単発型の広告出稿が好調に推移したものの、番組編成を一部改めた4月以降の通常放送(レギュラー番組)の提供金額に下落圧力がかかり、前年同期に比べて減収となりました。通常放送ではない特別番組(特番)部門では、「東京オリンピック」の売上が当初の想定から大きく伸びたほか、昨年は中止となった大型スポーツ案件が今年は無事に開催され、セールスも好調に推移したことから前年同期比大幅増となりました。この結果、タイム収入全体では12.2%増の23,973百万円となりました。

番組への提供ではないスポット広告は、夏に一時的に不調となったものの、コロナでのテレワークや在宅需要の高まりによって『情報・通信』『飲料』『外食・各種サービス』を中心に好調が続きました。この結果、当社のスポット収入は東京地区の業界平均を上回る46.6%増の13,370百万円となりました。

一方、地方放送局向けの番組販売では、オリンピック・パラリンピック編成の影響などにより、当社から番組を購入する需要が減少しました。番組別では「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」や「YOUは何しに日本へ?」「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」が売上をのばしたものの、「ナゼそこ?」や「世界!ニッポン行きたい人応援団」など、売上上位10番組中7番組が前年同期比でマイナスとなりました。この結果、当期の番組販売収入は3.3%減の2,092百万円となりました。

コストの面はコロナが長期化するなか、安全面に配慮した番組制作活動を実施したことによる番組制作費の増加、売上が回復に転じたことに伴う代理店手数料の増加等により、放送事業原価は22.0%増の29,131百万円となりました。

前年同期比では売上、経費の双方とも増加しましたが、売上高増加の影響の方がより大きかったことから、放送事業の粗利益は18.9%増の11,319百万円となりました。

②ライツ事業(アニメ、配信ビジネス、イベントなど)

㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し、放送による広告以外に収入を上げている事業を「ライツ事業」と呼んでいます。海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、㈱日本経済新聞社や㈱TBSホールディングスなどと合弁で設立した㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)が運営する「Paravi」などインターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入を指しています。

当第2四半期のライツ事業収入(売上高)の合計は27.1%増の12,267百万円となりました。

この主軸であるアニメ部門は、中国企業に対する配信許諾や北米におけるNARUTOの商品化権などの海外展開が好調となりました。この結果、アニメ部門全体の収入は11.7%増の8,035百万円になりました。

ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを課金プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、前年同期と異なりコロナの影響を最小限に抑えることが出来た結果、なかでもドラマの制作が順調に進んで国内の配信事業による収益が大幅増となりました。一方海外では、中国向け配信の縮小が影響して減収となりました。また、ビデオグラムでは「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」「メンズ校」などが貢献して増収となり、映画は「花束みたいな恋をした」がヒットしました。この結果、配信ビジネス収入は59.5%増の3,012百万円となりました。

イベント部門においてはコロナの影響によりいくつかの計画に変更が生じましたが、「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」や新規のオンラインイベントを実施しました。この結果、イベント収入は190.9%増の319百万円となりました。

ライツ事業の全体の原価は増加しております。これは新型コロナウイルス感染症の影響で制作の延期や中止が相次いだ前年同期に比べて、ドラマやアニメの新規の制作が増加したことによるものです。この結果、ライツ事業の粗利益は20.2%増の5,755百万円となりました。

③その他費用(共通・間接費)

放送事業、ライツ事業に共通する人件費や販管費などの共通・間接費は、全社を挙げて「全コンテンツ・全配信」を推し進めたことや、新型コロナ対策を進めたこともあり、8.1%増の14,337百万円となりました。

 

以上を総合すると、放送事業とライツ事業を併せた地上波放送事業(㈱テレビ東京単体)の決算は、売上高で22.5%増の52,718百万円となりました。また、両事業の粗利益合計から共通・間接費を差し引いた営業利益は162.1%増の2,736百万円、経常利益は90.1%増の4,274百万円、税金等調整前四半期純利益は100.4%増の4,244百万円となっております。

 


※2021年3月期第2四半期及び前年同期比(増減額、増減率(%))は、2021年3月期第2四半期に収益認識会計基準を適用したと仮定した場合の参考値です。

 

[放送周辺事業]

放送周辺事業は㈱テレビ東京ホールディングス及び㈱テレビ東京の子会社のうち、テレビ通販やEC事業、音楽出版、CS有料放送チャンネル、番組制作・販売や放送運営などを手掛ける会社で構成されております。

通信販売関連は、「虎ノ門市場」が堅調に推移したものの、「なないろ日和!」での定番商品の不振とゴルフ商材の品不足の影響で、前年好調だったテレビ通販の売上が減少しました。これにより、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は1.2%減の6,037百万円となりました。

