第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
  なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

(a)業績の概況

当中間連結会計期間(2024年4月~9月)の日本経済は、個人消費や企業の設備投資が底堅く推移し、緩やかな回復基調が続きました。一方で、原材料価格の上昇や人手不足の深刻化が進んでいるほか、米国や中国の景気減速懸念もあり、先行きが見通しづらくなっております。

こうした状況のなかで、当社グループは収益力向上に向け、強みである「アニメ」「経済報道」の強化、また「独自IP(知的財産)」の開発に努めております。当中間期においては、売上高は前年同期比4.0%増の73,781百万円、営業費用は5.2%増の71,778百万円となりました。売上高以上に営業費用が増加したことにより、営業利益は27.1%減の2,003百万円、経常利益は、受取配当金の減少も影響し33.9%減の2,182百万円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、前年に政策保有株式の売却益を計上した反動により、43.3%減の1,690百万円となりました。

また、当社グループの中核子会社である㈱テレビ東京の決算について、売上高が4.7%増の54,459百万円となりました。営業利益は49.4%減の756百万円、経常利益は42.3%減の1,980百万円、税引前中間純利益は55.9%減の1,979百万円となりました。㈱テレビ東京の事業を構成する放送事業、ライツ事業の状況についてはそれぞれ(b)セグメント別の状況の「地上波・BS放送事業」「アニメ・配信事業」に記載しております。

今後につきましては、国内外の不確実な状態が続く中、独自のコンテンツ作りを通じて放送事業の収益をできる限り確保しつつ、経済報道やドラマ等の配信サービス、またアニメの事業展開を一段と進めてまいります。海外については、中国市場に加え東南アジアや欧米、中東でのアニメ作品の配信、商品化を加速していきます。また、新規事業開発や成長投資も推し進め、テレビ東京グループの総力を結集して業績向上を目指してまいります。

 

(b)セグメント別の状況

セグメント別の業績は以下の通りです。

                                   (単位:百万円)

 

売上高

営業利益又は損失(△)

金額

前年同期比

金額

前年同期比

増減額

増減率(%)

増減額

増減率(%)

地上波・BS放送事業

47,612

1,893

4.1

987

406

69.9

アニメ・配信事業

20,975

592

2.9

1,217

△1,306

△51.7

ショッピング・その他事業

8,186

367

4.7

360

196

119.3

調整額

△2,992

△29

-

△562

△39

-

合計

73,781

2,824

4.0

2,003

△743

△27.1

 

 

[地上波・BS放送事業]

地上波・BS放送事業はテレビ東京グループ各社が行う放送事業となっております。

①地上波放送事業(㈱テレビ東京)

放送事業収入(売上高)の合計は5.0%増の38,454百万円となりました。

このうち番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は、系列局を通じた全国放送(ネット部門)において前年を上回りました。ミニ番組を活用した新規企画など、単発型の出稿のセールス強化が奏功した結果です。一方、首都圏放送(ローカル部門)は、時報CM企画などのセールス施策を行い新規のミニ番組を獲得しましたが、「パリオリンピック」によるレギュラー番組の休止などが影響し前年割れとなりました。ネットとローカルを合わせたレギュラー部門全体では、ネット部門が牽引し、前年を超える結果となりました。特別番組部門は、60周年の大型特番「JAPANプロジェクト」や「生きとし生けるもの」などのセールスが好調となったことに加え、「パリオリンピック」の放送もあり前年を大幅に上回りました。タイム収入全体では7.1%増の22,737百万円となりました。

スポット収入は、『交通・レジャー』『自動車・関連品』『飲料』などの出稿が好調となりました。東京地区の広告市場は前年同期比3.1%増と回復傾向にあり、㈱テレビ東京も商品量を確保し売上を伸ばしました。販促企画による新規広告主の獲得などにより、スポット収入は5.3%増の12,694百万円となりました。

地方放送局などへの番組販売では、他系列の地方放送局において、オリンピックなどの特別番組の編成が増加したこともあり、全体として番組購入需要が減少する傾向となりました。番組別では、「ありえへん∞世界」や「家、ついて行ってイイですか?」など販売が好調に推移した番組はあるものの、番組販売収入は2.2%減の2,088百万円となりました。

コストの面は売上が回復に転じたことに伴う代理店手数料の増加や、パリオリンピック開催による番組制作費の増加などにより、放送事業の費用は6.3%増の31,406百万円となりました。

売上よりも費用が大きく増えたため、㈱テレビ東京単体の放送事業利益は0.4%減の7,047百万円となりました。

②BS放送事業(㈱BSテレビ東京)

BS放送事業収入(売上高)の合計は0.5%増の7,760百万円となりました。

このうちタイム収入は、新番組「あの本、読みました?」を中心にオープン枠のセールスが好調だったことや、今年で5年目を迎えたSDGs特番のセールスも順調に推移したものの、例年8月に開催されていた「ファンケルクラシック」が10月に延期になったことなどから前年を下回りました。一方、スポット収入は、昨年10月改編以降、商品量を確保し、通販スポンサーを中心に効率的なセールスが奏功し、前年を大きく上回りました。この結果、放送収入全体としては前年を超えました。

営業費用は、番組制作費やソフト費等の減少により、1.5%減の6,512百万円となりました。

以上の結果、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の営業利益は12.5%増の1,247百万円となりました。

 

これらに加えて㈱テレビ東京メディアネットなど放送関連会社の売上を合計し、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は4.1%増の47,612百万円、営業利益は69.9%増の987百万円となりました。

 

