第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間(2021年4月~12月:以下「当第3四半期」)の日本経済は、新型コロナウイルス感染症対策のワクチン接種が国内で進んだことや感染者数の減少に伴い、年末に向けて飲食や旅行などの個人消費がやや持ち直したほか、設備投資など民間の需要も回復傾向を示しました。一方、原油などの資源価格の高騰や、新型コロナの変異株「オミクロン」の世界的な感染拡大による物流の混乱が招いた物価上昇もみられました。

こうした状況のなかで、広告出稿に積極的な姿勢を見せる企業もあったことから、当社グループの収益には追い風となりました。その結果、広告収入がコロナ禍の2020年度(2020年4月~12月)を大幅に上回り、売上高全体では前年同期比15.6%増の109,883百万円となりました。一方で、感染防止等に最大限配慮しながら番組等のコンテンツ制作活動を実施したほか、海外展開を中心とするアニメ、ドラマやニュース番組の配信、オンラインイベント事業などいわゆる放送外のライツ事業を成長分野と位置付け、先行投資なども増やしました。この結果、営業費用は13.0%増の102,230百万円となりました。売上高の伸びがより大きかったことが寄与し、営業利益は66.4%増の7,652百万円、経常利益も71.0%増の8,117百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は92.8%増の5,306百万円となり、各利益とも過去最高を更新しました。

今後につきましては、国内での「オミクロン」株感染拡大を受けたまん延防止等重点措置などにより、個人消費をはじめ様々な経済活動が停滞する懸念があります。このほか世界的なインフレ加速や、米欧の中央銀行による金融緩和の縮小に向けた動き、また米国とロシアのウクライナをめぐる緊張を含めた国際情勢など、日本経済のリスク要因を慎重に見極めてまいります。

スポットセールスを中心に順調に回復してきた放送事業による収益を安定させる一方、配信コンテンツの制作費を拡充するなど、アニメ、配信などへ積極的に投資して、一層の収益拡大、ビジネスの新規開拓を目指していく所存です。

なお、2022年3月期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。この結果、前第3四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明における2022年3月期第3四半期の対前年同四半期増減率は、2021年3月期第3四半期に同基準を適用したと仮定して算出した参考値との比較となります。参考値の算出においては、(会計方針の変更)記載の内容のうち、主要な変更を考慮しています。セグメントごとの業績においても同様です。2021年3月期第3四半期に収益認識会計基準を適用したと仮定した場合の売上高は95,036百万円となります。

セグメントごとの業績は以下のとおりです。

 

[地上波放送事業]

地上波放送事業は㈱テレビ東京単体の事業となっております。

①放送事業(地上波放送、番組販売)

放送事業収入(売上高)の合計は17.5%増の62,164百万円となりました。

このうち番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は、ネット部門・ローカル部門ともに単発型の広告出稿が好調に推移したことに加え、4月に下落傾向にあった通常放送(レギュラー番組)の提供金額が10月以降に回復して、前年同期に比べて増収となりました。通常放送ではない特別番組(特番)部門では、「東京オリンピック」の売上が当初の想定から大きく伸びたほか、大型スポーツ案件や年末のセールスが好調に推移したことに伴い、大幅増となりました。この結果、タイム収入全体では10.0%増の35,815百万円となりました。

番組への提供ではないスポット広告は、夏に一時的に不調となったものの、10月以降に復調。コロナでのテレワークや在宅需要の高まりによって『情報・通信』『飲料』『外食・各種サービス』を中心に好調が続きました。この結果、スポット収入は東京地区の業界平均を上回る36.8%増の21,682百万円となりました。

一方、地方放送局向けの番組販売では、一時的なコロナの沈静化に伴ってスポーツイベントが復活したことから他系列の地方放送局において特番編成が多くなり、当社から番組を購入する需要が減少しました。番組別では「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」や「YOUは何しに日本へ?」「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」が売上をのばしたものの、「昼めし旅」や「どうぶつピース!!」などが売上を落しました。この結果、当期の番組販売収入は3.0%減の3,184百万円となりました。