音楽出版関連は、Snow Manが歌う「ブラッククローバー」のテーマ曲や、「新世紀エヴァンゲリオン」などアニメ楽曲を中心とする国内印税収入が売上に貢献するとともに、ヨーロッパ地域でもアニメ関連の海外印税が好調に推移しました。しかしながら、サブスクリプションサービスによる印税収入が好調だった前年同期の水準までは届かず、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は6.2%減の1,585百万円となりました。

CS放送関連は、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者数が減少傾向であるものの、「Re:ゼロから始める異世界生活」シリーズを筆頭とするライツ売上、また制作委員会からの制作受注、コンビニ向け商品売上などで放送売上の減少をカバーしました。これにより、㈱エー・ティー・エックスの売上は3.5%増の1,847百万円となりました。

番組制作関連は新型コロナウイルスの影響で前年中止になっていたゴルフ中継の復活や、東京オリンピック関連番組、また配信の拡大により売上高が増加しました。

以上の結果、放送周辺事業全体の売上高は3.0%増の18,141百万円、営業利益は1.1%減の1,894百万円となりました。

 

[BS放送事業]

BS放送事業は㈱BSテレビ東京が手掛ける事業を指しております。

①放送事業(BS放送)

放送収入のうちレギュラーは、「マネーのまなび」や「グロースの翼~350万社の奮闘記~」などの新番組の決定、さらに単発通販番組の引き合いが好調でした。また、特番は、コロナ禍で昨年中止となった「ヨネックスレディス」や「ファンケルクラシック」、「プロ野球交流戦」などのスポーツイベントが開催されたことや、「松田学の未来経済タイムズ(月1回)」等の新規1社特番が決まったことなどにより、特番も好調でタイム収入は前年同期を上回ることが出来ました。

スポット収入も、コロナ禍の影響を大きくは受けず、通販スポンサー以外の新規スポンサーの獲得や効率的なCM枠の運用で、前年同期を大きく上回りました。

この結果、放送収入全体では前年比・前々年比ともに大幅な増収となりました。

②ライツ事業(配信ビジネス、イベント他)

ライツ部門では、緊急事態宣言下でイベントの休止など影響を受けましたが、映画の大ヒットがそれを補いました。またドラマ等オリジナル番組の配信プラットフォームなどへの番組販売や通販事業が堅調でした。

③営業費用

営業費用は、前年はコロナ禍で番組制作が一部止まったことなどで減少しましたが、当第2四半期は番組制作を継続しているほか、放送収入の増加に連動して代理店手数料も増加し、8.2%増の6,940百万円でした。

以上の結果、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の売上高は17.6%増の8,589百万円、営業利益は85.1%増の1,648百万円となりました。

 

[コミュニケーション事業]

コミュニケーション事業とは、㈱テレビ東京コミュニケーションズが手掛ける事業を指しております。

㈱テレビ東京と共同で行っている動画広告等の売上が前年同期を上回ったほか、キャラクターEC事業が昨年に続き好調に推移しました。また、動画配信にかかる受託事業も好調となりました。

以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は18.2%増の2,201百万円、営業利益は35.3%増の171百万円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

流動資産は71,009百万円、前連結会計年度末に比べて82百万円減少しております。制作勘定が1,426百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金、未収還付法人税等、その他がそれぞれ483百万円、215百万円、354百万円増加したことによるものです。

固定資産は55,721百万円、前連結会計年度末に比べて1,261百万円減少しております。有形固定資産が1,478百万円減少したことが主な要因です。

 

(負債)

流動負債は32,465百万円、前連結会計年度末に比べて1,202百万円減少しております。未払費用、賞与引当金、その他がそれぞれ、293百万円、258百万円、611百万円減少したことによるものです。

固定負債は5,332百万円、前連結会計年度末に比べて1百万円減少しております。退職給付に係る負債が32百万円減少した一方で、その他が28百万円増加したことが主な要因です。

 

(純資産)

純資産は88,934百万円、前連結会計年度末に比べて140百万円減少しております。利益剰余金が2,516百万円増加した一方、非支配株主持分が2,809百万円減少したことが主な要因です。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、27,358百万円、前年同期比10.2%の増加となりました。
 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は5,090百万円、前年同期比544.8%の増加となりました。
 これは主に、税金等調整前四半期純利益、棚卸資産の増減額、前受金の増減額がそれぞれ2,769百万円、1,609百万円、1,786百万円の収入増加、売上債権の増減額が2,615百万円の支出増加となったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は4,816百万円、前年同期比16.4%の減少となりました。
 これは主に、定期預金の預入による支出が1,801百万円増加し、定期預金の払戻による収入が702百万円の収入減少となったものの、関係会社株式の取得による支出、関係会社出資金の払込による支出がそれぞれ1,440百万円、2,192百万円の支出減少となったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は3,627百万円、前年同期比317.1%の増加となりました。
 これは主に、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が2,785百万円の増加となったこと等によるものです。

 

(4) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は23百万円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。