[アニメ・配信事業]

アニメ・配信事業は、㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し放送による広告以外に収入を上げている「ライツ事業」や、㈱テレビ東京コミュニケーションズ・㈱エー・ティー・エックスなどのグループ会社が行うアニメのCS放送や音楽関連ビジネス事業を指します。主に海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、インターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入となります。

①ライツ事業(㈱テレビ東京)

当中間期におけるライツ事業の収入(売上高)は、2.7%増の15,775百万円となりました。

この主軸であるアニメ部門は、2023年12月に公開した「劇場版SPY×FAMILY CODE:White」の国内での配給収入や、海外での番組販売が好調でした。また、BORUTOの中国におけるSNSゲームやNARUTOの商品化ロイヤリティが順調に推移したことに加え、ブラッククローバーのゲーム化権などが売上を伸ばし、アニメ部門全体の収入は2.7%増の10,341百万円となりました。

ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを配信プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、広告付き無料動画配信(AVOD)の広告収入や「夫の家庭を壊すまで」「95」など新作ドラマの国内配信権販売、「きのう何食べた?」シリーズのビデオグラムなどが好調となりました。海外においても、アジア地域を中心にバラエティ番組や「孤独のグルメ」などドラマシリーズの販売収入が好調に推移しましたが、映画部門は好調だった前年の水準まで届かず、配信ビジネス部門全体の収入は2.4%増の5,013百万円となりました。

イベント部門については、放送と連動した「関暁夫ライブ2024」「川島明の辞書で呑むLIVE」などの有観客イベントが好調となったことに加え、「田村淳のTaMaRiBa」「巨大企業シーズン8」などオンラインイベントも積極的に実施し、イベント収入は5.8%増の420百万円となりました。

ライツ事業の全体の費用は、ドラマやアニメの新規制作が増加したことや、事業の拡大に伴い19.5%増の9,718百万円となりました。

以上の結果、ライツ事業の利益は16.3%減の6,056百万円となりました。

②その他アニメ・配信事業

音楽出版関連の㈱テレビ東京ミュージックは、北米・南米・欧州地域において「NARUTO」「BORUTO」等アニメ関連のBGMや一般楽曲等の海外印税収入が好調に推移しました。これにより㈱テレビ東京ミュージックの売上高は5.6%増の2,197百万円となりました。

CS放送アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛ける㈱エー・ティー・エックスは、放送売上に関しては、 加入促進キャンペーンを通して加入者数の大幅な落ち込みを食い止め、 増収となりました。ライツ売上に関しては、「東京リベンジャーズ」「陰の実力者になりたくて!」などを中心に引き続き堅調に推移したものの、前年には届かず減収でした。これにより㈱エー・ティー・エックスの売上高は0.4%増の1,683百万円となりました。

 

これらに加えて㈱テレビ東京コミュニケーションズの売上高を合計し、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は2.9%増の20,975百万円、営業利益は51.7%減の1,217百万円となりました。

 

[ショッピング・その他事業]

ショッピング・その他事業は㈱テレビ東京ダイレクトほか3社が手掛けるテレビ通販やECコマース、グループ全体のサポート事業を指しております。

㈱テレビ東京ダイレクトは、「虎ノ門市場」が定期購入の頒布会不振や海鮮商品の伸び悩みで減収となりましたが、「テレビ東京ショッピング」で夏物商品や健康商品が好調に推移し増収となりました。これにより㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は2.3%増の5,706百万円となりました。

 

これらに加えて㈱テレビ東京システム、㈱テレビ東京ビジネスサービス、㈱リアルマックスの売上高を合計して、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は4.7%増の8,186百万円、営業利益は119.3%増の360百万円となりました。

 

 


 


 

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

流動資産は83,247百万円、前連結会計年度末に比べて5,511百万円減少しております。主に、未収還付法人税等、現金及び預金、制作勘定がそれぞれ2,111百万円、1,405百万円、1,220百万円減少した一方で、商品が169百万円増加したことによるものです。

固定資産は57,313百万円、前連結会計年度末に比べて1,021百万円減少しております。有形固定資産、投資その他の資産がそれぞれ、864百万円、593百万円減少した一方で、無形固定資産が436百万円増加したことが主な要因です。

 

(負債)

流動負債は38,150百万円、前連結会計年度末に比べて5,455百万円減少しております。主に、その他、未払法人税等、支払手形及び買掛金がそれぞれ3,083百万円、1,429百万円、718百万円減少したことによるものです。

固定負債は3,928百万円、前連結会計年度末に比べて291百万円減少しております。その他が232百万円減少したことが主な要因です。

 

(純資産)

純資産は98,482百万円、前連結会計年度末に比べて786百万円減少しております。自己株式の取得により750百万円減少したことが主な要因です。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、32,741百万円、前年同期比1.3%の減少となりました。
 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は1,963百万円、前年同期比2,436百万円の増加となりました。これは主に、棚卸資産の増減額、未払費用の増減額がそれぞれ1,873百万円、2,097百万円の支出減少、その他が515百万円の支出増加となったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は2,571百万円、前年同期比94.1%の増加となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が3,505百万円の増加、定期預金の払戻による収入が1,546百万円の増加、投資有価証券の売却による収入が1,114百万円の減少、投資有価証券の取得による支出、無形固定資産の取得による支出がそれぞれ1,059百万円、795百万円の減少となったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は2,836百万円、前年同期比0.4%の減少となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が99百万円の増加、長期借入金の返済による支出が141百万円の減少となったこと等によるものです。

 

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は88百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。