コストの面ではコロナが長期化するなか、安全面に配慮した番組制作活動を実施したことによる番組制作費の増加、売上が回復に転じたことに伴う代理店手数料の増加等により、放送事業原価は18.5%増の44,161百万円となりました。

前年同期比では売上、経費の双方とも増加しましたが、売上高増加の影響の方がより大きかったことから、放送事業の粗利益は15.3%増の18,002百万円となりました。

②ライツ事業(アニメ、コンテンツ、イベントなど)

㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し、放送による広告以外に収入を上げている事業を「ライツ事業」と呼んでいます。海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、㈱日本経済新聞社や㈱TBSホールディングスなどと合弁で設立した㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)が運営する「Paravi」などインターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入を指しています。

当第3四半期のライツ事業収入(売上高)の合計は21.7%増の19,121百万円となりました。

この主軸であるアニメ部門は、中国企業に対する配信許諾や北米におけるNARUTOの商品化権などの海外展開が好調となりました。この結果、アニメ部門全体の収入は8.1%増の12,332百万円になりました。

ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを課金プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、前年同期と異なりコロナの影響を最小限に抑えることが出来た結果、新作ドラマの制作が順調に進んだことに加え、「孤独のグルメ」シリーズ等のアーカイブ作品の配信権販売が好調となり、国内の配信事業による収入は大幅増となりました。一方海外では、中国向け配信の縮小が影響して減収となりました。また、ビデオグラムでは「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」「メンズ校」などが貢献して増収となり、映画は「花束みたいな恋をした」がヒットしたものの全体としては減収となりました。この結果、配信ビジネス収入は41.9%増の4,398百万円となりました。

イベント部門においてはコロナの影響によりいくつかの計画に変更が生じましたが、オンラインイベント「あちこちオードリー」や「ゴッドタン」、高校生eスポーツ大会「STAGE:0」を実施しました。この結果、イベント収入は163.6%増の811百万円となりました。

ライツ事業の全体の原価は増加しております。これは新型コロナウイルス感染症の影響で制作の延期や中止が相次いだ前年同期に比べて、ドラマやアニメの新規の制作が増加したことによるものです。この結果、ライツ事業の粗利益は27.6%増の9,344百万円となりました。

③その他費用(共通・間接費)

放送事業、ライツ事業に共通する人件費や販管費などの共通・間接費は、全社を挙げて「全コンテンツ・全配信」を推し進めたことや、新型コロナ対策を進めたこともあり、11.9%増の22,096百万円となりました。

 

以上を総合すると、放送事業とライツ事業を併せた地上波放送事業(㈱テレビ東京単体)の決算は、売上高で18.5%増の81,285百万円となりました。また、両事業の粗利益合計から共通・間接費を差し引いた営業利益は64.8%増の5,250百万円、経常利益は53.7%増の6,875百万円、税金等調整前四半期純利益は54.4%増の6,846百万円となっております。

 


※2021年3月期第3四半期及び前年同期比(増減額、増減率(%))は、2021年3月期第3四半期に収益認識会計基準を適用したと仮定した場合の参考値です。

 

[放送周辺事業]

放送周辺事業は㈱テレビ東京ホールディングス及び㈱テレビ東京の子会社のうち、テレビ通販やEC事業、音楽出版、CS有料放送チャンネル、番組制作・販売や放送運営などを手掛ける会社で構成されております。

通信販売関連は、上期不振だった「なないろ日和!」を中心とするテレビ通販の売上が回復傾向にあるものの、お取り寄せグルメ「虎ノ門市場」が減収となり、「おせち料理」をめぐる販売戦略に課題が残りました。これにより㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は前年同期比0.2%減の9,398百万円となりました。

音楽出版関連は、アニメ楽曲のほか、木ドラ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」のBGMやBTSによる「らせんの迷宮」の主題歌「Stay Gold」など、ドラマ関連楽曲の国内印税が売上に貢献しました。また、ヨーロッパや北米を中心とするアニメ関連の海外印税も好調に推移しました。しかしながら、サブスクリプションサービスによる印税収入が好調だった前年同期までは届かず、㈱テレビ東京ミュージックの売上は前年同期比2.2%減の2,355百万円となりました。

CS放送アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛ける㈱エー・ティー・エックスでは、秋以降の加入促進キャンペーンが奏功して加入者数の減少に歯止めがかかるとともに、「Re:ゼロから始める異世界生活」シリーズを筆頭とするライツ売上などが好調となったことで、加入者の減少に伴う売上減をカバーすることが出来ました。これにより同社の売上高は前年同期比1.1%増の2,694百万円となりました。

番組制作関連は、配信の拡大や新規イベントの受注、スタジオの効率的な運用により増収となりました。

以上の結果、放送周辺事業全体の売上高は2.3%増の27,600百万円、営業利益は0.3%増の2,737百万円となりました。

 

[BS放送事業]

BS放送事業は㈱BSテレビ東京が手掛ける事業を指しております。

①放送事業(BS放送)

放送収入のうちレギュラーは、「マネーのまなび」や「グロースの翼~350万社の奮闘記~」などの新番組の決定、さらに単発通販番組の引き合いが好調でした。また、特番は、コロナ禍で昨年中止となった「ヨネックスレディス」や「ファンケルクラシック」、「プロ野球交流戦」などのスポーツイベントが開催されたことや、「松田学の未来経済タイムズ(月1回)」等の新規1社特番が決まったことなどにより好調となりました。さらに、年末特番のセールスも好調となりました。これによりタイム収入は前年同期を上回ることが出来ました。

スポット収入も、コロナ禍の影響を大きくは受けず、通販スポンサー以外の新規スポンサーの獲得や効率的なCM枠の運用で、前年同期を上回りました。

この結果、放送収入全体では前年比・前々年比ともに大幅な増収となりました。

②ライツ事業(コンテンツ、イベント他)

ライツ部門では、緊急事態宣言下でイベントの休止など影響を受けましたが、出資映画の大ヒットがそれを補いました。またドラマ等オリジナル番組の配信プラットフォームなどへの番組販売や通販事業も堅調でした。

③営業費用

営業費用は、前年はコロナ禍で番組制作が一部止まったことなどで減少しましたが、当第3四半期は番組制作を継続しているほか、放送収入の増加に連動して代理店手数料も増加し、6.6%増の10,670百万円でした。

以上の結果、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の売上高は14.3%増の12,938百万円、営業利益は73.5%増の2,268百万円となりました。

 

[コミュニケーション事業]

コミュニケーション事業とは、㈱テレビ東京コミュニケーションズが手掛ける事業を指しております。

㈱テレビ東京と共同で行っている動画広告等の売上が前年同期を上回ったほか、カナヘイなどのキャラクターライセンス売上も好調に推移しました。また、動画配信にかかる受託事業も配信数の増加により売上が好調でした。

以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は10.4%増の3,444百万円、営業利益は11.7%増の276百万円となりました。

 

 

 

(2) 財政状態の分析

 

(資産)

流動資産は77,737百万円、前連結会計年度末に比べて6,645百万円増加しております。現金及び預金、受取手形及び売掛金がそれぞれ3,233百万円、5,327百万円増加した一方で、制作勘定が2,183百万円減少したことによるものです。

固定資産は53,845百万円、前連結会計年度末に比べて3,137百万円減少しております。有形固定資産、投資その他の資産の投資有価証券がそれぞれ2,179百万円、855百万円減少したことが主な要因です。

 

(負債)

流動負債は36,595百万円、前連結会計年度末に比べて2,927百万円増加しております。その他が2,680百万円増加したことによるものです。

固定負債は4,997百万円、前連結会計年度末に比べて336百万円減少しております。その他が310百万円減少したことが主な要因です。

 

(純資産)

純資産は89,991百万円、前連結会計年度末に比べて916百万円増加しております。利益剰余金が4,364百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金、非支配株主持分がそれぞれ731百万円、2,789百万円減少したことが主な要因です。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は35百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。